JPH08141235A - ボタンホール縫いミシン - Google Patents

ボタンホール縫いミシン

Info

Publication number
JPH08141235A
JPH08141235A JP28570794A JP28570794A JPH08141235A JP H08141235 A JPH08141235 A JP H08141235A JP 28570794 A JP28570794 A JP 28570794A JP 28570794 A JP28570794 A JP 28570794A JP H08141235 A JPH08141235 A JP H08141235A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
buttonhole
sewing machine
cloth
button
sewing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28570794A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirosumi Itou
弘純 伊藤
Masao Ogawa
雅夫 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP28570794A priority Critical patent/JPH08141235A/ja
Publication of JPH08141235A publication Critical patent/JPH08141235A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンの構成を簡素化すると共に、正確なボ
タンホールを形成する。 【構成】 BH縫いが選択された後に(S1:Y)、ミ
シンアーム部のBHセンサにボタンが取り付けられる
と、ボタンの形状が自動的に検出される(S2)。次
に、送りピッチがスイッチによって入力される(S
3)。CPUは、送りピッチと検出されたボタンの形状
とに基づき、サイドのジグザグ縫い部の目標針数Nを演
算する。そして、CPUは、BH押えに挟まれた加工布
を送りピッチに基づき布送りパルスモータに駆動指令を
出力する(S7,S8,S11,S12)。その際、C
PUによって布送りパルスモータへ駆動指令に相当する
針数Nsが、目標とする針数Nに達したか否かを判定し
て、BH形成時のバータック部とサイド部との縫い方変
更、縫い方向変更、並びに、縫製完了が自動的に決定さ
れる(S10,S15)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ボタンホール縫いミシ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のボタンホール縫いミ
シン(以下、単にミシンという)としては、例えば、特
公昭60−32467号公報等に記載のものがある(従
来技術1)。上記公報記載のミシンは、ボタンホール縫
いを行う場合に、ボタンホールレバーを引き下げると共
に、ミシンの押え棒に装着されたボタンホール押えにボ
タンを装着し、ボタンホール押えに装着されたボタンに
応じたボタンホールレバーの動きを、リンク機構で機械
的に伝達して、ボタンホール縫いにおける布送り方向の
反転制御等を行う構成となっていた。そして、ボタンホ
ール縫いを行わない場合には、ボタンホールレバーを引
き上げて、通常の縫製を実施できるように構成されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1の如き構成のミシンにおいては、ボタンホール縫い
を行う場合にボタンホールレバーを引き下げ、ボタンホ
ール縫いを行わない場合はボタンホールレバーを引き上
げるといった、煩わしい作業が必要であった。また、ミ
シンの押え棒に装着されたボタンホール押えにボタンを
装着しているため、ボタンホール押えの構造が大きくな
り、針落ち回りが煩雑になる分、作業がやりにくくなっ
て作業の能率が低下するという問題もあった。また更
に、ボタンホールレバーの動きをリンク機構で機械的に
伝達しているため、リンク機構の精度が悪いと、リンク
機構の作動誤差によってボタンホールが不揃いになる恐
れもあった。
【0004】一方、特開昭54−76348号公報に
は、ボタンホール押えに布地の移動量に相当するアナロ
グ電圧を発生する検出器を設け、この検出器からの信号
