JPH0733424B2 - 磁気記録媒体用結合剤 - Google Patents

磁気記録媒体用結合剤

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JPH0733424B2
JPH0733424B2 JP62026153A JP2615387A JPH0733424B2 JP H0733424 B2 JPH0733424 B2 JP H0733424B2 JP 62026153 A JP62026153 A JP 62026153A JP 2615387 A JP2615387 A JP 2615387A JP H0733424 B2 JPH0733424 B2 JP H0733424B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体用結合剤に関するものであり、詳
しくは機械的強度、耐湿熱性、低温での特性に優れ、か
つ磁性粉の分散性、磁性塗膜表面の平滑性の優れた磁気
記録媒体を提供するために改良されたポリウレタン樹脂
を使用した結合剤に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体は磁性粉末、結合剤、有機溶剤及び必要に
応じて他の添加剤からなる磁性塗料をポリエステルフイ
ルムなどの非磁性支持体上に塗布、乾燥することにより
製造される。
磁気記録媒体は高再生出力、高SN比などの優れた電気的
特性を得るために、結合剤としては、磁性塗膜中への磁
性粒子の均一な分散性及び磁性塗膜表面の高度の平滑性
が要求されかつ、耐久性の優れたものが要求される。
これらの特性が比較的良好な結合剤としては塩化ビニル
−酢酸ビニル−ポリビニルアルコール共重合体、線状ポ
リウレタン樹脂などが汎用されているが、夫々一長一短
があり磁気記録媒体用結合剤として未だ十分なものとは
いえない。
従来使用されている線状ポリウレタン樹脂は、両末端に
水酸基を有する長鎖ポリオールと有機ジイソシアネート
及び比較的低分子量の2個の活性水素を有する鎖延長剤
と称するジアミン、ジオール等とを反応させて合成され
ており、かかる両末端に水酸基を有する長鎖ポリオール
としてはポリエステルポリオール或はポリエーテルポリ
オールが主として使用されている。
このようなポリエステルポリオールとしては、一般にエ
チレングリコール又は1,4−ブチレングリコール、1,6−
ヘキサングリコール等とアジピン酸から合成されるポリ
エステルが挙げられ、またポリエーテル系ポリオールと
してはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドの重
合体あるいは共重合体、さらにはテトラヒドロフランの
重合体であるポリテトラメチレンエーテルグリコール等
が使用されている。
しかしながらこれらのポリオールを用いたウレタン樹脂
は磁性粉末の分散性及び磁性塗膜の表面平滑性が十分で
あるとはいえず、また上記のポリエステル系ポリオール
を用いたポリウレタン樹脂の場合は耐水性、耐湿熱性が
悪く、一方ポリエーテル系ポリオールを用いたポリウレ
タン樹脂はエーテル結合を含有しているため酸化劣化さ
れやすく耐熱性が悪いという欠点を有している。
また特開昭60−29928号公報にはポリカプロラクトンポ
リオールと有機ジイソシアネート化合物との反応で得ら
れるポリウレタン樹脂により磁性粉の分散性、磁性層の
表面平滑性及び耐久性が改善出来ることが記載されてい
るが、耐湿熱性、低温での物性、コバインダーとの相溶
性の点で不充分であつた。
〔発明の目的〕
本発明の目的は耐湿熱性、低温での物性、コバインダー
との相溶性、機械的強度に優れ、かつ磁性粉の分散性、
磁性塗膜表明の平滑性に優れた磁気記録媒体用ポリウレ
タン樹脂を提供することにある。
即ち分子内に2個以上の活性水素を有するポリヒドロキ
シ化合物としてβ−メチル−δ−バレロラクトンを開環
重合して得られる数平均分子量250〜10000のポリメチル
バレロラクトンポリオールを含有する化合物を用い、こ
れとポリイソシアネート化合物とを反応させることによ
り得られるポリウレタン樹脂を結合剤に含有させること
により従来の熱可塑性ウレタン樹脂を使用したものに比
