JPH08113122A - 坂道発進補助装置 - Google Patents

坂道発進補助装置

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JPH08113122A
JPH08113122A JP26410794A JP26410794A JPH08113122A JP H08113122 A JPH08113122 A JP H08113122A JP 26410794 A JP26410794 A JP 26410794A JP 26410794 A JP26410794 A JP 26410794A JP H08113122 A JPH08113122 A JP H08113122A
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gradient sensor
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ゆう一 大西
Takeshi Iwasaki
健 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正確な水平状態での勾配センサの出力値を基
準値とした後に車両の条件が変更されても、勾配センサ
の出力を利用した制御、あるいは坂道発進補助動作を合
理的に行えるようにする。 【構成】 車速が実質的に零であり、パーキングブレー
キが解除された状態でブレーキ圧力を保持し、変速機が
発進ギヤに投入された状態にあり、クラッチがいったん
切断された後に解除点を越えて接続されたことを条件に
サービスブレーキを解放させるプログラム制御回路と、
路面の勾配を検出する勾配センサとを備え、この勾配セ
ンサの出力値にしたがって制御条件を変更し、勾配セン
サの零点調節時の出力値にあらかじめ記憶された一以上
の補償値のうちの一つを選択し、必要ある場合に微調整
を行って加算する。 【効果】 車両の条件が変更になる度に車両を水平な状
態に置かなくとも、実際の車載重量に近い補償を行える
ので、実用的に十分な勾配センサの基準値を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に利用する。本発
明はブレーキ状態を保持する装置の改良に関する。本発
明は、車両が坂道に停車した状態から発進する場合に、
運転者がブレーキペダルから足を離しても自動的にブレ
ーキが保持され、クラッチペダルが設定された解除点を
越えたときに、自動的にブレーキを解放させる装置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】坂道路上に停止した自動車を発進させる
ときには、運転者はいったんパーキング・ブレーキを引
いて車両に制動力を与え、変速ギヤを発進ギヤに選択
し、クラッチを緩やかにつなぎながらアクセル・ペダル
を踏み込みエンジンの出力を大きくするとともに、パー
キング・ブレーキを緩めるという複雑な操作を行うこと
が必要である。このような操作は自動車の運転操作では
基本事項であるが、トラックやバスなどでは積載荷重に
よってその操作が大きく異なるなど、エンストあるいは
車両後退を起こしやすい。
【0003】このような運転操作を補助するための装置
として、特開昭60−11719号公報、あるいは特開
平4−244462号公報などに開示された坂道発進補
助装置が知られている。
【0004】従来の坂道発進補助装置は、ブレーキ圧力
が一定値を越えて車速が零になったとき、すなわち車両
が走行状態を経て停車したときに、運転者がブレーキ・
ペダルから足を離しても自動的にブレーキ圧力を保持す
るように構成されている。この状態で、運転者が変速レ
バーを発進ギヤ(この明細書では発進ギヤとは後退ギヤ
を含む、具体例では、ロー・ギヤ、セカンド・ギヤ、お
よびバック・ギヤである)に設定し、クラッチを繋ぎ、
アクセル・ペダルを踏み込んだときに、装置がそれを自
動的に検出して、最も適切なタイミングで自動的にその
ブレーキ圧力を解放するように構成されている。このよ
うな坂道発進補助装置を装備した車両では、運転者はパ
ーキング・ブレーキの操作を伴うことなく坂道発進操作
を行うことができる。
【0005】車両の走行方向に勾配がない場合でも、走
行状態から停車したときにブレーキ圧力を保持するよう
に構成しておくと、信号待ちなどの停車時にもブレーキ