に基づいて布地の前後方向への移動を制御するミシンが
提案されている(従来技術2)。
【0005】この様な構成のミシンであれば、上述の如
きリンク機構は採用されていないので、ボタンホールレ
バーの上げ下げや、リンク機構の精度に関する問題は解
消される。また、ボタンの寸法をミシン本体側の測定器
で測定する構成になっているため、ボタンホール押えに
ボタンを装着しなくても良い。
【0006】しかし、ボタンホール押えに生地の移動量
検出器が設けられたため、ボタンホール押えの構造が大
きくなるという点では、ボタンホール押えにボタンを装
着した場合と同じであり、その上、検出器とミシン本体
側の制御装置とを結ぶ接続コードの引き回し等もあるた
め、結局、針落ち回りが煩雑になって作業がやりにくい
といった問題は改善されないままである。しかも、ボタ
ンホール押えをミシンの押え棒に装着する際、あるいは
押え棒から取り外す際には、上記検出器と上記接続コー
ドを接続したり切り離したりせねばならず、ボタンホー
ル縫いの準備や後片付けの作業が非常に煩わしくなると
いう問題も新たに生じ、検出器や接続コードが必要とな
る分のコストもかかっていた。
【0007】本発明は、上記諸問題をすべて解決するた
めになされたものであり、簡単な構成で安価に製造で
き、しかも所望の大きさのボタンホールを正確に形成可
能なボタンホール縫いミシンを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明は、請求項1記載の通り、ミシンの押え棒に
装着されたボタンホール押えと、該ボタンホール押えの
下方に配設され、該ボタンホール押えと協動して縫製対
象となる布地を所定の送りピッチで前後方向へ移動させ
る送り歯と、上下動に伴って縫目を形成すると共に、左
右方向にも移動可能に構成された針とを備えたボタンホ
ール縫いミシンにおいて、ボタンの寸法を検出可能な検
出手段と、該検出手段により検出したボタンの寸法に基
づいて、縫製すべきボタンホールの縫製データを作成す
るデータ作成手段と、該データ作成手段により作成され
た縫製データに基づいて、前記送り歯および前記針を駆
動する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】ここで、データ作成手段および駆動制御手
段としては、検出手段からの入力信号を縫製データとし
ての出力信号に変換し、その出力信号で送り歯および針
の駆動ができればよく、例えば、周知のCPU,RO
M,RAM等からなる論理演算回路を中心に、その他の
必要な機器を配して構成することができる。
【0010】また、特に請求項2記載の通り、前記デー
タ作成手段が、前記送りピッチを設定可能な設定手段
と、該設定手段で設定された送りピッチと、前記検出手
段で検出されたボタンの寸法とに基づき、縫製すべきボ
タンホールの前記前後方向についての針数を算出する算
出手段とを備え、前記駆動制御手段が、縫製中の針数を
カウントするカウント手段と、前記算出手段で算出され
た針数と、前記カウント手段でカウントされた針数とに
基づき、前記送り歯による送り方向を制御する送り歯制
御手段とを備えると望ましい。
【0011】上記設定手段としては、送りピッチを示す
任意の値を設定可能な構成であれば何でもよく、例え
ば、作動量に応じて値を設定可能なダイヤルスイッチ又
はスライドスイッチ、数値を直接入力可能な数値キー等
が考えられる。これらの構成により得た値を、算出手段
としてのCPUへ入力可能に構成する。また、上記カウ
ント手段としては、針数をカウントできる構成であれば
よく、また、針数については針自体の動作回数を直接検
出するものでなくてもよい。具体例としては、主軸,針
棒,あるいは針に同期して動作するその他の部材の動き
を検出して、それらの部材が1周期分の動作をする毎に
1度ずつカウント信号を出力するセンサにより構成でき
る。そして、カウント手段により得た値を、送り歯制御
手段としてのCPUへ入力可能に構成する。
【0012】また、検出手段としては、ボタンの寸法に
応じた信号を出力可能な構成であればよく、例えば、利
用者が計測したボタンの寸法を入力可能な数値キー等を
有する入力装置であってもよいが、請求項3記載の通
り、ミシン本体に設けられ、セットされたボタンの寸法
に応じた信号を出力する寸法信号出力手段であると望ま
しい。この場合、利用者がボタンの寸法を計測する手間
が省ける。
【0013】更に、請求項4記載のボタンホール縫いミ
シンは、前記送り歯と前記布地との間に介在し、前記送
