JPH0740083A - ステンレス管のバックシール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 着脱作業が容易で、不活性ガスの消費量が少
なく、作業能率を高めることができるバックシール装置
を得る。 【構成】 外周に不活性ガス置換凹部空間11を形成した
リング状の本体10を溶接部の内側にセットし、この不活
性ガス置換凹部空間11内に不活性ガス導入ホース14を経
由して不活性ガスを送入し、この空間11内だけを不活性
ガスに置換して溶接を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ステンレス管のバック
シール装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ステンレス管を溶接して継ぐ場合には、
溶接箇所の内側に空気が残っていると溶接不良となるた
め、溶接部の内側を不活性ガスに置換してから溶接作業
に移行することが行われる。

【０００３】この一例として、図５には、Ｃ箇所で溶接
する管Ａ・Ｂの両端にキャップ１を冠せてこの管Ａ・Ｂ
内に不活性ガス導入ホース２を挿入し、管内全体を不活
性ガスに置換する方法と、図６に示すように、溶接箇所
の両側にスポンジ製の遮断具４、４′を挿入し、この遮
断具４、４′間の空間３を不活性ガスに置換する方法が
公知である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図５の方法で
は、管の口径が大きくなると置換に時間がかかると共
に、不活性ガスの消費に無駄が多い。一方、図６の方法
では、遮断具４、４′を管内に入れたり出したりするの
に手間がかかると共に、大口径用になればなるほど、こ
の遮断具４、４′を現場まで運搬したりするのに手間が
かかる。

【０００５】本発明の目的は、装置の設置が容易で、短
時間に不活性ガス置換ができると共に、経済性に優れた
ステンレス管のバックシール装置を提案することであ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係るステンレス
管のバックシール装置の構成は次のとおりである。

【０００７】断面を外向きの半円形に形成して不活性ガ
ス置換凹部空間を形成した自立型のリング状本体と、こ
の本体の不活性ガス置換凹部空間内に不活性ガスを導入
するために取り付けられた不活性ガス導入ホースと、か
ら成るステンレス管のバックシール装置。

【０００８】

【作用】リング状本体は、溶接対象管の開先内に挿入さ
れ、内側から溶接箇所をシールする。この本体内には不
活性ガス導入ホースを経由して不活性ガスが送入され、
不活性ガスに置換される。溶接は、この状態で外側から
行われる。溶接が終了した場合、本体は不活性ガス導入
ホース又は別に取り付けた引き出し用の紐を引くことに
より管外に取り出すことが可能である。本体は、管径ご
とに用意してもよいし、管径に合わせてアジャスト自在
に構成してもよい。又、使い捨て用に、例えば適当な直
径のホースを二つ割りにすると共に、割った方を外向き
にしてリング状に円曲し、両端を同じくホースを切った
もので接合してその都度現場で製作するようにしてもよ
い。なお、ホースは、二つ割りにした際に、断面が半円
形を保つようにワイヤ等の芯材入りのものを使用するこ
とが条件である。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明に係るバックシール装置にし
て、10は断面半円形の不活性ガス置換凹部空間11を外周
に形成した自立型のリング状本体にして、この本体10
は、図３に示すように、ワイヤ入り自立型のホース12を
一点鎖線で２つに割り、これを図４において矢印に示す
ように円曲してリング状に形成し、両端を同じくホース
12を切断して作った継ぎ片13により継いで作られたもの
である。

【００１０】14は不活性ガス導入ホースにして、この不
活性ガス導入ホース14は図外の不活性ガスボンベに結ば
れ、前記本体10の不活性ガス置換空間11内に不活性ガス
を送入するものである。なお、不活性ガスとしては例え
ばアルゴンを用いることができる。

【００１１】上記バックシール装置は、図２に示すよう
に、本体10が配管Ａ・Ｂの開先の内側にセットされ、こ
の本体10の不活性ガス置換凹部空間11内に不活性ガスが
送入されて溶接部の内側が不活性ガスに置換される。溶
接は、この状態において行う。溶接終了後は不活性ガス
導入ホース14をひいて本体10を管外にとり出す。

【００１２】

【発明の効果】本発明は以上のように、外周に不活性ガ
ス置換凹部空間を形成したリング状のバックシール装置
を溶接部の内側にセットして不活性ガス置換を行うこと
ができるように構成したので、次の効果を奏する。

【００１３】ａ．不活性ガスの消費量は、溶接部の内側
に形成された不活性ガス置換凹部空間内だけを置換する
量でよい。この結果、経済的であると共に置換に要する
時間は非常に短くなり、作業能率の向上を図ることがで
きる。

【００１４】ｂ．バックシール装置は、自立型のホース
を切断して簡単に製作できるので、安価である。

【００１５】ｃ．取り扱い及び着脱作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るバックシール装置の説明図。

【図２】バックシール装置の使用例の説明図。

【図３】ホースを切断する状況の説明図。

【図４】ホースを二つ割りに形成し、これをリング状に
形成する状況の説明図。

【図５】管内全体を不活性ガスに置換する従来例の説明
図。

【図６】管内にスポンジ製の遮断具を装入してこの間の
空間を不活性ガスに置換する従来例の説明図。

【符号の説明】

10 本体
11 不活性ガス置換凹部空間 12 ホース 13 継ぎ片 14 不活性ガス導入ホース

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面を外向きの半円形に形成して不活性
   ガス置換凹部空間を形成した自立型のリング状本体と、
   この本体の不活性ガス置換凹部空間内に不活性ガスを導
   入するために取り付けられた不活性ガス導入ホースと、
   から成るステンレス管のバックシール装置。
2. 【請求項２】 自立型のリング状本体の直径を調整自在
   に構成して成る請求項１記載のステンレス管のバックシ
   ール装置。