JPH08140679A - 微生物によるラットβ2−マイクログロブリン生産 - Google Patents

微生物によるラットβ2−マイクログロブリン生産

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JPH08140679A
JPH08140679A JP6286540A JP28654094A JPH08140679A JP H08140679 A JPH08140679 A JP H08140679A JP 6286540 A JP6286540 A JP 6286540A JP 28654094 A JP28654094 A JP 28654094A JP H08140679 A JPH08140679 A JP H08140679A
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JP
Japan
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rat
plasmid
microglobulin
dna
microorganism
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JP6286540A
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Mayumi Arita
眞弓 有田
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Shikibo Ltd
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Shikibo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度ラット・β2−マイクログロブリンを
大量かつ容易に製造する。 【構成】 プロモーター、翻訳開始信号、および停止信
号を含むプラスミドにラット・β2−マイクログロブリ
ンをコードするDNAを、配列を一部改変したリンカー
と共に組み込んだプラスミド、該プラスミドによる形質
転換体微生物、ならびに該形質転換体微生物を用いるラ
ット・β2−マイクログロブリンの製造方法。 【効果】 高純度ラット・β2−マイクログロブリンが
大量かつ容易に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNA組換え技術によ
り作製された、ラットβ2−マイクログロブリンをコー
ドするDNA、該DNAよりなるプラスミド、該プラス
ミドで形質転換された微生物、該微生物を培養してラッ
トβ2−マイクログロブリンを生産する方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】β2−マイクログロブリン(以下β2
m)は種々の細胞で産生され、体液や分泌液中に広く存
在する低分子蛋白である。尿細管障害により尿中β2
m濃度が上昇するため、早くから測定法の開発が進めら
れてきた。また、β2−mのアミノ酸配列とIgG1の構
造の一部との類似性(ピーターソン,ピー・エイ(Peter
som,P.A.)ら:プロシーディングス・オブ・ナショナル・
アカデミー・オブ・ユーエスエイ(Proc.Nat.Acad.Sci.
USA.),69,1697,(1972))や、HLAの
共通フラグメントとの同一性が判明しており(ナカム
ロ,ケイ(Nakamuro,K.)ら:70,2863,(19
73))、免疫学的にも注目されるようになった。ま
た、エイズ患者は尿中のβ2−m濃度が上昇するとの報
告があり、エイズ発病の前兆となるとも考えられる(バ
ーラ,アール・ビー(Bhalla,R.B.)ら:クリニカル・
ケミストリー(Clin. Chem.),31,1411,(1
985))。
【0003】さらにβ2−mの生物学的役割の解明のた
め、ヒト以外の動物についての研究が必要となり、様々
な動物からβ2−mが単離された。
【0004】ラットβ2−マイクログロブリン(以下r
β2−m)をコードするDNAの配列は、マウキシオ
ン,エフ(Mauxion,F.)らによって報告されている(ヌ
クレイック・リサーチ(Nucleic Acids Research),1
5,7638,(1987))。また、尿から単離さ
れ、性質や他の動物種との比較が報告されている。(レ
ーグドベルグ,エル(Loegdberg,L.)ら:モレキュラー
・イミュノロジー(Molecular Immunology),16,5
77,(1979))この場合のrβ2−mは腎障害を
起こしたラットの尿で 1匹あたり640μg/日であ
り、精製後の収率は7.5%となっている。
【0005】rβ2−mの用途としては、動物におい
て、腎疾患、悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全の場合
にその血中レベルが上昇することから、かかる疾患に関
する動物用診断試薬として(標準試薬あるいは免疫用抗
原等として)の用途がある。しかしながら、上記のごと
く、従来の方法ではこの有用蛋白を大量、かつ容易に製
造することは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、rβ2−m
遺伝子からなるプラスミドを構築し、これによる形質転
換体微生物を得、該形質転換体微生物を培養してrβ2
−mを容易に高純度でかつ大量に製造することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは鋭意研究を行い、rβ2−mを製造す
るのに使用可能なrβ2−mをコードするDNA、これ
を含む組換えプラスミド、形質転換された微生物を取得
し、この微生物を培養し、rβ2−mを分離精製するこ
