JPH081126B2 - 立軸型エンジンの潤滑装置 - Google Patents

立軸型エンジンの潤滑装置

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JPH081126B2
JPH081126B2 JP1035590A JP3559089A JPH081126B2 JP H081126 B2 JPH081126 B2 JP H081126B2 JP 1035590 A JP1035590 A JP 1035590A JP 3559089 A JP3559089 A JP 3559089A JP H081126 B2 JPH081126 B2 JP H081126B2
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oil
crankshaft
oil pan
pan
tank
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正人 佐藤
晨一 丹波
徹 荻野
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Kawasaki Motors Ltd
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Kawasaki Jukogyo KK
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本願発明は立軸型エンジンの潤滑装置に関する。
(従来技術及びその課題) クランク軸を垂直に支持する立軸型エンジンでは、第
13図に示すようにクランク軸6の出力軸部6aはエンジン
取付面Aより下方に突出し、フライホイール(図示せ
ず)はクランクケース1の上側に配置され、カム軸37、
ガバナ及びオイルポンプ(又はオイルスリンガー)31等
の駆動ギヤ関係はクランクウェブ6bの下側に配置され、
クランク軸用軸受部51との間に構成される。従ってエン
ジン潤滑のためのオイルパン3はカム軸ギヤ41等の下側
とエンジン取付面Aとの間に囲まれたスペースに設けら
れる。
上記のような従来技術では次のような課題がある。
(1)ギヤトレーンの寸法やバランサー82等によってオ
イルパン3の面積が広くなるため、油面変化に対する容
積変化が大きくなり、オイルレベルの管理が難しい。
(2)オイルパン3が広いため、エンジン傾斜時に使用
出来ないオイル量が多い。
(3)シリンダー内へ流入するまでの傾斜角が大きくと
れず、所謂傾斜性能が弱い。
(4)オイルパン3のみでは外周放熱面積が限られ、オ
イル温度が上昇し易い。
(5)傾斜時にオイルの中で運動する部分が多く、オイ
ル温度上昇の原因となると共にブリーザ構造が複雑とな
る。
(6)オイル温度上昇によりオイル消費量が不安定にな
り易い。
これに対して、例えば特開昭60−261797号公報には、
垂直なクランク軸を有するエンジンにおいて、オイルパ
ンとは別にオイルリザーバを設け、排油ポンプによりオ
イルパンの油をオイルリザーバに戻すようにしたエンジ
ンが開示されており、これにより、十分なオイル量を確
保し、上記各課題をある程度解消しているが、エンジン
が大きく傾斜した時に、排油ポンプによる空気の噛込み
が生じる可能性がある。
(発明の目的) 本願請求項1記載の発明の目的は、立軸型のエンジン
において、オイルレベルの管理が容易で、エンジン傾斜
時でも十分に注油箇所にオイルを供給でき、エンジンの
高さをコンパクトにできるようにすると共に、クランク
軸の軸受部の潤滑性能を向上させることである。
本願請求項2記載の発明の目的は、立軸型のエンジン
において、オイルレベルの管理が容易で、エンジン傾斜
時でも十分に注油箇所にオイルを供給でき、エンジン高
さをコンパクトにできるようにすると共に、エンジン傾
斜時のオイルポンプによる空気の噛込みを防止し、か
つ、潤滑オイル用の油路配管を簡略化できる潤滑装置を
提供することである。
(目的を達成するための技術的手段) 本願の各請求項の発明は、クランク軸の軸受部分の潤
滑性能を向上させるため、垂直なクランク軸6を支持す
るクランクケース下部にオイルパン3を備え、オイルタ
ンク11をオイルパン3とは別に備え、オイルタンク11の
出口部16をオイルポンプ30を介して各注油箇所に連通
