JPH08118367A - 合成樹脂成形品の成形法 - Google Patents

合成樹脂成形品の成形法

Info

Publication number
JPH08118367A
JPH08118367A JP7084515A JP8451595A JPH08118367A JP H08118367 A JPH08118367 A JP H08118367A JP 7084515 A JP7084515 A JP 7084515A JP 8451595 A JP8451595 A JP 8451595A JP H08118367 A JPH08118367 A JP H08118367A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
insulating layer
heat insulating
heat
thermal expansion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7084515A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2727303B2 (ja
Inventor
Hiroshi Kataoka
紘 片岡
Isao Umei
勇雄 梅井
Mutsumi Maeda
睦 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP7084515A priority Critical patent/JP2727303B2/ja
Publication of JPH08118367A publication Critical patent/JPH08118367A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2727303B2 publication Critical patent/JP2727303B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/38Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor characterised by the material or the manufacturing process
    • B29C33/3828Moulds made of at least two different materials having different thermal conductivities
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/56Coatings, e.g. enameled or galvanised; Releasing, lubricating or separating agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/32Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C2043/3205Particular pressure exerting means for making definite articles
    • B29C2043/3261Particular pressure exerting means for making definite articles thermal expansion
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/42Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C49/48Moulds
    • B29C2049/4874Moulds characterised by the material, e.g. having different thermal conductivities or hardness
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C49/00Blow-moulding, i.e. blowing a preform or parison to a desired shape within a mould; Apparatus therefor
    • B29C49/42Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C49/48Moulds
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C51/00Shaping by thermoforming, i.e. shaping sheets or sheet like preforms after heating, e.g. shaping sheets in matched moulds or by deep-drawing; Apparatus therefor
    • B29C51/26Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C51/30Moulds

