JPH075241Y2 - ロッカカバーの封止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、エンジンのロッカカバーの封止構造に関す
る。

〔従来の技術〕

一般に、エンジンのバルブのアーム等を保護するため
に、シリンダヘッドには、ロッカカバーが取付られてい
る。

そのロッカカバーが取付られたロッカカバーの封止構造
は、第５図に示すように、シリンダヘッド13の端面と、
ロッカカバー14開口端面に形成されたラバーリング装着
凹部15間に、例えば実開昭61-29165号公報に示すように
ラバーリング16を介在してボルト17によりシリンダヘッ
ド13にロッカカバー14が取付けられた構成となってい
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記ボルトによる締付けの際に、ラバー
リング16のボルト孔部18が第６図又は第７図に示すよう
にシリンダヘッド13端面とロッカカバー14開口端面との
間又はシリンダヘッド13端面とスペーサ19との間に噛み
込まれてそこに亀裂や永久圧縮歪が発生する。

本考案は上記問題を解決するためになされたもので、そ
の目的は、ボルトの締付の際にラバーリングのボルト孔
部が噛み込まれるのを防止して、それに起因する亀裂や
永久圧縮歪の発生がないロッカカバーの封止構造を提供
することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するための本考案の構成は、シリンダヘ
ッド端面と、ロッカカバー開口端面に形成されたラバー
リング装着凹部間にラバーリングを介在してボルトによ
りロッカーカバーをシリンダヘッドに取付けたロッカカ
バーの封止構造において、上記ラバーリングのボルト孔
部内側部分の幅を外側部分に比べて広くし、ボルト孔部
の幅の狭い外側部分の下面に切欠部を形成したものであ
る。

〔作用〕

ラバーリングのボルト孔部内側部分の幅を外側部分の幅
に比べて広くすれば、ボルト孔部の内側部分の腰が強く
なり、ボルト締付によってラバーリング全体が圧縮され
たときに内側部分が傾くことなくシリンダヘッドに密着
圧縮されて良好な気密封止になる。

また、切欠部を幅の狭いボルト孔部外側部分の下面に形
成すれば、ボルト締付完了時点で外側部分の下面が丁度
シリンダヘッド端面に傾くことはなく圧着する。そし
て、ボルト孔部の噛み込みがなくなる。

〔実施例〕

以下、図面により本考案を詳細に説明する。

第１図乃至第３図は、本考案のロッカカバーの封止装置
の一実施例を示したものである。

１はシリンダロック上に設けられたシリンダヘッド、２
はシリンダヘッド１上に取付られるロッカカバーであ
る。ロッカカバー２の開口端面５には、第２図及び第３
図に示すようにその周囲にラバーリング３の形状と合致
するラバーリング装着凹部４が形成されている。ラバー
リング３は、例えばシリコーンゴムからなるもので、ロ
ッカカバー２の開口端面５の外周とほぼ同じリング環状
の任意の箇所に、ボルト孔６を有するボルト孔部７が設
けられている。そのボルト孔部７は、第４図に示すよう
に内側部分8aの幅は、外側部分8bの幅Ｌの例えば２倍に
なっている。内側部分8aに比べて幅が狭い外側部分8bの
下面には、圧縮代分削った切欠部９が形成されている。
即ち、外側部分8bの高さは、H1（ロッカカバー２端部上
面からラバーリング装着凹部４までの厚さ）＋H2（ラバ
ーリング３の厚さ）−Ｈ（スペーサ10の高さ）である。
そして、第２図に示すようにロッカカバー２のボルト孔
11にスペーサ10を装着し、第３図に示すようにシリンダ
ヘッド１端面とラバーリング装着凹部４が形成されたロ
ッカカバー２の間にラバーリング３を装着してボルト12
の締付によりロッカカバー２がシリンダヘッド１に取付
られている。

かかるロッカカバーの封止構造であれば、ラバーリング
３のボルト孔部７の内側部分8aを外側部分8bの幅に比べ
て広くなっているので、ボルト孔部７の内側部分8bの腰
が強くなり、ボルト12締付の際に傾くことなく広い面が
圧縮されてシリンダヘッド１の端面に密着して気密性が
良好になる。

また、内側部分8aに比べて幅の狭い外側部分8bの下面に
圧縮代分削った切欠部９を形成するので、ボルト12締付
完了時点で外側部分8bの下面が丁度シリンダヘッド１端
面に密着して傾くことはなくなる。従って、ラバーリン
グ３のボルト孔部７の傾きによる噛み込みがなくなる。

〔考案の効果〕

以上述べた如く本考案は、ラバーリングのボルト孔部内
側部分の幅を外側部分の幅に比べて広くし、幅の狭い外
側部分の下面に切欠部を形成したので、ボルトの締付の
際にラバーリングのボルト孔部が噛は込まれるのを防止
し、それに起因する亀裂や永久圧縮歪の発生がなくな
り、ラバーリングがシリンダヘッド端面に良好に密着し
て、気密封止が確実になる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の一実施例で、第１図はその
ロッカカバー及びラバーリングの要部斜視図、第２図は
その要部分解断面図、第３図はボルトで締付した状態の
断面図、第４図はラバーリングの要部平面図、第５図乃
至第７図は従来の場合を示したもので、第５図はボルト
を軽く締めた状態の断面図、第６図及び第７図はそれぞ
れボルトを完全に締めた状態の断面図である。 １……シリンダヘッド ２……ロッカカバー ３……ラバーリング ４……ラバーリング装着凹部 ５……開口端面 ７……ボルト孔部 8a……内側部分 8b……外側部分 ９……切欠部 12……ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダヘッド端面と、ロッカカバー開口
   端面に形成されたラバーリング装着凹部間にラバーリン
   グを介在してボルトによりロッカカバーをシリンダヘッ
   ドに取付けたロッカカバーの封止構造において、上記ラ
   バーリングのボルト孔部内側部分の幅を外側部分に比べ
   て広くし、ボルト孔部の幅の狭い外側部分の下面に切欠
   部を形成したことを特徴とするロッカカバーの封止構
   造。