し、オイルタンク11のオイル取入部15をオイルパン3に
連通し、送油機構によりオイルパン3のオイルをオイル
タンク11内に送るようにした立軸型エンジンの潤滑装置
において、次のことを特徴としている。
請求項1記載の発明は、オイルパン3の底面形状を、
オイルパン3の略中心部であってクランク軸6を支持す
る上方突出状の軸受部51側が低くなるように形成し、上
記軸受部51の下端部にクランク軸6の外周面を囲む環状
オイル溝48を形成し、環状オイル溝48は、軸受部分の下
端部外周に軸受部の円周方向に間隔を置いて形成された
複数の吸込口52を介してオイルパン3内に開口すると共
に、オイルパン底壁に形成された油路47,46を介してオ
イルタンク11のオイル取入部15に連通している。
請求項2記載の発明は、オイルパン3の底面形状を、
オイルパン3の略中心部であってクランク軸6を支持す
る上方突出状の軸受部51側が低くなるように形成し、送
油機構として、オイルパン3とオイルタンク11の間に低
圧送油ポンプ31を設け、クランク軸の軸受部51の下端部
の周囲には、クランク軸中心側が高くなるように開口部
分が傾斜してオイルパン内に開口するオイル吸込口52
を、軸受部51周りに間隔を置いて複数個形成し、該オイ
ル吸込口52をオイルパン底壁内の通路を介してオイルタ
ンク11のオイル取入部15に連通し、傾斜状の各吸込口52
には、クランク軸径方向移動可能で、エンジンの傾斜に
より高くなった時にクランク軸中心側へと移動して対応
する高位置側吸込口52を塞ぐボールバルブ53をそれぞれ
設けている。
請求項3記載の発明は、上記請求項1,2の双方の要件
を備えた立軸型エンジンの潤滑装置である。
(作用) オイルパン内のオイルは、オイルポンプとは別の低圧
送油機構によりオイルタンク内に送られ、ここで一旦溜
められ、オイルポンプによりエンジンの各注油箇所に送
られ、潤滑に利用され、再びオイルパンに戻される。
請求項1記載の発明を採用している場合には、オイル
パン内のオイルを、オイルパンの略中心部に形成された
クランク軸受部周りの複数の吸込口から吸い込むことに
より、迅速にオイルを吸い込み、また、エンジンがいか
なる方向に傾斜している時でも、オイルは、中心部のク
ランク軸受部周囲に集まり、エンジンの重心が安定す
る。また、オイルパンからのオイルは、環状オイル溝内
に供給されてそこに一旦を溜まり、クランク軸下端部の
軸受部並びにシールを潤滑して、オイルタンクへ流れ
る。
請求項2,3記載の発明を採用している場合には、エン
ジンが傾斜した時に、高位置側の吸込口をボールバルブ
により自動的に閉じ、空気の吸込みを防止する。
(実施例) 第1図はモア(芝刈機)の上面に搭載される立軸型エ
ンジンの側面図を示しており、この第1図において、ク
ランクケース1の下端部にはカバークランクケースを兼
ねるオイルパン3が固着されており、該オイルパン3及
びクランクケース1に垂直なクランク軸6が支持されて
いる。クランク軸6の下側出力軸部6aはエンジンの下端
取付面Aから下方へと突出し、モアの回転軸に連動連結
される。クランク軸6の上端部にはフライホイール5及
び冷却ファン8が設けられ、これらはファンカバー14に
より覆われている。
シリンダー部7の側方には前記オイルパン3とは別体
の潤滑用オイルタンク11が配置され、ボルト9によりシ
リンダー部7、シリンダーヘッド4及びクランクケース
1の側壁に固定されている。オイルタンク11は従来のオ
イルパンの容量の2倍以上の容量を有し、縦長状でかつ
上方から見てファンカバー14に沿って近接配置されると
共に少し偏平状に形成されている。オイルタンク11の底
部の配置高さは概ねオイルパン3の上端部に対応する高
さであり、オイルタンク11の上端高さは概ねファンカバ
ー14の上端高さに対応する高さである。第1図の実施例
ではオイルタンク11は板金製であり、ファンカバー14よ
り下側部分(範囲G部分)はシリンダー部側方を覆う冷
却風案内板に兼用されている。オイルタンク11の側面に
は外部から視認可能に透明なレベルゲージ17が設けられ
ている。
オイルタンク11の上端部にはブリーザ機構を有するオ
イル注入口金(給油キャップ)12が着脱自在に設けら
れ、底部にはオイル取入部15及びオイル出口部16が形成
されている。オイル取入部15にはオイルタンク11内を上
端まで延びる送油パイプ19が設けられ、該送油パイプ19