べ、耐湿熱性、低温での物性、コバインダーとの相溶
性、機械的強度に優れ、かつ磁性粉の分散性、磁性塗膜
表面の平滑性に優れた磁気記録媒体が得られることを見
い出し本発明の目的を達成した。
〔発明の構成〕 本発明に用いられるポリウレタン樹脂は重量平均分子量
で5000〜200000、好ましくは8000〜150000である。重量
平均分子量5000以下ではポリウレタン樹脂の機械的性質
が劣り磁気記録媒体の耐久性が悪くなる。200000以上で
は磁性粉の分散性が劣り、磁性塗膜表面の平滑性が悪く
なる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂を製造する方法と
しては、目的とするポリウレタン樹脂の重合度、使用す
る原料の種類などを考慮して公知の製造法から適宜選ば
れる。例えば必要に応じ、通常イソシアネート基に不活
性な溶媒を用い、更に必要であれば、通常のウレタン化
触媒を用いて10〜150℃好ましくは20〜130℃の温度範囲
で活性水素を有するポリヒドロキシ化合物と化学量論的
に過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて末端
にイソシアネート基を有するプレポリマーを製造し、次
いで鎖延長剤であるジオール、ジアミン、トリオール等
を反応させて末端に水酸基を含有するポリウレタン樹脂
を得る方法、あるいは化学量論的に水酸基が過剰になる
仕込量でポリヒドロキシ化合物、鎖延長剤とポリイソシ
アネート化合物を同時に反応させて末端水酸基のポリウ
レタン樹脂を得る方法などが挙げられる。また鎖延長剤
を用いないでポリイソシアネート化合物とポリヒドロキ
シ化合物を反応させて末端水酸基のポリウレタン樹脂を
得る方法、更にはポリヒドロキシ化合物とポリイソシア
ネート化合物とを反応させて末端水酸基を得、それにさ
らにポリイソシアネート化合物を反応させて末端水酸基
のポリウレタン樹脂を得る方法なども採用することが出
来る。
本発明に用いられるポリメチルバレロラクトンポリオー
ルはそれ自体公知の方法に従い、β−メチル−δ−バレ
ロラクトンを公知の開環重合触媒、たとえばリチウム、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、n−ブチルリ
チウム等のアルキル金属化合物、硫酸等の鉱山などの存
在下、下記の多価アルコールを開始剤として用い、開環
重合させることによつて得られる。
重合開始剤の多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネ
オペンチルグリコール、ペンタンジオールおよびこれら
のグリコールに酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブ
チレン、テトラヒドロフランを開環重合した重合生成物
もしくは共重合生成物等の脂肪族グリコール類;ジヒド
ロキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンジオー
ル、水素添加ビスフエノールAおよびこれらのグリコー
ルに酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、テ
トラヒドロフランを開環重合した生成物もしくは共重合
物等のシクロヘキシル環を有するグリコール類;ビスフ
エノールA、ハイドロキノンビス(2−ヒドロキシエチ
ルエーテル)、p−キシリレングリコール、ビス(β−
ヒドロキシエチル)テレフタレートおよびこれらのグリ
コールに酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレ
ン、テトラヒドロフランを付加した重合生成物もしくは
共重合生成物等の芳香族環を有するグリコール類;ジメ
チロールプロピオン酸、ジフエノール酸等のカルボキシ
ル基を有するグリコール類;N−メチルジエタノールアミ
ン等の第3級アミンを有するグリコール類、スルホイソ
フタル酸ナトリウムとエチレングリコールとの反応生成
物等のスルホン酸金属塩基含有ジオール類等、種々の官
能基のついたグリコールが使用できる。
更にまた、トリメチロールプロパン、グリセリン等のト
