JPH0762187B2 - 電気接点材料及びその製造方法 - Google Patents
電気接点材料及びその製造方法Info
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- JPH0762187B2 JPH0762187B2 JP61125860A JP12586086A JPH0762187B2 JP H0762187 B2 JPH0762187 B2 JP H0762187B2 JP 61125860 A JP61125860 A JP 61125860A JP 12586086 A JP12586086 A JP 12586086A JP H0762187 B2 JPH0762187 B2 JP H0762187B2
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電流を通電開閉する機器に使用される新規な電
気接点材料及びその製法に関するもので、詳しくは銀−
グラフアイト（以下Ag−Grと略す）接点の特性向上に係
わるものである。
気接点材料及びその製法に関するもので、詳しくは銀−
グラフアイト（以下Ag−Grと略す）接点の特性向上に係
わるものである。
Ag−Gr接点はその優れた低接触抵抗耐溶着性のため、気
中しや断器や開閉器等に広く使用されている。
中しや断器や開閉器等に広く使用されている。
しかしながら従来のAg−Gr接点は、銀にカーボンが添加
されていることにより、使用時にアーク熱により気中の
酸素とカーボンが反応して多量のCOガスを発生し、アー
ク切れが悪くなつたり、内部までこの反応が進み気泡や
亀裂が発生し、消耗が著しく増加するという欠点があつ
た。又、銀中のカーボンの分散が不均一な場合に、銀部
で溶着が起こることがあつた。
されていることにより、使用時にアーク熱により気中の
酸素とカーボンが反応して多量のCOガスを発生し、アー
ク切れが悪くなつたり、内部までこの反応が進み気泡や
亀裂が発生し、消耗が著しく増加するという欠点があつ
た。又、銀中のカーボンの分散が不均一な場合に、銀部
で溶着が起こることがあつた。
本発明は上記の現状に鑑みてなされたものであり、アー
ク切れ性、耐消耗性、耐溶着性を併せて具備し、且つ接
触抵抗が低い、実用性に優れた電気接点材料及びその製
造方法を提供することを目的とするものである。
ク切れ性、耐消耗性、耐溶着性を併せて具備し、且つ接
触抵抗が低い、実用性に優れた電気接点材料及びその製
造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らはAg−Gr接点の優れた効果を生かし、前記し
たような欠点を改善する目的で研究努力の結果、銀粉末
とカーボン粉末をメカニカルアロイングにより混合し、
得られた混合粉を加圧成形後焼結し、これをさらに再加
圧して合金を作ることで、合金中にカーボン粒子がおの
おの独立し均一に微分散しており前記欠点を解消し実用
性に優れた接点用合金を得ることに成功した。
たような欠点を改善する目的で研究努力の結果、銀粉末
とカーボン粉末をメカニカルアロイングにより混合し、
得られた混合粉を加圧成形後焼結し、これをさらに再加
圧して合金を作ることで、合金中にカーボン粒子がおの
おの独立し均一に微分散しており前記欠点を解消し実用
性に優れた接点用合金を得ることに成功した。
すなわち本発明は銀粉重量比90〜99.9％及びカーボン粉
重量比10〜0.1％をメカニカルアロイングしてなる合金
であつて、該合金中のカーボンの大きさは３μ以下であ
り、かつ該カーボンはおのおのが独立して均一分散して
いることを特徴とする電気接点材料、および銀粉重量比
90〜99.9％及びカーボン粉重量比10〜0.1％からなる混
合粉をメカニカルアロイングし、得られた粉末を加圧成
形の後還元雰囲気もしくは真空中にて焼結し、得られた
焼結体を再加圧することを特徴とする得られた合金中の
カーボンの大きさは３μ以下であり、かつ該カーボンは
おのおのが独立して均一分散したものである電気接点材
料の製造方法に関する。
重量比10〜0.1％をメカニカルアロイングしてなる合金
であつて、該合金中のカーボンの大きさは３μ以下であ
り、かつ該カーボンはおのおのが独立して均一分散して
いることを特徴とする電気接点材料、および銀粉重量比
90〜99.9％及びカーボン粉重量比10〜0.1％からなる混
合粉をメカニカルアロイングし、得られた粉末を加圧成