り歯によって滑ることなく送られて前記布地と一体に移
動する布ずれ防止手段を備えたことを特徴とする。布ず
れ防止手段としては、布ずれ防止手段と送り歯との間で
互いに滑らないこと、及び、布ずれ防止手段と布地との
間で互いに滑らないことを満足する部材であれば何でも
よいが、送り歯と布地との間に介在させてボタンホール
縫いを実施するので、厚さについては薄い方がよく、針
落ち位置において下糸を布地まで導き得るスリット等が
必要である。具体的には、例えば、請求項5記載の通
り、前記布ずれ防止手段が、前記ボタンホール押えの下
面に配設され、該ボタンホール押えとの間に前記布地を
挟み込んで、該布地との相対位置がずれない様に保持す
る保持部材と、該保持部材の下面に設けられ、前記送り
歯との間におけるスリップの発生を防止するスリップ防
止部材とを備えることが考えられる。これ以外にも、例
えば、針落ち位置となる部分にスリットを形成したゴム
板等も考えられるが、ゴム板部分を送り歯の位置に合わ
せると共に、スリット部分を針落ち位置に合わせるとい
う手間がかかるので、請求項5記載の構成は望ましい。
【0014】
【作用,および効果】本発明の請求項1記載の構成を有
するボタンホール縫いミシンでは、検出手段がボタンの
寸法を検出して、その寸法に応じた信号を出力すると共
に、この信号をデータ作成手段が入力して、縫製すべき
ボタンホールの縫製データを作成する。ここでいう縫製
データは、ボタンホールを完成させるのに必要な運針情
報であり、駆動制御手段が上記縫製データを入力して送
り歯および針を駆動することにより、所期のボタンホー
ルが縫製される。駆動制御手段は、縫製開始に先だって
縫製データを入力しておき、ボタンホールの縫製中は入
力済みの縫製データのみに基づいて送り歯および針を駆
動制御すればよく、送り歯による布地の実際の移動量は
検知する必要がない。
【0015】したがって、従来技術において、布地の実
際の移動量を検知するために設けられていた構成をなく
して、安価でコンパクトに構成でき、針落ち回りがコン
パクトになることで作業性も良好になる。より具体的に
説明すれば、上記従来技術1に比べた場合、ボタンホー
ルレバーが不要となり、ボタンホール押えにボタンホー
ルを装着する構造が不要となり、ボタンホールレバーの
動きを伝達するリンク機構も不要となる。また、上記従
来技術2に比べた場合、ボタンホール押えに設けてあっ
た検出器が不要となり、接続コードの引き回し等も不要
となる。そして、これらの構成にかかっていたコストが
かからなくなり、準備や後片付けにおいて必要であっ
た、ボタンホールレバーの上げ下げ、接続コードの接続
・切り離し等といった作業も要らなくなる。
【0016】また、本発明の請求項2記載の構成を有す
るボタンホール縫いミシンでは、設定手段によって設定
された送りピッチと、検出手段で検出されたボタンの寸
法とに基づいて、算出手段がボタンホールの前後方向に
ついての針数を算出する。そして、カウント手段が縫製
中の針数をカウントし、カウントされた針数と算出手段
が算出した針数とに基づき、送り歯制御手段が送り歯に
よる送り方向を制御する。
【0017】したがって、縫製開始前にボタンの寸法と
送りピッチとだけを設定すれば、少なくともボタンホー
ルの前後方向についての針数が事前に決定し、送り歯制
御手段は、縫製中の針数をカウントしながら送り歯によ
る送り方向を制御でき、布地の実際の移動量は検知する
必要がない。
【0018】更に、請求項3記載の構成を有するボタン
ホール縫いミシンは、寸法信号出力手段にボタンをセッ
トすると、そのボタンの寸法に応じた信号が寸法信号出
力手段から出力される。この寸法信号出力手段は、ミシ
ン本体に設けてあるので、針落ち回りの構造が大きくな
ることはなく、縫製時における作業性が良好である。
【0019】加えて、請求項4記載の構成を有するボタ
ンホール縫いミシンは、布ずれ防止手段が、送り歯と布
地との間に介在して、送り歯によって滑ることなく送ら
れて布地と一体に移動する。したがって、送り歯による
送り量と布地の移動量とが正確に一致し、ボタンホール
を美しく仕上げることができる。
【0020】また更に、請求項5記載の構成を有するボ
タンホール縫いミシンでは、保持部材が、自身の上面と
ボタンホール押えの下面とで布地を挟み込み、布地と保
持部材との相対位置がずれない様に保持し、スリップ防
止部材と送り歯とによって滑ることなく送られる。した
がって、送り歯による送り量と布地の移動量とが正確に
一致し、ボタンホールを美しく仕上げることができ、し
