JPH0768923A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JPH0768923A
JPH0768923A JP6154603A JP15460394A JPH0768923A JP H0768923 A JPH0768923 A JP H0768923A JP 6154603 A JP6154603 A JP 6154603A JP 15460394 A JP15460394 A JP 15460394A JP H0768923 A JPH0768923 A JP H0768923A
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JP
Japan
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recording sheet
ink
ink jet
support
jet recording
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JP6154603A
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English (en)
Inventor
Hiroo Kaji
裕夫 鍛治
Kenji Kadoma
憲司 門間
Yoshihiko Hibino
良彦 日比野
Toshihiko Matsushita
壽彦 松下
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インク吸収性に優れ、画像濃度や鮮明度が高
く、画像の変色が少なく、微塗工タイプのインクジェッ
ト記録シートを提供する。 【構成】 填料として炭酸カルシウムを含有し、下記化
1(構造式1)で示される蛍光増白剤及びノナノール系
浸透剤又はノニルフェノール系浸透剤の少なくとも1種
を塗工してなる支持体で、ステキヒトサイズ度が下記数
1(数式1)の条件を満たす該支持体上に、非球状コロ
イダルシリカを主体とするインク受理層塗液を塗工して
なるインクジェット記録シート。 【化1】 【数1】 15≦(ステキヒトサイズ度)×(60/絶乾坪量)2≦25 (数式1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明上の利用分野】本発明は、インクジェット記録シ
ートに関するものであり、更に詳しくは、インクの滲み
ムラがなく、インクの吸収性に優れ、記録された画像の
濃度や鮮明性が高い微塗工タイプのインクジェット記録
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】永年に亘ってロジンを酸性雰囲気、且つ
硫酸バンドの存在下で使用する酸性紙が主流であった。
酸性紙で使用されるロジンサイズ剤としては、エマルジ
ョンタイプ、強化ロジンタイプの薬品が汎用的であり、
市販されているため、容易に入手可能である。しかしな
がら、近年では、炭酸カルシウムの使用による白色度や
不透明度の改良、紙の保存性向上、資源の有効利用とい
った点からの故紙利用率の上昇等を目的として、中性域
で製造する場合が増えてきている。
【0003】中性域で紙を製造する際には、酸性雰囲
気、且つ硫酸バンドの存在下で性能を発揮するロジンサ
イズ剤は使用できず、代わりに中性抄紙用サイズ剤が使
用される。ここで、中性紙用サイズ剤としては、アルキ
ルケテンダイマー(以下、AKDと略す)、アルケニル
コハク酸無水物(以下、ASAと略す)及びカチオンポ
リマー型サイズが上市されている。
【0004】更に、近年では、ロジンの改良も進み、ロ
ジン及び強化ロジンを水溶性高分子からなる保護コロイ
ドで乳化することにより、中性雰囲気でサイズ効果を発
起するものも市販されている状況である。その一例とし
て、特開昭54−11035号公報、同60−1614
72号公報、同63−120198号公報等に開示され
たものが知られている。
【0005】これら中性領域で使用できるサイズ剤につ
いて比較してみた場合、取扱いの容易さ、添加量によっ
て得られるサイズ性、サイズ性の立ち上がりにおいてそ
れぞれ異なる。しかしながら、いずれのサイズ剤を使う
場合でも微妙なサイズ性のコントロールは難しい。
【0006】一方、インクジェット記録方式は、種々の
作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等のイ
ンクジェット記録シートに付着させ、画像、文字等の記
録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容
易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要
等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等
の記録装置として種々の用途において急速に普及してい
る。更に、多色インクジェット方式により形成される画
像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による
印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能であ
る。又、作成部数が少なくて済む用途においては、写真
技術によるよりも安価であることから、フルカラー画像
記録分野にまで広く応用されつつある。
【0007】このインクジェット記録方式で使用される
インクジェット記録シートとしては、通常の印刷や筆記
に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やイ
ンク組成の面から努力がなされてきた。しかし、装置の
高速化・高精細化或はフルカラー化等、インクジェット
記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、インクジェ
ット記録シートに対してもより高度な特性が要求される
ようになった。
【0008】即ち、当該インクジェット記録シートとし
ては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかで
あること、インクの吸収が早くて印字ドットが重なった
場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこ
と、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくな
く、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求され
る。
【0009】インクジェット記録シートの形態として
