JPH08144105A

JPH08144105A - 乳房カップを有する衣類

Info

Publication number: JPH08144105A
Application number: JP15187895A
Authority: JP
Inventors: Itsuo So; 逸男相; Masayo Kurashige; 昌代倉重
Original assignee: Wacoal Corp
Current assignee: Wacoal Corp
Priority date: 1994-09-19
Filing date: 1995-06-19
Publication date: 1996-06-04
Anticipated expiration: 2017-01-21
Also published as: JP3247822B2

Abstract

(57)【要約】【目的】外観や着用感の低下がなく、個々の身体の形
状に沿いやすく、しかも左右の乳房の間の美しい乳房の
谷間をより強調し得る機能やバストアップ機能および／
またはバストを中央に寄せる機能など、補整力が必要な
部位の乳房カップの補整力の増強された乳房カップを有
する衣類を提供する。【構成】乳房カップの下辺部近傍から脇部近傍にかけ
ての部分の少なくとも一部を含む部分に充当される部片
に相当する下カップ部片２を腰を有する伸縮性シート状
物からなる伸縮性部片で構成し、当該伸縮性部片は、そ
れが充当されるべき部分の所定の大きさよりもやや小さ
めの部片（Ａ−Ｂ−Ｃ´−Ｄ´−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで
囲まれる部分）とし、当該部片が矢印５の方向に沿って
Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで囲まれる部分ま
で引き伸ばされて縫合されている乳房カップを有してな
るブラジャー。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、乳房カップを有する衣
類に関するものである。特に本発明は、着用者の乳房の
形状補整機能を有する乳房カップを有してなる衣類に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、乳房カップを有する女性用衣
類、具体的には、例えばブラジヤー、ロングラインブラ
ジャー、ビスチエ、ボディスーツ、スリーインワン、ブ
ラテディ、ブラキャミソールあるいはブラスリップなど
の乳房カップを有するファンデーション類や水着などの
衣類は、着用者の乳房に当てがわれる膨らみのある乳房
カップを有しており、これらの乳房カップを有する衣類
は、女性用の被服として広く普及している。

【０００３】これらの衣類の乳房カップは乳房に当てが
われるので、通常は幾つかの部片を組み合わせて立体的
な膨らみが形成される様に縫合されているのが一般的で
ある。

【０００４】乳房カップを有する従来の衣類の代表例と
してブラジャーを例にとって説明する。図２６は従来の
ブラジャーの一例のほぼ表側から見た斜視図である。

【０００５】この例の場合には乳房カップ２３１が、カ
ップの前中心側のくりからカップのほぼ中央部近傍を通
りカップの脇側のくりに達する接ぎライン２３４により
上カップ部片２３２と下カップ部片２３３の２枚の部材
がカップに膨らみが出るように接ぎ合わされて構成され
ている。尚、カップのくりとは、２３５で示したカップ
ほぼ下半分のほぼ半円状のカップの縁を意味する。この
カップのくりのところで衣類の本体である生地、この場
合はブラジャーの土台布２３６に縫合されてブラジャー
が形成されている。この様に２枚の部片が接ぎ合わされ
て構成されているカップを２枚接ぎタイプと称する。図
示していないが、これらの乳房カップは必要に応じて通
常比較的薄地の織物、編物ないしはレースなどからなる
表カップが更に設けられたり、あるいは必要に応じて裏
カバー布などが設けられた２枚重ねや３枚重ねの構造の
ものも存在する。

【０００６】また、図２７に、従来より知られている３
枚接ぎと称するタイプの乳房カップを有するブラジャー
の一例のほぼ表側から見た斜視図を示した。図２７に示
したブラジャーの乳房カップ２４１はカップの全体の形
状は図２６に示したものとほぼ同様であるが、カップの
構成部片が多少異なり、上カップ部片２４２と下前側カ
ップ部片２４３と下脇側カップ部片２４４の合計３枚の
部片で構成されている点である。接ぎライン２４５と２
４６に於ける縫製はカップに膨らみが出るように縫合さ
れている。そしてカップのくり２４７のところで土台布
２４８に縫合されてブラジャーが形成されている。

【０００７】また、図２８に、従来の３枚接ぎタイプの
乳房カップを有するブラジャーの別の態様のほぼ表側か
ら見た斜視図を示した。図２８に示したブラジャーの乳
房カップ２５１はカップの全体の形状も図２６や図２７
に示したものと若干異なっている。そしてカップの構成
部片がやや異なり、上カップ部片２５２と下カップ部片
２５３と脇カップ部片２５４の合計３枚の部片で構成さ
れている点である。接ぎライン２５５と２５６に於ける
縫製はカップに膨らみが出るように縫合されている。そ
してカップのくり２５７のところで土台布２５８に縫合
されてブラジャーが形成されている。

【０００８】以上、図２６〜２８を引用して説明した、
乳房カップを有する衣類の代表的な例であるブラジャー
の乳房カップを構成する各部片の大きさは、これらの従
来例に於いては、当該各部片が充当されるべき部分の所
定の大きさにほぼ必要な大きさの部片を用い縫合されて
いるのが通例である。これは、ブラジャーに限られるも
のではなく、他の乳房カップを有する衣類においてもほ
ぼ同様である。

【０００９】そして、これらの乳房カップの構成部片の
素材としては、通常の編物や織物の様にその両端部をつ
かんで水平に持ち上げ、その一方の端を離すと、離した
端部が容易にたらりとほぼ真下に垂れ下がってしまう様
な腰のほとんどないもの（剛軟性の小さいもの）より
は、やや腰のある比較的柔軟な素材が用いられており、
具体的には不織布やポリウレタンフォームあるいはその
少なくとも片面に編物や織物が積層されたものがよく用
いられている。これは、乳房カップが乳房の形を整える
機能を分担しているために、腰がほとんどないものより
は、ある程度腰のあるものが好ましいためである。

【００１０】女性の乳房は、一般に自然な状態では乳房
が脇方向に流れ、また下垂する傾向があり、乳房の形を
補整する機能のない衣類を着用すると乳房は脇方向に流
れ、また下垂し、着用者のバストの美しいシルエットが
実現できない。

【００１１】乳房の形を整えるには、乳房をアップした
り、乳房を前中心側に寄せる様にすることが好ましく、
たとえば、そのために乳房カップの全体または特に補整
したい特定部分に非伸縮性の素材を用いたり、特定部分
の補整力を増強するために特定部分に各種の裏打ち素材
を更に重ね合わせたり、伸縮性の素材を用いることが提
案されている。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】ところで、乳房カップ
の構成部材として非伸縮性の素材を用いる場合には、着
用者の身体の形状と一致している場合は問題が生じにく
いが、通常、着用者によって個々に身体形状が異なるの
で、身体形状に沿わない場合が多く、非伸縮性素材が用
いられている場合に、身体形状に沿わないと乳房の形を
美しい形に補整することができなくなったり、着用感が
低下すると言う問題がある。

【００１３】さらに、伸縮性の素材を用いた場合には、
個々の身体の形状に沿いやすくなると言うメリットはあ
るが、たとえばパワーネットの様な通常の厚さの伸縮性
編物などを用いた場合には腰がないのと、比較的薄手の
編物なので乳房を面状に押圧する力が弱く、乳房形状の
補整力が弱いと言う問題が有り、また、ストレッチ性不
織布などのようにやや厚みがあり腰のある素材を用いる
ことが考えられるが、先に説明したように、乳房カップ
を構成する各部片の大きさが、当該各部片が充当される
べき部分の所定の大きさにほぼ必要な大きさの部片を用
い縫合されているのが通常であるので、その伸縮力が乳
房カップの形を個々の身体の形状に沿いやすくすると言
う観点では良好に作用するが、乳房の形の補整したい部
位のカップ部分の補整力をアップさせると言う観点から
は余り考慮が払われておらず、なお、補整力が満足でな
いと言った問題がある。また、乳房をより中央に寄せて
左右の乳房の間の谷間を大きく見せる様にする点もバス
トを美しく見せる重要な要素になるがこの点についても
ほとんど考慮が払われておらず、なお補整力が十分では
ないと言った問題がある。

【００１４】（１）本発明は、上記の問題点を解消し、
外観や着用感の低下がなく、個々の身体の形状に沿いや
すく、しかも左右の乳房の間の美しい乳房の谷間をより
強調し得る機能やバストアップ機能および／またはバス
トを中央に寄せる機能など、補整力が必要な部位の乳房
カップの補整力を増強した乳房カップを有する衣類を提
供することを目的とするものである。

【００１５】また、そのほか後述する本発明の各好まし
い態様に於いては、前記目的のほかにそれぞれ更に次の
ような目的を有する。（２）すなわち、更に本発明は、左右の乳房の間の美し
い乳房の谷間をより強調し得る機能やバストアップ機能
やバストを中央に寄せる機能をより効果的に発揮し得る
乳房カップを有してなる衣類を提供することを目的とす
るものである。