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗装仕上げが不要な成形品を成形し、且つ耐
久性を有する断熱層被覆金型を用いた成形法を提供す
る。 【構成】 表面が硬質クロムメッキされ、熱膨張係数が
2.8×10-5/℃の亜鉛合金製主金型に、熱膨張係数
が3.3×10-5/℃のポリイミド層を、厚さ0.35
mmになるように被覆してなる金型で、ABS樹脂を押
出ブロー成形する。 【効果】 断熱層被覆金型の断熱層等の剥離が防止さ
れ、また、成形品は外観に優れ、塗装仕上げが不要とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の成形法に関す
る。更に詳しくは断熱層被覆金型を用いて数万回の成形
に耐える射出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、真空
成形法、押出成形法等の合成樹脂の成形法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を金型キャビティへ射出し
て成形し、成形品に対する型表面の形状状態の付与にお
ける再現性を良くし、成形品の艶を良くするには、通
常、樹脂温度を高くしたり、射出圧力を高くする等の成
形条件を選ぶことによりある程度達成できる。
【0003】これらの要因の中で最も大きな影響がある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がるこ
とから、金型温度を高くすることなく型表面の再現性を
良くし、又金型温度を高くしても必要な冷却時間が長く
ならない方法が要求されている。金型に加熱用、冷却用
の孔をそれぞれ設けておき、交互に熱媒、冷媒を流して
金型の加熱、冷却を繰り返す方法も行われているが、こ
の方法は熱の消費量も多く、冷却時間が長くなる。
【0004】一方、金型キャビティを形成する型壁面を
熱伝導率の小さい物質、すなわち断熱層で被覆すること
により金型表面再現性を良くする方法がWO公開93/
06980等で開示されている。この中では、断熱層と
して、主金型との密着力が大きく、破断伸度が大きい強
靭な耐熱性重合体を選定すれば数万回の成形に耐えるこ
とが示されている。しかし、金型の形状や断熱層の厚み
によっては剥離が発生する等の問題がある。更に、US
P3,734,449には金属金型壁面に断熱層を被覆
し、更にその断熱層表面に薄肉金属層を被覆した金型が
示されている。しかし、該薄肉金属層と断熱層の剥離が
成形中に発生する問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、射出成形品やブ
ロー成形品の塗装等の後加工を省略する要求が強くなっ
てきた。成形時の製造コストの低下、塗装時の溶剤蒸発
等による環境破壊の低減等のため、塗装を無くしたいと
いう希望が極めて強い。電気機器や電子機器のハウジン
グについてこの後加工省略の要望が極めて強い。一般に
これらのハウジングは複雑な形状をしており、成形品の
中にはほぼ直角の角部を有する形状の物が多い。また、
複雑な形状のため、多点ゲートの射出成形で成形され
る。このため成形品には多数のウエルドラインが発生
し、この見苦しいウエルドラインを消すために塗装仕上
げを必要としてきた。これを塗装無しで実用にできる成
形品を得る試みが多く行われている。
【0006】我々は金型キャビティを構成する型壁面を
断熱層で被覆し、型表面の再現性を良くし、ウエルドラ
インの目立ちを低減する方法を種々検討した。その結
果、複雑な形状の成形品を成形する金型の金型キャビテ
ィ壁面に、均一に耐熱性重合体からなる断熱層を被覆す
ることは非常に効果があることがわかった。
【0007】しかし、この方法を実用金型に応用するに
は次のような種々の問題点があることを発見した。
【0008】(1)金型形状、成形条件等によっては、
主金型と断熱層の剥離が発生することがあり、特に、型
壁面のほぼ直角の鋭角部分に断熱層を被覆すると、鋭角
部分に塗布した断熱層の剥離が発生しやすく、成形品の
形状を直角部分を避けた形状にする必要がある。
【0009】(2)我々は断熱層被覆金型をブロー成形
に応用することを検討したが、ブロー成形では断熱層を
厚肉にする必要があり、断熱層を厚肉にすると同様に剥
離が発生しやすくなる問題がある。
【0010】(3)断熱層として重合体を用いた場合、
断熱層は使用中に傷がつきやすく、これを改良する必要
がある。
【0011】(4)重合体からなる断熱層で被覆した金
型では、成形される合成樹脂がポリアミド等の様に極性
を有する場合、成形時に金型からの離型が困難になる場
合があり、その改良が必要である。
【0012】(5)重合体からなる断熱層の表面に金属
メッキ等により金属層をつけることにより、断熱層の離
型性や傷付き防止を行おうとすると、合成樹脂の成形時
に型表面で加熱と冷却が繰り返され、この冷熱サイクル
で表面の金属層が剥離しやすく、これを防ぐことが必要
である。
【0013】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らはこ
れらの問題点を解決するため、断熱層で被覆した金型に
ついて検討を行い、主金型表面を被覆する断熱物質、そ
の被覆状態、主金型材質との組み合わせ、更に断熱層の
最表面に被覆する薄肉の金属層について検討を行い、断
熱層と主金型、及び断熱層と金属層の熱膨張係数の差が
小さいことが極めて重要であることを発見し、本発明に
至った。
【0014】すなわち本発明は、金属からなる主金型の
型キャビティを構成する型壁面に、耐熱性重合体からな
る断熱層を被覆した断熱層被覆金型であって、主金型と
接する断熱層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数の差が
2×10-5/℃以下である断熱層被覆金型を用いて成形
することを特徴とする合成樹脂成形品の成形法である。
【0015】更に本発明は、金属からなる主金型の型キ
ャビティを構成する型壁面に、耐熱性重合体からなる断
熱層を被覆し、更にその断熱層表面に全断熱層の1/3
以下の厚みの金属層を被覆した断熱層被覆金型であっ
て、金属層に接する断熱層の熱膨張係数と金属層の熱膨
張係数の差が2×10-5/℃以下である断熱層被覆金型
を用いて成形することを特徴とする合成樹脂成形品の成
形法である。
【0016】更に本発明は、断熱層と主金型の熱膨張係
数の差、及び断熱層と金属層の熱膨張係数の差のいずれ
もが2×10-5/℃以下である上記の成形法である。
【0017】以下に本発明について詳しく説明する。
【0018】本発明に使用される合成樹脂は一般の射出
成形やブロー成形に使用できる熱可塑性樹脂であり、例
えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂等のスチレン系
樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、
メタクリル樹脂、塩化ビニール樹脂等である。
【0019】合成樹脂には1〜60%の樹脂強化物が含
有されていることが好ましい。樹脂強化物とは各種ゴ
ム、ガラス繊維、カーボン繊維等の各種繊維、タルク、
炭酸カルシウム、カオリン等の無機粉末等である。
【0020】特に良好に使用できる合成樹脂はゴム強化
合成樹脂であり、その中で更に良好に使用できるのはゴ
ム強化スチレン系樹脂である。ここに述べるゴム強化ス
チレン系合成樹脂とは、樹脂相中にゴム相が島状に分布
した、例えばゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂、AA
S樹脂、MBS樹脂等をいう。
【0021】ゴム強化ポリスチレンは、スチレンを主体
とした重合体の樹脂相中にポリブタジエン、SBR等の
ゴム相が島状に分散している。ABS樹脂はスチレンと
アクリロニトリルを主体とした共重合体の樹脂相中にポ
リブタジエン、SBR等のゴム相が島状に分散してる。
AAS樹脂はスチレンとアクリロニトリルを主体とした
共重合体の樹脂相中にアクリルゴムのゴム相が島状に分
散している樹脂であり、MBS樹脂は、スチレンとメチ
ルメタアクリレートを主体とした共重合体からなる樹脂
相中にゴム相が島状に分散している樹脂である。
【0022】更に、これ等の樹脂を主体としたブレンド
物等も本発明に使用することができる。例えば、ポリフ
ェニレンエーテルを配合したゴム強化ポリスチレン樹脂
とのブレンドなどは良好に使用できる。これ等の樹脂の
射出成形品は性能と経済性のバランスが極めて良く、弱
電機器のハウジング等に好適である。
【0023】本発明の成形法で成形される良好な成形品
は弱電機器、電子機器等のハウジング、各種自動車部
品、各種日用品、各種工業部品等の一般に使用される合
成樹脂射出成形品である。特に好ましくは、ウエルドラ
インが多く、鋭角な角部を有する射出成形品であり、多
点ゲートを有し、半径1mm未満の鋭角を有する電子機
器や電気機器のハウジング等である。
【0024】本発明に述べる主金型とは、例えば鉄又は
鉄を主成分とする鋼材、アルミニウム、又はアルミニウ
ムを主成分とする合金、ZAS等の亜鉛合金、ベリリウ
ム−銅合金等の一般に合成樹脂の成形に使用されている
金属金型を包含する。特に鋼材から成る金型が良好に使
用できる。これらの金属からなる主金型の型キャビティ
を構成する型表面は薄肉の硬質クロムやニッケル等でメ
ッキされていることが好ましい。これ等のメッキは一般
に10μm程度の薄肉であり、主金型の熱膨張係数は主
金型の大部分を構成する金属に左右され、主金型の熱膨
張係数の値は主金型の大部分を構成する金属の値を用い
る。
