JPH07333788A - ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿およびその作成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱拡散転写方式の出力機で出力された熱拡散
性色素画像を印画紙の焼き付け原稿として用いる場合
の、好適な焼き付け原稿を提供する。 【構成】 透明基材の片面に、イエロー、マゼンタ、シ
アン及び墨から選ばれる１乃至３色の熱拡散性色素画像
を受容した層、及びその反対の面にそれ以外の少なくと
も残りの１色の熱拡散性色素画像を受容した層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿、該熱拡散性
色素画像を受容した層上に保護層を有すること、透明基
材の少なくとも片面に色素受容層を有する色素受容材料
へ、イエロー、マゼンタ、シアン及び墨から選ばれるの
熱拡散性色素画像を転写することによりハロゲン化銀写
真感光材料用焼き付け原稿を作成する際、一つの色素受
容層に転写する熱拡散性色素画像を１色乃至３色とし、
少なくとも残りの１色の画像を別の色素受容層に形成す
るハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の作成方
法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料への焼き付け原稿に関する。

【０００２】

【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料（以下印画紙
と呼ぶ）に通常のネガフィルムまたはポジフィルムなど
からの写真画像（風景、人物など）、カラーイラスト画
像および／または文字画像（挨拶文など）を混在させて
焼込む場合、カラーイラスト画像および／または文字画
像が混在するリスマスクを作成し、焼き付けプリンタ内
のカラーイラスト画像および／または文字画像専用の焼
込み部（以下、副露光部と呼ぶ）の露光用マスクフォル
ダに、このリスマスクを配置し、写真画像は通常のネガ
フィルムあるいはポジフィルム専用の焼込み部（以下主
露光部と呼ぶ）のフォルダに、対象となるネガあるいは
ポジフィルムの駒をセットし、主露光、副露光の２回に
分けて印画紙への焼き付けを行ない、写真画像と、カラ
ーイラスト画像および／または文字画像が混在する写真
プリントを得ている。

【０００３】従来、文字画像焼き付けのためのリスマス
クを作成するには、高価な電算写植機が必要となるこ
と、また外部にリスマスクを注文する場合は、到着まで
に時間が掛かり、万一リスマスク上の文字等に誤りがあ
った場合の修正に対してより多くの時間が必要であっ
た。また、カラーリスマスクは、デザイン原画を三色に
分解し、三色に対応するマスクを作成し上記印画紙に３
回焼き付けた後、現像を行なうとういう長い時間と手間
が掛かるため、あらかじめ写真現像所が用意しているデ
ザインに限られることが多く、顧客からの多種のデザイ
ンに対して応えることが困難であった。

【０００４】このような、写真画像と、カラーイラスト
画像および／または文字画像が混在する写真プリント作
成工程の簡略化を行なうことにより、納期や作業の効率
化を行なう試みがなされている。例えば、特開平4-2794
1号等では、印画紙への焼き付けにリスフィルムに用い
るのではなく、対応するイラストおよび／または文字情
報に応じて、透明の基材上に熱転写記録媒体を用いて転
写画像を作成することによりカラーイラストおよび／ま
たは文字マスクを作成することが提案されている。この
方法は明室で現像液を使用することなく簡単にマスクを
作成することができる。

【０００５】一方、コンピューターの画像処理、画像入
出力機器の発達により、通常のネガフィルムまたはポジ
フィルムなどの透過画像、あるいは印画紙上に形成され
た反射画像をスキャナーで読み取り、その画像に対して
種々の編集、例えば、背景を別の画像に取り替えたり、
色を変更したり、カラーイラスト画像および／または文
字画像を元画像に対して追加させたりすることができる
ようになり、その編集された画像を種々の画像出力機に
よりフルカラーの写真画像と、カラーイラスト画像およ
び／または文字画像が１枚の画像として出力できるよう
になってきた。このような、フルカラー画像出力機とし
ては、インクジェット方式、電子写真方式、感熱転写方
式などがあり、この感熱転写方式の中で熱拡散性色素を
転写する熱拡散転写方式は、熱的エネルギーの変化に応
じて色素の転写量を変化させて画像の階調をコントロー
ルすることができるので、写真調のフルカラー記録に適
している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、サーマルプ
リンタによる熱拡散性色素画像は、一般にインクシート
からイエロー、マゼンタ、シアン及び必要に応じて墨の
熱拡散性色素を同一の色素受容層上に順次熱拡散させる
ことにより形成され、２色目以降、特に最終色を転写す
る場合に、先に熱拡散された色素が色素受容層に存在す
るため、１色のみを転写させる場合よりも色素転写量が
少なくなったり、また、次に転写される色素転写の際
に、既に色素受容層に存在する色素がインクシート側に
持っていかれる（以後、この現象を逆転写と称する）場
合があった。このような現象は、熱拡散性色素の色素受
容層への熱拡散量が多いほど顕著となり、特に透過原稿
のように濃度が必要な場合には十分な濃度が得られなか
ったり、カラーバランスが取れない場合があった。

【０００７】本発明は前記の事情に基づいてなされたも
のである。すなわち、本発明の目的は、熱拡散転写方式
の出力機で出力された熱拡散性色素画像を印画紙の焼き
付け原稿として用いる場合の、好適な焼き付け原稿を提
供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、熱拡散性色素画像により形成された焼き付け原稿
において、色素転写の仕方を変更することにより前記課
題を改善できることを見い出した。