【００１６】（３）また、更に、本発明の別の目的は、
身体の形状に沿いやすく、且つ、乳房形状の補整力のバ
ランスのとれた乳房カップを有してなる衣類を提供する
ことにある。

【００１７】（４）また、更に、本発明の別の目的は、
適度な柔軟性を有し着用感の低下がなく、かつ、乳房形
状の補整力が増強された乳房カップを有してなる衣類を
提供することにある。

【００１８】（５）また、更に、本発明の別の目的は乳
房カップ構成部片の入手が容易で前記目的を容易に実現
することが出来、繰り返しの洗濯などにたえることがで
き、ごわつき感などのない乳房カップを有してなる衣類
を提供することにある。

【００１９】（６）また、更に本発明の別の目的は、前
記乳房補整機能をより有効に利用し得る乳房カップを有
する衣類を提供することにある。

【００２０】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明の乳房カップを有してなる衣類は次の構成を
有するものである。

【００２１】（１）乳房カップの下辺部近傍から脇部近
傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分に充当さ
れる部片を腰を有する伸縮性シート状物からなる伸縮性
部片で構成し、当該伸縮性部片は、それが充当されるべ
き部分の所定の大きさよりもやや小さめの部片とし、当
該部片が引き伸ばされて縫合されている乳房カップを有
してなる衣類。

【００２２】（２）伸縮性部片の主として引き伸ばされ
る部分が、乳房カップの主として下辺部近傍から脇部近
傍にかけての部分の少なくとも一部である前記（１）項
に記載の乳房カップを有してなる衣類。

【００２３】（３）伸縮性部片が、その伸度が２０〜８
０％の伸縮性部片である前記（１）項または（２）項の
いずれかに記載の乳房カップを有してなる衣類。（４）伸縮性部片が、その剛軟度［ＪＩＳＬ１０９
６剛軟性Ｃ法（クラーク法）］が７０〜３００ｍｍの
伸縮性部片である前記（１）項〜（３）項のいずれかに
記載の乳房カップを有してなる衣類。

【００２４】（５）伸縮性部片が、（ａ）伸縮性を有す
る不織布、（ｂ）圧縮加工された発泡ポリウレタンシー
ト、または、（ｃ）これら（ａ）または（ｂ）のいずれ
かの少なくとも片面に伸びを有する編物および／または
織物が積層された積層シート状物から選ばれた伸縮性部
片である前記（１）項〜（４）項のいずれかに記載の乳
房カップを有してなる衣類。

【００２５】（６）衣類が乳房カップを有するファンデ
ーション類または水着である前記（１）項〜（５）項の
いずれかに記載の乳房カップを有してなる衣類。

【００２６】

【作用】

（１）本発明の衣類は、乳房カップの下辺部近傍から脇
部近傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分に充
当される部片を腰を有する伸縮性シート状物からなる伸
縮性部片で構成し、当該伸縮性部片は、それが充当され
るべき部分の所定の大きさよりもやや小さめの部片と
し、当該部片が引き伸ばされて縫合されている乳房カッ
プを有している。この様に当該部片が伸縮性を有するの
で、個々の着用者の身体の形状に沿いやすい乳房カップ
とすることができ、また、乳房カップの下辺部近傍から
脇部近傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分に
充当される部片を腰を有する伸縮性シート状物からなる
伸縮性部片で構成され、腰のある素材を用いているので
比較的薄手の編物などの様な腰のないものに比べて必要
な乳房形状の補整力が発揮できる。しかも、当該伸縮性
部片は、それが充当されるべき部分の所定の大きさより
もやや小さめの部片とし、当該部片が引き伸ばされて縫
合されていることにより、引き伸ばされた部位が元に戻
ろうとする緊締力（キックバック力）が発揮され、しか
も乳房カップの下辺部近傍から脇部近傍にかけての部分
の少なくとも一部を含む部分に充当される部片に適用さ
れているので、乳房の補整にとって補整パワーをかけた
い部位の少なくとも一部に増強された補整力が発揮さ
れ、乳房形状補整機能を有する乳房カップを備えた衣類
が提供できる。

【００２７】（２）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片の主として引き伸ばされる部
分が、乳房カップの主として下辺部近傍から脇部近傍に
かけての部分の少なくとも一部である本発明の好ましい
態様とすることにより、前述した様に女性の乳房は一般
に自然な状態では乳房が脇方向に流れ、また下垂する傾
向がありこの傾向を防止して、バストアップおよび／ま
たはバストを中央に寄せるなどの補整力がより効果的に
発揮出来、左右の乳房の間の谷間が大きくなりより美し
いバスト形状が実現可能な乳房カップを有する衣類を提
供し得る。

【００２８】（３）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片が、その伸度が２０〜８０％
の伸縮性部片である本発明の好ましい態様とすることに
より、２０％以上の伸度を有するので身体の形状に沿い
やすくするに好適な伸度が確保され、伸度が８０％以下
であるので乳房形状の補整力を十分に発揮することがで
き、従って身体の形状に沿いやすく、且つ、乳房形状の
補整力のバランスのとれた乳房カップを有する衣類を提
供し得る。

【００２９】（４）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片が、その剛軟度［ＪＩＳＬ
１０９６剛軟性Ｃ法（クラーク法）］が７０〜３０
０ｍｍの伸縮性部片である本発明の好ましい態様とする
ことにより、余り剛直にならず適度な柔軟性を有してい
るので着用感の低下がなく、かつ、十分な増強された補
整力を発揮し得る剛軟度を有する乳房カップを有してな
る衣類を提供し得る。

【００３０】（５）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片が、（ａ）伸縮性を有する不
織布、（ｂ）圧縮加工された発泡ポリウレタンシート、
または、（ｃ）これら（ａ）または（ｂ）のいずれかの
少なくとも片面に伸びを有する編物および／または織物
が積層された積層シート状物から選ばれた伸縮性部片で
ある本発明の好ましい態様とすることにより、これらの
構成部片は適宜の腰と伸縮性を有するものが容易に入手
でき、従って、本発明の前記目的を容易に実現すること
ができ、また、繰り返しの洗濯などにたえることがで
き、ごわつき感などのない乳房カップを有してなる衣類
を提供し得る。また、これら（ａ）または（ｂ）のいず
れかの少なくとも片面に伸びを有する編物および／また
は織物が積層された積層シート状物の場合には、伸びを
有する編物および／または織物の積層により伸縮性を有
する不織布または圧縮加工された発泡ポリウレタンシー
トの表面強度をより一層改良することができ、また、不
織布の場合は毛羽立って取り扱いしにくいものが、表面
がスムースになるのでミシンその他の製造装置での取り
扱いが容易になり、圧縮加工された発泡ポリウレタンシ
ートの場合においても表面の摩擦係数が小さくできるの
で、同様にミシンその他の製造装置での取り扱いが容易
になり、生産がよりスムースにできる。また、特に伸び
を有する編物および／または織物がカップ素材の肌側に
少なくとも積層されている場合には、不織布の毛羽立っ
た繊維の先端が肌に当たってちくちくすることがなく、
圧縮加工された発泡ポリウレタンシートの肌にくっつき
やすい性質が改良されて肌との接触がさらっとした好適
な感触になり、肌触りを改良できるので好ましい。

【００３１】（６）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、衣類が乳房カップを有するファンデーシ
ョン類または水着である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、ファンデーション類は女性の体形補整機能が
要求されかつ体形補正機能が発揮されやすい比較的肌に
近いかまたは直接肌に接して着用される衣類であるの
で、前述した乳房形状を美しい形状に補整する機能をよ
り的確に発揮し得る乳房カップを有する衣類を提供し得
る。また水着においては、ファンデーション類と同様に
直接肌に接して着用される衣類であり、また、女性の美
しいボディラインが強調される衣類であるので、前述し
た乳房形状を美しい形状に補整する機能をより的確に発
揮し得る乳房カップを有する衣類を提供し得る。

【００３２】

【実施例】以下、本発明の理解を容易にするために、図
面を参照しながら、本発明の乳房カップを有する衣類に
ついて、その具体例としてブラジャーを初めとして幾つ
かの例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこの
実施例のもののみに限定されるものではなく、また、例
えば、実施例に挙げたもののほか、ビスチエ、スリーイ
ンワン、ブラテディ、ブラキャミソールあるいはブラス
リップなどの乳房カップを有するファンデーション類の
みならず、他の各種の乳房カップを有する女性用の衣類
についても同様に適用できることは容易に理解されると
ころである。

