JPH08113508A - 銅化合物粉体表面処理物、その製造法及びそれを用いた塗料組成物 - Google Patents

銅化合物粉体表面処理物、その製造法及びそれを用いた塗料組成物

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JPH08113508A
JPH08113508A JP25051294A JP25051294A JPH08113508A JP H08113508 A JPH08113508 A JP H08113508A JP 25051294 A JP25051294 A JP 25051294A JP 25051294 A JP25051294 A JP 25051294A JP H08113508 A JPH08113508 A JP H08113508A
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copper compound
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cupric
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JP25051294A
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Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Seiji Tai
誠司 田井
Koichi Uejima
浩一 上島
Yumiko Wada
有美子 和田
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Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 銅化合物粉体を、トリアゾール誘導体、チア
ジアゾール誘導体及びベンゾチアゾール誘導体の中から
選択される1種以上の化合物(A)により表面処理して
得られる銅化合物粉体表面処理物、その製造法及びそれ
を用いた塗料組成物。 【効果】 遊離カルボキシル基又は酸無水物基を有する
樹脂と混練しても、貯蔵時に塗料が増粘−ゲル化を引き
起こすことがなく、貯蔵安定性に優れた塗料組成物を提
供することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶、漁網、排水路な
どの水中構造物に対する水中生物の付着防止を目的とす
る防汚塗料に好適に用いられる銅化合物粉体表面処理
物、その製造法及びそれを用いた塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】海水中には、例えばフジツボ、ホヤ、セ
ルプラ、ムラサキイガイ、アオサ等の海中生物が多数生
息している。このような海中に船舶、漁網、排水路等の
構造物を設置又は就航すると、海中生物が付着生育して
種々の被害が発生する。例えば、船底に海中生物が付着
すると海水との摩擦抵抗が増大し航行速度の低下を生
じ、一定の速度を維持するために燃料消費が増大し、経
済的に好ましくない。また、養殖用の漁網に海中生物が
付着すると網目が閉塞し魚介類を致死させることがあ
る。
【0003】従来より、このような海中構造物に海中生
物が付着することを防止するために銅化合物粉体、特
に、亜酸化銅粉を主な防汚剤として配合した防汚塗料が
用いられている。一方、防汚塗料に用いる塗料用樹脂と
して特開平2−99567号公報に無水マレイン酸誘導
体の共重合体を、特開昭51−124130号公報、特
開昭62−135575号公報、特開昭62−5012
93号公報等に遊離カルボキシル基を有する誘導体の共
重合体を用いることが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記共
重合体のような、遊離カルボキシル基又は酸無水物基を
有する樹脂は、防汚剤として用いられている銅化合物粉
体と混練することにより、貯蔵時に塗料が増粘−ゲル化
を引き起こすという致命的な欠点を有していた。本発明
は、遊離カルボキシル基又は酸無水物基を有する塗料用
樹脂と混練しても増粘−ゲル化しない貯蔵安定性に優れ
た銅化合物粉体表面処理物、その製造法及びそれを用い
た塗料組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決し、遊離カルボキシル基及び酸無水物基を有す
