JPH0749732B2 - 高層建造物における連層耐震壁構造 - Google Patents

高層建造物における連層耐震壁構造

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JPH0749732B2
JPH0749732B2 JP6607889A JP6607889A JPH0749732B2 JP H0749732 B2 JPH0749732 B2 JP H0749732B2 JP 6607889 A JP6607889 A JP 6607889A JP 6607889 A JP6607889 A JP 6607889A JP H0749732 B2 JPH0749732 B2 JP H0749732B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高層建造物における連層耐震壁構造に係るもの
である。
(従来の技術) 従来の連層耐震壁は、一般に第13図及び第14図に示すよ
うに、場所打ちコンクリートによって、壁板部(a)と
付帯柱(b)とを同時に打設して施工されている。
而して前記付帯柱は一般に鉄筋コンクリート造か、鉄骨
鉄筋コンクリート造とし、柱はかぶりコンクリートによ
って被覆され、柱の軸方向圧縮力に対するコンクリート
の拘束力は、柱主筋(b1)囲繞するフープ筋(b2)によって
得られるように構成されている。
図中(a1)(a2)は壁縦筋及び壁横筋、(c)は梁である。
(発明が解決しようとする課題) 高層建造物内に配置される連層耐震壁には次の2つの応
力が生じる。
(i)鉛直荷重下では、付帯柱に圧縮軸力が作用する。
この軸力は一般に他の柱に比して大きな値となる。
(ii)地震荷重下では壁板部に剪断力を生じ、同時に下
階層の付帯柱には曲げモーメントによって生じる圧縮軸
力と引張軸力とが交互に作用する。
この種の耐震壁の地震荷重下での靭性は主として下層部
の曲げ変形によって確保され、この曲げ変形は付帯柱の
靭性、特に圧縮力を受ける側の柱の靭性によって決ま
る。
従って前記従来の連層耐震壁では、付帯柱にかかる圧縮
力(鉛直荷重時の軸力+地震荷重時の軸力)が、同付帯
柱の一軸圧縮強度かそれ以上の値に達すると、圧縮靭性
が急激に低下し、その結果、曲げ靭性も低下するため、
耐震壁の耐震性能を確保するのが困難となってくる。
本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案され
たもので、その目的とする処は、高層建造物における連
層耐震壁の下層階の付帯柱の強度及び靭性を改善し、連
層耐震壁の耐震設計上の有効性を向上せしめる点にあ
る。
(課題を解決するための手段) 前記の目的を達成するため、本発明に係る高層建造物に
おける連層耐震壁構造は、連層耐震壁における下階層の
付帯柱を、鋼管巻きRC造またはSRC造柱より構成すると
ともに、前記鋼管に付設した剪断抵抗部材を介して前記
付帯柱と壁部コンクリートとを一体化して構成されてい
る。
(作用) 本発明によれば前記したように、連層耐震壁における下
階層の付帯柱を、鋼管巻きRC造またはSRC造柱より構成
したことによって、付帯柱の圧縮靭性を向上し、同付帯
柱に前記鋼管外周に付設された剪断抵抗部材を介して一
体化された耐震壁の曲げ靭性も、大幅に向上する。
(実施例) 以下本発明を図示の実施例について説明する。
第1図及び第2図において、(A)は高層建造物におけ
る連層耐震壁における鋼管巻きRC造の付帯柱で、角型鋼
管(1)内に柱主筋(2)、芯柱筋(3)と帯筋(4)
とが配筋され、高強度コンクリート(5)が打設されて
いる。
なお鋼管巻きRC造柱は従来のRC造柱のフープの代りに鋼
管を外周に巻きつけたもので、柱頭、柱脚で縁切りされ
ている。
図中xはこの縁切り部である。
前記付帯柱(A)は鋼管(1)の外周面に溶接によって
植設された、前記剪断抵抗部材を構成するシヤーキー
(6)を介して鉄筋コンクリート造耐震壁(B)と一体
化されている。
図中(7)は壁縦筋、(8)は壁横筋、(9)は幅止め
