JPH08156811A - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JPH08156811A
JPH08156811A JP6297739A JP29773994A JPH08156811A JP H08156811 A JPH08156811 A JP H08156811A JP 6297739 A JP6297739 A JP 6297739A JP 29773994 A JP29773994 A JP 29773994A JP H08156811 A JPH08156811 A JP H08156811A
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JP
Japan
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reservoir
gear housing
control valve
oil
power steering
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Application number
JP6297739A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Kato
廉享 加藤
Yoshiharu Inaguma
義治 稲熊
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
Akira Onishi
晶 大西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電動ポンプから供給される圧油によって作動さ
れる動力舵取装置において、装置全体のコンパクト化を
図り、車体への搭載性を向上させる。 【構成】ギヤハウジング50に形成されたシリンダ穴2
1と、このシリンダ穴21内を液密的に摺動可能に設け
られたフリーピストン22とから大気遮断型のリザーバ
20を構成して、リザーバ20をギヤハウジング50に
一体的に設けるとともに、油圧ポンプ12の吐出ポート
12bと制御弁40の供給口43とを接続するプレッシ
ャ通路60と、油圧ポンプ12の吸入ポート12aと制
御弁40の排出口45とを接続するリターン通路61
と、リザーバ20の油室23とリターン通路61とを連
通する連通路62とを各々ギヤハウジング50に内部通
路として形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のハンドル操舵力
を軽減するための動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車への設置スペースを削減す
るために小型化が図られ、車両への搭載性を向上するよ
うにした動力舵取装置には、例えば、特開平6−107
191号公報に示すものがあり、このものは、油圧ポン
プと電動モータとからなる電動ポンプを備えており、こ
の電動ポンプを動力舵取装置のハウジングに取り付ける
ようにして、油圧ポンプとサーボ弁とを結ぶ吐出流体用
の油圧配管の長さを短くし、さらに、電動ポンプをラッ
ク軸の軸線と平行に取り付けるようにして、電動ポンプ
に必要なスペースがギヤ部と平行な細長い形状となり、
ギヤ部周辺に位置するトランスミッション等の機器との
干渉を容易に避けるようにしたものである。
【0003】上記動力舵取装置には、リザーバが別体で
設置されており、ポンプ部及びギヤ部から油が還流され
るようになっている。このリザーバは、サクションホー
スを介して電動ポンプの吸入ポートと接続され、一方、
リターンホースを介してギヤ部の排出ポートと接続され
ている。なお、このリザーバのタンク内は、油温の変化
によって生ずる油体積の変化を吸収するために大気開放
されている。なお、ポンプの吐出ポートとギヤ部の供給
口とはプレッシャホースによって接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の動力舵取装置に
おいて、リザーバがポンプ部及びギヤ部に対して別体と
なっているため、配管作業が必要となり、組付作業性が
悪く、装置の小型化を図ることができないという問題が
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の動力舵取装置