る塗料用樹脂と混練しても増粘−ゲル化しない貯蔵安定
性に優れた銅化合物粉体及び増粘−ゲル化しない貯蔵安
定性に優れた塗料組成物の開発を行なうことを目的とし
て鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち本発明は、銅化合物粉体を、トリアゾ
ール誘導体、チアジアゾール誘導体及びベンゾチアゾー
ル誘導体の中から選択される1種以上の化合物(A)に
より表面処理して得られる銅化合物粉体表面処理物、前
記化合物(A)を銅化合物粉体上に吸着させることを特
徴とする銅化合物粉体表面処理物の製造法並びに前記銅
化合物粉体表面処理物と塗料用樹脂を含有してなる塗料
組成物に関する。
【0007】本発明において、表面処理をする基材とな
る銅化合物粉体としては、例えば、金属銅、酸化銅、亜
酸化銅、クロム酸第二銅、フェロシアニン酸第二銅、キ
ノリン第二銅、δ−ハイドロキノン第二銅、オレイン酸
第二銅、硝酸第二銅、燐酸第二銅、酒石酸第二銅、ロダ
ン銅、銅−ニッケル固溶合金、よう化第一銅、亜硫酸第
一銅などの粉体が挙げられる。これらのうち好ましくは
金属銅、酸化銅、亜酸化銅、ロダン銅及び銅−ニッケル
固溶合金が挙げられ、より好ましくは亜酸化銅が挙げら
れる。
【0008】本発明において、前記銅化合物粉体の表面
処理剤としてはトリアゾール誘導体、チアジアゾール誘
導体及びベンゾチアゾール誘導体の中から選択される化
合物(A)が用いられる。トリアゾール誘導体として
は、ベンゾトリアゾール誘導体、アミノ置換トリアゾー
ル誘導体、その他のトリアゾール誘導体などがある。ベ
ンゾトリアゾール誘導体としては、1,2,3−ベンゾ
トリアゾール、1−メチル−1,2,3−ベンゾトリア
ゾール、1−フェニル−1,2,3−ベンゾトリアゾー
ル、2−フェニル−1,2,3−ベンゾトリアゾール、
4−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、4−ニ
トロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−メチル−
1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−エチル−1,
2,3−ベンゾトリアゾール、5−プロピル−1,2,
3−ベンゾトリアゾール、5−イソブチル−1,2,3
−ベンゾトリアゾール、5−メトキシ−1,2,3−ベ
ンゾトリアゾール、5−クロロ−1,2,3−ベンゾト
リアゾール、5,6−ジメチル−1,2,3−ベンゾト
リアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾールカルボン
酸及びそのエステル誘導体、N−ジアルキルアミノメチ
ル−1,2,3−ベンゾトリアゾールなどがあり、アミ
ノ置換トリアゾール誘導体としては、4−アミノ−1,
2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4
−トリアゾールなどがあり、その他のトリアゾール誘導
体としては、1,2,3−トリアゾール、1−メチル−
1,2,3−トリアゾール、1−フェニル−1,2,3
−トリアゾール、1−ベンジル−1,2,3−トリアゾ
ール、2−メチル−1,2,3−トリアゾール、2−フ
ェニル−1,2,3−トリアゾール、2−ベンジル−
1,2,3−トリアゾール、4−メチル−1,2,3−
トリアゾール、4−フェニル−1,2,3−トリアゾー
ル、4−ヒドロキシ−1,2,3−トリアゾール、4,
5−ジメチル−1,2,3−トリアゾール、4−メチル
−2−フェニル−1,2,3−トリアゾール、4,5−
ジメチル−2−フェニル−1,2,3−トリアゾール、
1,5−ジフェニル−1,2,3−トリアゾール、1,
2,4−トリアゾール、1−メチル−1,2,4−トリ
アゾール、1−フェニル−1,2,4−トリアゾール、
3−メチル−1,2,4−トリアゾール、3−フェニル
−1,2,4−トリアゾール、3−クロロ−1,2,4
−トリアゾール、3−ブロモ−1,2,4−トリアゾー
ル、3,5−ジメチル−1,2,4−トリアゾール、
3,5−ジエチル−1,2,4−トリアゾール、1,3
−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール、1,5−ジ
フェニル−1,2,4−トリアゾール、3,5−ジフェ