リオールも使用可能である。
これらの重合開始剤のうち、脂肪族グリコールを開始剤
としたポリメチルバレロラクトンポリオールからのポリ
ウレタン樹脂を用いた場合は磁性粉の分散性及び磁性層
の表面平滑性が特に優れた磁気記録媒体を得ることが出
来、芳香族環を含有するグリコールを開始剤とした場合
は耐久性が特に優れた磁気記録媒体を得ることが出来
る。
本発明で使用するポリメチルバレロラクトンポリオール
は数平均分子量250〜10,000、好ましくは250〜5,000の
ものである。
またこれらのポリメチルバレロラクトンポリオールは単
独で用いてもよく、開始剤の異なつた数種のポリメチル
バレロラクトンポリオールを混合して使用してもよい。
一般にポリウレタン樹脂の合成に用いられるカプロラク
トンポリオールやジオールとジカルボン酸、例えば1,4
−ブタンジオールとアジピン酸の縮合重合により得られ
るポリエステルポリオールは融点が室温以上でありポリ
ウレタン樹脂にした場合低温で結晶化しやすく、伸び等
の機械的物性、他の樹脂との相溶性が低下するが本発明
のポリウレタン樹脂の主原料であるポリメチルバレロラ
クトンポリオールは側鎖メチル基を有し結晶化を阻害
し、室温では低粘度で液状であり、ポリウレタン樹脂に
した場合でも、結晶化による物性低下や相溶性、溶解性
不良を起こさない。そのため、磁性塗膜にした場合、他
のバインダーや分散剤、潤滑剤等の添加剤との相溶性が
良好で溶媒に対する溶解性も良好であるため表面平滑性
の優れた塗膜になる。
又塗膜の耐湿熱性も側鎖メチル基によりカルボニル基が
攻撃を受けにくくなつているため優れた結果になつてい
ると考えられる。
本発明において、分子内に2個以上の活性水素を有する
化合物として、前記のポリメチルバレロラクトンポリオ
ールを含有させることが必要であるが他の活性水素を有
する化合物を併用することも出来る。このような分子内
に2個以上の活性水素を有する化合物としては、通常分
子量50〜10,000を有するものであり、一般にはポリウレ
タン製造用として使用される公知のポリヒドロキシ化合
物、例えば低分子グリコール類、ポリエーテル類、ポリ
エステル類、ポリアセタール類、ポリチオエーテル類、
ポリブタジエングリコール類、ケイ素含有ポリオール、
リン含有ポリオールなどが使用可能である。
低分子グリコール類としてはエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、
N−アルキルジエタノールアミン、ビスフエノールAな
どが使用される。更にジメチロールプロピオン酸等のカ
ルボキシル基を有するジオール類、スルホイソフタル酸
ナトリウムとエチレングリコールとの反応生成物等のス
ルホン酸金属塩基含有ジオール類等も一部混合使用する
ことも可能である。
ポリエーテル類としては例えば酸化エチレン、酸化プロ
ピレン、テトラヒドロフランなどの重合生成物もしくは
共重合体等があげられる。また前記低分子グリコール類
の縮合によるポリエーテル類、あるいは混合エーテル
類、さらにこれらのポリエーテル類および前記低分子グ
リコールに酸化エチレン、酸化プロピレンを付加重合さ
せた生成物も使用できる。
ポリエステル類としては前記低分子グリコール類と二塩
基酸とから脱水縮合反応によつて得られるポリエステル
類およびε−カプロラクトンを前記低分子グリコールの
存在下で開環重合したポリカプロラクトンポリオール類
が挙げられる。
ポリチオエーテル類としては特にチオグリコール単独又
はそれと他のグリコール類との縮合生成物の使用が好適
である。
ポリアセタール類としては例えば1,4−ブタンジオール
とホルムアルデヒドからまたは4,4′−ジオキシエトキ
シジフエニルジメチルメタンとホルムアルデヒドから得
た水不溶性タイプのポリアセタールなどがあげられる。
また上記ポリヒドロキシ化合物に一部、三官能以上のポ
リオールを混合使用することも可能である。
本発明においてポリメチルバレロラクトンポリオールの
含有量は2個以上の活性水素を有する化合物の全量に対
して、少なくとも20重量%含有してることが望ましく、
ポリメチルバレロラクトンポリオールの使用割合が20重
量%より少ないと本発明の特徴である耐湿熱性、低温で
