JPH08127733A - 撥水性撥油性固体およびその製造方法 - Google Patents

撥水性撥油性固体およびその製造方法

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JPH08127733A
JPH08127733A JP29218594A JP29218594A JPH08127733A JP H08127733 A JPH08127733 A JP H08127733A JP 29218594 A JP29218594 A JP 29218594A JP 29218594 A JP29218594 A JP 29218594A JP H08127733 A JPH08127733 A JP H08127733A
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Tsuneo Suhara
常夫 須原
Hiroshi Fukui
寛 福井
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 撥水性撥油性、熱安定性および安全性に極め
て優れ、かつシリコーン系油および/またはフッ素系油
と混合可能な撥水性撥油性固体と、その製造方法を提供
する。 【構成】 Si−H基を含むシリコーンポリマーで固体
を被覆し、前記シリコーンポリマー被覆のSi−H基
に、ビニル基またはアリル基を有するパーフルオロ化合
物を反応させて得られるパーフルオロ基で表面修飾され
たシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性固体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si−H基(反応性ヒ
ドロシリル基)を含むシリコーンポリマーで被覆した固
体に関し、該シリコーンポリマー被覆に、ビニル基また
はアリル基を有するパーフルオロ化合物を反応させて得
られる撥水性撥油性固体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、パーフルオロ化合物を有する撥水
性撥油性固体を得るには、パーフルオロアルキルリン酸
系化合物を固体表面に吸着させる方法、パーフルオロア
ルキルシランカップリング剤を用いて処理する方法、あ
るいは直鎖状あるいは環状シリコーンにパーフルオロア
ルキル基が修飾された化合物で処理する方法等がある。
【0003】しかしながら、パーフルオロアルキルリン
酸系化合物を固体表面に吸着させる方法によれば、例え
ばエタノール、アセトン等の有機溶媒で固体を洗浄する
と、パーフルオロアルキル化合物が脱着し、撥水性撥油
性が低下してしまうという問題点がある。
【0004】また、パーフルオロアルキルシランカップ
リング剤を用いて処理する方法や、直鎖状あるいは環状
シリコーンにパーフルオロアルキル基が修飾された化合
物で処理する方法によれば、パーフルオロアルキル基と
固体との結合力が弱いため、充分な撥水性撥油性が発揮
できず、また、耐熱性も劣るものである。さらに、上記
のパーフルオロ化合物で表面処理された固体は、フッ素
系油には分散できるものの、シリコーン系油には分散す
ることができなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、上記問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、Si−H
基を有するシリコーンポリマー被覆に、ビニル基または
アリル基を有するパーフルオロ化合物を反応させ、該シ
リコーンポリマー被覆にパーフルオロ基を表面修飾させ
た撥水性撥油性固体が、撥水性撥油性、熱安定性および
安全性に極めて優れていること、さらに、それがフッ素
系油あるいはシリコーン系油と混合できるという利点を
見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、撥水性撥油性、安全
性、安定性等に優れ、さらに、フッ素系油あるいはシリ
コーン系油と混合可能なシリコーンポリマー被覆撥水性
撥油性個体およびその製造方法の提供を目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、固体を被覆するSi−H基を含むシリ
コーンポリマー被覆のSi−H基に、ビニル基またはア
リル基を有するパーフルオロ化合物を反応させて得られ
る、パーフルオロ基で表面修飾されたシリコーンポリマ