ニル−1,2,4−トリアゾールなどのアルキル、アリ
ール、アラルキル、ハロゲン又はヒドロキシ置換トリア
ゾール誘導体などがある。
【0009】また、ベンゾチアゾール誘導体としてはイ
オウ置換ベンゾチアゾール誘導体が好ましく、具体的に
は2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル
ジスルフィド、N−オキシジエチレンベンゾチアジル−
2−スルフェンアミド、N,N−ジイソプロピルベンゾ
チアジル−2−スルフェンアミド、N,N−ジシクロヘ
キシルベンゾチアジル−2−スルフェンアミド、3−
(2−ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、(2−ベン
ゾチアジルチオ)酢酸などがあり、また、チアジアゾー
ル誘導体としてはイオウ置換チアジアゾール誘導体が好
ましく、具体的には2−メルカプト−1,3,4−チア
ジアゾール、2,5−ジメルカプト1,3,4−チアジ
アゾール、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−
チアジアゾール、2−メチル−5−メルカプト−1,
3,4−チアゾール、2−メチルアミノ−5−メルカプ
ト−1,3,4−チアジアゾール、2−チオ酢酸−5−
メルカプト−1,3,4−チアジアゾールなどがある。
【0010】これらの化合物(A)のうち、ゲル化防止
等の効果が高いことから、トリアゾール誘導体が好まし
く、具体的に好ましい化合物は、1,2,3−ベンゾト
リアゾール、1,2,4−トリアゾール及び3−アミノ
−1H−1,2,4−トリアゾールから選択されるもの
である。これらの化合物(A)は1種以上用いることが
できるが、使用量としては、未処理の銅化合物粉体に対
して0.1〜50重量%の範囲で用いるのが好ましく、
0.2〜10重量%の範囲で用いるのがより好ましい。
0.1重量%未満では添加効果が充分でなく樹脂との混
練により増粘が起こりやすく、また、50重量%を超え
ると銅化合物粉体の表面に化合物(A)が析出し均一に
表面処理するのが困難となる傾向にある。
【0011】本発明の銅化合物粉体表面処理物の製造
法、即ち表面処理方法としては、例えば、未処理の銅化
合物粉体をそのまま若しくは溶媒に分散させた状態と
し、これに化合物(A)の中から選択される1種以上の
化合物を、この化合物が可溶な溶媒に溶解して添加する
ことで行うことができる。添加して充分に攪拌した後、
溶媒を蒸発乾固させるか又はろ過、乾燥して化合物
(A)を吸着させ、銅化合物粉体表面処理物を得る。ま
た、化合物(A)を溶解させる目的で加熱しながら表面
処理を行うことは、何ら制限されず、好ましくは0〜2
00℃、より好ましくは20〜150℃で表面処理を行
うことが可能である。
【0012】使用する溶媒としては化合物(A)が均一
に溶解し、かつ銅化合物粉体を溶解しないものであれば
特に制限はない。例えば、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタ
ノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒、メ
チルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、エチレングリコールモノアセテー
ト等のポリアルキレングリコール系溶媒、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブ
チル等のエステル系溶媒、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトン等のケトン系溶媒、四塩化炭素、トリク
ロロエタン等のハロゲン系溶媒、水などが挙げられる。
また、これらは単独で又は2種以上の混合物で使用でき
る。
【0013】このようにして得られる本発明の銅化合物
粉体表面処理物は、塗料用樹脂と混合して本発明の塗料
組成物とすることができる。銅化合物粉体表面処理物は
主に防汚塗料の防汚剤成分となる。この塗料用樹脂が遊
離カルボキシル基又は酸無水物基を有するものである場
合には、得られる塗料組成物は、加水分解性の、ゲル化
しない安定な船底、漁網用等の防汚塗料となる。なお、
上記の化合物(A)を塗料製造時に未処理の銅化合物粉
体と同時に前記の遊離カルボキシル基又は酸無水物基を
有する塗料用樹脂に添加すると、化合物(A)が塗料製