かも、保持部材の配置位置を微妙に調整しなくても、常
に正確にスリップ防止部材と送り歯とを接触させた状態
で布地を保持できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例で
あるボタンホール縫いミシンの電気的構成を示すブロッ
ク図である。
【0022】本実施例のミシンは、図1に示すとおり、
接続された各種機器の動作を制御するためのCPU1
と、ボタンの大きさを検出するための検出手段としての
BHセンサ2と、布送りピッチを設定するための設定手
段としての布送りピッチ設定スイッチ3と、ボタンホー
ル縫いあるいは他の縫製パターンを選択するための模様
選択スイッチ4と、ミシンの起動・停止を行う起動・停
止スイッチ5と、針位置を検出するためのNPセンサ6
と、NPセンサ6に接続され、NPセンサ6からの信号
をカウントするカウント手段としてのカウンタ7と、C
PU1によってデータの読み書きが行われるメモリ8
と、ミシンを駆動するため駆動回路9を介して接続され
たメインモータ10と、布を送るため駆動回路11を介
して接続された布送りパルスモータ12と、針を左右に
振るため駆動回路13を介して接続された針振りパルス
モータ14とを備え、CPU1が後述するフローチャー
トに従って動作することにより、データ作成手段及び駆
動制御手段として機能するように構成されている。
【0023】上記構成の内、BHセンサ2は、図2
(a),(b),図3(a),(b)に示す通り、検出
レバー15,ボタンケース16,およびスライドボリュ
ーム17から構成され、ネジ18によってミシンの頭部
19の裏側から固定されている。検出レバー15は、ス
ライドボリューム17のレバーと一体となって、ボタン
ケース16内を左右方向(図2(a)に示した矢印A及
び矢印B方向)に移動させることができる。ここで、検
出レバー15を移動させて、図2(a)に示すようにボ
タン50を挟み込ませると、移動量に応じてスライドボ
リューム17の抵抗値が変化し、この抵抗値に対応する
ボタンの寸法を検出することができる。また、検出レバ
ー15のボタンを挟み込む部分には、楔形の凹部15a
が形成されており、ボタンの厚みも加味した長さをボタ
ンの寸法として検出可能である。なお、上記凹部15a
は、図2(a)に示す通り、検出レバー15のやや奥ま
った位置に形成され、ボタン50を挟み込んだ際にボタ
ン50が手前へ飛び出すのを防止してある。
【0024】このように構成されたBHセンサ2は、セ
ットされたボタンの寸法に応じた信号を出力する寸法信
号出力手段として機能するが、更に、例えば、厚すぎて
セットできないボタン等にも対応すべく、ボタンケース
16には、図2(a),図3(b)に示すように、目盛
り16aがつけてある。これにより、BHセンサ2を数
値入力手段としても機能させることができ、ボタンケー
ス16に挿入できないボタンについては、ボタンの長さ
と厚みとを測定し、その合計の長さに相当する目盛り1
6aの位置に検出レバー15を移動することによって、
測定した数値を入力することができる。
【0025】また、BH押え20は、図4(a),同図
(b)に示す通り、布27の上面に接触して布27と一
体に前後方向へ移動する布係合板21と、布係合板21
に対して前後へ移動自在に設けられ、ミシンの押え棒2
5に固定された布押えホルダ26に装着される布押え2
2と、布係合板21との間に布27を挟み込んで保持す
る保持部材としての布支持板23と、布支持板23を布
係合板21の下面に装着するためのヒンジワイヤ24
と、布支持板23の下面に設けられたスリップ防止部材
としてのスリップ防止ゴム28とで構成されている。布
係合板21と布支持板23とは、ヒンジワイヤ24を軸
に開閉が行えるように構成されており、図5に示す通
り、布係合板21と布支持板23との間に布27を挟み
込んで保持でき、布係合板21が、送り歯29の動きに
連動して前後方向(図4(a)に示した矢印C及び矢印
D方向)に移動する。また、送り歯29は、図5に示す
通り、布27自体には接触しておらず、スリップ防止ゴ
ム28に接触して、布係合板21を送る構成になってい
る。これらの構成により、布27と布支持板23とが一
体に移動し、しかも、スリップ防止ゴム28と送り歯2
9との間におけるスリップが防止されるので、布27の
種類に関係なく正確な送りピッチで布27を送ることが
可能である。
【0026】次に、本実施例のミシンにおいて、CPU
1によって制御されるボタンホール形成の一連の動作に