は、所謂、上質紙、ボンド紙等に代表される普通紙タイ
プと上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィルム等の支持
体面上にインク受理層を設けた塗工タイプに大別され
る。
【0010】塗工タイプには、1〜10g/m2程度の低塗
工タイプ、10〜20g/m2程度の中塗工タイプ、20g/
m2以上の高塗工タイプの各インクジェット記録シートが
ある。特に、近年に至っては、低塗工タイプでも、下限
の塗工量0.5〜5g/m2の微塗工タイプが普通紙に近い
ものとなり、外観的にも、取扱いとしても好ましく、こ
の微塗工タイプが望まれてきている。しかし、カラー記
録の場合は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの
単色記録だけでなく、これらの色を重ねて重色記録さ
れ、インク付着量が極めて多くなるため、微塗工タイプ
の場合は、塗工層でインクが吸収しきれなくなることか
ら、比較的低サイズ度の原紙を使用して、支持体の原紙
自体で付着インクの一部を吸収させる必要がでてきてい
る。
【0011】これらの問題を解決するために、特公平3
−26665号公報には、坪量60g/m2基準のステキヒ
トサイズ度が4秒以下の基紙上に、微粒シリカと水溶性
高分子バインダーとを含む塗工層を設けたインクジェッ
ト記録シートの例が開示され、特開昭59−38087
公報には、サイズ度が0〜10秒である基材上に、イン
ク吸収層を設けたインクジェット記録材の例が開示さ
れ、特開昭59−9516号公報には、ステキヒトサイ
ズ度0〜5秒の原紙にポリビニルピロリドン等を含浸し
たインクジェット記録シートの例が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
述べたような手段では、内添サイズにのみで、微妙なサ
イズ度をコントロールすることが難しい。又、従来の方
法のように、微粒シリカやポリビニルピロリドンを使用
した場合には、いわゆる微塗工領域(0.5〜5.0g/
m2)において、そのインク吸収性と鮮明性において充分
満足に当たる品質を得ることができない。
【0013】即ち、本発明の目的は、インクジェット記
録シートでも、填料として炭酸カルシウムを含有する微
塗工タイプのインクジェット記録シートであり、インク
の滲みムラがなくインク吸収性に優れ、記録された画像
の濃度や鮮明性が高く、真円に近い記録ドットが得られ
るインクジェット記録シートを得ることを目的とするも
のである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を行った結果、本発明のインク
ジェット記録シートを発明するに至った。
【0015】即ち、本発明のインクジェット記録シート
は、支持体が、填料として炭酸カルシウムを含有し、該
支持体の表面に下記化2(構造式1)に示す蛍光増白剤
及びノナノール系浸透剤又はノニルフェノール系浸透剤
の少なくとも一種を塗工してなるものであり、且つステ
キヒトサイズ度が下記数2(数式1)の条件を満たす該
支持体上に、非球状カチオン性コロイダルシリカを主体
とするインク受理層を設けてなることを特徴とするもの
である。
【0016】
【化2】
【0017】
【数2】 15≦(ステキヒトサイズ度)×(60/絶乾坪量)2≦25 (数式1)
【0018】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、蛍光増白剤の塗工量としては、0.2〜1.5g/m2
であることが好ましい。
【0019】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、ノナノール系浸透剤又はノニルフェノール系浸透剤
の塗工量としては、0.001〜0.030g/m2である
ことが好ましい。
【0020】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、非球状カチオン性コロイダルシリカは、好ましくは
針状或は繊維状のものである。
【0021】以下、本発明のインクジェット記録シート
の構成について、詳細に説明する。本発明のインクジェ
ット記録シートの最表面層は、非球状カチオン性コロイ
ダルシリカを主体とするインク受理層塗液が塗工されて
いる。該非球状カチオン性コロイダルシリカを塗工する
理由として、記録面が均一に表面被覆されている場合、
インクジェットプリンターを使用して記録面にインクが
与えられたとき、インクの記録面方向の広がりを起こさ
ず、真円に近い記録ドットを表現することができる。こ
の理由としては、余剰インクがインク受理層面から原紙
の厚さ方向に浸透していくためである。
【0022】この記録面において、該非球状カチオン性
コロイダルシリカがパルプ繊維を充分に被覆している必
要がある。もし、該非球状カチオン性コロイダルシリカ
がパルプ繊維を充分に被覆していない場合、インクが記
録面方向に広がる比率が多くなり、結果として記録ドッ
トは、真円からはずれた形状となる。更に、原紙への浸
透も不規則となり、インクの滲みが現れる。
【0023】該非球状カチオン性コロイダルシリカを本
発明のインクジェット記録シートの支持体に低塗工量で
塗工する場合、適度のサイズ度があることで低サイズ度
のものに較べて、インク受理層塗液の不均一な吸収がな
いためと予想されるが、同一低塗工量では非球状カチオ
ン性コロイダルシリカによるインク吸収性や画像の鮮明
性への改良効果が発現しやすい。
【0024】このように該非球状カチオン性コロイダル
シリカを主体とするインク受理層が、本発明のインクジ
ェット記録シートの最表面層において低塗工量でもパル
プ繊維を充分に被覆できるような適度なサイズ性を有し
た支持体を抄造する具体的な手段としては、内添サイズ
の選定とその量のコントロール、表面サイズ処理といっ
た手段を単独、もしくは組み合わせて使うことである。
【0025】本発明のインクジェット記録シートに使用
される原紙には、填料として炭酸カルシウムが含有され
ている。このような場合、抄紙系は中性〜アルカリ側に
なる。この領域で効果的に作用する内添サイズ剤として
は、既に、上記で述べたようなAKD、ASAが代表的
である。更に、これらの他に紙パ技協誌第47巻第5号
のp31〜p34に紹介されているような中性ロジンサ
イズ剤、平成5年度紙パルプ技術協会年次大会講演要旨
集p215〜p220記載されるサイズ剤の主成分にα
−ヒドロキシカルボン酸構造を有した化合物を使ったサ
イズ剤、そして、カチオン性スチレン−アクリル共重合
体なども有効である。これらサイズ剤は単独で使用でき
るが、併用して使用することも可能である。
【0026】本発明のインクジェット記録シートには、
通常抄紙で使用する、染料、タルク、カオリン、二酸化
チタン等の填料、サイズ剤、定着剤、乾燥紙力増強剤等
