JPH07330931A - 帯電防止性プラスチックフィルム - Google Patents

帯電防止性プラスチックフィルム

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JPH07330931A
JPH07330931A JP6150521A JP15052194A JPH07330931A JP H07330931 A JPH07330931 A JP H07330931A JP 6150521 A JP6150521 A JP 6150521A JP 15052194 A JP15052194 A JP 15052194A JP H07330931 A JPH07330931 A JP H07330931A
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JP
Japan
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antistatic
plastic film
film
layer
antistatic plastic
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Application number
JP6150521A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Haraoka
浩 原岡
Koichi Suematsu
浩一 末松
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性が高く、且つブロッキング性及び耐溶
剤性に優れた帯電防止性プラスチックフィルムを提供す
る。 【構成】 透明プラスチック支持体の少なくとも一方の
表面に、透明な帯電防止層が設けられてなる帯電防止性
プラスチックフィルムにおいて、該帯電防止層の上に、
鹸化度96%以上のポリビニルアルコール及び弗素系樹
脂からなる保護層が設けられていることを特徴とする帯
電防止性プラスチックフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性を有するプ
ラスチックフィルムに関するものである。特に、印刷物
の製造における写真製版貼込み作業の際に使用される製
版貼り込み用シートとして有用な帯電防止性プラスチッ
クフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】電子工業、印刷工業等の種々の工業分野
で広く使用されているプラスチックフィルムは、表面固
有抵抗値が高く、表面に塵やごみ等が付着し易との欠点
を有する。このような欠点を改良したフィルムとして、
帯電防止性フィルムが知られている。帯電防止性フィル
ムは、特にガラスや壁等の帯電防止シート、静電記録材
料、ソーラー用フィルムあるいは印刷物の作製における
写真製版貼込用シート等に用いられている。
【0003】帯電防止性プラスチックフィルムは、従来
から界面活性剤などの帯電防止剤をベースポリマー中に
練り込んでシートとする方法、あるいはフィルムの表面
に帯電防止剤を塗布する方法、を利用して作製されてい
る。しかしながら、前者の方法ではフィルム透明性の低
下があり、後者の場合は表面が粘着性を示すためブロッ
キングし易いとの問題がある。帯電防止性プラスチック
フィルムとして、フィルム上に、真空蒸着法、イオンプ
レーティング法あるいはスパッタリング法により、A
u、Al等の金属薄膜あるいはInO3 、SiO2 等の
導電性金属酸化物の薄膜も知られているが、生産性が低
いだけでなく、フィルムの透明性および薄膜のフィルム
に対する接着性にも問題がある。更に、帯電防止性の優
れた層としてInO3 、SiO2 等の導電性金属酸化物
の粒子を含む層をプラスチックフィルム上に設ける方法
もあるが、これらの粒子が表面より離脱し易いとの問題
がある。
【0004】特開平3−26543号公報及び特開平4
−4121号公報には、ポリエステルフィルムとその上
に設けられた帯電防止剤、平均粒径0.5μm以下の微
粒子及びポリエステル、アクリル樹脂のポリマーの薄層
とからなる帯電防止性プラスチックフィルムが開示され
ている。平均粒径0.5μm以下の微粒子の使用により
ブロッキングについては幾分改善されている。また、特
開昭63−77735号公報には、プラスチックフィル
ム、その上に設けられた粒径0.5μm以下のInO
3 、SiO2 等の導電性金属酸化物の微粒子(400重
量部以上)とバインダー(100重量部)からなる導電
層、及び導電性の向上と保護機能を付与するためさらに
導電層上に形成された導電層より金属酸化物微粒子の量
の少ない表面層からなる透明導電性プラスチックフィル
ムが開示されている。導電性金属酸化物の粒子として粒
径0.5μm以下の微粒子を使用しているので、粒子が
表面より離脱することはほとんどない。