ー被覆撥水性撥油性固体を提供する。
【0008】また、本発明は、前記ビニル基またはアリ
ル基を有するパーフルオロ化合物が、パーフルオロオレ
フィン、パーフルオロアクリレート、もしくはパーフル
オロメタクリレートであることを特徴とする前記撥水性
撥油性固体を提供する。
【0009】そして、本発明は、前記Si−H基を含む
シリコーンポリマーに被覆された固体が、粉体であるこ
とを特徴とする前記撥水性撥油性固体を提供する。
【0010】さらに、本発明は、Si−H基を含むシリ
コーンポリマーで固体を被覆し、該シリコーンポリマー
被覆のSi−H基と、ビニル基またはアリル基を有する
パーフルオロ化合物とを反応させ、該Si−H基のケイ
素原子と、該ビニル基またはアリル基の炭素原子との反
応において、ケイ素−炭素共有結合により、パーフルオ
ロ基を該シリコーンポリマー被覆に表面修飾させること
を特徴とする前記撥水性撥油性固体の製造方法を提供す
る。
【0011】また、本発明は、前記Si−H基のケイ素
原子と、該ビニル基またはアリル基の炭素原子との反応
におけるケイ素−炭素共有結合を、パラジウム系触媒あ
るいは白金系触媒の存在下で行うことを特徴とする前記
撥水性撥油性固体の製造方法を提供する。
【0012】そして、本発明は、前記撥水性撥油性粉体
と、シリコーン系油および/またはフッ素系油とを含む
ことを特徴とする化粧料を提供するものである。
【0013】以下、本発明のシリコンポリマー被覆撥水
性撥油性固体について、具体的に詳述する。
【0014】本発明におけるSi−H基を含むシリコー
ンポリマー被覆固体とは、例えば、特開昭63−171
678号公報に具体的に記載されたように、それ自体は
公知であり、その種類および被覆方法を問わないが、加
熱条件下にシリコーンポリマーの前駆体なるシリコーン
モノマーまたはオリゴマーを、気相状で固体表面上に堆
積させ、その表面上で接触重合させることにより均一な
シリコーン被覆を形成したものが好ましい。
【0015】このように、気相状で固体表面上に堆積さ
せ、固体をSi−H基を含むシリコーンポリマーで被覆
するのに都合の良いシリコーンモノマーあるいはオリゴ
マーの具体例としては、以下の化1、化2、あるいは化
3の構造式で示される化合物を挙げることができる。
【0016】
【化1】 (a=3〜7)
【0017】
【化2】 (a>0,a+b=3〜7)
【0018】
【化3】 (a=2〜5)
【0019】そして、上記のようなシリコーンモノマー
あるいはオリゴマーにより形成されるシリコーン化合物
としては、例えば、ジハイドロジェンヘキサメチルシク
ロテトラシロキサン、トリハイドロジェンペンタメチル
シクロテトラシロキサン、テロラハイドロジェンテトラ
メチルシクロテトラシロキサン、ジハイドロジェンオク
チルシクロペンタシロキサン、テトラハイドロジェンヘ
キサメチルシクロペンタシロキサンおよびペンタハイド
ロジェンペンタメチルシクロペンタシロキサン等の環状
シリコーン化合物あるいは1,1,1,3,5,7,
7,7−オクタメチルペンタシロキサン、1,1,1,
3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサン
および1,1,1,3,5,7,9,11,11,11
−デカメチルヘキサシロキサン等の直鎖状シリコーン化
合物を挙げることがでる。
【0020】上記のシリコーン化合物は、例えば、前述
のように、気相状での堆積、および固体表面上での接触
重合によって、固体表面上に堆積したシリコーンポリマ
ー被覆を形成することができる。
【0021】これらシリコーンポリマー被覆は、前記の
シリコーンモノマーあるいはオリゴマーの構造式から理
解できるように、総てのものがSi−H基を有するもの
である。すなわち、本発明においては、シリコーンポリ
マー被覆中に、少なくとも1個のSi−H基が存在する
ものであって、固体表面を被覆できる限り、任意のもの
を使用することができる。
【0022】次に、このように形成されたシリコーンポ
リマー被覆のSi−H基に、ビニル基またはアリル基を
有するパーフルオロ化合物を反応させ、該シリコーンポ
リマー被覆へのパーフルオロ基による表面修飾について
述べる。
【0023】本発明におけるシリコーンポリマー被覆へ
のパーフルオロ基による表面修飾は、シリコーンポリマ
ー被覆のSi−H基のケイ素原子と、ビニル基またはア
リル基を有するパーフルオロ化合物における、該ビニル
基またはアリル基の炭素原子とが反応し、ケイ素−炭素