は、上述した問題を解決するためになされたもので、請
求項1に記載の発明では、ギヤハウジングと、このギヤ
ハウジングに互いに相対回転可能に支承された入力軸及
び出力軸と、前記出力軸に形成したピニオン歯に噛合す
るラック歯が形成され前記ギヤハウジングに摺動可能に
設けられたラック軸と、このラック軸上に設けられたパ
ワーシリンダと、前記入力軸と前記出力軸との相対回転
によって前記パワーシリンダの両室への油の給排を制御
する制御弁と、この制御弁の供給口に吐出ポートから圧
油を吐出する油ポンプと、前記制御弁の排出口と前記油
ポンプの吸入ポートとの間に設けられたリザーバと、車
速に応じた回転速度で前記油圧ポンプを駆動する電動モ
ータとを備えた動力舵取装置において、前記ギヤハウジ
ングに前記リザーバを一体的に設けたことを特徴とする
ものである。
【0006】また、請求項2に記載の発明では、請求項
1に記載の動力舵取装置において、前記油圧ポンプの吸
入ポートと前記制御弁の排出口と前記リザーバとを連通
する第1内部通路と、前記油圧ポンプの吐出ポートと前
記制御弁の供給口とを連通する第2内部通路とを各々前
記ギヤハウジングに形成したことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、請求項3に記載の発明では、請求項
1または請求項2に記載の動力舵取装置において、前記
ギヤハウジングに形成され一端が大気に開口したシリン
ダ穴と、このシリンダ穴に液密的に摺動可能に嵌挿され
前記シリンダ穴とによって前記油圧ポンプの吸入ポート
に連通する油室を形成するフリーピストンとによって前
記リザーバを構成したことを特徴とするものである。
【0008】また、請求項4に記載の発明では、請求項
3に記載の動力舵取装置において、前記リザーバを構成
する前記シリンダ穴の軸線を前記入力軸の軸線と平行と
したことを特徴とするものである。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、リザーバをギ
ヤハウジングに一体的に設けるようにしたので、装置全
体のコンパクト化が図れ、リザーバとギヤ部とを1つの
部品として車体に簡単に搭載できる。また、リザーバと
油圧ポンプ,リザーバと制御弁の各々を接続する配管の
長さを短くすることができ、コストを低減することがで
きる。
【0010】また、請求項2に記載の発明によれば、外
部配管を廃止することができ、設置スペースの削減及び
コスト低減を図ることができる。また、請求項3に記載
の発明によれば、油室は油温の上昇にともなう作動油の
体積膨張により、フリーピストンがシリンダ穴の開口端
側に移動することによって容積増大し、また、作動油が
低温で放置されて体積が減少した際にはシリンダ穴の開
口端側とは逆方向にフリーピストンが移動することによ
って容積減少する。このように、フリーピストンのスト
ロークで作動油の体積変化を吸収し、油圧ポンプの吸入
側及び制御弁の排出側の通路中の圧力を大気圧に維持す
る。
【0011】従って、作動油が大気から完全に遮断さ
れ、リザーバの取付姿勢にかかわらず拘らず、省スペー
スかつ周辺装置との干渉を避けれる所に取付けることが
でき、また、リザーバから油があふれ出る恐れがなくな
り、動力舵取装置のシステムに密着させることができ、
さらに、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、リザーバを構成
するシリンダ穴の軸線を入力軸の軸線と平行としたの
で、ギヤハウジングにおいて、リザーバが形成された部
分の形状が入力軸と平行な細長い形状となり、周辺装置
との干渉を避けられ、さらにコンパクト化を図ることが
できる。
【0012】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は本発明の実施例である動力舵取装置の全体構
成を示す回路図であり、図2は本発明の実施例である動
力舵取装置の全体構成を示す外観図である。この動力舵
取装置は、主として、油圧源としての電動ポンプ10
と、油温の変化によって生ずる油容積の変化を吸収する
ためのリザーバ20と、ハンドル操作をパワーアシスト
するパワーシリンダ30と、ハンドルの回転に応じて作
動して電動ポンプ10からパワーシリンダ30に供給さ