形の後還元雰囲気もしくは真空中にて焼結し、得られた
焼結体を再加圧することを特徴とする得られた合金中の
カーボンの大きさは３μ以下であり、かつ該カーボンは
おのおのが独立して均一分散したものである電気接点材
料の製造方法に関する。
本発明の電気接点材料は銀粉90〜99.9％（以下重量比）
に対し、カーボン10〜0.1％からなることが好ましく、
カーボンが５〜１％が特に好ましい範囲である。カーボ
ンが10％を越えるとカーボン量が多すぎるためアーク切
れが悪くなり消耗が著るしい。またカーボンが0.1％以
下ではカーボン不足から溶着がしばしば起る。又、カー
ボン粒子の大きさについては、３μ以下が好ましく、該
カーボン粒子が合金中に独立して均一分散していること
が好ましい。カーボン粒子の大きさが３μを越えるとア
ーク熱による酸素との反応が必要以上に起り、アーク切
れが悪くなりやはり消耗が大きくなるので、実用性に欠
けるからである。
に対し、カーボン10〜0.1％からなることが好ましく、
カーボンが５〜１％が特に好ましい範囲である。カーボ
ンが10％を越えるとカーボン量が多すぎるためアーク切
れが悪くなり消耗が著るしい。またカーボンが0.1％以
下ではカーボン不足から溶着がしばしば起る。又、カー
ボン粒子の大きさについては、３μ以下が好ましく、該
カーボン粒子が合金中に独立して均一分散していること
が好ましい。カーボン粒子の大きさが３μを越えるとア
ーク熱による酸素との反応が必要以上に起り、アーク切
れが悪くなりやはり消耗が大きくなるので、実用性に欠
けるからである。
このようにAg−Gr合金において、合金中に微細なカーボ
ン粒子を独立して均一分散させるために、本発明は所定
量の銀粉とカーボン粉をメカニカルアロイングする。こ
こでいうメカニカルアロイングとは基質（マトリツクス
相：本発明においては銀粉）とは平衡しないような分散
粒子粉（本発明においてはカーボン粉）であつても、両
者を混合して強力な（高エネルギーな）ボールミル中に
て高速撹拌することにより、機械的かつ強制的に複合化
することをいう。これにより原料粉末は破砕、接合をく
り返して最終的には合金中に微細なカーボン粒子が独立
して均一に分散した複合体が得られる。こゝで、ボール
ミル処理は、例えば乾燥状態でボール対粉末の容積比を
4:1以上として行う。該複号体を加圧成形後還元雰囲気
もしくは真空中にて焼結し、さらに再加圧して接点用合
金とする。
ン粒子を独立して均一分散させるために、本発明は所定
量の銀粉とカーボン粉をメカニカルアロイングする。こ
こでいうメカニカルアロイングとは基質（マトリツクス
相：本発明においては銀粉）とは平衡しないような分散
粒子粉（本発明においてはカーボン粉）であつても、両
者を混合して強力な（高エネルギーな）ボールミル中に
て高速撹拌することにより、機械的かつ強制的に複合化
することをいう。これにより原料粉末は破砕、接合をく
り返して最終的には合金中に微細なカーボン粒子が独立
して均一に分散した複合体が得られる。こゝで、ボール
ミル処理は、例えば乾燥状態でボール対粉末の容積比を
4:1以上として行う。該複号体を加圧成形後還元雰囲気
もしくは真空中にて焼結し、さらに再加圧して接点用合
金とする。
以上により得られた本発明の電気接点材料は、合金中に
３μ以下の大きさのカーボン粒子がおのおの独立してか
つ均一に分散していることを特徴とするものである。第
１図の写真は本発明の電気接点材料（実施例No.6）の合
金組織を示す顕微鏡写真（1000倍）であるが、第２図に
示す従来品（比較例No.2）の同倍率顕微鏡写真に比し、
カーボン粒子が非常に小さく独立してかつ均一に微分散
していることがわかる。
３μ以下の大きさのカーボン粒子がおのおの独立してか
つ均一に分散していることを特徴とするものである。第
１図の写真は本発明の電気接点材料（実施例No.6）の合
金組織を示す顕微鏡写真（1000倍）であるが、第２図に
示す従来品（比較例No.2）の同倍率顕微鏡写真に比し、
カーボン粒子が非常に小さく独立してかつ均一に微分散
していることがわかる。
このように合金中において非常に小さいカーボン粒子が
独立し均一に微分散しているため、接点開閉時に発生す
るアーク熱によるカーボンと酸素の反応を最小限におさ
え得ると共に、その緻密さのため該反応を内部までは及
ぼさないので、アーク切れと耐消耗性が著るしく向上で
きる。さらに、カーボン粒子が均一に微分散することで
銀の偏析による溶着がなくなり、耐溶着性も著るしく向
上できる。