共有結合を形成することにより達成されるものである。
【0024】Si−H基と反応するビニル基またはアリ
ル基を有するパーフルオロ化合物としては、例えば、パ
ーフルオロオレフィン(CH2=CH(CF2YF:Y
は4〜18の整数)、パーフルオロアクリレート(CH
2=CHCOO(CH2X(CF2YF:Xは1〜4の
整数、Yは2〜12の整数)、パーフルオロメタクリレ
ート(CH2=C(CH3)COO(CH2X(CF2Y
F:Xは1〜4 の整数、Yは2〜12の整数))、C
2=CHCH2(CF2YF(Yは2〜12の整数)等
を挙げることができる。
【0025】すなわち、本発明において、ビニル基また
はアリル基を有するパーフルオロ化合物とは、ビニル基
またはアリル基が直接的にパーフルオロ化合物と結合し
たもの、もしくは、パーフルオロ化合物の誘導体に間接
的にビニル基またはアリル基を有したものも、その範囲
に含まれるものである。
【0026】なお、本発明において、シリコーンポリマ
ー被覆される固体とは、被覆され得る材料であれば、特
に制限はないが、粉体であることが好ましい。
【0027】この粉体は、一般に、粒径10nm以下の
任意の固体を指すものであるが、個々の粉体の凝集体、
成形体および造形体も含まれ、この場合には、それぞれ
の大きさは10nmよりも大きくなることがある。ま
た、粒径0.02μm以下の超微粒子も、本発明の粉体
に含まれるものである。
【0028】次に、本発明によって提供されるシリコー
ンポリマー被覆撥水性撥油性固体の製造方法について詳
述する。
【0029】本発明の製造方法においては、Si−H基
を含むシリコーンポリマー被覆と、ビニル基またはアリ
ル基を有するパーフルオロ化合物とを、特に、パラジウ
ム系触媒あるいは白金系触媒の存在下で反応させ、該S
i−H基のケイ素原子と、該ビニル基またはアリル基の
炭素原子において、ケイ素−炭素共有結合させるもので
ある。
【0030】例えば、Si−H基を含むシリコーンポリ
マー被覆と、ビニル基またはアリル基を有するパーフル
オロ化合物とを、2−プロパノール、メタノール、エタ
ノール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、トル
エン、水、およびその混合溶媒中に、塩化白金酸等の触
媒の存在下で、室温から使用溶媒の沸点までの範囲の温
度にて反応させる方法が最も好ましい。
【0031】また、上記のように、Si−H基を含むシ
リコーンポリマーと、ビニル基またはアリル基を有する
パーフルオロ化合物との反応は、溶媒中で行うのが好ま
しいが、この反応は300℃以下の気相中で行うことも
でき、使用できる触媒としては、前記触媒を始めとし
て、白金族系触媒、例えば、ルテニウム、ロジウム、パ
ラジウム、オスミウム、イリジウム、白金の化合物が適
しているが、この中でも、特に、パラジウムと白金の化
合物が好適である。
【0032】具体的には、パラジウム系触媒として、塩
化パラジウム(II)、塩化テラアンミンパラジウム(I
I)酸アンモニウム、酸化パラジウム(II)、水酸化パ
ラジウム等が挙げられる。また、白金系触媒として、塩
化白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)、塩化白金
(IV)、ヘキサクロロ白金酸(IV)、ヘキサクロロ白金
酸(IV)アンモニウム、酸化白金(II)、水酸化白金
(II)、二酸化白金(IV)、酸化白金(IV)、二硫化白
金(IV)、硫化白金(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸
カリウム等が挙げられる。
【0033】さらに、これらのパラジウム系触媒あるい
は白金系触媒に、トリ−n−アルキル(例えば、炭素数
1〜8)メチルアンモニウムクロライドや、トリ−n−
アルキルアミンを加え、水/有機溶媒系でイオン対抽出
を行った後の有機溶媒層を用いることもできる。また、
前記共有結合反応は紫外線、γ線、プラズマ等を利用し
て実施することもできる。
【0034】また、パーフルオロ化合物のシリコーンポ
リマーへの結合量は、シリコーンポリマー被覆に用いる
原料、例えば、前記構造式化1、化2、あるいは化3の
化合物からの選択、および/または反応時間を調整する
ことにより、任意に調製することができる。
【0035】このようなシリコーンポリマー被覆撥水性
撥油性固体は、特に、該固体が粉体である場合には、シ
リコーン系油および/またはフッ素系油とを混合するこ
とにより、例えば、ファンデーション等の化粧料として