ついて、図6のフローチャートに基づいて説明する。本
実施例では、以下に説明する処理によって、図7に示す
ような矩形のボタンホールを形成する。
【0027】まず、模様選択スイッチ4によってボタン
ホール縫いが選択されているかどうかを判別し(S
1)、ボタンホール縫いが選択されていなければ、本処
理をそのまま終了する(S1:NO)。一方、ボタンホ
ール縫いが選択されていれば(S1:YES)、BHセ
ンサ2からの出力値を読み込む(S2)。このとき、B
Hセンサ2は、ボタンが挿入されていても、ボタンの長
さと厚みの合計の長さに設定されていてもよい。
【0028】次に、布送りピッチの値を読み込む(S
3)。本実施例では、布送りピッチの値は、布送りピッ
チ設定スイッチ3によって任意に設定されるが、予めボ
タンホール用として用意された値を使用することもでき
る。次に、上記S2,S3で読み込まれた値を基にし
て、ボタンホールの前後方向の縫製に必要な針数Nを算
出してメモリ8に記憶する(S4)。例えば、S2で読
み込まれた値をL、S3で読み込まれた値をpとする
と、針数Nは、次式によって求められる。
【0029】
【数1】N = L / p 次に、CPU1は、起動・停止スイッチ5が操作され、
スタート信号が送られてくるまで待機し(S5:N
O)、スタート信号が送られてきたら(S5:YE
S)、針数Nsをリセットしてゼロとし(S6)、針振
りパルスモータ14とメインモータ10とを駆動制御し
て、図7に示すボタンホールのバータック30aを形成
する(S7)。なお、バータック30aを形成する際の
針振り量は、予め設定されており、後述するLサイド3
0b,バータック30c,Rサイド30dについても、
それぞれ針振り量は予め設定されている。また、バータ
ック30a(バータック30c)を形成する際の針数に
ついても予め設定されている。
【0030】バータック30aを形成し終わると、針振
り量を変更し、布送りパルスモータ12を駆動させて、
矢印D方向に布27を逆送りし(S8)、ボタンホール
のLサイド30bを縫製し始める。次に、ボタンホール
のLサイド30bを縫製し始めると同時に、カウンタ7
で針数Nsをカウントし始め(S9)、Ns=Nになる
まで針数Nsをカウントする(S10:NO)。
【0031】Ns=Nになったら(S10:YES)、
再び、針数Nsをリセットして(S11)、ボタンホー
ルのバータック30cを形成する(S12)。バータッ
ク30cを形成し終わると、CPU1により、布送り方
向が逆転するように送り歯29が制御され、矢印C方向
に布27を正送りし(S13)、ボタンホールのRサイ
ド30dを縫製し始める。これと同時に、再び、カウン
タ7で針数Nsをカウントし始め(S14)、Ns=N
になるまで針数Nsをカウントする(S15:NO)。
そして、Ns=Nになったら(S15:YES)、止め
縫いを行いメインモータ10を停止させる(S16)。
【0032】ところで、本実施例の如く、予め縫い上が
りの針数が算出されていると、あと何針で縫い上がる
か、あるいは、あと何針で針振り量が変更されるかとい
った情報が、縫製中にリアルタイムで管理できる。これ
を利用して、本実施例では、メインモータ10,布送り
パルスモータ12,針振りパルスモータ14の駆動速度
を、針振り量を変更する2〜3針手前で低下させ、針振
り量を変更した後2〜3針縫製したら駆動速度を上げる
制御を行い、針振り量の変更時に駆動機構の各部にかか
る負荷を軽減している。また、針振り量が大きい部分ほ
ど、上記駆動速度を相対的に低下させ、針振りによる慣
性力が過大に作用しないように調整している。より具体
的には、Lサイド30b,Rサイド30dに比べて、バ
ータック30a,30cは針の振り幅が大きくなるの
で、バータック30a,30cを形成する際にはやや縫
い速度を低下させる。これにより、針振り量の違いによ
る影響が縫目に現れず、ボタンホールを美しく縫い上げ
ることができる。また、S16で実施する止め縫いに入
る2〜3針手前で速度を落とすことにより、駆動機構の
各部に負荷をかけることなく、予定した停止位置で止め
ることができる。
【0033】以上説明した通り、本実施例のボタンホー
ル縫いミシンは、BHセンサ2で検出したボタンの寸法
と、布送りピッチ設定スイッチ3で設定された布送りピ
ッチとに基づいて、縫製開始に先だって前後方向の針数
を算出しているので、ボタンホールの縫製中は算出済み
の針数のみに基づいて送り歯を駆動制御すればよく、送
り歯による布地の実際の移動量は検知する必要がない。