【0005】印刷物の作製における写真製版貼込み作業
で用いられる貼込み台紙として、上記二種の帯電防止性
プラスチックフィルムあるいは透明導電性プラスチック
フィルムを使用した場合、ブロッキング性、耐溶剤性に
おいて充分な性能を得ることができない。即ち、写真製
版の集版工程で行なわれる貼込み作業において、原稿で
あるカラー写真から得られた分解ネガをそれぞれ(イエ
ロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の製版貼り込み用
シート(クリヤシートとも言われる)に粘着テープ等に
より、全ての原稿を基に作成された線画フィルムに合わ
せて所定の位置にそれぞれ貼り付けられ、またイラスト
等の線画および文字等用のマスクを作成するため線画フ
ィルムに合わせて所定の位置にマスクがそれぞれの製版
貼り込み用シートに貼り付けられる。そして、これを用
いてポジフィルムを作成(返しポジ)し、さらにポジフ
ィルムをPS版に焼き付け処理(プレートメーク)し、
このようにして得られた印刷版を用いて校正刷り、さら
には本機印刷が行なわれる。校正刷りされたものは、本
機刷りを行なう前に依頼人によりチェックされるが、依
頼人が不合格としたもの、あるいは修正を要求されたも
のは再度校正刷りを行なうために、製版貼り込み用シー
トに貼られた上記フィルムは剥され、再度その製版貼り
込み用シート上に上記分解ネガ等のフィルムが貼り付け
られる。このような製版貼り込み用シートは、表面に塵
やごみ等が付着し難いこと、及び高い透明性を有するこ
となどの本来帯電防止性プラスチックフィルムに要求さ
れる性能に加えて、製版貼り込み用シートを重ね置きし
た際シート同志が付着する(ブロッキングの発生)こと
のないこと、さらに製版貼り込み用シートに貼られたフ
ィルムを剥した際にセロテープの粘着剤がシートに付着
し難く、また付着した粘着剤を剥すためにエタノールや
アセトンで拭き取った場合にこの溶剤により侵されてシ
ートの透明性が損なわれないこと(耐溶剤性)が要求さ
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は透明
性が高く、且つブロッキング性及び耐溶剤性に優れた帯
電防止性プラスチックフィルムを提供することを目的と
する。また、本発明は、透明性が高く、且つブロッキン
グ性及び耐溶剤性に優れた写真製版製版貼り込み用シー
トに有用な帯電防止性プラスチックフィルムを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、透明プラス
チック支持体の少なくとも一方の表面に、透明な帯電防
止層が設けられてなる帯電防止性プラスチックフィルム
において、該帯電防止層の上に、鹸化度96%以上のポ
リビニルアルコール及び弗素系樹脂からなる保護層が設
けられていることを特徴とする帯電防止性プラスチック
フィルムによって達成される。
【0008】上記本発明の帯電防止性プラスチックフィ
ルムの好ましい態様は下記のとおりである。 1)弗素系樹脂が、ポリビニルアルコールに対して1〜
40重量%の範囲(好ましくは2〜20重量%)で含ま
れている上記帯電防止性プラスチックフィルム。 2)ヘイズが2%以下(好ましくは1.5%以下)であ
る上記帯電防止性プラスチックフィルム。 3)帯電防止層が、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al
23 、InO3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO
3 及びこれらの複合酸化物からなる群より選ばれる少な
くとも一種の導電性金属酸化物(好ましくは0.5μm
以下の粒径を有する)を含有する上記帯電防止性プラス
チックフィルム。 4)製版貼り込み台紙用シートである上記帯電防止性プ
ラスチックフィルム。 5)ポリビニルアルコールの鹸化度が98%以上である
上記帯電防止性プラスチックフィルム。 6)帯電防止層の層厚が、0.05〜2.0μmである
上記帯電防止性プラスチックフィルム。 7)保護層の層厚が、0.05〜2.0μmである上記
帯電防止性プラスチックフィルム。
【0009】本発明の帯電防止性プラスチックフィルム
は、透明プラスチック支持体、支持体上に形成された透
明な帯電防止層及び帯電防止層上に形成された保護層か
らなる基本構成を有する。これらの層は、取扱いが容易
なことから支持体の両面に形成されるのが一般的であ
る。
【0010】上記透明プラスチック支持体として使用で
きるフィルムの材料としては、ポリエチレンフタレート
及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル類;ニ
トロセルロース、セルローストリアセテート及びセルロ
ースアセテートブチレート等のセルロースエステル類、
さらにポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン
及びポリプロピレン等を挙げることができる。これらの
中で、ポリエチレンフタレート、ポリカーボネート及び
ポリエチレンが好ましく、特にポリエチレンフタレート
が好ましい。フィルムの厚さは、特に制限はないが、5
0〜200μmのものが取り扱い易く好ましい。また支
持体はコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理を施
したものを使用してもよい。更に、紫外線吸収剤や熱線
吸収剤を含んでいても良い。
【0011】帯電防止層は、界面活性剤等の帯電防止剤
とバインダーからなる層、導電性金属酸化物がバインダ
ー中に分散した層、あるいは導電性ポリマーからなる層
のいずれの層であっても良い。本発明では、低湿度下に
おける帯電防止性が優れていることから、導電性金属酸
化物がバインダー中に分散した層であることが好まし
い。導電性金属酸化物の例としては、ZnO、TiO
2 、SnO2 、Al23 、InO3 、SiO2 、Mg
O、BaO及びMoO3 を挙げることができる。さらに
これらの複合酸化物も挙げることができる。金属酸化物
としては、ZnO、TiO2 及びSnO2 が好ましい。
また、複合酸化物としては、ZnOに対してAlあるい
はIn、TiO2 に対してNbあるいはTa、及びSn
2 に対してSb、Nbあるいはハロゲン元素などの異
種元素を0.01〜30モル%(特に好ましくは0.1
〜10モル%)含むものが好ましい。また、これらの導
電性金属酸化物を表面に被覆したコアシェルタイプの粉
末を使用しても良い。導電性金属酸化物の体積固有抵抗
率は、107 Ω・cm以下、特に105 Ω・cm以下で
あることが好ましい。また、金属酸化物の結晶内に酸素
欠陥を有するもの、あるいは金属酸化物に対して所謂ド
ナーとなる異種元素を少量含むものは、導電性が高くな
るので好ましい。上記導電性金属酸化物の粒径は、0.
5μm以下であることが好ましく、さらに0.2μm以
下であることが好ましい。
【0012】帯電防止層のバインダーとして使用するこ
とができる樹脂の例としては、ゼラチン、ゼラチン誘導
体、コロイド状アルブミン及びカゼイン等の蛋白質;ヒ
ドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)、ジアセチルセルロース及びト
リアセチルセルロース等のセルロース化合物;寒天、ア
ルギン酸ソーダ及びでんぷん誘導体等の糖誘導体;ポリ
ビニルアルコール(PVA)、ポリ−N−ビニルピロリ
ドン(PVP)、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)ア
クリル酸を含む共重合体及びポリアクリルアミド等の水
溶性樹脂又はこれらの誘導体及びこれらの部分加水分解
物;ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルニトリル、ポリアク
リル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステルを含む共
重合体、酢酸ビニル・(メタ)アクリル酸エステル共重
合体、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリオレフィ
ン、オレフィン・酢酸ビニル共重合体等のビニル重合体
あるいは共重合体;ロジン及びシェラック等の天然樹脂
及びその誘導体;及びポリピロール等の有機半導体を挙
げることができる。このような樹脂は、溶液状態、ある
いはラテックス状態等、どのような形態で使用しても良
い。
【0013】上記帯電防止層の形成は、例えば、導電性
金属酸化物と上記バインダーを含む塗布液あるいは懸濁
液(必要に応じて水又は有機溶剤を等を加えて)を上記
透明フィルム上に塗布、加熱乾燥することにより実施す
ることができる。塗布は、例えばディップコート法、エ
アーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコー
ト法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ある
いはホッパーを使用するエクストルージョン法等の公知
の塗布方法で行なうことができる。更に、米国特許第2
761791号、第3508974号、第294189
8号及び第3508947号及び「コーティング工学」
(尾崎ら著、253頁、朝倉書店発行、1973)に記
載されている方法を利用して二層以上の層(例、帯電防
止層と保護層)を同時に塗布しても良い。
【0014】上記導電性金属酸化物を帯電防止剤として
使用する場合、帯電防止層の透過率を大きくするために
は、金属酸化物とバインダーの屈折率の差が大きくなる
ことにより光散乱が大きくなることを防ぐため、両者の
屈折率を同程度に調節することが好ましい。この調節
は、金属酸化物の粒子径を調節することにより行なうこ
とができる。上記バインダーの屈折率は、1.4〜1.