とに成功し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1) プロモータ
ー、翻訳開始信号、および停止信号を含むプラスミドに
ラット・β2−マイクログロブリンをコードするDNA
を、配列を一部改変したリンカーと共に組み込んだプラ
スミド、(2) pKCRB3である(1)記載のプラ
スミド、(3) (1)または(2)プラスミドで形質
転換して得られる形質転換体微生物、(4) エシェリ
ヒア・コリ(Escherichia coli)である(3)記載の形
質転換体微生物、(5) エシェリヒア・コリFERM
P−14610である(3)記載の形質転換体微生
物、(6) (3)記載の形質転換体微生物を培養し、
培養物からラット・β2−マイクログロブリンを単離す
ることを特徴とする、ラット・β2−マイクログロブリ
ンの製造方法、(7) 形質転換体微生物がエシェリヒ
ア・コリである(6)記載の方法、および、(8) 形
質転換体微生物がエシェリヒア・コリFERM P−1
4610である(6)記載の方法を提供する。以下に本
発明を詳細に説明する。
【0009】本発明においては、rβ2−m DNAは
以下に示すような方法で得られる。例えば、ラットrβ
2−m産生細胞(肝臓由来)からポリ(A)RNAを調製
し、これを鋳型としてDNAを合成するか、または、ラ
ット肝臓等のライブラリーからPCR法(ムリス,ケイ
(Mullis,K.)ら:メソッヅ・イン・エンザイモロジー
(Methods in Enzymology)(Academic Press,San Dieg
o),155,(1987))に従い目的のDNAを
得、これを適当なプラスミドに接続して宿主細胞内で増
幅させ、目的のDNAを有するクローンから単離する方
法、例えばホスホアミダイト法(シンハ,エヌ・ディー
(Shinha,N.D.)ら:テトラヒドロン・レターズ(Tetrah
edron Lett.),24,5843,(1983))によ
り、DNA配列に従って核酸の化学合成を行う方法、お
よびこれらの方法の組合わせなどがある。
【0010】以下、ラット肝臓ライブラリーからrβ2
−m DNAを単離する方法を具体的に説明する。ま
ず、PCR用プライマーを合成する。β−シアノエチル
ホスホアミダイト法により、DNA合成機(アプライド
・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社製等)を
用いて合成する。次に、ラット肝臓ライブラリーのフェ
ノール・クロロホルム処理を行い、エタノールを加えて
沈澱を集める。これをイオン交換水等に溶解し、パーキ
ン−エルマー(Perkin-Elmer)社のPCR用キット等を
用いてPCRを行う。増幅したDNAはアガロース電気
泳動を行い、目的の大きさのDNAを回収するなどによ
り粗精製を行った後、もう一度PCRを行う。このよう
にして得られたrβ2−m DNAの配列確認のためシ
ーケンスを行う。
【0011】まず、rβ2−m DNAを適当な制限酵
素で切断する(例えばAfaIとAvaII)。次に、微
生物でのrβ2−m発現量を上げるため、またこの後の
プラスミドへの導入を行うため、制限酵素サイトを有
し、DNA配列を天然のものとは変えたリンカーDNA
を合成する。シークエンス用のプラスミドは公知のpU
C19、M13などを用い、合成リンカー、制限酵素で
切断したrβ2−m DNAをDNAリガーゼにより組
み込み、大腸菌、ファージに導入する。プラスミドの導
入は、ハナハン,ディー(Hanahan,D.)らの方法(ジャ
ーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(J.Mol.Bi
ol.),166,557,(1983))などにより行
う。形質転換株の選択にはアンピシリン耐性のマーカー
を利用できる。組換えプラスミドの選別は、lacZ欠
損細胞を宿主として用い、β−ガラクトシターゼのα−
相補性で選択する方法や、プラスミドを抽出し(バーン
ビオム,エイチ・シー(Birnboim,H.C.)ら:ヌクレイ
ック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.),
5,583,(1978))制限酵素で処理した場合の
DNA断片の大きさを調べる等の方法がある。
【0012】DNA配列の決定は、ジデオキシ法(サン
ガー,エフ(Sanger,F.)ら:プロシーディングス・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・ユーエスエイ(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.),74,5463,197
7)などがあり、市販のシーケンス反応キットもでてい
る。
【0013】微生物を培養してrβ2−mを製造する方
法を以下に説明する。上記の方法で得られたrβ2−m
DNAを含むプラスミドpUCRB1からDNA部分
を常法により切り出し、発現用プラスミドに組み込み、
形質転換を行う。発現用プラスミドとしては、例えば
pKK223−3(ファルマシア(Pharmacia)社製)
のようにプロモーター、SD配列を持つものを使用す
る。また、rβ2−m生産量を向上させるためプラスミ
ドのコピー数を増やす目的で、複製開始点をpUC19
などのマルチコピー型のものに換えることもできる。宿
主としてはエシェリヒア・コリHB101株やJM10
9株などが挙げられる。
【0014】形質転換株は、アンピシリンを含む培地
(例えばL培地等)で培養し、耐性のある菌株を選択
し、さらにrβ2−m生産は、SDS−ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動(レムリ,ユー・ケイ(Laemmli,U.
