JPH08111282A - 多層面状発熱体及びその外装シート被覆方法 - Google Patents

多層面状発熱体及びその外装シート被覆方法

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JPH08111282A
JPH08111282A JP24512194A JP24512194A JPH08111282A JP H08111282 A JPH08111282 A JP H08111282A JP 24512194 A JP24512194 A JP 24512194A JP 24512194 A JP24512194 A JP 24512194A JP H08111282 A JPH08111282 A JP H08111282A
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sheet
adhesive layer
heat
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heat generating
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JP24512194A
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Takafumi Sakuma
隆文 佐久間
Naotoshi Nakajima
直敏 中島
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外装シートと発熱部との剥離を防止できると
ともに外装シートを発熱部にラミネートしても性能が劣
化することがない多層面状発熱体及びその外装シート被
覆方法を提供すること 【構成】 外装シート5と発熱部(発熱抵抗シート)2
との間に少なくとも第1の粘着層6と第2の粘着層7と
の2層の粘着層を設け、第1の粘着層6は外装シート5
と第2の粘着層7との両者に融着し、第2の粘着層7は
第1の粘着層6と外装シート5とが融着する温度より低
く、かつ、発熱抵抗シート2の機能を低下させることの
ない温度で発熱抵抗シート2に融着するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発熱部に粘着層を介し
て外装シートを被覆した多層面状発熱体及びその外装シ
ート被覆方法に関するもので、例えば、道路や屋根の融
雪用ヒータとして、あるいは、鏡の防曇用ヒータとして
利用できる。
【0002】
【背景技術】道路の融雪等のため、道路表面近傍に多層
面状発熱体を埋設し、この多層面状発熱体を発熱させる
ことが行われている。この多層面状発熱体は、エチレン
−エチルアクリレート共重合体(EEA)等の熱可塑性
樹脂にカーボンブラック等の導電性粒子を混和してなる
発熱部に少なくとも2本の電極線を設けたものであり、
これらの電極間に電流を流すと、そのジュール熱により
シートが発熱する構造である。発熱部を保護して長寿命
化を図るため、発熱部に保護被膜が設けられている。こ
の保護被膜の従来例として、発熱部を密閉する袋からな
る従来例1や、発熱部にポリエチレンテレフタレートか
らなる外装シートを所定温度でラミネートする従来例2
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の袋では、袋
自体に可撓性があり、かつ、発熱部との間に所定の隙間
があるので、平面性に劣るという問題点がある。従来例
2のラミネート構造では、平面性の問題点は改善される
が、発熱部での高温低温が繰り返されることにより、外
装シートと発熱部とが剥離し、剥離した外装シートと発
熱部との隙間に溜まる空気や水によって多層面状発熱体
の寿命が低下するという問題点がある。外装シートと発
熱部との剥離を防ぐため、外装シートと発熱部との間に
粘着層を形成し、この粘着層を、外装シートを構成する
ポリエチレンテレフタレートと発熱部を構成するエチレ
ン−エチルアクリレート共重合体との両者に接着可能な
ポリエチレンから構成することが考えられるが、このポ
リエチレンは溶融温度が高いため、外装シートと発熱部
とのラミネート温度を高くしなければならない。ラミネ
ート温度が高いと、発熱部のエチレン−エチルアクリレ
ート共重合体が溶解して発熱部の厚さが部分的に変化
し、多層面状発熱体の性能が劣化するという不都合が生
じる。
【0004】本発明の目的は、外装シートと発熱部との
剥離を防止できるとともに外装シートを発熱部にラミネ
ートしても性能が劣化することがない多層面状発熱体及
びその外装シート被覆方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は、外