6の範囲にあるので、導電性金属酸化物の粒子の直径
は、0.5μm以下であることが好ましく、特に0.2
μm以下であることが好ましい。0.2μm以下の金属
酸化物を使用することにより、光散乱効率を10%以下
にすることができる。
【0015】上記帯電防止層の体積抵抗率は、101
1010Ω・cm(好ましくは101〜109 Ω・cm、
さらに好ましくは101 〜108 Ω・cm)が一般的で
あり、このような抵抗は、層中の導電性金属酸化物の体
積含有率を調節することにより及び帯電防止層の層厚を
調節することにより得ることができる。帯電防止層の層
厚は、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05
〜2.0μmの範囲が特に好ましい。
【0016】本発明の保護層は、上記帯電防止層の上に
設けられる。上記帯電防止層は、重ね置きした際に生ず
るシート同士の付着(ブロッキングの発生)、さらにセ
ロテープの粘着剤がシートに付着し易く、また付着した
粘着剤を剥すために使用される溶剤により侵されてシー
トの透明性が損なわれ易い(耐溶剤性不良)等の欠点を
有する。本発明の保護層を、上記帯電防止層上に設ける
ことによりこのような欠点を解消することができる。
【0017】本発明の保護層は、鹸化度96%以上のポ
リビニルアルコール及び弗素系樹脂を主成分とする。本
発明で使用されるポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビ
ニルを加水分解することにより得られるもであり、鹸化
度(JISK6726に従って求めた値)96%以上を
満足するものである。さらに鹸化度98%以上のポリビ
ニルアルコールが好ましい。このように高い鹸化度のポ
リビニルアルコールを使用することにより、耐溶剤性を
向上させることができる。また上記ポリビニルアルコー
ルの重合度は、100〜10000が好ましく、さらに
200〜5000が好ましい。ポリビニルアルコールの
耐水性を向上させるために、公知の種々の架橋剤を併用
しても良い。架橋剤の例としては、エポキシ化合物又は
樹脂、メラミン樹脂、シランカップリング剤、各種金属
化合物及び尿素樹脂等を挙げることができる。
【0018】上記弗素系樹脂としては、上記ポリビニル
アルコールと混合した場合に得られる膜の透明性が損な
われるない、あるいはほとんど損なわれないような樹脂
であれば良く、このような性質をもつものであれば特に
限定されること無く使用することができる。弗素系樹脂
としては、例えば、弗素原子を有するモノマー((メ
タ)アクリルモノマーまたはビニルモノマー等)の単独
重合体、このモノマーを含む共重合体あるいは他の幹ポ
リマーにこのモノマーをグラフトさせたグラフト共重合
体、さらには弗素原子を有する化合物を重合材料として
用いて得られるポリエステル、ポリウレタン、ポリウレ
ア、ポリアミド等の合成樹脂、あるいは上記単独重合
体、共重合体又は上記合成樹脂に弗素原子を有する化合
物を化学反応により結合させたもの、を挙げることがで
きる。上記弗素原子を有するモノマーの単独重合体又は
このモノマーを含む共重合体(弗素系アクリル樹脂)が
好ましく、例えば、パーフルオロアルキルアクリレート
(例、CH2CHCOOC2H4N(CH3)SO2C8H17、テトラフルオロプ
ロピルアクリレート)、パーフルオロアルキルメタクリ
レート(例、CH2C(CH3)COOC2H4N(CH3)SO2C8H17、テトラ
フルオロプロピルメタクリレート)、あるいはパーフル
オロアルキルプロピル基またはパーフルオロアルコキシ
基を有するモノマーの単独重合体又は共重合体を挙げる
ことができる。また、このような弗素系樹脂は、弗素原
子を5〜80モル%有するものであることが好ましい。
これらの樹脂は、ポリビニルアルコールの水溶液と容易
に混合できるように懸濁液あるいはエマルジョンの状態
にして使用することがましい。
【0019】保護層中のポリビニルアルコールと弗素系
樹脂との割合は、100:1〜100:40(ポリビニ
ルアルコール:弗素系樹脂(重量比))の範囲が好まし
く、さらに100:2〜100:20の範囲が好まし
い。
【0020】上記保護層の形成は、例えば、ポリビニル
アルコールと弗素系樹脂(所望により架橋剤、界面活性
剤、マット剤又は可塑剤を加えて)を含む塗布液あるい
は懸濁液を上記帯電防止層上に塗布、加熱乾燥すること
により実施することができる。塗布は、例えばディップ
コート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、
ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコ
ート法、あるいはホッパーを使用するエクストルージョ
ン法等の公知の塗布方法で行なうことができる。更に、
