JPH0753785A - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物

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JPH0753785A
JPH0753785A JP19815193A JP19815193A JPH0753785A JP H0753785 A JPH0753785 A JP H0753785A JP 19815193 A JP19815193 A JP 19815193A JP 19815193 A JP19815193 A JP 19815193A JP H0753785 A JPH0753785 A JP H0753785A
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Tadashi Yasuda
直史 安田
Tatsuo Nakajima
達雄 中島
Takemi Konomoto
武美 此本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐グリース性に優れた熱可塑性エ
ラストマー組成物を提供する。 【構成】 (A)熱可塑性ポリエステルエラストマー4
0〜100重量%、(B)ゴム 60〜0重量%、
(C)上記(A)+(B)成分の合成100重量部に対
して金属害防止剤を0.05〜6重量部配合した熱可塑
性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐グリース性に優れた
熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリエステルエラストマーは、
ポリエステルとポリエーテル繰返し単位またはポリエス
テルとポリエステルをポリマー主鎖中に有する多重ブロ
ック共重合体であり、機械的性質、耐熱性に優れてい
る。このような特徴を活かし、該ポリエステルエラスト
マーは自動車類の等速ジョイントブーツ等に使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記エラスト
マー製ブーツはジョイントに使用されているグリースに
よって劣化するという欠点があった。また、上記ポリエ
ステルエラストマーは、エラストマーとしては硬度が高
く柔軟性に劣るという欠点があった。このため、その用
途の拡大が制約されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の点に
鑑みて鋭意研究した結果、ポリエステルエラストマー、
又はポリエステルエラストマーにゴムを配合して柔軟性
を改良したものに金属害防止剤を添加することによっ
て、耐グリース性が改良された熱可塑性エラストマー組
成物が得られることを見い出し、かかる知見に基づいて
本発明を完成したものである。すなわち本発明は、
(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー40〜100
重量%、(B)ゴム 60〜0重量%、(C)上記
(A)+(B)成分の合計100重量部に対して金属害
防止剤を0.05〜6重量部配合した熱可塑性エラスト
マー組成物を提供するものである。
【0005】本発明の(A)成分である熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーは、ポリエステルブロック共重合体
であり、その重合体連鎖中に、主として芳香族ポリエス
テル単位からなる高融点結晶性セグメント(A−1)
と、主として脂肪族ポリエーテル単位および/または脂
肪族ポリエステル単位からなる低融点重合体セグメント
(A−2)とを有している。
【0006】ハードセグメントである高融点結晶性セグ
メント(A−1)の芳香族ポリエステル単位は、酸成分
とグリコール成分とから形成されるが、この酸成分は実
質的にテレフタール酸および/または2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸である。また、テレフタール酸または
2,6−ナフタレンジカルボン酸のほかにイソフタール
酸などの他の芳香族ジカルボン酸、あるいはアジピン
酸、セバチン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン
酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸を少量併用し
てもよい。
【0007】上記芳香族ポリエステル単位を形成するグ
リコール成分は、炭素数2〜12のグリコール、例えば
エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサン
ジオール、デカンジオールなどである。なお、高融点結
晶性セグメント(A−1)の融点の下限は特に限定され
ないが、一般的には150℃以上であり、好ましくは1
70℃以上、さらに好ましくは190℃以上である。そ
の上限は300℃である。また高融点結晶性セグメント
(A−1)の重合度は、通常3〜35である。
【0008】ソフトセグメントである低融点重合体セグ
メント(A−2)を構成する脂肪族ポリエーテル単位
は、ポリアルキレングリコールで形成されるが、ポリア
