JPH075961B2 - 低降伏比高張力h形鋼の製造方法 - Google Patents
低降伏比高張力h形鋼の製造方法Info
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- JPH075961B2 JPH075961B2 JP33156689A JP33156689A JPH075961B2 JP H075961 B2 JPH075961 B2 JP H075961B2 JP 33156689 A JP33156689 A JP 33156689A JP 33156689 A JP33156689 A JP 33156689A JP H075961 B2 JPH075961 B2 JP H075961B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、降伏比が低く、強度の高いH形鋼を熱間圧延
のみで製造する方法に関する。
のみで製造する方法に関する。
(従来の技術) 建築物のH形鋼としては、従来、JIS G 3101 SS41、同G
3106 SM50等の鋼材が使用されている。ところが、近
年、建築物が高層化するに伴い鋼材の重量低減を目的に
従来のものより強度の高いH形鋼が求められている。具
体的には強度が60キロ級で、降伏比が80%以下の高張力
H形鋼が求められている。そして、このような高張力H
形鋼を生産能率のよい熱間圧延法を利用して製造するこ
とができれば、安価であるとともに多量供給も可能であ
るが、具体的な製造方法は今のところ知られていない。
しかし、60キロ級の高張力H形鋼は素材にJIS G 3106 S
M58で規定されている化学成分の鋼を用い、60キロ級の
厚鋼板の製造方法である下記の方法をもってすれば製造
できると考えられる。即ち、焼入れおよび焼戻しする
熱処理方法、圧延後に制御冷却する方法、低温圧延
による方法、である。しかし、の熱処理方法および
の制御冷却方法では、圧延材の形状が悪化し、且つ目標
とする降伏強度の確保が難しく、60キロ級の圧延H形鋼
の製造に適用するには問題がある。の方法では60キロ
級の強度を確保するためには仕上げ圧延を650〜700℃の
低い温度範囲で行う必要があるが、このような温度範囲
で仕上げ圧延すると降伏比が目標とする値より高くなる
ので、同じく圧延H形鋼の製造に適用するには問題があ
る。
3106 SM50等の鋼材が使用されている。ところが、近
年、建築物が高層化するに伴い鋼材の重量低減を目的に
従来のものより強度の高いH形鋼が求められている。具
体的には強度が60キロ級で、降伏比が80%以下の高張力
H形鋼が求められている。そして、このような高張力H
形鋼を生産能率のよい熱間圧延法を利用して製造するこ
とができれば、安価であるとともに多量供給も可能であ
るが、具体的な製造方法は今のところ知られていない。
しかし、60キロ級の高張力H形鋼は素材にJIS G 3106 S
M58で規定されている化学成分の鋼を用い、60キロ級の
厚鋼板の製造方法である下記の方法をもってすれば製造
できると考えられる。即ち、焼入れおよび焼戻しする
熱処理方法、圧延後に制御冷却する方法、低温圧延
による方法、である。しかし、の熱処理方法および
の制御冷却方法では、圧延材の形状が悪化し、且つ目標
とする降伏強度の確保が難しく、60キロ級の圧延H形鋼
の製造に適用するには問題がある。の方法では60キロ
級の強度を確保するためには仕上げ圧延を650〜700℃の
低い温度範囲で行う必要があるが、このような温度範囲
で仕上げ圧延すると降伏比が目標とする値より高くなる
ので、同じく圧延H形鋼の製造に適用するには問題があ
る。
なお、現在、建築センターで推進中の新設計法には低降
伏比材料が要求されており、降伏比の高い材料はこの要
求を満たすことができない。
伏比材料が要求されており、降伏比の高い材料はこの要
求を満たすことができない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の課題は、前記のような問題がなく、降伏比が低
くて、しかも強度の高いH形鋼を熱間圧延のみで製造す
ることができる方法を開発することにある。具体的に
は、JIS G 3106 SM58の機械的性質(46Kgf/mm2以上の降