れる作動油を絞り制御するロータリ式の制御弁40とに
よって構成されている。
【0013】ここで、上記電動ポンプ10は、自動車の
車速等に応じて回転速度を制御される電動モータ11
と、この電動モータ11によって駆動される油圧ポンプ
12とから構成されている。従って、油圧ポンプ12は
車速に応じた流量の作動油を吐出するようになってい
る。図3はギヤ部の断面を示したもので、50は軽量化
を図るため、アルミ鋳物にて製造されたギヤハウジング
で、このギヤハウジング50には入力軸51と出力軸5
2が同一軸線上に各々回転可能に収納され、これら入力
軸51と出力軸52はトーションバー53を介して互い
に相対回転可能に連結されており、入力軸51は図略の
ハンドルに連結されている。
【0014】前記入力軸51及び出力軸52には前記制
御弁40を構成するインナバルブ41及びアウタバルブ
42が各々設けられ、この制御弁40は図1に示すよう
に可変絞りV1〜V4を設けたブリッジ回路から構成さ
れ、入力軸51と出力軸52との相対回転により供給口
43を分配口44a,44bの一方に接続し、他方を排
出口45に連通するようになっている。
【0015】前記出力軸52の先端にはピニオン歯52
aが形成され、このピニオン歯52aにはラック軸54
に形成したラック歯54aが噛合しており、ラック軸5
4はギヤハウジング50に摺動可能に嵌挿され、両端に
は図略のタイロッドを介して操向車輪が連結されてい
る。前記ラック歯54aとピニオン歯52aの噛合部に
対してラック軸54の反対側のギヤハウジング50に
は、嵌合穴55が形成され、この嵌合穴55にはラック
ガイド56が挿入されている。嵌合穴55の開口端には
スプリング押え57が螺合され、このスプリング押え5
7とラックガイド56との間にはラックガイド56をラ
ック軸54側に付勢するスプリング58が介挿され、こ
のスプリング58の付勢力によってピニオン歯52aと
ラック歯54aが所定の噛合力で噛合するようになって
いる。
【0016】また、ラック軸54にはパワーピストン3
1が固定されており、このパワーピストン31はギヤハ
ウジング50の一端に圧入固定した円筒形状で鉄のパイ
プ材からなるシリンダ32の内周面を液密的に摺動する
ようになっており、このパワーピストン31とシリンダ
32とによって前記パワーシリンダ30を構成してい
る。
【0017】このパワーシリンダ30内はパワーピスト
ン31によって左室33aと右室33bに区画され、こ
れら左室及び右室33a,33bには各々、給排ポート
34a,34bが形成され、この給排ポート34a,3
4bは各々、鋼管であるターンチューブ35a,35b
を介して前記分配口44a,44bに各々接続されてい
る。
【0018】前記ギヤハウジング50には前記入力軸5
1の軸線と平行に隣接して一端が開口したシリンダ穴2
1が形成され、このシリンダ穴21にフリーピストン2
2が液密的に摺動可能に嵌挿されており、このフリーピ
ストン22とシリンダ穴21とによって油圧室23を区
画し、この油室23は後述する連通路62及びリターン
通路61を介して油圧ポンプ12の吸入側及び制御弁4
0の排出側に連通されており、また、フリーピストン2
2のシリンダ穴開口端側端面は大気開放されている。即
ち、前記ギヤハウジング50には、シリンダ穴21とフ
リーピストン22とによって構成され、作動油を大気に
対して遮断密封するし、かつ油圧ポンプ12の吸入側及
び制御弁40の排出側の作動油の圧力を大気圧に維持す
る大気遮断型のリザーバ20が一体的に設けられてい
る。
【0019】また、前記シリンダ穴21には前記油室2
3を大気と連通する調整穴24が形成され、この調整穴
24に詰栓25が液密的に螺合されている。これによ
り、組付け時、動力舵取装置に用いる作動油が通路中に
充満した時点で前記フリーピストン22をその油温での
適正位置にセットし、前記詰栓25を調整穴24に取り
付けることで、作動油を大気遮断するようにしている。
【0020】さらに、前記シリンダ穴21の開口端側に
は前記フリーピストン抜け止め用の係止部材26がスナ
ップリング27により前記シリンダ穴21に固定されて
おり、この係止部材26には前記フリーピストン22の
シリンダ穴開口端側を大気開放するための大気開放穴2
6aが形成されている。また、前記ギヤハウジング50