米国特許第2761791号、第3508974号、第
2941898号及び第3508947号及び「コーテ
ィング工学」(尾崎ら著、253頁、朝倉書店発行、1
973)に記載されている方法を利用して二層以上の層
(例、帯電防止層と保護層)を同時に塗布しても良い。
保護層の層厚は、0.01〜10μmの範囲が好まし
く、特に0.05〜2.0μmの範囲が好ましい。
【0021】このようにして得られた帯電防止性プラス
チックフィルムの表面抵抗率は、101 〜1012Ωの範
囲が一般的であり、106 〜1012Ωの範囲が好まし
く、さらに109 〜1012Ωの範囲が好ましい。本発明
の帯電防止性プラスチックフィルムの透明性を示すヘイ
ズは、2%以下であることが好ましく、特に1.5%以
下であることが好ましい。
【0022】本発明の上記帯電防止性プラスチックフィ
ルムは、ガラスや壁等の帯電防止シート、静電記録材料
あるいは印刷物の作製における各種シートとして使用す
ることができるが、本発明の上記フィルムは優れた耐溶
剤性とブロッキングし難いとの特徴を有していることか
ら、特に写真製版の集版工程における貼込み用シートと
して使用するのに適している。例えば、写真製版の集版
工程で行なわれる貼込み作業は下記のように行なわれ
る。即ち、原稿であるカラー写真から得られた分解ネガ
をそれぞれ(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)
の製版貼り込み用シート(クリヤシートとも言われる)
に粘着テープ等により、全ての原稿を基に作成された線
画フィルムに合わせて所定の位置にそれぞれ貼り付けら
れ、またイラスト等の線画および文字等用のマスクを作
成するため線画フィルムに合わせて所定の位置にマスク
がそれぞれの製版貼り込み用シートに貼り付けられる。
この製版貼り込み用シートとして、本発明の帯電防止性
プラスチックフィルムは最適である。そして、このネガ
等が貼り付けられた貼り込み用シートを用いて校正刷
り、さらには本機印刷が行なわれる。例えば、このネガ
等が貼り付けられた貼り込み用シートからポジフィルム
を作成(返しポジ)し、さらにポジフィルムをPS版に
焼き付け処理(プレートメーク)し、このようにして得
られた印刷版を用いて上記校正刷り、本機印刷が行なわ
れる。校正刷りされたものは、前述したように再度校正
刷りが必要となる場合が多く、その場合、製版貼り込み
用シートに貼られた上記フィルムは剥され、再度その製
版貼り込み用シート上に上記分解ネガ等のフィルムが貼
り付けられる。このような製版貼り込み用シートは、貼
り付けられたフィルムを剥した際にセロテープの粘着剤
がシートに付着し難く、また付着した粘着剤を剥すため
にエタノールやアセトンで拭き取った場合にこの溶剤に
より侵されてシートの透明性が損なわれないこと(耐溶
剤性)が要求される。また、製版貼り込み用シートを重
ね置きした際シート同士が付着する(ブロッキングの発
生)ことのないことが要求される。本発明の帯電防止性
プラスチックフィルムはこれらの特性を満足するもので
ある。
【0023】
【実施例】
【0024】[実施例1] (1)帯電防止層形成用塗布液の組成(以下の全ての塗
布液の配合量を示す重量部の値は、表示のない限り固形
分又は不揮発分を表わす) 導電性微粒子分散液 80重量部 (固形分濃度:17重量%、SnO2・酸化アンチモン複合酸化物、 平均粒子径:0.1μm) ポリエステル樹脂 30重量部 (固形分濃度:30重量%、ペスレジンA−5151GB、 高松油脂(株)製) ポリオキシエチレンフェニルエーテル 1重量部 架橋剤 2重量部 (スミテックスM−3、住友化学工業(株)製) 蒸留水 887重量部 (2)塗布乾燥 上記の組成の帯電防止層形成用塗布液を100μmの厚
みの二軸延伸したポリエチレンテレフタレート表面に、
エアーナイフコーターを用いて塗布し、160℃で2分
間乾燥した。これにより乾燥膜厚が0.1μmの帯電防
止層を形成した。
【0025】(3)保護層形成用塗布液の組成 ポリビニルアルコール 10重量部 (鹸化度:98%、重合度:500、 PVA105(クラレ(株)製)) 弗素系樹脂 5重量部 (固形分濃度:24重量%、TKガードF−41、 高松油脂(株)製) ポリメチルアクリレート 0.4重量部 ポリオキシエチレンアルキルエーテル 0.4重量部 架橋剤 1重量部 (スミテックスM−3、住友化学工業(株)製) 蒸留水 983.2重量部 (4)塗布乾燥 上記の組成の保護層形成用塗布液を上記帯電防止層の表
面に、エアーナイフコーターを用いて塗布し、160℃
で2分間乾燥した。これにより乾燥膜厚が0.1μmの
保護層を形成した。このようにして、ポリエチレンテレ
フタレート上に、帯電防止層と保護層が順に形成された
帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0026】[実施例2]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成のポリビニルアルコールをPVA10
5(クラレ(株)製))からPVA117(クラレ
(株)製、鹸化度98%、重合度1700)に変更した
以外は実施例1と同様にして帯電防止性プラスチックフ
ィルムを得た。
【0027】[実施例3]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成のポリビニルアルコールをPVA10
5(クラレ(株)製))からPVA140H(クラレ
(株)製、鹸化度98%;重合度4000)に変更した
以外は実施例1と同様にして帯電防止性プラスチックフ
ィルムを得た。
【0028】[実施例4]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成の弗素系樹脂をTKガードF−41
(高松油脂(株)製)からTKガードF−41K(固形
分濃度24重量%、高松油脂(株)製)に変更した以外
は実施例1と同様にして帯電防止性プラスチックフィル
ムを得た。
【0029】[実施例5]実施例2において、保護層形
成用塗布液の組成の弗素系樹脂をTKガードF−41
(高松油脂(株)製)からTKガードF−41K(固形
分濃度24重量%、高松油脂(株)製)に変更した以外
は実施例2と同様にして帯電防止性プラスチックフィル
ムを得た。
【0030】[実施例6]実施例3において、保護層形
成用塗布液の組成の弗素系樹脂をTKガードF−41
(高松油脂(株)製)からTKガードF−41K(固形
分濃度24重量%、高松油脂(株)製)に変更した以外
は実施例3と同様にして帯電防止性プラスチックフィル
ムを得た。
【0031】[参考例1]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成の弗素系樹脂TKガードF−41(高
松油脂(株)製)を使用しなかった以外は実施例1と同
様にして帯電防止性プラスチックフィルムを得た。
【0032】[参考例2]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成のポリビニルアルコールをPVA10
5(クラレ(株)製))から鹸化度88%のPVA20
5(クラレ(株)製、重合度500)に変更し、かつ弗
素系樹脂TKガードF−41(高松油脂(株)製)を使
用しなかった以外は実施例1と同様にして帯電防止性プ
ラスチックフィルムを得た。
【0033】[参考例3]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成のポリビニルアルコールをPVA10
5(クラレ(株)製))から鹸化度88%のPVA21
7(クラレ(株)製、重合度1700)に変更し、かつ
弗素系樹脂TKガードF−41(高松油脂(株)製)を
使用しなかった以外は実施例1と同様にして帯電防止性
プラスチックフィルムを得た。
【0034】[参考例4]実施例1において、保護層形
成用塗布液の組成のポリビニルアルコールをPVA10
5(クラレ(株)製))から鹸化度88%のPVA23
5(クラレ(株)製、重合度3500)に変更し、かつ
弗素系樹脂TKガードF−41(高松油脂(株)製)を
使用しなかった以外は実施例1と同様にして帯電防止性
プラスチックフィルムを得た。
【0035】上記で得られた帯電防止性プラスチックフ
ィルムについて、以下の測定方法によってその特性を評
価した。 (1)耐溶剤性 得られた帯電防止性プラスチックフィルムの保護層表面
を、アセトンを滲み込ませたガーゼで、10回(10往
復)擦った後、その表面状態を観察し、下記のように評
価した。 AA:変化が見られなかった。 CC:保護層が剥離した。 (2)ブロッキング性 得られた帯電防止性プラスチックフィルム二枚を、保護
層同士が接触するように重ね合わせ、この積層体の上か
ら35℃、85%RHの環境下で200g/cm2 条件
で24時間加圧した。加圧後、二枚のフィルムを剥離し
て、保護層の状態を観察し、下記のように評価した。 AA:変化が見られなかった。 CC:保護層が剥離した。 (3)粘着テープの粘着剤のフィルムへの移動 得られた帯電防止性プラスチックフィルムの表面に、製
版貼り込み時に、貼り込み台紙用フィルムに分解ネガ等
を貼り付けるために使用する粘着テープ(ポリエステル
テープ#29、積水化学(株)製)を貼り付け、50℃
の恒温槽に三日間放置した。放置後、粘着テープを剥離
してその粘着剤がフィルムに移動して残ったかを観察
し、下記のように評価した。 AA:粘着剤が残っていなかった。 CC:かなりの量の粘着剤が残っていた。 (4)ヘイズ 得られた帯電防止性プラスチックフィルムを、積分球式
ヘイズメーター(SEP−H−S型;日本精密工学
(株)製)を用いて測定した。 (5)表面抵抗率 得られた帯電防止性プラスチックフィルムの表面抵抗率
を、25℃、10%RHの雰囲気中で絶縁抵抗測定器
(VE−30型;川口電気(株)製)を用いて測定し
た。上記評価の結果を下記の表1に示す。
【0036】
【表1】 表1 ──────────────────────────────────── 耐溶剤性 ブロッキング性 粘着剤残り ヘイズ 表面抵抗率 (Ω) ──────────────────────────────────── 実施例1 AA AA AA 1.0 5×109 実施例2 AA AA AA 1.0 5×109 実施例3 AA AA AA 1.0 5×109 実施例4 AA AA AA 1.0 5×109 実施例5 AA AA AA 1.0 5×109 実施例6 AA AA AA 1.0 5×109 ──────────────────────────────────── 参考例1 AA CC CC 0.7 5×109 参考例2 CC CC CC − 5×109 参考例3 CC CC CC − 5×109 参考例4 CC CC CC − 5×109 ────────────────────────────────────
【0037】実施例1〜6で得られた帯電防止性プラス
チックフィルムは、耐溶剤性、ブロッキング性そして粘
着テープの粘着剤残り、全てについて優れており、製版
貼り込み用フィルム製版貼り込み用フィルムとして好適
であることがわかる。ヘイズ値、抵抗値から透明性も高
く、帯電防止性にも優れており、通常の帯電防止性プラ
スチックフィルムとしての特性も具備している。一方、
弗素系樹脂を含まない保護層が設けられた帯電防止性プ
ラスチックフィルム(参考例1)は、ブロッキング性そ
して粘着テープの粘着剤残りについて充分な性能が得ら
れていない。また鹸化度の低いポリビニルアルコールを
使用し、弗素系樹脂を含まない保護層が設けられた帯電
防止性プラスチックフィルム(参考例2〜4)は、ブロ
ッキング性そして粘着テープの粘着剤残りについて充分
な性能が得られていないだけで無く、耐溶剤性について
も充分ではない。
【0038】
【発明の効果】本発明の帯電防止性プラスチックフィル
ムは、帯電防止性及び透明性に加えて、優れた耐溶剤性
とブロッキングし難いとの特徴を有している。特にブロ
ッキング性は、高湿下においても優れている。このた
め、本発明の帯電防止性プラスチックフィルムは、通常
の帯電防止性プラスチックフィルムとして好適であるだ
けでなく、特に写真製版の集版工程における貼込み用シ
ートとして使用するのに最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGT LGU

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明プラスチック支持体の少なくとも一
    方の表面に、透明な帯電防止層が設けられてなる帯電防
    止性プラスチックフィルムにおいて、該帯電防止層の上
    に、鹸化度96%以上のポリビニルアルコール及び弗素
    系樹脂からなる保護層が設けられていることを特徴とす
    る帯電防止性プラスチックフィルム。
  2. 【請求項2】 ヘイズが2%以下である請求項1に記載
    の帯電防止性プラスチックフィルム。
  3. 【請求項3】 帯電防止層が、ZnO、TiO2 、Sn
    2 、Al23 、InO3 、SiO2 、MgO、Ba
    3 、MoO3 及びこれらの複合酸化物からなる群より
    選ばれる少なくとも一種の導電性金属酸化物を含有する
    請求項1に記載の帯電防止性プラスチックフィルム。
  4. 【請求項4】 製版貼り込み用シートである請求項1に
    記載の帯電防止性プラスチックフィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10329257A (ja) * 1997-05-30 1998-12-15 Sumitomo Bakelite Co Ltd 帯電防止フィルム
JP2000336229A (ja) * 1999-06-01 2000-12-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 膜状物およびその製造法

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JP2000336229A (ja) * 1999-06-01 2000-12-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 膜状物およびその製造法

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