の物性、磁性粉の分散性が充分発現出来ない。
本発明で分子内に2個以上の活性水素を有する化合物と
反応させて、ポリウレタン樹脂を製造するのに用いるポ
リイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイ
ソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′
−ジフエニルメタンジイソシアネート、ナフタレン−1,
5−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンエチルエ
ステルジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロ
ヘキシルイソシアネート)、ω,ω′−ジイソシアネー
トジメチルシクロヘキサン等のジイソシアネート化合物
およびこれらのジイソシアネート化合物と多価アルコー
ルとの付加物等を用いることが出来る。
これらのポリイソシアネート化合物のうち芳香族環を有
するジイソシアネート化合物を用いたポリウレタン樹脂
の場合、特にジフエニルメタンジイソシアネート、トリ
レンジイソシアネートを用いたポリウレタン樹脂は磁性
塗膜の耐久性が特に優れている。
又、ポリイソシアネート化合物のうちシクロヘキシル基
を有するジイソシアネート化合物を用いたポリウレタン
樹脂の場合、特にイソホロンジイソシアネートを用いた
ポリウレタン樹脂は磁性粉の分散性及び磁性塗膜表面の
平滑性が特に優れている。
ポリウレタン樹脂の製造に用いられる鎖延長剤としては
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等の
グリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の
低分子ポリオール、エチレンジアミン、プロピレンジア
ミン、ヒドラジン、ピペラジン、イソホロンジアミン等
のジアミンを用いることが出来る。
また鎖延長剤として前記のポリヒドロキシ化合物を使用
することも可能である。
本発明においてポリウレタン樹脂を製造する際の溶媒と
しては、通常イソシアネート基に不活性なメチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等
のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、
トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、テトラヒ
ドロフラン等が用いられる。
ポリウレタン樹脂は常法に従つて製造されるが、その際
の触媒としては通常のウレタン化反応触媒であるスズ
系、鉄系、三級アミン系の触媒が用いられる。スズ系触
媒としてはジブチルチンジラウレート、ジオクチルチン
ジラウレート、ジブチルチンジオクトエート、スタナス
オクトエート等がある。鉄系触媒としては鉄アセチルア
セトネート、塩化第二鉄等がある。三級窒素系触媒とし
てはトリエチルアミン、トリエチレンジアミンがある。
磁気記録媒体の磁性層は結合剤、磁性粉、更に必要に応
じ、添加される各成分を適当な有機溶剤と混練して、磁
性塗料を調製し、非磁性支持体表面に塗布した後、乾燥
することによつて形成される。
結合剤としては、本発明で得られる熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂、架橋剤としての低分子量ポリイソシアネート化
合物の他に通常のバインダー成分として用いられる塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ニトロセルロース、エ
ポキシ樹脂、フエノキシ樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹
脂等を混合して使用することも可能である。
低分子量ポリイソシアネート化合物としてはイソシアネ
ート基を2個以上有するイソシアネート化合物のアダク
ト体(2価又は3価の多価アルコールとのアダクト体、
2量体、3量体等のアダクト体、水とのアダクト体等)
が使用できる。
