JPH0730783B2 - 繊維ロールの製作方法 - Google Patents

繊維ロールの製作方法

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JPH0730783B2
JPH0730783B2 JP2318755A JP31875590A JPH0730783B2 JP H0730783 B2 JPH0730783 B2 JP H0730783B2 JP 2318755 A JP2318755 A JP 2318755A JP 31875590 A JP31875590 A JP 31875590A JP H0730783 B2 JPH0730783 B2 JP H0730783B2
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woven fabric
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fiber
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匡信 増田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、シート状物や、線状物の絞り、水切り、ニッ
プ、搬送用ガイドなどに使用する、ロール表面を繊維状
物質、とくに不織布で形成した繊維ロールの製作方法に
関する。
(従来の技術) 現在使用されている繊維ロールは、不織布をディスク状
に切り抜いてロールの芯軸方向に積層し、その中芯部に
ロールの芯軸を挿入し、ディスクの周縁部がロール表面
を形成するように製作されている。しかし、このような
繊維ロールの製作方法は、不織布を切り抜く際の歩留ま
りが悪く、コストアップの原因になっている。
また、特公昭52−17142号公報には、テープ状(帯状)
に裁断した不織布を、ロールの芯軸にスパイラル状に巻
いてなる絞り用ロールが、特公昭52−17143号公報には
その製作方法が開示されている。
この絞りロールの製作方法は、不織布その他の布テープ
の一面に接着剤をコーチングし、布テープがロールに接
する部分に歯形を押し付けて凹凸の圧し形(楔状の押付
型)を設けつつ、布テープを直接ロールの芯軸に並列し
てスパイラル状に捲きつけるものである。
しかし、この絞りロールの製作方法では、不織布がロー
ルに巻き付けられた形状で固定されていないために、過
酷な使用条件下で形態保持性が悪い上、芯軸に近い部分
は、圧し形をつけるので不織布の密度が高くなってしま
う。このために、ロール中芯部に較べて表面部の不織布
の密度は低く、必要な表面硬度が得られ難い。また、中
空の芯軸を用いて吸液、または給液する場合、コーチン
グした接着剤が、ロールの芯軸に設けられている吸液、
または給液のための孔を塞いでしまうという問題があ
る。
(発明が解決しようとする課題) そこで、本発明者は、過酷な条件下においても、なお形
状保持に優れ、表面硬度が高く、かつ、不織布の歩留ま
りや、製作の作業性を向上した繊維ロールの製作を目的
として開発を行い、本発明を完成したのである。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するための、本発明に係る繊維ロール
の製作方法の特徴は、まず、不織布を帯状に裁断し、こ
れをロールの芯軸の周方向に巻き付けてロール表面を形
成することである。つぎに、その不織布を、ロールに巻
き付けた形状に形成して、不織布を構成する繊維を互い
にボンディングし、その形状を安定して維持させるので
ある。具体的には、不織布を直接ロールの芯軸に巻き付
けて成形する方法と、一旦、別の軸状物に巻き付け、円
筒状、または鍔状の不織布ブロックに予備成形しておい
て、この不織布ブロックにロールの芯軸を挿入して必要
な個数を積層し、繊維ロールに成形する方法とを提供す
る。
さらに、帯状の不織布をロールの芯軸に巻き付けると、
内外周面の長さが異なるためにシワなどが発生するの
で、不織布の内周側になる面の一部を、予め、切欠いて
おく方法をも提供する。
すなわち、本発明は、まず、第1の発明として、 融点の異なる複数の繊維からなる帯状の不織布を、ロー
ルの芯軸に、横とは直角方向に巻き付けた後、 該不織布を圧縮して密度を高め、不織布を構成するいず
れかの繊維が可塑化する温度を超える温度に加熱して、
繊維ロールに成形し、可塑化した繊維により不織布を構
成する繊維を相互にボンディングせしめることを特徴と
する繊維ロールの製作方法を提供し、 つぎに、第2の発明として、 第1の発明にかかる繊維ロールの製作方法において、 帯状の不織布が、融点を有する繊維と、融点を有さない
繊維とからなる帯状の不織布であることを特徴とする繊
維ロールの製作方法を提供し、 さらに、第3の発明として 第1の発明にかかる繊維ロールの製作方法において、 帯状の不織布が、融点の異なる複数のポリマーからなる
複合繊維、または混合繊維を含有する帯状の不織布であ
って、かつ、繊維ロールの成形に用いる加熱温度が、前
記のポリマーおよび不織布を構成する繊維のうちのいず
れかが可塑化する温度を超える温度であって、可塑化し
たポリマーまたは繊維により不織布を構成する繊維を相
互にボンディングせしめることを特徴とする繊維ロール
の製作方法を提供する。
ところで、第1、第2または第3の発明に係る繊維ロー
ルの製作方法では、不織布を直接ロールの芯軸に巻き付
けたが、これに代えて、一旦、別の軸状物に巻き付け、
円筒状、または鍔状の不織布ブロックを製作し、この不
織布ブロックを積層して繊維ロールにする方法、 すなわち、第4の発明として、 第1、第2または第3の発明で用いたのと同じ不織布
を、まず、予備成形用の軸状物に軸とは直角方向に巻き
付け、 巻き付けた前記の不織布を加熱、または圧縮および加熱
して、該不織布を構成する繊維を予備的にボンディング
せしめた後、 予備的にボンディングせしめた該不織布を前記の予備成
形用の軸状物から取り外して、円筒状、または鍔状の不
織布ブロックとし、 ついで、所要の繊維ロール表面の長さにするために必要
な数の前記の不織布ブロックを、芯軸方向に積層して、
その中芯部にロールの芯軸を挿入し、 前記の積層された不織布ブロックを圧縮し、または圧縮
および加熱して、繊維ロールに成形し、不織布を構成す
る繊維を相互にボンディングせしめることを特徴とする
繊維ロールの製作方法を提供する。
以上の発明は、不織布を構成する繊維の中に、予め熱融
着物質を含有させておく点に特徴があるが、さらに、通
常の不織布を使用し、製作過程でボンディング剤を付与
する方法を提供する。
すなわち、第5の発明として、 第4の発明における不織布ブロックが、 帯状の不織布を予備成形用の軸状物に軸とは直角方向に
巻き付けつつ、不織布を構成する繊維を相互にボンディ
ングせしめるボンディング剤を添加し、または、帯状の
不織布を予備成成形用の軸状物に軸とは直角方向に巻き
付けた後、前記のボンディング剤を添加し、該不織布を
構成する繊維を予備的にボンディングせしめ、 予備的にボンディングした前記の不織布を予備成形用の
軸状物から取り外して、円筒状、または鍔状の不織布ブ
ロックとしたものであることを特徴とする繊維ロールの
製作方法を提供する。
また、第6の発明として、 第1の発明、ないし第5の発明に係る各繊維ロールの製
作方法において、ロールの芯軸、または予備成形用軸状
物に巻き付ける前に、帯状の不織布の内周側になる面
に、外周側になる面に向かって、ロールの芯軸一周につ
き少なくとも一つの切欠きを入れることを特徴とする繊
維ロールの製作方法を提供する。
(作用) 以下、上記の本発明の内容をさらに詳細に、その意味す
るところと作用とについて、順次、説明する。まず、第
1、および第2の発明について説明するが、用語の説
明、その他の内容は、以下の発明においてもこれに準ず
る。
第1、または第2の発明に係る繊維ロールの製作方法に
おいては、繊維ロールの表面層を形成する不織布に、融
点が異なる複数の種類の繊維、または融点を有する繊維
と融点を有さない繊維とからなる帯状の不織布を使用
し、これをロールの芯軸に軸とは直角方向、すなわち、
周方向に巻き付けた後、圧縮して密度を高め、加熱し
て、融点の低い方の繊維、または融点を有する繊維を可
塑化して不織布を構成する繊維間を熱融着させ、バイン
ダーとして作用せしめることにより不織布を構成する繊
維を相互にボンディングせしめるのである。
融点を有する繊維としては、熱可塑性ポリマーを紡糸し
た繊維、たとえば、ポリアミド繊維、ポリエステル繊
維、ポリオレフィン繊維、などがあげられる。融点を持
たない繊維の例には、レーヨン繊維、ポリアクリロニト
リル繊維、天然繊維や無機繊維などがあげられる。
融点の異なる複数の繊維の組み合わせとしては、たとえ
ば、ポリアミド繊維とポリエステル繊維、ポリエチレン
繊維とポリプロピレン繊維、融点の異なる少なくとも2
種類のポリアミド繊維などがあげられる。融点を有する
繊維と、融点を有さない繊維との組合わせとしては、た
とえばポリプロピレン繊維とポリアクリロニトリル繊
維、ポリアミド繊維とレーヨン繊維などがあげられる。
ボンディングとは、個々の繊維と繊維とがそれぞれ部分
的に接着されていることをいい、本発明では、必ずしも
不織布を構成する繊維の全部がボンディングされている
必要はなく、ボンディングによって、不織布がロールの
芯軸に巻き付いた形状を維持できればよい。
本発明において、使用する不織布はロールの芯軸への巻
き付けが容易であれば、その一部が予めボンディングさ
れていても差支えない。とくに、融点の低い繊維で予め
ボンディングしてあっても、繊維ロールに成形して圧
縮、加熱すれば、その形状で再ボンディングされるの
で、特別の問題はなく、本発明に使用できる。不織布の
加工をしやすくする利点のある場合がある。
帯状の不織布は、原反から裁断する際にも、ロールの芯
軸の周方向に巻き付ける際にも、ほとんど、無駄なく使
用される。不織布の横方向の断面は、隣合って巻かれる
不織布と密着させるために、正方形を含む長方形である
ことが好ましい。不織布の巾、厚さ、または長さには特
別の限定はない。
巻き付けは、ロールの芯軸に、軸とは直角の方向、すな
わち周方向に巻き付けるが、その意味は、厳密なもので
はなく、軸方向と平行、ないしそれに近い方向ではない
という意味である。
巻付け方法は、いずれでもよく、とくに限定されない。
たとえばロールの芯軸の軸方向に1回ないし数回巻き付
けて鍔状のブロックを形成し、軸方向に複数個の鍔状の
ブロックを相互に密着して並べる方法、不織布の幅づつ
トラバースしながら、スパイラル状に巻き付ける方法な
どがある。また、帯状の不織布を1本、あるいは複数本
を並列に並べて同時に巻き付けてもよい。ロールの径方
向の巻数も、単層に限られず、直径方向に重ね合わせて
もよい。
つぎに、圧縮し、加熱する方法は、公知の方法を採用す
ればよく、たとえば、不織布をロールの芯軸などに巻き
付けてから不織布部分をプレスで圧縮し、そのままの状
態で不織布内に熱融着がおこる温度にまで昇温したの
ち、降温する方法、不織布を巻き付けつつ圧縮し、巻き
付けた後、加熱する方法などがあげられる。また、簡便
な方法としては、ディスク状の当て板を軸の一端に予め
挿入しておいて、巻き付ける不織布の側面を規制し、不
織布を巻き付けた後、他端から同様の形状の当て板を挿
入し、2つの当て板を利用して不織布を軸方向に圧縮す
る方法がある。
本発明において圧縮し、加熱する手順はいずれが先でも
よく、そのときの条件によって選択すればよい。
圧縮は、巻き付けた不織布を所望の密度にまで高め、繊
維ロールの表面として成形するとともに、繊維相互のボ
ンディングを容易にする作用をも有する。
不織布を構成する主として低融点側の繊維、または後記
するが複合繊維、あるいは混合繊維の低融点側のポリマ
ーは、加熱されることによって可塑化し、繊維同志を相
互に熱融着せしめ、さらには圧縮の効果と相俟って、繊
維をボンディングするのである。
つぎに、第3の発明について説明する。
第3の発明において、使用される不織布に含まれる複合
繊維または混合繊維は、融点の異なる2種類以上のポリ
マーからなる繊維であって、その断面形状はとくに限定
されない。複合繊維の例としては、ポリプロピレンとポ
リエチレンの断面が芯鞘構造の複合繊維、2種類の融点
の異なるポリアミドからなるバイメタルタイプの複合繊
維、ポリスチレンとポリエステルの海島構造の複合繊維
などがあげられる。混合繊維は、一成分が繊維の長さ方
向に非連続の粒状または針状で他成分内に分散している
ものである。この場合、おもに融点の低いほうのポリマ
ーが加熱によって、可塑化し、熱融着して、繊維を相互
にボンディングする作用を有する。
不織布を構成する複合繊維、または混合繊維の割合は、
ボンディングを形成するのに十分であればとくに限定さ
れず、また、100%であってもよい。
第4の発明について説明する。
第4の発明に係る製作方法では、まず、前記の第1、第
2、または第3の発明に用いたと同じ不織布を、別に用
意した予備成形用の軸状物に巻き付け、加熱、または圧
縮・加熱して、不織布を構成する繊維を予備的にボンデ
ィングせしめた後、軸状物から取り外して、一旦不織布
ブロックに成形する。
使用する軸状物は、外径がロールの芯軸の外径にほぼ等
しく、それよりも大きいことが望ましいが、複数個の不
織布ブロックを軸方向に積層して使用してもよいので、
軸長が等しい必要はない。また、予備的なボンディング
とは、不織布の最終形状に近い形状を含めた、中間的な
形状のボンディング状態を意味する。すなわち、本発明
でのボンディング作用を有する繊維、またはポリマー
は、中間的に固定した形状を、再度の加熱によって、最
終的な形状に再成形し、繊維ロールの形状を維持するこ
とができる。
軸状物から取り外した不織布ブロックは、円筒状、また
は鍔状である。
このようにして製作した不織布ブロックの中芯部にロー
ルの芯軸を挿入、かつ、不織布ブロックの全長が、軸方
向に所定のロール表面長さになるように、軸方向に必要
な数の不織布ブロックを積層する。ただし、必要な数の
意味は、1個の場合を含む。すなわち、積層は一層の場
合も含む意味である。一個の不織布ブロックでロールの
表面を形成することができる場合がこれに相当する。ロ
ールの芯軸の挿入と、不織布ブロックの積層の手順は、
いずれが先でもよい。
このようにしてロールの芯軸に装着した不織布ブロック
を圧縮、または圧縮および加熱して、不織布ブロックの
繊維を相互にボンディングせしめ、繊維ロールにするの
である。ロール表面長さの調整をどの段階で行なうか
は、とくに制限はなく、工程上の都合で決めればよい。
第2図は、第4の発明に係る繊維ロールの製作方法によ
って製作された繊維ロールの一例を示す、一部軸方向断
面を含む正面図であって、1はロールの芯軸、9は鍔状
の不織布ブロックであって、点線は、各不織布ブロック
の積層状態を示す。
この方法は、作業工数は増加するが、全体に均質な、精
度の高い繊維ロールを製造するのに適した実際的な方法
である。さらに、第5の発明について説明する。
第5の発明においては、前記の各発明のように、ボンデ
ィング物質をあらかじめ不織布中に含有させておくので
はなく、通常の不織布を用い、予備成形用の軸状物への
巻付け工程、または巻き付けた後に、ボンディング剤を
付与し、予備的にボンディングせしめ、不織布ブロック
を準備するのである。
ボンディング剤を付与する目的は、ボンディング剤が不
織布を構成する繊維をボンディングする作用にあるの
で、単に不織布の表面にコーチングするだけでは足り
ず、内部に浸透させなければならない。具体的には、不
織布にボンディング剤を含浸させ、あるいは、粘度の低
いボンディング剤を調整し、スプレーで内部まで効率よ
く浸透させるなどの手段を採用する。
ボンディング剤としては、溶剤型、エマルジョン型、ホ
ットメルト型など、ポリマーを不織布の内部に浸透する
ものであればいずれでもよい。浸透後、必要に応じ、溶
剤を蒸発させ、またはエマルジョンを破壊してポリマー
を凝固させるなどし、繊維をボンディングする。
不織布ブロックは、第4の発明と同様にして、繊維ロー
ルに製作する。
さらに、第6の発明について説明する。
前記の各発明において、帯状の不織布を、ロールの芯軸
にそのまま周方向に巻き付けると、不織布の内外周面の
長さの差に起因するシワや、不織布に不均一な密度差が
発生して好ましくない。とくに、密度の高い場合に著し
い。
そこで第6の発明では、不織布の内周側になる面に、外
周側となる面に向かって、ロールの芯軸一周につき少な
くとも一つの切欠きを入れるのである。
切欠きは、不織布の一部を切取ることがあって、不織布
をロールの芯軸に巻き付けたとき、不織布の内外周面の
長さの差を少なくし、前記の好ましくないシワや密度の
差の発生を防ぐ作用を有する。
したがって、切欠きは、軸に直角方向の断面形状が先す
ぼみであること、とくに楔状であることが好ましい。こ
の切欠きの個数や寸法は、芯軸の外径や、ロールの外径
に応じて決める。ここに、内周側とは、不織布をロール
の芯軸に巻き付けたときに、ロールの芯軸に近接する側
を指す。
この方法は、従来から提案されている、押し型で楔状の
凹凸を入れたときのように、密度差を生じさせることが
なく、このようにして製作した繊維ロールは、高い表面
硬度を得やすいという特徴がある。
以上各発明について説明したが、この他、ロールの芯軸
に、巻き付けた不織布を固定するため、軸方向に凹もし
くは凸条部を設け、それに嵌合するように、これに接す
る不織布面に凸形、もしくは凹形の切欠きを入れ、両者
を嵌め合わせることもできる。
さらに、ロールの芯軸に、不織布の端部を固定するため
の止め具などを設けてもよい。
(実施例) 第1図は、本発明の実施態様の一例を示す斜視図であ
る。
第1図にもとずいて本実施態様例を説明する。帯状の不
織布2をロールの芯軸1に、軸とは直角方向に巻き付け
つつある。不織布2の内周側になる面3に、外周側にな
る面4に向かって楔状の切欠き5が所定の間隔で、予め
入れてある。ロールの芯軸に、軸方向に凸条部7を設
け、これに接する不織布2に凹形の切欠き6を入れ、両
者を嵌め合わせるている。8は、不織布2の端面を規制
し、また圧縮するための当て板である。
つぎに、本発明の理解をより容易にするために、本発明
の実施例をあげて説明する。
実施例 1 3デニール、繊維長51mm、クリンプ数15山/インチ、融
点約215℃のポリアミド繊維(ナイロン6)と、同じ形
態の融点約130℃のポリアミド繊維とを9:1の割合で混綿
し、ニードルパンチマシンで、厚さが約2.5mm、幅1000m
m、目付約200g/m2の不織布を作った。
この不織布を長手方向に幅37.5mmに切断し、断面が37.5
×2.5mmの矩形である帯状の不織布を得た。不織布をロ
ールの軸芯に固定するため、この帯状の不織布の一方の
側から、幅12mm、深さ約5mmの凹形の切欠きを、長手方
向に中心間隔が約92mmおきになるように、全長にわたっ
て入れた。
この帯状の不織布を、切欠きを内周側として、直径が17
5mm、長さ800mmのロールの芯軸の周方向に、1周鍔状に
巻き付け、不織布を切断して、巻き付けた不織布の両端
面を接合した。なお、このロールの芯軸の一端から100m
mの位置に予めディスク状の当て板を挿入し不織布の巻
き付け側面を規制した。芯軸の表面には、軸方向に幅12
mm、高さ5mmの6本の凸条部を、周方向に等間隔に設
け、巻き付けるに際し、この凸条部と、不織布の切欠き
とを嵌め合わせて不織布を固定した。
同様にして不織布を鍔状に巻き付け、軸方向に積層し
た。不織布を積層して巻き付けた後、先に当て板を挿入
したのとは反対側に同じ形状の当て板を挿入した。
このものを見掛け密度約0.8に圧縮し、ロール表面の長
さが600mmになるようにした。さら圧縮したまま、約150
℃の恒温炉に約20分間挿入したのち、炉から取出して自
然冷却し、低融点側のポリアミド繊維の熱融着で不織布
部分を圧縮した形状に固定し、当て板を外した。
この繊維ロールの表面を研削し、直径250mmの繊維ロー
ルに仕上げた。
このようにして仕上げた一対の繊維ロールを、水切りロ
ールとして織物の乾燥前処理に使用したが、ポリアミド
繊維の不織布をディスク状に切り抜いて製作した従来の
繊維ロールに比較して、不織布の原単位が約半分に大き
く改善され、ロールの寿命が約20%長くなるという結果
を得た。
実施例 2 3デニール、繊維長38mm、のレーヨン繊維と2デニー
ル、繊維長38mm、融点約130℃のポリエチレン繊維とを
8:2の割合で混綿し、ニードルパンチマシンで、厚さが
約2.2mm、幅1200mm、目付約250g/m2の不織布を作った。
この不織布を長手方向に幅100mmに切断し、断面が100×
2.2mmの矩形である帯状の不織布を得た。この不織布
に、実施例1にならって切欠きを入れた。
直径が175mm、長さ800mmの中空のロールの芯軸に実施例
1と同様の方法で上記の帯状の不織布を巻き付け、当て
板を挿入し、不織布を固定し、軸方向に積層して、ロー
ル表面の長さが600mmになるようにした。一方、巻き付
けたロールの芯軸には、予め、中空部から表面に貫通す
る多数の小孔を穿っておいた。
このものを見掛け密度約0.6に圧縮し、さら圧縮したま
ま、約150℃の恒温炉に約30分間挿入したのち炉から取
出して自然冷却し、ポリエチレン繊維の熱融着でレーヨ
ン繊維を相互にボンディングし、ロールの形状を固定し
た。
この繊維ロールの表面を研削し、直径195mm、ロール表
面の長さ600mmの繊維ロールに仕上げた。
このようにして仕上げた一対の繊維ロールの一方の中空
部を真空ポンプに接続し、脱水ロールとして、金属シー
ト表面の付着水の除去に使用した。
従来の製作法による繊維ロールと比較し、実施例1にお
けると同様に不織布の原単位が改善され、ロールの寿命
は約30%長くなった。
実施例 3 6デニール、芯側がポリプロピレン、鞘側がポリエチレ
ンで、その体積割合が50:50の芯鞘構造の複合繊維を繊
維長が64mmになるように切断し、ニードルパンチマシン
で幅1200mm、厚さ4.5mm、目付約200g/m2の不織布を作っ
た。
この不織布を長手方向に幅100mmに切断し、断面が100×
4.5mmの矩形である帯状の不織布を得た。不織布をロー
ルの軸芯に固定するため、この帯状の不織布の一方の側
から、幅15mm、深さ約5mmの凹形の切欠きを、長手方向
に中心間隔が約262mmおきになるように入れた。さら
に、この切欠きの間に等間隔で、高さが60mm、底辺が50
mmの楔状の切欠きを入れた。
この不織布を、上記の切欠きのある面が内周側になるよ
うにして、直径が500mm、長さが300mmの予備成形用の軸
に、軸方向に60回スパイラル状に巻き付けた。さらに、
軸の両端から、それぞれ、直径が750mmのディスク状の
当て板を挿入し、2枚の当て板の間隔が45mmになるまで
押込んで固定した。
このものを、そのままの状態で140℃の恒温炉内に挿入
し、約20分間保持した後、恒温炉から取り出し、当て板
と予備成形用の軸を取り外し、鞘部分のポリエチレンに
よって熱融着、すなわち予備的にボンディングした不織
布ブロックにした。同様にして同じものを20個製作し
た。
これらの円筒状の不織布ブロックを、隣同志を密着させ
て、直径が500mm、長さが1300mmのロールの芯軸を挿入
し、軸方向のロールの表面長さ、すなわち不織布の軸方
向の全長がが900mmになるようにした。一方、巻き付け
たロールの芯軸には、予め、中空部から表面に貫通する
多数の小孔を穿っておいた。
このものを再度圧縮し、さら圧縮したまま、約150℃の
恒温炉に約30分間挿入し、炉から取出して自然冷却し、
鞘部分のポリエチレンの熱融着で芯部分のポリプロピレ
ン繊維を相互にボンディングせしめ、ロールの形状を固
定させた。
この繊維ロールの表面を研削し、直径700mm、ロール表
面の長さ900mmの繊維ロールに仕上げた。
このようにして仕上げた2本の繊維ロールを一対とし
て、一方の繊維ロールの中空部を真空ポンプに接続し、
脱水ロールとして、金属シートの乾燥用に使用した。
本実施例においても、従来の繊維ロールに比較して、実
施例2におけるとほぼ同様の結果が得られた。
(発明の効果) 本発明に係る製作方法で製作した繊維ロールは、ロール
表面層を形成する不織布を、芯軸に巻き付けた形状で、
不織布を形成する繊維を相互にボンディングせしめてい
るので、形状保持性がよく、耐久性に優れている。ま
た、帯状の不織布をロールの芯軸に巻き付けるので、不
織布をディスク状に切取って製作する従来の方法に較べ
て不織布の歩留まりがよく、経済的である。
また、一旦不織布ブロックを製作し、その不織布ブロッ
クを積層して繊維ロールに成形することによって、より
均一な、精度の高い繊維ロールを製作することができ
し、ボンディング剤を使用すれば、通常の不織布を使用
しても上記と同じ効果が得られる。
さらに、不織布の内周側に楔状に切欠きを入れると、シ
ワを生じさせずに全体を均一な密度に芯軸に巻き付ける
ことができるので、高度の圧縮が可能になり、高い表面
硬度の繊維ロールを製作することができる。
本発明に係る繊維ロールの製作方法によって製作した繊
維ロールは、性状および経済性に優れているので、各種
産業分野、とくに乾燥や脱水の省エネルギー用として、
多大の技術的、経済的利益をもたらすものと期待され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施態様の一例を示す斜視図であ
る。 第2図は、第4の発明に係る繊維ロールの製作方法によ
って製作された繊維ロールの一例を示す、一部軸方向断
面を含む正面図である。 1:ロールの芯軸、2:帯状の不織布 3:不織布2の内周側になる面 4:不織布2の外周側になる面 5:楔状の切欠き、6:凹形の切欠き 7:凸条部、8:当て板 9:不織布ブロック

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融点の異なる複数の繊維からなる帯状の不
    織布を、ロールの芯軸に、軸とは直角方向に巻き付けた
    後、 該不織布を圧縮して密度を高め、不織布を構成するいず
    れかの繊維が可塑化する温度を超える温度に加熱して、
    繊維ロールに成形し、可塑化した繊維により不織布を構
    成する繊維を相互にボンディングせしめることを特徴と
    する繊維ロールの製作方法。
  2. 【請求項2】請求項(1)に記載の繊維ロールの製作方
    法において、帯状の不織布が、融点を有する繊維と、融
    点を有さない繊維とからなる帯状の不織布であることを
    特徴とする請求項(1)に記載の繊維ロールの製作方
    法。
  3. 【請求項3】請求項(1)に記載の繊維ロールの製作方
    法において、帯状の不織布が、融点の異なる複数のポリ
    マーからなる複合繊維または混合繊維を含有する帯状の
    不織布であって、かつ、繊維ロールの成形に用いる加熱
    温度が、前記のポリマーおよび不織布を構成する繊維の
    うちのいずれかが可塑化する温度を超える温度であっ
    て、可塑化したポリマーまたは繊維により不織布を構成
    する繊維を相互にボンディングせしめることを特徴とす
    る請求項(1)に記載の繊維ロールの製作方法。
  4. 【請求項4】請求項(1)、(2)または(3)に記載
    の帯状の不織布を、予備成形用の軸状物に軸とは直角方
    向に巻き付け、 前記の巻き付けた不織布を加熱、または圧縮および加熱
    して、該不織布を構成する繊維を予備的にボンディング
    せしめた後、 予備的にボンディングせしめた該不織布を前記の予備成
    形用の軸状物から取り外して、円筒状、または鍔状の不
    織布ブロックとし、 所要の繊維ロール表面の長さにするために、必要な数の
    前記の不織布ブロックを、芯軸方向に積層して、その中
    芯部にロールの芯軸を挿入し、 前記の積層された不織布ブロックを圧縮し、または圧縮
    および加熱して、繊維ロールに成形し、該不織布を構成
    する繊維を相互にボンディングせしめることを特徴とす
    る繊維ロールの製作方法。
  5. 【請求項5】請求項(4)に記載の不織布ブロックが、
    帯状の不織布を予備成形用の軸状物に軸とは直角方向に
    巻き付けつつ、不織布を構成する繊維を相互にボンディ
    ングせしめるボンディング剤を添加し、または、帯状の
    不織布を予備成形用の軸状物に軸とは直角方向に巻き付
    けた後、前記のボンディング剤を添加し、該不織布を構
    成する繊維を予備的にボンディングせしめ、 予備的にボンディングした前記の不織布を予備成形用の
    軸状物から取り外して、円筒状、または鍔状の不織布ブ
    ロックとしたものであることを特徴とする請求項(4)
    に記載の繊維ロールの製作方法。
  6. 【請求項6】請求項(1)、(2)、(3)、(4)ま
    たは(5)に記載の繊維ロールの製作方法において、ロ
    ールの芯軸、または予備成形用軸状物に巻き付ける前
    に、帯状の不織布の内周側になる面に、外周側になる面
    に向かって、ロールの芯軸一周につき少なくとも一つの
    切欠きを入れることを特徴とする請求項(1)、
    (2)、(3)、(4)または(5)に記載の繊維ロー
    ルの製作方法。
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