JPH0797461A - 湿式凝固した樹脂皮膜および布帛との複合シート - Google Patents

湿式凝固した樹脂皮膜および布帛との複合シート

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JPH0797461A
JPH0797461A JP11739694A JP11739694A JPH0797461A JP H0797461 A JPH0797461 A JP H0797461A JP 11739694 A JP11739694 A JP 11739694A JP 11739694 A JP11739694 A JP 11739694A JP H0797461 A JPH0797461 A JP H0797461A
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JP
Japan
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resin film
wet
water
weight
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Application number
JP11739694A
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Inventor
Minoru Fukui
実 福井
Kenji Maki
健治 真木
Shinichi Okajima
真一 岡嶋
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟でかつ充分な実用強度や耐久性を有し、
かつ優れた透湿性と耐水性、ドライタッチ性を合わせ持
つ湿式凝固された樹脂皮膜、またはその皮膜と布帛との
複合シ−トを提供する。 【構成】 平均粒子径25μm以下の有機系化合物微粒
子を樹脂固形分に対して15〜150重量%添加した樹
脂溶液を湿式凝固し、湿式凝固した樹脂皮膜中の断面の
おける分散性が、特定の分散パラメーター範囲にある湿
式凝固樹脂皮膜、およびその皮膜を布帛上に積層した複
合シ−ト。 【効果】 優れた透湿性と耐水性、柔軟でかつ十分な実
用強度や耐久性を有するドライタッチな湿式凝固した樹
脂皮膜、またはその皮膜と布帛との複合シ−トで、スポ
ーツ衣料、コート、雨具、オムツカバー、靴、家具用表
皮、壁紙等の用途や後から薬剤や酵素を含浸させ、メデ
ィカル用シート、バイオリアクター用担体、吸着材等の
用途に使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた透湿性と耐水
性、柔軟でかつ充分な実用強度と耐久性を有するドライ
タッチな湿式凝固した樹脂皮膜、さらには湿式凝固した
樹脂皮膜が布帛上に形成された複合シートに関する。
【0002】
【従来技術】湿式凝固した樹脂皮膜は、乾式凝固樹脂皮
膜に比べて柔軟で透湿性があるため、スポーツ衣料、コ
ート、雨具、オムツカバー、靴、家具用表皮、壁紙など
の用途に樹脂単独または布帛と複合されて展開されてい
るが、樹脂皮膜にドライタッチ性やさらなる透湿性を付
加するために、シリカ、セルロース、セリシン粉末など
の粉体を添加する方法が従来から試みられている。
【0003】しかしながら、例えば、特開昭61−19
877号公報記載のように、シリカではタッチ感の向上
のためには多量の添加が必要であり、風合いや強度の低
下が避けられず、また、特開昭48−34258号公報
には、20〜100メッシュ(25〜125μm)のセ
ルロース粉をウレタン固形分重量に対して5〜100重
量%添加し、これに水を含ませることで乾式法でウレタ
ンの微細な多孔質構造を形成させる方法が開示されてい
る。しかし、この方法では、多数のウレタン粒子の凝集
による微細発泡のために、セルロ−ス粉間の連通が不十
分となり、またあまり透湿性や吸水性が高い物は得られ
ないし、風合いも紙っぽく硬いものとなる。
【0004】特開平3−234874号公報には、平均
粒子径が30μm以下の微多孔性の球状セルロ−ス粒子
を厚み5〜20μmの合成重合体皮膜に対して10〜1
00重量%散在させ、透湿性、耐水性に優れたドライタ
ッチのコ−ティング布が開示されている。しかしなが
ら、この方法では柔軟性や透湿性、ドライタッチ性を発
現させるために、セルロ−ス粒子が露出するように樹脂
皮膜を薄くする必要があり、そのため、実用強度が低
く、耐傷性や耐磨耗性などの耐久性に劣るという欠点を
有し、100重量%以上添加すると硬くなってしまい、
それ以上添加することができない。
【0005】一方、特開昭61−160481号公報に
は、アクリル系化合物を含有するポリウレタン溶液と高
吸水性樹脂微粉体を混合した液を布帛にコ−ティングし
た後に湿式凝固するコ−ティング布帛の製造方法が開示
されており、これによると、 湿式凝固時にアクリル系化合物が凝固浴へ溶出し、孔
が形成され透湿性が向上すること、高吸水性樹脂微粉
体は、凝固時に吸水してより大きな孔を形成し、乾燥時
には収縮し透湿性の向上、吸汗時には膨潤して孔を塞ぎ
耐水性が高くなるとされている。
【0006】しかしながら、この方法では、成膜時に
高吸水性樹脂微粉末が大きく膨潤するため、凹凸が激し
く表面平滑性、皮膜強度に劣る、吸汗時に高吸水性樹
脂の膨潤によるゲル化、溶出によるベタツキ、それによ
るタッチ感の不良などの欠点がある。
【0007】また、特開平4−202857号公報に
は、長軸と短軸との径比が1:1〜1:3で、長軸の長
さが1〜30μmであるセリシン粉末を含有する透湿性
ポリウレタンを主体とする樹脂皮膜を配した透湿防水布
が開示されており、それによると塗布操作が容易なだけ
でなく、塗布面への欠点も現れず、充分な耐水圧をもつ
品質良好な透湿性防水布を得ることができる、とされて
いる。しかしながら、添加する微粉末はたかだか15重
量%程度で、ベトツキ感の減少や性能の一層の向上のた
めには、さらに多量の微粉末の添加が必要であり、皮膜
強度と耐久性の低下が避けられない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術で
は未だ実現することのできない、柔軟でかつ充分な実用
強度や耐久性を有し、かつ優れた透湿性と耐水圧、ドラ
イタッチ性を合わせ持つ湿式凝固した樹脂皮膜、または
該湿式凝固した樹脂皮膜が布帛上に形成された複合シ−
トを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、湿式凝
固した樹脂皮膜中に、平均粒子径25μm以下でかつ3
0℃のDMFおよび60℃の温水に不溶の有機系化合物
微粒子が(1)樹脂固形分に対して15重量%以上15
0重量%以下添加され、(2)この湿式凝固した樹脂皮
膜中の断面における分散パラメ−タ−が0.8≦σ≦
2.0であることを特徴とする湿式凝固した樹脂皮膜、
または該湿式凝固した樹脂皮膜が布帛上に形成された複
合シ−ト(以下「複合シ−ト」と略称する。)を提供す
ることによって達成される。
【0010】本発明の理解を助けるために、始めに図面
を用いて本発明を説明する。図1は本発明の1実施例の
垂直断面を写した電子顕微鏡写真である。図1において
1は有機系化合物微粒子の一種であるセルロース系微粒
子、2はウレタン樹脂、3は両者の間隙である。本発明
者らは有機系化合物微粒子が添加された樹脂を極めて限
定された条件下に湿式で凝固すると、(1)有機系化合
物微粒子がウレタンの発泡壁に適度に分散(分散パラメ
−タ−σ:0.8≦σ≦2.0)し、このとき、(2)
ウレタンとの接着が少なく図1の3のように両表面の間
に間隙が形成され、かつ(3)その間隙の一部はウレタ
ンの発泡壁で囲まれた空間(以下「セル」と略称す
る。)をお互いに連通した、特異な構造が形成されるこ
とを見いだし本発明に至ったものである。(1)、
(2)の構造のをとるために、樹脂皮膜の厚みが薄い状
態で多量に有機系化合物微粒子が添加されていても硬く
ならず樹脂皮膜強度も落ちずに、タック感の無い、ドラ
イタッチな感触が得られ、また、(1)〜(3)の構造
のをとるために、通気性、透湿性に優れ、撥水処理を行
えば高い耐水圧も得られる(実施例1〜15参照)。
【0011】特に(1)〜(3)の様な構造が発現され
る理由は定かではないが湿式凝固時の樹脂自身の凝固発
泡速度と、樹脂液中へ凝固液が拡散し有機系化合物微粒
子表面が次々にぬれ、その表面から局所的に凝固が形成
される速度とのバランスの上に形成されると思われる。
また、有機系化合物表面からの凝固の際に樹脂の収縮に
より、樹脂と有機系化合物微粒子間が非接着になり、間
隙が形成されるものと思われる。これに対して、一般に
樹脂中の良溶媒と貧溶媒の交換速度が遅く凝固発泡しに
くい柔らかいウレタン樹脂では凝固条件が適切でない
と、σ値が0.8未満となり、図2に示す比較例の一例
の場合のように、ウレタン自身の発泡はほとんどなくウ
レタンの発泡壁が厚く硬くなるし、有機系化合物微粒子
とウレタンが接着しているものもあり、ゴムっぽくて硬
くドライタッチ性に劣り、透湿性も低い。なお、図2に
おいても、1は有機系化合物微粒子、2はウレタン樹
脂、3は両者の間隙である。
【0012】一方、図は省略するが、ウレタン自身の凝
固速度が速くなるとウレタンの発泡が大きくなるため、
柔軟性は優れるが、有機系化合物微粒子とウレタンとの
間隙が少なく強度劣化が起こり、また有機系化合物微粒
子も偏在する(σ値が2.0を越える)ため、透湿性や
タッチ感の向上、耐水圧の面で劣ったものとなる。した
がって、後述する樹脂自身の凝固発泡速度と樹脂中への
凝固液の拡散速度を厳密にコントロ−ルすることにより
初めて本発明の特異な構造が得られる。
【0013】本発明でいう30℃のDMFおよび60℃
の温水に不溶の有機系化合物微粒子には、例えば、小麦
粉澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、米澱粉、うる
ち米等の炭水化物系微粒子、コラーゲン、ウール、山羊
毛、兎毛、シルク、セリシン、カゼイン、大豆蛋白繊維
等の蛋白質系微粒子、特開昭40−26274号公報に
開示されたパルプ、コットンなどの天然セルロ−スやレ
−ヨン、セロファン等の再生セルロ−スを酸加水分解し
て得られる結晶性酸不溶物、特開平3−111426号
公報に開示されているセルロース微粒子が用いられる
が、その平均粒径は25μm以下であることが必要であ
る。平均粒径が25μmを越えると樹脂の皮膜表面の平
滑性が劣る。
【0014】また、有機径化合物微粒子の添加量は樹脂
固形分量に対して15重量%〜150重量%、好ましく
は20重量%〜140重量%である。またこのとき湿式
凝固された樹脂皮膜は結露防止性を有するようになる。
15重量%未満では透湿性やドライタッチ感が不十分で
あり、150重量%を越えると耐水性が低下する場合が
あり、好ましくない。
【0015】次に本発明でいう所の湿式凝固された樹脂
皮膜中の断面における有機系化合物微粒子の分散パラメ
−タ−σは以下のようにして求められる。 (1)湿式凝固された樹脂皮膜または複合シ−トを50
mm角の切片−1に切り出す。 (2)切片−1を1cm間隔で碁盤の目状に25個の切
片に切りわけ、その中から任意の3つの切片−A、B、
Cを取り出す。 (3)切片−A、B、Cの縦、横それぞれにおける全断
面の電子顕微鏡写真を倍率350倍で撮影し、任意の6
枚の写真を選ぶ。
【0016】(4)電子顕微鏡写真に写る全有機系化合
物微粒子の位置をその中心点(以下「中心点」とい
う。)で表す。 (5)電子顕微鏡写真から湿式凝固した樹脂皮膜の片方
の表面に相当する曲線L上の200μm以上離れた任意
の点A、Bを結んだ直線(図3のx0)を基線にして水
平と垂直に50μm間隔に縦線(y1、y2、・・
・)、横線(x1、x2、・・・)をできるだけ多く引
く。但し、最終の横線は別に定義される湿式凝固した樹
脂皮膜の境界線(図3のxE)を越えない。また、湿式
凝固した樹脂皮膜の厚みが50μm以下の場合はその厚
みを間隔とする。 (6)縦横各直線で囲まれた50μm角の領域内A1、
A2、・・・にある中心点の数(N1、N2、・・・)
を数える。 (7)有機系化合物微粒子の分散パラメ−タ−σは、各
領域の中心点の数の標準偏差σ(A)を領域内の平均含
有セルロ−ス数の平方根バーN1/2 で除して得られる。
【0017】即ち、
【数1】 ここで、
【数2】
【0018】従って、分散パラメ−タ−σは、セルロ−
ス微粒子1個当たりに規格化したシ−ト断面内での分散
状態を表す構造パラメ−タ−である。なお、(5)でい
う湿式凝固した樹脂皮膜の境界線xEは、湿式凝固した
樹脂皮膜単独の場合は、湿式凝固した樹脂皮膜の他方の
表面である曲線L’と(5)で得られたy1との交点C
から直線で200μm以上離れたL’上の点Dを結んだ
直線であり、複合シ−トの場合は、電子顕微鏡写真で確
認できる繊維断面の中心のうち、(5)で得られた基準
線Lから離れた点C’とこの点より200μm以上離れ
た点D’を結んだ布帛の底面に相当する直線L”を先ず
引く。次に布帛単独の厚みTfをKES厚み測定試験機
を用いて5g/cm2 の荷重下で測定する。L”から基
準線L側に布帛単独の厚みTf分離れた位置にL”に平
行に直線xEを引き、これを複合シ−トの境界線とする
(図4参照)。
【0019】本発明において分散パラメ−タ−σは0.
8≦σ≦2.0である必要があり、この範囲にσがある
と図1を用いて説明したような特異な構造となるため、
柔軟で強度低下がなく、透湿性や耐水性も優れ、ドライ
タッチ性も優れるものとなる。σが0.8未満であると
上述のように本発明の目的とする効果は得られないし、
σが2.0を越えるとセルロ−ス微粒子が局部的に集中
して存在するため、その部分ではウレタンの壁厚が薄く
なり過ぎて力学的な耐久性が失われる。また、充分なド
ライタッチ性が得られないし、有機系化合物微粒子が樹
脂と非接着になりにくくウレタン発砲セル間をつなぐ間
隙が有機系化合物微粒子の回りにでき難いので充分な透
湿性が得られない。
【0020】本発明の湿式凝固された樹脂皮膜とは、良
溶媒と貧溶媒を有し、かつ貧溶媒中に良溶媒が溶解する
樹脂であれば良く、ポリウレタン系、アクリル系、ポリ
ビニ−ルアルコ−ル系、シリコ−ン系、ナイロン系、ポ
リエステル系、ポリカ−ボネ−ト系、ポリ塩化ビニル系
の樹脂などを任意に用いることができる。この内、ポリ
ウレタン系樹脂は、良溶媒としてジメチルホルムアマイ
ド(DMFと略称)、貧溶媒として水が用いられ、ウレ
タン自身の化学構造(共重合の種類など)や凝固条件、
各種添加剤の組み合わせによって、本発明の有機系化合
物微粒子の分散パラメ−タ−と関係の深い発泡構造を制
御させ易く柔軟なものとなるので好ましい。湿式凝固さ
れた樹脂皮膜の厚みは用途に応じて選定されるものであ
り、特に限定するものではないが衣料用の場合は、30
0μm以下が柔軟性の観点から好ましい。
【0021】次に本発明でいう布帛とは、一般に良く用
いられるトリコットや2ウェイトリコットなどの編物、
タフタ、サテンなどの織物、カ−ドやエア−レイ法、抄
紙法によるウェブにニードルパンチング、サ−マル、ケ
ミカルボンディングや柱状流により繊維同士を交絡させ
た不織布などである。また、その素材は特に限定するも
のではないが、綿、麻、絹、羊毛などの天然繊維、エス
テル、ナイロン、アクリルなどの合成繊維、レ−ヨン、
ベンベルグなどの化繊や、それらの混用であってもよ
い。繊度は特に限定しないが0.5デニ−ル以下の繊度
の極細繊維を用いると風合いが優れるので衣料用の場合
好ましい。なお、布帛には予め上述の樹脂やセルロ−ス
微粒子が添加された樹脂が含浸されていても良い。
【0022】本発明の複合シ−トは、本発明の湿式凝固
した樹脂皮膜を予め離型紙上に形成しておき、接着剤や
ホットメルト樹脂で布帛に接着させるか、離型紙上に有
機系化合物微粒子を添加した上述の樹脂をコ−ティング
し凝固前に布帛と積層し凝固するか、直接布帛にコ−テ
ィングし、続いて湿式凝固することによって得られる。
また、複合シ−トの風合い(柔軟性)をより向上させる
目的で湿式樹脂皮膜と布帛を構成する繊維が非接着状態
に成り易くする処理(例えば、ポリビニ−ルアルコ−ル
で予め布帛を処理して置き、コ−ティング・凝固後に除
去したり、シリコンや弗素化合物などで前除去した布帛
を用いるなど)を施しておくのが好ましい。
【0023】次に本発明の湿式凝固された樹脂皮膜の製
造法について述べと、本発明の構造形成には、前述のよ
うに(1)樹脂自身のある程度の発泡構造の形成と
(2)樹脂中への凝固液の拡散とそれに続く有機系化合
物微粒子表面の凝固液による濡れが必要である。(1)
と(2)の両方を同時に満足させるためには、凝固液組
成と温度条件の設定、さらにはその樹脂の種類や有機系
化合物微粒子の添加量に応じて貧溶媒に対して親和性や
非親和性の界面活性剤を樹脂に適宜調整することが必要
である。凝固浴組成において樹脂の良溶媒の貧溶媒に対
する比率が高くなると樹脂の凝固速度は遅くなり樹脂自
身の発泡は起こりにくく、有機系化合物微粒子と樹脂と
の間隙は広がるが分散パラメータσは小さくなる傾向に
ある。また凝固温度が高くなると、その逆の傾向が強ま
る。したがって、本発明の特異な構造を得るためには、
両条件をバランスさせる必要がある。また、貧溶媒に対
して親和性のある界面活性剤を樹脂に添加した場合は凝
固が早く、発泡が大きくなりたすく、そのため有機系化
合物と樹脂との非接合が起こりにくく、分散パラメータ
σが大きくなる。貧溶媒と非親和性の界面活性剤の場合
はその逆の傾向がみられる。例えば、樹脂が低モジュラ
スのウレタンである場合、一次凝固浴温度25℃以上、
60℃以下で凝固液中のDMFの濃度を5重量%以上3
0重量%以下の範囲にコントロ−ルしたり(より好まし
くは、温度30〜45℃、凝固液中のDMF濃度は15
〜30重量%)、基ウレタンと親和性の良いシリコン系
やウレタン系であってメトキシ、エトキシや、ポリエチ
レングリコ−ルなどの親水基とポリテトラメチレンなど
の疎水基の比が1:1〜1:2の範囲の界面活性剤をウ
レタン固形分に対して1重量%以上、10重量%以下の
範囲で添加すると本発明の良好な構造の湿式凝固した樹
脂皮膜が得られ易いので好ましい。この場合、有機系化
合物微粒子を予めシリコーン系もしくはフッ素系撥水
剤、例えば、ジメチルハイドロジェンポリシロキサンや
ポリパーフルオロアルキルアクリレートなどで表面処理
をしておくと、樹脂と有機系化合物微粒子との間の非接
着化がより進み、かつ分散パラメータσが0.8〜2.
0の範囲内に入るのでより好ましい。その他、防腐剤、
樹脂皮膜安定剤等は必要に応じて使用して差し支えな
い。なお、本発明の湿式凝固された樹脂皮膜が形成され
るのであれば上記製造法に限るものではないことは、明
らかである。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述する。な
お、実施例に示した特性の測定は下記の測定法に準拠し
た。 1)透湿性 JIS L−1099 A−1法 2)耐水圧 JIS L−1092 A−1法 3)破断強伸度 JIS L−1094 4)柔軟性 KES順曲げ測定機〔川端科学(株)製〕 5)ドライタッチ性 触感試験 なお、2)の耐水圧はすべて試料を以下の撥水剤で撥水
処理して測定したものである。 ・撥水剤;大日本インキ製NH−10見掛け濃度10%
【0025】(実施例1)DMF74部にセルロ−ス微
粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平均
粒子径6μm〕6部を分散させた溶液にポリウレタン系
樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145、固
形分濃度30%〕100部を溶解させ固形分濃度20%
でウレタン固形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比2
0重量%であるコ−ティング液を作成した。この液を離
型紙上にクリアランス0.5mmでコ−ティングし、D
MFと水の比が10/90で温度40℃の凝固浴中に6
分間浸漬凝固した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿
式凝固された樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−
1.8の樹脂皮膜を作成した。
【0026】(実施例2)DMF134部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコートMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比70重量%であ
るコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリ
アランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比
が10/90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固
した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された
樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−1.3の樹脂皮
膜を作成した。
【0027】(実施例3)DMF170部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕30部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比100重量%で
あるコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にク
リアランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水と
の比が10/90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬
凝固した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固さ
れた樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−1.0の樹
脂皮膜を作成した。
【0028】(実施例4)DMF230部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕45部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコートMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比150重量%で
あるコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にク
リアランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の
比が10/90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝
固した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固され
た樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−0.95の樹
脂皮膜を作成した。
【0029】(実施例5)DMF134部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部溶解させ固形分濃度20%でウレタン固形
分に対するセルロ−ス微粒子の重量比70重量%である
コ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリア
ランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が
5/95で温度40℃の凝固浴中に6分間浸せき凝固し
た。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された樹
脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−1.5の樹脂皮膜
を作成した。
【0030】(実施例6)DMF134部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比70重量%であ
るコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリ
アランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比
が20/80で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固
した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された
樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−1.1の樹脂皮
膜を作成した。
【0031】(実施例7)DMF134部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比70重量%であ
るコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリ
アランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比
が10/90で温度30℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固
した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された
樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−1.0の樹脂皮
膜を作成した。
【0032】(実施例8)DMF134部に特開平3−
163135号公報記載の方法で得たセルロ−ス微粒子
を水に1%含有した溶液を噴霧乾燥して作成した平均粒
子径3μmのセルロ−ス微粒子21部を分散させた溶液
にポリウレタン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−
トMP145〕100部を溶解させ固形分濃度20%で
ウレタン固形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比70
重量%であるコ−ティング液を作成した。この液を離型
紙上にクリアランス0.5mmでコ−ティングし、DM
Fと水の比が10/90で温度40℃の凝固浴中に6分
間浸漬凝固した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式
凝固された樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−0.
98の樹脂皮膜を作成した。
【0033】(実施例9)特開平3−163135号公
報記載の方法で得たセルロ−ス微粒子を水に1%含有し
た溶液を噴霧乾燥して作成した平均粒子径3μmのセル
ロ−ス微粒子をシリコン系撥水剤(例えば、メチルハイ
ドロジェンポリシロキサン)の2%水溶液で前処理して
得たセルロース微粒子21部をDMF134部に分散さ
せた溶液にメトキシエトキシシロキサンとジメチルシロ
キサンが1:1で共重合させたポリシロキサンを2部添
加したポリウレタン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボン
コ−トMP145〕100部を溶解させ固形分濃度20
%でウレタン固形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比
70重量%であるコ−ティング液を作成した。この液を
離型紙上にクリアランス0.5mmでコ−ティングし、
DMFと水の比が10/90で温度40℃の凝固浴中に
6分間浸漬凝固した。水洗後80℃で乾燥し、本発明の
湿式凝固された樹脂皮膜の一例である分散パラメ−タ−
0.95の樹脂皮膜を作成した。
【0034】(実施例10)DMF134部にトウモロ
コシ澱粉微粒子(試薬化学用、平均粒子径15μm)3
0部を分散させた溶液にポリウレタン系樹脂〔大日本イ
ンキ(株)製ボンコ−トMP145〕100部を溶解さ
せ固形分濃度20%でウレタン固形分に対するトウモロ
コシ澱粉微粒子の重量比70重量%であるコ−ティング
液を作成した。この液を離型紙上にクリアランス0.5
mmでコ−ティングし、DMFと水の比が10/90で
温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水洗後8
0℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された樹脂皮膜の一例
である分散パラメ−タ−1.8の樹脂皮膜を作成した。
【0035】(実施例11)DMF134部にコラーゲ
ン微粒子〔昭和電工(株)製工業用コラーゲン、平均粒
子径9μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタン系
樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕1
00部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固形分に
対するコラーゲン微粒子の重量比70重量%であるコ−
ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリアラン
ス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が10
/90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。
水洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された樹脂皮
膜の一例である分散パラメ−タ−0.90の樹脂皮膜を
作成した。
【0036】(実施例12)DMF134部にウール微
粒子〔トスコ(株)製トスコウールパウダー、平均粒子
径10μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタン系
樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕1
00部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固形分に
対するウール微粒子の重量比70重量%であるコ−ティ
ング液を作成した。この液を離型紙上にクリアランス
0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が10/
90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水
洗後80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された樹脂皮膜
の一例である分散パラメ−タ−1.50の樹脂皮膜を作
成した。
【0037】(実施例13)DMF134部にシルク微
粒子〔トスコ(株)製トスコシルクパウダー、平均粒子
径6μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタン系樹
脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕10
0部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固形分に対
するウール微粒子の重量比70重量%であるコ−ティン
グ液を作成した。この液を離型紙上にクリアランス0.
5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が10/90
で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水洗後
80℃で乾燥し、本発明の湿式凝固された樹脂皮膜の一
例である分散パラメ−タ−1.30の樹脂皮膜を作成し
た。表−1には実施例1〜13の各種物性の評価結果を
まとめて示す。いずれも柔軟性と強度に優れ、透湿度と
耐水圧が高く、ドライタッチ性に優れていることが分か
る。
【0038】(比較例1)DMF50部にポリウレタン
系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕
100部を溶解させ固形分濃度20%であるコ−ティン
グ液を作成した。この液を離型紙上にクリアランス0.
5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が10/90
で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水洗後
80℃で乾燥し、樹脂皮膜を作成し、その物性を表−2
にまとめた。セルロ−ス微粒子が添加されていないので
透湿度が低く、ドライタッチ性に劣ることが分かる。
【0039】
【比較例2】DMF62部にセルロ−ス微粒子〔旭化成
工業(株)製アビセルPH−M06、平均粒子径6μ
m〕3部を分散させた溶液にポリウレタン系樹脂〔大日
本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕100部を溶
解させ固形分濃度20%でウレタン固形分に対するセル
ロ−ス微粒子の重量比10重量%であるコ−ティング液
を作成した。この液を離型紙上にクリアランス0.5m
mでコ−ティングし、DMFと水の比が10/90で温
度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水洗後80
℃で乾燥し、分散パラメ−タ−1.9の樹脂皮膜を作成
し、その物性を表−2にまとめた。セルロ−ス添加量が
10重量%と少ないので透湿度が低く、ドライタッチ性
に劣ることが分かる。
【0040】(比較例3)DMF254部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕51部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比170重量%で
あるコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にク
リアランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の
比が10/90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝
固した。水洗後80℃で乾燥し、分散パラメ−タ−0.
82の樹脂皮膜を作成し、その物性を表−2にまとめ
た。セルロ−ス添加量が170重量%と多いので耐水圧
が劣り、ウインドブレ−カ−のような防水が必要とされ
る用途には不向きなことが分かる。
【0041】(比較例4)DMF74部にセルロ−ス微
粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平均
粒子径6μm〕6部を分散させた溶液にポリウレタン系
樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕1
00部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固形分に
対するセルロ−ス微粒子の重量比20重量%であるコ−
ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリアラン
ス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が0/
100で温度20℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。
水洗後80℃で乾燥し、分散パラメ−タ−2.3の樹脂
皮膜を作成し、その物性を表−2にまとめた。凝固条件
が不適切な為にドライタッチ性が劣っていることが分か
る。
【0042】(比較例5)DMF134部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M06、平
均粒子径6μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタ
ン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固
形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比70重量%であ
るコ−ティング液を作成した。この液を離型紙上にクリ
アランス0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比
が40/60で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固
した。水洗後80℃で乾燥し、分散パラメ−タ−0.7
5の樹脂皮膜を作成し、その物性を表−2にまとめた。
凝固条件が不適切な為に風合いが堅く柔軟性に劣ってい
ることが分かる。
【0043】(比較例6)DMF134部にセルロ−ス
微粒子〔旭化成工業(株)製アビセル、平均粒子径30
μm〕21部を分散させた溶液にポリウレタン系樹脂
〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP145〕100
部を溶解させ固形分濃度20%でウレタン固形分に対す
るセルロ−ス微粒子の重量比70重量%であるコ−ティ
ング液を作成した。この液を離型紙上にクリアランス
0.5mmでコ−ティングし、DMFと水の比が10/
90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水
洗後80℃で乾燥し、分散パラメ−タ−1.2の樹脂皮
膜を作成し、その物性を表−2にまとめた。セルロ−ス
の粒子系が30μmと大きい為、欠陥部分が発生しやす
く強度が低いことが分かる。また、ドライタッチにはな
るが表面はざらついたものであった。
【0044】(実施例14,15)DMF194部にセ
ルロ−ス微粒子〔旭化成工業(株)製アビセルPH−M
06、平均粒子径6μm〕36部を分散させた溶液にポ
リウレタン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トM
P145〕100部を溶解させ固形分濃度20%でウレ
タン固形分に対するセルロ−ス微粒子の重量比120重
量%であるコ−ティング液を作成した。旭化成工業
(株)製極薄ポリエステル人工皮革“ロ−ラル”(目付
け200g/m2 )、およびナイロン66タフタ(径2
0d/40f,緯40d/40f,目付け40g/
2 )を布帛として用い、ウレタンと繊維が非接着状態
となるようにフッ素系撥水撥油剤(例えば、ポリパーフ
ルオロアルキルアクリレート)及びシリコン系撥水剤
(例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン)の同
重量比からなる固形分2重量%前処理液を用いて処理し
布帛に対して固形分で0.6重量%付着させた前処理反
1および2を準備しておく。先に調整したコ−ティング
液にメトキシエトキシシロキサンとジメチルシロキサン
とを1:1で共重合させたポリシロキサンを2部添加
し、直接前処理反1および2にクリアランス0.3mm
でコ−ティングし、30秒後にDMFと水の比が10/
90で温度40℃の凝固浴中に6分間浸漬凝固した。水
洗後80℃で乾燥し、本発明の複合シ−トである分散パ
ラメ−タ−0.88および0.92の複合シートを得、
その複合シートを測定した物性デ−タを表−1に実施例
14、15としてまとめた。表から、後述する比較例に
比べ、透湿度が高く、ドライタッチ性にも優れているこ
とが分かる。また、セルロ−ス微粒子の添加量は120
重量%と極めて多くかつ湿式凝固された樹脂皮膜の厚み
は20μmと薄いにも拘らず爪で強く引っ掻いても破れ
ることがなく皮膜強度の強いものであった。
【0045】(比較例7、8)DMF50部にポリウレ
タン系樹脂〔大日本インキ(株)製ボンコ−トMP14
5〕100部を溶解させ固形分濃度20%であるコ−テ
ィング液を作成した。旭化成工業(株)製極薄ポリエス
テル人口皮革“ロ−ラル”(目付け200g/m2 )、
およびナイロン66タフタ(径20d/40f,緯40
d/40f,目付け40g/m2 )を布帛としてそれぞ
れ用い、ウレタンと繊維が非接着状態となるようにフッ
素系撥水撥油剤(例えば、ポリパーフルオロアルキルア
クリレート)及びシリコン系撥水剤(例えば、メチルハ
イドロジェンポリシロキサン)を用いて実施例14、1
5と同様に前処理反1および2を準備しておく。先に調
整したコ−ティング液にメトキシエトキシシロサキサン
とジメチルシロキサンとを1:1で共重合させたポリシ
ロキサンを2部添加し、直接前処理反1および2にクリ
アランス0.3mmでコ−ティングし、30秒後にDM
Fと水の比が10/90で温度40℃の凝固浴中に6分
間浸漬凝固した。水洗後80℃で乾燥し、複合シートを
得、その複合シートを測定した物性デ−タを表−2に比
較例7、8としてまとめた。表から、セルロ−ス微粒子
が添加されていないので透湿度が低く、ドライタッチ性
に劣ることが分かる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、優れた透湿性と耐水
性、柔軟でかつ十分な実用強度と耐久性を有するドライ
タッチな湿式凝固された樹脂皮膜、さらには湿式凝固さ
れた樹脂皮膜が布帛上に形成された複合シ−トが実現さ
れるので、スポ−ツ衣料、コ−ト、雨具、オムツカバ
−、靴、家具用表皮、壁紙などの用途や有機系化合物微
粒子に後から薬剤や酸素を含浸させ、貼り布やMRSA
などの殺菌用、消毒用などメディカル用シ−トやバイオ
リアクタ−用担体、吸着材などの用途に使用することが
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式凝固された樹脂皮膜である薄膜の
一実施例の横断面を写した電子顕微鏡写真。
【図2】樹脂皮膜である薄膜の一比較例の横断面を写し
た電子顕微鏡写真。
【図3】湿式凝固された樹脂皮膜におけるセルロ−ス微
粒子の分散パラメ−タ−σ算出の為の区画作成モデル
図。
【図4】複合シ−トの湿式凝固された樹脂皮膜における
セルロ−ス微粒子の分散パラメ−タ−σ算出の為の区画
作成モデル図。
【符号の説明】
1 有機系化合物微粒子、 2 ウレタン樹脂 3 有機系化合物微粒子とウレタン樹脂の間隙 x0 基線。 y1、y2、・・・ 基線に対して垂直な50μm間隙
の縦線 x1、x2、・・・ 基線に対して水平な50μm間隙
の横線 xE 湿式凝固された樹脂皮膜、または複合シ−トの境
界線 L 湿式凝固された樹脂皮膜の片方の表面に相当する曲
線 L’ Lと反対の表面に相当する曲線 L” 複合シ−トの布帛の底面に相当する直線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湿式凝固した樹脂皮膜中に、平均粒子径
    25μm以下でかつ30℃のDMFおよび60℃の温水
    に不溶の有機系化合物微粒子が(1)樹脂固形分に対し
    て15重量%以上150重量%以下添加され、(2)該
    湿式凝固した樹脂皮膜中の断面における分散パラメータ
    ーが0.8≦σ≦2.0であることを特徴とする湿式凝
    固した樹脂皮膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の湿式凝固した樹脂皮膜が
    布帛上に形成されていることを特徴とする複合シート。
  3. 【請求項3】 有機系化合物微粒子がセルロース系微粒
    子であることを特徴とする請求項1記載の湿式凝固した
    樹脂皮膜。
  4. 【請求項4】 有機系化合物微粒子が炭水化物系微粒子
    であることを特徴とする請求項1記載の湿式凝固した樹
    脂皮膜。
  5. 【請求項5】 有機系化合物微粒子が蛋白質系微粒子で
    あることを特徴とする請求項1記載の湿式凝固した樹脂
    皮膜。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003089714A1 (en) * 2002-04-15 2003-10-30 E. I. Du Pont De Nemours And Company Elastic nonwoven sheet
KR20210046157A (ko) * 2019-10-18 2021-04-28 대원화성 주식회사 내구성 및 유연성이 우수한 기능성 폴리우레탄 필름 및 이의 제조방법

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