このような低分子量ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、バイエル社製の商品名デエスモジユール
L、デエスモジユールN、日本ポリウレタン工業(株)
製の商品名コロネートL、コロネートHL、三菱化成工業
(株)製のマイテツクGP105A、マイテツクAD75、マイテ
ツクNY218A(登録商標)などがある。
これらの低分子量ポリイソシアネート化合物は、結合剤
全量の3〜50(重量)%の割合で使用される。
本発明の磁気記録媒体に使用される磁気粉としては、従
来より使用されている公知のものであり、例えば、γ−
酸化鉄、コバルト被着γ−酸化鉄、コバルトドープγ−
酸化鉄、CrO2、合金磁性粉、メタル磁性粉等が挙げられ
る。
また、磁気記録媒体の磁性層を形成させる際、必要に応
じ、通常使用されている各種の添加剤、例えば帯電防止
剤、カーボンブラツク、潤滑剤、非磁性無機顔料等を添
加して使用することも出来る。
非磁性支持体としては、ポリエステル(例えば、ポリエ
チレンテレフタレート)、ポリアミド、ポリオレフイ
ン、セルロース誘導体、非磁性の金属、紙等が使用さ
れ、その形状は、フイルム、テープ、シート、カード、
デイスク等である。
なお、上記においては、本発明のポリウレタン樹脂を磁
気記録媒体の磁性層として使用する場合について説明し
たが、本発明のポリウレタン樹脂は、磁性層の他、磁気
記録媒体のいわゆるトツプコート層(磁性層の上面
層)、バツクコート層(ベースフイルムの下面層)、ア
ンダーコート層(磁性層とベースフイルムの中間層)に
も適用可能である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更により具体的に説明するが
本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に限定さ
れるものではない。また数平均分子量、及び重量平均分
子量は標準ポリスチレンを用いたGPC較正曲線より算出
された値である。
ポリメチルバレロラクトンポリオール合成例1 温度計、撹拌機、冷却器を取付けた充分に乾燥した四つ
口フラスコにジエチレングリコール53g、金属ナトリウ
ム0.46gを仕込み、乾燥窒素気流下で撹拌しながら金属
ナトリウムを完全に溶解した。ついで反応液温度を40℃
にし、撹拌しながらβ−メチル−δ−バレロラクトン34
2gを一度に添加した。添加後反応液温度を50℃維持し1
時間撹拌を続けた。次に反応液中の触媒を除去するため
に、反応液をクロロホルム1500mlに溶解し脱塩水1500ml
を加えて震とうしクロロホルム層を分液した。その操作
を2度繰返した後、クロロホルム層を減圧蒸留してクロ
ロホルム、水および未反応β−メチル−δ−バレロラク
トンモノマーを除去し無色透明の粘稠液体が得られた。
得られたポリメチルバレロラクトンの水酸基価は149.
9、酸価は0.3であつた。この分析結果よりポリメチルバ
レロラクトンポリオールの数平均分子量は750と計算さ
れる。
ポリメチルバレロラクトンポリオール合成例2 合成例1と全く同様にしてビスヒドロキシエチルテレフ
タレート128g、金属ナトリウム0.46gを仕込み、β−メ
チル−δ−バレロラクトン342gを添加して反応を行な
い、合成例1と同様の操作によりポリメチルバレロラク
トンを得た。得られたポリメチルバレロラクトンの水酸
基価は126.5、酸価は0.4であつた。この分析結果よりポ
リメチルバレロラクトンポリオールの数平均分子量は89
0と計算される。
ポリウレタン樹脂合成例1 温度計、撹拌機、滴下ロート、乾燥管付き冷却器等を取
付けた四つ口フラスコに4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネート100g、メチルイソブチルケトン552gを仕込
み、内温を80℃にして撹拌した。これに合成例1で得ら
れたポリメチルバレロラクトンポリオール262.5gを滴下
ロートより滴下し、滴下終了後80℃で2時間加熱反応を
行ない、末端がイソシアネート基であるプレポリマーを
合成した。引続き、この反応物に1,4−ブタンジオール
5.4gを一度に添加した。添加後90℃で5時間加熱反応を
行つた。反応が終了したことは赤外吸収スペクトルで22
50cm-1のイソシアネート基の吸収が消失したことによつ
て確認した。得られたポリウレタン樹脂−1のGPCによ
る分子量を測定した結果、重量平均分子量72,000、数平
均分子量35000であつた。
ポリヒドロキシ化合物中のポリメチルバレロラクトンポ
リオールの使用割合は98重量%である。これをポリウレ
タン樹脂1とする。
ポリウレタン樹脂合成例2 合成例1と同様の装置に2,4−トリレンジイソシアネー
ト80%及び2,6−トリレンジイソシアネート20%の混合
物(以下80−TDIと称する)87gおよびシクロヘキサノン
551gを仕込み、内温を80℃にして撹拌した。これに合成
例2のポリメチルバレロラクトンポリオール267gと1,4
−ブタンジオール13.5gの混合溶液を滴下し、滴下終了
後80℃で2時間加熱反応を行ない末端がイソシアネート
基であるプレポリマーを合成した。引続きこの反応物を
数平均分子量550のカプロラクトンポリオール110g、ト
リメチロールプロパン13.4gおよびシクロヘキサノン185
gの混合溶液に滴下した。滴下終了後90℃、4時間加熱
反応を行い、ポリウレタン樹脂−2を得た。得られた樹
脂の重量平均分子量は55000、数平均分子量は25000であ
つた。ポリヒドロキシ化合物中のポリメチルバレロラク
トンポリオールの使用割合は66重量%である。これをポ
リウレタン樹脂2とする。
ポリウレタン樹脂合成例3 合成例1と同様の装置に合成例1のポリメチルバレロラ
クトンポリオール375g、1,4−ブタンジオール13.5g、ネ
オペンチルグリコール15.6g、ジブチルスズジラウレー
ト0.06g、メチルイソブチルケトン856gを仕込み内温を8
0℃にして撹拌した。これにイソホロンジイソシアネー
ト166.5gを滴下し、滴下終了後90℃5時間加熱反応を行
ないポリウレタン樹脂−3を得た。得られた樹脂の重量
平均分子量は45000、数平均分子量は22000であつた。
ポリヒドロキシ化合物中のポリメチルバレロラクトンポ
リオールの使用割合は93重量%であつた。これをポリウ
レタン樹脂3とする。
ポリウレタン樹脂合成例4(比較例) 合成例1と同様の装置に4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネート100gおよびメチルイソブチルケトン440gを
仕込み、内温を80℃にして撹拌した。これに数平均分子
量550の2官能ポリカプロラクトンポリオール193gを滴
下した。滴下終了後80℃で2時間加熱反応を行ない、末
端がイソシアネート基であるプレポリマーを作つた。引
続きこの反応物を1,4−ブタンジオール5.4gとメチルイ
ソブチルケトン8gとの混合溶液に滴下した。滴下終了後
90℃で6時間加熱反応を行ない、ポリウレタン樹脂−4
を得た。
得られた樹脂の重量平均分子量は70000、数平均分子量
は34000であつた。これをポリウレタン樹脂4とする。
ポリウレタン樹脂合成例5(比較例) 合成例1と同様の装置に4,4′−ジフエニルメタンジイ
ソシアネート100g、メチルイソブチルケトン683gを仕込
み、内温を80℃にして撹拌した。これに1,4−ブタンジ
オールとアジピン酸からなる数平均分子量1000のポリエ
ステルジオール350gを滴下し、滴下終了後80℃で2時間
加熱反応を行ない末端がイソシアネート基であるプレポ
リマーを合成した。引続きこの反応物に1,4−ブタンジ
オール5.4gを一度に添加した。添加後90℃で6時間加熱
反応を行い、ポリウレタン樹脂−5を得た。得られた樹
脂の重量平均分子量は78000、数平均分子量は38000であ
つた。これをポリウレタン樹脂5とする。
実施例1 磁気記録媒体の製造 ポリウレタン樹脂−1 300部 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体
(UCC社 VAGH) 80部 レシチン 10部 カーボンブラツク 40部 Co−γ−Fe2O3 740部 メチルエチルケトン 900部 メチルイソブチルケトン 400部 シクロヘキサノン 400部 上記組成の混合物をサンドグライドミル中で6時間混練
した後、架橋剤としてマイテツクAD75(三菱化成工業
(株)製、登録商標;TDIとトリメチロールプロパン反応