筋、(10)は壁コンクリート、(C)は梁である。
なお前記付帯柱(A)における角型鋼管(1)の代り
に、円型鋼管を使用してもよい。
前記実施例において付帯柱(A)を鋼管巻きRC造柱とし
たのは、圧縮軸力による圧縮靭性を向上させることを目
的とするものであり、このように付帯柱(A)の圧縮靭
性を向上すると、耐震壁(B)の曲げ靭性が大幅に向上
される。
ここで前記付帯柱(A)を構成する鋼管巻きRC造柱、SR
C造柱について説明する。
鋼管巻きRC造柱またはSRC造柱は、柱頭・柱脚において
鋼管が縁切されており直接鋼管は軸方向(特に圧縮軸
力)には負荷されないようになっている。
これに反して従来の鋼管コンクリート柱は、柱頭・柱脚
で鋼管が横架材と接続されており、鋼管に直接軸方向力
が負荷される。
第6図乃至第8図は前記鋼管巻きRC造柱、SRC造柱と、
鋼管コンクリート柱との実験例を示し、第6図は鋼管コ
ンクリート柱、第7図は鋼管巻きRC造柱またはSRC造柱
を示し、第6図の鋼管コンクリート柱は、加力開始時よ
り鋼管に圧縮軸力が負荷されるため、量大加荷重時に
は、第8図のyに示す如く鋼管の局所座屈を誘発し、そ
れ以降の靭性を確保するのが困難となってくる。
これに対して、第7図の鋼管巻きRC造柱またはSRC造柱
は、鋼管は直接軸方向(特に圧縮軸力)には負荷されな
いため、鋼管は主として柱周方向に引張抵抗力により内
部コンクリートを拘束する役割を果す。
第6図に示す鋼管コンクリート柱と第7図に示す鋼管巻
きRC造柱またはSRC造柱の荷重に対する変形特性の違い
を第9図に示す。
次に第10図乃至第12図について本発明の作用効果を詳細
に説明する。
第10図は各種柱の軸方向荷重と軸方向圧縮歪度との関係
を示す曲線を示し、K1は従来の鉄筋コンクリート柱の場
合を示し、K2は角型鋼管を使用した鋼管巻きRC造または
SRC造柱の場合を示し、K3は円型鋼管を使用した鋼管巻
きRC造またはSRC造柱の場合を示す。この図から鋼管巻
きRC造またはSRC造柱が従来の鉄筋コンクリート柱に対
して圧縮軸力による圧縮靭性が大きいことが判る。
なお図中k1,k2及びk3は夫々後記のcεcに相当する。
第11図は連層耐震壁に地震時に軸力N、曲げモーメント
M、及び剪断力Qが使用した際の耐震壁断面の歪分布を
示し、図中cεcは圧縮側の在来型鉄筋コンクリート柱コ
ンクリートの圧縮歪、tεcは引張側の在来型鉄筋コンク
リート柱の柱筋の引張歪を示し、tεwはこれに伴なう壁
筋の引張歪である。
而して付帯柱を角型鋼管または円型鋼管を使用した鋼管
巻きRC造またはSRC造柱とすることによって、柱コンク
リートの圧縮歪はcε′ccε″cとなり、柱筋の引張歪
みはtε′ctε″cとなる。なおtε′wtε″wは壁筋
の引張歪である。
従って第11図に示すように耐震壁の曲げ曲率は従来型鉄
筋コンクリート柱の場合のφwよりφ′wまたはφ″w
増大する。
第12図は耐震壁の曲げモーメント−曲げ曲率の関係図を
示し、K′1は在来型鉄筋コンクリート付帯柱を有する
場合、K′2は角型鋼管を使用した鋼管巻きRC造またはS
RC造付帯柱を有する場合、K′3は円型鋼管を使用した
鋼管巻きRC造またはSRC造付帯柱を有する場合を示す。
上図より明らかなように、前記実施例における如く付帯
柱を角型鋼管、円型鋼管を使用した鋼管巻きRC造または
SRC造柱とすることによって、同付帯柱の圧縮靭性を向
上し、耐震壁の曲げ曲率を増大することによって、同耐
震壁の曲げ靭性が大幅に向上される。
高強度コンクリートは横方向の拘束力がない場合には、
最大圧縮強度以降は急激な破壊に至るため、靭性を期待
することはできない。しかし前記実施例の如く、適量の
鋼管を被覆することによって、大幅な圧縮靭性の改善を
期待することができる。(第10図参照) なお一般に付帯柱以外の隅柱を除く部材には精々400〜5
00kg/cm2程度の圧縮強度を有するコンクリートを使用す
ればよいので、それ以上の高強度コンクリートを別途場
所打ちすることは合理的でなく、PC化するほうがよい。