を必要に応じて含有することができる。
【0027】上記で述べたこれら内添サイズの添加量の
コントロールに加えて、本発明のインクジェット記録シ
ートに用いられる原紙抄造の際に、サイズプレス処理を
施すことでより効率的に適度なサイズ度を有した支持体
を提供することが可能になる。本発明のインクジェット
記録シートにおいて、用いられる原紙に塗工するサイズ
プレス液には、中性紙に通常使用されている、スチレン
−アクリル酸、オレフィン−マレイン酸、アクリル酸、
スチレン−マレイン酸、スチレン−アクリル共重合物、
例えば、特開昭55−99909号公報、同57−24
363号公報等に開示されているようなスチレン及びア
クリル酸の共重合物、アルキルケテンダイマー、アクリ
ロニトリル/ビニルホルマール/アクリル酸エステル共
重合物を主成分とする表面サイズ剤や、酸化澱粉、燐酸
エステル化澱粉、カチオン化澱粉、自家変成澱粉及び各
種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ハイ
ドロキシルエチルセルロース、メチルセルロース、ポリ
ビニルアルコール又はそれらの誘導体を目的に応じて数
種類を混合して使用することが可能である。
【0028】本発明の表面サイズ液は、原紙表面に、サ
イズプレス、ゲートールコーター、ビルブレードコータ
ー、ブレードメタリングサイズプレス、ベルバパコータ
ー、ショートドゥエルコーター等に代表されるの各種ブ
レードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコータ
ー、カーテンコーター等の塗工機を用いて塗工すること
が可能である。
【0029】以上述べたような適度なサイズ性を有した
支持体に対して、非球状カチオン性コロイダルシリカを
塗工することで、インクの吸収性、画像の鮮明性は確か
に向上する。しかしながら、所謂、微塗工領域(0.5
〜5.0g/m2)では、支持体層でのインク吸収性につい
ては低サイズ度の原紙に較べて決して満足するものでは
ない。一般に、インクの吸収性が悪い場合には、印字さ
れた画像の変色といった問題が発生しやすい。
【0030】この画像の変色の問題に対して、本発明者
らは鋭意検討した結果、支持体の表面層にノナノ−ル系
浸透剤又はノニルフェノール系浸透剤のいづれか1種以
上と蛍光増白剤を支持体表面に塗工することで支持体層
にインク吸収性をもたせ、画像の変色が少ないインクジ
ェット記録シートを提供することを見い出した。
【0031】更に、浸透剤の中でも、加熱温度や加熱時
間の違いによる効果のバラツキが小さく、優れた特性が
得られるものにノナノ−ル系浸透剤又はノニルフェノー
ル系浸透剤があることを見い出し、ノナノ−ル系浸透剤
又はノニルフェノール系浸透剤のいづれか1種以上を、
塗工量として0.001〜0.030g/m2を支持体に塗
工することにより、インクの吸収ムラも無く、吸収速度
をも速くする効果が得られることを見い出した。
【0032】同時に、蛍光増白剤は、どの様に水性イン
クに作用するのかは明らかではないが、直接作用し、画
像の変色を抑制させる効果があることを見い出した。即
ち、支持体に塗工する蛍光増白剤の塗工量は、0.2〜
1.5g/m2であることが好ましい。ここで、塗工量が、
0.2g/m2未満では画像の変色防止が期待できない、し
かし、塗工量が、1.5g/m2を超えて多くても、それ以
上の改良は期待できず、コストが上がるだけである。
【0033】以上述べたように、該非球状カチオン性コ
ロイダルシリカを使った微塗工タイプにおいては、支持
体のサイズ性は、インクジェット記録シート全体の印字
特性に大きく影響を与える。そして、本発明者らは、上
記で述べたようなノナノ−ル系浸透剤又はノニルフェノ
ール系浸透剤のいづれか1種以上と蛍光増白剤を支持体
表面に塗工した該支持体のステキヒトサイズが、下記数
3(数式1)の条件を満足する時がインクジェット適性
として最適であることを見いだした。
【0034】
【数3】 15≦(ステキヒトサイズ度)×(60/絶乾坪量)2≦25 (数式1)
【0035】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、支持体のステキヒトサイズが下記数4の条件を満た
す時は、インクの吸収性は良いが、水性インクが支持体
層内部及び横方向へ拡散し、印字濃度が低く、ドット形
状も悪くなる。
【0036】
【数4】 (ステキヒトサイズ度)×(60/絶乾坪量)2<15 (数式2)
【0037】一方、支持体のステキヒトサイズが下記数
5(数式3)の条件を満たす時は、印字濃度及びドット
形状は改良されるが、インクの吸収速度が遅くなり、印
字濃度ムラが発生し、画像が変色する。更に、インクが
充分に吸収しきれないうちにインクジェット記録シート
が印刷機械内部で給紙ローラー等で擦られると印刷面や
機械内部が汚れることがある。
【0038】
【数5】 25<(ステキヒトサイズ度)×(60/絶乾坪量)2 (数式3)
【0039】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、上記で述べたように浸透剤と蛍光増白剤を表面塗工
した支持体上に、塗工される非球状カチオン性コロイダ
ルシリカの最大短径は、50nm以下、好ましくは30
nm以下である。最大短径が微小であればあるほど、パ
ルプ繊維への表面被覆が均一となり好ましい。又、該コ
ロイダルシリカの長さは、300nm以下、好ましくは
100nm以下である。これら該コロイダルシリカは、
通常水中に一次粒子径を維持した状態でコロイド状に分
散しているものを使用する。
【0040】本発明に用いられる非球状カチオン性コロ
イダルシリカとしては、該コロイダルシリカの表面をカ
チオン変性剤である金属酸化水和物を使用して被覆し、
カチオン変性にしたものである。本発明で言う非球状と
は、実質的に球状でないという意味であり、針状、柱
状、数珠状、棒状、板状、塊状、繊維状、紡錘状等各種
形態があるが、特に針状或は繊維状のものが好ましく用
いられる。
【0041】又、本発明のインクジェット記録シートに
用いられる非球状カチオン性コロイダルシリカとして
は、酸化アルミニウム水和物、酸化ジルコニウム水和
物、酸化錫水和物等の金属酸化水和物からなるカチオン
変性剤で被覆された該コロイダルシリカが好ましく用い
られ、特に酸化アルミニウム水和物でカチオン変性され
たものが好ましく用いられる。
【0042】カチオン変性の方法としては、米国特許第
3,007,878号明細書、特公昭47-26959号公報等に記載の
方法で行うことが出来る。
【0043】本発明のインクジェット記録シートに用い
られる非球状カチオン性コロイダルシリカにおいて、カ
チオン変性剤である金属酸化水和物の被覆量としては、