【０００９】即ち、本発明の上記目的は、透明基材の片
面に、イエロー、マゼンタ、シアン及び墨から選ばれる
１乃至３色の熱拡散性色素画像を受容した層、及びその
反対面にそれ以外の少なくとも残りの１色の熱拡散性色
素画像を受容した層を有するハロゲン化銀写真感光材料
用焼き付け原稿、該熱拡散性色素画像を受容した層上に
保護層を有すること、透明基材の少なくとも片面に色素
受容層を有する色素受容材料へ、イエロー、マゼンタ、
シアン及び墨から選ばれるの熱拡散性色素画像を転写す
ることによりハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿
を作成する際、一つの色素受容層に転写する熱拡散性色
素画像を１色乃至３色とし、少なくとも残りの１色の画
像を別の色素受容層に形成するハロゲン化銀写真感光材
料用焼き付け原稿の作成方法、透明基材の片面に色素受
容層を有する色素受容材料へ、イエロー、マゼンタ、シ
アン及び墨から選ばれる１乃至３色の熱拡散性色素画像
を転写形成し、前記色素受容材料とは別の色素受容材料
に少なくとも残りの１色の熱拡散性色素画像を転写形成
し、それぞれの熱拡散性色素転写画像を一体化させるこ
と、熱拡散性色素転写画像が形成された２つの色素受容
材料を、色素画像の形成された色素受容層面同士を対面
させて一体化させること、透明基材の両面に色素受容層
を有する色素受容材料を用い、イエロー、マゼンタ、シ
アン及び墨から選ばれる２乃至３色の熱拡散性色素画像
を両面に分けて転写形成し、前記色素受容材料とは別の
色素受容材料に少なくとも残りの１色の熱拡散性色素画
像を転写形成し、それぞれの熱拡散性色素転写画像を一
体化させたこと、それぞれの色素受容材料の熱拡散性色
素転写画像が形成された色素受容層面を対面させて一体
化させ、且つ外表面となる熱拡散性色素転写画像が形成
された色素受容層面を保護層で覆ったこと、イエロー、
マゼンタ、シアン及び墨から選ばれる少なくとも２色の
熱拡散性色素画像を、各色毎に別々の、透明基材の少な
くとも片面に色素受容層を有する色素受容材料に形成
し、前記熱拡散性色素転写画像を一体化させること、各
色毎に熱拡散性色素画像を形成した色素受容材料を、熱
拡散性色素転写画像が形成された色素受容層面同士を対
面させるか、色素受容層面同士を対面させ、さらに残り
の色素受容材料の熱拡散性色素画像を形成した色素受容
層面を、前記受容層を対面させて一体化させた色素受容
材料と一体化させること、により達成される。

【００１０】以下、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
用焼き付け原稿およびその作成方法について詳細に説明
する。

【００１１】１）色素受容材料 色素受容材料は、透明基材上の少なくとも片面に色素受
容層を有するものであれば、OHP用に市販されているも
のでも、以下後述する材料を組合わせることにより新た
に作成してもよい。

【００１２】新たに作成する場合の、透明基材として
は、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリア
リレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどの
樹脂からなる各種プラスチックフィルムを挙げることが
でき、この中で、寸法安定性に優れる２軸延伸フィルム
が好ましく、さらに焼き付け原稿として使用する場合
に、熱拡散性色素の色濁りを無くすために、透過光とし
て400〜750nmの波長の光の透過率が90％以上のものが好
ましく、このような物としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレートがより好ましい。なお、基材の厚みは通常20
〜300μm、好ましくは50〜200μmであり、このような範
囲の中から適宜に選定される。

【００１３】また、熱拡散性色素転写における受容層と
しては、熱拡散性色素を十分受容できるものであれば特
に制限なく用いることができ、そのような熱拡散性色素
転写に適した受容層は、バインダー樹脂と必要に応じた
各種添加剤により形成することができる。

【００１４】バインダー樹脂としては、従来から色素受
容材料の受容層に用いられている公知の樹脂を使用で
き、例えばポリエステル系樹脂、ポリビニルアセタール
系樹脂、ウレタン系樹脂、アミド系樹脂、セルロース系
樹脂、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル
系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリサルフォ
ン、ポリカプロラクトン樹脂、ポリアクリロニトリル樹
脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などを挙
げることができ、これらの樹脂は、１種単独でもよい
し、２種以上併用しても良い。

【００１５】なお、前記記載のバインダー樹脂は、受容
層形成組成物中通常20〜99重量％で、50〜95重量％にす
るのがより好ましい。

【００１６】色素受容層には、剥離剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、フィラー（無機微粒子、有機樹
脂粒子）、顔料、帯電防止剤を添加しても良い。また増
感剤として可塑剤、熱溶剤などを添加しても良い。

【００１７】後述の熱拡散性色素画像形成の際に、イン
クシートとの融着を防止する意味で、受容層には剥離剤
を含有するのが好ましい。このような剥離剤としては、
シリコーンオイル、シリコーン樹脂、固型ワックス類、
界面活性剤、ポリオレフィン系樹脂が挙げられ、バイン
ダーとの相溶性を向上させるために、変性シリコーンオ
イルおよび／または変性シリコーン樹脂を用いるのが好
ましい。なお剥離剤の添加量は、その種類に応じて様々
に変化することがあるから一律に決定することができな
いが、一般的にいうと、通常、受容層形成組成物中0.01
〜30重量％であり、好ましくは0.1〜20重量％である。

【００１８】また、インクシートと対面する層をポリエ
チレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等
の固型ワックス類またはポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂等のポリオレフィン系樹脂を主成分とする層で
形成してもよい。

【００１９】酸化防止剤としては、特開昭59-182785
号、同60-130735号、同61-159644号、特開平1-127387
号、「11290の化学商品」化学工業日報社、p.862〜868
等に記載の化合物、および写真その他の画像記録材料に
おける画像耐久性を改善するものとして公知の化合物を
挙げることができる。