伏強度、58〜73Kgf/mm2の引張強さ、20%以上の伸び、
−5℃にて4.8Kgf−m以上のシャルピー吸収エネルギ
ー)を満足し、降伏強度と引張強さの比(100分率)で
ある降伏比が80%以下のH形鋼を製造することができる
圧延方法を提供することにある。
くて、しかも強度の高いH形鋼を熱間圧延のみで製造す
ることができる方法を開発することにある。具体的に
は、JIS G 3106 SM58の機械的性質(46Kgf/mm2以上の降
伏強度、58〜73Kgf/mm2の引張強さ、20%以上の伸び、
−5℃にて4.8Kgf−m以上のシャルピー吸収エネルギ
ー)を満足し、降伏強度と引張強さの比(100分率)で
ある降伏比が80%以下のH形鋼を製造することができる
圧延方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) JIS G 3106 SM58で規定する鋼を、800℃以上の温度で仕
上げ圧延する方法でH形鋼を製造しても、目標の引張強
さは得られるが降伏強度は低い。その原因は結晶粒が微
細でないからである。降伏強度を高めるにはフェライト
粒の微細化が最も効果的である。微細なフェライト粒は
Al、V、Nb、Nを含む鋼を素材に用い、粗圧延および仕
上げ圧延を適正な条件に調整すれば得られるとともに降
伏強度も規定の下限より過度に高くなく、降伏比は低く
なる。
上げ圧延する方法でH形鋼を製造しても、目標の引張強
さは得られるが降伏強度は低い。その原因は結晶粒が微
細でないからである。降伏強度を高めるにはフェライト
粒の微細化が最も効果的である。微細なフェライト粒は
Al、V、Nb、Nを含む鋼を素材に用い、粗圧延および仕
上げ圧延を適正な条件に調整すれば得られるとともに降
伏強度も規定の下限より過度に高くなく、降伏比は低く
なる。
本発明はこのような知見を基に完成したものであって、
その要旨は下記の(i)および(ii)にある。(i)重
量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.05〜0.90%、Mn:0.50〜
2.00%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、Nb:0.005〜0.
050%、V:0.010〜0.080%、Sol.Al:0.001〜0.015%、N:
0.0025〜0.0100%を含有し、残部Feおよび不可避不純物
からなり、且つ下記式で示す炭素当量(Ceq)が0.40
〜0.44%である成分組成の鋼を、1000〜1300℃の温度域
で加熱した後、再結晶温度域で圧下率30%以上の粗圧延
を行い、次いで、下記式で示すAr3変態点以上の温度
域で仕上げ圧延を行うことを特徴とする低降伏比の高張
力H形鋼製造方法。
その要旨は下記の(i)および(ii)にある。(i)重
量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.05〜0.90%、Mn:0.50〜
2.00%、P:0.035%以下、S:0.035%以下、Nb:0.005〜0.
050%、V:0.010〜0.080%、Sol.Al:0.001〜0.015%、N:
0.0025〜0.0100%を含有し、残部Feおよび不可避不純物
からなり、且つ下記式で示す炭素当量(Ceq)が0.40
〜0.44%である成分組成の鋼を、1000〜1300℃の温度域
で加熱した後、再結晶温度域で圧下率30%以上の粗圧延
を行い、次いで、下記式で示すAr3変態点以上の温度
域で仕上げ圧延を行うことを特徴とする低降伏比の高張
力H形鋼製造方法。
Ceq(%)=C(%)+Mn(%)/6 +Si(%)/24+Ni(%)/40+Cr(%)/5 +V(%)/14+Mo(%)/4 ・・・・ Ar3(℃)=910−310C(%)−80Mn(%)−20Cu(%)
−55Ni(%)+0.35(t−8) ・・・ ここで、前記式および式中の各元素の「%」は「重
量%」を表し、式中のtはフランジ厚(mm)を意味す
る。
−55Ni(%)+0.35(t−8) ・・・ ここで、前記式および式中の各元素の「%」は「重
量%」を表し、式中のtはフランジ厚(mm)を意味す
る。
(ii)上記成分に加えて、更に0.10〜0.50%のCuおよび