物)36部を混合し、過して、磁性塗料を得た。
この磁性塗料をポリエチレンテレフタレートフイルム上
に乾燥後の膜厚が5μになるように塗布し、溶剤を熱風
乾燥機で除去した後、カレンダーにかけ表面を平滑にし
た。その後60℃で24時間加熱処理し、磁気記録媒体を得
た。得られた磁気記録媒体の磁性塗膜の60度鏡面光沢度
を測定した結果を表1に示す。
さらに得られた磁気記録媒体を12.7mm幅に裁断し長さ50
0mm磁気テープを作製し、これをドラム状の摩擦体に接
触させ定荷重での繰返し摩耗試験を5℃、湿度40%の条
件下で行ない、1回目の動摩擦係数μと同じ場所を繰
返し200回スライドさせた時の動摩擦係数μ200を測定し
た。その結果を表1に示す。
実施例2,3及び比較例1,2 実施例1のポリウレタン樹脂1の代りに表1記載のポリ
ウレタン樹脂を使用した以外は実施例1と同様にして実
施例2,3、比較例1,2の磁気記録媒体を製造した。得られ
た磁気記録媒体の表面光沢度および動摩擦係数測定結果
を表1に示す。
実施例4〜6、及び比較例3、4 合成例1〜5で得られたポリウレタン樹脂100部に架橋
剤としてマイテツクAD75(三菱化成工業(株)社製)を
11部加えた溶液を塗布し、室温で30分間放置した後、80
℃で4時間乾燥して得られた膜厚100μの硬化フイルム
の機械的物性ならびに70℃、相対湿度95%の湿熱条件下
で2週間経過後の硬化フイルムの機械的物性を測定し
た。結果を表2に示す。
さらに上記の硬化フイルムを5℃の低温室に1週間放置
し、塗膜の濁りを観察した結果を表2に示す。
実施例7、8、9、比較例5、6 合成例1〜5で得られたポリウレタン樹脂に塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体の30wt%メチルエチルケトン(ME
Kと略)溶液を樹脂固形分比1:1で混合し、その溶液を5
℃24時間放置し、溶液の透明状態を観察した。同様にし
てポリウレタン樹脂とニトロセルロースの25wt%メチル
エチルケトン溶液とを樹脂固形分比1:1で混合し、その
溶液状態を観察し、ポリウレタン樹脂と他種バインダー
との相溶性を調べた。結果を表3に示す。
〔発明の効果〕 本発明の磁気記録媒体用ポリウレタン樹脂はポリイソシ
アネート化合物と前記の特定されたポリヒドロキシ化合
物との反応によつて得られる樹脂で、実施例からも明ら
かなように従来品に比べて機械的強度、耐湿熱性、低温
での特性、相溶性に優れかつ磁性塗膜の表面平滑性に優
れた効果が認められるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−197717(JP,A) 特開 昭61−9478(JP,A) 特開 昭61−23619(JP,A) 特開 昭60−26019(JP,A) 特開 昭60−120714(JP,A) 特開 昭61−9422(JP,A) 特開 昭62−179521(JP,A) 特開 昭62−192418(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に2個以上の活性水素を有するポリ
    ヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合物との反応
    で得られるポリウレタン樹脂において該分子内に2個以
    上の活性水素を有するポリヒドロキシ化合物としてβ−
    メチル−δ−バレロラクトンを開環重合して得られる数
    平均分子量250〜10000のポリメチルバレロラクトンポリ
    オールを含有し、且つ重量平均分子量5000〜200000のポ
    リウレタン樹脂を使用することを特徴とする磁気記録媒
    体用結合剤。
  2. 【請求項2】分子内に2個以上の活性水素を有するポリ
    ヒドロキシ化合物が該ポリメチルバレロラクトンポリオ
    ールを少なくとも20重量%含有していることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体用結合剤。
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