【００３３】尚、本発明で言及した乳房カップの前部近
傍、下辺部近傍、脇部近傍のおおよその位置を説明する
ために図２２にブラジャーを例にとって説明する。他の
衣類の乳房カップについても同様である。図２２は乳房
カップの前部近傍、下辺部近傍、脇部近傍のおおよその
位置を説明するため斜視図である。１９１が乳房カップ
であり、Ｈ−Ｐ−Ｇ−Ｒ−Ｆ−Ｅのラインに沿った１９
２が乳房カップのくりであり、１９３が乳房カップが取
り付けられている衣類の本体部分でブラジャーの場合は
土台布である。厳密な境界があるわけではないが、本発
明で言及した乳房カップの前部近傍とは、衣類の前中心
側のカップ部分を示し、あえて図示するとおおよそＡ−
Ｈ−Ｇ−Ｂ−Ａの鎖線などで囲まれた部分１９４であ
る。また下辺部近傍とは、乳房カップのほぼ下側部分を
示し、あえて図示するとおおよそＢ−Ｇ−Ｆ−Ｃ−Ｂの
鎖線などで囲まれた部分１９５である。また脇部近傍と
は、乳房カップのほぼ脇側部分を示し、あえて図示する
とおおよそＣ−Ｆ−Ｅ−Ｄ−Ｃの鎖線などで囲まれた部
分１９６である。そして「乳房カップの下辺部近傍から
脇部近傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分」
とは、特に限定されるものではないが、例を挙げて説明
すれば、図２２において、たとえばＰ−Ｏ−Ｒ−Ｐの一
点鎖線などで囲まれた領域は前部近傍１９４も一部少し
含んでいるが「乳房カップの下辺部近傍部分の少なくと
も一部を含む部分」に該当することになる。従ってその
上位の概念である「乳房カップの下辺部近傍から脇部近
傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分」にも該
当することになる。ただし、図示していないが前部近傍
１９４が主たる部分であり、下辺部近傍１９５の占める
面積割合が前部近傍１９４の面積割合に比べてかなり小
さい場合には、「乳房カップの下辺部近傍の少なくとも
一部を含む部分」に該当しないものとする。従ってその
上位の概念である「乳房カップの下辺部近傍から脇部近
傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分」にも該
当しないことになる。また、図２２において、例えばＱ
−Ｏ−Ｒ−Ｅ−Ｑの一点鎖線などで囲まれた領域は，乳
房カップの下辺部近傍１９５の一部と脇部近傍１９６の
ほぼ全部を含むので、当然「乳房カップの下辺部近傍か
ら脇部近傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部
分」に該当することになる。また、図２２において、例
えばＱ−Ｏ−Ｓ−Ｔ−Ｑの一点鎖線で囲まれた領域は，
乳房カップの下辺部近傍１９５の一部と脇部近傍１９６
の一部とを含むので、「乳房カップの下辺部近傍から脇
部近傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分」に
該当することになる。また、例えばＰ−Ｏ−Ｑ−Ｅ−Ｒ
−Ｐの一点鎖線などで囲まれた領域は、同様に「乳房カ
ップの下辺部近傍から脇部近傍にかけての部分の少なく
とも一部を含む部分」に該当することになる。

【００３４】以上からも明らかな様に下辺部近傍１９５
および／または脇部近傍１９６の占める面積割合が前部
近傍１９４の面積割合に比べてかなり小さい場合には、
本発明で言う「乳房カップの下辺部近傍から脇部近傍に
かけての部分の少なくとも一部を含む部分」に該当しな
いこととする。

【００３５】以下、具体例を挙げて本発明の乳房カップ
を有する衣類について説明する。図１は本発明の乳房カ
ップを備えたブラジャーの乳房カップ部分の平面図であ
る。図２はその乳房カップの構成部片の展開図であり、
図３はファッション性を向上するためにさらに装飾用の
表カップ部が取り付けられた前記図１、図２で示した乳
房カップを具備したブラジャーの表側から見た斜視図で
ある。図１、図２においては左乳房用の乳房カップにつ
いての図面であり、右乳房用の乳房カップについての図
面は、ほぼ左右線対称であるので図示を省略した。

【００３６】図１において１が上カップ部片で、通常は
例えば不織布などの非伸縮性の素材またはその少なくと
も片面に編物あるいは織物が積層された非伸縮性の素材
が用いられているが、必要に応じて伸縮性素材を用いて
もよい。２は乳房カップ下辺部近傍から脇部近傍にかけ
ての部分を少なくとも充当する腰を有する伸縮性シート
状物からなる下カップ部片であり、下カップ部片２はそ
れが充当されるべき部分の所定の大きさは、Ａ−Ｂ−Ｃ
−Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで囲まれる部分であり、一部
鎖線を使って図示したＡ−Ｂ−Ｃ´−Ｄ´−Ｅ−Ｆ−Ａ
のラインで囲まれる部分が縫合される前の下カップ部片
２であり、これが矢印５の方向に沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ
−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで囲まれる部分まで引き伸ばされ
て土台布４（図１には示されていないが図３参照）や上
カップ部片１と縫合される。図２をもって説明すれば、
上カップ部片１のＨ−Ｉ−Ｊのラインに下カップ部片２
のＧ−Ｂ−Ｃ´のラインが縫合される際に下カップ部片
２は前述したように矢印５の方向に沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−
Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで囲まれる部分まで引き伸ばさ
れ上カップ部片１と縫合される。また、下カップ部片２
のＣ´−Ｄ´のラインは、前述の様にＣ−Ｄのラインに
まで引き伸ばされて土台布４（図２には示されていない
が図３参照）に縫合される。

【００３７】なお、図１においてＣ´−Ｄ´のラインと
これが引き伸ばされてＣ−Ｄラインとなる土台布の縁に
相当するＣ−Ｄラインとの間にはダーツ３がとられてい
る。そして図３に示した様に、表側にレースやプリント
生地などからなる表カップ部６が更に形成されて、ファ
ッション性を向上させた３／４カップのブラジャーとし
ている。

【００３８】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、下カップ部片２を腰を有する伸縮性シート状物で構
成し、乳房カップの主として下辺部近傍から脇部近傍に
かけての部分の下カップ部片２を引き伸ばして縫合して
いるので、引き伸ばされた部位が元に戻ろうとする緊締
力（キックバック力）が発揮され、乳房を身体中央側に
寄せ、且つ下からアップさせる様な力が増強されるの
で、バストアップおよびバストを中央に寄せるなどの補
整力が効果的に発揮され、また乳房の美しい谷間がより
大きく形成される。しかも、少なくとも下カップ部片が
伸縮性を有するので、着用者個々の身体の形状に沿いや
すい乳房カップとすることができる。従って、バスト補
整機能と着用感の良好な乳房カップを有してなるブラジ
ャーを提供できる。

【００３９】次に、図４は本発明の乳房カップを備えた
別の態様のブラジャーの乳房カップ部分の平面図であ
る。図５はその乳房カップの構成部片の展開図であり、
図６はファッション性を向上するためにさらに装飾用の
表カップ部が取り付けられた前記図４、図５で示した乳
房カップを有するブラジャーの表側から見た斜視図であ
る。図４、図５においては左乳房用の乳房カップについ
ての図面であり、右乳房用の乳房カップについての図面
は、ほぼ左右線対称であるので図示を省略した。

【００４０】図４において４０が上カップ部片、４１が
下前側カップ部片であり、これらは通常例えば不織布な
どの非伸縮性の素材またはその少なくとも片面に編物あ
るいは織物が積層された非伸縮性の素材から構成されて
いるが、必要に応じて伸縮性素材を用いてもよい。４２
は乳房カップ下辺部近傍の一部から脇部近傍の一部にか
けての部分を少なくとも充当する腰を有する伸縮性シー
ト状物からなる下脇側カップ部片であり、下脇側カップ
部片４２はそれが充当されるべき部分の所定の大きさ
は、Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分で
あり、一部鎖線を使って図示したＡ−Ｂ−Ｃ´−Ｄ´−
Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分が縫合される前の下脇側
カップ部片４２であり、これを矢印４５の方向に沿って
Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分まで引
き伸ばして土台布４４（図４には示されていないが図６
参照）や上カップ部片４０、下前側カップ部片４１と縫
合される。図５をもって説明すれば、上カップ部片４０
のＧ−Ｆのラインに下脇側カップ部片４２のＡ−Ｅ−Ｄ
´のラインが縫合される際に下脇側カップ部片４２は前
述したように矢印４５の方向に沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−
Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分まで引き伸ばされてＡ−
Ｅ−Ｄのラインとなって上カップ部片４０と縫合され
る。また、下前側カップ部片４１のＩ−Ｊのラインに下
脇側カップ部片４２のＡ−Ｂ−Ｃ´のラインが縫合され
る際に下脇側カップ部片４２は前述したと同様に引き伸
ばされてＡ−Ｂ−Ｃのラインとなって下前側カップ部片
４１と縫合される。また、下脇側カップ部片４２のＣ´
−Ｄ´のラインは、前述の様にＣ−Ｄのラインにまで引
き伸ばされて土台布４４（図５には示されていないが図
６参照）に縫合される。