圧力が自動的に保持されて便利な場合があり、そのよう
にも利用されている。
【0006】実用に供されている坂道発進補助装置は、
ブレーキ圧力が自動的に保持された後に、パーキング・
ブレーキが引かれると自動的にそのブレーキ圧力を解除
する。つまり、運転操作を終了して車両が停車した状態
ではブレーキ圧力の一時保持状態を解除して、ブレーキ
圧力の一時保持状態がパーキング・ブレーキの代わりに
使用されることのないようにしている。
【0007】このような坂道発進補助装置で、車両に勾
配センサを設けてその勾配センサの出力を制御に利用す
る技術が開発された。この技術は、車両に勾配センサを
装備しておき、坂道発進を行う場合に、車両が上り坂あ
るいは下り坂にどの程度の勾配にあるのかによって、一
時保持したブレーキ圧力を解除する条件を適応的に変更
するものである。例えば、急な上り勾配に停車している
状態では緩やかな勾配に停車している場合に比べて、ク
ラッチのストロークがかなり浅くなってから保持されて
いるブレーキ圧力を解除するように設定しておくことが
合理的である。
【0008】本願出願人はその応用技術を特許出願した
(特願平5−248302号、本願出願時において未公
開)。この技術は、車両に設けた勾配センサは車両の使
用条件によってその出力値が違うので、操作によりこの
設定変更を行うものである。すなわち、車両は積載時と
空荷重時とではその車体傾斜が異なる、あるいはタイヤ
の空気圧その他の条件により車体の傾斜が異なることが
あるから、勾配センサをかりにシャーシに設けたとして
もその出力値は使用条件により違ってくる。したがっ
て、勾配センサの出力基準値を操作により変更すること
ができるようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような装置で、勾
配センサの基準値設定を行うことは簡単ではない。勾配
センサの零点に対する調整は、工場の組立製造ラインで
勾配センサの取付けブラケットの角度を機械的に調整し
て行われる。このときには車両は水平度をきわめて正確
に調整設定した定盤の上に置くことができるから、プロ
グラム制御回路にもこのときの状態を車両が水平になっ
たときの勾配センサの値、すなわち基準値として記憶さ
せることができる。しかし、車両が工場の組立製造ライ
ンを出てしまうと車両を正確に水平調整された定盤の上
に置く機会はほとんどない。
【0010】一般に、大型車両の組立製造ラインでは、
キャブ付きシャシの状態まで組立てられ、その後は別の
ボディー工場に陸送されて車体の取付けおよび加工が行
われる。取付けられる車体の種類は、顧客の注文にした
がって複数種類の中から選択される。したがって、車両
の製造が完成し顧客に納入する状態では車体の重量はさ
まざまであり、車両の重心位置も変更されているから、
車両が正確な水平状態に停車した場合の勾配センサの基
準値は当然に相違することになる。この完成された状態
で、もう一度その車両を正確に水平調整された定盤の上
に置くことができるなら、その時点で勾配センサの基準
値を設定することができるが、現実の工程ではそのよう
な設備が必ずしも得られるとは限らない。
【0011】さらに、車両が顧客利用者に引き渡されて
からは、車両が空であるか積載状態であるか、積載状態
であるとしてもその荷重の程度はどのようであるか、荷
重の重心がどこにあるか、などにより勾配センサの基準
値は違ってくることになる。つまり、車両の製造時に設
定した水平状態を示す値を基準値としたのでは正確では
なくなる。このようにその都度、勾配センサの基準値の
設定を操作によりある程度の精度および確度をもって行
うことは事実上不可能である。
【0012】一方、車両に車体が実装されようと、車両
に荷重積載が行われようと、そのときの車両状態で、車
両が正確に水平な状態に置かれているときの勾配センサ
の出力値を正確に基準値として保持しておくことは必要
であり、この基準値が正確でない場合には坂道発進補助
装置が合理的な動作をしないことになる。
【0013】また、車両が正確に水平な状態に置かれて
いるときの勾配センサの出力値として設計時にあらかじ
め設定された値(車体が架装されたときの予想傾きと空
積との差)を変更する必要を生じた場合に、何らかの操
作により変更できるようにしておくことが必要である。
【0014】本発明はこのような背景の基に行われたも
のであって、車両の実装条件や積載荷重が変更されて
も、実用的に十分な程度に以前に設定された基準値を補