装シートと発熱部との間に設けられる粘着層を、外装シ
ートに融着する第1の粘着層の他に、第1の粘着層と外
装シートとが融着する温度より低く、かつ、発熱部の機
能を低下させることのない温度で発熱部に融着する第2
の粘着層を設けて前記目的を達成しようとするものであ
る。具体的には、本発明の多層面状発熱体は、所定間隔
を離して少なくとも2本の電極線が設けられた発熱部の
表面に合成樹脂製外装シートを被覆した多層面状発熱体
において、前記外装シートと前記発熱部との間に粘着層
を第1の粘着層と第2の粘着層との少なくとも2層設
け、この第1の粘着層は前記外装シートと前記第2の粘
着層との両者に融着し、第2の粘着層は前記第1の粘着
層と前記外装シートとが融着する温度より低く、かつ、
前記発熱部の機能を低下させることのない温度で前記発
熱部に融着してあることを特徴とする。
【0006】ここで、前記第2の粘着層は前記発熱部を
構成する樹脂と同種の樹脂から構成されているものでも
よい。また、前記外装シートは、ポリエチレンテレフタ
レート、ナイロン及びポリカーボネートのうちいずれか
1種類から構成され、前記発熱部はエチレン−エチルア
クリレート共重合体及びカーボンブラックから構成さ
れ、前記第1の粘着層はポリプロピレン、ポリエチレン
及びホットメルト樹脂のうちいずれか1種類から構成さ
れ、前記第2の粘着層はエチレン−エチルアクリレート
共重合体で構成してあるものでもよい。
【0007】本発明の多層面状発熱体の外装シート被覆
方法は、所定間隔を離して少なくとも2本の電極線が設
けられた発熱部の表面に粘着層を介して合成樹脂製外装
シートを被覆する多層面状発熱体の外装シート被覆方法
において、前記外装シートに第1の粘着層を熱融着する
とともにこの第1の粘着層に第2の粘着層を熱融着し、
その後、この第2の粘着層に前記第1の粘着層と前記外
装シートとが熱融着する温度より低く、かつ、前記発熱
部の機能を低下させることのない温度で前記発熱部を熱
融着することを特徴とする。
【0008】
【作用】発熱部は、押出成形法によりエチレン−エチル
アクリレート共重合体及びカーボンブラック等からなる
発熱組成物をシート状あるいはフィルム状に成形する。
この発熱部に所定間隔を離して少なくとも2本の電極線
を設けるが、この電極線を発熱部に設けるにあたり、発
熱部を構成する発熱組成物とともに押し出してもよく、
あるいは、電極線とともに発熱組成物を押し出して製造
した被覆線材を発熱部に融着してもよい。外装シートに
第1及び第2の粘着層を熱融着しておき、これらを発熱
部に熱融着する。発熱部に接するのは第2の粘着層であ
るため、融着温度を高くしなくても第2の粘着層と発熱
部とを融着でき、外装シートが第1及び第2の粘着層を
介して融着された発熱部は、熱変形によって、その機能
を損なうことがない。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1及び図2には本発明の一実施例が示さ
れている。図1は多層面状発熱体の一部を破断した斜視
図であり、図2は、その平面図である。これらの図にお
いて、多層面状発熱体1は、発熱組成物を矩形面状に成
形して形成された発熱部としての発熱抵抗シート2と、
電極線群3と発熱組成物とを共押出成形して形成された
被覆線材4と、これらの発熱抵抗シート2及び被覆線材
4をラミネートした外装シート5とを備えて構成されて
いる。
【0010】発熱抵抗シート2は、押出成形法により発
熱組成物をシート状あるいはフィルム状に成形されてお
り、その厚さは0.1 〜5mm、好ましくは、0.1 〜2mmで
あり、その幅は2.5mm 〜6000mmであり、その長さは制限
はない。電極線群3は、電極用導線の単線3Aを互いに
交差するとなく複数本平行かつ平板状に一列に並んで形
成されており、この単線3Aは太さが2mm以下0.1mm 以
上であるが、具体的な太さは単線3Aの数との関係で決
定される。
【0011】被覆線材4は長尺状に形成されており、発
熱抵抗シート2の両側において長さ方向に沿って2本融
着されている。被覆線材4と発熱抵抗シート2との融着
はヒートシール又は超音波シールにより行われる。被覆
線材4は、厚さ0.3mm 〜5mm、幅0.5mm 〜30mm、好まし
くは、1mm〜10mmの断面矩形状に形成され、その一側面
は発熱抵抗シート2の側面と同一面内にある。被覆線材
4は、電極用導線の単線3Aを複数互いに交差すること
なく平行な状態で押出成形機のダイに通し、これらの電
極用導線とともに発熱組成物を押し出すという共押出法
により製造される。
【0012】発熱抵抗シート2及び被覆線材4の発熱組
成物は、それぞれ熱可塑性樹脂及び導電性粒子を有し、
温度の上昇とともに抵抗値が増大する正温度係数特性