【0025】本発明で断熱層に用いる耐熱性重合体と
は、成形される合成樹脂の成形温度より高い軟化温度を
有する重合体であり、好ましくは、ガラス転移温度が1
40℃以上、好ましくは160℃以上、及び/又は融点
が200℃以上、更に好ましくは250℃以上の耐熱性
重合体である。耐熱性重合体の熱伝導率は一般に0.0
001〜0.002cal/cm・sec・℃であり、
金属より大幅に小さい。又、該耐熱性重合体の破断伸度
は5%以上であることが好ましく、更に好ましくは10
%以上の靭性のある重合体が好ましい。破断伸度の測定
法はASTMD638に準じて行い、測定時の引っ張り
速度は5mm/分である。
【0026】本発明で断熱層として良好に使用できる重
合体は、主鎖に芳香環を有する耐熱性重合体であり、有
機溶剤に溶解する各種非結晶性耐熱重合体、各種ポリイ
ミド、一部の熱硬化性樹脂等が使用できる。
【0027】非結晶性耐熱性重合体としては、例えばポ
リスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミ
ド等である。これらの非結晶性耐熱性重合体にはカーボ
ン繊維等を配合することにより熱膨張係数を低下させて
本発明の断熱層として使用することができる。
【0028】ポリイミドは各種あるが、直鎖型高分子量
ポリイミド、ポリアミドイミド、一部架橋型のポリイミ
ドが良好に使用できる。一般に直鎖型高分子量ポリイミ
ドは破断伸度が大きく強靭であり、耐久性に優れており
特に良好に使用できる。
【0029】本発明では、主金型と接する耐熱性重合体
からなる断熱層と主金型の熱膨張係数が近いことが必要
である。また断熱層表面に金属層を被覆する場合には、
被覆金属層に接する耐熱性重合体からなる断熱層と該金
属層の熱膨張係数が近いことが必要である。すなわち、
本発明では、主金型と接する断熱層の熱膨張係数と主金
型の熱膨張係数の差、あるいは金属層に接する断熱層の
熱膨張係数と金属層の熱膨張係数の差、あるいはその両
方が、2×10-5/℃以下であり、好ましくは差が1.
5×10-5/℃以下、更に好ましくは差が1×10-5
℃以下である。一般に金属は重合体より熱膨張係数が小
さく、従って、熱膨張係数が小さい耐熱性重合体を選択
することが必要である。
【0030】本発明の熱膨張係数は線膨張係数であり、
断熱層の熱膨張係数はJIS K7197−1991に
示される方法で測定し、50℃と250℃の温度間の平
均値、あるいは断熱層のガラス転移温度が250℃以下
の場合には、50℃と該ガラス転移温度間の平均値で示
す。すなわち、平滑な平板状金属の上に断熱層を形成
し、次いで該断熱層を剥離し、その断熱層の50℃と2
50℃の間、あるいは50℃とガラス転移温度の間の平
均熱膨張係数を測定する。
【0031】金型壁面を断熱層で被覆する場合、その断
熱層には種々の性能が求められる。本発明の主題である
主金型との密着性の他に、強靭性、表面硬さ、表面を研
磨した時の光沢の出やすさ等も要求される。熱膨張係数
が小さいことの他に、これ等の性能を全て満す重合体が
得られにくいこともあり、この観点からは2層以上の断
熱層を用いることが好ましい。すなわち、主金型に接す
る側の断熱層に熱膨張係数が小さい重合体を用い、表層
側に表層としての必要性能に優れた性能を持つ重合体を
用いることで本発明の目的が好ましく達成される。この
場合、2層の断熱層は互いに接着性を有することが必要
であり、断熱層として同種の重合体を選択することが好
ましい。この場合には断熱層の全厚みの半分以上の断熱
層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数の差が2×10-5
/℃以下であることが好ましい。
【0032】また多層の断熱層のうち、主金型に接する
断熱層が極めて薄肉の場合、例えば主金型に接する断熱
層厚みが全断熱層厚みの1/5以下で、好ましくは1/
10以下で、且つ、10μm程度以下の様な場合には、
主金型に接する断熱層の熱膨張係数はあまり問題になる
ことは少なく、断熱層全体の4/5を越える大部分の断
熱層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数の差が2×10
-5/℃以下であれば良い。これは断熱層と主金型の密着
力を強くするために、その界面に薄肉のプライマーを塗
布する様な場合であり、上記に示す程度の極めて薄肉の
プライマー層であればその熱膨張係数の差が2×10-5
/℃を越えていてもそれは本発明に含まれるものとす
る。
【0033】本発明に良好に使用できる主金型用金属、
及び最表面に被覆する金属層の金属、断熱層の耐熱性重
合体、及び一般の合成樹脂の熱膨張係数を表1に示す。
【0034】
【表1】 ※ これらの樹脂にはカーボン繊維を配合することによ
る熱膨張係数を4×10-5/℃付近まで低下できる。
【0035】主金型や金属層の熱膨張係数が大きくなれ
ば、相対的に熱膨張係数の大きい断熱層が使用できる様
になる。金型材質として鋼鉄が最も多く使用されている
が、最近アルミニウム合金やZAS等の亜鉛合金も使用
される様になってきた。アルミニウム合金や亜鉛合金は
鋼鉄より熱膨張係数が大きく、従って、一般のポリイミ
ドもアルミニウム合金や亜鉛合金と組み合わせれば本発
明で使用可能となる。しかし、熱膨張係数が近ければ近
い程好ましく、主金型に鋼鉄を使用した場合には熱膨張
係数が極めて小さい低熱膨張型ポリイミド等が良好に使
用できる。表2に各種低熱膨張型ポリイミドの熱膨張係
数を示す。
【0036】
【表2】
【0037】表中、BifixとFreeは、それぞれ
ポリイミド前駆体をイミド化してポリイミドフィルムを
つくるときに、フィルムを自由に収縮できる様にしたか
(Free)、四角の枠に固定して、イミド化時に起こ
る収縮を抑えてその応力でポリマー鎖を面内配向させた
か(Bifix)の意味を有する。ポリイミド前駆体溶
液を主金型に塗布後、加熱して形成したポリイミドの熱
膨張係数はBifixに近い値となる。低熱膨張型ポリ
イミドはポリマー鎖が剛直で、真っすぐに伸びているポ
リマー鎖構造の重合体である。例えば、図15に示すポ
リイミドはポリマー鎖が屈曲しているが、これに対して
図16に示すポリイミドはポリマー鎖が真っすぐに伸び
ており低熱膨張型ポリイミドになる。
【0038】表3に本発明に良好に使用できる耐熱性重
合体の構造とガラス転移温度(Tg)を示す。
【0039】
【表3】
【0040】射出成形は複雑な形状の成形品を一度の成
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面を耐熱性重合体で被覆し、且つ強固に密着させる
には、耐熱性重合体溶液あるいは/及び耐熱性重合体前
駆体溶液を塗布し、次いで加熱して耐熱性重合体の断熱
層を形成させることが最も好ましい。従って、上記耐熱
性重合体、あるいは耐熱性重合体の前駆体は溶剤に溶解
できることが好ましい。ポリイミドの前駆体であるポリ
アミド酸の溶液を型壁面に塗布し、次いで加熱キュアを
行い型壁面上にポリイミドを形成する方法は良好に使用
できる。化1にポリアミド酸からポリイミドを形成する
式を示す。
【0041】
【化1】
【0042】ポリイミドの前駆体のポリアミド酸溶液を
型壁面に塗布し、次いで加熱キュアを行いポリイミドを
形成した場合、加熱キュア温度及び/又は加熱キュア雰
囲気によりポリイミドのガラス転移温度や熱膨張係数が
異なる。一般に加熱キュア温度が高い程ガラス転移温度
が高くなる傾向がある。ポリアミド酸は一般に250℃
以上にすればイミド化がほとんど100%進行しポリイ
ミドが形成されるが、ポリイミドになってからの分子の
動きがガラス転移温度や熱膨張係数に影響を与えると考
えられている。
【0043】ポリイミドの前駆体溶液にはイミド化促進
剤を添加して、できるだけ低温でイミド化することが好
ましい。イミド化促進剤とは、そのイミド化促進剤を直
鎖型高分子量ポリイミド前駆体溶液に配合することによ
り、該前駆体のイミド化を促進させ、低温でイミド化を
進行させることができる物質である。イミド化促進剤と
しては各種の有機酸や塩基等の物質があるが、例えば、
ピリジン/無水酢酸系の混合物、m−ハイドロキシベン
ゾイック酸、p−ハイドロキシベンゾイック酸、2,4
−ジハイドロキシベンゾイック酸、p−ハイドロキシフ
ェニル酢酸、3−(p−ハイドロキシフェニル)プロピ
オン酸、p−フェノールスルホン酸、p−アミノフェノ
ール、m−アミノベンゾイック酸、p−アミノベンゾイ
ック酸、2−(4−ハイドロキシフェニル)イソバレリ
ック酸、2−(4−ハイドロキシフェニル)−2−(4
−アミノフェニール)プロパン、p−ハイドロキシベン
ザルデヒド、等が良好に使用できる。
【0044】主金型として最も多く使用される鉄の熱膨
張係数は一般のポリイミドの熱膨張係数より小さい。熱
膨張係数が大きいポリイミド前駆体溶液を、熱膨張係数
が小さい金属金型表面に塗布して300℃に近い高温で
イミド化すると、イミド化される高温時にポリイミドと
金型は接着し、それを室温に冷却した時に熱膨張係数の
差に比例する残留応力がポリイミド層に残る。この残留
応力が合成樹脂成形時の数万回に及ぶ冷熱サイクルでポ
リイミド層の剥離をもたらす。
【0045】我々はポリイミドを被覆した金型のポリイ
ミドに残留する歪みを測定した結果、次のことを発見し
た。すなわち、ポリイミド前駆体を加熱してイミド化す
る時には、一般に十数%という大きな体積収縮がある
が、このイミド化時の大きな体積収縮が残留歪みとして
残る量は比較的小さく、それよりもイミド化する時の高
温度から室温に冷却する時の温度差と、ポリイミドと金
型の熱膨張係数の差による発生する歪みが大きいことを