第3図は本発明の他の実施例を示し、角型鋼管(1)内
に柱主筋(2)と帯筋(4)とが配筋され、高強度コン
クリート(5)を填装されたプレキヤスト鋼管コンクリ
ート柱の柱芯部に設けた中空部に、現場打鉄筋コンクリ
ート部(11)を設けてなる鋼管巻きRC造付帯柱における
前記角型鋼管(1)に溶接したシヤーキー(6)によっ
て、鉄筋コンクリート造耐震壁(B)と一体化したもの
である。
図中、前記実施例と均等部分には同一符号が附されてい
る。
第4図に示す実施例は、角型鋼管(1)内に第1図の実
施例における芯柱筋(3)の代りに鉄骨柱(12)を配設
し、高強度コンクリート(5)を打設して鋼管巻きSRC
造の付帯柱を構成したものである。
図中前記各実施例と均等部分には同一符号が附されてい
る。
第5図に示す実施例は、角型鋼管(1)内に柱主筋
(2)と帯筋(4)とを配筋し、高強度コンクリート
(5)が填装されたプレキヤスト鋼管コンクリート柱の
柱芯部に設けた中空部に、柱鉄骨(13)を配設するとと
もに、現場打コンクリート(14)を打設して、鋼管巻き
SRC造付帯柱を構成したものである。
図中、前記各実施例と均等部分には同一符号が附されて
いる。
(発明の効果) 本発明は前記したように連層耐震壁における下階層の付
帯柱を、鋼管巻きRC造またはSRC造柱より構成したこと
によって、前記付帯柱の圧縮靭性を向上し、同付帯柱に
前記鋼管に付設された剪断抵抗部材を介して一体化され
た耐震壁の曲げ靭性を大幅に向上し、連層耐震壁の耐震
設計上の有効性を向上するものである。
請求項2の発明は、鋼管巻きRC造またはSRC造付帯柱に
おける鋼管に高強度コンクリートを打設したことによっ
て、同コンクリートを鋼管により横方向から拘束して、
大幅な圧縮靭性の改善を図ったものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る高層建造物における連層耐震壁構
造の一実施例を示す横断平面図、第2図はその縦断面
図、第3図は本発明の他の実施例を示す横断平面図、第
4図及び第5図は夫々本発明の更に他の実施例における
付帯柱部分の横断平面図、第6図及び第7図は夫々鋼管
コンクリート柱及び鋼管巻きRC造またはSRC造柱の正面
図、第8図は圧縮軸力による鋼管コンクリート柱の変形
状態を示す正面図、第9図は前記各柱の軸力と軸方向変
形との関係を示す図、第10図乃至第12図は本発明の作用
説明図で、第10図は付帯柱の軸方向圧縮歪度と軸方向荷
重との関係を示す図、第11図は耐震壁断面の歪分布図、
第12図は耐震壁の曲げモーメントと曲げ曲率との関係を
示す図、第13図及び第14図は夫々従来の連層耐震壁構造
を示す横断平面図並に一部縦断正面図である。 (A)……付帯柱、(B)……耐震壁、(1)……角型
鋼管、(5)……高強度コンクリート、(6)……シヤ
ーキー。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連層耐震壁における下階層の付帯柱を、鋼
    管巻きRC造またはSRC造柱より構成するとともに、前記
    鋼管に付設した剪断抵抗部材を介して前記付帯柱と壁部
    コンクリートとを一体化してなることを特徴とする高層
    建造物における連層耐震壁構造。
  2. 【請求項2】前記鋼管巻きRC造またはSRC造付帯柱は鋼
    管内に高強度コンクリートを打設して構成された請求項
    1記載の高層建造物における連層耐震壁構造。
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CN103790266B (zh) * 2014-01-28 2016-04-13 江苏建筑职业技术学院 钢管混凝土芯柱加劲预制装配式剪力墙单元
CN103790265B (zh) * 2014-01-28 2016-02-17 江苏建筑职业技术学院 一种预制装配式钢管混凝土芯柱加劲剪力墙的制作装配方法

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