には、前記油圧ポンプ12の吐出ポート12bと前記制
御弁40の供給口43とを連通するプレッシャ通路60
が形成されるとともに、前記油圧ポンプ12の吸入ポー
ト12aと前記制御弁40の排出口45とを連通するリ
ターン通路61が形成され、このリターン通路61は連
通路62を介して前記リザーバ20の油室23と連通さ
れている。このように、前記油圧ポンプ12の吐出ポー
ト12bと前記制御弁40の供給口43,前記油圧ポン
プ12の吸入ポート12aと前記制御弁40の排出口4
5とリザーバ20の油室23とは各々ギヤハウジング5
0に形成された内部通路、つまり、プレッシャ通路6
0,リターン通路61,連通路62によって接続してい
るため、接続のための外部配管が不要となっている。
【0021】従って、前記油室23は油温の上昇にとも
なう作動油の体積膨張により、前記フリーピストン22
がシリンダ穴21の開口端側に移動することによって容
積増大し、また、作動油が低温で放置されて体積が減少
した際にはシリンダ穴21の開口端側とは逆方向に前記
フリーピストン22が移動することによって容積減少
し、作動油の体積変化に対応するようになっている。即
ち、このリザーバ20はフリーピストン22のストロー
クで作動油の体積変化を吸収し、前記油圧ポンプ12の
吸入側及び前記制御弁40の排出側の通路中の圧力を大
気圧に維持するようになっている。
【0022】ここで、上記リターン通路61及び連通路
62は第1内部通路に、上記プレッシャ通路60は第2
内部通路に各々相当する。図4は前記電動ポンプ10の
断面を示し、10aはポンプハウジングを示し、このポ
ンプハウジング10aに形成された中空室13内には、
カムリング14を挟んでサイドプレート15a,15b
が収納されており、サイドプレート15a,15bとカ
ムリング14は図略のピンによって半径方向を支持され
るようになっている。
【0023】前記カムリング14内にはロータ16が収
納され、カムリング14の内周面は楕円状のカム面とな
って、これに前記ロータ16に円周上複数形成された図
略のスリット内を摺動運動するベーン17の先端が当接
するようになっている。前記ロータ16はポンプハウジ
ング10aに回転可能に軸承された回転軸18にスプラ
イン結合され、この回転軸18はポンプハウジング10
aとボルト63によって連結されたモータケーシング1
0b内に収納された電動モータ11によって回転駆動さ
れるようになっている。
【0024】前記ロータ16及びカムリング14の両端
面は前記サイドプレート15a,15bの各端面に対接
して、前記周方向に隣接するベーン17間には密閉され
たポンプ室が形成され、ロータ16の回転に伴い前記ポ
ンプ室は容積拡大と縮小を繰り返し、そして、吸入ポー
ト12aより作動油が吸入され、吐出ポート12bへ圧
油が吐出される。
【0025】なお、図4中、19はポンプハウジング1
0aとサイドプレート15aとの間に設置されたウェー
ブワッシャであり、このウェーブワッシャ19によって
サイドプレート15aをカムリング14に押接してい
る。また、64はリリーフ弁で、圧油がリリーフ圧に達
した際に、弁体64aがスプリング64bの付勢力に抗
して移動し、圧油が吐出ポート12b側から吸入ポート
12a側に還流されるようになっている。
【0026】前記油圧ポンプ12及び電動モータ11と
は上記したようにボルト63によって連結された状態、
つまり、一体に組付けられた状態で、前記回転軸18の
回転軸線が前記ラック軸54の軸線と平行となるよう
に、ポンプハウジング10aがギヤハウジング50に形
成された取付穴65に嵌合され、ポンプハウジング10
aの一端に形成したねじ部に螺合するロックナット66
を締結することによってキヤハウジング50に固定され
ている。
【0027】次に、上述した構成に基づいて作動を説明
する。電動モータ11によって油圧ポンプ12のロータ
16が回転駆動されると、遠心力が各ベーン17に働
き、各ベーン17はスリット内から突出するようにして
その先端をカムリング14の内周カム面に当接滑動しな
がら回動して内周カム面の形状に沿ってスリット内を放
射方向に進退する。すると、内周カム面とロータ16の
外周面との間に形成され、ベーン17に区切られた複数
のポンプ室は各々容積を順次増減させて回動し、ポンプ
作用が行われる結果、作動油はリザーバ20の油室23