【００２０】紫外線吸収剤および光安定剤としては、特
開昭59-158287号、同63-74686号、同63-145089号、同59
-196292号、同62-229594号、同63-122596号、同61-2835
95号、特開平1-204788号、「11290の化学商品」化学工
業日報社、p.869〜875等などに記載の化合物。蛍光増白
剤としては、特開昭61-237693号、同63-122596号、同63
-147166号などに記載の化合物、およびその他の画像記
録材料における画像耐久性を改善するものとして公知の
化合物を挙げることができる。

【００２１】フィラーとしては、無機微粒子や有機樹脂
粒子を挙げることができる。この無機微粒子としてはシ
リカゲル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸性白土、活
性白土、アルミナ等を挙げることができ、有機微粒子と
してはフッ素樹脂粒子、グアナミン樹脂粒子、アクリル
樹脂粒子、シリコン樹脂粒子等の樹脂粒子などを挙げる
ことができる。また、顔料としては、チタンホワイト、
炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、シリカ、タ
ルク、クレー、カオリン、活性白土、酸性白土などを挙
げることができる。

【００２２】帯電防止剤、可塑剤としては、「11290の
化学商品」化学工業日報社、p.875〜p.876、同p.843〜8
57などに記載の化合物を挙げることができる。

【００２３】また、熱溶融性物質としては、アルコール
類、アミド類、エステル類、エーテル類、ケトン類、ア
ルデヒド類、炭化水素類、脂肪酸類、ワックス類、ロジ
ン誘導体、フェノール樹脂、ケトン樹脂、ジアリルフタ
レート樹脂、テルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、シ
クロペンタジエン樹脂、ポリオレフィンオキサイドなど
を挙げることができ、本発明においては、上記記載の熱
溶融性物質の融点あるいは軟化点が10〜150℃のものが
好ましい。

【００２４】更に、特開昭59-78893号公報等に記載され
たキレート化された色素で画像形成する場合には、金属
含有化合物を、特開平3-83685号等記載のフェノール性
水酸基を有する色素、あるいは特開平5-96868号等記載
の含窒素有機塩基と塩を形成してなる色素を用いて、受
像層中に含有される媒染剤と該色素との反応、あるいは
塩交換反応により形成される色素による画像形成する場
合には、受像層中に四級アンモニウム塩等の媒染剤を含
有させてもよい。

【００２５】色素受容層における、添加剤全体の添加量
は、通常、バインダー樹脂に対して0.1〜30重量％の範
囲に選定するのが好ましく、受像層の厚みは、通常、１
〜20μm、好ましくは２〜10μmの範囲に選定される。ま
た、この受像層は単層で形成してもよく、組成が同一の
多層構成、あるいは異なる２層以上の多層構造としても
良い。

【００２６】２）熱拡散性色素転写用インクシート 熱拡散性色素転写用インクシートは、基本的に支持体上
に熱拡散性色素を含有するインク層を積層してなる。

【００２７】支持体としては、寸法安定性がよく、感熱
ヘッドでの記録の際の熱に耐えるものならば、何でもよ
いが、コンデンサー紙、グラシン紙のような薄葉紙、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
サルフォン、ポリビニルアルコールセロファン、ポリス
チレンのような耐熱性のプラスチックフィルムを用いる
ことができる。

【００２８】支持体の厚さは、２〜10μmが好ましい。

【００２９】インク層は、熱拡散性色素とバインダー樹
脂を必須成分として構成される。熱拡散性色素としては
従来から用いられているシアン色素、マゼンタ色素、イ
エロー色素及び黒色色素をそのまま用いることができ
る。

【００３０】そのようなシアン色素としては、従来から
公知のナフトキノン系色素、アントラキノン系色素、ア
ゾメチン系色素、インドアニリン系色素など、マゼンタ
色素としては、アントラキノン系色素、アゾ色素、アゾ
メチン系色素など、イエロー色素としては、メチン系色
素、アゾ系色素、キノフタロン系色素、アントライソチ
アゾール系色素が挙げられる。

【００３１】また、特開昭59-78893号公報等に記載され
たキレート化された色素で定着性等に優れる画像を形成
する画像形成方法に用いられるキレート化可能な色素、
特開平3-83685号等記載のフェノール性水酸基を有する
色素を用いて、受像層中に含有される媒染剤と該色素と
の反応により形成される色素による画像を形成する方法
に用いられる色素、更に特開平5-96868号等記載の含窒
素有機塩基と塩を形成してなる色素を用い、受像層中に
含有される媒染剤と該色素との塩交換反応により画像を
形成する方法に用いられる色素などもそれぞれの方法に
適したかたちで適時用いることができる。

【００３２】前記色素は、インク層形成組成物中、通常
10〜80重量％、より好ましくは30〜70重量％である。

【００３３】インク層のバインダーとしては、セルロー
スエステル、セルロースエーテル等のセルロース系樹
脂；ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポ
リビニルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等の
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、スチレン系樹脂、
ポリ（メタ）アクリル酸系エステル、ポリ（メタ）アク
リル酸、（メタ）アクリル酸共重合体などのビニル系樹
脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂、オレフィン系樹
脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。

【００３４】前記バインダーは、インク層形成組成物
中、通常20〜90重量％、より好ましくは70〜30重量％で
ある。

【００３５】さらに前記インク層には、各種の添加剤を
適宜に添加することができる。

【００３６】添加剤としては、例えばシリコン（変性）
樹脂、フッ素樹脂、界面活性剤およびワックス類等の剥
離性化合物、金属微粉末、金属酸化物、カーボンブラッ
ク、および樹脂粉末等のフィラー、バインダー成分と反
応可能な硬化剤（たとえばイソシアネート類）、帯電防
止剤、さらにまた、転写を促進するための熱溶融性物
質、たとえばワックスや高級脂肪酸エステルなどの、特
開昭59-106997号等記載の化合物などを挙げることがで
きる。