したがって、従来、布地の実際の移動量を検知するのに
必要とされていた構成をなくすことができ、安価でコン
パクトに構成でき、針落ち回りがコンパクトになること
で作業性も良好になる。特に、BHセンサ2を任意の位
置に配置できるので、実施例の如くミシン本体に設ける
ことによって、針落ち回りがすっきりする。
【0034】また、BH押え20は、布係合板21と布
支持板23との間に布27を挟み込んで保持すると共
に、送り歯29がスリップ防止ゴム28に接触して布係
合板21を送る構成としたので、布27の種類に関係な
く正確な送りピッチで布27を送ることができ、布地の
実際の移動量がCPU側で予定している移動量と合致
し、予定通りのボタンホールを正確に縫い上げることが
できる。
【0035】以上本発明の実施例を説明したが、本発明
はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
の種々なる態様を採用することができる。例えば、実施
例では、バータック部と両サイドのジグザグ縫いとによ
って形成されるボタンホールを示したが、両サイドにお
いてジグザグ縫いに先だって直線的な渡り縫いを施して
も良い。この場合でも、ボタンの寸法と送りピッチとに
基づいて事前に針数を算出でき、布の移動量を実際に検
出する構成は不要である。また、事前に針数を算出して
いるので、針振り量が変わる数針手前で縫製速度を低下
させるといった制御も容易である。渡り縫いでは針振り
量がゼロとなるので、両サイドのジグザグ縫いよりも更
に縫製速度を上げることができるので、渡り縫いとジグ
ザグ縫いとの切り替えを行う場合に縫製速度を低下させ
るのは効果的である。
【0036】また、実施例で示したような矩形のボタン
ホールに限らず、いわゆる鳩目ボタンホールやネムリボ
タンホールを縫製することもできる。この場合でも、ボ
タンの寸法と送りピッチとに基づいて事前に針数を算出
でき、布の移動量を実際に検出する構成は不要で、針振
り量が変わる数針手前で縫製速度を低下させるといった
制御も容易である。鳩目ボタンホールやネムリボタンホ
ールのように針振り量を数カ所で変更する必要がある場
合等には、縫製速度を低下させると縫目を美しく仕上げ
ることができる。
【0037】更に、実施例では、予め針数が決められた
バータック30a,30cと、ボタンの寸法に応じて針
数が算出された両サイド30b,30dとを組み合わせ
て、ボタンホールを縫製していたが、これ以外にも、バ
ータック部とサイド部とを合わせた針数を、ボタンの寸
法に応じて算出する構成としてもよい。この場合、バー
タック部の針数N1を予め決めておいて、ボタンの寸法
に応じて算出された針数Nからバータック部の針数N1
を差し引いて、サイド部の針数N2(N2=N−N1)
を算出する構成にするか、あるいは、バータック部の針
数N3とサイド部の針数N4との比率を予め定めてお
き、ボタンの寸法に応じて算出された針数NをN3:N
4の比率に分ける構成にするとよい。特に、針数NをN
3:N4の比率に分ける場合には、このN3:N4の比
率自体を、ボタンの寸法に応じて変更する構成にしても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例としてのボタンホール縫いミシンの電
気的構成を示すブロック図である。
【図2】 実施例のボタンホール縫いミシンに取り付け
られたBHセンサを示し、(a)はその斜視図、(b)
はその構成図である。
【図3】 同じく実施例のボタンホール縫いミシンに取
り付けられたBHセンサを示し、(a)はその正面図,
(b)はその断面図である。
【図4】 実施例のボタンホール押えの構成図である。
【図5】 実施例のボタンホール押え近傍の概略断面図
である。
【図6】 実施例におけるCPUの動作を示すフローチ
ャートである。
【図7】 形成されるボタンホールの一例を示す説明図
である。
【符号の説明】
1・・・CPU、2・・・BHセンサ、3・・・布送り
ピッチ設定スイッチ、4・・・模様選択スイッチ、5・
・・起動・停止スイッチ、6・・・NPセンサ、7・・
・カウンタ、8・・・メモリ、9,11,13・・・駆
動回路、10・・・メインモータ、12・・・布送りパ
ルスモータ、14・・・針振りパルスモータ、15・・
・検出レバー、16・・・ボタンケース、17・・・ス
ライドボリューム、18・・・ネジ、19・・・頭部、
20・・・BH押え、21・・・布係合板、22・・・
布押え、23・・・布支持板、24・・・ヒンジワイ
ヤ、25・・・押え棒、26・・・布押えホルダ、27
・・・布、28・・・スリップ防止ゴム、29・・・送
り歯。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンの押え棒に装着されたボタンホー
    ル押えと、該ボタンホール押えの下方に配設され、該ボ
    タンホール押えと協動して縫製対象となる布地を所定の
    送りピッチで前後方向へ移動させる送り歯と、上下動に
    伴って縫目を形成すると共に、左右方向にも移動可能に
    構成された針とを備えたボタンホール縫いミシンにおい
    て、 ボタンの寸法を検出可能な検出手段と、 該検出手段により検出したボタンの寸法に基づいて、縫
    製すべきボタンホールの縫製データを作成するデータ作
    成手段と、 該データ作成手段により作成された縫製データに基づい
    て、前記送り歯および前記針を駆動する駆動制御手段と
    を備えたことを特徴とするボタンホール縫いミシン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のボタンホール縫いミシン
    において、 前記データ作成手段が、 前記送りピッチを設定可能な設定手段と、 該設定手段で設定された送りピッチと、前記検出手段で
    検出されたボタンの寸法とに基づき、縫製すべきボタン
    ホールの前記前後方向についての針数を算出する算出手
    段とを備え、 前記駆動制御手段が、 縫製中の針数をカウントするカウント手段と、 前記算出手段で算出された針数と、前記カウント手段で
    カウントされた針数とに基づき、前記送り歯による送り
    方向を制御する送り歯制御手段とを備えることを特徴と
    するボタンホール縫いミシン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載のボタンホー
    ル縫いミシンにおいて、 前記検出手段が、 ミシン本体に設けられ、セットされたボタンの寸法に応
    じた信号を出力する寸法信号出力手段であることを特徴
    とするボタンホール縫いミシン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3記載のボタンホール
    縫いミシンにおいて、 前記送り歯と前記布地との間に介在し、前記送り歯によ
    って滑ることなく送られて前記布地と一体に移動する布
    ずれ防止手段を備えたことを特徴とするボタンホール縫
    いミシン。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のボタンホール縫いミシン
    において、 前記布ずれ防止手段が、 前記ボタンホール押えの下面に配設され、該ボタンホー
    ル押えとの間に前記布地を挟み込んで、該布地との相対
    位置がずれない様に保持する保持部材と、 該保持部材の下面に設けられ、前記送り歯との間におけ
    るスリップの発生を防止するスリップ防止部材とを備え
    ることを特徴とするボタンホール縫いミシン。
JP28570794A 1994-11-18 1994-11-18 ボタンホール縫いミシン Pending JPH08141235A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28570794A JPH08141235A (ja) 1994-11-18 1994-11-18 ボタンホール縫いミシン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28570794A JPH08141235A (ja) 1994-11-18 1994-11-18 ボタンホール縫いミシン

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08141235A true JPH08141235A (ja) 1996-06-04

Family

ID=17694990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28570794A Pending JPH08141235A (ja) 1994-11-18 1994-11-18 ボタンホール縫いミシン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08141235A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8423170B2 (en) 2008-06-12 2013-04-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine and computer-readable medium storing a program for sewing buttonhole