はその上端部にオイル排出用開口19aを有している。オ
イル取入部15は取入側ゴムホース22を介して低圧送油ポ
ンプ31に接続し、オイル出口部16は出口側ゴムホース23
を介して高圧オイルポンプ30に接続している。上記出口
側ゴムホース23の途中にはドレーンバック防止装置とし
てドレーンバック防止用のバルブ25が設けられている。
該バルブ25は第3図にようにばね26及びボール弁部27を
有し、オイルポンプ30側からオイルタンク11側へのオイ
ルの戻りを阻止すると共に、オイルポンプ30が作動して
いるときのみその吸込力でオイルタンク11側からオイル
ポンプ30側へオイルを流すようにしている。従って、エ
ンジン停止時には閉じでおり、いずれの方向にもオイル
を流さない。
立軸型エンジンの平面図を示す第2図において、エア
クリーナ34は、シリンダー上部のファンカバー14に沿っ
て近接配置されると共にキャブレターの上方に配置され
ており、前記オイルタンク11は、シリンダー部7の反エ
アクリーナ側に、シリンダー上部のファンカバー14に沿
って近接配置されている。即ちオイルタンク11とエアク
リーナ34はシリンダー部7の左右両側に分配されてい
る。
第4図は第1図のIV−IV断面図を示しており、オイル
パンの3の略中心部に配置されたクランク軸6と平行な
カム軸37はカム軸41及びクランクギヤ42を介してクラン
ク軸6に連動連結し、カム軸37の下端部分は軸受40を介
して軸受ケース部38に支持されている。該軸受ケース部
38はオイルパン3に一体に形成されており、軸受ケース
部38内に前記低圧送油ポンプ31が設けられている。
送油ポンプ31はトロコイドポンプであり、そのポンプ
軸36はカム軸37と同軸心に配置されると共、カム軸37の
下端部に継手機構を介して連結されている。
送油ポンプ31の吐出口45はオイルパン底部3aの油路46
を介して前記取入側ホース22に接続している。送油ポン
プ31の吸込口44はオイルパン底部3aの油路47を介して環
状オイル溝48に連通している。環状オイル溝48はクラン
ク軸6の外周面を囲むと共にクランク軸用軸受部51の下
端部に形成されており、下側はシール50により閉塞され
ている。上記軸受部51はオイルパン3に一体成形されて
いる。
オイルパンの底面形状は、オイルパン3の略中心部で
あってクランク軸6を支持する軸受部分側が低くなるよ
うに形成されている。
第4図において、環状オイル溝48には2カ所以上のオ
イル吸込口52がオイルパン3内に開口しており、各吸込
口52の上端部はクランク軸中心側に行くに従い高くなる
ように傾斜しており、そしてそれぞれのオイル吸込口52
にはエンジンの傾斜により高くくなった時にクランク軸
中心側に移動して吸込口52を閉じるボールバルブ53が配
置されている。例えばエンジンが水平な時には全ての吸
込口52はオイルパン3内に対して開いており、第4図に
左側が高くなるようにエンジンが傾斜した時には左側の
ボールバルブ53が右に移動して左側の吸込口52を閉じ、
一方右側の吸込口52は開いた状態が維持される。
第5図は第1図V−V断面図である。高圧オイルポン
プ30のポンプ軸56は垂直に配置されると共に上端部にポ
ンプ駆動ギヤ57を備え、クランク軸ギヤ42に噛み合って
いる。吸込口59はオイルポンプ3内の油管58を介して前
述のホース23に接続している。吐出口60は油路61に連通
し、油路61の途中にはリリーフバルブ62が配置されてい
る。上記油路61は第4図に示すクランクケース内の潤滑
オイル通路63に連通し、潤滑オイル通路63は各潤滑箇所
例えば弁突棒65の摺動部、カム軸37の軸受部67及びクラ
ンク軸6の軸受部68等に連通している。
作動を説明する。機関を使用する前には、第1図のオ
イルタンク11内及びオイルパン3内には潤滑オイルが一
定量供給されている。
機関運転中、第4図のオイルパン3内の潤滑オイル
は、オイルパン3の吸込口52から環状オイル溝48、油路
47及びポンプ吸込口44を介して低圧送油ポンプ31に吸い
込まれる。環状オイル溝48のオイルはクランク軸6及び
シール50を潤滑する。
低圧送油ポンプ31で加圧されたオイルは油路46及びホ
ース22を介して第1図のオイル取入部15から送油パイプ
19内に入り、上端開口19aからオイルタンク11内に放出
される。
オイルタンク11内のオイルは下端出口部16、ホース2