【００４１】なお、図４においてＣ´−Ｄ´のラインと
これが引き伸ばされてＣ−Ｄラインとなる土台布の縁に
相当するＣ−Ｄラインとの間にはダーツ４３がとられて
いる。そして図６に示した様に、表側にレースなどから
なる表カップ部４６が更に形成されて、ファッション性
を向上させたフルカップのブラジャーとしている。

【００４２】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、下脇側カップ部片４２を腰を有する伸縮性シート状
物で構成し、乳房カップの主として下辺部近傍の一部か
ら脇部近傍の一部にかけての部分を少なくともカバーし
ている下脇側カップ部片４２を引き伸ばして縫合してい
るので、引き伸ばされた部位が元に戻ろうとする緊締力
（キックバック力）が発揮され、乳房を身体中央側に寄
せ、且つ下からアップさせる様な力が増強されるので、
バストアップおよびバストを中央に寄せるなどの補整力
が効果的に発揮され、また乳房の美しい谷間がより大き
く形成される。しかも、少なくとも下脇側カップ部片が
伸縮性を有するので、着用者個々の身体の形状に沿いや
すい乳房カップとすることができる。従って、バスト補
整機能と着用感の良好な乳房カップを有してなるブラジ
ャーを提供できる。

【００４３】次に、図７は本発明の乳房カップを備えた
更に別の態様のブラジャーの乳房カップ部分の平面図で
ある。図８はその乳房カップの構成部片の展開図であ
り、図９はファッション性を向上するためにさらに装飾
用の表カップ部が取り付けられた前記図７、図８で示し
た乳房カップを具備したブラジャーの表側から見た斜視
図である。図７、図８においては左乳房用の乳房カップ
についての図面であり、右乳房用の乳房カップについて
の図面は、ほぼ左右線対称であるので図示を省略した。

【００４４】図７において６１が上カップ部片で通常は
例えば不織布などの非伸縮性の素材またはその少なくと
も片面に編物あるいは織物が積層された非伸縮性の素材
から構成されているが、必要に応じて伸縮性素材を用い
てもよい。６２は乳房カップの前部近傍の一部を含み下
辺部近傍から脇部近傍の一部にかけての部分を少なくと
も充当する腰を有する伸縮性シート状物からなる下カッ
プ部片であり、下カップ部片６２はそれが充当されるべ
き部分の所定の大きさは、Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ａのライン
で囲まれる部分であり、一部鎖線を使って図示したＡ−
Ｂ−Ｃ−Ｄ´−Ａのラインで囲まれる部分が縫合される
前の下カップ部片６２であり、これを矢印６５の方向に
沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ａのラインで囲まれる部分まで
引き伸ばして土台布６４（図７には示されていないが図
９参照）や上カップ部片６１と縫合される。図８をもっ
て説明すれば、上カップ部片６１のＦ−Ｇ−Ｈのライン
に下カップ部片６２のＡ−Ｅ−Ｂのラインが縫合され，
また、下カップ部片６２のＢ−Ｃ−Ｄ´のラインがＢ−
Ｃ−Ｄのラインまで引き伸ばされて土台布６４（図８に
は示されていないが図９参照）に縫合される。

【００４５】なお、図７においてＣ−Ｄ´のラインとこ
れが引き伸ばされてＣ−Ｄラインとなる土台布の縁に相
当するＣ−Ｄラインとの間にはダーツ６３がとられてい
る。そして図９に示した様に、表側にレースなどからな
る表カップ部６６が更に形成されて、ファッション性を
向上させたフルカップのブラジャーとしている。

【００４６】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、下カツプ部片６２を腰を有する伸縮性シート状物で
構成し、乳房カップの主として下辺部近傍の一部から脇
部近傍の一部にかけての部分の下カツプ部片６２を矢印
６５の様に引き伸ばして縫合しているので、引き伸ばさ
れた部位が元に戻ろうとする緊締力（キックバック力）
が発揮され、乳房を身体中央側に寄せ、且つ下からアッ
プさせる様な力が増強されるので、バストアップおよび
バストを中央に寄せるなどの補整力が効果的に発揮さ
れ、また乳房の美しい谷間がより大きく形成される。し
かも、少なくとも下カップ部片が伸縮性を有するので、
着用者個々の身体の形状に沿いやすい乳房カップとする
ことができる。従って、バスト補整機能と着用感の良好
な乳房カップを有してなるブラジャーを提供できる。

【００４７】次に、図１０は本発明の乳房カップを備え
た更に別の態様のブラジャーの乳房カップ部分の平面図
である。図１１はその乳房カップの構成部片の展開図で
あり、図１２はファッション性を向上するためにさらに
装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図１０、図１
１で示した乳房カップを具備したブラジャーの表側から
見た斜視図である。図１０、図１１においては左乳房用
の乳房カップについての図面であり、右乳房用の乳房カ
ップについての図面は、ほぼ左右線対称であるので図示
を省略した。

【００４８】図１０において７０が上カップ部片、７１
が下前側カップ部片であり、これらは通常例えば不織布
などの非伸縮性の素材またはその少なくとも片面に編物
あるいは織物が積層された非伸縮性の素材から構成され
ているが、必要に応じて伸縮性素材を用いてもよい。７
２は乳房カップ下辺部近傍の一部から脇部近傍の一部に
かけての部分を少なくとも充当する腰を有する伸縮性シ
ート状物からなる下脇側カップ部片であり、下脇側カッ
プ部片７２はそれが充当されるべき部分の所定の大きさ
は、Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分で
あり、一部鎖線を使って図示したＡ−Ｂ−Ｃ´−Ｄ´−
Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分が縫合される前の下脇側
カップ部片７２であり、これを矢印７５の方向に沿って
Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのラインで囲まれる部分まで引
き伸ばして土台布７４（図１０には示されていないが図
１２参照）や上カップ部片７０、下前側カップ部片７１
と縫合される。図１１をもって説明すれば、上カップ部
片７０のＧ−Ｆのラインに下脇側カップ部片７２のＡ−
Ｅのラインが縫合され、また、上カップ部片７０のＧ−
Ｈのラインに下前側カップ部片７１のＩ−Ｌのラインが
縫合される。下脇側カップ部片７２のＡ−Ｂ−Ｃ´のラ
インが下前側カップ部片７１のＩ−Ｊ−Ｋのラインと縫
合される際に下脇側カップ部片７２は前述したように矢
印７５の方向に沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ａのライン
で囲まれる部分まで引き伸ばされてＡ−Ｂ−Ｃのライン
となって下前側カップ部片７１と縫合される。また、下
脇側カップ部片７２のＣ´−Ｄ´−Ｅのラインは前述し
た様にＣ−Ｄ−Ｅのラインにまで引き伸ばされてＣ−Ｄ
のラインで土台布７４（図１１には示されていないが図
１２参照）と縫合される。

【００４９】なお、図１０においてＣ´−Ｄ´のライン
とこれが引き伸ばされてＣ−Ｄラインとなる土台布の縁
に相当するＣ−Ｄラインとの間にはダーツ７３がとられ
ている。そして図１２に示した様に、表側にレースなど
からなる表カップ部７６が更に形成されて、ファッショ
ン性を向上させた３／４カップのブラジャーとしてい
る。

【００５０】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、下脇側カップ部片７２を腰を有する伸縮性シート状
物で構成し、乳房カップの下辺部近傍の一部から脇部近
傍の一部にかけての部分を少なくともカバーしている下
脇側カップ部片７２を引き伸ばして縫合しているので、
引き伸ばされた部位が元に戻ろうとする緊締力（キック
バック力）が発揮され、乳房を身体中央側に寄せ、且つ
下からアップさせる様な力が増強されるので、バストア
ップおよびバストを中央に寄せるなどの補整力が効果的
に発揮され、また乳房の美しい谷間がより大きく形成さ
れる。しかも、少なくとも下脇側カップ部片が伸縮性を
有するので、着用者個々の身体の形状に沿いやすい乳房
カップとすることができる。従って、バスト補整機能と
着用感の良好な乳房カップを有してなるブラジャーを提
供できる。

【００５１】次に、図１３は本発明の乳房カップを備え
た更に別の態様のブラジャーの乳房カップ部分の平面図
である。図１４はその乳房カップの構成部片の展開図で
あり、図１５はファッション性を向上するためにさらに
装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図１３、図１
４で示した乳房カップを有するブラジャーの表側から見
た斜視図である。図１３、図１４においては左乳房用の
乳房カップについての図面であり、右乳房用の乳房カッ
プについての図面は、ほぼ左右線対称であるので図示を
省略した。