好適に使用することが可能である。
【0036】なお、本発明のシリコーンポリマー被覆撥
水性撥油性粉体は、上記の化粧料以外にも、高速液体ク
ロマトグラフ用充填剤、繊維、シート、ガラス、プリズ
ム、レンズ等に利用することができるものである。
【0037】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を挙げ、本発明
をさらに具体的に詳述するが、本発明は、これら実施例
に何ら限定されるものではない。
【0038】先ず、本発明のシリコーンポリマー被覆撥
水性撥油性固体の製造方法において、各種固体(粉体)
へのシリコーンポリマー被覆について述べる。
【0039】[実施例1−1:微粒子二酸化チタンのシ
リコーンポリマー被覆]容器100リットルの回転式ダ
ブルコーン反応槽(ステンレススチール製、保温ジャケ
ット付)中に、粒径50nmの微粒子二酸化チタン10
kgを入れた。その反応槽および、それに直結させた容
積10リットルの処理液供給タンク(ステンレススチー
ル製、保温ジャケット付)の温度は、加熱した熱溶媒を
循環ポンプにて、熱媒液供給タンクから各保温ジャケッ
トに供給することにより、80℃に保持した。さらに、
処理液供給タンクには、窒素ガスを1.5リットル/m
inで供給し、処理液をバブリングさせた。なお、反応
槽には凝縮器を取り付け、窒素ガスがそこから放出さ
れ、未反応の処理剤が回収できるようにした。
【0040】このような条件下で、反応槽を10分間隔
で1分間回転させ、反応槽内で微粒子二酸化チタンを混
合する操作を4時間繰り返した後、処理粉体を取り出
し、シリコーンポリマー被覆微粒子二酸化チタンを得
た。得られた処理粉体は著しい撥水性を示した。
【0041】[実施例1−2:マイカのシリコーンポリ
マー被覆]実施例1−1の微粒子二酸化チタンをマイカ
に変えて、実施例1−1と同様の処理を行い、シリコー
ンポリマー被覆マイカを得た。得られた処理粉体は著し
い撥水性を示した。
【0042】[実施例1−3:タルクのシリコーンポリ
マー被覆]実施例1−1の微粒子二酸化チタンをタルク
に変えて、実施例1−1と同様の処理を行い、シリコー
ンポリマー被覆タルクを得た。得られた処理粉体は著し
い撥水性を示した。
【0043】[実施例1−4:シリカゲルのシリコーン
ポリマー被覆]実施例1−1の微粒子二酸化チタンをシ
リカゲル5kgに変えて、実施例1−1と同様の処理を
行い、シリコーンポリマー被覆シリカゲルを得た。得ら
れた処理粉体は著しい撥水性を示した。
【0044】[実施例1−5:微粒子二酸化チタンのシ
リコーンポリマー被覆]微粒子二酸化チタン20gを遊
星型ボールミルに入れ、5分間混合摩砕後、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン(分子量6000)1kgを
加え、さらに混合摩砕を3時間行い、シリコーンポリマ
ー被覆微粒子二酸化チタンを得た。得られた処理粉体は
著しい撥水性を示した。
【0045】[実施例1−6:セリサイトのシリコーン
ポリマー被覆]実施例1−5の微粒子二酸化チタンをセ
リサイトに変えて、実施例1−5と同様の処理を行い、
シリコーンポリマー被覆セリサイトを得た。得られた処
理粉体は著しい撥水性を示した。
【0046】[実施例1−7:タルクのシリコーンポリ
マー被覆]実施例1−5の微粒子二酸化チタンをタルク
に変えて、実施例1−5と同様の処理を行い、シリコー
ンポリマー被覆タルクを得た。得られた処理粉体は著し
い撥水性を示した。
【0047】[実施例1−8:カオリンのシリコーンポ
リマー被覆]実施例1−5の微粒子二酸化チタンをカオ
リンに変えて、実施例1−5と同様の処理を行い、シリ
コーンポリマー被覆カオリンを得た。得られた処理粉体
は著しい撥水性を示した。
【0048】次に、上記で得られた各種のシリコーンポ
リマー被覆粉体における、該シリコーンポリマー被覆へ
のパーフルオロ基による表面修飾について実施例を挙げ
詳述する。
【0049】[実施例2−1:シリコーンポリマー被覆
微粒子二酸化チタンへのパーフルオロ基による表面修
飾]実施例1−1のシリコーンポリマー被覆微粒子二酸
化チタン100gを1リットルのナス型フラスコに取
り、これに酸触媒として塩化白金酸トリブチルアミン錯
塩10mgの存在下で、ビニルパーフルオロオレフィン
(CH2=CH(CF2)10F)5gおよび、トルエン5リ
ットルを加え、マントルヒーター中で6時間加熱循環さ
せた後、濾過し、さらに、トルエン2リットルにて洗浄