(PTC特性)を備えたものである。この熱可塑性樹脂
としては、結晶性熱可塑性樹脂が好ましく、具体的に
は、ポリオレフィン樹脂及びその共重合樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリアセタール樹脂、熱可塑性ポリエステル
樹脂、ポリフェニレンオキシド及びノニル樹脂、ポリス
ルフォン等を挙げることができる。
【0013】前記ポリオレフィン樹脂としては、例え
ば、高密度ポリエチレン、中、低密度ポリエチレン、直
鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン類、アイソタ
クチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロ
ピレン等のポリプロピレン類、ポリブテン、4−メチル
ペンテン−1樹脂等を挙げることができる。また、本実
施例においては、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレ
ン−メチルアクリレート共重合体等のエチレン−アクリ
レート系共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体等の
オレフィンとビニル化合物との共重合体及びフッ素含有
エチレン系重合体、ならびに、これらの変成物も使用で
きる。
【0014】前記酢酸ビニル系樹脂としては、例えば、
酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビ
ニルブチラール等を挙げることができる。前記ポリアミ
ド樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン8、ナ
イロン11、ナイロン66、ナイロン610 等を挙げることが
できる。前記ポリアセタールは、単一重合体であっても
共重合体であってもよい。前記熱可塑性ポリエステル樹
脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等を挙げることができる。ま
た、前記結晶性熱可塑性樹脂としては、前記のほかに、
例えば、トランス−1,3−ポリイソプレン、シンジオ
タクチック−1,2−ポリブタジエン等のジエン系重合
体及び共重合体等も使用することができる。
【0015】前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、1種単
独で用いてもよいし、2種以上をポリマーブレンド等と
して併用してもよい。もっとも、前記各種の結晶性熱可
塑性樹脂の中でも、高密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、直鎖状ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のオ
レフィン系共重合体やトランス−1,4−ポリイソプレ
ン等が好ましい。前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、必
要に応じて他のポリマーや添加物との組成物として使用
することもできる。本実施例においては、発熱抵抗シー
ト2の発熱組成物に使用する熱可塑性樹脂、特に、結晶
性熱可塑性樹脂と、被覆線材4の発熱組成物に使用する
熱可塑性樹脂、特に、結晶性熱可塑性樹脂とは、互いに
同じ種類であってもよく、あるいは、相違してもよい。
もっとも、熱融着による接着性をより良好に保つために
は、通常、同じ種類のものを使用するのが望ましい。
【0016】前記導電性粒子としては、例えば、カーボ
ンブラック粒子、グラファイト粒子等の粒状物、金属粉
体、金属酸化粉体等の粉状物、炭素繊維等の繊維状物等
を挙げることができる。これらの中でもカーボンブラッ
ク粒子、グラファイト粒子等の粒状物、特に、カーボン
ブラック粒子が好ましい。前記各種の導電性粒子は、1
種単独で用いてもよいし、2種以上を混合物として併用
してもよい。導電性粒子の粒径としては、特に制限はな
いが、例えば、平均粒径が通常10〜200 nm、好ましく
は、15〜100 nmである。導電性粒子が繊維状である場合
には、そのアスペクト比は通常1〜1000、好ましくは、
1〜100 程度である。
【0017】本実施例においては、発熱抵抗シート2の
発熱組成物に使用する導電性粒子と、被覆線材4の発熱
組成物に使用する導電性粒子とは、互いに同じ種類であ
ってもよく、あるいは、相違してもよい。前記結晶性樹
脂と導電性粒子との配合割合は、重量比として、通常、
10〜80:90〜20、好ましくは、55〜75:45〜25である。
導電性粒子の配合割合がこの範囲より少ないと発熱抵抗
シート2や被覆線材4の抵抗値が大きくなり、多層面状
発熱体1が実用上、十分に発熱しないことがあり、一
方、導電性粒子の配合割合がこの範囲より多いと正温度
係数特性が十分に発現しないことになる。
【0018】発熱抵抗シート2の発熱組成物の抵抗値は
仕様や目的に応じて適宜選定することができるが、通常
の場合、10〜50000 Ω・cm、好ましくは、40〜20000 Ω
・cmである。被覆線材4の発熱組成物は、適正な正温度
係数特性を有するため、その抵抗値は0.5 〜1000Ω・cm
であり、最大抵抗値と室温抵抗値との比が103 以上であ
り、かつ、室温抵抗値の10倍の抵抗値を示す温度が40
〜80℃である。ただし、被覆線材4の発熱組成物は発熱
抵抗シート2の発熱組成物と同等又は低い抵抗値を示す
ものである。被覆線材4で使用される発熱組成物の抵抗
値が発熱抵抗シート2で使用される発熱組成物の抵抗値
より高い場合には、発熱抵抗シート2ではなく被覆線材
4において発熱するという不都合が生じる。前記結晶性
樹脂と導電性粒子とを混合し成形して発熱抵抗シート2
及び被覆線材4が得られるが、この成形時又は成形後に
おいて前記発熱組成物中の熱可塑性結晶性樹脂を架橋し
て発熱組成物を硬化させることが好ましい。この発熱組
成物を硬化させると、正温度特性が改良されるととも
に、多層面状発熱体1の熱変形あるいは熱軟化等による
不良を防止することができる。
【0019】結晶性熱可塑性樹脂の架橋は架橋剤及び/
又は放射線を利用して行うことができる。前記架橋剤
は、結晶性熱可塑性樹脂の種類に応じて、有機過酸化
物、硫黄化合物、オキシム類、ニトロソ化合物、アミン
化合物、ポリアミン化合物等から適宜選択して決定する
ことができる。例えば、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリ
オレフィン系樹脂等である場合には、好適な架橋剤とし
て、例えば、有機過酸化物を利用することができる。こ
の有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキ
シド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオキシ
ド、tert−ブチルパーオキシド、tert−ブチルパーオキ
シベンゾエート、tert−ブチルクミルパーオキシド、te
rt−ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)
ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−
4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、
2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、tert
−ブチルペルオキシベンゼン等を挙げることができる。
【0020】これらの中でも、特に、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
等が好ましい。なお、これらの各種の有機過酸化物は1
種単独で使用してもよいし、必要に応じて、トリアリル
シアヌレートやジビニルベンゼン、トリアリルイソシア
ヌレート等の架橋補助剤を添加してもよい。前記有機過
酸化物の使用割合は、前記結晶性樹脂100 重量部に対し
て、通常、0.01〜5重量部、好ましくは、0.05〜2重量
部である。この割合が0.01重量部未満では、架橋化が不
十分となり、正温度係数特性が十分に発現しなかった
り、高温領域での抵抗の低下がみられる等の問題が生じ
やすい。一方、5重量部を越えると、架橋化度が高くな
りすぎて、成形性が低下したり、正温度係数特性の低下
する現象がみられることになる。
【0021】外装シート5は、ポリエチレンテレフタレ
ート、ナイロン、ポリカーボネート、塩化ビニリデン、
ポリエチレン、ポリプロピレン等の耐熱性を有する樹脂
からシート状に構成されるものであり、その厚さは0.00
1mm 〜5mmであり、その長さは発熱抵抗シート2の長さ
より1mm〜100 mm長く、その幅は発熱抵抗シート2の幅
より1mm〜100 mm長い。外装シート5と発熱抵抗シート
2との間には図3に示される通り、第1の粘着層6と第
2の粘着層7とが設けられている。これらの粘着層6,
7は外装シート5と発熱抵抗シート2との剥離を防止す
るためのものである。なお、図1から図3において、外
装シート5、第1の粘着層6及び第2の粘着層7は、構
成をわかりやすくするため、その厚さは実際の厚さに比
べて誇張されている。
【0022】第1の粘着層6は、外装シート5と第2の
粘着層7との両者に融着するものであり、その厚さは0.