【００５２】図１３において８０が上カップ部片、８１
が下カップ部片であり、これらは通常例えば不織布など
の非伸縮性の素材またはその少なくとも片面に編物ある
いは織物が積層された非伸縮性の素材から構成されてい
るが、必要に応じて伸縮性素材を用いてもよい。８２は
乳房カップ下辺部近傍の一部から脇部近傍にかけての部
分を少なくとも充当する腰を有する伸縮性シート状物か
らなる脇カップ部片であり、脇カップ部片８２はそれが
充当されるべき部分の所定の大きさは、Ａ−Ｇ−Ｂ−Ｃ
−Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで囲まれる部分であり、一部
鎖線を使って図示したＡ−Ｇ−Ｂ−Ｃ−Ｄ´−Ｅ−Ｆ−
Ａのラインで囲まれる部分が縫合される前の脇カップ部
片８２であり、これを矢印８５の方向に沿ってＡ−Ｇ−
Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ａのラインで囲まれる部分まで引
き伸ばして土台布８４（図１３には示されていないが図
１５参照）や上カップ部片８０、下カップ部片８１と縫
合される。図１４をもって説明すれば、上カップ部片８
０のＨ−Ｌのラインに脇カップ部片８２のＧ−Ｂのライ
ンが縫合され、また、上カップ部片８０のＬ−Ｋ−Ｊの
ラインに下カップ部片８１のＭ−Ｎ−Ｏのラインが縫合
される。更に、脇カップ部片８２のＢ−Ｃのラインが下
カップ部片８１のＭ−Ｐのラインに縫合される。また、
脇カップ部片８２のＣ−Ｄ´−Ｅ−Ｆのラインは前述し
た様にＣ−Ｄ−Ｅ−Ｆのラインにまで引き伸ばされてＣ
−Ｄのラインで土台布８４（図１４には示されていない
が図１５参照）と縫合される。

【００５３】なお、図１３においてＣ−Ｄ´のラインと
これが引き伸ばされてＣ−Ｄラインとなる土台布の縁に
相当するＣ−Ｄラインとの間にはダーツ８３がとられて
いる。そして図１５に示した様に、表側にレースなどか
らなる表カップ部８６が更に形成されて、ファッション
性を向上させた３／４カップのブラジャーとしている。

【００５４】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、脇カップ部片８２を腰を有する伸縮性シート状物で
構成し、乳房カップの下辺部近傍の一部から脇部近傍に
かけての部分を少なくともカバーしている脇カップ部片
８２を引き伸ばして縫合しているので、引き伸ばされた
部位が元に戻ろうとする緊締力（キックバック力）が発
揮され、この場合には乳房を身体中央側に寄せる力が強
く作用し、また一部下からアップさせる様な力が作用す
るので、バストを中央に寄せ、かつ全体として身体中心
方向の斜め上方への補整力が増強されて効果的に発揮さ
れ、特に乳房の美しい谷間がより大きく形成される。し
かも、少なくとも脇カップ部片が伸縮性を有するので、
着用者個々の身体の形状に沿いやすい乳房カップとする
ことができる。従って、バスト補整機能と着用感の良好
な乳房カップを有してなるブラジャーを提供できる。

【００５５】次に、図１６は本発明の乳房カップを備え
た更に別の態様のブラジャーの乳房カップ部分とその近
傍の一部の平面図である。ただし、表カップ部分は記載
していない。図１７はその乳房カップの構成部片の展開
図であり、図１８はファッション性を向上するためにさ
らに装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図１６、
図１７で示した乳房カップを有するブラジャーの表側か
ら見た斜視図である。図１６、図１７においては左乳房
用の乳房カップまたはその近傍部分についての図面であ
り、右乳房用の乳房カップについては、ほぼ左右線対称
であるので図示を省略した。図１６において１００が上
カップ部片、１０１が下前側カップ部片であり、これら
は通常例えば不織布などの非伸縮性の素材またはその少
なくとも片面に編物あるいは織物が積層された非伸縮性
の素材から構成されているが、必要に応じて伸縮性素材
を用いてもよい。１０２ａと１０２ｂは乳房カップ下辺
部近傍の一部から脇部近傍にかけての部分を少なくとも
充当する脇カップ部片であり、この場合には脇カップ部
片は２つの部分に分かれており、１０２ａが外脇カップ
部片、１０２ｂが内脇カップ部片であり、外脇カップ部
片１０２ａは通常例えば不織布などの非伸縮性の素材ま
たはその少なくとも片面に編物あるいは織物が積層され
た非伸縮性の素材から構成されており、内脇カップ部片
１０２ｂは腰を有する伸縮性シート状物からなる素材で
構成されている。内脇カップ部片１０２ｂはそれが充当
されるべき部分の所定の大きさは、Ａ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ａ
のラインで囲まれる部分であり、一部鎖線を使って図示
したＡ´−Ｂ´−Ｃ−Ｄ−Ａ´のラインで囲まれる部分
が縫合される前の内脇カップ部片１０２ｂであり、これ
を矢印１０５ａ、１０５ｂの方向に沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−
Ｄ−Ａのラインで囲まれる部分まで引き伸ばして外脇カ
ップ部片１０２ａや上カップ部片１００、下カップ部片
１０１と縫合される。１０４は土台布である。なお、Ａ
´−Ｄのラインとこれが引き伸ばされてＡ−Ｄラインと
なる外脇カップ部片１０２ａの縁に相当する部分（図１
７でＦ−Ｇで示されているライン）との間にはダーツ１
０３ａがとられている。同様にＥ−Ｂ´−Ｃのラインと
これが引き伸ばされてＥ−Ｂ−Ｃのラインとなる上カッ
プ部片１００の縁に相当する部分（図１７でＪ−Ｋで示
されているラインに相当する）との間にはダーツ１０３
ｂがとられている。これらのダーツが埋められる様に内
脇カップ部片１０２ｂが引き伸ばされてその周囲の部材
と縫合されるのである。

【００５６】図１７をもって説明すれば、上カップ部片
１００のＫ−Ｌのラインと下前側カップ部片１０１のＭ
−Ｎのラインが縫合される。更に、下前側カップ部片１
０１のＭ−Ｐのラインが内脇カップ部片１０２ｂのＣ−
Ｄのラインならびに外脇カップ部片１０２ａのＧ−Ｈの
ラインと縫合される。そして、内脇カップ部片１０２ｂ
のＡ´−Ｅ−Ｂ´−Ｃのラインは前述した様に矢印１０
５ｂの方向にＡ−Ｅ−Ｂ−Ｃのラインにまで引き伸ばさ
れてそのＥ−Ｂ−Ｃのラインで上カップ１００のＪ−Ｋ
のラインと縫合される。また、内脇カップ部片１０２ｂ
のＡ´−Ｄのラインは前述した様に矢印１０５ａの方向
にＡ−Ｄのラインにまで引き伸ばされて外脇カップ部片
１０２ａのＦ−Ｇのラインと縫合される。なお、図１７
において１０３ａと１０３ｂは図１６で説明したダーツ
部分である。

【００５７】そして図１８に示した様に、表側にレース
などからなる表カップ部１０６が更に形成されて、ファ
ッション性を向上させた３／４カップのブラジャーとし
ている。

【００５８】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、脇カップ部片のうち内脇カップ部片１０２ｂを腰を
有する伸縮性シート状物で構成し、乳房カップの下辺部
近傍の一部から脇部近傍にかけての部分を少なくともカ
バーしている内脇カップ部片１０２ｂを引き伸ばして縫
合しているので、引き伸ばされた部位が元に戻ろうとす
る緊締力（キックバック力）が発揮され、この場合には
乳房を身体中央側に寄せる力が強く作用し、また一部下
からアップさせる様な力が作用するので、バストを中央
に寄せ、かつ全体として身体中心方向の斜め上方への補
整力が増強されて効果的に発揮され、特に乳房の美しい
谷間がより大きく形成される。しかも、少なくとも内脇
カップ部片が伸縮性を有するので、着用者個々の身体の
形状に沿いやすい乳房カップとすることができる。従っ
て、バスト補整機能と着用感の良好な乳房カップを有し
てなるブラジャーを提供できる。

【００５９】次に、図１９は本発明の乳房カップを備え
た更に別の態様のブラジャーの乳房カップ部分とその近
傍の一部の平面図である。ただし、表カップ部分は記載
していない。図２０はその乳房カップの構成部片の展開
図であり、図２１はファッション性を向上するためにさ
らに装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図１９、
図２０で示した乳房カップを有するブラジャーの表側か
ら見た斜視図である。図１９、図２０においては左乳房
用の乳房カップまたはその近傍部分についての図面であ
り、右乳房用の乳房カップについては、ほぼ左右線対称
であるので図示を省略した。