3、バルブ25を介してオイルポンプ30に吸い込まれ、加
圧された後クランクケース1の各注油箇所に供給され
る。潤滑に利用後のオイルはオイルパン3内に戻され
る。
(別の実施例) (1)第6図は、オイルタンク11を立軸型エンジンのク
ランク室70の側壁に一体成形した例である。クランク室
側壁とはクランクケース1の側壁及びオイルパン3の側
壁である。オイルタンク11の下端部は逆止弁72、油路4
7、環状溝48及び吸込口52を介してオイルパン3に連通
している。
オイルパン3の底部3aをクランク軸中心側にゆくに従
い低くなるように傾斜させており、それによりオイルパ
ン3内のオイルをクランク軸用軸受部51の周りに集め、
そして環状オイル溝48に一旦溜めるようになっている。
軸受部51には放射状に複数本のリブ71が形成されてお
り、各リブ71間にオイル吸込口52が形成されている。
またこの第6図に構造ではオイルパン3からオイルタ
ンク11にオイルを送る送油機構として、前記逆止弁72と
クランク室70内の圧力変動を利用している。従って特別
の送油ポンプは備えられていない。
(2)第7図の構造は、クランク室側壁にオイルタンク
11を一体成形し、オイルタンク11にオイルフィルター74
を備えた例である。これによるとオイルタンク11の容量
をオイルフィルター74により増加させることが出来る。
(3)第8図の構造は、オイルタンク11をクランクケー
ス1とは別体物とし、クランク室側壁に着脱自在(所謂
カートリッジ式)に取り付けた例である。オイルタンク
11の下端オイル取入部15及び上端のオイル出口部16はオ
イルパン3の油路46の接続口46a及びクランクケース1
の上端接続口75に接続される。78は逆止弁であり、取入
部15に設けられオイルタンク11から油路46へのオイルの
逆流を阻止する。第9図は取入部15の拡大図であり、O
リング79を介して接続口46aに接続される。第8図のオ
イル出口部16も同様にOリングを介して上端接続口75に
接続される。
このようにオイルタンク11をカートリッジ式に着脱自
在にするとオイル交換が楽になる。
(4)第10図はオイルポンプのコンパクト化を図ため
に、高圧オイルポンプ30と低圧送油ポンプ31を同一軸心
に配置し、両ポンプ30、31のポンプ軸56(36)を共有化
した例である。オイルポンプ30の吐出口60はオイルバン
3内の油路61及びクランクケース1内の潤滑油路63を介
してクランク軸上端部の軸受部68に至り、該軸受部68か
らこれよりも低い他の注油箇所に順次連通している。
(5)第12図のロッカーチャンバー84あるいはクラック
ケース内と、オイルタンク11の上端部中央に設けた注入
口金12とをパイプ86で連結し、これによりオイルタンク
6内の圧力がロッカーチャンバー84及びクランクケース
1を通して大気とつながり、圧力を一定に保つブリーザ
ーとすると共に当ブリーザーからのオイル洩れを防止し
ている。
(6)オイルタンクをクランクケースとは別体物とし、
エンジンから離れた位置に支持するとともに、該オイル
タンクと該エンジン間を着脱可能な管部材で結合するこ
とによって、該エンジンはコンパクトとなり、搭載上の
自由度が増し、オイルタンクはエンジンからの受熱を少
くすることもでき、視認性のよい位置にも設置できる。
(7)オイルタンクを、透明あるいは半透明の樹脂製と
し、これによりオイルレベルゲージを廃止することがで
きるとともにオイルの汚れも容易にわかる。
(発明の効果) 以上説明したように、垂直なクランク軸6を支持する
クランクケース下部にオイルパン3を備え、オイルタン
ク11をオイルパン3とは別に備え、オイルタンク11の出
口部16をオイルポンプ30を介して各注油箇所に連通し、
オイルタンク11のオイル取入部15をオイルパン3に連通
し、送油機構によりオイルパン3のオイルをオイルタン
ク11内に送るようにした立軸型エンジンの潤滑装置にお
いて、請求項1、2及3記載の発明によると次のような
利点がある。
(イ)オイルタンクに必要量のオイルを充填させておく
ことにより、オイルレベルの管理が容易になると共に、
オイルパンの深さを浅く出来ることによりエンジン高さ
を低くすることができる。
(ロ)立軸型エンジンにおいて、面積の広いオイルパン
とは別にオイルタンクを備え、該オイルタンクにオイル
を溜めるようにしているので、エンジンの傾斜に左右さ
