JPH079865Y2 - 複写機の用紙搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は複写機の用紙搬送装置に関する。

従来の技術 電子写真複写機においては、感光体上或いは誘電体上に
形成された静電潜像をトナーにより現像し、このトナー
像をコピー用紙上に転写しこれを定着してハードコピー
を得ている。コピー用紙の給紙方法としては、予め定形
サイズに切断された紙を使用する方法、及びロール状の
紙を使用しこれを所望のサイズに切断する給紙方法が提
案されている。ロール状の紙を使用した場合には、二重
送り等の弊害が起きないという利点を有しているが、複
数サイズのロール紙を複写機内にセットするのに多くの
スペースを必要とすること及びそのセットが面倒なため
に最近では予め定形サイズに切断された紙を使用する給
紙方法が一般的になっている。

最近では複写機のニーズの多様化により、使用されるコ
ピー用紙サイズも多用化され、少なくとも3,4種類の用
紙を用意する必要が生じてきている。この多くのサイズ
の用紙を一つの給紙トレイを使用し、いちいちサイズを
調整してセットし直すのは面倒なため、最近ではほとん
ど全てといってよいほど複数サイズの用紙カセットを用
意しておき、これを所望複写サイズにより交換して使用
する方法が一般的になってきている。

用紙カセット内に収容されたコピー用紙を、一枚だけ送
り出す給紙装置は種々提案されているが、そのうちの一
つに給紙ロールにリタードパッドを当接させて重送を防
止するようにした給紙装置がある。このように用紙送り
出し部にリタードパッドを設けた給紙装置等の負荷の大
きい紙送りでは、その後の用紙搬送手段に搬送力の大き
い搬送ロール対（例えばゴム製の搬送ロールとゴム製の
ピンチロール）を用いることが多い。このように搬送力
の大きい搬送ロール対を用いることにより、従来の紙送
り装置においては用紙搬送性を安定させている。

考案が解決しようとする問題点 上述したような従来の用紙搬送装置では、搬送力の大き
い搬送ロール対を用いることにより用紙搬送性を安定さ
せているが、万一紙詰り等が起こったとき、搬送ロール
対に挟持（ニップ）されている用紙を除去するのに用紙
の端部を引張って除去するが、このとき搬送ロール対の
駆動部の負荷までを動かす必要があるため大変やりにく
いという問題があった。この対策として、紙詰りをした
用紙を直接引張る代わり、手で搬送ロールまたは搬送ロ
ール端部に設けられているつまみを回転させて紙詰りを
した用紙を取り除きやすくした装置、または手で搬送ロ
ールとピンチロールとの挟持を解除できるようにした搬
送ロール対が提案されているが、いずれも操作が煩わし
く完全な解決方法とはいえないという問題があった。

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、そ
の目的とするところは、簡単な構成で容易に紙詰り用紙
を除去することのできる複写機の用紙搬送装置を提供す
ることである。

問題点を解決するための手段 上述した従来技術の問題点を解決するために、本考案
は、静止下側フレームと該下側フレームに対してワニ口
状に開閉可能な上側フレームとを具備し、該下側フレー
ムに設けられた給紙装置により送り出された用紙を同じ
く下側フレームに取り付けられた搬送ロールとピンチロ
ールとから構成される少なくとも一つの搬送ロール対に
より搬送する複写機の用紙搬送装置において、前記下側
フレームに、 前記搬送ロールを駆動する駆動モータと、該駆動モータ
の出力軸に固着された第１ギヤと、前記搬送ロールに連
結され該搬送ロールを駆動する第２ギヤと、該第２ギヤ
の軸に一端部が枢動可能に取り付けられたリンクと、前
記第２ギヤに常に噛み合うように前記リンクに回転可能
に取り付けられた第３ギヤと、該第３ギヤが前記第１ギ
ヤから離れる方向に前記リンクを付勢する付勢手段とを
設け、前記上側フレームに、該上側フレームを前記下側
フレームに対して閉じたとき、前記リンクの他端を前記
付勢手段の付勢力に抗して押し動かして前記第３ギヤを
前記第１ギヤに噛み合わせるリンク押動手段を設けたこ
とを特徴とする複写機の用紙搬送装置を提供する。

