JPH0731200U - 汚水処理用の曝気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲に対する環境対策に万全を期すると共
に、スペースの有効利用を図る。 【構成】 汚水処理用の曝気槽１０の上面を天板１１で
全閉し、天板１１の一部に消泡室１２を設ける。そし
て、曝気槽１０内の汚水の液面レベルＷＬを天板１１よ
り高い消泡室１２内に設定し、消泡室１２内に消泡用の
シャワー１３を設け、消泡室１２に排気管１５を接続し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、汚水処理用の曝気装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の汚水処理施設では、図２に示すように上面が全面開放した曝気槽１、あ るいは図３に示すように上面を単に目隠し用のカバー２で覆った曝気槽１を用い て汚水Ｗの曝気処理を行っていた。図において、３は汚水の流入管、４は曝気混 合液の流出管、５は曝気混合液の一部を流入側に戻す返送管、６は曝気槽１の底 部に配置された散気管、７は散気管６に空気を送るブロア、８は沈澱池を示す。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上面開放の曝気槽１を用いて曝気処理を行った場合、汚水が外部か ら見えるうえ、臭気が外へ逃げ、周辺の環境を害するという問題があった。この 点、カバー２で曝気槽１の上面を覆った場合、いく分これらの問題は解決される が、広大な汚水表面が大気に接しているのは同じであるから、根本的解決には至 らなかった。また、いずれの場合も、曝気槽の面積分の設置スペースを上方にも 確保しなくてはならないから、スペース効率が悪いという問題もあった。

【０００４】 この考案は上記のような問題点を解消するためになされたもので、周囲に対す る環境対策に万全を期することができ、しかもスペースの有効利用を図ることの できる曝気装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案に係る曝気装置は、曝気槽の上面を水密性を有する天板で全閉 すると共に、この天板の一部に消泡室を設け、汚水の液面レベルを天板より高い 前記消泡室内に設定したものである。

【０００６】 請求項２の考案に係る曝気装置は、前記消泡室内に、汚水表面の泡を消す消泡 設備を設けたものである。

【０００７】 請求項３の考案に係る曝気装置は、前記消泡室の上端を密閉した状態で排気管 に接続したものである。

【０００８】

【作用】

請求項１の考案における曝気装置では、汚水中に供給された空気は最終的には 消泡室内に集まり、排気されることになる。この際、汚水の液面レベルが消泡室 内に設定されているから、液面に浮かぶ泡は全て消泡室内に集まる。また、汚水 と大気との接触面が消泡室内に限定されるから、大気中への臭気の発散が大幅に 減少する。

【０００９】 請求項２の考案における曝気装置では、消泡室内に集まる泡を消泡設備により 消すことができる。

【００１０】 請求項３の考案における曝気装置では、消泡室内に集まる臭気を排気管を通し て漏れなく確実に他所へ導くことができる。

【００１１】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について説明する。 図１はこの考案の一実施例による曝気装置を示す構成図であり、この図におい て、１０は曝気槽２０は沈澱池、３は汚水の流入管、４は曝気混合液の流出管、 ５は曝気混合液の一部を流入側に戻す返送管、６は曝気槽１の底部に配置された 散気管、７は散気管６に空気を送るブロアである。

【００１２】 曝気槽１０の上面は水密性を有する天板１１によって全閉されており、その天 板１１の一部に、消泡室１２が設けられている。消泡室１２は、曝気槽１０の底 面積に比べてかなり小さい断面積のもので、この消泡室１２の適当な高さに、曝 気槽１０内の汚水Ｗの液面レベルＷＬが設定されている。また、消泡室１２内の 汚水の液面レベルＷＬよりも上方位置には、汚水Ｗの表面に上昇した泡を消すた めの消泡設備としてのシャワー１３が設置されている。したがって、消泡室１２ 内の汚水の液面レベルＷＬより上側の空間は、消泡室１４としての機能を果たす 。また、その消泡室１４としての空間の上端は排気管１５に密閉状態で接続され 、排気管１５の端部が、図示しない脱臭設備などを介して大気に開放されている 。なお、排気管１５は圧力空気の漏洩のない構造とし、消泡室１２内のガスを大 気に拡散することなく、脱臭室などを経由した後排気するのが望ましい。

【００１３】 この曝気装置においては、天板１１によって曝気槽１０の上面が全閉されてい るので、外部から汚水Ｗが見えず、天板１１の上を自由スペースとして利用する ことができる。また、汚水表面が消泡室１２内でのみ空気に接しているから、臭 気が外気中に発散しない。また、泡は消泡室１２内に集まり、ここでシャワー１ ３からの散水により消される。そして、消泡室１４内のガスが排気管１５を通っ て漏れなく回収される。よって、回収したガスを脱臭処理したりして大気に放つ ことにより、環境対策に万全を期することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上のように、請求項１の考案によれば、曝気槽の上面を天板で全閉し、その 一部に消泡室を設け、汚水の液面レベルを消泡室内に設定したので、汚水が外部 から見えなくなるうえ、臭気の発散が抑えられ、周囲に対する環境対策が万全と なる。特に、汚水表面が消泡室内に限定されるので、臭気を漏れなく回収して脱 臭処理などを効率良く行うことができる。また、天板の上部スペースを自由に利 用でき、消泡室のスペースさえ確保すれば、地上施設の下に設置することもでき るので、スペースの有効利用を図ることもできる。

【００１５】 請求項２の考案によれば、消泡室内に消泡設備を設けたので、汚水表面の泡を 効率良く消すことができる。また消泡室に消泡装置を設けるので、圧力水噴射に よる汚水微粒子が大気に拡散することもない。

【００１６】 請求項３の考案によれば、消泡室を密閉した状態で排気管に接続したので、臭 気を漏れなく回収することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例による曝気装置を示す構成
図である。

【図２】従来の曝気装置の一例を示す構成図である。

【図３】従来の曝気装置の他の例を示す構成図である。

【符号の説明】

１０ 曝気槽 １１ 天板 １２ 消泡室 １３ シャワー（消泡設備） １５ 排気管 Ｗ 汚水 ＷＬ 汚水の液面レベル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 汚水処理用の曝気槽の上面を水密性を有
   する天板で全閉すると共に、この天板の一部に、消泡室
   を設け、消泡室から曝気に使われた空気を排室方するよ
   う構成し、前記曝気槽内の汚水の液面レベルを前記天板
   より高い前記消泡室内に設定した汚水処理用の曝気装
   置。
2. 【請求項２】 前記消泡室内に、汚水表面の泡を消す消
   泡設備を設けた請求項１記載の汚水処理用の曝気装置。
3. 【請求項３】 前記消泡室の上端を密閉した状態で排気
   管に接続した請求項１または２記載の汚水処理用の曝気
   装置。