及び前記制御弁40の排出口45とに連通したリターン
通路61を介して吸入ポート12aからポンプ室に吸入
され、吐出ポート12bから吐出され、プレッシャ通路
60を介して制御弁40の供給口43に供給される。
【0028】ハンドルが操舵されていない直進走行状態
においては、入力軸51のインナバルブ41が出力軸5
2のアウタバルブ42に対して相対回転しないため、電
動ポンプ10からプレッシャ通路60を介して供給口4
3に送出された作動油はパワーシリンダ30の左右室3
3a,33bに当分量供給され、左右室33a,33b
には差圧が発生せず、また、一部の作動油は制御弁40
の可変絞りV1〜V4を経て排出口45からリターン通
路61を介して油圧ポンプ12の吸入ポート12aへ還
流される。
【0029】ハンドルが操舵されると、入力軸51のイ
ンナバルブ41が出力軸52のアウタバルブ42に対し
て相対回転し、これにより制御弁40が供給口43に送
出された作動油を分配口44a,44bの一方に分配制
御する。この作動油の分配制御により、ターンチューブ
34a,34bを介してパワーシリンダ30の左室及び
右室33a,33bに各々設けられた給排ポート34
a,34bにおいて作動油が給排されて、図略の操向車
輪の方向が変化する方向にパワーアシストされる。ここ
で、車速によって電動モータ11の回転速度が制御され
るため、電動ポンプ10からの圧油の吐出流量は車速に
よって変化しており、このため、車速に応じた最適なパ
ワーアシストを得ることができる。
【0030】一方、ギヤ部においては、ラック軸54と
出力軸52の噛合部は、ラック軸54のラック歯54a
の反対の背面側からラックガイド56で押圧されて所定
の噛合力で噛合した状態で、出力軸52の回動によっ
て、ピニオン歯52aとラック歯54aが噛み合い、相
互に作用してラック軸54が往復運動する。上記のよう
に、動力舵取装置が作動することによって、作動油の油
温が上昇し、作動油は体積膨張するが、この時、これに
対応して、リザーバ20の油室23とリターン通路61
とを連通する連通路62を介してリザーバ20の油室2
3内に増加分の作動油が導入され、リザーバ20のフリ
ーピストン22がシリンダ穴21の開口端側に移動す
る。即ち、増加分の作動油の体積だけ油室23の容積が
増大するため、リターン通路61中の作動油の圧力が大
気圧に維持される。
【0031】また、動力舵取装置が低温で放置された
時、作動油は体積減少するが、この時、これに対応し
て、リザーバ20の油室23内から減少分の作動油が排
出され、フリーピストン22がシリンダ穴21の開口端
側とは逆方向に移動する。即ち、減少分の作動油の体積
だけ油室23の容積が減少するので、リターン通路61
中の作動油の圧力は常に大気圧に維持される。
【0032】以上述べたように、上記においては、油圧
ポンプ12と電動モータ11がボルト63によって組付
けられ、電動ポンプ10として構成された状態で、かつ
電動ポンプ10の回転軸18の回転軸線がラック軸54
の軸線と平行となる位置で、油ポンプ12をギヤハウジ
ング50に設けた取付穴65に嵌合し、ロックナット6
6によって固定するとともに、ギヤハウジング50にリ
ザーバ20を一体的に設けた構成であるので、装置全体
のコンパクト化を図ることができ、リザーバ20とポン
プ部とギヤ部とを1つの部品として車体に簡単に搭載す
ることができる。また、上記のように制御弁40の排出
口45,リザーバ20の油室23及び油圧ポンプ12の
吸入ポート12aを接続する通路の通路長さを短くする
ことができ、コスト低減に寄与できる。また、油圧ポン
プの吸入ポートとリザーバとを接続する通路の通路長さ
を短くすることができることによって、低温時の吸入性
不良を低減することができる。
【0033】また、油圧ポンプの吸入ポートとリザーバ
とを接続するサクションホース,制御弁の排出口とリザ
ーバとを接続するリターンホース,油圧ポンプの吐出ポ
ートと制御弁の供給口とを接続するプレッシャホースを
全て廃止し、制御弁40の排出ポート45と油圧ポンプ
12の吸入ポート12aとを接続するリターン通路61
と、このリターン通路61とリザーバ20の油室23と
を接続する連通路62と、油圧ポンプ12の吐出ポート
12bと制御弁40の供給口43とを接続するプレッシ