【００３７】なお、添加剤の量は、インク層形成組成物
中、通常0〜30重量％、より好ましくは0〜20重量％であ
る。

【００３８】熱拡散性色素転写用インクシートは、支持
体とインク層とからなる二層構成に限られず、その他の
層が形成されていても良い。

【００３９】例えば、感熱転写記録受像シートとの融着
や色素の裏移り（ブロッキング）を防止する目的で、特
開昭59-48188号、同60-224590号公報等に記載されてい
るように、インク層の表面にオーバーコート層を設けて
も良い。

【００４０】また支持体にはインク層との接着性の改良
や、色素の支持体側への転写、染着を防止する目的で、
特開昭59-124890号、同60-232996号、同61-261090号公
報等に記載されているような下引層を有していてもよ
い。

【００４１】さらに支持体の裏面（インク層と反対側）
には、走行安定性、耐熱性、帯電防止などの目的で、特
開昭60-82387号、同60-94390号、同60-115486号、同60-
184883号、同60-219094号等公報に記されているような
バッキング層を設けてもよい。

【００４２】このオーバーコート層、下引層およびバッ
キング層の厚みは通常、0.1〜１μmである。

【００４３】３）ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け
原稿およびその作成方法 図１または図２の様に色素受容材料上にイエロー、マゼ
ンタ、シアン（及び必要に応じて墨）に色分解したデー
タに基づき順次転写してフルカラー画像を形成する場
合、２色目以降、特に最終色を転写する場合に、先に熱
拡散された色素が色素受容層に存在するため、１色のみ
を転写させる場合よりも色素転写量が少なくなったり、
また、次に転写される色素転写の際に、逆転写を生じる
場合があっることから、十分な濃度が得られなかった
り、カラーバランスが取れない場合があった。

【００４４】本発明でのハロゲン化銀写真感光材料用焼
き付け原稿は、イエロー、マゼンタ、シアン（及び必要
に応じて墨）の熱拡散性色素による画像を色素受容材料
へ転写することにより作成されるが、この際に、ａ）両
面に色素受容層を有する色素受容材料の片面に１乃至３
色のみ転写し、少なくとも残りの１色を反対面へ転写、
またはｂ）色素受像材料に１乃至３色の熱拡散性色素画
像を転写形成し、前記色素受像材料とは別の色素受像材
料に、少なくとも残りの１色の熱拡散性色素画像を転写
形成した後、それぞれの熱拡散性色素転写画像を一体
化、あるいはｃ）各色毎に別々の色素受容材料に熱拡散
性色素画像を形成し、前記熱拡散性色素転写画像を一体
化、することにより作成される。

【００４５】以下、作成方法ａ）〜ｃ）について図を持
って説明する。

【００４６】作成方法ａ） 例えば、図３のようにイエロー色素を転写した後、イエ
ロー色素を転写した色素受容材料を反対にし、且つマゼ
ンタの転写データも元データに対して左右反転させて、
イエロー色素画像が形成された受容層とは反対の面にマ
ゼンタ色素画像を形成する。次いで、マゼンタ色素画像
が形成された面上に、元データに対して左右反転させた
シアンの転写データを転写することによりハロゲン化銀
写真感光材料用焼き付け原稿が作成される。この方法に
よれば、図１及び２のように全色を同一色素受容層へ転
写しないことから高濃度で、かつカラーバランスの取れ
た物となる。マゼンタ色素を片面に、イエロー色素およ
びシアン色素をその反対の面に転写しても、シアン色素
を片面に、イエロー色素およびマゼンタ色素をその反対
の面に転写しても良いことは言うまでもない。

【００４７】前述のようにして作成したハロゲン化銀写
真感光材料用焼き付け原稿では、画像形成された色素受
容層が最外層に存在する。長期にわたり保存する場合
や、耐久性が必要な場合には色素受容層を覆う形で、保
護層を色素受容層上に形成させることが好ましい。

【００４８】作成方法ｂ） この方法では、２種の色素受容材料の熱拡散性色素画像
を一致する必要があることから、画像を簡便に合わせら
れるように位置合わせマークを設けておくのが好まし
く、そのような位置合わせマークは、あらかじめ画像形
成領域以外の箇所に印刷しておいたり、転写させる熱拡
散性色素を用いて全体の画像形成領域以外の位置へ位置
合わせマークを転写させるなどして設けることができ
る。

【００４９】具体的には、例えば図４のように、基材の
片面に色素受容層を備えた色素受容材料を用いて、イエ
ロー色素画像を形成した色素受容材料とは別の色素受容
材料に、マゼンタ色素画像、シアン色素画像を順次転写
形成させ、イエロー画像のみを形成した色素受容材料
と、マゼンタ、シアン画像を形成した色素受容材料と
を、位置合わせマークを合わせることにより二つの色素
受容材料を一体化することによりハロゲン化銀写真感光
材料用焼き付け原稿が作成される。図５は、同様にし
て、一方の色素受容材料にイエロー色素画像とマゼンタ
色素画像を、他方の色素受容材料にシアン色素画像と墨
画像を形成して一体化するものである。なお、前述のよ
うにして作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け
原稿では、画像形成された色素受容層が最外層に存在す
るため、長期にわたり保存する場合や、耐久性が必要な
場合には色素受容層を覆う形で、保護層を色素受容層上
に形成させることが好ましい。

