JPH0797937B2

JPH0797937B2 - 花卉苗の生産方法

Info

Publication number: JPH0797937B2
Application number: JP4192958A
Authority: JP
Inventors: 惇一米川; 正明山村
Original assignee: Iwatani Corp
Current assignee: Iwatani Corp
Priority date: 1992-06-26
Filing date: 1992-06-26
Publication date: 1995-10-25
Anticipated expiration: 2010-10-25
Also published as: JPH0646675A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、花壇用苗物や鉢物花卉
類等の花卉苗を温室や露地で育成する際の花卉苗の生産
方法に関する。

【０００２】

【従来技術】花壇用苗物や鉢物花卉類等の花卉苗は、育
苗箱やプラグトレーで発芽・育成させた後、苗を個々に
ポットに移植し、この苗を移植したポットを温室内ある
いは露地の栽培床に配設し、この栽培床で植物が所定の
生育状態に成長するまで育成したのち、出荷するように
している。そして、従来、苗を移植したポットは栽培ト
レーに整列した状態で配置され、このポットを整列させ
たトレーを栽培パレットに整列させて配置し、栽培パレ
ットを育成圃場の地面や温室内の床面に並べたり、育成
圃場あるいは温室内に配置したベッド上にトレーを整列
させていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の栽培
方法では、栽培パレット間に散水作業や施肥作業等の作
業スペースを確保しておかなければならないから、栽培
地の面積に対して実際に栽培パレットを配置できる面積
が狭くなるという問題があった。そして、栽培パレット
を育成圃場の地面や温室の床面に直接設置した場合に
は、栽培パレットの搬出入時に重量物を昇降しなければ
ならず重労働になるという問題がある。また、ベッド上
にパレットを整列させる場合には、ベッドが固定機材と
なることから設備費がかかるという問題もある。本発明
はこのような点に着目してなされたもので、栽培地を有
効に利用して多量の花卉苗を効率よく育成することので
きる生産方法を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、栽培床の上方に作業台車を三次元移動
可能に配置し、この作業台車に少なくとも栽培パレット
移送用の把持具とカラー撮像装置とを設置し、作業台車
の走行移動により生育中の植物体をカラー撮像装置で追
跡するように構成し、カラー撮像装置からの画像情報を
コンピュータに入力し、コンピュータでは撮像装置から
の画像情報を色分析し、この色分析により得られたカラ
ーデータと予めコンピュータの記憶装置に記憶させた生
育情報とを対比することにより栽培パレット単位で花卉
苗の生育状態を判断するように構成し、花卉苗が所定の
生育状態に達すると栽培パレットを栽培床から搬出して
出荷するように構成したことを特徴としている。

【０００５】

【作用】本発明では、栽培床の上方に作業台車を三次元
移動可能に配置し、この作業台車に栽培パレット移送用
の把持具を配置してあるので、作業台車の走行により栽
培床に作業スペースを残すことなく栽培パレットを敷き
詰めることができ、栽培地面積の有効利用を図ることが
できることになる。

【０００６】また、作業台車にカラー撮像装置を設置
し、この作業台車の走行移動により生育中の植物体をカ
ラー撮像装置で追跡するように構成し、カラー撮像装置
からの画像情報をコンピュータに入力し、コンピュータ
では撮像装置からの画像情報を色分析し、この色分析に
より得られたカラーデータと予めコンピュータの記憶装
置に記憶させた生育情報とを対比することにより栽培ト
レー単位で花卉苗の生育状態を判断するように構成して
あるから、栽培床の領域内に入ることなく花卉苗の育成
管理を行うことができる。

【０００７】

【実施例】図面は本発明の実施例を示し、図１は本発明
方法を実施する装置の要部正面図、図２はその概略斜視
図、図３は花卉育成方法の手順を示す概要図である。こ
の花卉育成方法は、図３に示すように、プラグトレーに
培養土を充填する培養土充填工程(Ａ)と、培養土を充填
したプラグトレーの各セル部分に種子を蒔く播種工程
(Ｂ)と、セルに蒔いた種子を発芽させ所定の大きさまで
成長させ育苗する育苗工程(Ｃ)と、所定の大きさに成長
した花卉苗をポットや植木鉢に移植する移植工程(Ｄ)
と、花卉苗を移植したポット等を栽培トレーに整列配置
するとともに、ポットを整列配置してなる複数の栽培ト
レーを栽培パレットに整列配置する整列工程(Ｅ)と、栽
培パレットに整列配置したポット入りの花卉苗を露地や
温室等の栽培床で生育させる生育工程(Ｆ)と、所定の大
きさに成長した花卉苗を出荷する出荷工程(Ｇ)とからな
っている。

【０００８】本発明は、このような花卉苗の育成方法で
の生育工程(Ｆ)を次のように構成したことを特徴として
いる。すなわち、育成圃場の地面や温室内の床面等で構
成した栽培床(１)の上側に水平面内で２次元移動する走
行体とこの走行体に昇降移動可能に支持させた作業部と
で構成した作業台車(２)を配置し、この作業台車(２)に
散水ノズルや施肥用ノズルあるいは薬液散布ノズル等の
薬液散布装置(３)を配置するとともに、作業台車(２)に
栽培パレット移送用把持具(４)を配置し、この作業台車
(２)の三次元方向への作動により、栽培パレット(５)の
栽培床(１)への搬出入作業と、花卉苗への散水、施肥、
農薬散布等の栽培管理作業とを行うように構成してあ
る。

【０００９】作業台車(２)は管理コンピュータ(６)から
の指令で移動制御されるようになっていて、作業台車
(２)をアドレス指定した位置に任意に移動できるように
してある。従って、管理コンピュータ(６)からの指令で
栽培パレット(５)を栽培床(１)の指定場所に搬入し、ま
た、栽培パレット(５)を指定場所から搬出することにな
る。つまり、作業台車(２)をアドレス指定した位置に任
意に移動させることができる。これにより、栽培パレッ
ト(５)を栽培床(１)上に作業用通路を設けることなく高
密度に配置することができる。

【００１０】また、この作業台車(２)にはカラーテレビ
カメラ等のカラー撮像装置(７)が搭載してあり、作業台
車(２)の三次元移動により、栽培床(１)上の栽培トレー
(５)に整列配置されている植物体を追跡(スキャン)し
て、１視野１パレットの画像情報として管理コンピュー
タ(６)に入力するように構成してある。

【００１１】管理コンピュータでは、カラー撮像装置
(７)から入力した画像情報を色分析して、葉の色と花の
色の面積比較で画像処理し、この画像処理したデータを
予め記憶装置に記憶させてある生育情報とを対比するこ
とにより栽培パレット単位で植物体の肥料切れや水切れ
あるいは成長状態を判断する。そして、この判断に基づ
き散水量や施肥量の増減、肥料要素量の調節、栽培温度
設定等の栽培管理作業を行うための管理信号を出力す
る。

【００１２】なお、この生育状態の判断時には、栽培パ
レット(５)の栽培床(１)への搬入日(入庫日)を基準に走
査するようにしてあり、必要な領域のみを走査するよう
にしてある。そして、栽培パレット(５)での植物体が搬
出に適した状態に成長していると判断した場合には、作
業台車(２)で栽培パレット(５)を栽培床(１)から搬出用
ステージに搬送する。そして、出荷基準に達していない
栽培パレット(５)は搬出を見送られ、管理コンピュータ
(６)に記録されている入庫日データを変更する。

【００１３】搬出用ステージでは、予め稼働しているベ
ルトコンベア上にポット単位に分散させて載置する。ベ
ルトコンベアの搬送経路には第２のカラー撮像装置が配
置してあり、この第２のカラー撮像装置からの画像情報
に基づき画像処理して、ポット単位に成長度合いを選別
する。この選別はパレット単位での判断と同じ処理によ
り行い、ポット単位での合格品と不合格品とを区別して
専用の集荷スペースに集めるように構成してある。

【００１４】なお、上記実施例では、水平面内を二次元
移動する走行体に作業部を昇降移動可能に支持させるこ
とにより作業台車(２)を構成したが、栽培床(１)の長手
方向に沿って直線移動する走行体とこの走行体に支持さ
れた多関節アームとで作業台車(２)を構成するようにし
てもよい。

【００１５】

【発明の効果】このように構成された花卉苗の育成方法
では、栽培パレット移送用の把持具を配置した作業台車
を栽培床の上方で水平面内を三次元移動させることによ
り、栽培床に作業用通路を形成することなく栽培パレッ
トの搬出入や管理作業を行うことができるから、栽培床
に栽培パレットを高密度に設置することができるように
なり、栽培地面積を有効に利用することができる。

【００１６】また、栽培床の上方を水平面内で三次元移
動する作業台車にカラーテレビカメラ等の撮像装置を搭
載し、この撮像装置からの画像情報をコンピュータで色
分析して成育状態を判別するようになっているから、散
水作業や薬液散布作業等の管理作業や生育状態の判別、
栽培パレットの搬送をコンピュータ管理で自動的に行う
ことができ、花卉苗の育成管理を省力化することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法を実施する装置の要部正面図であ
る。

【図２】本発明方法を実施する装置の概略斜視図であ
る。

【図３】花卉育成方法の手順を示す概要図である。

【符号の説明】

１…栽培床、２…作業台車、
４…トレー移送用把持具、５…栽培パレッ
ト、７…カラー撮像装置。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】花卉苗を移植した複数のポットを栽培ト
レーに整列配置させ、この栽培トレーを栽培パレット
(５)に整列配置し、このポットを整列させた複数の栽培
パレット(５)を栽培床(１)に高密度に整列配置し、栽培
床(１)の上方に作業台車(２)を三次元移動可能に配置
し、この作業台車(２)に少なくとも栽培パレット移送用
の把持具(４)とカラー撮像装置(７)とを設置し、作業台
車(２)の走行移動により生育中の植物体をカラー撮像装
置(７)で追跡するように構成し、カラー撮像装置(７)か
らの画像情報をコンピュータ(６)に入力し、コンピュー
タ(６)では撮像装置(７)からの画像情報を色分析し、こ
の色分析により得られたカラーデータと予めコンピュー
タの記憶装置に記憶させた生育情報とを対比することに
より栽培パレット単位で花卉苗の生育状態を判断するよ
うに構成し、花卉苗が所定の生育状態に達すると栽培パ
レット(５)を栽培床(１)から搬出して出荷するように構
成した花卉苗の生産方法。