【００６０】図１９、図２０において１１０が上カップ
部片、１１１が下前側カップ部片であり、これらは通常
例えば不織布などの非伸縮性の素材またはその少なくと
も片面に編物あるいは織物が積層された非伸縮性の素材
から構成されているが、必要に応じて伸縮性素材を用い
てもよい。１１２ａ、１１２ｂおよび１１２ｃは乳房カ
ップ下辺部近傍の一部から脇部近傍にかけての部分を少
なくとも充当する脇カップ部片であり、この態様の場合
には脇カップ部片は３つの部分に分かれており、１１２
ａが脇カップ外側部小部片、１１２ｂが脇カップ中央部
小部片、１１２ｃが脇カップ内側部小部片であり、脇カ
ップ外側部小部片１１２ａは通常例えば不織布などの非
伸縮性の素材またはその少なくとも片面に編物あるいは
織物が積層された非伸縮性の素材から構成されており、
脇カップ中央部小部片１１２ｂはは腰を有する伸縮性シ
ート状物からなる素材で構成されている。また、この態
様においては、脇カップ内側部小部片１１２ｃも腰を有
する伸縮性シート状物からなる素材で構成されている。

【００６１】脇カップ中央部小部片１１２ｂはそれが充
当されるべき部分の所定の大きさは、図１９の実線で示
されるＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ｇ−Ｈ−Ａのラインで
囲まれる部分であり、図１９では鎖線を使って図示した
Ａ´−Ｂ´−Ｃ´−Ｄ´−Ｅ´−Ｆ´−Ｇ´−Ｈ´−Ａ
´のラインで囲まれる部分が縫合される前の脇カップ中
央部小部片１１２ｂであり、これを矢印１１５ａ、１１
５ｂ、１１５ｃ、１１５ｄの方向に沿ってＡ−Ｂ−Ｃ−
Ｄ−Ｅ−Ｆ−Ｇ−Ｈ−Ａのラインで囲まれる部分まで引
き伸ばして脇カップ外側部小部片１１２ａや脇カップ内
側部小部片１１２ｃと縫合される。尚、Ｅ´−Ｆ´のラ
インはＥ−Ｆのラインになって下前側カップ部片１１１
の一部のラインと縫合されている。１１４は土台布であ
る。なお、図２０からも明らかな様に、脇カップ中央部
小部片１１２ｂのＥ´−Ｄ´−Ｃ´のラインと脇カップ
内側部小部片１１２ｃのＱ−Ｒ−Ｏラインに沿った縁に
相当する部分との間にはダーツ１１３ｂがとられてお
り、同様に脇カップ中央部小部片１１２ｂのＦ´−Ｇ´
−Ｈ´のラインと脇カップ外側部小部片１１２ａのＬ−
Ｋ−Ｊラインに沿った縁に相当する部分との間にはダー
ツ１１３ａがとられている。これらのダーツが埋められ
る様に脇カップ中央部小部片１１２ｂが引き伸ばされて
その周囲の部材と縫合されるのである。

【００６２】図２０をもってより詳細に各部片の相互の
縫合状況を説明すれば、上カップ部片１１０のＸ−Ｙの
ラインと下前側カップ部片１１１のＴ−Ｓのラインが縫
合される。更に、下前側カップ部片１１１のＳ−Ｕのラ
インが脇カップ内側部小部片１１２ｃのＰ−Ｑのライ
ン、脇カップ中央部小部片１１２ｂのＥ´−Ｆ´のライ
ンならびに脇カップ外側部小部片１１２ａのＬ−Ｍライ
ンと縫合される。また、上カップ部片１１０のＹ−Ｖの
ラインと脇カップ内側部小部片１１２ｃのＰ−Ｏのライ
ンとが縫合される。そして、脇カップ中央部小部片１１
２ｂのＥ´−Ｄ´のラインならびにＤ´−Ｃ´のライン
は前述した様にそれぞれ矢印１１５ｃ、１１５ｄの方向
に引き伸ばされて脇カップ内側部小部片１１２ｃのＱ−
ＲのラインならびにＲ−Ｏのラインと縫合される。ま
た、脇カップ中央部小部片１１２ｂのＦ´−Ｇ´のライ
ンならびにＧ´−Ｈ´のラインは前述した様にそれぞれ
矢印１１５ａ、１１５ｂの方向に引き伸ばされて、脇カ
ップ外側部小部片１１２ａのＬ−ＫのラインならびにＫ
−Ｊのラインと縫合される。なお、１１３ａと１１３ｂ
は前述したダーツ部分である。また、上カップ部片１１
０のＷ−Ｘのライン、下前側カップ部片１１１のＴ−Ｕ
のラインならびに脇カップ外側部小部片１１２ａのＭ−
Ｎのラインは、図１９に示した土台布１１４に縫合され
る。尚、上記で説明した各部片の相互の縫合状況は、縫
合の順序が上記の順序に限定されることを意味するもの
ではなく、本発明の目的とするブラジャーを作成し得れ
ば、他の任意の適当な縫合順序であっても、何ら差し支
えない。

【００６３】そして図２１に示した様に、表側にレース
などからなる表カップ部１１６が更に形成されて、ファ
ッション性を向上させた３／４カップのブラジャーとし
ている。

【００６４】この様にこの本発明のブラジャーにおいて
は、脇カップ部片のうち脇カップ中央部小部片１１２ｂ
を腰を有する伸縮性シート状物で構成し、乳房カップの
下辺部近傍の一部から脇部近傍にかけての一部をカバー
している脇カップ中央部小部片１１２ｂを引き伸ばして
縫合しているので、引き伸ばされた部位が元に戻ろうと
する緊締力（キックバック力）が発揮され、この場合に
は乳房を身体中央側に寄せる力が強く作用し、また一部
下から乳房をアップさせる様な力が作用すると共に、本
態様においては、脇カップ内側部小部片１１２ｃも腰を
有する伸縮性シート状物で構成されているので、着用状
態において脇カップ内側部小部片１１２ｃが伸びた時に
脇カップ中央部小部片１１２ｂも更により一層伸ばされ
ることになるので脇カップ中央部小部片１１２ｂの緊締
力（キックバック力）が一層大きく作用することにな
り、バストを中央に寄せ、かつ全体として身体中心方向
の斜め上方への補整力がより一層増強されて着用者のバ
ストの形を美しく整えると共に、バストの谷間がより美
しく深くなり、乳房の補整美容効果が効果的に発揮され
る。しかも、脇カップ中央部小部片１１２ｂと脇カップ
内側部小部片１１２ｃとが共に伸縮性を有するので、着
用者個々の身体の形状に沿いやすい乳房カップとするこ
とができる。従って、バスト補整機能と着用感の良好な
乳房カップを有してなるブラジャーを提供できる。

【００６５】次に図２３に本発明の乳房カップを有する
衣類の一実施例のロングラインブラジャーのほぼ前側か
ら見た外観の斜視図を示した。この態様に於ては、乳房
カップ２０１は、例えば図７で説明した様な乳房カップ
を適用しているのでその詳細な図示は省略した。従っ
て、このロングラインブラジャーに於いても図７で説明
したブラジャーと同様に乳房カップ部分に於いて、乳房
を身体中央側に寄せ、且つ下からアップさせる様な力が
増強されるので、バストアップおよびバストを中央に寄
せるなどの補整力が効果的に発揮され、また乳房の美し
い谷間がより大きく形成される。しかも、少なくとも下
カップ部片が伸縮性を有するので、着用者個々の身体の
形状に沿いやすい乳房カップとすることができる。従っ
て、バスト補整機能と着用感の良好な乳房カップを有し
てなるロングラインブラジャーを提供できる。

【００６６】次に図２４に本発明の乳房カップを有する
衣類の一実施例のボディスーツのほぼ前側から見た外観
の斜視図を示した。この態様に於ては、乳房カップ２１
１は、例えば図４で説明した様な乳房カップを適用して
いるのでその詳細な図示は省略した。従って、このボデ
ィスーツに於いても図４で説明したブラジャーと同様に
乳房カップ部分に於いて、乳房を身体中央側に寄せ、且
つ下からアップさせる様な力が増強されるので、バスト
アップおよびバストを中央に寄せるなどの補整力が効果
的に発揮され、また乳房の美しい谷間がより大きく形成
される。しかも、少なくとも下脇側カップ部片が伸縮性
を有するので、着用者個々の身体の形状に沿いやすい乳
房カップとすることができる。従って、バスト補整機能
と着用感の良好な乳房カップを有してなるボディスーツ
を提供できる。

【００６７】次に図２５に本発明の乳房カップを有する
衣類の一実施例の水着のほぼ前側から見た外観の斜視図
を示した。この態様に於ては、乳房カップ２２１は、例
えば図１０で説明した様な乳房カップを適用しているの
でその詳細な図示は省略した。

【００６８】従って、この水着に於いても図１０で説明
したブラジャーと同様に乳房カップ部分に於いて、乳房
を身体中央側に寄せ、且つ下からアップさせる様な力が
増強されるので、バストアップおよびバストを中央に寄
せるなどの補整力が効果的に発揮され、また乳房の美し
い谷間がより大きく形成される。しかも、少なくとも下
脇側カップ部片が伸縮性を有するので、着用者個々の身
体の形状に沿いやすい乳房カップとすることができる。
従って、バスト補整機能と着用感の良好な乳房カップを
有してなる水着を提供できる。