001mm 〜2mm、好ましくは、0.01mm〜0.2mm である。こ
の第1の粘着層6は、ポリプロピレン、ポリエチレン及
びホットメルト樹脂のうちいずれか1種類から構成され
る。これらの樹脂と外装シート5との融着温度は、その
樹脂の融点以上、好ましくは、融点より20℃以上高い温
度である。前記ホットメルト樹脂は、ポリプロピレン、
エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン・
アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合
体、酢酸ビニル共重合体のケン化物、アイオノマー、エ
チレン・マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、アタクチックポリプロピレン、変成
ポリオレフィン、合成ゴム等のベースポリマーに粘着付
与性樹脂やワックス、エラストマー等をブレンドしたも
のである。
【0023】第2の粘着層7は、発熱抵抗シート2を構
成する発熱組成物の樹脂と同種の樹脂から構成されてい
る。例えば、発熱抵抗シート2を構成する発熱組成物が
エチレン−エチルアクリレート共重合体である場合には
第2の粘着層7はエチレン−エチルアクリレート共重合
体であり、発熱抵抗シート2を構成する発熱組成物がエ
チレン−プロピレン共重合体である場合には第2の粘着
層7はエチレン−プロピレン共重合体であり、熱抵抗シ
ート2を構成する発熱組成物がエチレン−酢酸ビニル共
重合体である場合には第2の粘着層7はエチレン−酢酸
ビニル共重合体であり、熱抵抗シート2を構成する発熱
組成物がエチレン−アクリル酸共重合体である場合には
第2の粘着層7はエチレン−アクリル酸共重合体であ
り、熱抵抗シート2を構成する発熱組成物がエチレン−
メチルアクリレート共重合体である場合には第2の粘着
層7はエチレン−メチルアクリレート共重合体である。
第2の粘着層7は、その樹脂が架橋化されたものが好ま
しい。ここで、第2の粘着層7を構成する樹脂が発熱抵
抗シート2を構成する発熱組成物の樹脂と同種のものと
したのは、第2の粘着層7は第1の粘着層6と外装シー
ト5とが融着する温度より低く、かつ、前記発熱抵抗シ
ート2の機能を低下させることのない温度(具体的に
は、第2の粘着層7に用いる樹脂の融点以上、好ましく
は、融点より20℃以上高い温度)で発熱抵抗シート2に
融着するものであれば十分であるという趣旨であり、第
2の粘着層7の発熱組成物の樹脂と発熱抵抗シート2の
発熱組成物の樹脂とで架橋化の有無等を問うものではな
い。
【0024】次に、多層面状発熱体の外装シート被覆方
法について説明する。まず、複数の電極用導線の単線3
Aとともに発熱組成物を押し出して製造された被覆線材
4を発熱抵抗シート2に2本融着し所定長さで切断す
る。また、外装シート5に第1の粘着層6を構成する樹
脂フィルムと第2の粘着層7を構成する樹脂フィルムと
を重ね合わせた状態で第1の粘着層6に用いる樹脂の融
点以上、好ましくは、融点より20℃高い温度で熱融着す
る。
【0025】その後、前記外装フィルム5を被覆線材4
が融着された発熱抵抗シート2の両面にそれぞれ重ね合
わせる。前記外装シート5と発熱抵抗シート2との重ね
合わせに際して、前記外装シート5の第2の粘着層7を
発熱抵抗シート2に対向させる。被覆線材4が融着され
た発熱抵抗シート2と外装シート5とを一対の加熱ゴム
ロールにより押圧しながらラミネートする。このラミネ
ート温度は、前述の通り、第2の粘着層7に用いる樹脂
の融点以上、好ましくは、その融点より20℃以上高い温
度とする。発熱抵抗シート2と外装シート5とをラミネ
ートした状態では、外装シート5が発熱抵抗シート2よ
り、長さ寸法及び幅方向寸法とも所定長さだけ長くす
る。
【0026】従って、本実施例によれば、外装シート5
と発熱抵抗シート2との間に第1の粘着層6及び第2の
粘着層7を設け、第1の粘着層6は外装シート5と第2
の粘着層7との両者に融着し、第2の粘着層7は第1の
粘着層6と外装シート5とが融着する温度より低く、か
つ、発熱抵抗シート2の機能を低下させることのない温
度で発熱抵抗シート2に融着するようにしたから、外装
シート5と発熱抵抗シート2との剥離を防止できるとと
もに、融着温度を高くしなくても第2の粘着層6と発熱
抵抗シート2とを融着できるので、発熱抵抗シート2が
部分的に熱変形することが防止され、発熱抵抗シート2
の機能を損なうことがない。また、外装シート5に第1
の粘着層6及び第2の粘着層7を融着する作業を行い、
その後、第2の粘着層7に発熱抵抗シート2を融着する
作業を行ったので、外装シート5に第1の粘着層6及び
第2の粘着層7を融着する温度が高くとも、その作業の
後に冷却する時間を確保できることにより、低い温度で
第2の粘着層7に発熱抵抗シート2を融着することがで
き、発熱抵抗シート2が部分的に熱変形することを確実
に防止できる。
【0027】なお、本発明では、前記実施例の構成に限
定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲
であれば次に示す変形例を含むものである。例えば、前