EP2610384A1 (en) 2011-12-26 2013-07-03 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Buttonhole switch mechanism
EP2784204A1 (en) 2013-03-25 2014-10-01 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Buttonhole sewing machine

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8423170B2 (en) 2008-06-12 2013-04-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine and computer-readable medium storing a program for sewing buttonhole
EP2610384A1 (en) 2011-12-26 2013-07-03 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Buttonhole switch mechanism
US9145631B2 (en) 2011-12-26 2015-09-29 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Buttonhole switch mechanism
EP2784204A1 (en) 2013-03-25 2014-10-01 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Buttonhole sewing machine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4623142B2 (ja) ミシン
US5826526A (en) Sewing machine
JP2008012052A (ja) ミシン
US4726307A (en) Two-needle corner sewing machine
JP4047624B2 (ja) ミシン
US7007619B2 (en) Foot controller connection error detection device for sewing machines
JPH08141235A (ja) ボタンホール縫いミシン
US8423170B2 (en) Sewing machine and computer-readable medium storing a program for sewing buttonhole
JPH10263249A (ja) ミシン
EP1905879A2 (en) Sewing machine and controller therefor
JPH09187586A (ja) ボタンホール縫いミシン
JPS63209696A (ja) ミシンの定位置停止装置
JP3151923B2 (ja) ジグザグミシンのボタンホール縫い装置
JP3980175B2 (ja) ミシンの布切りメス制御装置
JP2002292169A (ja) ミシンの刺繍装置
US8191491B2 (en) Sewing machine and computer-readable medium storing control program executable on sewing machine
JPH03191986A (ja) ミシン
JPH07100090B2 (ja) ミシンに於けるくけ縫い縫い目形成装置
JP2614204B2 (ja) ミシン
JP4732566B2 (ja) 刺繍縫いミシン
JP3336442B2 (ja) ミシンの上糸供給制御装置
JP2542763B2 (ja) 自動段縫装置
JP3158641B2 (ja) ジグザグミシンのボタンホール縫い装置
JPH01185288A (ja) ミシンの自己診断装置
JP4636731B2 (ja) ミシン