シリカ (SiO2換算)に対して金属酸化物換算で1〜
30重量%の範囲が有用である。カチオン変性剤の被覆
量が1重量%と少なすぎると、インクジェット記録シ−
トのインク記録された画像の耐水性が顕著に悪化し、逆
に多過ぎると被覆面の皮膜物性が脆弱となってヒビ割れ
を起こし、パルプ繊維表面の露呈が目立ってくる。該被
覆量として、好ましくは2.5〜25重量%、更に好ま
しくは5〜20重量%である。又、非球状カチオン性コ
ロイダルシリカの分散液中には、コロイド安定剤等の目
的で酢酸、クエン酸、硫酸、リン酸等の酸成分を含有し
てもよい。
【0044】本発明のインクジェット記録シートには、
非球状カチオン性コロイダルシリカに加えて、超微粒子
無機顔料を併用することができる。超微粒子無機顔料と
しては、以下のものを例示することができる。例えば、
シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水
和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性
アルミニウム酸化物又はその水和物、疑ベーマイト
等)、表面処理カチオン性コロイダルシリカ、珪酸アル
ミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム等が挙
げられ、一次粒子が多孔性であれば、なお好ましいが、
非多孔性であってもインク受理層塗液調製時に凝集した
り、塗工乾燥時に更に凝集し、パルプ繊維表面に多孔性
の表面被覆面が形成されることが好ましい。特に、本発
明においては、支持体表面のパルプ繊維1本1本に繊維
の幅の数100分の1以下の平均粒子径を有する非球状
カチオン性コロイダルシリカを用いてパルプ繊維自体を
薄く被覆することが好ましい。
【0045】更に、超微粒子無機顔料と併用することの
できる無機顔料は、従来公知の如何なるものも用いるこ
とができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カ
ルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜
鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、
珪酸カルシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニウ
ム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化
マグネシウム等を挙げることができる。これら該無機顔
料の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非
晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ
等が挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質
シリカが好ましい。又、スチレン系プラスチックピグメ
ント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレ
ン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有
機顔料等を上記超微粒子無機顔料と共に併用することも
できる。
【0046】非球状カチオン性コロイダルシリカと共に
使用されるバインダーとして、例えば、ポリビニルアル
コール、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース
等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋
白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マレイン
酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタク
リレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合
体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エ
ステルの重合体又は共重合体、アクリル酸及びメタクリ
ル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテッ
クス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体
ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボキシル
基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテッ
クス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等
の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート、ポリウ
レタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッ
ド樹脂等の合成樹脂系バインダーを挙げることができ、
少なくとも1種以上で使用することができる。又、従来
公知の染料を定着する目的として添加するカチオン性樹
脂を併用することもできる。
【0047】バインダーの総量は、目的とするインクジ
ェット記録シートの特性に合わせて、適宜調整すること
が出来るが、一般には、顔料100重量%に対して、5
〜60重量%である。
【0048】更に、その他の添加剤として、顔料分散
剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、
発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化
剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合する
こともできる。
【0049】本発明において、インク受理層の塗工量に
ついては、特に限定するものではない。通常、普通紙ラ
イクを指向する場合には、0.5〜5g/m2が好ましい
が、これ以上塗工してもよい。
【0050】塗工方法としては、各種ブレードコータ、
ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッ
ドコータ、ゲートロールコータ、カーテンコータ、ショ
ートドウェルコータ、グラビアコータ、フレキソグラビ
アコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或は
オフマシンで用いることができる。又、塗工後には、マ
シンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダ
ー、ソフトカレンダー等のカレンダーを用いて仕上げて
も良い。
【0051】本発明で云う水性インクとは、下記の着色
剤、液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。
【0052】着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩
基性染料、反応性染料或は食品用色素等の水溶性染料が
挙げられる。
【0053】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等
の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコ
ール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリ
エチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリ
コール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エー
テル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げら
れる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチ
レングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエ
ーテルが好ましい。
【0054】その他の添加剤としては、例えば、PH調
節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調
整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が挙げられ
る。
【0055】本発明におけるインクジェット記録シート
は、インクジェット記録シートとしての使用に留まら
ず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記
録シートとして用いることもできる。例えば、熱溶融性
物質、染顔料等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フ
ィルム、高密度紙、合成紙等の薄い支持体上に塗工した
インクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶融さ
せて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性インク
を加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジェッ
ト記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインクを用
いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー及び
無色又は有色の染顔料を内包したマイクロカプセルを用
いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シート等が
挙げられる。
【0056】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化又は定着までに、記録シートのインク受理層の
深さ方向又は水平方向に対して浸透又は拡っていく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録シートとして利用しても何ら
制限しない。
【0057】更に、複写機・プリンター等に広く使用さ
れている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録
シートとして、本発明におけるインクジェット記録シー
トを使用することもできる。
【0058】本発明の原紙に使用されるパルプとして
は、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、
TMP、故紙パルプ等が挙げられる。使用に当っては、
それらを数種類目的に応じた比率で混合して用いること
ができる。
【0059】
【作用】本発明のインクジェット記録シートは、支持体
が、填料として炭酸カルシウムを含有し、構造式1に示
す蛍光増白剤及びノナノール系浸透剤又はノニルフェノ
ール系浸透剤の少なくとも一種を塗工したもので、更
に、該支持体が、ステキヒトサイズ度が数式1の条件を
満たすものであり、該支持体上に、非球状カチオン性コ
ロイダルシリカを主体とするインク受理層塗液を塗工す
ることによって、インクの滲みムラがなくインク吸収性
に優れ、記録された画像の濃度や鮮明性が高く、真円に
近い記録ドットが得られるインクジェット記録シートを
提供することが可能となった。
【0060】
【実施例】以下では、本発明を実施例により詳細に説明
する。調製例1〜6については、本発明におけるインク
ジェット記録シートの支持体を作製するための原紙の調
製に関するものである。従って、調製例1〜6における
原紙は、その表面になんら塗布及び塗工処理が施されて
ないものである。なお、本発明は、実施例に限定される
ものではない。以下における部、%はすべて重量による
ものである。又、塗抹量を示す値は断わりのないかぎり
乾燥後の重量である。
【0061】調製例1 D.D.R.でろ水度380ml(C.S.F.)まで
叩解したLBKPと450ml(C.S.F.)まで叩
解したNBKPを重量比で7:3の割合に混合したパル
プ100部に対して、軽質炭酸カルシウム(商品名;T
P121、奥多摩工業社製)を10部、硫酸バンドを固
型分として0.6部、両性でんぷん(商品名;ケイト3
210、王子ナショナル社製)を0.8部、AKDサイ
ズ剤(商品名;サイズパインK903、荒川化学社製)
を固型分として0.05部添加し、坪量64g/m2、水分
5.5%の紙をフォードリニア型抄紙機により抄造し、
ステキヒトサイズ度6秒の原紙を製造した。
【0062】調製例2 調製例1で添加するAKDサイズ剤の添加量を0.10
部とした以外は、調製例1と同一の方法でステキヒトサ
イズ度20秒の原紙を製造した。
【0063】調製例3 調製例1で添加するAKDサイズ剤の添加量を0.20
部とした以外は、調製例1と同一の方法でステキヒトサ
イズ度30秒の原紙を製造した。
【0064】調製例4 調製例1で添加するサイズ剤を中性ロジンサイズ剤(商
品名;NT−80、荒川化学社製)とし、添加量を0.