ルキレングリコールの具体例としては、例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリ
プロピレングリコールブロック共重合体などが挙げら
れ、特にポリテトラメチレングリコールが好ましい。こ
れらのポリアルキレングリコールは、その炭素数と酸素
数の比が2〜4.5のものであれば、単独ではもちろん
混合物として用いることもできる。
【0009】低融点重合体セグメント(A−2)を構成
するもう一つの単位である脂肪族ポリエステル単位は、
主として脂肪族ジカルボン酸とグリコールからなるが、
その主たる酸性分である脂肪族ジカルボン酸は、例えば
コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、デカンジカルボン
酸などである。また、これら脂肪族ジカルボン酸のほか
にイソフタール酸などの芳香族ジカルボン酸を少量併用
してもよい。
【0010】また、上記脂肪族ポリエステル単位を形成
するグリコール成分は、炭素数2〜12のグリコール成
分であり、その具体例としては高融点結晶性セグメント
(A−1)の芳香族ポリエステル単位を形成するグリコ
ール成分として例示したものが挙げられる。
【0011】脂肪族ポリエステル単位は、上記脂肪族ジ
カルボン酸とグリコール成分とを通常の方法で重縮合さ
せて得られるものであり、ホモポリエステルでも共重合
ポリエステルでもよく、あるいは環状のラクトンを開環
重合して得られるポリラクトン(例えばポリ−ε−カプ
ロラクトン)でもよい。なお、低融点重合体セグメント
(A−2)の融点の上限は特に限定されないが、一般的
には130℃以下であり、好ましくは100℃以下であ
る。その下限は好ましくは−10℃である。また、低融
点重合体セグメント(A−2)の分子量は、通常400
〜6000である。
【0012】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
中の高融点結晶性セグメント(A−1)と低融点重合体
セグメント(A−2)との組成比は、好ましくは重量比
で95/5〜5/95であり、さらに好ましくは70/
30〜30/70である。また、熱可塑性ポリエステル
エラストマー(A)としては、軟化点が100℃以上で
あるものが特に好ましい。
【0013】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
として特に好ましく用いられるポリエステルブロック共
重合体は、高融点結晶性セグメント(A−1)としてポ
リテトラメチレンテレフタレートまたはポリトリメチレ
ンテレフタレート−2,6−ナフタレートを用い、低融
点重合体セグメント(A−2)としてポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリエーテル、ポリテトラメチレン
アジペート、ポリ−ε−カプロラクトンなどの脂肪族ポ
リエステルを用いて形成されるものである。また、ジカ
ルボン酸やグリコールの一部としてポリカルボン酸や多
官能性ヒドロキシ化合物、オキシ酸などが共重合された
ものでもよい。
【0014】これらの多官能性成分は、3モル%以下の
範囲で共重合させることにより、高粘度化成分として有
効に作用する。該多官能性成分としては、例えばトリメ
リット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、グリ
セリン、ペンタエリスリトール、またはこれらのエステ
ル、酸無水物などを挙げることができる。
【0015】熱可塑性ポリエステルエラストマー(A)
は、通常の重合方法によって製造することができる。好
適な重合方法としては、芳香族ジカルボン酸またはその
ジメチルエステルと低融点セグメント形成性ジオールと
を、触媒の存在下に約150〜260℃に加熱し、エス
テル化反応またはエステル交換反応を行い、次いで真空
下に過剰の低分子ジオールを除去しつつ重縮合反応を行
うことにより熱可塑性エラストマーを得る方法、あらか
じめ調整した高融点ポリエステルセグメント形成性プレ
ポリマーおよび低融点重合体セグメント形成性プレポリ
マーに、それらのプレポリマーの末端基と反応する2官
能性の鎖延長剤を混合し、反応させたのち、系を高真空
に保ち揮発成分を除去することにより熱可塑性ポリエス
テルエラストマーを得る方法、高重合度の高融点ポリエ
ステルとラクトン類とを加熱混合し、ラクトンを開環重
合させつつエステル交換反応させることにより熱可塑性
ポリエステルエラストマーを得る方法などがある。
【0016】本発明の(B)成分であるゴムとしては、
ジエン系ゴム、ジエン系ゴムの水添物、アクリルゴム、
エピクロルヒドリンゴム、オレフィン系ゴム、ハロゲン
系ゴム、シリコーンゴムなどが挙げられる。
【0017】上記ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴ
ム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエン共重合
体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム、
ポリブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体
ゴムなどが挙げられる。
【0018】上記ジエン系ゴムの水添物としては、例え