発見した。この温度差と熱膨張係数の差により生ずる収
縮量の絶対値はそれ程大きくないにもかかわらず、残留
歪みに与える影響は大きいことを発見した。ポリイミド
の前駆体を室温〜200℃の低温でイミド化させること
により、断熱層のポリイミド層の残留応力を更に低減で
き、剥離発生を減少させることができる。
【0046】更に本発明では、熱膨張係数を小さくした
熱硬化性樹脂も使用できる。エポキシ樹脂、特に各種充
填材を適量配合して熱膨張係数を低下したエポキシ樹脂
が使用できる。エポキシ樹脂は一般に熱膨張係数が大き
く、金属金型との熱膨張係数の差は大きい。熱膨張係数
が小さいガラス、シリカ、タルク、クレー、珪酸ジルコ
ニウム、珪酸カルシウム、珪酸リチウム、炭酸カルシウ
ム、アルミナ、マイカ等の粉末や粒子、ガラス繊維、ウ
イスカー、炭素繊維等の適量をエポキシ樹脂に配合し、
主金型との熱膨張係数の差を2×10-5/℃未満とした
充填材配合エポキシ樹脂は本発明の断熱層として使用で
きる。
【0047】配合エポキシ樹脂に更にナイロン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルイミド等の強靭な重合体
を配合して強靭性を与え、更に熱膨張係数の小さい充填
材を配合して、熱膨張係数を下げ、強靭性をもつエポキ
シ樹脂配合物は特に良好に使用できる。充填材配合エポ
キシ樹脂の充填材配合量は15〜75重量%の範囲で適
度に選択され、好ましくは20〜70重量%である。充
填材の配合量と熱膨張係数の関係は充填材の種類、エポ
キシ樹脂の種類等により異なるが、例えば、シリカと珪
酸リチウムではおおよそ表4に示す値になる。
【0048】
【表4】
【0049】本発明の断熱層と主金型との密着力は大き
いことが必要であり、室温で0.5kg/10mm巾以
上であることが好ましく、より好ましくは0.8kg/
10mm巾以上、更に好ましくは1kg/10mm巾以
上である。これは密着した断熱層を10mm巾に切り、
切断巾を接着面と直角方向に20mm/分の速度で引張
った時の剥離力である。この剥離力は測定場所、測定回
数によりかなりバラツキが見られるが、最小値が大きい
ことが重要であり、安定して大きい剥離力であることが
好ましい。本発明に述べる密着力は金型の主要部の密着
力の最小値である。密着力を向上させるため、主金型の
表面を微細な凹凸状にしたり、各種メッキをしたり、プ
ライマー処理をすることは適宜実施できる。
【0050】更に、断熱層表面に金属層を設けた場合に
は、断熱層と最表面の金属層との密着力も同様に大きい
ことが必要であり、主金型と断熱層との密着力とほぼ同
等レベルの密着力が必要である。
【0051】射出成形は複雑な形状の型物が一度の成形
でできることが最大の長所であり、そのため金型キャビ
ティは一般に複雑な形状をしている。しかし、この複雑
な形状の金型キャビティ表面に鏡面状に被覆物質を塗布
することは極めて困難であり、そのため塗布された被覆
層を後から表面研磨して鏡面状に仕上げることが最も良
好な方法である。
【0052】断熱層の全厚みは0.05mm〜1mmの
範囲で適度に選択される。特に好ましくは、射出成形に
おいては0.05mmから0.2mmであり、ブロー成
形では0.2mmから0.5mmである。0.05mm
未満の薄い断熱層では、成形品の外観改良効果が少な
い。1mmを越える断熱層厚みでは金型内冷却時間が長
くなり、経済的観点から好ましくない。
【0053】主金型表面を耐熱性樹脂からなる断熱層で
被覆し、その断熱層表面に射出された加熱樹脂が接触す
ると、型表面は樹脂の熱を受けて昇温する。断熱層の熱
伝導率が小さいほど、また、断熱層が厚いほど、型表面
温度は高くなる。本発明の、最表面が断熱層からなる断
熱層被覆金型を用いた射出成形では、射出された合成樹
脂が冷却された断熱層表面に接触してから、少なくとも
0.1秒の間、断熱層表面温度(断熱層と合成樹脂の界
面温度)が成形される樹脂の軟化温度以上の状態である
ことが好ましく、更に好ましくは0.2秒以上の間保た
れることが好ましい。一般の金属からなる主金型の型表
面に断熱層が無い場合には、0.01秒後には型表面温
度は殆ど主金型温度と同一温度となるが、型表面を0.
05mm〜1mmの厚みの断熱層で被覆することで0.
1秒以上の間型表面を軟化温度以上の状態にすることが
できる。
【0054】射出成形時の型表面温度の変化は、合成樹
脂、主金型、断熱層の温度、比熱、熱伝導率、密度、結
晶化潜熱等から計算できる。例えば、ADINA及びA
DINAT(マサチューセッツ工科大学で開発されたソ
フトウェア)等を用い、非線形有限要素法による非定常
熱伝導解析により計算できる。
【0055】ここに述べる樹脂の軟化温度とは合成樹脂
が容易に変形し得る温度であり、非結晶性樹脂ではビカ
ット軟化温度(ASTM D1525)、硬質結晶性樹
脂では熱変形温度(ASTM D648 荷重18.6
kg/cm2 )、軟質結晶性樹脂では熱変形温度(AS
TM D648 荷重4.6kg/cm2 )でそれぞれ
示す温度とする。硬質結晶性樹脂とは、例えばポリオキ
シメチレン、ナイロン6、ナイロン66等であり、軟質
結晶性樹脂とは、例えば各種ポリエチレン、ポリプロピ
レン等である。
【0056】本発明では断熱材の薄層の表面の平滑性等
を更に向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を更に
向上させるため、あるいは離型性を良くするため、断熱
層の厚みの半分以下の厚みの別材質を断熱層表面に被覆
することができる。例えば、合成樹脂や型物の表面に、
耐擦傷性向上のために使用されている、一般にハードコ
ートと言われている塗料を塗布することができる。しか
し、本発明では、前記した通り、薄肉の金属層を断熱層
表面に被覆することにより上記目的が良好に達せられ
る。
【0057】本発明で使用される金型の断熱層最表面に
被覆される金属層に用いられる金属は、メッキや溶射等
により形成される金属であり、クロム、ニッケル、銅、
亜鉛、鉄、アルミニウム、チタン、錫−コバルト合金、
鉄−ニッケル合金等の1種又は2種以上である。
【0058】該金属層の厚みは全断熱層の厚みの1/3
以下である。好ましくは1/4以下の厚みで、0.00
1〜0.2mm、更に好ましくは0.003〜0.05
mmの範囲から選択される。金属層表面がしぼ状、ある
いは艶消し状等の凹凸状の場合、平均厚みで金属層厚み
を示す。断熱層表面の金属層が厚すぎると、断熱層を被
覆した効果がなくなり、薄すぎると金属層被覆の効果が
なくなる。ポリイミド等の断熱層に比較して金属は熱伝
導率と熱容量が大きいため、成形される加熱した熱可塑
性樹脂が冷却された金属層に接すると、熱可塑性樹脂と
金属層の界面で一時的に冷却が起こる。金属層が薄肉で
あれば直ちに該界面は昇温して熱可塑性樹脂の軟化温度
以上になり、型表面再現性が良くなる。金属層が厚くな
る程昇温に時間がかかり、昇温する温度も下がり断熱層
被覆の効果がなくなり、型表面再現性が悪くなる。
【0059】金属層は種々の方法で断熱層表面に被覆で
きるが、メッキ等により好ましく被覆できる。ここに述
べるメッキとは、断熱層表面に硬質金属の薄層を密着さ
せるものであり、特に本発明では硬度が高く、傷の付き
にくいクロム、ニッケルが最表面に存在するメッキが好
ましい。メッキ方法は化学メッキ、電気メッキのいずれ
の方法でも良い。例えば、まず断熱層表面を適度な粗面
にし、その表面に銅等の導体を析出させて電導性を付与
し、次いでニッケル、クロム等の各種金属を電気メッキ
する方法、化学メッキでニッケルを被覆する方法等が使
用できる。一般には次の工程のいくつかを経てメッキさ
れる。
【0060】化学腐触(酸やアルカリ等による化学エッ
チング:表面を適度な凹凸にする)→中和→感受性化処
理(合成樹脂表面に還元力のある金属塩を吸着させて活
性化を効果あらしめる)→活性化処理(触媒作用を有す
る貴金属を樹脂表面に付与)→化学ニッケルメッキ(ニ
ッケルの化学メッキ)→電気銅メッキ(銅の電気メッ
キ)→電気ニッケルメッキ(ニッケルの電気メッキ)→
電気クロムメッキ(クロムの電気メッキ)(詳細は「プ
ラスチックのメッキ」呂茂辰著、昭49年、日刊工業新
聞社刊等を参照)。
【0061】化学腐食により断熱層表面を適度な凹凸に
することを容易にするため、断熱層の表面層には炭酸カ
ルシウム、酸化珪素等の微細粉末を含有させた断熱層を
存在させることが好ましい。すなわち、ポリイミド等の
断熱層に炭酸カルシウムや酸化珪素等を配合すると、酸
処理やアルカリ処理で表面の炭酸カルシウムや酸化珪素
が溶出し、その跡の凹凸がメッキ層を表面に密着させる
力を増大させる。
【0062】射出成形やブロー成形等では成形される加
熱樹脂に接触する型表面は各成形毎に厳しい冷熱サイク
ルにさらされる。又、従来技術では、メッキ等で断熱層
表面に形成される金属層は一般に重合体からなる断熱層
より熱膨張係数が小さく、断熱層と金属層の熱膨張係数
が大きく異なるため、その界面で応力が繰り返し発生
し、1万回の成形を行えば1万回の応力が繰り返し発生
し、ついにはその界面で剥離が発生する。断熱層表面の
薄肉金属層と断熱層の界面は、成形加工時に温度が大き
く上下し、この薄肉金属層と断熱層の界面の温度上下動
の幅は、断熱層と主金型の界面の温度上下動の幅よりは
るかに大きく、それだけ剥離を引き起こす力は大きくな
る。本発明では金属層に接する断熱層の熱膨張係数と金
属層の熱膨張係数の差が2×10-5/℃以下の極めて熱
膨張係数が近いものを選択し、剥離を引き起こす応力を
低減するものである。
【0063】これまで一般に、合成樹脂表面に金属メッ
キを行う場合、金属の中でも柔軟性に富む銅をまず樹脂