40部とした以外は、調製例1と同一の方法でステキヒ
トサイズ度18秒の原紙を製造した。
【0065】調製例5 調製例1で添加するサイズ剤をα−ヒドロキシカルボン
酸構造を有する合成サイズ剤(商品名;KS−951、
荒川化学社製)とし、添加量を0.20部とした以外
は、調製例1と同一の方法でステキヒトサイズ度20秒
の原紙を製造した。
【0066】調製例6 調製例1で添加するAKDサイズ剤の添加量を0.10
部、坪量を50g/m2とした以外は、調製例1と同一の方
法でステキヒトサイズ度12秒の原紙を製造した。
【0067】又、インクジェット記録シートの作製につ
いては、上記により作製した調製例1〜6の原紙を使っ
て、以下の実施例又は比較例に従ってインクジェット記
録シートを作製した。
【0068】実施例1 調製例2の原紙に、サイズプレスで酸化澱粉(商品名;
MS3800、日本食品加工社製)の塗工量が1.0g/
m2、スチレンアクリル系表面サイズ剤(商品名;KN5
00、播磨化成社製)の塗工量が0.03g/m2、ノニル
フェノ−ル系浸透剤(商品名;リポノックスNC15
0、ライオン社製)の塗工量が0.01g/m2、そして蛍
光増白剤(商品名;ユービテックスERN、チバガイギ
ー社製)の塗工量が0.2g/m2となるように塗工し、乾
燥した支持体に、インク受理層組成物として、針状のコ
ロイドダルシリカをシリカ(SiO2 換算)に対しAl
23換算で約6.2重量%の酸化アルミニウム水和物に
より変性した針状のカチオン変性コロイダルシリカの1
0%水分散液(粒径;幅10〜20nm×長さ50〜2
00nm)1000部、接着剤としてポリビニルアルコ
ールの10%水溶液(PVA117、クラレ社製)30
0部、染料定着剤としてカチオン性樹脂の60%水溶液
(ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9me
q./g、昭和高分子社製)50部を主成分とする固形
分濃度10%のインク受理層塗液をロッドコータを用い
て塗工量2.0g/m2塗工、乾燥し、カレンダー仕上げし
てインクジェット記録シートを得た。
【0069】実施例2 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を0.1g/m2
した以外は、実施例1と同一の方法で調製してインクジ
ェット記録シートを得た。
【0070】実施例3 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を1.0g/m2
した以外は、実施例1と同一の方法で調製してインクジ
ェット記録シートを得た。
【0071】実施例4 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を1.5g/m2
した以外は、実施例1と同一の方法で調製してインクジ
ェット記録シートを得た。
【0072】実施例5 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を0.5g/m2
浸透剤の塗工量を0.0005g/m2とした以外は、実施
例1と同一の方法で調製してインクジェット記録シート
を得た。
【0073】実施例6 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を0.5g/m2
浸透剤の塗工量を0.001g/m2とした以外は、実施例
1と同一の方法で調製してインクジェット記録シートを
得た。
【0074】実施例7 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を0.5g/m2
浸透剤の塗工量を0.03g/m2とした以外は、実施例1
と同一の方法で調製してインクジェット記録シートを得
た。
【0075】実施例8 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を0.5g/m2
浸透剤の塗工量を0.05g/m2とした以外は、実施例1
と同一の方法で調製してインクジェット記録シートを得
た。
【0076】実施例9 インク受理層組成物の組成比を実施例1と同一にし、イ
ンク受理層塗液濃度を13.0%とし、塗工量を2.5
g/m2にする以外は、実施例1と同一の方法で調製してイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0077】実施例10 インク受理層組成物の組成比を実施例1と同一にし、イ
ンク受理層塗液濃度を13.0%とし、塗工量を3.0
g/m2にする以外は、実施例1と同一の方法で調製してイ
ンクジェット記録シートを得た。
【0078】実施例11 実施例1で使用した浸透剤をノナノール系浸透剤(商品
名;ラオールXA60−50、ライオン社製)に代え、
浸透剤の塗工量を0.001g/m2、蛍光増白剤の塗工量
を0.5g/m2とした以外は、実施例1と同一の方法で調
製してインクジェット記録シートを得た。
【0079】実施例12 実施例1で使用した浸透剤をノナノール系浸透剤(商品
名;ラオールXA60−50、ライオン社製)に代え、
浸透剤の塗工量を0.03g/m2、蛍光増白剤の塗工量を
0.5g/m2とした以外は、実施例1と同一の方法で調製
してインクジェット記録シートを得た。
【0080】実施例13 実施例1で使用した原紙を調製例4の原紙に代えた以外
は、実施例1と同一の方法で調製してインクジェット記
録シートを得た。
【0081】実施例14 実施例1で使用した原紙を調製例5の原紙に代えた以外
は、実施例1と同一の方法で調製してインクジェット記
録シートを得た。
【0082】実施例15 実施例1で使用した原紙を調製例6の原紙に代えた以外
は、実施例1と同一の方法で調製してインクジェット記
録シートを得た。
【0083】実施例16 実施例1で調製例2の原紙に、サイズプレスで酸化澱粉
(商品名;MS3800、日本食品加工社製)の塗工量
が0.5g/m2になるように塗工した後、再び、酸化澱粉
(商品名;MS3800、日本食品加工社製)の塗工量
が1.5g/m2、スチレンアクリル系表面サイズ剤(商品
名;KN500、播磨化成社製)の塗工量が0.03g/
m2、ノニルフェノ−ル系浸透剤(商品名;リポノックス
NC150、ライオン社製)の塗工量が0.01g/m2
そして蛍光増白剤(商品名;ユービテックスERN、チ
バガイギー社製)の塗工量が0.2g/m2となるようにブ
レードコーターで塗工し、乾燥した支持体を使用した以
外は、実施例1と同一の方法でインクジェット記録シー
トを得た。
【0084】比較例1 実施例1で使用するインク受理層組成物をポリビニルア
ルコールの10%水溶液(PVA117、クラレ社製)
300部、染料定着剤としてカチオン性樹脂の60%水
溶液(ポリフィックス601、カチオン荷電量6.9m
eq./g、昭和高分子社製)50部を主成分とする固
形分濃度10%のインク受理層塗液にする以外は、実施
例1と同一の方法で調製してインクジェット記録シート
を得た。
【0085】比較例2 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工量を0.5g/m2
浸透剤を塗工しなかったこと以外は、実施例1と同一の
方法で調製してインクジェット記録シートを得た。
【0086】比較例3 実施例1で使用した蛍光増白剤の塗工せず、浸透剤の塗
工量を0.01g/m2とした以外は、実施例1と同一の方
法で調製してインクジェット記録シートを得た。
【0087】比較例4 実施例1で使用した原紙を調製例1の原紙に代え、蛍光
増白剤の塗工量を1.0g/m2とした以外は、実施例1と
同一の方法で調製してインクジェット記録シートを得
た。
【0088】比較例5 実施例1で使用する原紙を調製例3の原紙に代え、蛍光
増白剤の塗工量を1.0g/m2とした以外は、実施例1と
同一の方法で調製してインクジェット記録シートを得
た。
【0089】実施例1〜16及び比較例1〜5で作製し
たインクジェット記録シートについて、以下の評価を行
った。評価結果は、下記表1に示した。
【0090】[鮮明性]画像の鮮明性は、インクジェッ
トプリンタ(IO−720:シャープ株式会社製)を用
いて、重色ベタ印字部分の境界、例えば、赤印字(マゼ
ンタ+イエロー)と緑印字(シアン+イエロー)の境界
部分のインクのにじみ具合いを、目視で判定した。赤印
字部分と緑印字部分が重ならず、分離している場合を特
性良好とし、重なりが大きくなって黒線状になる場合を
特性不良とした。なお、評価基準として、○は特性が良
好、△は実用上問題ない範囲で良好、×は実用上問題を
示す。
【0091】[サイズ度]又、サイズ度はJIS P8
122に準じてステキヒト法で測定した。
【0092】[絶乾坪量]絶乾坪量は、JIS P81
27を参考に、支持体試料の絶乾質量を求め、この絶乾
質量より求めた。
【0093】[画像濃度と変色性]画像濃度は、インク
ジェットプリンタ(IO−720:シャープ株式会社
製)を用いて、ブラックインクをベタ印字した部分を、
反射濃度計(マクベスRD918;マクベス社製)を用
いて測定した。数値が高いほど画像濃度が高く良好であ
るが、通常1.20以上あれば良好である。画像の変色
については、作製したインクジェット記録シートのベタ
印字し、そのベタ印字部分の赤変化状態を色彩色差計
(CR200、ミノルタカメラ社製)を用いて評価し
た。ベタ印字部分を充分乾燥させてから、a値(L**
*表色系)を測定し、a値が2.0以下を○、2.0
〜2.6を△、2.6以上を×として評価した。a値
は、2.6以上であるとき、実用上問題となるレベルで
ある。
【0094】
【表1】
【0095】上記表1に記載されているステキヒトサイ
ズ度は、支持体のサイズ度である。表1において、実施
例1、9、10と比較例1とを比較すると、非球状カチ
オン性コロイダルシリカを塗工した場合には、画像の変