0.10〜0.50%のNiのうちの1種以上を含有し、且つ上記
式で示す炭素当量(Ceq)が0.40〜0.44%である成分
組成の鋼を用いることを特徴とする(i)記載の低降状
比高張力H形鋼の製造方法。
0.10〜0.50%のNiのうちの1種以上を含有し、且つ上記
式で示す炭素当量(Ceq)が0.40〜0.44%である成分
組成の鋼を用いることを特徴とする(i)記載の低降状
比高張力H形鋼の製造方法。
(作用) 以下、素材鋼の成分組成およびH形鋼の熱間圧延条件を
前記のように限定した理由について説明する。
前記のように限定した理由について説明する。
A)素材鋼の成分組成 (a)C Cは強度を得るために必要な元素である。所望の強度を
確保するためには0.10%以上含有させる必要があるが、
0.20%を超えて含有させると溶接硬化性および溶接割れ
感受性が高くなり、且つ靱性も低下することから、C含
有量は0.10〜0.20%と定めた。
確保するためには0.10%以上含有させる必要があるが、
0.20%を超えて含有させると溶接硬化性および溶接割れ
感受性が高くなり、且つ靱性も低下することから、C含
有量は0.10〜0.20%と定めた。
(b)Si Siは鋼の脱酸作用があり、脱酸剤として少なくとも0.05
%以上の含有量を確保する必要があるが、含有量が0.90
%を超えると溶接性を著しく害することになるととも
に、靱性も大きく低下することから、Si含有量は0.05〜
0.90%と定めた。
%以上の含有量を確保する必要があるが、含有量が0.90
%を超えると溶接性を著しく害することになるととも
に、靱性も大きく低下することから、Si含有量は0.05〜
0.90%と定めた。
(C)Mn Mnは鋼の強度および靱性を確保するために必要な元素で
あるが、0.50%未満では所望の性能が得られず、2.00%
を超えて含有させても効果が飽和する他に、溶接割れ感
受性が著しく高くなることから、Mn含有量は0.50〜2.00
%と定めた。
あるが、0.50%未満では所望の性能が得られず、2.00%
を超えて含有させても効果が飽和する他に、溶接割れ感
受性が著しく高くなることから、Mn含有量は0.50〜2.00
%と定めた。
(d)P Pは不可避不純物として鋼中に含まれる元素であり、鋼
材の靱性に悪影響を及ぼすので可能な限り低減するのが
望ましい。しかし、Pによる悪影響は60キロ級の高張力
鋼では比較的軽微であり、含有量が0.035%以下であれ
ば実用上問題にはならない。
材の靱性に悪影響を及ぼすので可能な限り低減するのが
望ましい。しかし、Pによる悪影響は60キロ級の高張力
鋼では比較的軽微であり、含有量が0.035%以下であれ
ば実用上問題にはならない。
(e)S SもPと同じく不可避不純物として鋼中に含まれる元素
であり、鋼材の靱性に悪影響を及ぼすので可能な限り低
減するのが望ましい。しかし、Sによるこの悪影響は60
キロ級の高張力鋼では比較的軽微であり、0.035%以下
の含有量であれば実用上問題にはならない。
であり、鋼材の靱性に悪影響を及ぼすので可能な限り低
減するのが望ましい。しかし、Sによるこの悪影響は60
キロ級の高張力鋼では比較的軽微であり、0.035%以下
の含有量であれば実用上問題にはならない。
(f)Nb Nbは圧延後にNb(C,N)の析出物として析出することに
より鋼材の強度を上昇させる作用がある。このために
は、0.005%以上含有させる必要があるが、0.050%を超
えて含有させると溶接性が損なわれる他に、製造コスト
の上昇を招くことになるから、Nbの含有量は0.005〜0.0
50%と定めた。
より鋼材の強度を上昇させる作用がある。このために
は、0.005%以上含有させる必要があるが、0.050%を超
えて含有させると溶接性が損なわれる他に、製造コスト
の上昇を招くことになるから、Nbの含有量は0.005〜0.0
50%と定めた。
(g)V VはNbと同様、圧延後にV(C,N)の析出物として析出
することにより鋼材の強度を上昇させる作用がある。こ
のためには、0.010%以上含有させる必要があるが、0.0
80%を超えて含有させると溶接性が損なわれるばかりで
なく、製造コストの上昇を招くことになるから、Vの含
有量は0.010〜0.080%と定めた。
することにより鋼材の強度を上昇させる作用がある。こ
のためには、0.010%以上含有させる必要があるが、0.0
80%を超えて含有させると溶接性が損なわれるばかりで
なく、製造コストの上昇を招くことになるから、Vの含
有量は0.010〜0.080%と定めた。
(h)Al Alは製鋼時に脱酸剤として使用されるとともに組織の細
粒化を通じて鋼の靱性を向上させる作用がある。しか
し、含有量が0.001%未満では前記作用が充分に得られ
ず、0.015%を超えて含有すると、AlはNとの化学的結
合力がVよりも強いため、圧延後、Vの炭窒化物の析出
を押さえてその強化作用を損なうようになる。従って、
Alは0.001〜0.015%の含有量とするのがよい。
粒化を通じて鋼の靱性を向上させる作用がある。しか
し、含有量が0.001%未満では前記作用が充分に得られ
ず、0.015%を超えて含有すると、AlはNとの化学的結
合力がVよりも強いため、圧延後、Vの炭窒化物の析出
を押さえてその強化作用を損なうようになる。従って、
Alは0.001〜0.015%の含有量とするのがよい。
(i)N NもPおよびSと同様に通常不可避不純物として鋼中に
含まれる元素であるが、圧延後の冷却過程でNbやVと窒
化物を形成することにより、鋼材の強度を上昇させる働
きがある。このためには鋼中に0.0025%以上含有させる
必要があるが、0.0100%を超えて含有させると溶接性を
害するようになることから、N含有量は0.0025〜0.0100
%と限定した。
含まれる元素であるが、圧延後の冷却過程でNbやVと窒
化物を形成することにより、鋼材の強度を上昇させる働
きがある。このためには鋼中に0.0025%以上含有させる
必要があるが、0.0100%を超えて含有させると溶接性を
害するようになることから、N含有量は0.0025〜0.0100
%と限定した。
(j)CuおよびNi CuおよびNiは靱性を損なうことなく強度を向上させる作
用があるので、必要に応じて1種又は2種添加してもよ
い。しかし、その含有量がCuおよびNiともに0.10%未満
では充分な効果が得られず、一方、いずれの場合でも0.
50%を超えて含有させても強度上昇に対する効果は飽和
し、製造コストのみが上昇することになるので、添加す
る場合はCuおよびNiのいずれも0.10〜0.50%の含有量と
するのがよい。
用があるので、必要に応じて1種又は2種添加してもよ
い。しかし、その含有量がCuおよびNiともに0.10%未満
では充分な効果が得られず、一方、いずれの場合でも0.
50%を超えて含有させても強度上昇に対する効果は飽和
し、製造コストのみが上昇することになるので、添加す
る場合はCuおよびNiのいずれも0.10〜0.50%の含有量と
するのがよい。
(k)Ceq Ceqは溶接性の評価を表すのに用いられるパラメータの
一つであり、 Ceq(%)=C(%)+Mn(%)/6 +Si(%)/24+Ni(%)/40+Cr(%)/5 +V(%)/14+Mo(%)/4 で示される。このCeqの値が0.44%を超えると溶接後の
割れ感受性が著しく高まるとともに、溶接部の残留応力
が大きくなり、溶接割れが生じたり、或いは溶接割れを
生じなくとも溶接後に後熱処理が必要となる。逆にCeq
が0.40%未満の場合には、溶接軟化部の影響を無視し得
なくなり、継ぎ手強度において60キロ級高張力鋼の強度
を確保することができなくなることから、Ceqは0.40〜
0.44%と定めた。
一つであり、 Ceq(%)=C(%)+Mn(%)/6 +Si(%)/24+Ni(%)/40+Cr(%)/5 +V(%)/14+Mo(%)/4 で示される。このCeqの値が0.44%を超えると溶接後の
割れ感受性が著しく高まるとともに、溶接部の残留応力
が大きくなり、溶接割れが生じたり、或いは溶接割れを
生じなくとも溶接後に後熱処理が必要となる。逆にCeq
が0.40%未満の場合には、溶接軟化部の影響を無視し得
なくなり、継ぎ手強度において60キロ級高張力鋼の強度
を確保することができなくなることから、Ceqは0.40〜
0.44%と定めた。
B)熱間圧延条件 (1)素材鋼の加熱 熱間圧延に先立つ素材鋼の加熱は、1000℃以上の温度で
行わないとNb、Vなどの炭窒化物の固溶が図れず、これ
らの析出強化の効果が得られない。一方、1300℃を超え