独立し均一に微分散しているため、接点開閉時に発生す
るアーク熱によるカーボンと酸素の反応を最小限におさ
え得ると共に、その緻密さのため該反応を内部までは及
ぼさないので、アーク切れと耐消耗性が著るしく向上で
きる。さらに、カーボン粒子が均一に微分散することで
銀の偏析による溶着がなくなり、耐溶着性も著るしく向
上できる。
銀粉及びカーボン粉を下記の表に示す割合で混合し、ボ
ールミルを用いてメカニカルアロイングして粉末を作
り、得られた粉末を3t/cm2で型押し後、水素雰囲気中温
度900℃にて１時間焼結した。該焼結体を5t/cm2にて再
加圧し気孔率が殆んどゼロである合金を得た（実施例N
o.4〜８）。
ールミルを用いてメカニカルアロイングして粉末を作
り、得られた粉末を3t/cm2で型押し後、水素雰囲気中温
度900℃にて１時間焼結した。該焼結体を5t/cm2にて再
加圧し気孔率が殆んどゼロである合金を得た（実施例N
o.4〜８）。
また比較のためにカーボン粒子サイズを３〜60μとして
従来法により合金を得た（比較例No.1〜３）。
従来法により合金を得た（比較例No.1〜３）。
以上で得られた本発明品及び従来品を試料として電気接
点を作成し、下記の要領で接点性能評価テストを行つ
た。
点を作成し、下記の要領で接点性能評価テストを行つ
た。
可動接点 ７×４×2mm、60Ag−40WC接点 固定接点 ８×８×2mm試料 上記の寸法に切削加工したサンプルを台金に抵抗鑞付け
で接合し、これを50A定格のブレーカに組み込み、接点
性能評価を行つた。得られた結果も合せて表に示す。ま
たNo.2（従来品）及びNo.6（本発明品）の1000倍拡大顕
微鏡写真を第２図及び第１図に示す。
で接合し、これを50A定格のブレーカに組み込み、接点
性能評価を行つた。得られた結果も合せて表に示す。ま
たNo.2（従来品）及びNo.6（本発明品）の1000倍拡大顕
微鏡写真を第２図及び第１図に示す。
表から明らかなように、本発明はアーク切れが良く、消
耗が少なく、耐溶着が高い、高性能を有した電気接点材
料である。
耗が少なく、耐溶着が高い、高性能を有した電気接点材
料である。
〔発明の効果〕 以上説明のように、本発明の電気接点材料は、アーク切
れ性、耐消耗性、耐溶着性を併せて具備し、且つ接触抵
抗が低い実用上非常に優れた銅−グラフアイト電気接点
材料であり、このように優れた特性の電気接点材料は、
メカニカルアロイングした後加圧成形、焼結、再加圧す
るという本発明の方法によつてはじめて得ることができ
るものである。
れ性、耐消耗性、耐溶着性を併せて具備し、且つ接触抵
抗が低い実用上非常に優れた銅−グラフアイト電気接点
材料であり、このように優れた特性の電気接点材料は、
メカニカルアロイングした後加圧成形、焼結、再加圧す
るという本発明の方法によつてはじめて得ることができ
るものである。
第１図は本発明品の、又第２図は従来品の金属組織を示
す拡大顕微鏡写真（1000倍）である。
す拡大顕微鏡写真（1000倍）である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−63648（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−169045（ＪＰ，Ａ) 特公 昭49−11973（ＪＰ，Ｂ１) 粉末冶金技術協会編粉末冶金技術講座８ 「粉末ヤ金応用製品（▲ＩＩＩ▼）−構成 部品」（日刊工業新聞社）Ｐ．255 田中清一郎「貴金属の科学応用編」田中 貴金属工業（1985−11−30）Ｐ．61，70
Claims (2)
- 【請求項１】銀粉重量比90〜99.9％及びカーボン粉重量
比10〜0.1％をメカニカルアロイングしてなる合金であ
って、該合金中のカーボンの大きさは３μ以下であり、
かつ該カーボンはおのおのが独立して均一分散している
ことを特徴とする電気接点材料。 - 【請求項２】銀粉重量比90〜99.9％及びカーボン粉重量
比10〜0.1％からなる混合粉をメカニカルアロイング
し、得られた粉末を加圧成形の後還元雰囲気もしくは真
空中にて焼結し、得られた焼結体を再加圧することを特
徴とする得られた合金中のカーボンの大きさは３μ以下
であり、かつ該カーボンはおのおのが独立して均一分散