れることなく常に十分なオイル供給を行うことができ
る。即ち傾斜性能の強い立軸型エンジンを提供できる。
(ハ)オイルパンとは別にオイルタンクを備えているの
で、オイルの放熱面積を多くとることができ、オイル温
度の上昇を防ぐことができる。またそれによりオイル消
費量も安定する。
(ニ)オイルパン中心部のクランク軸受部51を形成して
その下端周囲に吸込口52を形成し、該吸込口52をオイル
パン底壁内の油路47,46を利用してオイルタンク11に導
くようにしているので、オイルの吸込みからオイルタン
ク11に至るまでの油路として、特別な配管は必要なく、
製造が容易で、配管用の部品点数も節約できる。
請求項1記載の発明によると、上記効果に加え、次の
効果もある。
(ホ)環状オイル溝48に一旦オイルを溜めることによ
り、クランク軸下端部の軸受部51並びにシールの潤滑を
容易に行うことができ、潤滑性能を向上させることがで
きる。
(ヘ)オイルパンに開口する吸込口52を複数個設けてい
るので、オイルパンから環状オイル溝48へのオイルの吸
込みを迅速に行うことができる。
(ト)オイルパン3の底面形状を、オイルパン3の略中
心部であってクランク軸6を支持する上方突出状の軸受
部51側が低くなるように形成し、該軸受部51の下端部に
クランク軸6を囲む環状オイル溝48を形成し、かつ、軸
受部51の下端周囲に周方向に間隔をおいて複数の吸込口
52を開口しているので、エンジンがいずれに傾いてもあ
るいはオイルパン内のオイル量が少くとも、環状オイル
溝48へのオイルの吸込みを迅速に行うことができる。
請求項2記載の発明によると、上記(イ)〜(ニ)の
効果に加え、次の効果もある。
(チ)オイルパン3とオイルタンク11との間に送油機構
として低圧送油ポンプ31設け、オイルパン中心部のクラ
ンク軸受部51側を低くしてその周囲に複数の傾斜状オイ
ル吸込口52を形成し、各吸込口52には、エンジンが一定
角度以上傾斜した時に高位置側に来る吸込口52を塞ぐボ
ールバルブを設けているので、エンジン傾斜時の空気の
噛込みを防止でき、エンジン傾斜時においての良好な潤
滑性能を確保できる。
(リ)クランク軸受部51の下端部の吸込口52及びボール
バルブ用傾斜面を形成しているので、ボールバルブ用の
パイプ等の特別な部材を用いる必要がない。すなわち、
オイルパンの製造時に、クランク軸受部51及びその周囲
のリブなどと共にバルブ用傾斜面を形成しておけば、後
はボールバルブ53を配置するだけでよく、製造が容易に
なる。
請求項3記載の発明では、上記(ホ)〜(リ)までの
効果を期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明を適用した立軸型エンジンの全体側面
図、第2図は平面図(第1図のII矢視図)、第3図はド
レーンバック防止用バルブの断面拡大図、第4図は第1
図のIV−IV断面図、第5図は第1図のV−V断面図、第
6図は本願発明の別の実施例を示す立軸型エンジンの横
断面略図、第7図はオイルタンクの変形例を備えた立軸
型エンジンの縦断面略図、第8図はオイルタンクの別の
例を備えた立軸型エンジンの縦断面略図、第9図は第8
図のIX矢視部分の拡大図、第10図はオイルポンプの変形
例を示す縦断面図、第11図はドレーンバック防止装置と
しサイフォンパイプを備えた立軸型エンジンのオイルタ
ンク部分の縦断面図、第12図はオイル洩れ防止ブリーザ
ーパイプを備えた立軸型エンジンの部分平面図、第13図
は従来例の縦断面図である。1……クランクケース、3
……オイルパン(カバークランクケース)、4……シリ
ンダーヘッド、6……クランク軸、7……シリンダー
部、8……冷却ファン、11……オイルタンク、25……ド
レーンバック防止用バルブ、30……高圧オイルポンプ、
31……低圧送油ポンプ、34……エアクリーナ、48……環
状オイル溝、70……クランク室、74……オイルフィルタ
ー、80……サイフォンパイプ、84……ロッカーチャンバ
ー、86……オイル洩れ防止用ブリーザーパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻野 徹 兵庫県明石市川崎町1―1 川崎重工業株 式会社明石工場内 (56)参考文献 特開 昭60−261797(JP,A) 特開 昭62−23514(JP,A) 特開 昭58−93911(JP,A) 実公 昭46−36333(JP,Y1) 実公 昭53−11710(JP,Y2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】垂直なクランク軸(6)を支持するクラン
    クケース下部にオイルパン(3)を備え、オイルタンク
    (11)をオイルパン(3)とは別に備え、オイルタンク
    (11)の出口部(16)をオイルポンプ(30)を介して各
    注油箇所に連通し、オイルタンク(11)のオイル取入部
    (15)をオイルパン(3)に連通し、送油機構によりオ
    イルパン(3)のオイルをオイルタンク(11)内に送る
    ようにした立軸型エンジンの潤滑装置において、オイル
    パンの底面形状を、オイルパン(3)の略中心部であっ
    てクランク軸(6)を支持する上方突出状の軸受部(5
    1)側が低くなるように形成し、上記軸受部(51)の下
    端部にクランク軸(6)の外周面を囲む環状オイル溝
    (48)を形成し、環状オイル溝(48)は、軸受部(51)
    の下端部外周に軸受部の円周方向に間隔を置いて形成さ
    れた複数の吸込口(52)を介してオイルパン(3)内に
    開口すると共に、オイルパン底壁に形成された油路(4
    7,46)を介してオイルタンク(11)のオイル取入部(1
    5)に連通したことを特徴とする立軸型エンジンの潤滑
    装置。
  2. 【請求項2】垂直なクランク軸(6)を支持するクラン
    クケース下部にオイルパン(3)を備え、オイルタンク
    (11)をオイルパン(3)とは別に備え、オイルタンク
    (11)の出口部(16)をオイルポンプ(30)を介して各
    注油箇所に連通し、オイルタンク(11)のオイル取入部
    (15)をオイルパン(3)に連通し、送油機構によりオ
    イルパン(3)のオイルをオイルタンク(11)内に送る
    ようにした立軸型エンジンの潤滑装置において、オイル
    パンの底面形状を、オイルパン(3)の略中心部であっ
    てクランク軸(6)を支持する上方突出状の軸受部(5
    1)側が低くなるように形成し、送油機構として、オイ
    ルパン(3)とオイルタンク(11)の間に低圧送油ポン
    プ(31)を設け、クランク軸の軸受部(51)の下端部の
    周囲には、クランク軸中心側が高くなるように開口部分
    が傾斜してオイルパン内に開口するオイル吸込口(52)
    を、軸受部(51)周りに間隔を置いて複数個形成し、該
    オイル吸込口(52)をオイルパン底壁内の通路(47,4
    6)を介してオイルタンク(11)のオイル取入部(15)
    に連通し、傾斜状の各吸込口(52)には、クランク軸径
    方向移動可能で、エンジンの傾斜により高くなった時に
    クランク軸中心側へと移動して対応する高位置側吸込口
    (52)を塞ぐボールバルブ(53)をそれぞれ設けたこと
    を特徴とする立軸型エンジンの潤滑装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の立軸型エンジンの潤滑装置
    において、オイルパンの底面形状を、オイルパン(3)
    の略中心部であってクランク軸(6)を支持する上方突
    出状の軸受部(51)側が低くなるように形成し、送油機
    構として、オイルパン(3)とオイルタンク(11)の間
    に低圧送油ポンプ(31)を設け、クランク軸の軸受部
    (51)の下端部の周囲には、クランク軸中心側が高くな
    るように開口部分が傾斜してオイルパン内に開口するオ
    イル吸込口(52)を、軸受部(51)周りに間隔を置いて
    複数個形成し、該オイル吸込口(52)をオイルパン底壁
    内の通路(47,46)を介してオイルタンク(11)のオイ
    ル取入部(15)に連通し、傾斜状の各吸込口(52)に
    は、クランク軸径方向移動可能で、エンジンの傾斜によ
    り高くなった時にクランク軸中心側へと移動して対応す
    る高位置側吸込口(52)を塞ぐボールバルブ(53)をそ
    れぞれ設けたことを特徴とする立軸型エンジンの潤滑装
    置。
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