記実施例では、粘着層を第1の粘着層6と第2の粘着層
7との2層から構成したが、本発明では、第1の粘着層
6と第2の粘着層7との間に両粘着層6,7に接着性を
有する1層又は複数層の粘着層を設けるものであっても
よい。また、前記実施例では、被覆線材4を、複数本の
単線を平行にかつ平板状に配列した電極線群3と発熱組
成物とを共押出成形して形成し、かつ、断面矩形状とし
たが、本発明では、被覆線材4に設けられる電極を、複
数の単線を縒って断面円形状に形成したものや1本の太
い単線から形成したものでもよく、さらには、多層面状
発熱体1を発熱抵抗シート2自体に電極用導線の単線を
縒って形成した電極線又は1本の太い電極線を設けた構
造のものでもよい。さらに、被覆線材4に電極線群3を
一列に配列して設けたが、本発明では、電極線群3を複
数列に配列して設けてもよい。
【0028】また、被覆線材4は発熱抵抗シート2に2
本融着されたが、被覆線材4の本数は3本以上であって
もよい。さらに、被覆線材4の一端面と発熱抵抗シート
2の端面とを同一面内としたが、被覆線材4と発熱抵抗
シート2との融着位置はこれに限定されるものではな
く、例えば、被覆線材4の端部を発熱抵抗シート2の端
面から外側に所定長さずらしたものでもよい。また、被
覆線材4に凹みを設け、この凹みに被覆線材4を埋設す
る構造としてもよい。また、被覆線材4の断面形状は、
台形、三角形、五角形等の種々の形状でよい。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、外装シートと発熱部と
の間に第1の粘着層及び第2の粘着層を設け、第1の粘
着層は外装シートと第2の粘着層との両者に融着し、第
2の粘着層は第1の粘着層と外装シートが融着する温度
より低く、かつ、発熱部の機能を低下させることのない
温度で発熱部に融着するようにしたから、外装シートと
発熱部との剥離を防止できるとともに、外装シートを発
熱部にラミネートする際に、発熱部が部分的に熱変形す
ることが防止されて発熱部の機能を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る多層面状発熱体の一部
を破断した斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】発熱部、第1の粘着層、第2の粘着層及び外装
シートがラミネートされた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 多層面状発熱体 2 発熱部としての発熱抵抗シート 3 電極線群 4 被覆線材 5 外装シート 6 第1の粘着層 7 第2の粘着層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定間隔を離して少なくとも2本の電極線
    が設けられた発熱部の表面に合成樹脂製外装シートを被
    覆した多層面状発熱体において、前記外装シートと前記
    発熱部との間に粘着層を第1の粘着層と第2に粘着層と
    の少なくとも2層設け、この粘着層のうち第1の粘着層
    は前記外装シートと前記第2の粘着層との両者に融着
    し、第2の粘着層は前記第1の粘着層と前記外装シート
    とが融着する温度より低く、かつ、前記発熱部の機能を
    低下させることのない温度で前記発熱部に融着してある
    ことを特徴とする多層面状発熱体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の多層面状発熱体において、
    前記第2の粘着層は前記発熱部を構成する樹脂と同種の
    樹脂から構成されていることを特徴とする多層面状発熱
    体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の多層面状発熱体にお
    いて、前記外装シートは、ポリエチレンテレフタレー
    ト、ナイロン及びポリカーボネートのうちいずれか1種
    類から構成され、前記発熱部はエチレン−エチルアクリ
    レート共重合体及びカーボンブラックから構成され、前
    記第1の粘着層はポリプロピレン、ポリエチレン及びホ
    ットメルト樹脂のうちいずれか1種類から構成され、前
    記第2の粘着層はエチレン−エチルアクリレート共重合
    体で構成してあることを特徴とする多層面状発熱体。
  4. 【請求項4】所定間隔を離して少なくとも2本の電極線
    が設けられた発熱部の表面に粘着層を介して合成樹脂製
    外装シートを被覆する多層面状発熱体の外装シート被覆
    方法において、前記外装シートに第1の粘着層を熱融着
    するとともにこの第1の粘着層に第2の粘着層を熱融着
    し、その後、この第2の粘着層に前記第1の粘着層と前
    記外装シートとが熱融着する温度より低く、かつ、前記
    発熱部の機能を低下させることのない温度で前記発熱部
    を熱融着することを特徴とする多層面状発熱体の外装シ
    ート被覆方法。
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