し、脱気乾燥を行い、パーフルオロ基で表面修飾された
シリコーンポリマー被覆撥水性撥油性微粒子二酸化チタ
ンを得た。
【0050】[実施例2−2:シリコーンポリマー被覆
マイカへのパーフルオロ基による表面修飾]実施例2−
1のシリコーンポリマーマイカを用いて、実施例2−1
と同様の処理を行い、パーフルオロ基で表面修飾された
シリコーンポリマー被覆撥水性撥油性マイカを得た。
【0051】[実施例2−3:シリコーンポリマー被覆
タルクへのパーフルオロ基による表面修飾]実施例1−
3のシリコーンポリマー被覆タルクを用い、実施例2−
1のビニルパーフルオロオレフィンをパーフルオロアク
リレートに変えて、実施例2−1と同様の操作を処理を
行い、パーフルオロ基で表面修飾されたシリコーンポリ
マー被覆撥水性撥油性タルクを得た。
【0052】[実施例2−4:シリコーンポリマー被覆
シリカゲルへのパーフルオロ基による表面修飾]実施例
1−4のシリコーンポリマー被覆シリカゲルを用い、実
施例2−1と同様の処理を行い、パーフルオロ基で表面
修飾されたシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性シリカ
ゲルを得た。
【0053】[実施例2−5:シリコーンポリマー被覆
微粒子二酸化チタンへのパーフルオロ基による表面修
飾]実施例1−5のシリコーンポリマー被覆微粒子二酸
化チタンを用いて、実施例2−1と同様な操作を行い、
パーフルオロ基で表面修飾されたシリコーンポリマー被
覆撥水性撥油性二酸化チタンを得た。
【0054】[実施例2−6:シリコーンポリマー被覆
微粒子二酸化チタンへのパーフルオロ基による表面修
飾]実施例1−6のシリコーンポリマー被覆マイカを用
い、実施例2−1のビニルパーフルオロオレフィンをパ
ーフルオロアクリレートに変えて、実施例2−1と同様
の操作を行い、パーフルオロ基で表面修飾されたシリコ
ーンポリマー被覆撥水性撥油性二酸化チタンを得た。
【0055】[実施例2−7:シリコーンポリマー被覆
タルクへのパーフルオロ基による表面修飾]実施例1−
7のシリコーンポリマー被覆タルクを用い、実施例2−
1のビニルパーフルオロオレフィンをパーフルオロオレ
フィン(CH2=CH(CF2)8F)に変えて、実施例2
−1と同様の操作を行い、パーフルオロ基で表面修飾さ
れたシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性タルクを得
た。
【0056】[実施例2−8:シリコーンポリマー被覆
カオリンへのパーフルオロ基による表面修飾]実施例1
−8のシリコーンポリマー被覆カオリンを用いて、実施
例2−1と同様な操作を行い、パーフルオロ基で表面修
飾されたシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性カオリン
を得た。
【0057】[比較例1:微粒子二酸化チタンのシリコ
ーンポリマー被覆]微粒子二酸化チタン50gと、オク
タメチルシクロテトラシロキサン5gとを別々の容器に
入れ、80℃でデシケータ内にて放置した。20時間後
に粉末を取り出し、120℃で20時間乾燥して、シリ
コーンポリマー被覆微粒子二酸化チタンを得た。
【0058】[比較例2:マイカのシリコーンポリマー
被覆]マイカ50gと、ヘキサメチルシクロトリシロキ
サン5gとを別々の容器に入れ、80℃でデシケータ内
にて放置した。20時間後に粉末を取り出し、120℃
で20時間乾燥して、シリコーンポリマー被覆マイカを
得た。
【0059】[比較例3:タルクのシリコーンポリマー
被覆]タルク20gを遊星型ボールに入れ、5分後混合
摩砕後、ジメチルポリシロキサン(分子量6000)1
gを加え、さらに混合摩砕を3時間行い、シリコーンポ
リマー被覆タルクを得た。
【0060】上記の各実施例および比較例で得られたシ
リコーンポリマー被覆固体について、以下に示す撥水性
撥油性試験を行い、撥水性撥油性の評価を行った。
【0061】[試験例1:撥水性撥油性試験]20ml
のスクリュー管に10mlのイオン交換水またはスクワ
ランを入れ、これに0.1gの粉末を入れ、静置状態で
粉末の状態を観察した。評価基準としては、○は完全に
浮上している状態、△:一部が浮上している状態、×:
完全に沈降した状態をそれぞれ示す。
【0062】上記の撥水性撥油性試験の評価結果を表1
に示す。
【0063】
【表1】
【0064】表1に示した結果から明らかなように、各
比較例のパーフルオロ基で表面修飾されていないシリコ
ーンポリマー被覆粉体に比べ、本発明による各実施例の
パーフルオロ基で表面修飾されたシリコーンポリマー被
覆撥水性撥油性粉体は、卓越した撥水性撥油性を示し
た。
【0065】[実施例3:粉体固形状ファンデーション
の製造]下記の処方および製法により、上記の実施例で
得られた本発明のシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性
粉体、およびフッ素系オイルを用いて、本発明の粉体固
形状ファンデーションを製造した。
【0066】 [処方] (1) 実施例2−1のパーフルオロ基の表面修飾 シリコーンポリマー被覆微粒子二酸化チタン 15.0重量% (2) 実施例2−2のパーフルオロ基の表面修飾 シリコーンポリマー被覆マイカ 35.0 (3) 実施例2−3のパーフルオロ基の表面修飾 シリコーンポリマー被覆タルク 20.0 (4) 顔 料 適 量 (5) 樹脂パウダー 8.0 (6) フッ素系オイル 8.0 (7) 親油性乳化剤 4.0 (8) グリセリン 1.0 (9) 流動パラフィン 5.0 (10)メチルパラベン 0.2 (11)香 料 適 量
【0067】[製法](6)〜(11)の油性成分を混
合溶解した後、(1)〜(5)の粉体成分を混合したも
のを加え、混合粉砕後金皿に打型して、粉体固形状ファ
ンデーションを得た。
【0068】[比較例4:粉体固形状ファンデーション
の製造]実施例3の処方において、(1)〜(3)のパ
ーフルオロ基による表面修飾シリコーンポリマー被覆粉
体を、それぞれ比較例1〜3で得られたパーフルオロ基
により表面修飾されていないシリコーンポリマー被覆粉
体に、また、(6)のフッ素系オイルを(9)の流動パ
ラフィンにそれぞれ代え、実施例3と同様な製法によ
り、別の粉体固形状ファンデーションを得た。
【0069】[実施例4:油性ファンデーションの製
造]下記の処方および製法により、上記の実施例で得ら
れた本発明のシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性粉
体、およびシリコーン系オイルとフッ素系オイルを用い
て、本発明の油性ファンデーションを製造した。
【0070】 [処方] (1) 実施例2−8のパーフルオロ基の表面修飾 シリコーンポリマー被覆カオリン 10.0重量% (2) ナイロンパウダー 15.0 (3) 実施例2−2のパーフルオロ基の表面修飾 シリコーンポリマー被覆マイカ 15.0 (4) 顔 料 適 量 (5) シリコーン系オイル 13.0 (6) フッ素系オイル 12.0 (7) ジメチルポリシロキサン 20.0 (8) ソルビタン脂肪酸エステル 1.0 (9) ワックス 10.0 (10)香 料 適 量
【0071】[製法](5)〜(8)、(10)の油性
成分を80℃に加熱混合し、さらに(1)〜(4)の粉
体成分を加え、80℃で分散してTKミルにて湿式粉砕
し、(9)を添加して90℃で混合した後、金皿に充填
し油性ファンデーションを得た。
【0072】[比較例5:油性ファンデーションの製
造]実施例4の処方において、(1)、(3)のパーフ
ルオロ基の表面修飾シリコーンポリマー被覆粉体を、そ
れぞれパーフルオロ基で表面修飾されていないシリコー
ンポリマー被覆粉体に、また、(6)のフッ素系オイル
をシリコーン系オイルにそれぞれ代えて、実施例4と同
様な製法により、別の油性ファンデーションを得た。
【0073】上記の各実施例および比較例について以下
に示す使用性評価を行った。
【0074】[試験例2:使用性評価]使用性評価につ
いては、取れ、付き、伸び、肌への密着感、仕上がりの
しっとり感、仕上がりのべとつき等について、以下の評
価基準に従って、専門パネル10名による官能検査によ
り評価した。
【0075】(評価基準) 1.「取れ」 非常に取れが良い ◎ やや取れが良い ○ やや取れが悪い △ 非常に取れが悪い ×
【0076】2.「つき」 非常につきが良い ◎ ややつきが良い ○ ややつきが悪い △ 非常につきが悪い ×
【0077】3.「のび」 非常にのびが良い ◎ ややのびが良い ○ ややのびが悪い △ 非常にのびが悪い ×
【0078】4.「肌への密着感」 非常に密着感が良い ◎ やや密着感が良い ○ やや密着感が悪い △ 非常に密着感が悪い ×
【0079】5.「仕上がりのしっとり感」 非常にしっとりしている ◎ ややしっとりしている ○ ややしっとりさがない △ 非常にしっとりさがない ×
【0080】6.「仕上がりのべとつき」 非常にべとつきがない ◎ ややべとつきがない ○ ややべとつく △ 非常にべとつく ×
【0081】上記の官能検査の結果をまとめて表2に示
す。
【0082】
【表2】
【0083】さらに、上記の各実施例および比較例につ
いて以下に示す耐水性試験を行い、耐水性の評価を行っ
た。
【0084】[試験例3:耐水性試験]耐水性は接触角
計を用いて測定を行い、その結果を表3に示した。その
結果、実施例3、4の本発明のファンデーションは、極
めて耐水性に優れることが分かった。なお、値は接触角
(deg)で表し、値が高いほど耐水性が良い。
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、Si−H基を含むシリ
コーンポリマー被覆固体の、該シリコーンポリマー被覆
に、ビニル基またはアリル基を有するパーフルオロ化合
物を反応させ、該シリコーンポリマー被覆にパーフルオ
ロ基を修飾させることにより、撥水性撥油性、熱安定性
および安全性に極めて優れたシリコーンポリマー被覆撥
水性撥油性個体(粉体)を提供できるものである。
【0087】また、本発明によれば、シリコーンポリマ
ー被覆に、パーフルオロ基を修飾させて得られた撥水性
撥油性粉体と、シリコーン系油および/またはフッ素系
油とを混合することにより、使用性および耐水性に極め
て優れた化粧料を提供できるものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si−H基を含むシリコーンポリマーで
    固体を被覆し、該シリコーンポリマー被覆のSi−H基
    に、ビニル基またはアリル基を有するパーフルオロ化合
    物を反応させて得られる、パーフルオロ基で表面修飾さ
    れたシリコーンポリマー被覆撥水性撥油性固体。
  2. 【請求項2】 前記ビニル基またはアリル基を有するパ
    ーフルオロ化合物が、パーフルオロオレフィン、パーフ
    ルオロアクリレート、もしくはパーフルオロメタクリレ
    ートであることを特徴とする請求項1記載の撥水性撥油
    性固体。
  3. 【請求項3】 前記Si−H基を含むシリコーンポリマ
    ーに被覆された固体が、粉体であることを特徴とする請
    求項1記載の撥水性撥油性固体。
  4. 【請求項4】 Si−H基を含むシリコーンポリマーで
    固体を被覆し、該シリコーンポリマー被覆のSi−H基
    と、ビニル基またはアリル基を有するパーフルオロ化合
    物とを反応させ、該Si−H基のケイ素原子と、該ビニ
    ル基またはアリル基の炭素原子との反応において、ケイ
    素−炭素共有結合により、パーフルオロ基を該シリコー
    ンポリマー被覆に表面修飾させることを特徴とする請求
    項1記載の撥水性撥油性固体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記Si−H基のケイ素原子と、該ビニ
    ル基またはアリル基の炭素原子との反応におけるケイ素
    −炭素共有結合を、パラジウム系触媒あるいは白金系触
    媒の存在下で行うことを特徴とする請求項4記載の撥水
    性撥油性固体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の撥水性撥油性粉体と、シ
    リコーン系油および/またはフッ素系油とを含むことを
    特徴とする化粧料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004529247A (ja) * 2001-05-23 2004-09-24 ダウ・コ−ニング・コ−ポレ−ション ポリシロキサン、ならびにそれらを含有するゲルおよびペースト
JP2011506240A (ja) * 2007-12-05 2011-03-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー フルオロアルキルシランでの無機粒子疎水化
TWI568791B (zh) * 2012-08-27 2017-02-01 日本華爾卡工業股份有限公司 滲出被抑制的成形體及其製造方法
JP2018519310A (ja) * 2015-06-29 2018-07-19 イーエルシー マネージメント エルエルシー 化粧用途の架橋コーティングを有する粒子

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