ャ通路60とをギヤハウジング50に各々内部通路とし
て形成したので、装置全体のコンパクト化及びコスト低
減を図ることができる。また、装置全体で使用する油の
全体量を少なくでき、これによって油温変化による作動
油の体積変化量が小さくなるため、リザーバ20をさら
にコンパクト化することができる。
【0034】また、さらに、ギヤハウジング50に形成
され一端が大気に開口したシリンダ穴21と、このシリ
ンダ穴21に液密的に摺動可能に嵌挿され、シリンダ穴
とによって油圧ポンプ12の吸入ポート12aに連通す
る油室23を形成するフリーピストン22とによって構
成される大気遮断型のリザーバ20をギヤハウジング5
0に一体的に設けたので、作動油が大気から完全に遮断
され、リザーバ20の取付角度,取付位置、即ち、取付
姿勢に拘らず、省スペースかつ周辺装置との干渉を避け
れる所に取付けることができる。また、リザーバ20か
ら油があふれ出る恐れがなくなり、動力舵取装置のシス
テムに密着させることができ、さらに、装置全体のコン
パクト化を図ることができる。
【0035】また、さらに、リザーバ20を構成するシ
リンダ穴21の軸線を入力軸51の軸線と平行となるよ
うにギヤハウジング50に形成するようにしたので、ギ
ヤハウジング50において、リザーバ20が形成された
部分の形状が入力軸51と平行な細長い形状となり、周
辺装置との干渉を避けられ、さらにコンパクト化を図る
ことができる。
【0036】なお、上記においては、ギヤハウジング5
0にシリンダ穴21とフリーピストン22とから構成さ
れる大気遮断型のリザーバ20を設けるようにしたが、
大気開放型のリザーバをギヤハウジングに一体的に設け
るようにしても良い。即ち、本発明はこのものに限定さ
れるものではなく、リザーバをギヤハウジングに一体的
に設け、装置全体のコンパクト化を図るといった技術思
想を逸脱しない限り種々に変形可能である。
【0037】また、さらに、上記において、油圧ポンプ
12は、ベーンタイプのポンプから構成されているが、
このものに限定されるものではなく、例えば、ラジアル
プランジャポンプ,アキシャルプランジャポンプ,ギヤ
ポンプ等で構成しても良く、種々のポンプに適用可能で
ある。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の動力舵取装
置は、請求項1に記載の発明では、リザーバをギヤハウ
ジングに一体的に設けるようにしたので、リザーバとギ
ヤ部とを1つの部品として車体に簡単に搭載することが
でき、装置全体をコンパクト化することができる。ま
た、リザーバと油圧ポンプ,リザーバと制御弁の各々を
接続する配管の長さも短くでき、コスト低減に寄与でき
る。また、これによって低温時の吸入性不良の低減にも
寄与することができる。
【0039】請求項2に記載の発明では、油圧ポンプの
吸入ポートと制御弁の排出口とリザーバ、油圧ポンプの
吐出ポートと制御分の供給口を各々ギヤハウジングに形
成した内部配管にて接続するようにしたので、外部配管
の廃止によって、設置スペースがさらに削減できるとと
もに、コスト低減に寄与することができる。また、リザ
ーバと油圧ポンプとを接続していたサクションホースを
廃止することができ、低温時の吸入性不良を低減するこ
とができる。また、さらに、装置全体で使用する油の全
体量を少なくでき、これによって油温変化による作動油
の体積変化量が小さくなるため、リザーバをコンパクト
化することができる。
【0040】請求項3に記載の発明では、リザーバを一
端が大気に開口したシリンダと、このシリンダ内を液密
的に摺動するフリーピストンとから構成して、油温の変
化による作動油の体積変化をフリーピストンのストロー
クによって吸収するようにしたので、作動油が大気から
完全に遮断され、リザーバの取付角度,取付位置、即
ち、取付姿勢に拘ら省スペースかつ周辺装置との干渉を
避けれる所に取付けることができる。また、リザーバか
ら油があふれ出る恐れがなくなり、動力舵取装置のシス
テムに密着させることができ、さらに、装置全体のコン
パクト化を図ることができる。
【0041】請求項4に記載の発明では、リザーバを構
成するシリンダ穴の軸線を入力軸の軸線と平行となる位
置としたので、ギヤハウジングにおいて、リザーバが形
成された部分の形状が入力軸と平行な細長い形状とな