造時に使用する溶剤への溶解性が悪い場合にはその効果
が充分に発揮されない。しかしながら、本発明の銅化合
物粉体表面処理物を用いると、塗料製造時に使用する溶
剤の種類によらず、前記の塗料用樹脂との混練によって
も増粘・ゲル化を防止することができる。
【0014】前記の遊離カルボキシル基又は酸無水物基
を有する塗料用樹脂は特に制限はなく、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、その無水物、イタコ
ン酸、その無水物等の重合体、これらとアクリル酸若し
くはメタクリル酸の各種エステル(アルキルエステル
等)、ビニル芳香族化合物(スチレン、その誘導体
等)、オレフィン系化合物(ブタジエン、イソプレン
等)などの、他の不飽和単量体との共重合体を用いるこ
とができる。
【0015】本発明の塗料組成物において、前記銅化合
物粉体表面処理物の量は特に制限されないが、塗料用樹
脂の樹脂固形分に対して50〜500重量%用いるの
が、充分な防汚性の付与効果があり、良好な塗膜が得ら
れるので好ましい。また、上記塗料組成物の製造にあた
って、公知の顔料等の着色剤、公知の防汚剤、各種添加
剤(増量剤、分散又はタレ止め剤など)を配合すること
も可能である。
【0016】公知の防汚剤の例としては、例えば、無機
防汚剤として酸化亜鉛、クロム酸亜鉛、クロム酸ストロ
ンチウムなどがあり、有機防汚剤として2,4,5,6
−テトラクロロイソフタロニトリル、N,N−ジメチル
ジクロロフェニル尿素、4,5−ジクロロ−2−n−オ
クチル−3(2H)−イソチアゾロン、ジンクジメチル
ジチオカーバメート、2−メチルチオ−4−t−ブチル
アミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、
N−(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイミド、
N,N’−ジメチル−N’−フェニル−(N−フルオロ
ジクロロメチルチオ)スルファミド、2−ピリジンチオ
ール−1−オキシド亜鉛塩、テトラメチルチウラムジサ
ルファイド、2,4,6−トリクロロフェニルマレイミ
ド、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスル
フォニル)ピリジン、3−ヨード−2−プロピニルブチ
ルカーバメイト、ジヨードメチルパラトリルスルホン、
ビスジメチルジチオカルバモイルジンクエチレンビスジ
チオカーバメイト、ピリジン−トリフェニルボランなど
がある。また、防汚剤として有機錫化合物、トリアジン
化合物、有機硫黄化合物等を使用することも何ら妨げる
ものではない。これらの、公知の防汚剤を用いる場合
は、前記銅化合物粉体表面処理物との合計量に対し、5
0重量%以下(即ち前記銅化合物粉体表面処理物を50
重量%以上)とするのが好ましい。
【0017】顔料として代表的なものには、酸化チタン
(チタン白)、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔
料、アゾ系、シアニン系、フタロシアニン系、キナクリ
ドン系等の有機顔料を用いることができるが、通常は無
機顔料が用いられる。これらの顔料は必要に応じて用い
られる。また、増量剤としては、炭酸カルシウム、硫酸
バリウム、酸化マグネシウム、アルミナ、ゼオライトな
どがある。これらの増量剤は必要に応じて用いられる。
【0018】分散又はタレ止め剤としては、シリカゲル
系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘク
トライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バイ
デライト系などの無機の分散又はタレ止め剤、脂肪酸ア
マイド系、脂肪酸エステル系、酸化ポリエチレン系、硫
酸エステル系アニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩
系、ポリカルボン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエ
ーテル系、アクリル共重合物系、特殊シリコン系などの
有機の分散又はタレ止め剤がある。これらの分散又はタ
レ止め剤は必要に応じて用いられる。さらに、溶出助剤
としてロジン、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロ
ジン等を併用することも可能である。なお、遊離カルボ
キシル基又は酸無水物基を含有する塗料用樹脂以外の重
合体を混合することも可能である。このようにして得ら
れる本発明の塗料組成物は、貯蔵安定性に優れるため、
船底用、漁網用等の防汚塗料として有用である。
【0019】
【実施例】つぎに実施例により本発明を説明するが、本
発明は何らこれらに限定されるものではない。 実施例1 1,2,3−ベンゾトリアゾール0.33gをキシレン
10gに溶解した。1リットルのビーカーに未処理の亜
酸化銅粉100gを入れ攪拌しながらキシレンを加えス
ラリー状にした。これに、先に準備した1,2,3−ベ
ンゾトリアゾールのキシレン溶液を加え充分に攪拌した
後、キシレンを吸引濾過した。濾別した亜酸化銅を乾燥
機で乾燥して、1,2,3−ベンゾトリアゾール処理亜
酸化銅粉を得た。
【0020】実施例2 3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール0.33
gをメタノール10gに溶解した。1リットルのビーカ
ーに未処理の亜酸化銅粉100gを入れ攪拌しながらメ
タノールを加えスラリー状にした。これに、先に準備し
た3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾールのメタ
ノール溶液を加え充分に攪拌した後、メタノールを吸引
濾過した。濾別した亜酸化銅を乾燥機で乾燥して、3−
アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール処理亜酸化銅
粉を得た。
【0021】樹脂製造例1 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロート
及び温度計を備えた500ミリリットルの4つ口フラス
コにキシレン75.0g及び無水マレイン酸20.34
gを装入し攪拌しながら95℃に保持した。次に、メタ
クリル酸n−ブチル88.48g、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル41.13g及び2,2′−アゾビス(イ
ソブチロニトリル)(以降AIBNと略記する)0.6
0gの混合物を、窒素ガス気流下攪拌しながら3時間か
けて滴下した。滴下終了後、さらに攪拌しながら95℃
で1時間保温した。次に、キシレン15.0g及びAI
BN0.30gの混合物を1時間かけて滴下し、30分
保温後、さらにキシレン15.0g及びAIBN0.3
gの混合物を30分かけて滴下した。その後2時間保温
し、キシレン45.0gを添加した後放冷し酸無水物基
を有する重合体を含むワニス(樹脂固形分50重量%)
を製造した。この重合体の数平均分子量は、16,40
0であった。
【0022】樹脂製造例2 攪拌装置、コンデンサー、窒素ガス導入管、滴下ロート
及び温度計を備えた1リットルの4つ口フラスコにキシ
レン125.0gを装入し攪拌しながら95℃に保持し
た。次に、メタクリル酸n−ブチル234.2g、メタ
クリル酸15.8g及びAIBN2.5gの混合物を、
窒素ガス気流下攪拌しながら3時間かけて滴下した。滴
下終了後、さらに攪拌しながら95℃で1時間保温し
た。次に、キシレン50.0g及びAIBN0.5gの
混合物を1時間かけて滴下した後95℃で2時間保温
し、キシレン200.0g、次いでn−ブタノール4
1.6gを添加した後放冷し遊離カルボキシル基を有す
る重合体を含むワニス(樹脂固形分37.5重量%)を
製造した。この重合体の数平均分子量は、21,400
であった。
【0023】実施例3 樹脂製造例1で製造したワニスの樹脂固形分15g当た
り、実施例1で製造した1,2,3−ベンゾトリアゾー
ル処理亜酸化銅粉45g及びキシレン10gを加え、さ
らにガラスビーズ(直径2mm)を加えて、メカニカルス
ターラーを用いて混練撹拌後、ガラスビーズをろ過して
塗料組成物を調製した。 実施例4 樹脂製造例2で製造したワニスの樹脂固形分15g当た
り、実施例2で製造した3−アミノ−1H−1,2,4
−トリアゾール処理亜酸化銅粉45g及びキシレン10
gを加え、さらにガラスビーズ(直径2mm)を加えて、
メカニカルスターラーを用いて混練撹拌後、ガラスビー
ズをろ過して塗料組成物を調製した。
【0024】比較例1 樹脂製造例1で製造したワニスの樹脂固形分15g当た
り、未処理の亜酸化銅粉45g及びキシレン10gを加