層の上に厚肉に被覆し、その上に硬度に富むニッケル及
び/又はクロムを被覆する等の多層メッキをすることに
より、熱膨張係数の差により発生する剥離等の問題を避
けてきた。例えば、銅、ニッケル、クロムの順にメッキ
を行い、銅を全メッキ厚の3/4以上にする等のことを
行ってきたが、それでも剥離の問題は十分に解決できて
いない。本発明に述べる、熱膨張係数の差が2×10-5
/℃以下の熱膨張係数が極めて近い物を使用することに
より、必要以上にメッキ層を厚くする必要もなくなり、
長期成形に耐える良好な金型が得られる。
【0064】断熱層と主金型等との剥離の原因は熱膨張
係数の差だけではないが、熱膨張係数の差は極めて大き
な要因である。断熱層と主金型との密着力が大きく、断
熱層の引っ張り弾性率が小さく、破断伸度が大きい、い
わゆるゴム状の軟質材質の断熱層であれば、熱膨張係数
の差が若干大きくても剥離は生じない。しかし、断熱層
に適した材質、すなわち、耐熱性が高く、硬度が大き
く、研磨により鏡面になりやすい等を満たす断熱材は、
一般に弾性率が大きい主鎖に芳香環を有する耐熱性硬質
合成樹脂であり、この耐熱性合成樹脂層を主金型に密着
させ、剥離を起こさせない様にするには、熱膨張係数の
差が小さいことが極めて好ましい。
【0065】以上、本発明を射出成形、ブロー成形で主
に説明したが、金型を用いる他の成形法も使用できる。
例えば圧縮成形、シートの真空成形あるいは圧空成形、
押出チューブを波形の割り金型を用いて波付パイプを成
形する方法等も使用できる。
【0066】以下、本発明を図面を用いて説明する。
【0067】図1〜3は、鋼鉄製の主金型温度が50
℃、ゴム強化ポリスチレンの温度が240℃で射出成形
された時の金型壁面付近の温度分布の変化(計算値)を
示す。
【0068】図4〜9は、鋼鉄からなる主金型の表面に
ポリイミド層、更にその表面にニッケル層が被覆された
金型と、ポリイミド層のみが被覆された金型を用い、主
金型の温度を50℃に設定し、該金型でゴム強化ポリス
チレン樹脂の温度が240℃で射出成形した時の、該射
出された樹脂が金型最表面に接触してからの樹脂表面の
温度(これは樹脂表面とニッケル表面の界面の温度、あ
るいは樹脂表面とポリイミド表面の温度である)の経時
変化(計算値)を示す。
【0069】図10〜11は本発明の成形法で合成樹脂
をブロー成形する場合を説明する。
【0070】図12は、鋼鉄製の主金型温度が70℃、
ABS樹脂の温度が220℃でブロー成形された時の型
表面(ポリイミド表面)の温度変化(計算値)を示す。
【0071】図13は、直角の金型キャビティ壁面に断
熱材を塗布する場合に発生する断熱層の剥離を示す。
【0072】図14は、主金型表面に断熱層を被覆する
方法の一例を示す。
【0073】図1、図2及び図3に於いて、鋼鉄からな
る主金型の温度を50℃、ゴム強化ポリスチレンの温度
が240℃で射出成形したときの金型壁面付近の温度分
布の変化(計算値)を示している。図中の各曲線の数値
は加熱された合成樹脂が冷却された金型壁に接触してか
らの時間(秒)を示している。主金型に断熱層が存在し
ない場合(図1)では加熱された合成樹脂は型壁面に接
触して、急速に冷却される。主金型に断熱層が存在する
場合(図2、図3)には、型表面は加熱された合成樹脂
から熱を受けて昇温する。図に示すように、金型表面を
0.1mmと0.5mmの断熱層(ポリイミド)で被覆
すると(図2及び図3)、合成樹脂と接触する断熱層表
面の温度上昇は大きくなり、温度低下速度も小さくな
る。
【0074】断熱層被覆金型では合成樹脂が金型壁に接
触してからの時間が短いほど、型表面温度(合成樹脂と
断熱層の界面の温度)は高くなり、断熱層被覆により金
型温度を大巾に上昇させたのと同等の効果が得られ、且
つ、成形サイクルタイムの増大が少い。この図から合成
樹脂が型表面に接触し、該樹脂に射出圧力が加わって型
表面を押し付けるまでの微小時間後の型表面温度をこの
曲線から読み取ることができる。
【0075】図4、図5、図6、図7、図8及び図9に
於いて、鋼鉄からなる主金型の表面にポリイミド層、更
にその表面にニッケル層が被覆された金型と、比較とし
てポリイミド層のみが被覆された金型を用い、主金型の
温度を50℃に設定し、該金型でゴム強化ポリスチレン
樹脂の温度が240℃で射出成形した時の、該樹脂が金
型最表面に接触してからの樹脂表面の温度(これは樹脂
表面とニッケル表面の界面の温度、あるいは樹脂表面と
ポリイミド表面の界面の温度である)の経時変化を示
す。
【0076】図4はポリイミド(以後、図ではPIで示
す)層の厚みを0.30mm、ニッケル(以後、図では
Niで示す)層の厚みを0.02mmにした場合の樹脂
表面温度の経時変化を示す。図中で実線はポリイミド層
とニッケル層を被覆した場合であり、破線はポリイミド
層のみを被覆した場合である。ポリイミドのみを被覆し
た場合には、樹脂表面温度は時間経過とともに低下する
のに対して、ポリイミド層とニッケル層を被覆した場合
には、一旦温度が大きく低下した後に再び上昇してから
次第に低下する。これは表層のニッケルの熱容量が大き
いために樹脂の熱がニッケル層に吸収されて低下するも
のである。従って、ニッケル層の厚みが大きくなる程、
一旦低下する温度幅は大きくなる。
【0077】図5はニッケル層の厚みを0.1mmと厚
くした場合であり、ニッケル層が厚くなると一旦低下す
る温度幅は大きく、再び上昇する温度も低くなる。
【0078】図6と図7は、図4と図5の場合と同様の
層構成でポリイミド層の厚みを0.15mmとした場合
を示す。ポリイミド層の厚みが0.15mmの場合でも
図4、図5と同様な傾向がみられる。
【0079】図8と図9は、図4〜図7の結果をまとめ
て示したものである。図8と図9の図から、ニッケル層
を被覆したこの金型の場合には、ニッケル層の厚みが
0.1mmになると樹脂表面の温度は低くなり、射出成
形時の型表面再現性が悪くなることが推定できる。ニッ
ケル層の厚みが0.02mmの場合には樹脂表面温度は
一旦低下しても急速に回復するために、射出成形時の型
表面再現性は良好である。これらのことから、断熱層表
面に被覆する金属層の厚みは限界があり、従って金属層
厚みは一般には0.001〜0.2mmが好ましく、更
に好ましくは0.003〜0.05mmの範囲で選択さ
れる。
【0080】図10及び図11に於いて、金属からなる
主金型1の型キャビティ3を形成する型壁面に断熱層2
を被覆し、更にその表面に必要に応じて薄層の金属層5
を被覆する。
【0081】加熱可塑化されて押し出された合成樹脂の
パリソン4は金型で型締されると、パリソン4のA部分
とB部分は型壁面に接触する。次いで加圧ガス体をパリ
ソン中に吹き込みブロー成形し、図11に示すブロー成
形品6を得る。ブロー成形品6のA′部分とB′部分は
型壁面に接触してからの時間が長く、断熱層の厚みが十
分でないと型表面再現性が悪くなる。
【0082】図12は、鋼鉄製の主金型にポリイミドを
被覆した時の型表面(ポリイミド表面)の温度変化を示
す。前図で説明したように、押し出された加熱パリソン
が型壁面に接触してからの時間が長くなると、型表面温
度は急速に低下する。成形時の型表面再現性を良くする
にはブロー圧力がかかった時の型表面温度が合成樹脂の
軟化温度以上であることが必要であり、図12に示す様
に断熱層の厚みをかなり厚くする必要がある。一般には
接触してからブローガス圧力がかかるまでの時間は3〜
5秒かかり、従って断熱層の厚みは一般には0.3mm
以上が必要になる。
【0083】断熱層の厚みを大きくすると、断熱層の熱
膨張係数と主金型及び金属層との熱膨張係数の差によ
り、断熱層被覆時及び/又は成形時に層間に応力が発生
し、各界面で剥離が起こりやすくなる。本発明では断熱
層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数の差を小さくする
ことにより発生する応力を小さくし、断熱層を厚肉にし
ても剥離せず、実用できる金型を得ることができる。主
金型と断熱層の界面での剥離で説明したが、断熱層表面
に金属層を被覆した場合の断熱層と金属層の界面におい
ても、同様に両者の熱膨張係数が近い程発生する応力が
小さくなり、剥離が発生し難くなる。
【0084】図13は、断熱層を直角に近い角部を有す
る射出成形用金型の型壁面に塗布する場合を説明する図
であり、一般の電子機器や電気機器ハウジング等はこの
様な鋭角部をもっている。主金型7に断熱材の前駆体溶
液、あるいは断熱材の溶液8を塗布し(a)、次いで塗
布された主金型を加熱オーブンに入れて高温に加熱して
断熱層9を形成すると、断熱層9は金属製の主金型に比
べ一般に熱膨張係数が大きいため室温に冷却した時に引
っ張られ、鋭角部10に剥離が生ずる(b)。角部の半
径が1mm以下、特に0.5mm以下の直角に近い鋭角
の場合に剥離が発生しやすい。
【0085】この角部10の剥離発生を防ぐために、本
発明では断熱層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数が近
い材質を選択する。断熱層と主金型の熱膨張係数が近い
組み合わせを選択することにより、高温で加熱硬化し、
室温に冷却しても発生する応力は微小に押さえられる。
更に、該断熱層被覆金型で成形される時にも、発生する
応力は微小に押さえられ、剥離は発生しない。
【0086】金属からなる主金型に断熱層を被覆する方
法は種々考えられる。これまで述べてきた様に、断熱材
溶液あるいは断熱材の前駆体溶液を主金型に塗布し、次
いで加熱硬化して断熱層を形成する方法は良好に使用で
きる。しかし、溶液塗布法以外の方法も使用できる。図
8は断熱層を被覆する別の方法をブロー成形用金型で示
す。