る温度で加熱すると圧延初期のオーステナイト粒の粗大
化につながり圧延材の靱性を損なうようになることか
ら、加熱温度を1000℃〜1300℃の温度域とした。
行わないとNb、Vなどの炭窒化物の固溶が図れず、これ
らの析出強化の効果が得られない。一方、1300℃を超え
る温度で加熱すると圧延初期のオーステナイト粒の粗大
化につながり圧延材の靱性を損なうようになることか
ら、加熱温度を1000℃〜1300℃の温度域とした。
(2)粗圧延 粗圧延の目的は、圧延による再結晶を利用して、鋳造組
織を解消することにより組織の細粒化をはかり、鋼材の
延性と靱性を向上させることにある。このために再結晶
温度域で圧下率30%以上の加工を行う必要がある。再結
晶温度域で加工しても圧下率30%未満であれば、組織は
充分に細微化されず、延性および靱性の向上が小さい。
織を解消することにより組織の細粒化をはかり、鋼材の
延性と靱性を向上させることにある。このために再結晶
温度域で圧下率30%以上の加工を行う必要がある。再結
晶温度域で加工しても圧下率30%未満であれば、組織は
充分に細微化されず、延性および靱性の向上が小さい。
(3)仕上げ圧延 仕上げ圧延の主目的は、最終寸法形状のH形鋼に加工す
ることにあるが、仕上げ圧延は下記に示す式で算出され
るAr3変態点以上の温度域で終了する必要がある。
ることにあるが、仕上げ圧延は下記に示す式で算出され
るAr3変態点以上の温度域で終了する必要がある。
Ar3(℃)=910−310C(%)−80Mn(%)−20Cu(%)
−55Ni(%)+0.35(t−8) 上記式から求められるAr3変態点未満の温度域まで圧延
を行うということは、フェライトが生成した温度域でも
圧延を行うことを意味している。フェライトが生成する
温度域まで圧延を続けると、フェライトが加工硬化を起
こし、引張強度は高くなるものの降伏強度も著しく高く
なり、目標の降伏比が得られない。望ましい仕上げ温度
はAr3変態点以上の800〜850℃の範囲である。
−55Ni(%)+0.35(t−8) 上記式から求められるAr3変態点未満の温度域まで圧延
を行うということは、フェライトが生成した温度域でも
圧延を行うことを意味している。フェライトが生成する
温度域まで圧延を続けると、フェライトが加工硬化を起
こし、引張強度は高くなるものの降伏強度も著しく高く
なり、目標の降伏比が得られない。望ましい仕上げ温度
はAr3変態点以上の800〜850℃の範囲である。
(実施例) 連続鋳造により得られた第1表に化学成分の鋼片(250m
m厚×1500mm幅×6500mm長さ)を、第2表に示す条件で
熱間圧延して、フランジ幅:912mm、ウエブ幅:302mm、ウ
エブ厚さ:18mm、フランジ厚さ:34mmのH形鋼に加工し
た。
m厚×1500mm幅×6500mm長さ)を、第2表に示す条件で
熱間圧延して、フランジ幅:912mm、ウエブ幅:302mm、ウ
エブ厚さ:18mm、フランジ厚さ:34mmのH形鋼に加工し
た。
次いで、圧延後のこれらのH形鋼から引張試験片(JIS
Z 2201 4号試験片)およびシャルピー衝撃試験片(JIS
Z 2202 4号試験片)を採取して機械的性質を調べた。そ
の結果を第2表に併記した。
Z 2201 4号試験片)およびシャルピー衝撃試験片(JIS
Z 2202 4号試験片)を採取して機械的性質を調べた。そ
の結果を第2表に併記した。
No.1〜No.8は本発明例であり、これらは全て目標性能を
充分満足している。これに対して、熱間圧延が本発明で
規定する範囲内の条件であるが、鋼成分が本発明で規定
する範囲外である比較例のNo.9〜No.11のものは、目標
性能を満足しておらず、逆に鋼成分が本発明で規定する
範囲内であるが、熱間圧延の条件が本発明で規定する範
囲外である比較例のNo.12のものも同じく目標性能を満
足していない。
充分満足している。これに対して、熱間圧延が本発明で
規定する範囲内の条件であるが、鋼成分が本発明で規定
する範囲外である比較例のNo.9〜No.11のものは、目標
性能を満足しておらず、逆に鋼成分が本発明で規定する
範囲内であるが、熱間圧延の条件が本発明で規定する範
囲外である比較例のNo.12のものも同じく目標性能を満