償することにより新たな基準値として利用することがで
きる坂道発進補助装置を提供することを目的とする。本
発明は、車両の条件が変更されても、その都度車両を水
平な状態に置かなくとも、実用的に十分な程度にその勾
配センサの基準値を得ることができる装置を提供するこ
とを目的とする。本発明は、水平状態で勾配センサの出
力値を保持してから後で車両の条件が変更されても、勾
配センサの出力を利用した制御、あるいは坂道発進補助
動作を合理的に行うことができる装置または方法を提供
することを目的とする。本発明は、設計時にあらかじめ
設定した水平状態における勾配センサの出力値を操作に
より微調整することができる装置を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両が正確に
水平な状態に置かれているときの勾配センサの出力値を
基準値としていったん正確に保持した後には、そのとき
の状態に応じてその基準値にあらかじめ記憶しておいた
補償値を加算した値を新たな基準値として制御を行うこ
とを特徴とする。
【0016】すなわち、本発明の第一の観点は、車速が
実質的に零であり、パーキングブレーキが解除された状
態でブレーキ圧力を保持し、変速機が発進ギヤに投入さ
れた状態にあり、クラッチがいったん切断された後に解
除点を越えて接続されたことを条件に前記ブレーキ圧力
を解放させる制御手段を備えた坂道発進補助装置におい
て、勾配センサを備え、前記制御手段はその勾配センサ
の出力値にしたがって制御条件を変更する手段を備え、
前記制御手段は、前記勾配センサの零点調整時の出力値
にあらかじめ記憶された一以上の補償値のうちの一つを
選択し加算する手段を備えたことを特徴とする。
【0017】前記あらかじめ記憶された複数の補償値の
一つを操作入力にしたがって選択するか、前記あらかじ
め記憶された複数の補償値の一つを計測入力にしたがっ
て自動的に選択するか、あるいは前記あらかじめ記憶さ
れた複数の補償値の一つを操作入力により設定された条
件のもとに計測入力にしたがって自動的に選択すること
ができ、前記一以上の補償値についてその値を微調整す
る手段を備えることが望ましい。
【0018】本発明の第二の観点は、車両の勾配に基づ
きその車両に装備された装置の制御を行う方法におい
て、その車両に勾配センサを取付け、その車両を水平な
定盤の上に置いたときの前記勾配センサの出力値を基準
値として保持しておき、その車両に架装される物(例え
ば、タンクローリ、ダンプ、荷台その他)に対応してあ
らかじめ設定された補償値をその勾配センサの出力値に
加算した値を新たな基準値とすることを特徴とする。
【0019】
【作用】車両を正確に水平な状態に置いて勾配センサの
出力値を基準値として正確に保持し、その後にはその保
持した値に補償値を加算(補償値が負の値であるときに
は実質的に減算になる)した値を新たな基準値として利
用する。すなわち、勾配センサの出力値にその補償値を
加算した値を勾配センサの出力値として利用する。
【0020】車両を正確に水平な状態に置くことができ
るのは、相応な設備が必要であることから、第一に組立
製造ラインであり、第二に車体の取付け加工を行った後
である。車両が利用者により使用されはじめてから後に
は、車両を正確に水平な状態に置き勾配センサの出力値
について調整設定を行うことは、特殊な場合を除き現実
的にはほとんど不可能である。
【0021】組立製造ラインで勾配センサの出力値につ
いてその基準値を調整保持すると、その後に行われる車
体取付けおよび車体加工は、複数の仕様があったとして
もその仕様の数は限られているから、その複数の仕様に
対応して一つ以上の補償値をあらかじめ標準的な車両に
ついて測定を行うなどして合理的に定めて記憶させてお
き、その一つ以上の補償値の中から最も合理的なものを
選択して使用する。これにより、荷重を積載していない
空車の状態について、勾配センサの基準値を実質的に正
確に設定することができるようになる。その後、車両が
使用状態になったときには車両の積載重量にしたがって
補償を行うことになる。
【0022】車体の取付け加工を行った後に車両を正確
に水平な状態に置くことができる場合には、そのときに
勾配センサの出力値についてその基準値を調整保持す
る。そうすると、その後は車両の積載重量にしたがって
補償を行うことになる。
【0023】車両の積載重量にしたがって行う補償値