【0087】図14に於いて、金属からなる主金型11
の型壁面には真空に吸引するための細孔12が設けられ
ている。該細孔12は導管13を経て、吸引口14に連
っている(a)。該主金型11側に粘着層を有する耐熱
性重合体のシート15を金型キャビティ面に乗せる
(b)。主金型11と耐熱性重合体のシート15を加熱
オーブンに入れ、該耐熱性重合体シートの軟化温度以上
に加熱し、加熱状態で吸引口14から真空に吸引して、
耐熱性重合体シートを型壁面形状に成形し、型壁面を耐
熱性重合体で被覆する(c)。真空に吸引することを続
けたまま全体を室温まで冷却し、次いで型キャビティ面
以外の断熱層を除く。更に必要に応じて断熱層の表面に
メッキ処理により薄層の金属層17をつけ、最後にガス
抜き用の細孔16を空けてブロー成形用の本発明の断熱
層被覆金型とする(d)。
【0088】図14に示す方法で断熱層被覆金型をつく
った場合、主金型及び金属層と耐熱性重合体の熱膨張係
数が近ければ、発生する応力は極めて小さい良好な断熱
層被覆金型が得られる。この断熱層被覆方法は、0.3
mm厚以上の厚肉の断熱層を必要とし、且つ、比較的ゆ
るやかな曲面状の型キャビティ形状を有するブロー成形
用の断熱層被覆金型に良好に使用できる。
【0089】
【実施例】次の各主金型と各断熱層を使用する。
【0090】主金型1:鋼材(S55C)で製作され
た、300×95×20mm(パリソン押出方向が30
0mm)の直方体状の型キャビティを有する金型。型表
面は約5μm厚の硬質クロムメッキがされている。主金
型の熱膨張係数は1.1×10-5/℃。
【0091】主金型2:亜鉛合金(ZAS)で製作され
た、主金型1と同一形状の直方体状の型キャビティを有
する金型。型表面は約5μm厚の硬質クロムメッキがさ
れている。主金型の熱膨張係数は2.8×10-5/℃。
【0092】主金型3:亜鉛合金(ZAS)で製作され
た、ポータブル型ラジカセ(ラジオ、カセットテープレ
コーダー)の前面パネル金型。金型には5点ゲートがあ
り、金型キャビティ壁面にほぼ直角の鋭角の角部を有す
る。型表面は約5μm厚の硬質クロムメッキがされてい
る。主金型の熱膨張係数は2.8×10-5/℃。
【0093】断熱層1:トレニース3000(商品名、
東レ(株)製)を塗布し、160℃で加熱し、次いでこ
の塗布、加熱を繰り返して所定の厚みにし、最後に29
0℃に加熱してポリイミド層を形成し、次いで表面研磨
を行い鏡面状にする。加熱硬化後のポリイミドの熱膨張
係数は3.3×10-5/℃。
【0094】断熱層2:ポリエーテルイミドにカーボン
繊維を配合したシート。このカーボン繊維配合ポリエー
テルイミドの熱膨張係数は4.6×10-5/℃。
【0095】プライマー層:Lark TPI(商品
名、三井東圧化学(株)製)を塗布し、170℃で加熱
してプライマー層とし、その上に断熱層を被覆する。加
熱硬化後のプライマー層の熱膨張係数は4×10-5
℃。
【0096】金属層:化学ニッケルメッキ。該ニッケル
の熱膨張係数は1.3×10-5/℃。
【0097】[実施例1及び比較例1]主金型1と主金
型2に、それぞれ断熱層2を0.35mmの厚みに被覆
する。この断熱層被覆金型を用いてABS樹脂を押出ブ
ロー成形する。結果を表5に示す。
【0098】
【表5】
【0099】断熱層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数
の差が0.5×10-5/℃である実施例1では、断熱層
被覆直後も、更にブロー成形後においても断熱層の剥離
は起こらない。差が2.2×10-5/℃である比較例で
は断熱層被覆直後に断熱層の一部に剥離が発生する。
【0100】[実施例2]主金型3の型壁面に約2μm
の厚みのプライマー層を形成し、次いで断熱層1を0.
15mmの厚みに被覆する。該断熱層被覆金型を用いて
ゴム強化ポリスチレン樹脂を射出成形する。
【0101】断熱層の熱膨張係数と主金型の熱膨張係数
の差は0.5×10-5/℃であり、断熱層被覆後も、更
に射出成形後においても金型のほぼ直角の鋭角部の断熱
層の剥離は起こらない。この金型を用いてゴム強化ポリ
スチレン樹脂を射出成形し、成形品にウエルドラインの
目立ちが少ない良好な射出成形品を得る。この成形法に
より成形品の塗装等の後加工が省略できる。
【0102】[実施例3]実施例2の断熱層1の形成時
に最表面に炭酸カルシウム微粉末を配合した断熱材を
0.01mm厚に被覆した後に290℃に加熱して断熱
層を形成し、該断熱層表面を酸素でエッチング加工して
断熱層表面を微細な粗面にした後、その表面に金属層と
して0.005mm厚のニッケル層をメッキする。金属
層と断熱層の熱膨張係数の差は2.0×10-5/℃であ
る。該金型を用いて高アクリロニトリル含量のABS樹
脂を射出成形する。成形により金属層の剥離はなく、成
形時の離型性も良く、ウエルドラインの目立ちの少ない
良好な成形品が得られる。これに対し、ニッケル層の無
い実施例2の金型で射出成形すると、成形時の離型性が
悪い。
【0103】[実施例4]主金型2の型壁面に約2μm
の厚みのプライマー層を形成し、次いでその表面に実施
例1と同様に0.35mm厚の断熱層1を被覆する。こ
の断熱層は主金型に十分に密着し、断熱層被覆直後で
も、成形後も断熱層の剥離は起こらない。
【0104】[実施例5]主金型2に断熱層2を図14
で説明した方法で被覆する。主金型の型壁面にはあらか
じめゴム系接着剤を被覆しておき、真空成形で接着させ
る。真空に吸引した状態のまま、室温まで冷却して断熱
層2を被覆した金型を得る。該金型を用いて、ABS樹
脂をブロー成形して外観が良好なブロー成形品を得る。
【0105】
【発明の効果】本発明において、特定の断熱層被覆金型
を使用して合成樹脂の射出成形やブロー成形を行うこと
により、断熱層の剥離発生を無くし、外観良好な成形品
が得られる。特に、従来ウェルドラインが多数発生し、
塗装等の後加工を必要としてきた弱電機器のハウジング
等の射出成形品を、本発明法により塗装無しにすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼鉄製の主金型に、加熱された合成樹脂が接触
した時の金型壁面付近の温度分布の変化(計算値)を示
す。
【図2】鋼鉄製の主金型の型表面に0.1mmのポリイ
ミドを被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した
時の金型壁面付近の温度分布の変化(計算値)を示す。
【図3】鋼鉄製の主金型の型表面に0.5mmのポリイ
ミドを被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した
時の金型壁面付近の温度分布の変化(計算値)を示す。
【図4】鋼鉄製の主金型の型表面に0.3mmのポリイ
ミドを被覆し、更にその表面に0.02mmのニッケル
を被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した時の
合成樹脂表面(樹脂表面と金型表面の界面)の温度変化
(計算値)を示す。
【図5】鋼鉄製の主金型の型表面に0.3mmのポリイ
ミドを被覆し、更にその表面に0.1mmのニッケルを
被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した時の合
成樹脂表面(樹脂表面と金型表面の界面)の温度変化
(計算値)を示す。
【図6】鋼鉄製の主金型の型表面に0.15mmのポリ
イミドを被覆し、更にその表面に0.02mmのニッケ
ルを被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した時
の合成樹脂表面(樹脂表面と金型表面の界面)の温度変
化(計算値)を示す。
【図7】鋼鉄製の主金型の型表面に0.15mmのポリ
イミドを被覆し、更にその表面に0.1mmのニッケル
を被覆した金型に、加熱された合成樹脂が接触した時の
合成樹脂表面(樹脂表面と金型表面の界面)の温度変化
(計算値)を示す。
【図8】鋼鉄製の主金型の型表面に0.3mmのポリイ
ミドを被覆し、更にその表面に0.0005mm、0,
02mm、0.1mmの各厚みのニッケルを被覆した金
型に、加熱された合成樹脂が接触した時の合成樹脂表面
(樹脂表面と金型表面の界面)の温度変化(計算値)を
示す。
【図9】鋼鉄製の主金型の型表面に0.15mmのポリ
イミドを被覆し、更にその表面に0.0005mm、
0.02mm、0.1mmの各厚みのニッケルを被覆し
た金型に、加熱された合成樹脂が接触した時の合成樹脂
表面(樹脂表面と金型表面の界面)の温度変化(計算
値)を示す。
【図10】本発明の金型で合成樹脂をブロー成形する説
明図である。
【図11】本発明の金型で合成樹脂をブロー成形する説
明図である。
【図12】鋼鉄製の主金型温度が70℃、ABS樹脂の
温度が220℃でブロー成形された時の型表面(ポリイ
ミド表面)の温度変化(計算値)を示す。
【図13】直角の金型キャビティ壁面に断熱材を塗布す
る場合に発生する、金型直角部の断熱層の剥離を示す。
【図14】主金型表面に断熱層を被覆する方法の一例を
示す。
【図15】屈曲したポリイミドを示す図である。
【図16】低熱膨張型ポリイミドを示す図である。
【符号の説明】
1 主金型 2 断熱層 3 型キャビティ 4 パリソン 5 金属層 6 ブロー成形品 7 主金型 8 断熱材の溶液 9 断熱層 10 鋭角部 11 主金型 12 細孔 13 導管 14 吸引口 15 耐熱性重合体シート 16 ガス抜き用細孔 17 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 51/30 7619−4F