【００５０】また、図６では片面に色素受容層を備えた
色素受容材料を用いて、イエロー色素画像を形成した色
素受容材料とは別の色素受容材料へ、元データに対して
左右反転させたマゼンタ、シアンの転写データを順次転
写形成させ、イエロー画像のみを形成した色素受容材料
と、マゼンタ、シアン画像を形成した色素受容材料と
を、位置合わせマークを合わせることにより二つの色素
受容材料を一体化して作成したハロゲン化銀写真感光材
料用焼き付け原稿の例である。この場合は、画像形成さ
れた色素受容層が最外層に存在しないため、新たに保護
層などを設けることなく保存可能である。

【００５１】さらに、図７では両面に色素受容層を備え
た色素受容材料を用いて、イエロー色素画像を形成した
色素受容材料とは別の色素受容材料へマゼンタ色素画像
を転写形成させ、次いでマゼンタ色素を転写した色素受
容材料を反対にし、且つシアンの転写データも元データ
に左右反転させてマゼンタ色素画像上にシアン色素画像
を形成する。このようにして作成された、イエロー画像
のみを形成した色素受容材料と、マゼンタ、シアン画像
を形成した色素受容材料とを、位置合わせマークを合わ
せることにより二つの色素受容材料を一体化して作成し
たハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の例であ
る。この場合には、画像形成された色素受容層が最外層
に存在するため、長期にわたり保存する場合や、耐久性
が必要な場合には色素受容層を覆う形で、保護層を色素
受容層上に形成させることが好ましい。

【００５２】作成方法ｃ） この方法では、各色毎の色素受容材料を重ね合わせるこ
とから、位置合わせマークを設けておくのが好ましい。

【００５３】例えば、図８のように片面に色素受容層を
備えた色素受容材料を用いて、イエロー、マゼンタ、シ
アンの転写データごとに別々の色素受容材料へ転写形成
させ、イエロー、マゼンタ、シアン画像を形成した各色
毎の色素受容材料を一体化させてハロゲン化銀写真感光
材料用焼き付け原稿が作成される。図９は、更に墨画像
を加えて一体化するものである。なお、前述のようにし
て作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿で
は、画像形成された色素受容層が最外層に存在するた
め、長期にわたり保存する場合や、耐久性が必要な場合
には色素受容層を覆う形で、保護層を色素受容層上に形
成させることが好ましい。

【００５４】ところでサーマルプリンタによる熱拡散性
色素画像は、一般にサーマルヘッドの各ドットごとの抵
抗値のばらつきや、プラテン圧の主走査方向のばらつ
き、プラテンロールの形状の問題から、主走査方向に対
して濃淡ムラを生じる場合がある。このような場合にお
いては、各色毎に熱拡散性色素画像を形成することによ
りカラーバランスは改良されるが、濃淡ムラには対応で
きない。そこで、例えば各色毎に色分解されたデータの
色素受像材料上への転写位置を変化させる等のデータ処
理により、前記記載の問題点を改善させることができ
る。

【００５５】図10では、イエロー、マゼンタ、シアンの
元データから左右に少しずつずらした転写データに基づ
いて、イエロー、マゼンタ、シアン画像を形成し、各色
毎の色素受容材料を一体化して作成したハロゲン化銀写
真感光材料用焼き付け原稿の例である。この場合には、
画像形成された色素受容層が最外層に存在するため、長
期にわたり保存する場合や、耐久性が必要な場合には色
素受容層を覆う形で、保護層を色素受容層上に形成させ
ることが好ましい。

【００５６】また、図11ではイエロー、シアンを元デー
タに基づき転写させた色素受容材料と、マゼンタの元デ
ータに対して左右反転させたマゼンタの転写データに基
づき転写させた色素受容材料とを一体化して作成したハ
ロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の例である。こ
の場合は、画像形成された色素受容層が最外層に存在し
ないため、新たに保護層などを設けることなく保存可能
である。

【００５７】さらに図12では、イエローを元データに基
づき転写させた色素受容材料と、マゼンタの元データに
対して左右反転させた転写データに基づき転写させた色
素受容材料と、シアンの元データに対して右に少しずら
した転写データに基づき転写させた色素受容材料とを一
体化して作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け
原稿の例である。この場合も図11同様、画像形成された
色素受容層が最外層に存在しないため、新たに保護層な
どを設けることなく保存可能である。

【００５８】このようにして作成された図10、図12のハ
ロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿は、使用時取扱
性を考慮して、余分な部分をカットしても良い。この場
合のカッティングは３枚重ね合わせた後に行なってもよ
いし、単色ごとに位置合わせマークに合わせて行なって
もよい。

【００５９】４）保護層 上述の保護層とは、一般に用いられている、基材と接着
層とから構成されるラミネートや、基材は転写せずに樹
脂層のみを転写させる転写箔を指し、そのいずれとも用
途に応じて使用することができる。このような、保護層
として好ましいものは、紫外線吸収剤や光安定剤など含
有しているもので、具体的には、特開昭58-149048号、
特開平5-92670号、同5-124362号等に記載されているも
のを適時選択して用いることができる。

【００６０】なお、上述のようにして形成されるハロゲ
ン化銀写真感光材料用焼き付け原稿において、色素受容
材料上に熱拡散性色素画像を形成するには、インクシー
トのインク層と色素受容材料の受容層とを重ねあわせ、
イメージワイズに熱エネルギーを与える。すると、イン
ク層中の熱拡散性色素は与えられた熱エネルギーに応じ
た量だけ熱拡散し、受容層側に移行され受容層に画像が
形成される。

【００６１】熱エネルギーを与える熱源としては、サー
マルヘッドが一般的であるが、このほかに通電ヘッド、
レーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなどの公知のも
のを使用することができる。