ば水素化ポリブタジエン、水素化ポリイソプレン、水素
化スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、水素化
スチレン−ブタジエンブロック共重合体ゴム、水素化ア
クリル酸エステル−ブタジエン共重合体ゴム、水素化ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体などが挙げられ
る。
【0019】上記水素化スチレン−ブタジエンブロック
共重合体ゴムとしては、 (b−1):ビニル芳香族化合物重合体ブロック(イ)
とビニル芳香族化合物と共役ジエンとのランダム共重合
体ブロック(ロ)とからなる(イ)−(ロ)もしくは
(イ)−(ロ)−(イ)ブロック共重合体、または上記
ブロック(イ)と上記ブロック(ロ)およびビニル芳香
族化合物と共役ジエンからなりビニル芳香族化合物が漸
増するテーパーブロック(ハ)とからなる(イ)−
(ロ)−(ハ)ブロック共重合体を水素添加することに
より得られる、共役ジエン部分の二重結合の少なくとも
80%が飽和されており、ポリスチレン換算数平均分子
量が5万〜60万である水添ジエン系共重合体、 (b−2):上記ブロック(イ)、共役ジエン重合体あ
るいはビニル芳香族化合物と共役ジエンとの共重合体か
らなり、1,2−ビニル結合含量が25〜95%である
ブロック(ニ)、および1,2−ビニル結合含量が20
%以下である共役ジエン重合体ブロック(ホ)からなる
(イ)−(ニ)−(ホ)ブロック共重合体を水素添加す
ることにより得られる、共役ジエン部分の二重結合の少
なくとも80%が飽和されており、ポリスチレン換算数
平均分子量が4万〜70万である水添ジエン系共重合
体、 (b−3):上記ブロック(ニ)と上記ブロック(ホ)
からなる、(ホ)−(ニ)−(ホ)または〔(ホ)−
(ニ)〕m(ただし、mは2以上)で表されるブロック
共重合体を水素添加することにより得られる、共役ジエ
ン部分の二重結合の少なくとも90%が飽和されてお
り、ポリスチレン換算数平均分子量が5万〜60万であ
る水添ジエン系共重合体、などが挙げられる。
【0020】なお、上記ビニル芳香族化合物としては、
スチレン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、
p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、1,1−ジフ
ェニルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエステ
ルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられるが、特に
好ましくはスチレンとα−メチルスチレンである。
【0021】また、上記共役ジエンとしては1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブ
タジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエ
ン、4,5−ジエチル−1,3−オクタジエン、3−ブ
チル−1,3−オクタジエン、クロロプレンなどが挙げ
られるが、好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン
および1,3−ペンタジエンであり、特に好ましくは
1,3−ブタジエンである。
【0022】上記(b−1)は、ブロック(イ)、ブロ
ック(ロ)および必要に応じて加えられるブロック
(ハ)からなるジエン系共重合体(以下、「重合体b−
1」という)を水素添加して得られる水添共役ジエン系
共重合体(以下、「水添共重合体b−1」という)であ
る。
【0023】重合体b−1中のビニル芳香族化合物と共
役ジエン(ビニル芳香族化合物/共役ジエン)の割合は
重量比で、通常5〜60/95〜40、好ましくは5〜
40/95〜60である。また、ブロック(イ)および
必要に応じて加えられるブロック(ハ)中の結合ビニル
芳香族化合物量の合計は、通常全モノマーの3〜50重
量%、好ましくは3〜25重量%であり、ブロック
(ロ)中の共役ジエン部分におけるビニル結合含量は、
通常15%以上、好ましくは30%以上である。重合体
b−1の水素添加率は80重量%以上、好ましくは90
重量%以上である。
【0024】さらに、水添共重合体b−1のポリスチレ
ン換算数平均分子量は5万〜60万、好ましくは7万〜
25万である。
【0025】上記(b−2)は、ブロック(イ)、ブロ
ック(ニ)およびブロック(ホ)からなるジエン系共重
合体(以下、「重合体b−2」という)を水素添加して
得られる水添共役ジエン系共重合体(以下、「水添重合
体b−2」という)である。重合体b−2中のブロック
(イ)の含量は、通常10〜50重量%、好ましくは1
5〜45重量%、ブロック(ニ)の含量は、通常30〜
80重量%、好ましくは35〜70重量%であり、ブロ
ック(ホ)の含量は、通常5〜30重量%、好ましくは
5〜25重量%である。なお、ブロック(ニ)の1,2
−ビニル結合含量は25〜95%、好ましくは30〜6
0%であり、ブロック(ホ)の1,2−ビニル結合含量
は20%以下、好ましくは5〜15%である。
【0026】重合体b−2の水素添加率は80%以上、
好ましくは90%以上であり、水添重合体b−2のポリ