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属からなる主金型の型キャビティを構
    成する型壁面に、耐熱性重合体からなる断熱層を被覆し
    た断熱層被覆金型であって、主金型と接する断熱層の熱
    膨張係数と主金型の熱膨張係数の差が2×10-5/℃以
    下である断熱層被覆金型を用いて成形することを特徴と
    する合成樹脂成形品の成形法。
  2. 【請求項2】 金属からなる主金型の型キャビティを構
    成する型壁面に、耐熱性重合体からなる断熱層を被覆
    し、更にその断熱層表面に全断熱層の1/3以下の厚み
    の金属層を被覆した断熱層被覆金型であって、被覆金属
    層に接する断熱層の熱膨張係数と該金属層の熱膨張係数
    の差が2×10-5/℃以下である断熱層被覆金型を用い
    て成形することを特徴とする合成樹脂成形品の成形法。
  3. 【請求項3】 主金型に接する断熱層の熱膨張係数と該
    主金型の熱膨張係数の差が2×10-5/℃以下である請
    求項2の合成樹脂成形品の成形法
JP7084515A 1994-09-02 1995-03-17 合成樹脂成形品の成形法 Expired - Fee Related JP2727303B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7084515A JP2727303B2 (ja) 1994-09-02 1995-03-17 合成樹脂成形品の成形法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-232541 1994-09-02
JP23254194 1994-09-02
JP7084515A JP2727303B2 (ja) 1994-09-02 1995-03-17 合成樹脂成形品の成形法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08118367A true JPH08118367A (ja) 1996-05-14
JP2727303B2 JP2727303B2 (ja) 1998-03-11

Family

ID=26425541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7084515A Expired - Fee Related JP2727303B2 (ja) 1994-09-02 1995-03-17 合成樹脂成形品の成形法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2727303B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112038A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Toyota Motor Corp 成形金型およびその製造方法
US11559933B2 (en) * 2019-10-08 2023-01-24 Krones Ag Apparatus and method for forming plastic preforms into plastic containers and blow mould

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0596548A (ja) * 1991-03-28 1993-04-20 General Electric Co <Ge> サイクル時間の短い高温表面成形用の多層金型構造物
JPH05336392A (ja) * 1992-06-02 1993-12-17 Mitsubishi Electric Corp テレビジョン受像機
JPH06218769A (ja) * 1993-01-22 1994-08-09 Taiyo Kosakusho:Kk 熱可塑性樹脂射出成形用金型
JPH07232332A (ja) * 1993-12-28 1995-09-05 Osada Seiko Kk 樹脂製成形用型

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0596548A (ja) * 1991-03-28 1993-04-20 General Electric Co <Ge> サイクル時間の短い高温表面成形用の多層金型構造物
JPH05336392A (ja) * 1992-06-02 1993-12-17 Mitsubishi Electric Corp テレビジョン受像機
JPH06218769A (ja) * 1993-01-22 1994-08-09 Taiyo Kosakusho:Kk 熱可塑性樹脂射出成形用金型
JPH07232332A (ja) * 1993-12-28 1995-09-05 Osada Seiko Kk 樹脂製成形用型

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007112038A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Toyota Motor Corp 成形金型およびその製造方法
JP4661517B2 (ja) * 2005-10-21 2011-03-30 トヨタ自動車株式会社 成形金型およびその製造方法
US11559933B2 (en) * 2019-10-08 2023-01-24 Krones Ag Apparatus and method for forming plastic preforms into plastic containers and blow mould

Also Published As

Publication number Publication date
JP2727303B2 (ja) 1998-03-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970000922B1 (ko) 합성 수지 성형용 금형
JP2727303B2 (ja) 合成樹脂成形品の成形法
JPH0872086A (ja) 低圧射出成形法
JP3268067B2 (ja) 合成樹脂成形用金型
WO1996007527A1 (fr) Procede de moulage par injection basse pression
JP3396254B2 (ja) 金型及びその製法
JPH08187731A (ja) 合成樹脂成形用金型及び該金型の製法
WO1996012599A1 (fr) Procede de moulage de la resine synthetique
JPH08187732A (ja) 合成樹脂成形用金型及び該金型の製法
JPH09155876A (ja) 断熱金型およびその製法
JPH0866927A (ja) 艶消し状の合成樹脂射出成形品及びその製造方法
JPH07266343A (ja) 艶消し状表面を有する合成樹脂成形品
JPH06328549A (ja) 新規なる押出ブロー成形法
JPH0919928A (ja) 断熱層被覆金型及びその製法
JPH07205211A (ja) メッキされた射出成形品
JPH10156835A (ja) 断熱金型およびその製造法
JPH08197549A (ja) ポリイミド被覆金型の製法
JPH0929753A (ja) 合成樹脂成形用の断熱層被覆金型
JPH1016001A (ja) 合成樹脂偏肉成形品の成形法及びこれに用いる金型
JPH06278168A (ja) 射出成形用金型
JPH06198684A (ja) 結晶性合成樹脂の射出成形法
JPH07329067A (ja) 断熱層被覆金型の製法
JPH10100184A (ja) 合成樹脂の成形法
JPH07186208A (ja) 射出成形されたプラスチックホック
JPH079453A (ja) 合成樹脂成形用の金型

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19971028

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081212

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees