JPH0767486B2 - 組織増加のための医学用パテ - Google Patents

組織増加のための医学用パテ

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JPH0767486B2
JPH0767486B2 JP61500745A JP50074586A JPH0767486B2 JP H0767486 B2 JPH0767486 B2 JP H0767486B2 JP 61500745 A JP61500745 A JP 61500745A JP 50074586 A JP50074586 A JP 50074586A JP H0767486 B2 JPH0767486 B2 JP H0767486B2
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エステイー．ジヨン，ケネス
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は硬−および軟組織置換物の増加のために医療上
使用する成形可能のパテに関するものである。より詳し
く述べるならば本発明は“湯（hot water）”の温度で
は成形可能で、その温度範囲より十分に低い温度ではそ
の形を保ち、そして組織成長増加物質を含む、ポリマー
から成る複合体に関するものである。
背景技術 支持組織および結合組織、特に骨物質のような硬組織の
置換または再生は、種々の有機−および無機物質の存在
または適用によつて増加することは古くから知られてい
る。例えば米国特許第4,440,750号は、骨形成性である
ことが判明した多数の化合物を詳細に記載し、骨再生を
高めるか促進することが必要な場合−例えば遺伝的異常
および外傷性損傷の症例−にそのような骨形成物質を使
用する方法および製法について説明している。
同様に、組織再生が望まれ、場合によつてはその代りに
軟骨または骨のような硬−または軟−再生組織で埋めて
もよい空間を占めるように計画された、軟かい、または
成形可能の重合物質を含む、多数の組織増加複合物が知
られている。そのような発明に関する参照文献の中には
米国特許第4,424,208号および第4,347,234号がある。特
に後者は、燐酸三カルシウムのような骨形成物質を含
む、コラーゲン−ベースの成形物（shaped mass）につ
いて述べている。米国特許第4,424,208号および第4,34
7,234号どちらの移植物材料も、重合物（polymeric mas
s）を形成するための結合剤としてコラーゲンを用いて
いる。
同様な材料が、米国特許第3,949,073号の別法によつて
提供される。この特許は、所望の部位に注入または移植
され、注入されると直ちに重合して安定な形状となる、
コラーゲン−ベースの溶液を記載している。この文献も
コラーゲンポリマーに加えて組織増加剤を使用すること
を示唆している。
米国特許第3,919,773号は骨組織置換の別法をとり上げ
ている。それは、特に歯科または口腔外科において、抜
歯後に歯槽が露出した場合や同様な隙間が歯骨に形成さ
れる場合のために用いるように設計された骨置換物また
は移植物について記載している。したがつて、米国特許
第3,949,073号とは対照的に合成ポリマーから成る重合
可能材料を歯槽に注入し、その中で速やかに重合させ、
硬化した永久的固定物を形成する。置換ではなく、その
後の移植物への組織結合を高めるために、重合に先立つ
てその材料に、口腔に普通存在する体液に溶けるばらば
らの粒子を加える。この粒子が溶ける時、移植物は多孔
性になり、その孔に結合組織が入つて結合を高める。
完全な生物体被吸収性（bioabsorbability）を有するた
めに一般に外科的−製品または−器具として有用な純粋
な合成ポリマーも当業者には一般に公知である。例えば
米国特許第4,243,775号はクラチツドおよびグリコリド
を基にしたポリマーを記載する、これは重合した時に医
科用縫合糸または同様な無菌外科製品になるように設計
される。しかしながら、この参考文献のポリマーは成形
可能ではなく、結合組織の増加または結合組織による置
換に適しているとは述べられていない。
その他の関連技術としては、特に整形外科等の症例にお
いて骨の出血を抑制するように設計された種々の止血材
料もある。数種類の組成物が概して米国特許第4,439,42
0号；第4,440,789号および第4,443,430号に記載されて
いる。これらの組成物は治癒過程には有用であり、骨お
よび類似の結合組織の外科的−または外傷性損傷に必要
な補助物質であるとはいえ、それらは、移植物を再生組
織が置換するための“足場（scaffolds）”またはその
基礎としては役立たないし、その組織の再生を十分に促
進することもない。
上記の医科用製品および組成物のすべては、移植物の再
生組織による置換および骨形成物質の供給の両面におい
て硬−および軟結合組織を増加するための一時的（仮
の）形として用いる医科用パテとしては、いくつかの欠
点を有する。患者の体内への挿入の前に成形不可能のこ
れらの組成物には、空間、隙間または空所を完全に埋め
ることができないとか、たまたま硬−または軟組織によ
つて置換される場合に足場が所望の形にデザインまたは
成形できないという非常に困難な問題がある。特に、空
所または腔全体を移植物で埋める可能性を提供するだけ
の、その場（in situ）で重合可能に設計された組成物
において問題である。
コラーゲンを主にし、骨形成物質を含み、体外で成形さ
れるようにデザインされた組成物−例えば米国特許第4,
347,234号の組成物−はその場での重合法に代る方法を
可能にするとはいえ、コラーゲン−ベース−ポリマーに
頼ることは、それはそれでまた問題を生じる。詳述する
と、コラーゲンは一般には生体適合性であるとはいえ、
完全には生体内で分解もされず吸収もされない、例えば
移植物は再生組織に吸収されずに再生組織にとり囲ま
れ、長期間傷領域にとどまる。その上、コラーゲンは主
としてウシからとつた有機物質であるから、重大なアレ
ルギー反応の問題をおこす可能性があり、患者の免疫系
に一般的障害をおこす可能性がある。さらに、コラーゲ
ンの無菌性を保証することはむづかしく、これと関連す
る貯蔵上の要求事項は全く広範で、費用がかかる。コラ
ーゲンまたはコラーゲン−ベース−ポリマーの使用によ
りおこるその他の不都合はそのポリマーの成形適性であ
る。ポリマーが体外で成形可能であることが所望である
とはいえ、ひとたび挿入されたならば、ポリマーは加え
られた圧力による形の永久的変化に抵抗するのが好まし
い、口腔−または歯科手術が関係する場合には特にそう
である。例えば、口腔手術で下顎骨または上顎骨喪失の
ために移植物または置換物を挿入した後には、患者は再
び噛むこと等が所望であり、必要である。これらの行為
によつてかかる圧力および応力は、移植後も成形可能の
ままである移植物を変形させ、移植した製品の価値およ
び有効性をだめにし、少くとも減少させる。したがつ
て、軟−および硬組織再生および置換のための使用に適
した、安定だが成形可能の移植材料が相変らず必要とさ
れる。
発明の開示 本発明の目的は軟−および硬結合組織の再生および置換
のために適した移植物材料を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、手術室または医学的環境に
おいて達する温度では成形可能であるが移植中および移
植後は安定している移植物材料を提供することである。
本発明のさらにもう一つの目的は、生体適合性および生
体被吸収性を示し、再生結合組織によつて置換される材
料を提供することである。
これ以下の記載により完全に説明されるこれらおよびそ
の他の目的は、ラクチツドとε−カプロラクトンとの共
重合体から成り、骨組織再生が所望である場合にはその
他に骨形成物質を含む移植物材料を提供することにより
達せられる。その共重合体は一般には主要量のε−カプ
ロラクトンと少量のラクチツドとを含有する。好ましい
範囲はε−カプロラクトン60〜95％、ラクチツド40〜５
％である。特に好ましいものは、ε−カプロラクトン／
ラクチツドが75％/25％である混合物とされよう。
骨形成物質としては、上に参照した米国特許第4,440,75
0号に記載のような、当業者には一般に知られている物
質が挙げられる。詳述すると、Ｂ−燐酸三カルシウム、
ハイドロキシアパタイト（hydroxyapetite）、アルミノ
−カルシウム−酸化第一燐（ALCAP）、異型移植（allog
raft）−または自原（autogenous）骨片、または鉱物質
除去−骨である。硬組織の増加、刺激または置換を目的
とする同様な粉末状または粒状物質も適している。
フイラーを含まない、成形可能のポリマーそのものは、
手で成形し、形成された空所を埋め、その後徐々に軟組
織によつて置換されるパテとして有用である。
その他の実施例において、移植物ポリマーはさらに、切
つた炭素繊維を含んでもよい。炭素繊維は結合組織の再
生を改善し、特にその方向性を良くし、その成長を促進
する。これは勿論、炭素繊維の長いより糸を被覆して挿
入し、人工腱または人工靱帯として役立てる実施例とは
区別するべきである。
一般的指針としては、移植物の成形適性または有効性に
影響を与えることなく移植物に挿入できるフイラーまた
は骨形成物質の量は50重量％までである。
発明の詳細な説明 本発明の移植物に用いられるε−カプロラクトン／ラク
チツド共重合体は広く開示され、1983年５月５日提出の
米国特許出願第491,927号とその同時係属出願中に詳し
く説明され、請求されている。それに関する開示はこれ
を参照することによつてここに挿入される。そのポリマ
ーそれ自体が発明全体を構成するわけではないがその特
性はここでは非常に重要であるから、その製法を以下に
記す。
本発明のポリマーはラクチツドとε−カプロラクトンと
の共重合体である。ラクチツドとε−カプロラクトンと
の比率は、ε−カプロラクトンがラクチツドとε−カプ
ロラクトンとの混合物中においてラクチツドより多けれ
ば、反応して共重合体を形成する限りにおいて、かなり
広い範囲に変化し得る。反応し合つて共重合体を形成す
るラクチツドおよびε−カプロラクトン混合物における
ε−カプロラクトンの濃度は、混合物の全重量を基にし
て約60〜約95重量％であるのが好ましい。反応し合つ
て、共重合体を形成するラクチツドおよびε−カプロラ
クトン混合物におけるラクチツドの濃度は、混合物の全
重量を基にして約40〜５重量％の範囲にある。最も好ま
しいのは、約75重量％ε−カプロラクトンと約25重量％
ラクチツドの混合物を用いて、強靱で、すぐれた伸び
率、大きい引張り強度を示し、平均分子量が約200,000
〜500,000である、所望の共重合体を製造することであ
る。
本発明のラクチツドは一般式（Ｉ） で示される。
本発明により用いられるラクチツドは、光学的に活性で
あつても（例えばＬ−（−）ラクチツド）、光学的に不
活性でも（例えばD,L−ラクチツド）よい。Ｌ−（＋）
−乳酸の環式二量体であるＬ−（−）−ラクチツドは市
販されている。Ｌ−（−）−ラクチツドは分子量144の
白色粉末である。所望ならば、市販のＬ−（−）−ラク
チツドを無水メチルイソブチルケトン、酢酸エチルまた
はアセトンから再結晶させることによつて精製すること
ができる。Ｌ−（−）−ラクチツドの純白結晶は約95〜
98℃で融ける。D,L−ラクチツドはD,L−乳酸の環式二量
体で、市販されている。D,L−ラクチツドは、D,D−,L,L
−およびD,L−ラクチツドの混合物であることがよくあ
る。そこで、ここで用いる“D,L−ラクチツド”という
用語は、D,L−ラクチツドおよび、これとD,D−および／
またはL,L−ラクチツドとの混合物を含む。D,L−ラクチ
ツドは分子量144の白色粉末である。Ｌ−（−）−ラク
チツドの場合のように、市販のD,L−ラクチツドは一般
的方法、すなわち無水メチルイソブチルケトン、酢酸エ
チルまたはアセトンからの再結晶によつて精製すること
ができる。得られた純白結晶は約115〜129゜で融ける。
本発明のε−カプロラクトンは、一般式（II） に相当する。
本発明によつて用いられるε−カプロラクトンは市販さ
れている。市販のε−カプロラクトンを真空蒸溜によつ
て精製することができる。すなわち、56〜57℃/0.4torr
で留出する部分を集める。ε−カプロラクトンは水のよ
うに澄明で、ガスクロマトグラフイーで単一のピークを
示す。
本発明にしたがつてラクチツド／ε−カプロラクトン共
重合体を製造する場合、その反応を大気圧で、液相で
（溶融液として、また不活性な液体希釈物中で）、触媒
の存在下、例えば窒素のような不活性ガス中で行うのが
好ましい。共重合体は、閉じた、真空容器中で製造する
こともできる。重合を空気の存在下で行う場合、変色が
おこり、その結果ポリマーの特性は破壊される。このプ
ロセスは、ラクチツドの融点より高い、いかなる温度で
行つてもよいが、ラクチツドの融点より10℃高い温度が
好ましい。しかし約200℃の温度は、共重合体の質が低
下する傾向になるため好ましくない。反応物を不活性液
体の分散または溶解するのであれば、ラクチツドの融点
以下の温度を用いることができる。反応温度をラクチツ
ドの融点から200℃までの範囲で高くして行くと、一般
に重合速度は大きくなる。ラクチツドとε−カプロラク
トンとの混合物が約140〜150℃の温度で反応するのが好
ましい。
本発明によつて用いられる触媒は、カルボン酸の金属エ
ステルである。カルボン酸は18までの炭素原子を含むの
が好ましい。そのような酸の例は、蟻酸、酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、バレリル酸、カプロン酸、カプリル酸
（オクタン酸）、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン
酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸および
安息香酸である。好ましいエステルは18個までの炭素原
子を含むカルボン酸の錫−および亜鉛エステルである。
オクタン酸錫およびオクタン酸亜鉛で良い結果が得られ
た。好ましい触媒濃度は、ラクチツドとε−カプロラク
トンとの総重量に対して、約0.01〜約1.0重量％の範囲
である。約0.02〜約0.03重量％の範囲内の触媒濃度を用
いて良い結果が得られた。特定の場合の正確な触媒量
は、用いる触媒、および時間、温度および圧力を含む操
作変数に大きく依存する。
反応時間は、大ていの場合、その他の作用変数を−例え
ば温度、圧力、触媒、触媒量−および液体担体を用いる
かどうかに支配される。一般に、反応時間は、用いる条
件の特定の組み合わせによつて、数時間から数日の範囲
内である。例えば、触媒濃度が約0.02重量％の時、大気
圧で140℃で塊状重合反応を完了するには最低48時間か
かる。重合は常に、それ以後の反応が検出されなくなる
まで行われる。その時点は、例えば熱重量分析（TGA）
を用いて、モノマー反応体対反応時間の変換率（percen
t conversion）をモニターすることにより簡単に決める
ことができる。
一般に、活性水素を含む不純物がないようにして重合を
行うことが好ましい。なぜならばそのような不純物の存
在は触媒を不活性化し、そして／または誘導時間を長く
するからである。ほとんど無水の状態で重合を行うこと
も好ましい。
本発明の共重合体は塊状重合によつて製造することがで
きる。重合は次のような、不活性で普通は液体の有機担
体の存在下で行うことができる。ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等のような芳香族炭化水素；
アニソール、エチレングリコールのジメチルエステルと
ジエチルエステルのような含酸素有機化合物；開環した
ものを含む、普通は液体の飽和炭化水素並びに環式−お
よびアルキル置換環式不飽和炭化水素−例えばヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、アルキルシクロヘキサ
ン、デカヒドロナフタレン等。
重合プロセスは、常法−例えばバツチー、半連続−また
は連続プロセスで行われる。反応容器は、ポリマーの製
造に一般的に用いられる器具でよい。モノマー反応体は
一般的重合法による任意の順序で混合することができ
る。
本発明の一つの観点は、上記の方法にしたがい、ε−カ
プロラクトンが多く存在する状態で製造した上に開示し
たポリマーは、室温および約38℃（100゜Ｆ）までの温
度では強靱な弾性ポリマーであるが、それより明らかに
高い温度、特に約46〜71℃（115〜116゜Ｆ）の“湯（ho
t water）”の温度では、ポリマーは成形可能になり、
それを湯に浸してそれから外科医または他の保健従事者
が結合組織による置換のために望ましい正確な形、また
は例えば歯科手術後に生じた空所の正確な形に形づける
ことができるということが発見されたことである。注目
すべきことに、ひとたび移植された、ポリマー移植物は
徐々に再生組織によつて置換されるまでその形を保つて
いる。このことは歯科または口腔外科等に応用する場
合、すなわち、先行技術の移植物が完全に変形するよう
な力のかかる関節等と結合している組織の修復または再
生に関係して用いる場合、極めて重要である。
上述のように、本発明の特に好ましい実施例は軟骨また
は骨のような結合組織の代替物となるだけでなく、その
再生を早め、または促進もする移植物の使用を含む。こ
の目的のためには、特に骨組織の再生において、骨形成
物質を好ましくは粉末または小粒状物質の形で、移植物
に加えることができる。骨形成物質は、一般には、移植
物の共重合体の物理的性質が影響を受けるレベルまでの
量ならばいかなる量でも混合できるとはいえ、一般的に
好ましい範囲は50重量％である。こうしてＢ−燐酸三カ
ルシウム、ヒドロキシアパタイト、アルミノ−カルシウ
ム−酸化第一燐、異型移植または自原骨片、鉱物質除去
骨、および同様な粉末状または粒状物質をポリマーに加
えることができる。これらの物質は重合中にそれを加え
るという方法で加えてもよいし、より好ましくは、重合