K.):ネイチャー(Nature),227,680,(19
70))したゲルから、電気的にニトロセルロースフィ
ルター等に転写を行い(バーネット,ダブリュー・エヌ
(Burnette,W.N.):アナリティカル・バイオレミスト
リー(Anal.Biochem.),112,195,(198
1))、エンザイムイムノアッセイ(バクル,ピー(Bu
cle,P.)ら:ジーン(Gene),16,149,(198
1))を行うことにより確認できる。
【0015】このように形質転換した大腸菌としては、
平成6年10月31日に、FERMP−14610の受
託番号の下、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
されたエシェリヒア・コリ等が挙げられる。かかる菌株
を適当な培地で培養することにより菌体内にrβ2−m
を生成させることができる。培地は例えば、L培地、M
9培地などが使用可能で、これに通常使用されている炭
素源、窒素源、無機塩、その他の栄養源を添加できる。
培養は、pH7付近、37℃前後で通気、攪拌条件下で
行うのが妥当である。対数増殖期後期に誘導剤を加える
と細胞内にrβ2−mが蓄積し始める。菌体が増殖しな
くなったら集菌し、超音波破砕、浸透圧ショックなどの
方法により細胞内からrβ2−mを抽出できる。
【0016】こうして得られたrβ2−mは、その性質
を利用して、公知の各種の精製操作により精製できる。
例えば溶解度法、クロマトグラフィー法、ゲルろ過、及
びそれらの組み合わせなどがある。上記の方法で、rβ
2−mを容易に高純度でかつ大量に製造できる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例により本発明をさらに具体的
に説明するが、これに限定されるものではない。
【0018】実施例1 rβ2−m DNA調製 DNA合成機(アプライド・バイオシステムズ(Applie
d Biosystems)社製、381A)にて、表1に示すPC
R用プライマー(プライマー1および2)を合成した。
【0019】
【表1】
【0020】ラット・肝臓5'−ストレッチcDNA/
λgt11(クローンテック(CLONTECH)社製、インデ
ィペンデント・クローン(Independent Clones)1.7
×10)に水200μl加えて溶解し、フェノール−
クロロホルム(1:1)処理を行った。エタノール沈澱
によりDNAを回収した。こうして得られたDNAの1
/100量から、PCR用プライマー各20pmol、
PCR用キット(パーキン−エルマー(Perkin-Elmer)
社製)を用いて、プログラマブルテンプコントロールシ
ステム(アステック(ASTEC)社製 PC−700)に
より増幅した。得られた反応液をアガロース電気泳動に
より約360bp断片を回収し、もう一度PCRを行っ
た。得られた反応液のフェノール−クロロホルム処理、
エタノール沈澱を行った。回収したDNAを33mM
Tris−酢酸(pH7.9),10mM MgC
,0.5mM ジチオスレイトール(以下DT
T),66mM 酢酸カリウム,0.01% BSA
400μlに溶解し、制限酵素 AfaI、AvaII
(宝酒造社製)各20単位加え、37℃、4時間消化を
行った。この反応液からポリアクリルアミドゲル電気泳
動により、rβ2−m DNAの AfaI−AvaII断
片約260bpを得た。
【0021】また、DNA合成機を用いて、表2に示す
リンカー4本(RB a、b、cおよびd)を合成し
た。
【0022】
【表2】
【0023】リンカー RBaおよびbは rβ2−m
生産を高めるため、rβ2−mのアミノ酸配列を変えな
い範囲でDNA配列を変えた。合成リンカーRBaと
b、RBcとdそれぞれ20pmolをアニーリング
(90℃→65℃→37℃→室温各5分間)させた。
【0024】プラスミドは、pUC19 2μgを10
mM Tris−HCl(pH7.5),10mM M
gCl,1mM DTT,50mM NaCl 40
0μlに溶解し、EcoRI(宝酒造社製)10単位加
え、37℃,4時間消化した後、10mM Tris−
HCl(pH7.5),10mM MgCl,1mM
DTT,100mM NaCl 400μlにHin
dIII 10単位加え、37℃,4時間消化を行った。
この反応液からアガロース電気泳動により、pUC19
EcoRI−HindIII断片約2640bpを得た。
【0025】合成リンカーRBaおよびb、RBcおよ
びd 各20pmol、rβ2−mDNA AfaI−A
vaII 10ng、pUC19 EcoRI−HindI
II断片20ngを宝酒造社製ライゲーションキットを用
いて16℃,3時間ライゲーション反応を行い、この反
応溶液をJM109コンピテントセル(宝酒造社製)に
加えて、0℃,30分間、42℃,90秒間、0℃,2
分間反応を行った。次に、SOC培地800μlを加え
て、37℃,1時間振盪し、100μg/mlアンピシ
リンを含むL培地(1.0%トリプトン,1.0% N
aCl,0.5% 酵母エキス)に5−ブロモ−4−ク
ロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトシド(以下X
−gal),イソプロピル−β−D−チオガラクトピラ
ノシド(以下IPTG)を加えた寒天プレートにまい
て、37℃で一晩培養した。
【0026】アンピシリン耐性でかつβ−ガラクトシタ
ーゼ活性が誘導されていない株からプラスミドを抽出
し、EcoRI−HindIII,TthHB8I(宝酒造
社製)を用いてDNA断片の大きさを調べ、目的のDN
Aの挿入された株をえた。(JM109/pUCRB
2)
【0027】この株から大量にプラスミドを抽出し、セ
ファロース4B(ファルマシア(Pharmacia)社製)で
精製し、シーケンスを行った。シーケンス反応は、ファ
ルマシア社製オート・リード・シークエンシング・キッ
ト(Auto Read Sequencing Kit)を用い、A.L.F.
シークエンサーにてシーケンスを行ったところマウクシ
オン,エフ(Mauxion,F.)らの報告と一致した(配列
表:1)。
【0028】実施例2 rβ−m 発現用プラスミド
構築 図1を参照して説明する。実施例1で得た pUCRB
2プラスミド5μgを10mM Tris−HCl(p
H7.5),10mM MgCl,1mMDTT,5
0mM NaCl 400μlに溶解し、AfaI、H
indIII各20単位加え、37℃,4時間消化を行っ
た。この反応液からポリアクリルアミドゲル電気泳動に
より、rβ2−m DNAのAfaI−HindIII断片
約270bpを得た。
【0029】rβ2−m発現用プラスミドpKCRB3
は以下のようにして構築した(図4)。pUC19 2
μgを10mM Tris−HCl(pH7.5),1
0mM MgCl,1mM DTT,50mM Na
Cl 400μlに溶解してPvuII(宝酒造社製)1
0単位加え、37℃,4時間消化した後、10mMTr
is−HCl(pH7.5),10mM MgCl
10mM 2−メルカプトエタノール,100mM N
aCl 400μlにSspI(ニッポンジーン社製)
10単位加え、37℃,4時間消化を行った。この反応
液からアガロース電気泳動により pUC19 Ssp
I−PvuII断片1,873bpを得た。また、pKK2
23−3(ファルマシア社製)5μgを10mM Tr
is−HCl(pH7.5),10mM MgCl
10mM 2−メルカプトエタノール,100mM N
aCl 400μlに溶解してSspI30単位加え、
37℃,4時間消化を行った。次に、0.1M Tri
s−HCl(pH8.0)400μlにアルカリホスフ
ァターゼ(宝酒造社製)2単位加えて、55℃,30分
間反応させ、この反応液からポリアクリルアミドゲル電
気泳動により、pKK223−3 SspI断片620
bpを得た。
【0030】pKK223−3 SspI断片 10n
g、pUC19 SspI−PvuII断片 20ngを
宝酒造社製ライゲーションキットを用いて16℃,3時
間ライゲーション反応を行い、この反応溶液をJM10
9コンピテントセル(宝酒造社製)に加えて、0℃,3
0分間、42℃,90秒間、0℃,2分間反応を行っ
た。次に、SOC培地800μlを加えて、37℃,1
時間振盪し、100μg/mlアンピシリンを含むL培
地寒天プレートにまいて、37℃で一晩培養した。
【0031】アンピシリン耐性株からプラスミドを抽出
し、HindIII−SspIを用いてDNA断片の大きさ
を調べ、DNAの挿入された株を得た(JM109/p
KC1)。 pKC1 2μgを50mM Tris−
HCl(pH7.5),10mM MgCl,1mM
DTT,100mM NaCl 400μlに溶解し
てEcoRI(宝酒造社製)10単位加え、37℃,4
時間消化した後、10mM Tris−HCl(pH
7.5),10mM MgCl,1mM DTT,5
0mM NaCl 400μlにHindIII(宝酒造
社製)10単位加え、37℃,4時間消化を行った。こ
の反応液からアガロースゲル電気泳動により、pKC1
EcoRI−HindIII断片 2463bpを得た。
【0032】合成リンカーRBaおよびb 20pmo
l、rβ2−m DNA AfaI−HindIII断片
10ng、pKC1 EcoRI−HindIII断片 2
0ngを宝酒造社製ライゲーションキットを用いて16
℃,3時間ライゲーション反応を行い、プラスミドpK
CRB3を得た。この反応溶液をJM109コンピテン
トセル(宝酒造社製)に加えて、0℃,30分間、42
℃,90秒間、0℃,2分間反応を行った。次に、SO