は、あらかじめ積載可能な重量にしたがって段階的に設
定しておくことがよい。
【0024】その段階的に設定された補償値のいずれを
選択するかは、一つの現実的な方法は操作による方法で
ある。かりに3段階の設定が行われているとすると、運
転者が現在の積載重量は「大、中、小」のいずれである
かを判断して操作によりそれを入力する。その入力によ
り実際の補償値が選択される。現実的には積載重量を3
段階に区分する程度で実用的に十分な程度の制御を行う
ことができる。この積載重量の設定段数が一般にn段階
であるとすると、運転者の操作にしたがって、n段階の
うちの一つを選択することができる。
【0025】その段階的に設定された補償値のいずれを
選択するかの別の方法は、実荷重を計測する手段を設け
ておき、その計測値から自動的に選択を行う方法であ
る。その計測する手段としては、リーフスプリングのた
わみ量を計測する手段その他があり、これらの技術を利
用して計測を行うことができる。
【0026】一般に、車両の車体実装にはm種類の仕様
があり、各仕様について積載荷重がn段階設定されてい
るとすると、上記補償値としてm×n個の値をあらかじ
め記憶させておき、車体実装が完成したときに操作によ
りm種類のうちの一つを選択し、その選択された1種類
について荷重の計測値からn段階のうちの一つを選択す
るようにして利用することができる。選択された補償値
について変更する必要が生じたときには、操作入力によ
って微調整することができる。
【0027】
【実施例】次に、本発明実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0028】(第一実施例)図1は本発明第一実施例の
要部の構成を示すブロック図である。
【0029】本発明第一実施例は、車速を検出する車速
センサ1と、クラッチのストロークを検出するクラッチ
ストローク・センサ2と、サービスブレーキによる制動
状態を検出するサービスブレーキ・スイッチ3と、パー
キングブレーキによる制動状態を検出するパーキングブ
レーキ・スイッチ4と、変速機の発進ギヤへの投入状態
を検出するギヤイン・スイッチ5と、車両の勾配を検出
する勾配センサ6と、ブレーキ・ペダル11が解放され
ても制御信号にしたがってブレーキ・バルブ12を調節
しブレーキ圧力を保持する電磁弁9と、ブレーキ圧力が
保持された状態で勾配センサ6の出力が所定値を越える
下り坂にあるとき、および故障が発生したときに警報を
発生する警報装置14と、前記各センサおよび各スイッ
チからの出力を取込み電磁弁9を制御するプログラム制
御回路10と、このプログラム制御回路10に操作入力
を行う入力ユニット13とを備える。警報装置14には
音響により警報を発生する警報ブザー14aと、点灯す
ることにより警報を発生する警報ランプ14bとが設け
られる。
【0030】プログラム制御回路10には、車速が実質
的に零であり、パーキングブレーキが解除された状態で
ブレーキ圧力を保持し、変速機が発進ギヤに投入された
状態にあり、クラッチがいったん切断された後に解除点
を越えて接続されたことを条件にサービスブレーキを解
放させる手段と、勾配センサ6の出力値にしたがって制
御条件を変更する手段とが備えられる。さらに、調整モ
ードおよび微調整モードが設けられ、調整モードでは、
勾配センサ6の零点調整時の出力値にあらかじめ記憶さ
れた1以上の補償値のうちの一つを選択し加算する手段
が備えられ、微調整モードでは、一以上の補償値につい
てその値を微調整する手段が備えられる。
【0031】また、この調整および微調整を行うため
に、入力ユニット13には、調整モード指定スイッチ1
3aと、補償値指定ノブ13bとが備えられる。この調
整モード指定スイッチ13aを1度押すことにより調整
モードが設定され、続けて2度押すことにより微調整モ
ードが設定される。補償値指定ノブ13bは積載重量の
「小」、「中」、「大」に応じて3段階に切換えられる
構造で、調整モードのときは、「小」、「中」、「大」
の位置に切換えることにより、その位置の積載重量に応
じて補償値が入力される。また、微調整モードのとき
は、「中」の位置が中立点となり、「小」の位置に1度
切換えられ「中」の位置に戻されたときに補償値を減ら
す微調整が行われる。「大」の位置に1度切換えられ
「中」の位置に戻されたときには補償値を増加させる微
調整が行われる。微調整を継続する場合は「小」の位置