スチレン換算数平均分子量は4万〜70万、好ましくは
6万〜40万である。
【0027】上記(b−3)は、ブロック(ニ)とブロ
ック(ホ)からなるジエン系共重合体(以下、「重合体
b−3」という)を水素添加して得られる水添共役ジエ
ン系重合体(以下、「水添重合体b−3」という)であ
る。
【0028】重合体b−3中のブロック(ニ)の含量
は、通常10〜95重量%、好ましくは15〜90重量
%であり、ブロック(ホ)の含量は、通常5〜90重量
%、好ましくは10〜85重量%である。なお、ブロッ
ク(ニ)およびブロック(ホ)の1,2−ビニル結合含
量は、重合体b−2の場合と同様である。
【0029】重合体b−3の水素添加率は、90%以
上、好ましくは95%以上であり、水添重合体b−3の
ポリスチレン換算数平均分子量は、5万〜60万、好ま
しくは10万〜40万である。
【0030】なお、これらの重合体b−1〜b−3は、
カップリング剤を用いてカップリングされていてもよ
く、例えば〔(イ)−(ロ)〕n−X、〔(イ)−
(ロ)−(ハ)〕n−X、〔(イ)−(ロ)−(イ)〕
n−X(nは2〜4、Xはカップリング剤残基を示す)
などで表わされるものも含まれる。
【0031】上記アクリルゴムとしては、例えばアクリ
ル酸ブチル−アクリル酸エチル共重合体ゴム、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体ゴムなどが挙げられる。
上記エピクロルヒドリンゴムとしては、エピクロルヒド
リン単独またはエピクロルヒドリンとエチレンオキサイ
ドの共重合ゴムが挙げられる。上記オレフィン系ゴムと
しては、例えばエチレン−プロピレン共重合体ゴム、エ
チレン−プロピレン−ジエン三元共重合体ゴムなどが挙
げられる。上記ハロゲン系ゴムとしては、クロロプレン
ゴム、塩素化ポリエチレンゴム、クロロスルフォン化ポ
リエチレンゴム、塩素化ブチルゴム、臭素化ブチルゴ
ム、塩素化エチレン−プロピレンゴムなどが挙げられ
る。上記シリコーンゴムとしては、ジメチルポリシロキ
サン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビ
ニルポリシロキサン、トリフルオロプロピルメチルビニ
ルポリシロキサン、メチルフェニルシリコーンなどが挙
げられる。これらのほかに、いわゆる多硫化ゴム、クロ
ロフォスファゼンゴム、ウレタンゴム、エチレン−酢酸
ビニル共重合ゴム、ポリエチレンオキサイドゴム、フッ
素ゴムなどの通称で呼ばれる合成ゴムも同様に、本発明
のゴム(B)として使用することができる。
【0032】本発明において好ましいゴム(B)はジエ
ン系ゴム、ジエン系ゴムの水添物、アクリルゴムなどで
ある。さらに具体的にはアクリロニトリルブタジエン共
重合ゴム、水素化アクリロニトリルブタジエン共重合ゴ
ム、水素化アクリル酸エステルブタジエン共重合ゴム、
アクリルゴムなどである。ここでいう水素化アクリル酸
エステル−ブタジエン共重合ゴムは、アクリル酸アルキ
ルエステルまたはアクリル酸アルコキシ置換アルキルエ
ステルと共役ジエンからなるランダム共重合体の共役ジ
エン重合単位の二重結合の90%以上を水素化したゴム
であり、詳しくは特開平2−218704号に記載され
ている。
【0033】本発明においては、これらのゴムに官能
基、例えばカルボキシル基、エポキシ基、アミノ基など
を導入することによって、さらに相溶性を向上させ、機
械的強度や圧縮永久歪性を改良することができる。官能
基の導入は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、
マレイン酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アミノ
(メタ)アクリレートなどをゴム(B)を形成する他の
成分とともに共重合することによって行うことができ
る。なお、これら官能基の導入は、(A)成分と混合す
る前に行ってもよいし、(A)成分と混練するときに同
時に行ってもよい。
【0034】本発明においては、(A)熱可塑性ポリエ
ステルエラストマーと(B)ゴムを単純にブレンドして
も良く、又より高い性能の組成物を得るためにゴムを架
橋しても良い。ゴムを架橋する場合は(A)成分と混合
する前でも良く、混合中、混合後でも良いが、好ましく
は混合中、つまり動的架橋を施すのが良い。動的架橋と
はUniroyal社のW.M.Fischerらや、
Monsanto社のA.Y.Coranらにより開発
された手法であり、熱可塑性樹脂のマトリックス中にゴ
ムをブレンドし、架橋剤と共に混練しながらゴムを高度
に架橋させ、しかもそのゴムを微細に分散させるプロセ
スのことである。
【0035】本発明における(A)熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーの配合割合は40〜100重量%、
(B)ゴムの配合割合は60〜0重量%である。(A)
成分の配合割合が40%未満((B)成分の配合割合が
60%を超える)の場合は得られる組成物の流動性と加
工性が劣る。(B)成分の添加効果を得るための(B)
成分の配合割合は、好ましくは5〜50重量%((A)
成分95〜50重量%)、さらに好ましくは5〜40重
量%((A)成分95〜60重量%)である。
【0036】本発明の(C)成分である金属害防止剤
は、ポリプロピレン等のプラスチックが銅等の重金属と
接触することによって促進される劣化を防止するために
開発された添加剤であり、ヒドラジド誘導体、シュウ酸
誘導体、サリチル酸誘導体などを挙げることができ、そ
の具体例としては、例えば「新しいプラスチック・ゴム
添加剤の開発(檜垣寅雄編、シーエムシー)」や「便覧
ゴムプラスチック配合薬品(1989、ラバーダイジェ
スト)」に記載されている銅害防止剤、金属不活性剤な
どを挙げることができる。
【0037】ヒドラジド誘導体金属害防止剤としては、
特公昭47−27624号、特公昭54−43537
号、特開昭46−7088号、特開昭47−4886号
などにより提示されており、例えばN,N′−ジアセチ
ルアジピン酸ヒドラジド、アジピン酸ビス(α−フェノ
キシプロピオニルヒドラジド)、テレフタル酸ビス(α
−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、セバチン酸ビ
ス(α−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、イソフ
タル酸ビス(β−フェノキシプロピオニルヒドラジド)
などが挙げられる。
【0038】シュウ酸誘導体金属害防止剤としては、特
公昭49−15466号、特公昭54−90143号な
どにより提示されており、例えば、N,N′−ジベンザ
ル(オキザリルジヒドラジド)、N−ベンザル−(オキ
ザリルジヒドラジド)、オキザリルビス−4−メチルベ
ンジリデンヒドラジド、オキザリルビス−3−エトキシ
ベンジリデンヒドラジド等が挙げられる。
【0039】サリチル酸誘導体金属害防止剤としては、
特公昭40−12293号、特公昭48−36837
号、特公昭52−22834号などにより提示されてお
り、例えば下記一般式〔I〕で示される化合物
【化1】
【0040】上式中、Rは水素および1〜4の炭素原子
を有するメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキ
シエチル、などの低級アルキル基から選ばれた残基であ
り、Qはベンゼン核あるいはナフタリン核を表わす。
【0041】また、XはR1 あるいは式−(R2 )n−
Aを示し、(ここではR1 は水素1〜18の炭素原子を
有するアルキルフェニルである。これらは置換基を有し
ていても良い。その具体例としてはメチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘプチ
ル、ペンチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘ
プチル、ノニル、ドデカニル、ヘプタデカニル、フェニ
ル、トルイル、モノクロルフェニル、ヒドロキシフェニ
ル、アルコキシフェニル、アシロキシフェニル、キシレ
ノイル、ヒドロキシエチル、メルカプトエチル、クロル
メチル、アミノフェニル、アミノメチル、ブチロキシエ
チル、エトキシエチル、フェノキシメチル、ピリジル、
フェニルメチル、p−ヒドロキシフェニルエチル、ベン
ゾイルアミドメチル、ブチルメルカプトエチル、ピロリ
ドン基などがあげられる。R2 は1〜8の炭素原子を有
するアルキレンで、代表的なものはメチレン、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、オクチレン、1,2ジヒド
ロキシエチレン、ヒドロキシエチレンなどがあり、およ
びビニレン、フェニレンから選択される。nは0あるい
は1の整数を示し、Aは上記一般式のXを除く残りの式
で示される。この残りの式で説明される夫々の記号の定
義は上記の一般式の定義にあてはまり上記一般式と具体
的には等しく、あるいは相異っていても良い。)
【0042】Z1 ,Z2 は夫々酸素原子あるいは硫黄原
子を示し、夫々は相等しいか、あるいは相異っていても
良い。WはZ2 が酸素のとき水素原子を示し、Z2 が硫
黄原子の場合水素原子あるいは置換基を有することもあ
る1〜8の炭素原子を有するアルキル、すなわち具体例
をあげればメチル、ブチル、エチル、プロピル、フェニ
ルエチル、メトキシアシルエチル、チオフェノキシ、チ
オブチロキシ、チオオクトキシなどを示す。あるいはD
から選ばれた有機残基である。(ここでDは上記一般式
のWを除く残りの式で表わされ、残りの式で説明される
夫々の記号の定義は上記一般式の定義にあてはまり、具
体的には上記一般式と等しくあるいは相異っていても良
い)
【0043】l,mは夫々1あるいは2の整数を示し、
少なくとも1個の式−Z2 −Wはオルソ位を占める。式
−Z2 −WあるいはYはl,mが夫々2の整数をとると
き夫々は定義の範囲で等しくあるいは相異っても良い。
しかしながらWがDから選ばれたとき2個の−Z2 −W
のうち一方は常にD以外の残基から選択される。
【0044】YはR3 あるいは式−R4 −Bであり(こ
こでR3 は水素原子、1〜18の炭素原子を有するアル
キル、フェニルおよび置換基を有する。これらのアルキ
ル、フェニルの具体例をあげればメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャル
ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペプチル、オクチル、イ
ソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニルデシル、イソ
デシル、トリデシル、ラウリル、ステアリル、パルミチ
ル、フェニル、トルイル、アルコキシエチル、クロルメ
チル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、アルコキ
シフェニル、キシレノイル、エトキシエチル、フェノキ
シメチル、アンモニウムメチル、フェニルメチルなどが
代表例としてあげられる。さらに1〜18の炭素原子を
有するアルコキシ、フェノキシがあげられる。代表例と
してメトキシ、エトキシ、ブトキシ、オクトキシ、フェ
ノキシ、フェニルメトキシなどがある。さらにフッ素、
塩素、臭素、沃素のハロゲン原子、アミノ基、アシロキ
シ基、アシル基で、これらの具体例にはアミノスルホア
ミド、カルバモイル、エチルアミノ、フェニルアミノ、
アセトキシ、ベンゾキシ、メトキシアシル、エトキシア
シル、フェニルアシル、オクトキシアシルが代表的であ
り、これらの群から選ばれた残基で示される。R4 は酸
素、硫黄原子、二酸化硫黄、−NHCSNH−、1〜4
の炭素原子を有するアルキリデンから選ばれた二価の残
基であり、Bは上記一般式のYを除く残りの式で示さ
れ、夫々の記号の定義は上記一般式の定義にあてはま
り、具体的には上記一般式と等しくあるいは相異ってい
ても良い) ここでXが−(R2 )n−AのときYはR3 から選択さ
れ、またYが−(R4)n−BのときXはR1 から選択
され、WがDのとき夫々XはR1 からYはR3から選択
された残基を有する。
【0045】さらに、下記一般式〔II〕で示される化合
物などが挙げられる。
【化2】 〔ただし式中、A1 は炭素数10〜18のアルキレン基
を示し、A2 は炭素数1〜15のアルキレン基、炭素数
2〜14のアルケニレン基、フェニレン基またはチオジ
エチレン基を示す。Gは炭素数2〜10のアルキレン基
を示す。Rはピロリドンカルボン酸残基または
【化3】 を示し、kは0,1,2を示し、lは0,1を示し、m
は0,1,2を示す。A 3 はエチレン基または−R′−
S−R″−を示し、R′,R″はメチレン基またはエチ
レン基を示す。R′″は炭素数1〜8のアルキル基、メ
トキシ基またはハロゲン原子を示す。nは0,1,2,
3を示す。〕
【0046】本発明において好ましい(C)金属害防止
剤はサリチル酸誘導体金属害防止剤であり、特に好まし
くは3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−ト
リアゾールとデカメチレンジカルボン酸ジサリチロイル
ヒドラジドであり、これらは例えば旭電化工業株式会社
よりアデカスタブCDA−1,CDA−6として販売さ
れている。
【0047】(C)金属害防止剤の添加量は(A)熱可
塑性エラストマーと(B)ゴムの合計100重量部に対
して0.05〜6重量部であり、好ましくは0.5〜4
重量部、より好ましくは0.5〜2重量部である。
(C)の添加量が0.05重量部未満では、耐グリース
性の改良効果が十分でなく、(C)の添加量が6重量部
を超えると得られる組成物の機械的性質が低下し、ま
た、表面にブルームアウトする。金属害防止剤は1種類
又は2種類以上のものを混合して使用しても良い。
【0048】通常、等速ジョイントのような過酷な条件
下で使用されるグリースは摩擦係数および摩耗係数が小
さく、耐久性に優れるようにジアルキルジチオリン酸亜
鉛等の極圧添加剤が添加されており、この添加剤によっ
てポリエステルエラストマーやゴムの劣化が促進され
る。本特許でいうところの耐グリース性とはこのような
極圧添加剤が添加されたグリースに対するものである。
グリースの基油は高温特性のよい潤滑油であれば、鉱油
系のものであっても、またフェニル系シリコーン油、ジ
エステル油その他の合成油系のものであっても特に限定
されるものではない。また増稠剤も特に限定されるもの
ではないが、高温用グリースに広く用いられているアリ
ルウレア、ポリウレア等のウレア系のものおよびリチウ
ム石ケン等のリチウム系のものを例示することができ
る。
【0049】極圧添加剤としては、ジアルキルジチオリ
ン酸亜鉛(Zn−DTP)、ジアルキルジチオリン酸モ
リブデン(Mp−DTP)等が挙げられ、その配合割合
は使用条件に応じて適宜選択されるものであり特に限定
されるものではない。さらに上記成分の他にグリースの
添加剤として一般的に使用されている、固体潤滑剤、防
錆剤、酸化防止剤、安定剤等を適宜添加することができ
る。
【0050】本発明における組成物は、各種押出機、バ
ンバリーミキサー、ニーダー、ロールあるいはこれらを
組み合わせたものなどにより、上記各成分を混練するこ
とによって行われる。
【0051】各成分を添加する方法は、(A)、
(B)、(C)成分を同時に添加する方法、(A)、
(B)2成分を混練した後(C)成分を添加する方法、
(A)成分または(B)成分に(C)成分を配合した後
に残りの成分と混練する方法のいずれでも良い。
【0052】本発明のゴム(B)を熱可塑性ポリエステ
ル(A)中に十分に分散させ、かつその界面を強化して
物性をさらに向上させるために、いわゆる相溶化剤を用
いることができる。相溶化剤は大きく分けると、化学反
応を伴わないものと伴うものがある。前者は、通常ブロ
ック共重合体やグラフト共重合体であり、いわゆる乳化
作用を示す。後者は、末端や側鎖に官能基を有するポリ
マーやポリマーの末端に重合性基を有する高分子マクロ
マーなどである。
【0053】相溶化剤の具体例としては、エチレン/グ
リシジルメタクリレート共重合体−ポリメチルメタクリ
レートグラフトポリマー、エチレン/グリシジルメタク
リレート共重合体−アクリロニトリル/スチレン共重合
体グラフトポリマー、エチレン/グリシジルメタクリレ
ート共重合体−ポリスチレングラフトポリマー、エチレ
ン/エチレンアクリレート共重合体−ポリメチルメタク
リレートグラフトポリマー、エチレン/エチルアクリレ
ート共重合体−ポリアクリロニトリルグラフトポリマ
ー、エチレン/エチルアクリレート共重合体−ポリアク
リロニトリルグラフトポリマー、エチレン/エチルアク
リレート共重合体−ポリスチレングラフトポリマー、エ
チレン/酢酸ビニル共重合体−ポリメチルメタクリレー
トグラフトポリマー、エチレン/酢酸ビニル共重合体−
ポリアクリロニトリルグラフトポリマー、エチレン/酢
酸ビニル共重合体−ポリスチレングラフトポリマー、ポ
リプロピレン−ポリアクリロニトリルグラフトポリマ
ー、ポリプロピレン−ポリスチレングラフトポリマー、
ポリプロピレン−ポリスチレングラフトポリマー、ポリ
エチレン−ポリメチルメタクリレートグラフトポリマ
ー、ポリエチレン−ポリアクリロニトリルグラフトポリ
マー、ポリエチレン−ポリスチレングラフトポリマー、
エポキシ変性ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート
グラフトポリマー、ポリブチレンテレフタレート−ポリ
スチレングラフトポリマー、酸変性アクリル−ポリメチ
ルメタクリレートグラフトポリマー、酸変性アクリル−
ポリスチレングラフトポリマー、ポリスチレン−ポリメ
チルメタクリレートグラフトポリマー、ポリスチレン−
ポリエチレングラフトポリマー、ポリスチレン−ポリブ
タジエングラフトポリマー、ポリスチレン−ポリアクリ
ロニトリルブロック共重合体、ポリスチレン−ポリブチ
ルアクリレートブロック共重合体などが挙げられる。
【0054】相溶化剤の具体例としては、日本油脂株式
会社製モディパーA1100,A3100,A410
0,A5100,A6100,A1200,A420
0,A5200,A6200,A1400,A340
0,A4400,A5400,A6400、東亜合成化
学工業株式会社製RESEDA(登録商標名)GP10
0,GP200,GP300,GP400,GP50
0,GP700などの市販品を挙げることができる。こ
れらを含めた相溶化剤の例は、秋山三郎著「表面」19
91年Vol.29,No.1や、前田佳治ら著雑誌
「高分子加工」1991年40巻4号などに記載されて
いる。
【0055】これらの相溶化剤の中で特に好ましいもの
は使用する(B)ゴムの種類によっても異なるが、
(A)熱可塑性ポリエステルエラストマーと直接反応す
るエポキシ基またはカルボキシル基を有する相溶化剤で
ある。
【0056】本発明の組成物には、柔軟性と流動性をさ
らに向上させるために、機械的強度などを損なわない範
囲で可塑剤を添加することができる。使用することがで
きる可塑剤としては、例えば特願平4−256293号
の明細書に開示の可塑剤が使用できる。
【0057】本発明の組成物に上記可塑剤を添加する場
合、ブリード性の面からはフタル酸エステル類、リン酸
エステル類、エポキシ系可塑剤、ポリエーテル系可塑剤
などが好ましく、さらに好ましくはフタル酸エステル類
およびポリエーテル系可塑剤である。可塑剤の添加は、
架橋剤の添加前、添加後いずれでもよく、また一部を架
橋前に添加し、残りを架橋後に添加してもよい。
【0058】本発明の組成物に液状アクリロニトリル−
ブタジエン共重合ゴム、液状アクリルゴム、液状ポリブ
タジエンゴムなどの液状ゴムを機械的強度を損なわない
範囲で配合することにより、流動性や柔軟性をさらに向
上させることができる。
【0059】本発明の組成物には、流動性や機械的強度
を損なわない範囲で、充填剤、例えば炭酸カルシウム、
ケイ酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、シリ
カ、ケイソウ土、雲母粉、アスベスト、アルミナ、硫酸
バリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、塩基性
炭酸マグネシウム、二硫化モリブデン、グラファイト、
カーボンブラック、カーボン繊維など、あるいは着色
剤、例えばカーボンブラック、群青、酸化チタン、亜鉛
華、べんがら、紺青、アゾ顔料、ニトロン顔料、レーキ
顔料、フタロシアニン顔料などを配合することができ
る。
【0060】さらに、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸
収剤などの各種安定剤を数種類組み合わせて添加するこ
ともできる。これらは例えば特願平4−256293号
の明細書に開示の各種添加剤が使用できる。
【0061】また、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物には、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボ
ネート、PET、PBT、ポリアセタール、ポリアミ
