JPH0774299B2 - 塩素化塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩素化塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH0774299B2 JP61241985A JP24198586A JPH0774299B2 JP H0774299 B2 JPH0774299 B2 JP H0774299B2 JP 61241985 A JP61241985 A JP 61241985A JP 24198586 A JP24198586 A JP 24198586A JP H0774299 B2 JPH0774299 B2 JP H0774299B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、塩素化塩化ビニル系樹脂組成物に関し、さら
に詳しくは、前記組成物の成形体が、優れた耐衝撃性及
び透明性を合わせて具備する、塩素化塩化ビニル系樹脂
組成物に関する。
[従来の技術] 塩素化塩化ビニル樹脂は、塩化ビニル樹脂が有している
優れた耐候性、電気的特性及び透明性を保持したまま、
さらにその耐熱性を向上せしめたものである。したがっ
て、塩素化塩化ビニル樹脂は、かかる特性を有するとこ
ろから、従来塩化ビニル樹脂では適用が困難であった、
高温状態で使用される各種部品の構成材料への適用が可
能となったものである。
しかしながら、かかる塩素化塩化ビニル樹脂において
は、依然として塩化ビニル樹脂と同様に、耐衝撃性が不
充分であるという問題点を有しており、これがその適用
分野を狭小にする原因となっている。したがって、塩素
化塩化ビニル樹脂の各種特性を保持したまま、その耐衝
撃性を改良する方法が種々検討されている。塩素化塩化
ビニル樹脂の耐衝撃性を改良する方法としては、例え
ば、樹脂中に衝撃強度の改質剤を配合する方法が行われ
ており、この改質剤としては、従来より塩化ビニル系樹
脂の改質剤として公知のMBS樹脂(メタクリル酸メチル
−ブタジエン−スチレン共重合体)が使用されている。
しかしながら、塩素化塩化ビニル樹脂中に改質剤として
MBS樹脂を配合した場合には、その成形体の耐衝撃性は
改良されるものの、重要な特性である透明性が損なわれ
るという問題が生じるために、実用的な方法であるとは
いえない。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の塩素化塩化ビニル系樹脂では、その成形体に、優
れた耐衝撃性と透明性の両方を具備させることが困難で
あるという問題がある。したがって、本発明は、塩素化
塩化ビニル樹脂から得られる成形体が、本来的に有して
いる耐熱性、耐候性及び電気的特性などの各特性を何ら
損なうことなく、さらに、優れた耐衝撃性及び透明性を
前記成形体に付与することができる塩素化塩化ビニル系
樹脂組成物を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂組成物は、 (I)塩素化塩化ビニル系樹脂、70〜98重量部、並びに (II)(A)1,3−ブタジエンに基づく単位50〜100重量
%と、スチレン系化合物及び(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルのうち少なくとも1種のビニル系単量体に基
づく単位50〜0重量%からなるエラストマーであって、
その膨潤度が7〜30であり、平均粒子径が0.05〜0.5μ
mであるもの、40〜80重量部に、 (B)アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸アル
キルエステル、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル
酸アルキルエステル、アクリロニトリル及びスチレン系
化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体、60〜20重
量部とを、1段以上でグラフト重合させて得られるグラ
フト共重合体であって、その屈折率が1.541〜1.565であ
るグラフト共重合体、30〜2重量部、 からなることを特徴とする。
以上、本発明を詳しく説明する。
本発明の組成物を構成する成分(I)の塩素化塩化ビニ
ル系樹脂は、塩化ビニル樹脂を塩素化したものであり、
例えば塩化ビニルの単独重合体、又は塩化ビニルと他の
単量体、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、エチレン、プロピレ
ン、ビニルエーテル、アクリル酸及びそのエステル、メ
タクリル酸及びそのエステル、マレイン酸及びそのエス
テルもしくは無水物、フマール酸及びそのエステル等か
ら選ばれる1種以上との共重合体の塩素化物である。
かかる塩素化塩化ビニル系樹脂は、その平均重合度が30
0〜2000のものが用いられる。また、その塩素化の割合
は特に制限されず、塩素含有量にして58〜72重量%のも
のを使用することができ、組成物の成形体の耐熱性を向
上させるためには、樹脂中における塩素含有量が60重量
%以上であることが好ましい。
かかる塩素化塩化ビニル系樹脂としては、通常の市販
品、例えば、セキスイPVC・HA(商品名、塩素含有量65
重量%、平均重合度800;徳山積水化学工業株式会社
製)、ニカテンプ(商品名、塩素含有量63〜67.8重量
%、平均重合度500〜700;日本カーバイド株式会社製)
を用いることができる。
本発明の組成物を構成する成分(II)のグラフト共重合
体は、成分(A)のエラストマーに成分(B)の少なく
とも1種の単量体をグラフト重合させて得ることができ
る。
成分(A)のエラストマーは、1,3−ブタジエンと、前
記1,3−ブタジエンとスチレン系化合物及び(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルのうち少なくとも1種のビニ
ル系単量体から製造される。
エラストマーの製造方法は特に制限されないが、後工程
において成分(B)とグラフト重合を行うことから、乳
化重合法を適用してエラストマーラテックスにすること
が好ましい。乳化重合法を適用する場合には、通常、乳
化剤及び重合開始剤は、さらに必要に応じて他の添加剤
の存在下で、公知の方法で重合せしめる。
この場合の乳化剤としては、アニオン系界面活性剤、例
えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩及びアルキルリン酸エステル塩等を
用いることが好ましいが、他のノニオン系界面活性剤又
はカチオン系界面活性剤を用いることもできる。これら
は単独で、又は組合せて用いることができる。ラテック
スの安定性からはアニオン系界面活性剤が好ましい。重
合開始剤としては、水溶性、油溶性の単独系又はレドッ
クス系が用いられ、例えば、過硫酸塩等の水溶性無機重
合開始剤;有機ヒドロペルオキシド/第1鉄塩、有機ヒ
ドロペルオキシド/ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート等のレドックス系重合開始剤又はアゾ化合物
等を用いることができる。
このようにして得られるエラストマーは、1,3−ブタジ
エンに基づく単位50〜100重量%と、上記した1,3−ブタ
ジエンと共重合する少なくとも1種のビニル系単量体に
基づく単位50〜0重量%とから構成される。エラストマ
ー中の1,3−ブタジエンに基づく単位の割合が50重量%
未満の場合は、組成物から得られる成形体の耐衝撃性が
劣るために好ましくない。
また、かかるエラストマーは所定条件下において測定し
た膨潤度が7〜30であり、好ましくは7〜20である。な
お、この膨潤度は、合成したエラストマーラテックスを
シャーレ上に載置し、室温で50mm Hgの減圧下で48時間
乾燥をせしめたのち、その一部を室温でトルエン中に48
時間浸漬し、膨潤した試料の重量(W1g)を測定し、次
いでこの膨潤試料を120℃で30分間乾燥せしめた場合の
重量(W2g)を測定して、式、W1/W2から算出した。
エラストマーの膨潤度が7未満の場合は、組成物から得
られる成形体の表面に半溶融ブツ(フィッシュアイ)が
多発するために好ましくなく、また30を超える場合は、
成形体の透明性が低下するために好ましくない。かかる
膨潤度は、エラストマーの製造時に架橋剤及び分子量調
節剤の種類や添加量を適宜調整して配合することによ
り、所望の範囲に調節することができる。即ち、架橋剤
の量を増すと膨潤度を低下させることができ、また分子
量調節剤の量を増すと膨潤度を高くすることができる。
この場合に用いる架橋剤としては、例えば、ジビニルベ
ンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート及びアリルメ
タクリレート等を挙げることができ、分子量調節剤とし
ては、例えば、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカ
プタン類を挙げることができる。
また、かかるエラストマーは、その平均粒子径の大きさ
が組成物から得られる成形体の耐衝撃性に多大な影響を
与える。すなわち、エラストマーの平均粒子径があまり
小さすぎる場合は、成形体の耐衝撃性が低下するために
好ましくない。したがって、エラストマーの平均粒子径
は、成形体の耐衝撃性に悪影響を与えずに、かつラテッ
クスの安定性を損なわない程度で、できるだけ大きいこ
とが好ましく、通常は、平均粒子径が0.05〜0.5μmで
あることが好ましく、0.08〜0.3μmであることがさら
に好ましい。かかるエラストマーとして、平均粒子径が
あまり小さすぎるものを用いて成分(B)とグラフト重
合を行う場合には、重合前又は重合中に、酸もしくは無
機塩等の肥大化剤又は、特公昭56−22339号公報に記載
されている高分子系肥大化剤を用いて粒子径を調節する
ことが好ましい。
成分(B)は、アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリ
ル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が1〜8の
アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル及びス
チレン系化合物から選ばれる少なくとも1種である。こ
の場合に用いるアルキル基の炭素数が1〜4のメタアク
リル酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル
及びメタクリル酸n−ブチル等を挙げることができ、こ
れらの中でもメタクリル酸メチルが好ましい。アルキル
基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル及びアクリ
ル酸n−オクチル等を挙げることができるが、組成物の
流動性やその成形体の透明性などの点から、アクリル酸
エチル及びアクリル酸n−ブチルが好ましい。。また、
スチレン系化合物としては、例えば、スチレンを挙げる
ことができるが、これ以外にもα−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン及びp−クロロスチレン等のスチレン置換
体を挙げることができる。
成分(II)のグラフト共重合体は、上記の成分(A)と
成分(B)をグラフト重合させることによって得ること
ができる。このグラフト重合は、乳化重合法を適用して
行うことができる。乳化重合法を適用する場合は、所定
量の成分(A)をラテックスの存在下に乳化剤及び重合
開始剤を用い、成分(B)の単量体を1回もしくは2回
以上に分割して、所定量を1度にもしくは少量ずつ連続
して添加することにより1段又は2段以上のグラフト重
合を行う。
グラフト重合させる成分(A)と成分(B)の割合は、
その合計量中、成分(A)が40〜80重量%、好ましくは
50〜70重量%であり、成分(B)が60〜20重量%、好ま
しくは50〜30重量%である。成分(A)の割合が40重量
%未満の場合は、組成物から得られる成形体の耐衝撃性
が低下し、また80重量%を超える場合は、成形体の透明
性が低下するために好ましくない。
グラウト重合に用いる乳化剤及び重合開始剤は、成分
(A)のエラストマー製造時に用いたものと同様のもの
を用いることができる。
かかるグラフト重合は、1段もしくは2段以上行うこと
ができるが、重合の安定性、重合反応熱等の見地から成
分(B)の全量を少量ずつ連続的に添加しながら行うこ
とが好ましい。
次いで、グラフト重合終了後、共重合体ラテックス中
に、必要に応じて酸化防止剤、添加剤等を添加したの
ち、例えば、硫酸水溶液などの凝固剤を添加することに
よって、生成したグラフト共重合体を凝析、固化せしめ
る。その後、沈澱したグラフト共重合体を分取し、さら
に脱水及び乾燥等の処理工程を経て,粉末状のグラフト
共重合体を得ることができる。
このようにして得られる成分(II)のグラフト共重合体
は、屈折率が1.541〜1.565であり、好ましくは1.544〜
1.559である。屈折率が上記範囲外の場合は、得られる
組成物の成形体の透明性が低下するために好ましくな
い。この屈折率は、用いる成分(A)のエラストマーの
構成や含有量及び成分(B)の単量体の量を適宜決定す
ることによって、所望の範囲に調節することができる。
本発明の組成物は、上記の成分(I)及び成分(II)、
さらには必要に応じて他の添加剤を均一なるように、例
えば、リボンブレンダーやヘンシェルミキサーなどで混
合することにより得ることができ、また、得られた組成
物は、所望により、ミキシングロール、バンバリーミキ
サー又は押出機などにより、成形加工することができ
る。
本発明の組成物において、成分(I)と成分(II)の割
合は、成分(I)が70〜98重量%で、成分(II)が30〜
2重量%であり、好ましくは成分(I)が75〜95重量%
で、成分(II)が5〜25重量%である。
組成物中において成分(II)の割合が2重量%未満の場
合は、組成物から得られる成形体の耐衝撃性はほとんど
改善されず、また30重量%を超える場合は、塩素化塩化
ビニル樹脂から得られる成形体が本来的に有している耐
熱性や耐候性などが損なわれるだけでなく、製造コスト
も上昇するために好ましくない。
本発明の組成物に配合可能な他の添加剤としては、例え
ば、安定剤、可塑剤、加工助剤及び着色剤などが挙げる
ことができる。
[実施例] 以下、実施例を掲げて本発明をさらに詳しく説明する。
なお、以下において「部」は全て「重量部」を示す。
また、平均粒子径は直接倍率20,000倍の電子顕微鏡写真
から求めた。屈折率は、グラフト共重合体をミキシング
ロールで加熱溶融して、フィルム状にしたものの小片
を、屈折計(島津ボシュロムアツベ屈折計)で測定し、
求めた。衝撃強度は、JIS K 7110に準じて測定し、
全光線透過率及び曇価は、積分球式ヘーズメーターを用
いてJIS K 6714に準じて測定した。また、得られた
組成物を、Tダイ付、スクリュー径25mmの押出機を用い
て押出し成形して厚さ0.3mmの試験シートを調製し、5cm
巾×50cm長さにおける表面の0.1mm以上のサイズのフィ
ッシュアイの個数を観察した。
実施例1 エラストマーラテックスの製造 1,3−ブタジエン 75 部 スチレン 25 部 1,3−ブチレンジメタクリレート 0.5 部 オレイン酸カリウム 2 部 ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド 0.2 部 硫酸第一鉄 0.005部 ピロリン酸ナトリウム 0.3 部 デキストロース 0.2 部 イオン交換水200 部 上記組成の混合物を、内容量が50の重合釜に仕込んだ
のち、55℃で7時間加熱して重合反応を完了させて、エ
ラストマーラテックスを得た。転化率は96%であり、エ
ラストマーの平均粒子径は0.1μmであり、前記記載の
方法で測定した膨潤度は10であった。
グラフト共重合体の製造 上記のエラストマーラテックス150部(ただし、エラス
トマーの固形分として)、ロンガリット0.2部、イオン
交換水40部及びオレイン酸カリウム0.5部を反応容器中
に仕込んだのち、容器内を70℃に保持しながら、さらに
メタクリル酸メチル22.5部、アクリル酸エチル2.5部及
びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.1部の混合溶液を5
0分間に亘って滴下した。滴下終了後、さらに70℃で1
時間加熱して第1段のグラフト重合を行った。次いで、
スチレン6.5部及びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.2
5部の混合溶液を1時間に亘って滴下したのち、さらに7
0℃で1時間加熱して、第2段のグラフト重合を行っ
た。さらに、メタクリル酸メチル10部及びtert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.04部の混合溶液を10分間に亘って
滴下した。滴下終了後、さらに70℃で90分間加熱して、
第3段のグラフト重合を行い、グラフト共重合体ラテッ
クスを得た。重合率は96%以上であり、得られたグラフ
ト共重合体の平均粒子径は0.21μmであった。また屈折
率は1.547であった。
次いで、グラフト共重合体ラテックス中に、ブチル化ヒ
ドロキシトルエン(BHT)0.5部を添加したのち、0.2%
硫酸水溶液で、グラフト共重合体を凝析、固化せしめ
た。次いで、析出した沈澱物を分取したのち、洗浄し、
乾燥して粉末状のグラフト共重合体を得た。
塩素化塩化ビニル系樹脂組成物の調製 塩素化塩化ビニル系樹脂(セキスイPVC・HA)100部、上
記のグラフト共重合体12部、ハイワックス(商品名、ポ
リエチレンワックス;三井石油化学工業株式会社製)0.
5部、ジオクチル錫メルカプチド3部、リケマールS−1
00(商品名、ステアリン酸エステル;理研ビタミン株式
会社製)0.5部、エタブレン L−1000(商品名、加工
助剤;三菱レイヨン株式会社製)及びステアリン酸0.5
部を、ヘンシェルミキサー中に投入し、115℃まで昇温
せしめたのち混合して、均一な組成物を得た。
このようにして得られた組成物は、190℃に調整したミ
キシングロールで3分間混練したのち、同温度で50kg/c
m2の圧力を印加しながら5分間加熱プレスを行い、試験
片を調製した。得られた試験片を用いて、その衝撃強
度、全光線透過率及び曇価を測定した。結果を第1表に
示す。
比較例1 エラストマーラテックスの製造において、1,3−ブチレ
ンジメタクリレート2部を用いた以外は実施例1と同様
にして、比較組成物を得た。この組成物を用いて、実施
例1と同様にして試験片及び試験シートを調製し、その
物性等を測定した。結果を第1表に示す。
比較例2 エラストマーラテックスの製造において、1,3−ブチレ
ンジメタクリレートの代わりにtert−ドデシルメルカプ
タン0.6部を用いた以外は、実施例1と同様にして比較
組成物を得た。この組成物に用いて、実施例1と同様に
して試験片及び試験シートを調製し、その物性等を測定
した。結果を第1表に示す。
第1表に示した試験結果から明らかなとおり、実施例1
の組成物から得られた成形体は、耐衝撃性及び透明性の
いずれも優れており、フィッシュアイの発生も少なかっ
た。比較例1の組成物から得られた成形体は、耐衝撃性
や透明性は比較的優れていたものの、エラストマーの膨
潤度が低すぎるためにフィッシュアイが多発した。ま
た、比較例2の組成物から得られた成形体は、エラスト
マーの膨潤度が高すぎるために透明性が著しく低下し
た。
実施例2 グラフト共重合体の製造において、成分(B)に相当す
る単量体として、第1段の重合時にメタクリル酸メチル
13.5部及びアクリル酸エチル1.5部を用い、第2段の重
合時にスチレン75部を用い、第3段の重合時にメタクリ
ル酸メチル10部を用いた以外は、実施例1と同様にし本
発明の組成物を得た。
得られた組成物を用い、実施例1と同様にして試験片を
調製し、その物性を測定した。結果を第2表に示す。
実施例3 グラフト共重合体の製造において、グラフト重合をスチ
レン75部とtert−ブチルヒドロペルオキシド0.28部を1
時間に亘って滴下したのち、70℃で90分間加熱する第1
段の重合と、メタクリル酸メチル22.5部、アクリル酸エ
チル2.5部及びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.1部の
混合溶液を1時間に亘って滴下したのち、70℃で1時間
加熱する第2段の重合の2段にした以外は実施例1と同
様にして、本発明の組成物を得た。
得られた組成物を用い、実施例1と同様にして試験片を
調製し、その物性を測定した。結果を第2表に示す。
実施例4 グラフト共重合体の製造において、第1段の重合の前に
重合用液中に、エラストマー肥大化用ラテックスを0.5
部添加した以外は、実施例3と同様にして本発明の組成
物を得た。なお、肥大化用ラテックスは、エチルアクリ
レート90部、メタクリル酸10部、過硫酸カリウム0.5
部、ノンサールTK−1(商品名、半硬化牛脂カリ石け
ん;日本油脂株式会社製)2部及びラピゾール80(商品
名、ソジウムオクチルスルホサクシネート、日本油脂株
式会社製)1部及び水200部を、70℃で1時間重合せし
めて得た、pH6.2のラテックスを用いた。
得られた組成物を用い、実施例1と同様にして試験片を
調製し、その物性を測定した。結果を第2表に示す。
比較例3 エラストマーラテックスの製造において、1,3−ブタジ
エン78部及びスチレン22部を用いた以外は実施例1と同
様にしてエラストマーラテックスを製造し、またグラフ
ト共重合体の製造において、第1段目のグラフト重合時
にメタクリル酸メチル44部、アクリル酸ブチル5部及び
tert−ブチルヒドロペルオキシド0.18部を用い、第2段
のグラフト重合時にスチレン41部及びtert−ブチルヒド
ロペルオキシド0.154部を用いた以外は実施例1と同様
にして比較組成物を得た。
得られた比較組成物を用い、実施例1と同様にして試験
片を調製し、その物性を測定した。結果を第2表に示
す。
比較例4 グラフト共重合体の製造において、エラストマーラテッ
クスの使用量は40部とし、グラフト重合を1段のみで、
スチレン60部及びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.23
部の混合溶液を90分間に亘って滴下したのち、70℃で2
時間加熱して行った以外は、実施例3と同様にして比較
組成物を得た。
得られた比較組成物を用い、実施例1と同様にして試験
片を調製し、その物性を測定した。結果を第2表に示
す。
第2表に示した試験結果から明らかなとおり、実施例2
〜4の組成物から得られた成形体は、耐衝撃性及び透明
性のいずれにおいても優れていた。比較例3及び4の組
成物から得られた成形体は、耐衝撃性及び透明性のいず
れにおいても劣っていた。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明の塩素化塩化ビニル系樹脂
組成物は、それから得られる成形体が、塩素化塩化ビニ
ル樹脂の成形体が本来的に有している優れた特性、特に
透明性を全く損なうことなく、さらに優れた耐衝撃性を
合わせて有しているものである。したがって、本発明の
組成物は、従来の塩素化塩化ビニル樹脂では、その成形
体の耐衝撃性や透明性が低いために適用できなかった各
種部品の構成材料としても適用が可能となるものであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中原 哲彦 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−76650(JP,A) 特開 昭54−131653(JP,A) 特開 昭60−238337(JP,A) 特開 昭60−152548(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I)塩素化塩化ビニル系樹脂、70〜98重
    量部、並びに (II)(A)1,3−ブタジエンに基づく単位50〜100重量
    %と、スチレン系化合物及び(メタ)アクリル酸アルキ
    ルエステルのうち少なくとも1種のビニル系単量体に基
    づく単位50〜0重量%からなるエラストマーであって、
    その膨潤度が7〜30であり、平均粒子径が0.05〜0.5μ
    mであるもの、40〜80重量部に、 (B)アルキル基の炭素数が1〜4のメタクリル酸アル
    キルエステル、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル
    酸アルキルエステル、アクリロニトリル及びスチレン系
    化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体、60〜20重
    量部とを、1段以上でグラフト重合させて得られるグラ
    フト共重合体であって、その屈折率が1.541〜1.565であ
    るグラフト共重合体、30〜2重量部、 からなることを特徴とする塩素化塩化ビニル系樹脂組成
    物。
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