作用 駆動モータの出力軸と搬送ロールとの間に紙詰り用紙引
抜き時に第１ギヤと、第２ギヤと、枢動可能に取り付け
られたリンクと、リンクに取り付けられた第３ギヤと、
第３ギヤを第１ギヤから離れる方向に付勢する付勢手段
とから構成される引抜き負荷を低減する負荷低減手段を
設けたことにより、万一紙詰りが発生した場合は、紙詰
り用紙に無理に引抜く時の破損等を起こすことなく、紙
詰り用紙を容易に挟持されている搬送ロール対の間から
引抜いて除去することができる。

実施例 以下本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明す
る。

まず、第１図を参照すると、本考案の用紙搬送装置の概
略構成図が示されており、カセットトレイ10上には用紙
12が積層して載置されている。給紙ロール14を図示矢印
方向に回転駆動することにより、カセットトレイ10上に
積層して載置された用紙の最上層の一枚が用紙搬送路に
送り出される。16はリタードパッドであり、圧縮コイル
スプリング18により、所定圧力で給紙ロール14に当接さ
れており、重送防止の役目をする。

20は第１搬送ロール対であり、回転駆動される第１搬送
ロール22に第１ピンチロール24がスプリング26により所
定圧力で当接されて構成されている。28は第２搬送ロー
ル対であり、回転駆動される第２搬送ロール30に第２ピ
ンチロール32がスプリング34により所定圧力で当接され
て構成されている。また、36はレジストレーションロー
ル対であり、所定タイミングで間欠的に回転駆動される
レジストレーションロール38にピンチロール40がスプリ
ング42により所定圧力で当接されて構成されている。

感光ドラム44上には図示しない帯電装置、露光装置及び
現像装置により、原稿に対応するトナー像が形成され、
このトナー像が転写装置46により、第１搬送ロール対20
及び第２搬送ロール対28により搬送されて来る用紙12上
に転写される。給紙ロール14、第１搬送ロール対20及び
第２搬送ロール対28の各ロールは搬送力を十分確保する
ために、例えば、ゴムロールにより構成されるのが望ま
しい。

次いで、第２図及び第３図を参照して本考案の用紙搬送
装置が適用されるのに適した複写機の構成について説明
する。この複写機は、第２図及び第３図に示されるよう
に、上側フレーム67が一端を枢軸支点54として下側フレ
ーム66に対してワニ口状に開閉可能な構造となってい
る。第２図は上側フレーム67を閉じた状態、第３図は上
側フレーム67を開いた状態をそれぞれ示している。カセ
ットトレイ10、給紙ロール14、第１搬送ロール対20、第
２搬送ロール対28、レジストレーションロール36及び転
写装置46は下側フレーム66に取り付けられており、感光
ドラム44及びピンチロール40等は下側フレーム66に対し
て開閉可能な上側フレーム67に取り付けられている。こ
の構成により、紙詰り時の用紙除去を容易にしている。

第４図及び第５図は第１図に示した用紙搬送装置の駆動
系を示している。第４図は駆動系の負荷が遮断された状
態を、第５図は駆動系が連結された状態をそれぞれ示し
ている。ギヤ57がモータ50の出力軸52に固定された出力
ギヤ56と係合／開放可能に噛み合っており、ギヤ57はギ
ヤ59を介してアイドラーギヤ58及び62にそれぞれ噛み合
っている。アイドラーギヤ58は第１搬送ロール22の駆動
軸68に固定された駆動ギヤ60に噛み合っている。駆動ギ
ヤ60は、アイドラーギヤ70を介して給紙ロール14の駆動
ギヤ72に連結されている。アイドラーギヤ62は第２搬送
ロール30の駆動軸76に固定された駆動ギヤ64に噛み合っ
ている。

ギヤ57はギヤ59の回転軸61の回りに回動可能なリンク63
に取り付けられており、リンク63は引張りコイルスプリ
ング65により反時計回り方向に付勢されている。69は上
側フレーム67に固着されたストッパ部材であり、第５図
に示した上側フレーム67を閉じた状態では、ストッパ部
材69がリンク63の上端部を押さえることにより、引張り
コイルスプリング65の付勢力に抗してリンク63を時計回
り方向に回動させ、ギヤ57がモータ50の出力ギヤ56に噛
み合うことになる。一方、上側フレーム67を第３図に示
すように枢軸支点54を中心にしてワニ口状に開けると、
第４図に示すようにストッパ部材69がリンク63から離れ
るため、リンク63は引張りコイルスプリング65により反
時計回り方向に回動され、ギヤ57とモータ50の出力ギヤ
56との噛み合いが断たれることになる。

然して、モータ50を駆動すると給紙ロール14、第１搬送
ロール対20及び第２搬送ロール対28がそれぞれ回転駆動
されて、用紙12を搬送路に沿って搬送する。レジストレ
ーションロール対36により、感光ドラム44上のトナー像
とのタイミングを取られたあと、用紙12は転写位置に搬
送され、転写装置46により感光ドラム44上のトナー像が
用紙12上に転写される。用紙12上に転写されたトナー像
は、定着装置74により定着されてハードコピーが得られ
る。

万一用紙搬送路内で紙詰りが生じた場合には、上側フレ
ーム67を開けて紙詰り用紙を排除するような指示が複写
機のディスプレイ画面上に出る。オペレータがこの指示
に従って複写機フレームのワニ口を開くと、即ち上側フ
レーム67を持ち上げると、リンク63が引張りコイルスプ
リング65により反時計回り方向に回動し、ギヤ57とギヤ
56との噛み合いが断たれることになる。これにより、駆
動系からモータ50の負荷がなくなり、紙詰り用紙除去時
に第１及び第２搬送ロール22,30を容易に回転すること
ができ、紙詰り用紙を容易に除去することができる。

考案の効果 本考案の用紙搬送装置は以上詳述したように構成したの
で、紙詰り用紙除去時に駆動系の負荷を断つことができ
るため、用紙を挟んでいる搬送ロール対を容易に回転す
ることができ、用紙に破損等を起こすことなく紙詰り用
紙を容易に除去できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の用紙搬送装置の実施例概略構成図、 第２図は上側フレームを閉じた状態の本考案の用紙搬送
装置が適用されるのに適した複写機の概略構成図、 第３図は上側フレームを開いた状態の複写機の概略構成
図； 第４図はモータの負荷が断たれた状態の第１図に示した
用紙搬送装置の駆動系の概略構成図、 第５図はモータの負荷が連結された状態の駆動系の概略
構成図である。 12……用紙、14……給紙ロール、16……リタードパッド 20……第１搬送ロール対 22……第１搬送ロール 24……第１ピンチロール 28……第２搬送ロール対 30……第２搬送ロール 32……第２ピンチロール 36……レジストレーションロール対 44……感光ドラム、50……モータ 63……リンク、67……上側フレーム 69……ストッパ部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】静止下側フレーム（66）と該下側フレーム
   に対してワニ口状に開閉可能な上側フレーム（67）とを
   具備し、該下側フレーム（66）に設けられた給紙装置に
   より送り出された用紙を同じく下側フレームに取り付け
   られた搬送ロール（22）とピンチロール（24）とから構
   成される少なくとも一つの搬送ロール対（20）により搬
   送する複写機の用紙搬送装置において、 前記下側フレーム（66）に、 前記搬送ロール（22）を駆動する駆動モータ（50）と、 該駆動モータの出力軸（52）に固着された第１ギヤ（5
   6）と、 前記搬送ロール（22）に連結され該搬送ロール（22）を
   駆動する第２ギヤ（59）と、 該第２ギヤ（59）の軸（61）に一端部が枢動可能に取り
   付けられたリンク（63）と、 前記第２ギヤ（59）に常に噛み合うように前記リンク
   （63）に回転可能に取り付けられた第３ギヤ（57）と、 該第３ギヤ（57）が前記第１ギヤ（56）から離れる方向
   に前記リンク（63）を付勢する付勢手段（65）とを設
   け、 前記上側フレーム（67）に、 該上側フレームを前記下側フレーム（66）に対して閉じ
   たとき、前記リンク（63）の他端を前記付勢手段（65）
   の付勢力に抗して押し動かして前記第３ギヤ（57）を前
   記第１ギヤ（56）に噛み合わせるリンク押動手段（69）
   を設けたことを特徴とする複写機の用紙搬送装置。