C培地800μlを加えて、37℃,1時間振盪し、1
00μg/mlアンピシリンを含むL培地寒天プレート
にまいて、37℃で一晩培養した。アンピシリン耐性株
からプラスミド(pKCRB3)を抽出し、AfaI−
HindIIIを用いてDNA断片の大きさを調べた。p
KCRB3の挿入された株(JM109/pKCRB
3)を得た。この株は、平成6年10月31日より、工
業技術院生命工学工業研究所に、受託番号FERM P
−14610の下に寄託されている。
【0033】実施例3 rβ2−m の発現 実験例2で得たJM109/pKCRB3を100μg
/mlアンピシリンを含むL培地 5mlに植菌し、3
7℃で培養して、培養液の吸光度を分光光度計(日立
(HITACHI)社製,U−2000)で測定し、OD660
0.2〜0.3になったところでIPTGを2mMとな
るように添加し、一晩培養した。得られた培養液1.5
mlをマイクロチューブに移し、微量高速遠心機(トミ
ー(TOMY)社製MC−150)にて15000rpmで
1分間遠心して菌体を回収した。
【0034】この菌体をレムリのサンプルバッファーに
懸濁した後、100℃で10分間加熱し、レムリの方法
でSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動したゲルか
ら、電気的にニトロセルロースフィルターに転写を行っ
た。このフィルターにrβ2−mに対する抗体と、HR
P標識プロテインAを反応させたところ、分子量約1
2,000の位置にバンドを検出し、JM109/pK
CRB3がrβ2−mを生産していることがわかった。
【0035】実施例4 rβ2−m の生産 実験例2で得た菌株を100μg/mlアンピシリンを
含むL培地寒天プレートにまいて、37℃で一晩培養し
た。次に、100μg/mlアンピシリンを含むL培地
に植えて、37℃で8時間振盪培養し、このうち100
μlを100μg/mlアンピシリンを含む表3の組成
の培地100mlに植え、37℃で一晩培養した。10
0μg/mlアンピシリンを含む表3の組成の培地60
0ml(最終容量)に全量加えて37℃で振盪し、培養
液の吸光度を分光光度計で測定して対数増殖期の後期に
IPTGを2mMとなるように加えた。10〜15時間
培養を続け、培養液を遠心管に移して高速冷却遠心機
(TOMY社製,RS−20IV)で菌体を集めた。
【0036】
【表3】
【0037】実施例5 rβ2−m の精製 実施例4で得られた菌体を ppバッファー(50mM
Tris−HCl(pH7.5),5mM EDT
A)100mlに1mg/mlリゾチーム,0.1mM
(ρ−アミジノフェニル)メタンスルホニルフルオラ
イド塩酸塩を加えた溶液に懸濁し、0℃で30分間反応
した後ppバッファー50mlを加えて超音波破砕を行
った(日本精機製作所製,US−600)。高速冷却遠
心機にて9000rpm,10分間遠心して上清を除
き、ppバッファー150mlに懸濁して再び超音波破
砕装置にかけ、遠心を行った。得られた沈澱を1Mシュ
ークロース400mlに懸濁し、8000rpm,40
分間遠心した。得られた沈澱を2%トライトンX−10
0、10mM EDTA溶液(pH7.5)400ml
に懸濁し、4℃で一晩置いてから8000rpm,40
分間遠心した。得られた沈澱を0.1M Tris−H
Cl(pH8.0)400mlに懸濁し、8000rp
m,40分間遠心した。得られた沈澱を可溶化液(6M
塩酸グアニジン,0.1M Tris−HCl,pH
8.0)に溶解し、分光光度計にて吸光度を測定した。
【0038】この溶液に2−メルカプトエタノールを
0.1Mとなるように加えて還元し、リフォールディン
グバッファー(Refolding buffer)(1M尿素,50m
M Tris−HCl,1mM EDTA,15%グリ
セロール,1mM 還元型グルタチオン,0.1mM
酸化型 グルタチオン,pH8.5)に懸濁した。室温
で約20時間放置した後、10mM Tris−HCl
(pH8.5),0.1mM EDTAで透析を行っ
た。透析後の溶液をPROTEIN−PAK G−DE
AE(ウォーターズ(Waters)社製)で精製し、バイオ
ラッド・ラボラトリーズ社のプロテインアッセイ試薬に
より蛋白量を測定したところ、約20mgであった。得
られた精製物は、レムリの方法でSDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動を行ったところ単一バンドであるこ
とが確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、高純度ラット・β2
マイクログロブリンを大量かつ容易に製造する方法が提
供される。また、そのためのプラスミド、および該プラ
スミドにより形質転換された微生物も提供される。
【0040】
【配列表】
【0041】配列番号:1 配列の長さ:604 配列の型:核酸 配列 cggcacg ATG GCT CGC TCG GTG ACC GTG ATC TTT CTG GTG CTT GTC TCT CTG 52 Met Ala Arg Ser Val Thr Val Ile Phe Leu Val Leu Val Ser Leu -20 -15 -10 GCC GTC GTG CTT GCC ATT CAG AAA ACT CCC CAA ATT CAA GTG TAC TCT CGC 103 Ala Val Val Leu Ala Ile Gln Lys Thr Pro Gln Ile Gln Val Tyr Ser Arg -5 1 5 10 CAT CCA CCG GAG AAT GGG AAG CCC AAC TTC CTC AAC TGC TAC GTG TCT CAG 154 His Pro Pro Glu Asn Gly Lys Pro Asn Phe Leu Asn Cys Tyr Val Ser Gln 15 20 25 TTC CAC CCA CCT CAG ATA GAA ATT GAG CTA CTG AAG AAT GGA AAG AAG ATA 205 Phe His Pro Pro Gln Ile Glu Ile Glu Leu Leu Lys Asn Gly Lys Lys Ile 30 35 40 45 CCA AAT ATC GAG ATG TCA GAT CTG TCC TTC AGC AAG GAC TGG TCT TTC TAC 256 Pro Asn Ile Glu Met Ser Asp Leu Ser Phe Ser Lys Asp Trp Ser Phe Tyr 50 55 60 ATC CTG GCT CAC ACT GAA TTC ACA CCC ACC GAG ACC GAT GTA TAT GCT TGC 307 Ile Leu Ala His Thr Glu Phe Thr Pro Thr Glu Thr Asp Val Tyr Ala Cys 65 70 75 80 AGA GTT AAA CAC GTC ACT CTG AAG GAG CCC AAA ACC GTC ACC TGG GAC CGA 358 Arg Val Lys His Val Thr Leu Lys Glu Pro Lys Thr Val Thr Trp Asp Arg 85 90 95 GAC ATG TAA tcaagctcta tggagctctg aatcatctgg accagtttaa ctccagatcc 417 Asp Met *** ggtttctaat atgctataca atttatccac aaagtaaaga atagcaatga gcacaccatc 477 ttcttcatat cttaccttaa atattttatg catgttttaa aaaaaattgg agactaatat 537 cctagatttc cggaataata aagcttcaat gagtgttttg atcagaataa taaatatggt 597 taagaac 604
【図面の簡単な説明】
【図1】 pKCRB3の構築を示すスキーム図であ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロモーター、翻訳開始信号、および停
    止信号を含むプラスミドにラット・β2−マイクログロ
    ブリンをコードするDNAを、配列を一部改変したリン
    カーと共に組み込んだプラスミド。
  2. 【請求項2】 pKCRB3である請求項1記載のプラ
    スミド。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のプラスミドで形
    質転換して得られる形質転換体微生物。
  4. 【請求項4】 エシェリヒア・コリ(Escherichia col
    i)である請求項3記載の形質転換体微生物。
  5. 【請求項5】 エシェリヒア・コリFERM P−14
    610である請求項3記載の形質転換体微生物。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の形質転換体微生物を培養
    し、培養物からラット・β2−マイクログロブリンを単
    離することを特徴とする、ラット・β2−マイクログロ
    ブリンの製造方法。
  7. 【請求項7】 形質転換体微生物がエシェリヒア・コリ
    である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 形質転換体微生物がエシェリヒア・コリ
    FERM P−14610である請求項6記載の方法。
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