ド、エポキシ樹脂、フッ化ビニリデン、ポリスルホン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン、PPO樹脂、スチレン−メタクリ
ル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ゴム変性PPO樹脂、スチレン−マレイミド系共重
合体、ゴム変形スチレン−マレイミド系共重合体などの
樹脂を適宜ブレンドすることができる。
【0062】本発明の組成物を成形することにより得ら
れる成形体は、バンパー部品、サイドシールド、ステア
リングホイール、モール、ハンドル、ラック・ピニオン
式ステアリング用ブーツ、等速ジョイントブーツ、マク
ファーソンストラットブーツ、プロペラシャフト用ブー
ツ、トーリングブーツ、ステアリングブーツ、ボールジ
ョイントシール、タイロッドシール、ユニバーサルジョ
イントシール、エアーサスペンション用ベローズ、ロー
リングダイヤフラムなどの自動車部品、靴底、サンダル
などの履物、電線被覆、コネクター、キャッププラグな
どの電気部品、ゴルフクラブグリップ、野球バットのグ
リップ、水泳用フィン、水中眼鏡などのスポーツ、レジ
ャー用品、キーボードスイッチなどのラバーコンタク
ト、カールコード、カップリング、Oリング、ガスケッ
ト、防水布、油圧ホース、パワステホース、バキューム
チューブ、コイルチューブなどのカーデンホースなどの
チューブ、ホース類、パッキンロール、ベルトなどの素
材として使用することができる。
【0063】以下に実施例によって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これ
らの実施例に何ら制限されるものではない。
【0064】実施例1〜9 熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー(エニケム
・ポリメリ社製PIBIFLEX 46M)とゴム、金
属害防止剤を表1に示す組成割合(表中の数字は重量部
を表す。)で2軸押出機を用いて230℃にて混練中、
ゴムを配合してあるものは二軸押出機の途中より架橋剤
を添加して動的架橋をした。このようにして得られたペ
レット状の熱可塑性エラストマー組成物を十分乾燥した
後、射出成形機にて厚さ2mmのシートに成形し、以下
の各試験に呈した。
【0065】(1)硬度:JIS K−6301 JI
S A硬度 (2)流動性:MFR 230℃×10kg荷重(23
0℃×2.16kg荷重) (3)引張強度(TB ):JIS K−6301 JI
S 3号ダンペル (4)引張伸度(EB ):JIS K−6301 JI
S 3号ダンペル (5)成形外観:上記成形シートにおいてショートショ
ットが無く、著しい外観不良(フローマーク、デラミネ
ーション、ブルームアウト)がない場合に外観を良好と
した。 (6)耐グリース試験:グリースに上記成形品を120
℃にて70時間浸せきし、引張り強度と引張り伸度の変
化率を測定した。
【0066】
【数1】 B0:浸せき前のTB B1:浸せき後のTBB0:浸せき前のEB B1:浸せき後のEB
【0067】グリースは基油(鉱油)に増稠剤としてリ
チウム化合物を14.1重量%、極圧添加剤として硫黄
−リン系極圧添加剤とジアルキルジチオリン酸亜鉛を各
3重量%添加したものを使用した。
【表1】
【0068】比較例1〜5 ポリエステルエラストマー、ゴム、金属害防止剤の配合
割合を表2に示すように変える以外は、実施例と同様に
して組成物を得た。比較例1〜3は金属害防止剤の添加
量が本発明の範囲未満の例であり、得られた組成物の耐
グリース性が劣っていた。比較例4は金属害防止剤の添
加量が本発明の範囲を超えた例であり、得られた組成物
の機械的性質が劣り、また過剰の金属害防止剤がブルー
ムアウトし実用に耐えなかった。比較例5はゴムの配合
量が本発明の範囲を超えており、流動性が劣るため射出
成形では成形できなかった。
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ポリエステルエラスト
マーにゴムを加え、または加えずに、これに金属害防止
剤を配合することによって、ポリエステルエラストマー
の特徴である機械的強度、耐熱性を保持しながら、柔軟
性と耐グリース性を改良することができる。
フロントページの続き (72)発明者 安田 直史 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (72)発明者 中島 達雄 静岡県磐田市東貝塚1342−2 (72)発明者 此本 武美 静岡県掛川市初馬2092

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性ポリエステルエラストマー
    40〜100重量%、(B)ゴム 60〜0重量%、
    (C)上記(A)+(B)成分の合計100重量部に対
    して金属害防止剤を0.05〜6重量部配合した熱可塑
    性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1における(C)金属害防止剤が
    サリチル酸誘導体金属害防止剤である熱可塑性エラスト
    マー組成物。
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