色がなく、鮮明な画像の印字が可能になることがわか
る。
【0096】実施例1〜4と比較例3とを比較すると、
蛍光増白剤を支持体表面に塗工することにより、画像の
変色が抑えられ、過剰に塗工しても効果は飽和してしま
うことがわかる。又、蛍光増白剤の効果が顕著に現れる
塗工量としては、0.2〜1.5g/m2であることがわか
る。
【0097】実施例5〜8と比較例2とを比較すると、
支持体表面に浸透剤を塗工することで支持体層のインク
の吸収性が向上し、ベタ印字の変色が抑えられることが
わかる。しかしながら、過剰に浸透剤を塗工すると画像
濃度が低下し、鮮明性も低下することがわかる。浸透剤
の効果の最適塗工量としては、0.001〜0.030
g/m2であることがわかる。
【0098】実施例3、15と比較例4、5とを比較す
ると、支持体のサイズ性が画像の変色、鮮明性に影響を
与えることがわかり、サイズ性としてはステキヒトサイ
ズ度が上記数式1の条件を満たすことが必要であること
がわかる。
【0099】実施例6、7と実施例11、12とを比較
すると、支持体表面に塗工する浸透剤として、ノニルフ
ェノール系浸透剤もノナノール系浸透剤と同等の効果が
あることがわかる。
【0100】実施例1、13、14を比較すると、支持
体に使用している内添サイズ剤の影響はほどんとなく、
中性領域で使用できるサイズ剤は、本発明のインクジェ
ット記録シートの原紙の内添サイズとして使用できるこ
とがわかる。
【0101】実施例1と実施例16とを比較した場合、
本発明における非球状カチオン性コロイダルシリカを主
体とするインク受理層が接する支持体の表面に特定の蛍
光増白剤と浸透剤を塗工し、ステキヒトサイズ度が上記
数式1を満たす限り、塗工方法によって本発明の蛍光増
白剤と浸透剤の効果が損われないことがわかる。
【0102】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは、
填料として炭酸カルシウムを含有し、特定の蛍光増白剤
と浸透剤を一定量塗工してなり、適度なサイズ性を有す
る支持体に、非球状コロイダルシリカを主成分とするイ
ンク受理層塗液を塗工することによって、インクの滲み
ムラがなくインク吸収性に優れ、記録された画像の濃度
や鮮明性が高く、真円に近い記録ドットが得られるイン
クジェット記録シートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松下 壽彦 東京都千代田区丸の内3丁目4番2号三菱 製紙株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体が、填料として炭酸カルシウムを
    含有し、該支持体の表面に下記化1(構造式1)に示す
    蛍光増白剤及びノナノール系浸透剤又はノニルフェノー
    ル系浸透剤の少なくとも一種を塗工してなるものであ
    り、且つステキヒトサイズ度が下記数1(数式1)の条
    件を満たす該支持体上に、非球状カチオン性コロイダル
    シリカを主体とするインク受理層を設けてなることを特
    徴とするインクジェット記録シート。 【化1】 【数1】 15≦(ステキヒトサイズ度)×(60/絶乾坪量)2≦25 (数式1)
  2. 【請求項2】 蛍光増白剤の塗工量が、0.2〜1.5
    g/m2であることを特徴とする請求項1記載のインクジェ
    ット記録シート。
  3. 【請求項3】 ノナノール系浸透剤又はノニルフェノー
    ル系浸透剤の塗工量が、0.001〜0.030g/m2
    あることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェ
    ット記録シート。
  4. 【請求項4】 非球状カチオン性コロイダルシリカが、
    針状或は繊維状のものであることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれか1項記載のインクジェット記録シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0754560A1 (en) * 1995-07-20 1997-01-22 Océ-USA Inc. Color ink jet recording sheet
JP2018089796A (ja) * 2016-11-30 2018-06-14 大王製紙株式会社 インクジェット記録用紙及びインクジェット記録用紙の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0754560A1 (en) * 1995-07-20 1997-01-22 Océ-USA Inc. Color ink jet recording sheet
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