り、周辺装置との干渉を避けられ、さらにコンパクト化
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す動力舵取装置の全体構成
を示す回路図である。
【図2】本発明の実施例を示す動力舵取装置の全体構成
を示す組付図である。
【図3】本発明の実施例を示す動力舵取装置のギヤ部の
断面図である。
【図4】本発明の実施例を示す動力舵取装置の油ポンプ
の断面図である。
【符号の説明】
10 電動ポンプ 11 電動モータ 12 油圧ポンプ 12a 吸入ポート 12b 吐出ポート 20 リザーバ 21 シリンダ穴 22 フリーピストン 23 油室 30 パワーシリンダ 33a 左室 33b 右室 40 制御弁 43 供給口 45 排出口 50 ギヤハウジング 51 入力軸 52 出力軸 52a ピニオン歯 54 ラック軸 54a ラック歯 60 プレッシャ通路(第2内部通路) 61 リターン通路(第1内部通路) 62 連通路(第1内部通路)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 晶 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ギヤハウジングと、このギヤハウジング
    に互いに相対回転可能に支承された入力軸及び出力軸
    と、前記出力軸に形成したピニオン歯に噛合するラック
    歯が形成され前記ギヤハウジングに摺動可能に設けられ
    たラック軸と、このラック軸上に設けられたパワーシリ
    ンダと、前記入力軸と前記出力軸との相対回転によって
    前記パワーシリンダの両室への油の給排を制御する制御
    弁と、この制御弁の供給口に吐出ポートから圧油を吐出
    する油ポンプと、前記制御弁の排出口と前記油ポンプの
    吸入ポートとの間に設けられたリザーバと、車速に応じ
    た回転速度で前記油圧ポンプを駆動する電動モータとを
    備えた動力舵取装置において、前記ギヤハウジングに前
    記リザーバを一体的に設けたことを特徴とする動力舵取
    装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の動力舵取装置におい
    て、前記油圧ポンプの吸入ポートと前記制御弁の排出口
    と前記リザーバとを連通する第1内部通路と、前記油圧
    ポンプの吐出ポートと前記制御弁の供給口とを連通する
    第2内部通路とを各々前記ギヤハウジングに形成したこ
    とを特徴とする動力舵取装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の動力舵
    取装置において、前記ギヤハウジングに形成され一端が
    大気に開口したシリンダ穴と、このシリンダ穴に液密的
    に摺動可能に嵌挿され前記シリンダ穴とによって前記油
    圧ポンプの吸入ポートに連通する油室を形成するフリー
    ピストンとによって前記リザーバを構成したことを特徴
    とする動力舵取装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の動力舵取装置におい
    て、前記リザーバを構成する前記シリンダ穴の軸線を前
    記入力軸の軸線と平行としたことを特徴とする動力舵取
    装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1353817A1 (en) * 2000-10-03 2003-10-22 Trw Inc. Integrated electric power hydraulic steering system
JP2008179172A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Hitachi Ltd パワーステアリング装置
DE102015222864C5 (de) 2015-11-19 2024-03-07 Volkswagen Aktiengesellschaft Servosystem und hydraulisches Lenksystem für ein Fahrzeug

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