したものである電気接点材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61125860A JPH0762187B2 (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | 電気接点材料及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61125860A JPH0762187B2 (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | 電気接点材料及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62284030A JPS62284030A (ja) | 1987-12-09 |
| JPH0762187B2 true JPH0762187B2 (ja) | 1995-07-05 |
Family
ID=14920732
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61125860A Expired - Fee Related JPH0762187B2 (ja) | 1986-06-02 | 1986-06-02 | 電気接点材料及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0762187B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018062872A1 (ko) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 부경대학교 산학협력단 | 은-다이아몬드 복합 재료의 제조를 위한 방전플라즈마소결 방법 및 이에 의해 제조된 은-다이아몬드 복합 재료 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5134039A (en) * | 1988-04-11 | 1992-07-28 | Leach & Garner Company | Metal articles having a plurality of ultrafine particles dispersed therein |
| JPH04147901A (ja) * | 1990-10-09 | 1992-05-21 | Matsushita Electric Works Ltd | 接点材料用Ａｇ複合粒子の製造方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4911973A (ja) * | 1972-05-15 | 1974-02-01 | ||
| JPS5763648A (en) * | 1980-10-02 | 1982-04-17 | Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk | Manufacture of ag-ni composite electrical contact material |
| JPS57169045A (en) * | 1981-04-09 | 1982-10-18 | Sumitomo Electric Ind Ltd | Electrical contact material |
-
1986
- 1986-06-02 JP JP61125860A patent/JPH0762187B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
| Title |
|---|
| 田中清一郎「貴金属の科学応用編」田中貴金属工業（１９８５−１１−３０）Ｐ．６１，７０ |
| 粉末冶金技術協会編粉末冶金技術講座８「粉末ヤ金応用製品（▲ＩＩＩ▼）−構成部品」（日刊工業新聞社）Ｐ．２５５ |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018062872A1 (ko) * | 2016-09-28 | 2018-04-05 | 부경대학교 산학협력단 | 은-다이아몬드 복합 재료의 제조를 위한 방전플라즈마소결 방법 및 이에 의해 제조된 은-다이아몬드 복합 재료 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62284030A (ja) | 1987-12-09 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |