JPH0731011Y2 - エンジンにおけるタイミングベルトテンショナのロック装置 - Google Patents

エンジンにおけるタイミングベルトテンショナのロック装置

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JPH0731011Y2
JPH0731011Y2 JP11158090U JP11158090U JPH0731011Y2 JP H0731011 Y2 JPH0731011 Y2 JP H0731011Y2 JP 11158090 U JP11158090 U JP 11158090U JP 11158090 U JP11158090 U JP 11158090U JP H0731011 Y2 JPH0731011 Y2 JP H0731011Y2
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engine body
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Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本考案は、エンジンのタイミングベルトにオートテンシ
ョナによって所定の張力を与えるようにしたタイミング
ベルトテンショナに関するもので、特に、タイミングベ
ルトの取り外し時などにそのタイミングベルトテンショ
ナの作動を停止させるようにするためのロック装置に関
するものである。
【従来の技術】
自動車用エンジン等の4サイクルエンジンにおいては、
吸気弁及び排気弁を開閉作動させるカムシャフトはクラ
ンクシャフトの2分の1の回転速度で回転駆動する必要
がある。そこで、それらクランクシャフトとカムシャフ
トとの間には、クランクシャフトの回転をカムシャフト
に伝える伝動機構が設けられている。その伝動機構とし
ては、一般に、ベルト伝動機構が用いられている。その
ようなベルト伝動式カムシャフト駆動装置においては、
クランクシャフトにクランクプーリが固着されるととも
にカムシャフトにカムプーリが固着され、それらクラン
クプーリとカムプーリとの間にタイミングベルトが無端
状に掛け渡される。 ところで、そのようなベルト伝動式カムシャフト駆動装
置の場合、例えばタイミングベルトを緩く張ると、ベル
トが共振して騒音が生じることがある。逆にタイミング
ベルトの張力を強くすると、ベルト荷重が大きくなって
ベルトの耐久性が低下してしまう。したがって、タイミ
ングベルトには所定の張力を与えることが必要となる。
しかも、タイミングベルトの張力は、温度や時間等によ
って変化する。特にダブルオーバヘッドカム式エンジン
の場合には、カムプーリが2個設けられ、しかもそのカ
ムプーリとクランクプーリとが離れて配置されるので、
タイミングベルトが長くなる。そのために、温度変化や
経時変化等によってタイミングベルトが伸びてたるみや
すくなる。 そこで、そのようなベルト伝動式カムシャフト駆動装置
には、通常、タイミングベルトの張力を所定の大きさに
保持するタイミングベルトテンショナが用いられてい
る。そのベルトテンショナにおいては、先端部にテンシ
ョナプーリを回転自在に支持するテンションアームが支
軸によりエンジン本体に揺動自在に支持される。そし
て、そのテンションアームが、オートテンショナによっ
て、テンショナプーリをタイミングベルトに押圧させる
方向に付勢され、そのベルトに張力が付与される。この
ようにテンションアームを介してオートテンショナの付
勢力をテンショナプーリに伝えるようにすることによっ
て、その付勢力が増力されるので、近年の高負荷が加わ
るタイミングベルトにも十分な対応が可能となる。 ところで、このようなタイミングベルトテンショナを備
えたベルト伝動式カムシャフト駆動装置の場合には、そ
のテンションアームはオートテンショナの付勢力とタイ
ミングベルトの張力とが釣り合うことによりその位置で
保持される。したがって、動弁系などシリンダヘッドの
メンテナンス時、タイミングベルトが取り外されると、
オートテンショナによってテンションアームが最大限度
まで揺動されることになる。そして、そのようにテンシ
ョンアームが大きく揺動すると、そのテンションアーム
やそれに支持されているテンショナプーリが周辺の部材
等に当接するおそれがある。また、メンテナンス作業の
終了後、再びタイミングベルトを組み付けるときには、
オートテンショナの付勢力に抗してテンショナプーリを
所定の位置まで戻すことが必要となる。そのオートテン
ショナは一般に付勢力の強いものとされている。そのた
めに、タイミングベルトの組み付け作業が困難となる。 したがって、タイミングベルトを取り外している間、テ
ンションアームが一時的にロックされ、テンショナプー
リがその位置で保持されるようにすることが望まれる。
そのロック装置は、通常時におけるタイミングベルトテ
ンショナの作動に支障を来すものであってはならない。 そのようにタイミングベルトテンショナを一時的にロッ
クし得るものとして、例えば特開昭62-80347号公報に示
されているように、テンショナプーリを揺動させるテン
ションアームに長孔を形成し、その長孔内にロック用ボ
ルトを位置させることが考えられている。そのロック用
ボルトは、エンジン本体側に締結され、締め付けること
によってテンションアームに圧接されてその揺動を規制
するとともに、取り外すことによってテンションアーム
の揺動を許容するものとされている。
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、そのようなものでは、通常はロック用ボ
ルトは取り外されているので、タイミングベルトテンシ
ョナをロックしようとするときには、その都度、ロック
用ボルトを長孔に挿通して締め付けることが必要とな
る。そのために、通常時にロック用ボルトを別途保管し
ておくことが必要となるばかりでなく、タイミングベル
トが取り外されるシリンダヘッドのメンテナンス時に
は、その保管されていたロック用ボルトを取り出して締
め付けるという作業が必要となるので、メンテナンス時
における作業が増加することになる。 ロック用ボルトをエンジン本体側から取り外さず、緩め
た状態でテンションアームの揺動が許容されるようにす
ることも考えられるが、ロック用ボルトを緩めた状態で
エンジンを運転すると、エンジン振動などによりそのボ
ルトが更に緩み、結局はエンジン本体から外れてしま
う。したがって、タイミングベルトを取り外すときに
は、やはりそのロック用ボルトをテンションアームの長
孔に挿通して締め付けるか、あるいは他のロック手段に
よってテンションアームの揺動が規制されるようにする
ことが必要となる。 本考案は、このような実情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、タイミングベルトを取り外すときには
そのベルトテンショナが容易にロックされ、シリンダヘ
ッド等のメンテナンス作業が容易に行われるようにする
ことである。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本考案では、先端部にテン
ショナプーリが取り付けられるテンションアームの揺動
支軸の近傍に、エンジン本体との間に間隔をおいて配置
されるロック部を設け、そのロック部に貫通孔を形成す
るとともに、その貫通孔に、その貫通孔より小径の軸部
と、その軸部に隣接して設けられるフランジ部と、その
フランジ部に隣接して設けられエンジン本体に締結され
るねじ部とを有するロック用ボルトを挿通させるように
している。そのロック用ボルトのフランジ部は、テンシ
ョンアームの貫通孔より大径のものとされ、テンション
アームのロック部とエンジン本体との間に位置するよう
にされる。また、そのねじ部の長さは、ロック用ボルト
を締め付け方向に回転させたときフランジ部がエンジン
本体に圧接されるとともに、緩め方向に回転させたとき
にはエンジン本体との螺合状態を保ったままでそのフラ
ンジ部がテンションアームのロック部に圧接されるだけ
の長さとされている。
【作用】
このように構成することにより、テンションアームの貫
通孔内にはロック用ボルトの軸部が位置することにな
る。そして、その軸部は貫通孔より小径とされているの
で、その軸部とテンションアームとの間には遊びが設け
られる。したがって、ロック用ボルトを締め付け側に回
転させ、そのフランジ部をテンションアームのロック部
から離すと、テンションアームはその揺動が許容される
ことになる。その場合、その貫通孔はテンションアーム
を揺動自在に支持する支軸の近傍に設けられているの
で、その間の遊びが比較的小さくても、テンションアー
ムの先端部に取り付けられたテンショナプーリの移動量
は十分に確保することができる。したがって、タイミン
グベルトテンショナの作動に支障が生ずることはない。
そして、そのとき、ロック用ボルトのフランジ部をエン
ジン本体に圧接させるようにすれば、そのボルトは大面
積のフランジ部を介してエンジン本体に面接触すること
になるので、そのボルトが緩むことも防止される。 タイミングベルトを取り外すときには、ロック用ボルト
を緩め方向に回転させる。すると、そのボルトのフラン
ジ部がテンションアームの貫通孔周辺部、すなわちロッ
ク部に面接触する。そのテンションアームは支軸の軸線
方向には移動不能とされている。したがって、そのとき
には、ロック用ボルトのフランジ部がテンションアーム
に圧接されることになり、その摩擦力によってテンショ
ンアームの揺動が規制される。すなわち、タイミングベ
ルトテンショナがロックされる。 このように、ロック用ボルトをいずれかの方向に回転さ
せるだけで、タイミングベルトテンショナが作動状態と
ロック状態とに切り換えられる。したがって、その操作
は極めて容易となる。そして、ロック用ボルトのフラン
ジ部がテンションアームとエンジン本体との間に位置す
るようにされているので、そのボルトが脱落することも
ない。したがって、その保管の必要もない。その結果、
タイミングベルトの脱着が容易になされるようになり、
シリンダヘッド等のメンテナンス作業が容易となる。
【実施例】
以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。 図は本考案によるロック装置を備えたベルトテンショナ
の一例を示すもので、第1図はそのベルトテンショナが
装着されたエンジンの端面図であり、第2図はそのエン
ジンからバランサベルト及びそのバランサベルト用のテ
ンショナを取り外した状態を示すエンジンの端面図であ
る。また、第3図はそのベルトテンショナ部分の拡大縦
断面図である。 第1,2図から明らかなように、このエンジンはダブルオ
ーバヘッドカム式エンジンであって、エンジン本体1の
上部のシリンダヘッド2には一対のカムシャフト3,3が
設けられている。また、エンジン本体1のシリンダブロ
ック4には、その中央下部にクランクシャフト5が回転
自在に支持されており、その両側に一対のバランサシャ
フト6,6が配設されている。このバランサシャフト6は
バランスウエイトを有するもので、クランクシャフト5
の2倍の回転速度で回転させることにより、ピストンな
どの往復慣性質量とバランスさせて、エンジン振動を低
減させるために設けられるものである。 これらカムシャフト3、クランクシャフト5、及びバラ
ンサシャフト6はいずれもエンジン本体1の一端面から
突出するようにされている。そして、カムシャフト3,3
の突出端部にはそれぞれカムプーリ7,7が固着され、バ
ランサシャフト6,6の突出端部にはそれぞれバランサプ
ーリ8,8が固着されている。また、クランクシャフト5
の突出端部には、一対のクランクプーリ、すなわち第1
のクランクプーリ9と第2のクランクプーリ10とが固着
されている。これら第1及び第2のクランクプーリ9,10
は、第1のクランクプーリ9の外側に第2のクランクプ
ーリ10が位置するようにして同軸上に配置されている。 更に、シリンダブロック4の端面には、ウォータポンプ
ボディ11及びオイルポンプボディ12が取り付けられてい
る。そのウォータポンプボディ11には、ウォータポンプ
を駆動するウォータポンププーリ13が回転自在に支持さ
れている。オイルポンプはクランクシャフト5によって
駆動されるようになっている。 そして、特に第2図から明らかなように、これら一対の
カムプーリ7,7、第1のクランクプーリ9、及びウォー
タポンププーリ13間に、第1のベルトであるタイミング
ベルト14が掛け渡されている。また、第1図から明らか
なように、一対のバランサプーリ8,8と第2のクランク
プーリ10との間に、第2のベルトであるバランサベルト
15が掛け渡されている。 シリンダブロック4の端面中央部には、ベルトテンショ
ナ16が設けられている。このベルトテンショナ16は、タ
イミングベルト14に張力を付与するタイミングベルトテ
ンショナ17と、バランサベルト15に張力を付与するバラ
ンサベルトテンショナ18とによって構成されている。 第2,3図から明らかなように、タイミングベルトテンシ
ョナ17は、タイミングベルト14の外側面に当接する第1
のテンショナプーリ19と、そのテンショナプーリ19を揺
動させるテンションアーム20と、そのテンションアーム
20を一方向に付勢するオートテンショナ21とを備えてい
る。 第1のテンショナプーリ19は、軸心部に大径の貫通孔22
を有する円筒状のリテーナ23の外周にボールベアリング
24を介して回転自在に支持されたガイドリングからなる
もので、そのリテーナ23がテンションアーム20の下端部
に設けられた開口に嵌合されて固定されている。こうし
て、第1のテンショナプーリ19の軸心部には、そのテン
ショナプーリ19及びテンションアーム20を軸線方向に貫
通する大径の貫通孔22が形成されている。そして、その
テンショナプーリ19がテンションアーム20によって回転
自在に支持されるようになっている。 テンションアーム20は、その上端部が支軸である支点ボ
ルト25によりカラー26を介してウォータポンプボディ11
に取り付けられている。したがって、そのテンションア
ーム20は、エンジン本体1により、上端部を中心として
揺動自在に支持されるようになっている。第3図に示さ
れているように、支点ボルト25の頭部には、テンション
アーム20の外側面に当接するフランジ27が設けられてい
る。また、テンションアーム20の内側面はカラー26によ
って支持されている。したがって、テンションアーム20
は支点ボルト25の軸線方向には移動不能とされている。 テンションアーム20には、更に、その支点ボルト25近傍
の基部から側方に突出するロック部28と先端部近傍から
側方に突出するレバー部29とが一体に設けられている。
第3図に示されているように、そのロック部28はウォー
タポンプボディ11、すなわちエンジン本体1の外側面か
ら間隔をおいて位置するようにされている。そして、そ
のロック部28に、貫通孔30が設けられている。その貫通
孔30には、ロック用ボルト31が挿通されている。 そのロック用ボルト31は、頭部32に連なる軸部33と、そ
の軸部33に隣接するフランジ部34と、更にそのフランジ
部34から延びるねじ部35とを備えている。その頭部32
は、テンションアーム20のロック部28に形成された貫通
孔30よりも小径のものとされている。また、軸部33はそ
の頭部32よりも更に小径とされている。したがって、そ
の軸部33は貫通孔30よりもかなり小径となっている。一
方、フランジ部34は貫通孔30よりも大径とされている。
そして、そのフランジ部34は、テンションアーム20のロ
ック部28とエンジン本体1の外側面との間に位置するよ
うにされている。 エンジン本体1のウォータポンプボディ11には、ロック
用ボルト31のねじ部35が締結されるねじ孔36が設けられ
ている。そのねじ孔36は、ロック用ボルト31のねじ部35
より長いものとされている。したがって、ロック用ボル
ト31を締め付けたときには、そのボルト31のフランジ部
34がエンジン本体1の外側面に密着するようになってい
る。また、ロック用ボルト31のねじ部35は、テンション
アーム20のロック部28とエンジン本体1の外側面との間
の間隔より長いものとされている。こうして、ロック用
ボルト31を緩め方向に回転させたときには、第4図に示
されているように、そのねじ部35とエンジン本体1のね
じ孔36とが螺合状態で保たれているうちに、そのフラン
ジ部34がテンションアーム20のロック部28の内側面に密
着するようにされている。 この間において、ロック部28の貫通孔30内には常にロッ
ク用ボルト31の軸部33が位置するようになっている。上
述のようにその軸部33は貫通孔30より小径とされてい
る。したがって、そのボルト31とテンションアーム20と
の間には遊びが設けられ、テンションアーム20の揺動が
一定範囲で許容されるようになっている。 オートテンショナ21は、軸線方向の圧縮力をスプリング
のねじりに変換して蓄えるようにした機械式のもので、
その本体部はボルト37,37によってオイルポンプボディ1
2に固定されている。そして、その先端がテンションア
ーム20のレバー部29に当接するようにされている。した
がって、テンションアーム20には第2図で時計方向に揺
動させようとする付勢力が加えられ、それによって第1
のテンショナプーリ19がタイミングベルト14に押し付け
られて、タイミングベルト14に所定の張力が付与される
ようになっている。 また、第1,3図から明らかなように、バランサベルトテ
ンショナ18は、バランサベルト15の外側面に当接する第
2のテンショナプーリ38と、そのテンショナプーリ38を
揺動可能に支持するテンションアーム39と、そのテンシ
ョンアーム39に付勢力を加えるセット用スプリング40と
を備えている。 第2のテンショナプーリ38は、軸心部に大径の貫通孔41
を有する円筒状のリテーナ42の外周にボールベアリング
43を介して回転自在に支持されたガイドリングからなる
もので、そのリテーナ42がテンションアーム39の先端部
に設けられた開口に嵌合されて支持されている。テンシ
ョンアーム39は、その中間部がカラーを有する支点ボル
ト44によりオイルポンプボディ12に取り付けられ、その
支点ボルト44を中心として揺動可能とされている。セッ
ト用スプリング40は、そのテンションアーム39の他端と
ウォータポンプボディ11との間に張設されている。こう
して、テンションアーム39の揺動により、第2のテンシ
ョナプーリ38の位置が調整されるようになっている。 第3図に示されているように、第1のテンショナプーリ
19と第2のテンショナプーリ38とは、軸線方向に隣り合
うようにして配置されている。しかも、第2のテンショ
ナプーリ38が第1のテンショナプーリ19の外側に位置す
るようにされている。そして、それら第1及び第2のテ
ンショナプーリ19,38の軸心部の貫通孔22,41に、支持軸
45が挿通されている。 その支持軸45は、第1のテンショナプーリ19の貫通孔22
に挿通される大径部46と第2のテンショナプーリ38の貫
通孔41に挿通される小径部47とを有するもので、それら
大径部46及び小径部47の外径は各貫通孔22,41の内径よ
りは十分に小さいものとされている。また、その支持軸
45の大径部46と小径47との間にはフランジ48が設けられ
ている。更に、その支持軸45には、先端部及び基端部に
それぞれねじ部49,50が設けられており、その先端のね
じ部49をシリンダブロック4に形成されたねじ孔に締め
付けることによって、支持軸45がエンジン本体1に固定
されるようになっている。そして、基端側のねじ部50に
袋ナット状のキャップ51を締め付けることによって、第
2のテンショナプーリ38のリテーナ42がそのキャップ51
と支持軸45のフランジ48との間に挟み付けられて固定さ
れるようになっている。こうして、第2のテンショナプ
ーリ38は、その位置が調整可能とされるとともに、その
位置でエンジン本体1に固定された支持軸45により回転
自在に支持されるようになっている。また、第1のテン
ショナプーリ19は、その貫通孔22の周縁に支持軸45の大
径部46が係合する範囲内で揺動可能となっている。 このようなベルトテンショナ16をエンジン本体1に組み
付けるときには、まず、エンジン本体1のウォータポン
プボディ11に形成されたねじ孔36にロック用ボルト31の
ねじ部35を螺合させる。そして、そのボルト31を締め付
けて、フランジ部34をエンジン本体1の外側面に密着さ
せておく。 次いで、タイミングベルトテンショナ17のテンションア
ーム20を組み付ける。その際には、テンションアーム20
の基部にカラー26を装着しておき、ロック部28の貫通孔
30にロック用ボルト31の頭部32を通させて、その軸部33
にロック部28を係合させる。そして、カラー26に支点ボ
ルト25を挿通してウォータポンプボディ11のねじ孔に締
め付ける。それによって、そのテンションアーム20が軸
線方向には移動不能な状態でエンジン本体1に取り付け
られる。その場合、テンションアーム20はエンジン本体
1に揺動自在に支持されるが、その揺動はロック用ボル
ト31の軸部33が貫通孔30の周縁に係合する範囲内で規制
される。したがって、そのテンションアーム20あるいは
それに取り付けられている第1のテンショナプーリ19の
過大な揺動が防止され、周辺の部材等に当接することが
防止される。 その状態で、そのテンショナプーリ19の貫通孔22に支持
軸45を挿通し、その支持軸45の先端のねじ部49をシリン
ダブロック4に締め付け固定する。すると、その支持軸
45の大径部46がテンショナプーリ19の貫通孔22内に位置
することになり、そのテンショナプーリ19の揺動が更に
規制されるようになる。 次に、オートテンショナ21をエンジン本体1に取り付け
る。そのオートテンショナ21は、そのときにはストッパ
によって伸長が規制された状態とされている。したがっ
て、テンションアーム20は依然として所定範囲内で自由
に揺動し得る状態にある。 そこで、カムプーリ7,7、第1のクランクプーリ9、ウ
ォータポンププーリ13、及び第1のテンショナプーリ19
にタイミングベルト14を掛け渡す。その場合、第1のテ
ンショナプーリ19の位置がほぼ定められており、そのテ
ンショナプーリ19が大きく揺動することがないので、そ
の作業も容易である。 このようにしてタイミングベルト14を掛け渡した後、オ
ートテンショナ21のストッパを取り外す。すると、その
オートテンショナ21が伸長し、そのオートテンショナ21
に押されてテンションアーム20が第2図で時計方向に揺
動する。したがって、第1のテンショナプーリ19がタイ
ミングベルト14に押圧され、そのタイミングベルト14に
張力が加えられる。こうして、第2図の状態となる。 次いで、バランサプーリ8,8及び第2のクランクプーリ1
0にバランサベルト15を掛け渡す。そして、第2のテン
ショナプーリ38を支持したテンションアーム39を支点ボ
ルト44によりエンジン本体1に取り付ける。更に、その
テンションアーム39の端部とエンジン本体1との間にセ
ット用スプリング40を張設する。すると、テンションア
ーム39が第1図で反時計方向に付勢され、第2のテンシ
ョナプーリ38がバランサベルト15に押圧される。 このようにして、バランサベルト15に所定の張力が加え
られる位置まで第2のテンショナプーリ38を移動させた
後、支持軸45のねじ部50にキャップ51を締め付ける。す
ると、第2のテンショナプーリ38のリテーナ42がキャッ
プ51と支持軸45のフランジ48との間に挟み付けられて固
定され、そのテンショナプーリ38がエンジン本体1によ
り回転自在に支持される。 こうして、ベルト14,15及びそのまわりの部品の組み付
けが完了する。 このように構成されたエンジンにおいては、クランクシ
ャフト5が回転すると、その回転がタイミングベルト14
を介してカムプーリ7,7及びウォータポンププーリ13に
伝えられ、カムシャフト3,3及びウォータポンプが駆動
される。また、バランサベルト15を介してバランサプー
リ8,8に回転が伝えられ、バランサシャフト6,6が回転駆
動される。 このとき、タイミングベルト14及びバランサベルト15に
は、タイミングベルトテンショナ17及びバランサベルト
テンショナ18によってそれぞれ張力が加えられる。その
張力は、それらのテンショナ17,18の組み付け時に適正
に調整されている。そして、タイミングベルト14が伸び
たときには、オートテンショナ21の押圧力によってテン
ションアーム20が第2図で時計方向に揺動され、第1の
テンショナプーリ19がタイミングベルト14に更に押し付
けられる。また、エンジンの高速回転時のようにタイミ
ングベルト14に大きな荷重が作用するときには、第1の
テンショナプーリ19が反時計方向に押圧されることによ
ってオートテンショナ21が収縮する。こうして、タイミ
ングベルト14の張力が適正な大きさに維持される。バラ
ンサベルト15が短く、しかも荷重等の変動が少ないの
で、位置が固定された第2のテンショナプーリ38によっ
てもその張力が適正な大きさに維持される。したがっ
て、カムシャフト3及びバランサシャフト6への回転伝
達は正確に行われる。 この間において、タイミングベルトテンショナ17のテン
ションアーム20は、そのロック部28に設けられた貫通孔
30内にロック用ボルト31の軸部33が位置しており、ま
た、その先端部に支持された第1のテンショナプーリ19
の貫通孔22内に支持軸45の大径部46が位置しているの
で、それらが係合することによってその揺動が規制され
ることになる。しかしながら、そのロック部28の貫通孔
30は、テンションアーム20の揺動中心である支点ボルト
25の近傍に設けられているので、その貫通孔30とロック
用ボルト31の軸部33との間の遊びが比較的小さくても、
テンションアーム20の揺動は十分に許容される。また、
テンショナプーリ19の貫通孔22と支持軸45の大径部46と
の間の遊びは十分な大きさとされている。しかも、タイ
ミングベルト14の張力調整のためのテンショナプーリ19
の移動量は比較的小さくてよい。したがって、これらに
よってその場合のテンションアーム20の揺動に支障が生
ずることはない。 動弁系等のメンテナンス作業を行うときには、ロック用
ボルト31を緩め方向に回転させる。すると、そのボルト
31は、そのねじ部35とエンジン本体1のねじ孔36との螺
合によりエンジン本体1から抜け出す方向に移動し、そ
のフランジ部34がテンションアーム20の貫通孔30の周辺
部、すなわちロック部28に押圧される。一方、テンショ
ンアーム20は軸線方向には移動不能とされている。その
結果、エンジン本体1に締結されたロック用ボルト31の
フランジ部34が、第4図に示されているようにテンショ
ンアーム20のロック部28に面接触して圧接されることに
なる。したがって、その間に大きな摩擦力が発生するよ
うになり、テンションアーム20の揺動が完全に規制され
る。 そこで、その状態でタイミングベルト14を外す。そのと
きには、上述のようにテンションアーム20が固定されて
いるので、オートテンショナ21の付勢力によってもテン
ショナプーリ19が移動することはない。すなわち、タイ
ミングベルト14を取り外しても、テンショナプーリ19は
その位置で保持される。 このようにして、タイミングベルトテンショナ17がロッ
クされ、その状態でタイミングベルト14が取り外され
て、シリンダヘッド2内等のメンテナンス作業が行われ
る。 動弁系等のメンテナンスが完了すると、再びタイミング
ベルト14を掛け渡す。その場合には、タイミングベルト
14は第1のテンショナプーリ19にも巻き掛けられるが、
そのテンショナプーリ19は元の位置に保持されているの
で、その作業も容易である。 そのようにタイミングベルト14を掛け渡した後、ロック
用ボルト31を締め付け方向に回転させる。すると、その
ボルト31のフランジ部34はテンションアーム20のロック
部28から離れる。したがって、テンションアーム20の揺
動が許容されるようになる。すなわち、タイミングベル
トテンショナ17が作動状態となる。 そして、ロック用ボルト31をエンジン本体1に完全に締
め付けると、そのフランジ部34がエンジン本体1の外側
面に圧接され、面接触するようになる。したがって、エ
ンジンの作動中にロック用ボルト31が緩むことが防止さ
れる。 このように、このタイミングベルトテンショナロック装
置によれば、ロック用ボルト31を締め付け方向あるいは
緩め方向に回転させるだけで、タイミングベルトテンシ
ョナ17が作動状態あるいはロック状態に切り換えられる
ようになる。したがって、その操作は極めて容易とな
る。そして、そのボルト31のフランジ部34がテンション
アーム20とエンジン本体1との間に位置するようにされ
るので、そのボルト31が脱落することも防止される。し
たがって、通常時においてそのボルト31を管理する必要
もなくなる。こうして、タイミングベルト14の脱着が容
易になされるようになり、シリンダヘッド2等のメンテ
ナンス作業が著しく容易化される。 なお、上記実施例においては、タイミングベルトテンシ
ョナ17のテンショナプーリ19とバランサベルトテンショ
ナ18のテンショナプーリ38とが軸線方向に隣り合わせて
配置される例について説明したが、本考案はこれに限ら
ず、タイミングベルトテンショナとバランサベルトテン
ショナとが別個に配置されるエンジン、あるいはバラン
サベルトを備えていないエンジン等にも適用されるもの
であることは言うまでもない。
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案によれば、エン
ジン本体に締結されるロック用ボルトにフランジ部を設
け、そのフランジ部をエンジン本体とテンションアーム
との間に位置させるようにしているので、そのロック用
ボルトを締め付け方向に回転させることによってテンシ
ョンアームの揺動を許容し、緩め方向に回転させること
によってテンションアームの揺動を完全に規制させるよ
うにすることができる。すなわち、タイミングベルトテ
ンショナの作動状態とロック状態との切り換え操作を容
易化することができる。しかも、そのロック用ボルトの
脱落も完全に防止することができるので、その管理や保
管等を不要とすることができる。したがって、シリンダ
ヘッドのメンテナンス時などにおけるタイミングベルト
の脱着作業の工数を低減させ、その作業を簡素化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案によるタイミングベルトテンショナの
ロック装置の一実施例を示すもので、そのタイミングベ
ルトテンショナを含むベルトテンショナを備えたエンジ
ンの端面図、 第2図は、第1図のエンジンからバランサベルト及びそ
のテンショナを取り外した状態を示す同様の端面図、 第3図は、そのベルトテンショナ部分を拡大して示す第
1図のIII−III線に沿う縦断面図、 第4図は、そのタイミングベルトテンショナがロック状
態にあるときの第3図の要部を示す縦断面図である。 1…エンジン本体、3…カムシャフト 5…クランクシャフト 7…カムプーリ、9…クランクプーリ 14…タイミングベルト 16…ベルトテンショナ 17…タイミングベルトテンショナ 19…テンショナプーリ 20…テンションアーム 21…オートテンショナ 25…支点ボルト(支軸) 28…ロック部、30…貫通孔 31…ロック用ボルト、33…軸部 34…フランジ部、35…ねじ部 36…ねじ孔

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン本体に支軸を介して揺動自在に、
    かつその支軸の軸線方向の移動は不能に支持されるテン
    ションアームと、 そのテンションアームの先端部に回転自在に支持される
    テンショナプーリと、 そのテンショナプーリをタイミングベルトに押し付ける
    方向に前記テンションアームを揺動付勢し、そのタイミ
    ングベルトに張力を与えるオートテンショナと、 からなるタイミングベルトテンショナを備えたエンジン
    において; 前記テンションアームの前記支軸の近傍に設けられ、前
    記エンジン本体との間に間隔をおいて配置されるととも
    に、貫通孔が形成されているロック部と、 その貫通孔に挿通され、前記エンジン本体に締結される
    ロック用ボルトとからなり、 そのロック用ボルトが、前記テンションアームの貫通孔
    より小径でその貫通孔に遊びを持って挿通される軸部
    と、その軸部に隣接して設けられ、前記テンションアー
    ムのロック部とエンジン本体との間に配置される前記貫
    通孔より大径のフランジ部と、そのフランジ部に隣接し
    て設けられ、前記エンジン本体に締結されるねじ部とを
    備えていて、 そのねじ部が、そのロック用ボルトを締め付け方向に回
    転させたときには前記フランジ部が前記エンジン本体に
    圧接され、緩め方向に回転させたときには前記エンジン
    本体との螺合状態を保ったままそのフランジ部が前記テ
    ンションアームのロック部に圧接されるだけの長さを有
    していることを特徴とする、 エンジンにおけるタイミングベルトテンショナのロック
    装置。
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