【００６２】サーマルヘッドあるいは通電ヘッドを用い
るときは、印加する電圧あるいはパルス巾を変調するこ
とにより、与える熱エネルギーを連続的にあるいは多段
階に変化させることができる。

【００６３】レーザー光を用いるときは、レンズ等の光
学系を用いることによって、レーザー光の光量や照射面
積を変化させることにより与える熱エネルギーを変化さ
せることができる。この場合、レーザー光を吸収し易く
するため、レーザー光吸収材料（例えば、半導体レーザ
ーの場合、カーボンブラックや近赤外線吸収化合物な
ど）をインク層中および／またはインク層近傍、さらに
受容層表面に存在せしめるとよい。なお、レーザー光を
用いるときはインクシートと色素受容材料とを充分に密
着させて行なうとよい。

【００６４】音響光学素子を内蔵したドットジェネレー
ターを用いれば網点の大小に応じた熱エネルギーを与え
ることもできる。

【００６５】赤外線フラッシュランプを用いるときは、
レーザー光を用いる場合と同様に、加熱を黒色などの着
色層を介して行なうとよい。あるいは黒色などの、画像
の濃淡を連続的に表現したパターンあるいは網点パター
ンを介して加熱を行なってもよいし、また一面の黒色な
どの着色層と前記のパターンのネガに相当するネガパタ
ーンを組み合わせて加熱を行なってもよい。

【００６６】熱エネルギーの与え方としてはインクシー
ト側から行なっても、色素受容材料側から行なっても、
あるいは両側から行なってもよいが、熱エネルギーの有
効利用を優先させるならば、インクシート側から行なう
のが望ましい。

【００６７】さらに上記記載の方法で画像を形成した後
に、画像保存性（特に定着性）のさらなる向上の目的
で、上記記載の方法で加熱処理を施してもよい。たとえ
ば、画像形成面全面にわたって、サーマルヘッドでイン
クシートのインク層を設けていない部分を用いて、加熱
処理したり、あるいは新たにヒートロール等の加熱処理
を行ってもよい。また、近赤外線吸収剤を含有している
場合には、赤外線フラッシュランプを用いて画像形成面
を露光させてもよい。

【００６８】また、色素受容層上に保護層を設ける場合
には、加熱加圧処理可能な、ヒートロールやホットスタ
ンプなどを用いることができる。

【００６９】

【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、使用し
た昇華型熱転写プリンタ、インクシートおよび透過原稿
用色素受容シートは、特にことわりの無いかぎり、それ
ぞれ三菱電機(株)製；三菱フルカラープリンタS3600-30
形、三菱電機(株)製；三菱フルカラープリンタS3600-30
形用３色インクシート（A4）および三菱電機(株)製；三
菱フルカラープリンタS3600-30形用OHPシート（A4）で
ある。また、濃度測定はX-rite社製；X-rite310TRを用
いた。

【００７０】実施例１ 通常の単色印字で透過濃度が1.00となるような100mm×1
00mmの画像データを作成し、昇華型熱転写プリンタで、
インクシートと透過原稿用色素受容シートを用いて、図
８のようにイエロー、マゼンタ、シアンを各色ごとに熱
拡散性色素を転写させて100mm×100mmの画像と位置合わ
せマークを作成した。次いで各色ごとの色素受容材料を
位置合わせマークに合わせて一体化しハロゲン化銀写真
感光材料用焼き付け原稿を作成した。

【００７１】このようにして作成した焼き付け原稿を用
いて、印画紙〔コニカ(株)製；コニカカラーペーパーQA
-A6〕と焼き付け原稿を密着させて焼き付けプリンタ
〔コニカ(株)製；コニカ焼き付けプリンタ5N3〕で露光
現像処理して、印画紙上にグレー画像を形成させた。

【００７２】ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿
と印画紙上に焼き付けられた画像を10mm×10mmの格子状
に分割し、分割した100点のイエロー、マゼンタ、シア
ンの各濃度を測定し平均を取ることにより評価した。

【００７３】また、前記記載のハロゲン化銀写真感光材
料用焼き付け原稿の保存性を、キセノンウェザーメータ
ーで７日間放置後、焼き付け原稿の濃度を10mm×10mmの
格子状に分割し、分割した100点のイエロー、マゼン
タ、シアンの各濃度を測定し平均を取ることにより評価
した。結果を表１に示す。

【００７４】実施例２ 図８の代わりに、図10のようにしてハロゲン化銀写真感
光材料用焼き付け原稿を作成した以外は実施例１と同様
に評価し、結果を表１に示す。

【００７５】実施例３ 図８の代わりに、図11のようにしてハロゲン化銀写真感
光材料用焼き付け原稿を作成した以外は実施例１と同様
に評価し、結果を表１に示す。

【００７６】実施例４ 図８の代わりに、図12のようにしてハロゲン化銀写真感
光材料用焼き付け原稿を作成した以外は実施例１と同様
に評価し、結果を表１に示す。

【００７７】実施例５ 通常の単色印字で透過濃度が1.00となるような100mm×1
00mmの画像データを作成し、昇華型熱転写プリンタで、
インクシートと透過原稿用色素受容シートを用いて、図
４のようにしてイエロー色素画像と位置合わせマークを
形成した色素受容材料と、マゼンタ、シアン色素画像と
位置合わせマークを形成した色素受容材料を位置合わせ
マークに合わせて一体化しハロゲン化銀写真感光材料用
焼き付け原稿を作成した。以下実施例１と同様に評価
し、結果を表１に示す。

【００７８】実施例６ 図４の代わりに、図６のようにしてハロゲン化銀写真感
光材料用焼き付け原稿を作成した以外は実施例５と同様
に評価し、結果を表１に示す。

【００７９】実施例７ 下記の組成のインク層形成用塗工液を調整し、支持体と
して厚み６μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
〔東レ(株)製；ルミラーF53N〕のコロナ放電処理された
表面に、インク層形成用塗工液をワイヤーバーコーティ
ング法により、乾燥後の厚みが１μmになるように塗
布、乾燥するとともに、コロナ処理されていない裏面に
シリコーン樹脂〔大日精化(株)製；ダイアロマーSP-71
2〕を50重量％含有するニトロセルロース溶液を、ワイ
ヤーバーコーティング法により、乾燥後の厚みが0.3μm
になるように塗布、乾燥し背面処理コートを行なうこと
により、インクシートを作成した。

【００８０】 イエロー：ポリビニルアセトアセタール・・・・・・・・6.0部 〔積水化学工業(株)製；エスレックBX-1〕 熱拡散性色素・・・・・・・・・・・・・・4.0部 （化合物−１） メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・45部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・45部 マゼンタ：熱拡散性色素を（化合物−２）に変更した以
外はイエローと同組成 シアン ：熱拡散性色素を（化合物−３）に変更した以
外はイエローと同組成 厚さ125μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム
〔ダイアホイルヘキスト(株)製；Ｓ〕の両面に、下記の
組成の受容層形成塗工液ををワイヤーバーコーティング
法により、乾燥後の厚みが４μmになるように塗布、乾
燥し色素受容材料を作成した。

【００８１】 ポリビニルアセトアセタール・・・・・・・・・・・・6.0部 〔積水化学工業(株)製；エスレックKS-1〕 （化合物−４）・・・・・・・・・・・・・・・・・・3.5部 変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・0.5部 〔信越化学工業(株)製；X-24-8300〕 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・・45部 トルエン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45部

【００８２】

【化１】

【００８３】通常の単色印字で透過濃度が1.00となるよ
うな100mm×100mmの画像データを作成し、昇華型熱転写
プリンタで、作成したインクシートと色素受容材料を用
いて、図３のようにイエロー、マゼンタ、シアンを色素
受容材料へ転写させ、次いで形成された色素受容材料を
ヒートロール〔圧力５Kg／cm、温度150℃、搬送時間10m
m／秒〕で加熱加圧処理してハロゲン化銀写真感光材料
用焼き付け原稿を作成した。以下実施例１と同様に評価
し、結果を表１に示す。

【００８４】実施例８ 通常の単色印字で透過濃度が1.00となるような100mm×1
00mmの画像データを作成し、昇華型熱転写プリンタで、
実施例７で作成した、インクシートと色素受容材料とを
用いて、図７のようにイエロー色素画像と位置合わせマ
ークを形成した色素受容材料と、マゼンタ、シアン色素
画像と位置合わせマークを形成した色素受容材料を作成
した。次いで実施例７と同じ条件で加熱加圧処理した
後、位置合わせマークに合わせて一体化してハロゲン化
銀写真感光材料用焼き付け原稿を作成した。以下実施例
１と同様に評価し、結果を表１に示す。

【００８５】実施例９ 厚み25μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム
〔ダイアホイルヘキスト(株)製；S〕のコロナ放電処理
した表面に下記の組成の、剥離層形成塗工液、保護層形
成塗工液、接着層形成塗工液をワイヤーバーコーティン
グ法により、乾燥後の厚みが0.1、2.0、0.2μmになるよ
うに順次塗布、乾燥し保護層転写用シートを作成した。

【００８６】 剥離層形成塗工液 ニトロセルロース・・・・・・・・・・・・・・・・4.0部 〔旭化成工業(株)製；セルノバBTH1/2〕 変性シリコーン樹脂・・・・・・・・・・・・・・・4.0部 〔大日精化(株)製；ダイアロマーSP-712〕 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・92部 保護層形成塗工液 ポリメチルメタクリレート・・・・・・・・・・・・20部 〔三菱レイヨン(株)製；ダイアナールBR-83〕 酸化亜鉛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20部 〔住友セメント(株)製；超微粒子酸化亜鉛ZnO-100〕 光安定剤・酸化防止剤・・・・・・・・・・・・・・2.0部 〔チバ・ガイギー社製；イルガノックスB225〕 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・58部 接着層形成塗工液 アクリル系樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・・20部 〔三菱レイヨン(株)製；ダイアナールBR-60〕 メチルエチルケトン・・・・・・・・・・・・・・・80部 実施例１で作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付
け原稿の最外層にある画像形成された色素受容層表面
へ、上記のようにして作成した保護層転写用シートを用
いて、ヒートロールで加熱加圧処理〔温度160℃、圧力
５Kg／cm、送り速度７mm／秒〕して保護層を転写させ、
ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿を作成した。
以下実施例１と同様に評価し、結果を表１に示す。

【００８７】実施例10 実施例２で作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付
け原稿の最外層にある画像形成された色素受容層表面
へ、上記のようにして作成した保護層転写用シートを用
いて、ヒートロールで加熱加圧処理〔温度160℃、圧力
５Kg／cm、送り速度７mm／秒〕して保護層を転写させ、
ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿を作成した。
以下実施例１と同様に評価し、結果を表１に示す。

【００８８】実施例11 実施例５で作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付
け原稿の最外層にある画像形成された色素受容層表面
へ、上記のようにして作成した保護層転写用シートを用
いて、ヒートロールで加熱加圧処理〔温度160℃、圧力
５Kg／cm、送り速度７mm／秒〕して保護層を転写させ、
ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿を作成した。
以下実施例１と同様に評価し、結果を表１に示す。