【００６９】以上、本発明の乳房カップを有する衣類に
ついて、その具体例としてブラジャー、ボディスーツ、
水着を取り上げて説明したが、本発明はこの実施例のも
ののみに限定されるものではなく、例えばビスチエ、ス
リーインワン、ブラテディ、ブラキャミソールあるいは
ブラスリップなどの乳房カップを有するファンデーショ
ン類のみならず、他の各種の乳房カップを有する女性用
の衣類についても同様に適用できることは容易に理解さ
れるところである。

【００７０】また、以上の具体例は伸縮性部片が乳房カ
ップの本体部分の一部として用いられる場合の例を示し
たが、本発明で言う「乳房カップの下辺部近傍から脇部
近傍にかけての部分の少なくとも一部を含む部分に充当
される部片」とは、当該部分の裏打ちなどとして充当さ
れる部片も含む意味であり、したがって、乳房カップと
して形成された本体部分への裏打ちなどとして本発明で
言う伸縮性部片を用い、それが裏打ちなどとして充当さ
れるべき裏打ち部分の所定の大きさよりもやや小さめの
部片とし、当該部片が引き伸ばされて縫合され裏打ちさ
れている様な態様とすることも可能である。

【００７１】本発明で用いられる腰を有する伸縮性シー
ト状物からなる伸縮性部片としては、前述した様にその
伸度が２０〜８０％のものが好ましく用いられ、また、
その剛軟度［ＪＩＳＬ１０９６剛軟性Ｃ法（クラ
ーク法）］は７０〜３００ｍｍ、より好ましくは８０〜
２５０ｍｍ程度の腰を有するものが好ましく用いられ
る。

【００７２】ここで、伸度（％）とは、本発明において
は伸縮性部片の良く伸びる方向での値であり、伸ばした
状態で伸び方向の生地の長さをｄ、伸ばす前の部片の元
の長さをｅとすると、［（ｄ−ｅ）／ｅ］×１００の値
である。伸度の測定方法は、試料の良く伸びる方向が試
験片の長さ方向になるように幅２．５ｃｍ×長さ１６．
０ｃｍの試験片を作成し、その長さ方向を上下方向に向
けてその両端をクリップでつかむ。上部つかみ長さを
２．５ｃｍ、下部つかみ長さを３．５ｃｍとし、従って
つかみ間隔は１０．０ｃｍとして定速伸長形引張試験機
に取り付け、３０±２ｃｍ／分の速度で試験片を伸ば
し、１．５ｋｇｆの荷重をかけて伸度を測定し、試験片
２つの平均値を求めて伸度とした。

【００７３】また、剛軟度については、試料のいずれの
方向で測定しても良い。伸縮性部片としては、（ａ）伸
縮性を有する不織布、（ｂ）圧縮加工された発泡ポリウ
レタンシート、または、（ｃ）これら（ａ）または
（ｂ）のいずれかの少なくとも片面に伸びを有する編物
および／または織物が積層された積層シート状物が好ま
しく用いられる。したがって前記（ｃ）の様な積層シー
ト状物の場合においては伸度や剛軟度については、積層
した状態で測定される。

【００７４】特に限定されるものではないが伸縮性を有
する不織布を用いる場合にはその見掛け密度が０．００
０２〜０．１ｇ／ｃｍ³ のものが好ましくもちいられ、
圧縮加工された発泡ポリウレタンシートを用いる場合に
はその見掛け密度が０．０２〜０．４ｇ／ｃｍ³ のもの
が好ましく用いられる。

【００７５】また、伸縮性部片の厚さについても特に限
定されるものではないが、通常１〜１５ｍｍ程度の厚さ
のものが好ましい。また、伸縮性部片を引き伸ばして縫
合する場合の引き伸ばし率についても特に制限はない
が、通常、線引き伸ばし率（引き伸ばされた長さの割
合）で３〜１０％程度が好ましい。即ち引き伸ばす前の
伸縮性部片の元の長さを１００％とすると、当該部分の
長さが１０３％〜１１０％程度の範囲になるように引き
伸ばし率を設定する事が好ましい。

【００７６】尚、前記具体的実施例においては、伸縮性
を有する不織布を使用する場合においては、ポリエステ
ル繊維（１００重量％）の伸縮性不織布（見掛け密度
０．０００３５ｇ／ｃｍ³ ）の表裏両面にポリエステル
繊維７０重量％と綿３０重量％から構成された編物が積
層された積層シート状物（伸度５８％、剛軟度１２０．
６ｍｍ、厚さ４ｍｍ）を用いた。また、圧縮加工された
発泡ポリウレタンシートを使用する場合においては、厚
さ７ｍｍの発泡ポリウレタンシートを厚さ１ｍｍに圧縮
した見掛け密度０．２１ｇ／ｃｍ³ の発泡ポリウレタン
シートの表裏両面にポリエステル繊維１００重量％から
なる編物が積層された積層シート状物（伸度３３％、剛
軟度８３ｍｍ）を用いた。

【００７７】尚、本発明の乳房カップを有する衣類の乳
房カップ部分に、装飾性、ファッション性などを持たせ
たりするためにその上にレースやトリコットその他の編
物や織物など比較的薄手の素材からなる表カップ部を設
けたり、あるいは、肌触りなどの関係から必要に応じて
裏カップ部などが設けられていることは、本発明の目的
が達成できる限り特に制限されるものではない。

【００７８】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。

【００７９】（１）本発明の衣類は、乳房カップの下辺
部近傍から脇部近傍にかけての部分の少なくとも一部を
含む部分に充当される部片を腰を有する伸縮性シート状
物からなる伸縮性部片で構成し、当該伸縮性部片は、そ
れが充当されるべき部分の所定の大きさよりもやや小さ
めの部片とし、当該部片が引き伸ばされて縫合されてい
る乳房カップを有している。この様に当該部片が伸縮性
を有するので、個々の着用者の身体の形状に沿いやすい
乳房カップとすることができ、また、乳房カップの下辺
部近傍から脇部近傍にかけての部分の少なくとも一部を
含む部分に充当される部片を腰を有する伸縮性シート状
物からなる伸縮性部片で構成され、腰のある素材を用い
ているので比較的薄手の編物などの様な腰のないものに
比べて必要な乳房形状の補整力が発揮できる。しかも、
当該伸縮性部片は、それが充当されるべき部分の所定の
大きさよりもやや小さめの部片とし、当該部片が引き伸
ばされて縫合されていることにより、引き伸ばされた部
位が元に戻ろうとする緊締力（キックバック力）が発揮
され、しかも乳房カップの下辺部近傍から脇部近傍にか
けての部分の少なくとも一部を含む部分に充当される部
片に適用されているので、乳房の補整にとって補整パワ
ーをかけたい部位の少なくとも一部に増強された補整力
が発揮され、乳房形状補整機能を有する乳房カップを備
えた衣類が提供できる。

【００８０】（２）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片の主として引き伸ばされる部
分が、乳房カップの主として下辺部近傍から脇部近傍に
かけての部分の少なくとも一部である本発明の好ましい
態様とすることにより、前述した様に女性の乳房は一般
に自然な状態では乳房が脇方向に流れ、また下垂する傾
向がありこの傾向を防止して、バストアップおよび／ま
たはバストを中央に寄せるなどの補整力がより効果的に
発揮出来、左右の乳房の間の谷間が大きくなりより美し
いバスト形状が実現可能な乳房カップを有する衣類を提
供し得る。

【００８１】（３）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片が、その伸度が２０〜８０％
の伸縮性部片である本発明の好ましい態様とすることに
より、２０％以上の伸度を有するので身体の形状に沿い
やすくするに好適な伸度が確保され、伸度が８０％以下
であるので乳房形状の補整力を十分に発揮することがで
き、従って身体の形状に沿いやすく、且つ、乳房形状の
補整力のバランスのとれた乳房カップを有する衣類を提
供し得る。

【００８２】（４）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片が、その剛軟度［ＪＩＳＬ
１０９６剛軟性Ｃ法（クラーク法）］が７０〜３０
０ｍｍの伸縮性部片である本発明の好ましい態様とする
ことにより、余り剛直にならず適度な柔軟性を有してい
るので着用感の低下がなく、かつ、十分な補整力を発揮
し得る剛軟度を有する乳房カップを有してなる衣類を提
供し得る。