え、さらにガラスビーズ(直径2mm)を加えて、メカニ
カルスターラーを用いて混練撹拌後、ガラスビーズをろ
過して塗料組成物を調製した。 比較例2 樹脂製造例2で製造したワニスの樹脂固形分15g当た
り、未処理の亜酸化銅粉45g及びキシレン10gを加
え、さらにガラスビーズ(直径2mm)を加えて、メカニ
カルスターラーを用いて混練撹拌後、ガラスビーズをろ
過して塗料組成物を調製した。
【0025】貯蔵安定性試験 上記実施例2及び比較例1で調製した塗料組成物を調製
後、室温で一晩保存した後、その状態を観察し粘度を2
5℃で測定した。この塗料組成物は、サンプル瓶中で密
栓して40℃の恒温槽中で20日間保存後、その状態を
観察するとともに、25℃で粘度を測定した。その結果
を表1に示す。
【0026】
【表1】 この実験結果から明らかなように、本発明の銅化合物粉
体表面処理物は遊離カルボキシル基又は酸無水物基を有
する樹脂と混練しても、貯蔵時に塗料が増粘−ゲル化を
引き起こすことがない。
【0027】
【発明の効果】本発明の銅化合物粉体表面処理物は、遊
離カルボキシル基又は酸無水物基を有する樹脂と混練し
ても、貯蔵時に塗料が増粘−ゲル化を引き起こすことが
なく、貯蔵安定性に優れた塗料組成物を提供することが
可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 有美子 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅化合物粉体を、トリアゾール誘導体、
    チアジアゾール誘導体及びベンゾチアゾール誘導体の中
    から選択される1種以上の化合物(A)により表面処理
    して得られる銅化合物粉体表面処理物。
  2. 【請求項2】 銅化合物粉体が金属銅、酸化銅、亜酸化
    銅、クロム酸第二銅、フェロシアニン酸第二銅、キノリ
    ン第二銅、δ−ハイドロキノン第二銅、オレイン酸第二
    銅、硝酸第二銅、燐酸第二銅、酒石酸第二銅、ロダン
    銅、銅−ニッケル固溶合金、よう化第一銅又は亜硫酸第
    一銅の粉体である請求項1記載の銅化合物粉体表面処理
    物。
  3. 【請求項3】 銅化合物粉体が金属銅、酸化銅、亜酸化
    銅、ロダン銅又は銅−ニッケル固溶合金の粉体である請
    求項1記載の銅化合物粉体表面処理物。
  4. 【請求項4】 銅化合物粉体が亜酸化銅の粉体である請
    求項1記載の銅化合物粉体表面処理物。
  5. 【請求項5】 トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘
    導体及びベンゾチアゾール誘導体の中から選択される1
    種以上の化合物(A)を銅化合物粉体上に吸着させるこ
    とを特徴とする銅化合物粉体表面処理物の製造法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の銅化合
    物粉体表面処理物と塗料用樹脂を含有してなる塗料組成
    物。
  7. 【請求項7】 塗料用樹脂が遊離カルボキシル基又は酸
    無水物基を有する樹脂である請求項6記載の塗料組成
    物。
JP25051294A 1994-10-17 1994-10-17 銅化合物粉体表面処理物、その製造法及びそれを用いた塗料組成物 Pending JPH08113508A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10279841A (ja) * 1997-04-03 1998-10-20 Chugoku Marine Paints Ltd 防汚塗料組成物、この防汚塗料組成物から形成されている塗膜および該防汚塗料組成物を用いた防汚方法並びに該塗膜で被覆された船体、水中・水上構造物または漁業資材
JP2011521092A (ja) * 2008-05-28 2011-07-21 エッカルト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 銅含有金属効果顔料の混合物、それを製造するための方法、およびコーティング剤
CN114453578A (zh) * 2022-01-24 2022-05-10 西安隆基乐叶光伏科技有限公司 一种改性铜粉及其改性方法和导电浆料

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