【００８９】実施例12 実施例７で作成したハロゲン化銀写真感光材料用焼き付
け原稿の最外層にある画像形成された色素受容層表面
へ、上記のようにして作成した保護層転写用シートを用
いて、ヒートロールで加熱加圧処理〔温度160℃、圧力
５Kg／cm、送り速度７mm／秒〕して保護層を転写させ、
ハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿を作成した。
以下実施例１と同様に評価し、結果を表１に示す。

【００９０】比較例１ 通常の単色印字で透過濃度が1.00となるような100mm×1
00mmの画像データを作成し、昇華型熱転写プリンタで、
インクシートと透過原稿用色素受容シートを用いて、図
１のように３色続けて色素を転写させてハロゲン化銀写
真感光材料用焼き付け原稿を作成した。以下実施例１と
同様に評価し、結果を表１に示す。

【００９１】比較例２ 通常の単色印字で透過濃度が1.00となるような100mm×1
00mmの画像データを作成し、昇華型熱転写プリンタで、
実施例７で作成した、インクシートと色素受容材料とを
用いて、図１のように３色続けて色素を転写させて色素
受容材料上に熱拡散性色素画像を形成した。次いで実施
例７と同じ条件で加熱加圧処理して、以下実施例１と同
様に評価した。結果を表１に示す。

【００９２】

【表１】

【００９３】

【発明の効果】実施例で実証した如く、本発明によれ
ば、熱拡散転写方式の出力機で出力された熱拡散性色素
画像を印画紙の焼き付け原稿として用いる場合の、濃度
不足やカラーバランスの問題が解消され、好適な焼き付
け原稿とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】サーマルヘッドを用いてイエロー画像，マゼン
タ画像，シアン画像により焼き付け原稿を作成する工程
のモデル図。

【図２】イエロー画像，マゼンタ画像，シアン画像，墨
画像により焼き付け原稿を作成する工程のモデル図。

【図３】本発明の作成方法の１例を示すモデル図。

【図４】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図５】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図６】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図７】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図８】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図９】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図１０】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図１１】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【図１２】本発明の作成方法のその他の例を示すモデル
図。

【符号の説明】

Ｙ イエロー画像 Ｍ マゼンタ画像 Ｃ シアン画像 BK 墨画像 Ｐ 保護層

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 透明基材の片面に、イエロー、マゼン
   タ、シアン及び墨から選ばれる１乃至３色の熱拡散性色
   素画像を受容した層、及びその反対の面にそれ以外の少
   なくとも残りの１色の熱拡散性色素画像を受容した層を
   有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用焼
   き付け原稿。
2. 【請求項２】 熱拡散性色素画像を受容した層上に保護
   層を有することを特徴とする請求項１のハロゲン化銀写
   真感光材料用焼き付け原稿。
3. 【請求項３】 透明基材の少なくとも片面に色素受容層
   を有する色素受容材料へ、イエロー、マゼンタ、シアン
   及び墨から選ばれる熱拡散性色素画像を転写することに
   よりハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿を作成す
   る際、一つの色素受容層に転写する熱拡散性色素画像を
   １色乃至３色とし、少なくとも残りの１色の画像を別の
   色素受容層に形成することを特徴とするハロゲン化銀写
   真感光材料用焼き付け原稿の作成方法。
4. 【請求項４】 透明基材の片面に色素受容層を有する色
   素受容材料へ、イエロー、マゼンタ、シアン及び墨から
   選ばれる１乃至３色の熱拡散性色素画像を転写形成し、
   前記色素受容材料とは別の色素受容材料に少なくとも残
   りの１色の熱拡散性色素画像を転写形成し、それぞれの
   熱拡散性色素転写画像を一体化させることを特徴とする
   請求項３のハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の
   作成方法。
5. 【請求項５】 熱拡散性色素転写画像が形成された２つ
   の色素受容材料を、色素画像の形成された色素受容層面
   同士を対面させて一体化させることを特徴とする請求項
   ４のハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の作成方
   法。
6. 【請求項６】 透明基材の両面に色素受容層を有する色
   素受容材料を用い、イエロー、マゼンタ、シアン及び墨
   から選ばれる２乃至３色の熱拡散性色素画像を両面に分
   けて転写形成し、前記色素受容材料とは別の色素受容材
   料に少なくとも残りの１色の熱拡散性色素画像を転写形
   成し、それぞれの熱拡散性色素転写画像を一体化させた
   ことを特徴とする請求項３のハロゲン化銀写真感光材料
   用焼き付け原稿の作成方法。
7. 【請求項７】 それぞれの色素受容材料の熱拡散性色素
   転写画像が形成された色素受容層面を対面させて一体化
   させ、且つ外表面となる熱拡散性色素転写画像が形成さ
   れた色素受容層面を保護層で覆ったことを特徴とする請
   求項６のハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の作
   成方法。
8. 【請求項８】 イエロー、マゼンタ、シアン及び墨から
   選ばれる少なくとも２色の熱拡散性色素画像を、各色毎
   に別々の、透明基材の少なくとも片面に色素受容層を有
   する色素受容材料に形成し、前記熱拡散性色素転写画像
   を一体化させることを特徴とする請求項３のハロゲン化
   銀写真感光材料用焼き付け原稿の作成方法。
9. 【請求項９】各色毎に熱拡散性色素画像を形成した色素
   受容材料を、熱拡散性色素転写画像が形成された色素受
   容層面同士を対面させるか、色素受容層面同士を対面さ
   せ、さらに残りの色素受容材料の熱拡散性色素画像を形
   成した色素受容層面を、前記受容層を対面させて一体化
   させた色素受容材料と一体化させることを特徴とする請
   求項８のハロゲン化銀写真感光材料用焼き付け原稿の作
   成方法。