【００８３】（５）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、伸縮性部片が、（ａ）伸縮性を有する不
織布、（ｂ）圧縮加工された発泡ポリウレタンシート、
または、（ｃ）これら（ａ）または（ｂ）のいずれかの
少なくとも片面に伸びを有する編物および／または織物
が積層された積層シート状物から選ばれた伸縮性部片で
ある本発明の好ましい態様とすることにより、これらの
構成部片は適宜の腰と伸縮性を有するのものが容易に入
手でき、従って、本発明の前記目的を容易に実現するこ
とができ、また、繰り返しの洗濯などにたえることがで
き、ごわつき感などのない乳房カップを有してなる衣類
を提供し得る。また、これら（ａ）または（ｂ）のいず
れかの少なくとも片面に伸びを有する編物および／また
は織物が積層された積層シート状物の場合には、伸びを
有する編物および／または織物の積層により伸縮性を有
する不織布または圧縮加工された発泡ポリウレタンシー
トの表面強度をより一層改良することができ、また、不
織布の場合は毛羽立って取り扱いしにくいものが、表面
がスムースになるのでミシンその他の製造装置での取り
扱いが容易になり、圧縮加工された発泡ポリウレタンシ
ートの場合においても表面の摩擦係数が小さくできるの
で、同様にミシンその他の製造装置での取り扱いが容易
になり、生産がよりスムースにできる。また、特に伸び
を有する編物および／または織物がカップ素材の肌側に
少なくとも積層されている場合には、不織布の毛羽立っ
た繊維の先端が肌に当たってちくちくすることがなく、
圧縮加工された発泡ポリウレタンシートの肌にくっつき
やすい性質が改良されて肌との接触がさらっとした好適
な感触になり、肌触りが改良された乳房カップを有する
衣類を提供し得る。

【００８４】（６）また、本発明の乳房カップを有する
衣類において、衣類が乳房カップを有するファンデーシ
ョン類または水着である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、ファンデーション類は女性の体形補整機能が
要求されかつ体形補正機能が発揮されやすい比較的肌に
近いかまたは直接肌に接して着用される衣類であるの
で、前述した乳房形状を美しい形状に補整する機能をよ
り的確に発揮し得る乳房カップを有する衣類を提供し得
る。また水着においては、ファンデーション類と同様に
直接肌に接して着用される衣類であり、また、女性の美
しいボディラインが強調される衣類であるので、前述し
た乳房形状を美しい形状に補整する機能をより的確に発
揮し得る乳房カップを有する衣類を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の乳房カップを備えたブラジャーの乳房
カップ部分の平面図。

【図２】図１に示した乳房カップの構成部片の展開図。

【図３】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
１、図２で示した乳房カップを有するブラジャーの表側
から見た斜視図。

【図４】本発明の乳房カップを備えた別の態様のブラジ
ャーの乳房カップ部分の平面図。

【図５】図４に示した乳房カップの構成部片の展開図。

【図６】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
４、図５で示した乳房カップを有するブラジャーの表側
から見た斜視図。

【図７】本発明の乳房カップを備えた更に別の態様のブ
ラジャーの乳房カップ部分の平面図。

【図８】図７に示した乳房カップの構成部片の展開図。

【図９】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
７、図８で示した乳房カップを有するブラジャーの表側
から見た斜視図。

【図１０】本発明の乳房カップを備えた更に別の態様の
ブラジャーの乳房カップ部分の平面図。

【図１１】図１０に示した乳房カップの構成部片の展開
図。

【図１２】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
１０、図１１で示した乳房カップを有するブラジャーの
表側から見た斜視図。

【図１３】本発明の乳房カップを備えた更に別の態様の
ブラジャーの乳房カップ部分の平面図。

【図１４】図１３に示した乳房カップの構成部片の展開
図。

【図１５】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
１３、図１４で示した乳房カップを有するブラジャーの
表側から見た斜視図。

【図１６】本発明の乳房カップを備えた更に別の態様の
ブラジャーの乳房カップ部分とその近傍の一部の平面
図。

【図１７】図１６に示したブラジャーの乳房カップの構
成部片の展開図。

【図１８】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
１６、図１７で示した乳房カップを有するブラジャーの
表側から見た斜視図。

【図１９】本発明の乳房カップを備えた更に別の態様の
ブラジャーの乳房カップ部分とその近傍の一部の平面
図。

【図２０】図１９に示したブラジャーの乳房カップの構
成部片の展開図。

【図２１】装飾用の表カップ部が取り付けられた前記図
１９、図２０で示した乳房カップを有するブラジャーの
表側から見た斜視図。

【図２２】乳房カップの前部近傍、下辺部近傍、脇部近
傍のおおよその位置を説明するためブラジャーの斜視
図。

【図２３】本発明の乳房カップを有する衣類の一実施例
のロングラインブラジャーのほぼ前側から見た外観の斜
視図。

【図２４】本発明の乳房カップを有する衣類の一実施例
のボディスーツのほぼ前側から見た外観の斜視図。

【図２５】本発明の乳房カップを有する衣類の一実施例
の水着のほぼ前側から見た外観の斜視図。

【図２６】従来のブラジャーの一例のほぼ表側から見た
斜視図。

【図２７】従来のブラジャーの別の一例のほぼ表側から
見た斜視図。

【図２８】従来のブラジャーの更に別の一例のほぼ表側
から見た斜視図。

【符号の説明】

１上カップ部片２下カップ部片３ダーツ４土台布５引き伸ばし方向を示す矢印６表カップ部４０上カップ部片４１下前側カップ部片４２下脇側カップ部片４３ダーツ４４土台布４５引き伸ばし方向を示す矢印４６表カップ部６１上カップ部片６２下カップ部片６３ダーツ６４土台布６５引き伸ばし方向を示す矢印６６表カップ部７０上カップ部片７１下前側カップ部片７２下脇側カップ部片７３ダーツ７４土台布７５引き伸ばし方向を示す矢印７６表カップ部８０上カップ部片８１下カップ部片８２脇カップ部片８３ダーツ８４土台布８５引き伸ばし方向を示す矢印８６表カップ部１００上カップ部片１０１下前側カップ部片１０２ａ外脇カップ部片１０２ｂ内脇カップ部片１０３ａダーツ１０３ｂダーツ１０４土台布１０５ａ引き伸ばし方向を示す矢印１０５ｂ引き伸ばし方向を示す矢印１０６表カップ部１１０上カップ部片１１１下前側カップ部片１１２ａ脇カップ外側部小部片１１２ｂ脇カップ中央部小部片１１２ｃ脇カップ内側部小部片１１３ａダーツ１１３ｂダーツ１１４土台布１１５ａ引き伸ばし方向を示す矢印１１５ｂ引き伸ばし方向を示す矢印１１５ｃ引き伸ばし方向を示す矢印１１５ｄ引き伸ばし方向を示す矢印１１６表カップ部１９１乳房カップ１９２乳房カップのくり１９３土台布１９４乳房カップの前部近傍１９５乳房カップの下辺部近傍１９６乳房カップの脇部近傍２０１乳房カップ２１１乳房カップ２２１乳房カップ２３１乳房カップ２３２上カップ部片２３３下カップ部片２３４接ぎライン２３５カップのくり２３６土台布２４１乳房カップ２４２上カップ部片２４３下前側カップ部片２４４下脇側カップ部片２４５接ぎライン２４６接ぎライン２４７カップのくり２４８土台布２５１乳房カップ２５２上カップ部片２５３下カップ部片２５４脇カップ部片２５５接ぎライン２５６接ぎライン２５７カップのくり２５８土台布

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】乳房カップの下辺部近傍から脇部近傍に
かけての部分の少なくとも一部を含む部分に充当される
部片を腰を有する伸縮性シート状物からなる伸縮性部片
で構成し、当該伸縮性部片は、それが充当されるべき部
分の所定の大きさよりもやや小さめの部片とし、当該部
片が引き伸ばされて縫合されている乳房カップを有して
なる衣類。
【請求項２】伸縮性部片の主として引き伸ばされる部
分が、乳房カップの主として下辺部近傍から脇部近傍に
かけての部分の少なくとも一部である請求項１に記載の
乳房カップを有してなる衣類。
【請求項３】伸縮性部片が、その伸度が２０〜８０％
の伸縮性部片である請求項１または２のいずれかに記載
の乳房カップを有してなる衣類。
【請求項４】伸縮性部片が、その剛軟度［ＪＩＳＬ
１０９６剛軟性Ｃ法（クラーク法）］が７０〜３０
０ｍｍの伸縮性部片である請求項１〜３のいずれかに記
載の乳房カップを有してなる衣類。
【請求項５】伸縮性部片が、（ａ）伸縮性を有する不
織布、（ｂ）圧縮加工された発泡ポリウレタンシート、
または、（ｃ）これら（ａ）または（ｂ）のいずれかの
少なくとも片面に伸びを有する編物および／または織物
が積層された積層シート状物から選ばれた伸縮性部片で
ある請求項１〜４のいずれかに記載の乳房カップを有し
てなる衣類。
【請求項６】衣類が乳房カップを有するファンデーシ
ョン類または水着である請求項１〜５のいずれかに記載
の乳房カップを有してなる衣類。