足していない。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明方法によれば降伏比の低い
高張力H形鋼を熱間圧延で製造することができる。
高張力H形鋼を熱間圧延で製造することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】重量%で、C:0.10〜0.20%、Si:0.05〜0.9
0%、Mn:0.50〜2.00%、P:0.035%以下、S:0.035%以
下、Nb:0.005〜0.050%、V:0.010〜0.080%、Sol.Al:0.
001〜0.015%、N:0.0025〜0.0100%を含有し、残部Feお
よび不可避不純物からなり、且つ下記式で示す炭素当
量(Ceq)が0.40〜0.44%である成分組成の鋼を、1000
〜1300℃の温度域で加熱した後、再結晶温度域で圧下率
30%以上の組圧延を行い、次いで、下記式で示すAr3
変態点以上の温度域で仕上げ圧延を行うことを特徴とす
る低降伏比高張力H形鋼の製造方法。 Ceq(%)=C(%)+Mn(%)/6 +Si(%)/24+Ni(%)/40+Cr(%)/5 +V(%)/14+Mo(%)/4 ・・・・ Ar3(℃)=910−310C(%)−80Mn(%)−20Cu(%) −55Ni(%)+0.35(t−8) ・・・ ここで、前記式および式中の各元素の「%」は「重
量%」を表し、式中のtはフランジ厚(mm)を意味す
る。 - 【請求項2】上記成分に加えて、更に0.10〜0.50%のCu
および0.10〜0.50%のNiのうちの1種以上を含有し、且
つ上記式で示す炭素当量(Ceq)が0.40〜0.44%であ
る成分組成の鋼を用いることを特徴とする請求項(1)
記載の低降伏比高張力H形鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33156689A JPH075961B2 (ja) | 1989-12-20 | 1989-12-20 | 低降伏比高張力h形鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33156689A JPH075961B2 (ja) | 1989-12-20 | 1989-12-20 | 低降伏比高張力h形鋼の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03191020A JPH03191020A (ja) | 1991-08-21 |
JPH075961B2 true JPH075961B2 (ja) | 1995-01-25 |
Family
ID=18245093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33156689A Expired - Lifetime JPH075961B2 (ja) | 1989-12-20 | 1989-12-20 | 低降伏比高張力h形鋼の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH075961B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5743972A (en) * | 1995-08-29 | 1998-04-28 | Kawasaki Steel Corporation | Heavy-wall structural steel and method |
JP6421907B1 (ja) | 2018-03-23 | 2018-11-14 | 新日鐵住金株式会社 | 圧延h形鋼及びその製造方法 |
CN115433874B (zh) * | 2022-08-31 | 2023-08-25 | 马鞍山钢铁股份有限公司 | 一种屈服强度460MPa级耐-20℃热轧角钢及其生产方法 |
-
1989
- 1989-12-20 JP JP33156689A patent/JPH075961B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03191020A (ja) | 1991-08-21 |
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