または「大」の位置への切換えを連続して行えばよい。
【0032】次に、このように構成された本発明第一実
施例における積載重量に応じた補償値選択動作について
説明する。
【0033】本発明は、車両が正確に水平な状態に置か
れているときの勾配センサ6の出力値を基準値としてい
ったん正確に保持しておき、使用状態ではそのときの状
態に応じてその保持しておいた基準値に、別途記憶して
おいた補償値を加算した値を新たな基準値として制御を
行うことを特徴とするものである。
【0034】すなわち、車両に搭載される荷台および積
荷に対応して、あらかじめいくつかの補償値を設定して
おき、そのときの車体の傾斜に応じて勾配センサ6の出
力値に補償値のいずれかを加算し新たな基準値とする。
これは、例えば、図2(B)に示すように荷台の載置時
に車体がほぼ水平状態になる設計とする。すなわち、図
2(A)に示すキャブ付シャシ状態では荷台の重量を考
慮してそれに相当する角度Δθ1 だけ“尻上がり”状態
にしておき、荷台を載置したときの勾配センサ6の出力
値を基準値とする。
【0035】ここで、荷台上に積荷が積載されると、図
2(C)に示すようにその重量によって荷台が沈み水平
に対して角度Δθ2 の“尻下がり”状態になる。このよ
うに積荷を積載することによって、坂道発進制御の基準
値は変わる。しかし、積荷の重量は一定ではないのでそ
のときの積載重量によって基準値の変わり方は異なる。
そこで、あらかじめ積載可能な重量の範囲内で補償値を
段階的に設定しておき、そのときの積載重量に応じた補
償値を選択して基準値を補正して積載重量にしたがって
補償を行う。
【0036】例えば、図3に示すように、積載重量を
「小」、「中」、「大」の3段階に設定しておく。運転
者が現在の積載重量がそのいずれに該当するかを経験的
に判断して、入力ユニット13から入力することによ
り、プログラム制御回路10は演算を行い新しい基準値
を設定する。図3に示す例では、積載重量の「小」、
「中」、「大」に応じて補償する勾配センサ6の値がΔ
θ21、Δθ22、Δθ23のように定められているので、
「小」、「中」、「大」のいずれかが入力されると、そ
れに応じた出力電圧v21、v22、v23が出力され、勾配
センサ6の出力値に加算される補償値が演算される。
【0037】操作入力は入力ユニット13に設けられた
補償値指定ノブ13bを「小」、「中」、「大」の位置
に切り換えることによって容易に入力することができ
る。
【0038】切換え段階の設定は、試験の結果から実用
的には前述した3段階程度に区分すれば十分であること
がわかった。さらに必要であれば一般にn段階に区分し
補償を行う。また、段階的に設定された補償値のいずれ
を選択するかは、実荷重を計測してその計測値から自動
的に選択する構成とすることもできる。この場合は例え
ばリーフスプリングのたわみ量を計測することによっ
て、積載重量に対する補償値を自動的に設定することが
できる。
【0039】すなわち、この装置の調整モードでは、図
4に示すように、プログラム制御回路10は、入力ユニ
ット13に設けられた調整モード指定スイッチ13aが
1回操作されて勾配センサ6の調整が指定され、補償値
を指示するノブが「小」、「中」、「大」のうちのいず
れかの位置に操作されたときに、その指示にしたがって
演算を行い勾配センサ6の出力値にδ1 、δ2 、δ3
いずれかの加算値を設定する。
【0040】このようにしてそのときの積載重量に応じ
た基準値が補正されても、「小」、「中」、「大」の区
分の範囲内で変更を必要とすることがある。このような
場合には、入力ユニット13に設けられた調整モード指
定スイッチ13aを2度押すとこによって微調整モード
が設定される。微調整モードが設定されると補償値指定
ノブ13bを操作することによって微調整が可能とな
る。
【0041】例えば、調整モードで積載重量が「中」の
段階にあるとして基準値が設定された状態で、積載重量
をわずかに少なめに設定し直したい場合には、補償値指
定ノブ13bを「小」の位置に切換えて「中」の位置に
戻す。この1回の操作で微調整できる範囲はあらかじめ
定められているので、変更を必要とする回数だけ操作を
繰り返す。これにより運転者が設定しようとする基準値
を得ることができる。また、積載重量をわずかに増加さ
せた状態で基準値を設定しようとする場合には、補償値
指定ノブ13bを「大」の位置に切換えて「中」の位置
に戻す。これを変更しようとする値になるまで繰返すこ
とにより同様の微調整を行うことができる。このような
微調整は積載重量が「小」または「大」に設定されてい
ても同様の微調整を行うことができる。
【0042】ここで、このような特徴を有する本発明第
一実施例における坂道発進補助動作について説明する。
図5は本発明第一実施例における坂道発進補助動作の流
れの一例を示すフローチャートである。
【0043】プログラム制御回路10は車速センサ1の
検出出力を取込み、車速が実質的に零であれば、パーキ
ングブレーキ・スイッチ4がオフ状態にあるか否かを確
認し、オフ状態にあればパーキングブレーキが解除され
ているものとして装置の故障の有無を確認する。故障状
態にあれば警報装置14に警報信号を送出し、警報ブザ
ー14aから警報音を発生させるとともに、警報ランプ
14bを点灯させて故障状態にあることを通報する。
【0044】異常がなければギヤイン・スイッチ5がオ
ン状態にあるか否かを確認し、オン状態にあれば変速機
が発進ギヤ(後退ギヤも含む)に投入された状態にある
ので、クラッチストローク・センサ2からの検出出力を
取込み、クラッチがいったん切断されたか否かを確認す
る。クラッチがいったん切断された状態からクラッチが
解除点を越えて接続されたか否かを確認し、解除点を越
えて接続されていなければサービスブレーキを保持状態
にする。解除点を越えて接続されると、勾配センサ6の
検出出力を取り込む。
【0045】勾配センサの出力値には、上述のように走
行前に運転者によって積載重量に応じた補償値がすでに
操作入力されている。また、車両の走行状態とそのとき
の設定ギヤ位置によって坂道発進補助の制御禁止条件が
あらかじめ設定されている。例えば図6にその一例を示
すうよに、平坦路上を前進走行していて停車したとき、
平坦路上を後退走行していて停車したとき、上り坂を前
進走行していて停車したとき、下り坂を後退走行してい
て停車したときなどは坂道発進補助動作の制御が継続し
て行われる。ところが上り坂を後退走行していて停車し
たとき、あるいは下り坂を前進走行していて停車したと
きには坂道発進補助動作は禁止されている。
【0046】プログラム制御回路10は、このようにし
てすでに補償値が加算された新しい基準値に基づく勾配
センサ6の検出出力値が所定値を越えた坂道発進補助能
力の及ばない路上にあり、かつ図6に示すように上り勾
配の路面上で後退ギヤに設定され停車しているか、ある
いは下り勾配の路面上で前進ギヤに設定され停車してい
る制御禁止条件下にあれば、電磁弁9への制御信号の送
出を禁止し、サービスブレーキを解放する。制御禁止条
件下になければサービスブレーキの保持を継続する。
【0047】これにより、積載荷重が変わってもあらか
じめ設定された勾配センサ6の基準値を補償し、積載荷
重に応じた基準値を任意に設定することができる。
【0048】(第二実施例)図7は本発明第二実施例の
要部の構成を示すブロック図である。
【0049】本発明第二実施例はプログラム制御回路1
0にキー20aを備えた調整ユニット20を接続する接
続端子21が設けられ、調整ユニット20のキー20a
からの入力にしたがって制御条件を変更し、あらかじめ
記憶された複数の補償値のうちの一つを選択して加算す
る手段が備えられる。その他は第一実施例同様に構成さ
れる。
【0050】車両には取付ける車体あるいは荷台によっ
て複数の仕様がある。そこで、車体あるいは荷台を組立
てる製造ラインで勾配センサの出力値についてその基準
値を調整保持しておく。すなわち、車体あるいは荷台の
取付時に、製造工場で調整ユニット20を接続端子21
に接続して最も合理的な補償値を選択し入力する。これ
により、それぞれの仕様に対応した基準値を設定するこ
とができる。
【0051】すなわち、表1に示すように図2のΔθ2
の値が異なる車両の車体実装仕様がM種類あって、その
各仕様について積載荷重をN段階に設定したとすると、
その補償値としてはM×N個となるが、これをあらかじ
め記憶させておくことによって、車体実装時にm種類の
うちの一つを選択し、その選択された1種類について荷
重の計測値からn段階のうちの一つを選択することがで
きる。
【0052】これにより、車両の実装条件や積載荷重が
変わっても、実用的に十分な程度にあらかじめ設定され
た基準値を補償し、新たな基準値を任意に設定すること
ができる。
【0053】一般に、ボディー工場では車両を載置する
ことができる大形の定盤で、その水平が正しく設定され
たものを設置しておくことは不可能であるから、上述の
ような方法により、勾配センサの実用的な基準値を正し
く補償して利用することができる。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両の実装条件や積載荷重が変更された場合に、あらかじ
め設定された水平状態を示す基準値を補償することによ
り実用的に十分な新たな基準値を設定することができる
効果がある。すなわち、車両の条件が変更されても、そ
の都度車両を水平な状態に置くことなく勾配センサの基
準値を任意に得ることができ、勾配センサの出力を利用
した制御、あるいは坂道発進補助動作を合理的に行うこ
とができる。さらに、本発明では、基準値を設定すると
きに、積載重量を複数段階に区分しておき、そのいずれ
かを選択することにより設定できるとともに、各区分に
ついて微調整を行うことができるので、より実際の積載
荷重に近い値を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例における要部の構成を示すブ
ロック図。
【図2】(A)は本発明第一実施例に係わる車両のキャ
ブ付シャシ状態を示す側面図、(B)は荷台付空車状態
を示す側面図、(C)は積荷が積載された状態を示す側
面図。
【図3】本発明第一実施例における勾配センサの傾きに
対する出力電圧の関係を説明する図。
【図4】本発明第一実施例における調整モードの処理手
順の一例を示すフローチャート。
【図5】本発明第一実施例における坂道発進補助動作の
流れの一例を示すフローチャート。
【図6】本発明第一実施例における坂道発進補助動作の
継続または禁止状態を説明する図。
【図7】本発明第二実施例の要部の構成を示すブロック
図。
【符号の説明】
1 車速センサ 2 クラッチストローク・センサ 3 サービスブレーキ・スイッチ 4 パーキングブレーキ・スイッチ 5 ギヤイン・スイッチ 6 勾配センサ 9 電磁弁 10 プログラム制御回路 11 ブレーキ・ペダル 12 ブレーキ・バルブ 13 入力ユニット 13a 調整モード指定スイッチ 13b 補償値指定ノブ 14 警報装置 14a 警報ブザー 14b 警報ランプ 20 調整ユニット 20a キー 21 接続端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速が実質的に零であり、パーキングブ
    レーキが解除された状態でブレーキ圧力を保持し、変速
    機が発進ギヤに投入された状態にあり、クラッチがいっ
    たん切断された後に解除点を越えて接続されたことを条
    件に前記ブレーキ圧力を解放させる制御手段を備えた坂
    道発進補助装置において、 勾配センサを備え、前記制御手段はその勾配センサの出
    力値にしたがって制御条件を変更する手段を備え、 前記制御手段は、前記勾配センサの零点調整時の出力値
    にあらかじめ記憶された一以上の補償値のうちの一つを
    選択し加算する手段を備えたことを特徴とする坂道発進
    補助装置。
  2. 【請求項2】 前記あらかじめ記憶された複数の補償値
    の一つを操作入力にしたがって選択する請求項1記載の
    坂道発進補助装置。
  3. 【請求項3】 前記あらかじめ記憶された複数の補償値
    の一つを計測入力にしたがって自動的に選択する請求項
    1記載の坂道発進補助装置。
  4. 【請求項4】 前記あらかじめ記憶された複数の補償値
    の一つを操作入力により設定された条件のもとに計測入
    力にしたがって自動的に選択する請求項1記載の坂道発
    進補助装置。
  5. 【請求項5】 前記一以上の補償値についてその値を微
    調整する手段を備えた請求項1記載の坂道発進補助装
    置。
  6. 【請求項6】 車両の勾配に基づきその車両に装備され
    た装置の制御を行う方法において、 その車両に勾配センサを取付け、その車両を水平な定盤
    の上に置いたときの前記勾配センサの出力値を基準値と
    して保持しておき、その車両に架装される物に対応して
    あらかじめ設定された補償値をその勾配センサの出力値
    に加算した値を新たな基準値とすることを特徴とする制
    御方法。
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