がおきた後で、ポリマーが最終的状態まで硬化する前に
それを導入する。少量の骨形成物質の存在でさえ骨物質
の再生を劇的に改善する。
結合組織を再生するもう一つの実施例では切つた炭素繊
維を請求の発明のポリマー移植物に混合することを企画
している。別の出願において、切つた炭素繊維はすぐれ
た軟組織再生効果をもつことが示されているが、本発明
のポリマーから成る移植物にそれを加えると、同様な改
善が確実になる。こうして、本願発明の炭素繊維混合移
植物は、米国特許第4,129,470号に示唆された先行技術
の移植物に比べて、炭素繊維片を、単に生体適合性の材
料であるよりも参照のPTFEのような生体被吸収性材料に
配合したことによる異なる利点を有する。この主の移植
物は一般に、上に参照の同時係属米国特許出願第491,92
7号に開示される移植物とは区別すべきである。この出
願の一部には、ここに用いられるものとよく似たポリマ
ーに炭素繊維の長いより糸を挿入した、組織の再生が実
現するまで人工的部分器官としてはたらく人工的靱帯ま
たは腱について記載されている。
本願発明が先行技術よりすぐれていることは直ちにわか
る。先行技術のコラーゲン−ベース−移植物とは違つ
て、ここに開示せる移植物は合成材料だけを含むポリマ
ーからつくられ、したがつて先行技術において発生する
ようなアレルギー反応の問題はおこらない。同様に無菌
に関してももう心配いらない、そして驚くべき長い貯蔵
寿命をもつた無菌移植物が得られる。さらに、本願発明
の移植物は、先行技術のそれらとは異なり、圧力がかか
つても安定でなければならない場所、例えば歯科−また
は口腔手術中に形成された腔または穴のための移植物と
して用いられる。しかし同時に、移植物の成形適性は保
持される。
この発明を実施する場合、外科医または関連の保健従事
者は移植物の原素材を湯に浸すかまたは他の方法でそれ
を同様に加熱し、その移植物を手で簡単に成形できる温
度まであたためる。移植物がこの状態にある間に、これ
を充填すべき腔または空所の正確な大きさに成形し、そ
れから患者に移植する。勿論ポリマーを必要な成形温度
にまで加熱するために、湯に浸漬する方法に代る別の方
法を用いてもよい。赤外線加熱、熱風、ニクロム線挿入
等の代替方法がすぐ思い浮かぶ。
上に記載の発明は、特定の好ましい例および実施例に関
して説明される。
同等材料への置換、特にこの発明の移植物に挿入される
骨形成物質および含まれる材料の比率についての置換
は、ここに示す請求によつて明確にされる発明の範囲内
にとどまる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】結合組織の再生を促進する医科用移植物で
    あって、 ε−カプロラクトンとラクチッドとの共重合体を含有
    し、上記ε−カプロラクトンが主要量を占める成形物で
    あって、 上記成形物は約46〜71℃（115〜160゜F）の温度に加熱
    した時は軽度の圧力下で成形可能であるが、約43℃（11
    0゜F）以下の温度では圧力下でも永久的変形に抵抗する
    医科用移植物。
  2. 【請求項２】上記ε−カプロラクトンが共重合体の60〜
    95重量％の範囲で存在し、ラクチッドが上記共重合体の
    約40〜５重量％存在する特許請求の範囲第１項記載の医
    科用移植物。
  3. 【請求項３】上記ε−カプロラクトンが共重合体の約75
    重量％存在し、上記ラクチッドが上記共重合体の約25重
    量％存在する特許請求の範囲第１項記載の医科用移植
    物。
  4. 【請求項４】上記成形物に更に骨形成物質を配合した特
    許請求の範囲第１項記載の医科用移植物。
  5. 【請求項５】上記骨形成物質が上記共重合体の50重量％
    までの量存在する特許請求の範囲第４項記載の医科用移
    植物。
  6. 【請求項６】上記骨形成物質が粒状または粉末状物質の
    形である特許請求の範囲第４項記載の医科用移植物。
  7. 【請求項７】上記骨形成物質が、Ｂ−燐酸三カルシウ
    ム、ヒドロキシアパタイト、アルミノ−カルシウム−燐
    酸化物、異型移植骨片、自原骨片、および鉱物質除去骨
    から成る群から選ばれたものである特許請求の範囲第４
    項記載の医科用移植物。
  8. 【請求項８】切った炭素繊維を更に上記成形物に配合し
    た特許請求の範囲第１項記載の医科用移植物。
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