JPH07302122A - サーボモータの制御装置 - Google Patents

サーボモータの制御装置

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JPH07302122A
JPH07302122A JP11456494A JP11456494A JPH07302122A JP H07302122 A JPH07302122 A JP H07302122A JP 11456494 A JP11456494 A JP 11456494A JP 11456494 A JP11456494 A JP 11456494A JP H07302122 A JPH07302122 A JP H07302122A
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JP
Japan
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signal
servo motor
input
control device
target
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Application number
JP11456494A
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English (en)
Inventor
Norio Ito
宣男 伊藤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経験的に設定してきたマーク検出用センサの
位置,送り長さの設定,加減速時定数の設定等を自動的
に設定することにより特定の個人に帰属する経験と技術
なしに全てのオペレータがシステムを効率的に使用でき
るようにする。 【構成】 フィルムの伸び縮みがあっても,マーク検出
用センサ4からの信号が入力されたときの位置ドループ
および位置指令残距離と指令した移動距離とを使用して
実際の移動距離を求め,次回以降の移動距離として反映
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,サーボモータを制御
する制御装置に関し,特に,制御対象が被搬送物を一定
量だけ定寸送りする搬送システムであるサーボモータの
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図21は,サーボモータを使用した従来
における定寸送りシステムのブロック図であり,図にお
いて,1はフィルム(被搬送物:本例においてはフィル
ムを想定し,一定間隔毎にフィルム上にはカット位置を
示すマークが印刷されている),2はフィルム1を所定
方向へ搬送するローラ,3はフィルム1をカットするカ
ッター(該カッター3はプレス,印刷などにも使用され
る),4はフィルム1に印刷されたマークを検出するマ
ーク検出用センサ,5はローラ2を駆動するサーボモー
タ,6はサーボモータ5に接続されているエンコーダ,
7はサーボモータ5の動作を制御するサーボアンプ部,
8はサーボアンプ部7に対して位置指令を出力する位置
コントローラ部,9は位置コンローラ部8に対してサー
ボモータ5の移動距離を設定する外部設定器,10は位
置コントローラ部8に対して起動/停止を指示する外部
からの起動信号である。
【0003】また,上記サーボアンプ部7において,1
1は電流制御部(後述する)により作成されたサーボモ
ータ5に対する電圧指令から実際のサーボモータ5に印
加する電圧を生成するパワー増幅回路(一般的にはイン
バータ回路により構成される),12はパワー増幅回路
11からサーボモータ5に対して流れる電流値を検出す
る電流検出器,13は電流指令と電流検出器12との誤
差が零となるように電圧指令を作成する電流制御部,1
4は速度指令と速度フィードバックとの差が零となるよ
うに電流指令を作成する速度制御部,15は位置コント
ローラ部8からの位置指令とエンコーダ6からの位置フ
ィードバックより速度指令を作成する位置制御部であ
り,ここで,位置指令と位置フィードバックとの差を位
置ドループという。さらに,16はエンコーダ6のフィ
ードバック信号から速度フィードバックを作成する速度
検出器である。また,上記位置コントローラ部8におい
て,17はサーボアンプ部7に対して位置指令パターン
を出力する位置指令パターン発生部である。
【0004】次に,動作について説明する。まず,上記
定寸送りシステムの目的について説明する。このシステ
ムは,フィルム1を定寸で搬送し,該フィルムに印刷し
てあるマークの位置においてフィルム1をカッター3に
よりカットするシステムである。ただし,上記フィルム
1は,温度や湿度あるいはフィルム1を搬送するための
張力等により伸びや縮みが発生するため,フィルム1に
印刷されているマークの間隔は完全に一定ではなくな
る。また,ローラ2にを用いてフィルム1を搬送する
際,フィルム1が滑ることがあり,その結果,サーボモ
ータ5の回転量は毎回少しずつ変化する可能性がある。
【0005】次に,図21を用いて,この定寸送りシス
テムの基本的な制御動作について説明する。外部設定器
9によりフィルム1のマーク間隔より少し長めの移動距
離を設定する。その後,起動信号10をONすると,位
置指令パターン発生部17が外部設定器9により設定さ
れた移動距離に相当する位置指令パターンをサーボアン
プ部7に対して出力する。該サーボアンプ部7では,入
力された位置指令パターンに基づいて電流制御部13,
速度制御部14,位置制御部15がそれぞれサーボモー
タ5の位置,速度,電流(トルク)を制御し,フィルム
1を所定方向へ搬送する。
【0006】図22は,その動作を示しており,位置指
令と実際のサーボモータ5の位置の差(位置ドループ)
はサーボ系の遅れ分だけ位置指令パターンより遅れる。
位置コントローラ部8から指令した移動距離はフィルム
1のマーク間隔より長いので,サーボ位置ドループが零
(すなわち,指令された移動距離だけ送り終わる)にな
る前にマーク検出用センサ4がフィルム1上のマークを
検出し,該検出信号がサーボアンプ部7に入力される。
該信号により位置制御部15の位置ドループを零クリア
することによりサーボモータ5は急停止し,フィルム1
上のマーク位置で停止することになる。その後,カッタ
ー3によりフィルム1をカットする。以上の動作を起動
信号10が入力されている間繰り返すことにより,フィ
ルム1は常にマーク上でカットされるように制御され
る。
【0007】その他,この発明に関連する参考技術文献
としては,特開昭51−47679号公報に開示されて
いる「電気油圧パルスモーターによるロータリーカッタ
ー駆動装置」がある。この装置にあっては,フィルムを
連続して定寸切断する場合,フィルムに設けたマークを
検出して求めた長さと,サーボモータの位置指令から求
めた長さに差が生じたときに,前者の値に基づいて後者
の値を修正して次回切断時には両者をできるだけ近づけ
るようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来における定寸送り
システムにあっては,上記のように構成されており,フ
ィルム上のマークは毎回ほとんど同一間隔であるという
前提のもとでフィルムを装着し,起動開始時に,オペレ
ータによりマーク検出用センサの検出位置がカッターの
位置と一致するように調整され,移動距離の設定をマー
ク間隔より少し長くし停止寸前でマーク検出用のセンサ
からの信号が入力されるように調整する必要があった。
また,位置指令の加減速時定数はフィルムの材質や厚み
等からフィルムが搬送時に滑らないように経験的に決定
されていた。さらに,サーボアンプ部に対する各種ゲイ
ン調整も経験的に設定されていた。このように,従来に
おけるシステムにあっては,オペレータが起動開始時に
経験的に種々の設定や調整を実行する必要があり,シス
テムを効率的に使用するためには経験と技術が必要にな
るという問題点があった。
【0009】この発明は,上記に鑑みてなされたもので
あって,経験的に設定してきたマーク検出用センサの位
置,送り長さの設定,加減速時定数の設定等を自動的に
設定することにより特定の個人に帰属する経験と技術な
しに全てのオペレータがシステムを効率的に使用できる
ようにしたサーボモータの制御装置を得ることを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係るサーボモータの制御装置は,サー
ボモータと,前記サーボモータの軸に直結したエンコー
ダからの信号と位置指令により前記サーボモータの位置
を制御するサーボアンプ部と,前記サーボアンプ部に対
する前記位置指令を作成する位置コントローラ部と,そ
の制御対象が被搬送物を一定量だけ定寸送りする搬送シ
ステムであり,被搬送物のマークを検出する検出手段と
を有するサーボモータの制御装置において,前記検出手
段からの信号を入力し,そのタイミングで前記サーボア
ンプ部の位置ドループをラッチするラッチ手段と,前記
タイミングで前記位置コントローラ部の定寸送りの位置
指令残距離をラッチするラッチ手段と,今回の送り使用
した定寸送りの移動量および前記ラッチ手段によりラッ
チされた位置ドループと位置指令残距離から次回以降の
定寸送りの移動量を修正する修正手段とを具備するもの
である。
【0011】また,請求項2に係るサーボモータの制御
装置は,サーボモータと,前記サーボモータの軸に直結
したエンコーダからの信号と位置指令により前記サーボ
モータの位置を制御するサーボアンプ部と,前記サーボ
アンプ部に対する前記位置指令を作成する位置コントロ
ーラ部と,その制御対象が被搬送物を一定量だけ定寸送
りする搬送システムであり,被搬送物のマークを検出す
る検出手段とを有するサーボモータの制御装置におい
て,前記エンコーダの帰還パルスをカウントするカウン
ト手段と,前記検出手段からの検出信号を入力し,その
タイミングで前記カウント手段からのカウント値をラッ
チするラッチ手段と,今回の送りに使用した定寸送りの
移動量と前記ラッチ手段のラッチデータから次回以降の
定寸送り移動量を修正する修正手段とを具備するもので
ある。
【0012】また,請求項3に係るサーボモータの制御
装置は,前記修正手段が,定寸送りの位置指令移動量に
対して前記検出手段からの信号が入力される目標残距離
を設定し,前記検出手段からの信号が入力されたタイミ
ングでの前記位置ドループと位置指令残距離との和と目
標位置との差だけ次回以降の定寸送り移動量を修正する
ものである。
【0013】また,請求項4に係るサーボモータの制御
装置は,前記修正手段が,定寸送りの位置指令移動量に
対して前記検 出手段からの信号が入力される目標残距
離を設定し,前記検出手段からの信号が入力されたタイ
ミングでの前記帰還パルスのラッチカウント値と目標位
置との差だけ次回以降の定寸送り移動量を修正するもの
である。
【0014】また,請求項5に係るサーボモータの制御
装置は,前記修正手段が,定寸送りの位置指令移動量に
対して前記検出手段からの信号が入力される目標残距離
を設定し,前記検出手段からの信号が入力されたタイミ
ングでの前記位置ドループと位置指令残距離との和と目
標位置との差を比例積分制御することにより次回以降の
定寸送り移動量を修正するものである。
【0015】また,請求項6に係るサーボモータの制御
装置は,前記修正手段が,定寸送りの位置指令移動量に
対して前記検出手段からの信号が入力される目標残距離
を設定し,前記検出手段からの信号が入力されたタイミ
ングでの前記帰還パルスのラッチカウント値と目標位置
との差を比例積分制御することにより次回以降の定寸送
り移動量を修正するものである。
【0016】また,請求項7に係るサーボモータの制御
装置は,前記修正手段が,前記検出手段からの信号が入
力されたタイミングにおける前記サーボアンプ部の位置
ドループ,前記位置コントローラ部の残距離,目標残距
離および送り移動距離データをファジー推論演算するこ
とにより次回以降の定寸送り移動量を修正するものであ
る。
【0017】また,請求項8に係るサーボモータの制御
装置は,前記修正手段が,前記検出手段からの信号が入
力されたタイミングにおける前記サーボアンプ部の帰還
パルスのラッチカウント値,目標移動距離および送り移
動距離データをファジー推論演算することにより次回以
降の定寸送り移動量を修正するものである。
【0018】また,請求項9に係るサーボモータの制御
装置は,前記位置コントローラ部の位置指令値からサー
ボアンプ部の位置ドループ値を引いた値が目標移動距離
より大きくなったことを判断する第1の判断手段と,前
記第1の判断手段が前記位置コントローラ部の位置指令
値からサーボアンプ部の位置ドループ値を引いた値が目
標移動距離より大きくなったと判断した場合に,前記検
出手段からの信号が入力されていないことを判断する第
2の判断手段と,前記第2の判断手段が前記検出手段か
らの信号が入力されていないと判断したとき,低速での
位置指令を前記検出手段からの信号が入力されるまで出
力する出力手段とを具備するものである。
【0019】また,請求項10に係るサーボモータの制
御装置は,前記サーボアンプ部の帰還パルス量が目標移
動距離より大きくなったことを判断する第1の判断手段
と,前記第1の判断手段が前記サーボアンプ部の帰還パ
ルス量が目標移動距離より大きくなったと判断した場合
に,前記検出手段からの信号が入力されていないことを
判断する第2の判断手段と,前記第2の判断手段が前記
検出手段からの信号が入力されていないと判断したと
き,低速での位置指令を前記検出手段からの信号が入力
されるまで出力する出力手段とを具備するものである。
【0020】また,請求項10に係るサーボモータの制
御装置は,前記修正手段が,被搬送物を目標移動量だけ
搬送したときに,前記検出手段からの信号が入力されて
いないことを検出したとき,次回以降の移動量の修正を
行わないものである。
【0021】また,請求項12に係るサーボモータの制
御装置は,前記修正手段が,被搬送物を目標移動量だけ
搬送したときに,前記検出手段からの信号が入力されて
いないことを検出したとき,外部に対して警告信号を出
力するものである。
【0022】また,請求項13に係るサーボモータの制
御装置は,前記修正手段が,目標移動量だけ送ったとき
に前記検出手段からの信号が入力されていないことを検
出したとき,前記位置コントローラ部の位置指令加減速
時間を自動で変化させることにより,前記加減速時間を
修正するものである。
【0023】また,請求項14に係るサーボモータの制
御装置は,サーボモータと,前記サーボモータの軸に直
結したエンコーダからの信号と位置指令により前記サー
ボモータの位置を制御するサーボアンプ部と,前記サー
ボアンプ部に対する前記位置指令を作成する位置コント
ローラ部とを有し,その制御対象が被搬送物を一定量だ
け定寸送りする搬送システムであるサーボモータの制御
装置において,前記サーボアンプ部の電流フィードバッ
ク量,速度フィードバック量および位置ドループ量に基
づいてファジー演算を実行することにより,前記位置コ
ントローラ部の加減速時定数および前記サーボアンプ部
の速度・位置ループの各種ゲインを自動的に修正する修
正手段を具備するものである。
【0024】また,請求項15に係るサーボモータの制
御装置は,前記修正手段が,前記サーボアンプ部の電流
フィードバック量,速度フィードバック量および位置ド
ループ量に基づいて前記サーボモータの実行負荷率,整
定時間,機械振動を算出し,該算出値に基づいてファジ
ー演算を実行することにより前記位置コントローラ部の
加減速時定数および前記サーボアンプ部の速度・位置ル
ープの各種ゲインを自動的に修正するものである。
【0025】
【作用】この発明に係るサーボモータの制御装置(請求
項1)にあっては,フィルムの伸び縮みがあっても,マ
ーク検出用センサからの信号が入力されたときの位置ド
ループおよび位置指令残距離と指令した移動距離とを使
用して実際の移動距離を求め,次回以降の移動距離とし
て反映させることにより,クリア時のサーボモータの速
度を常にできる限り低速になるように設定することがで
きるため,クリア入力による急停止が少なくなり,滑ら
かな送り運転ができると共にフィルムのカット位置とフ
ィルムのマーク位置の誤差を少なくできる。
【0026】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項2)にあっては,マーク検出用センサからの信
号が入力されたとき,ハードウェア的にカウンタ値をラ
ッチするため,ソフトウェアのサンプリングによるばら
つきがなく,さらに,高精度なフィルムのカットが実現
する。
【0027】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項3)にあっては,マーク検出用センサからの信
号が入力されたときの目標残距離を設定可能としたこと
により,クリアする量を調整することが可能となり,材
質とか厚みといった材料の差異に対応することができ
る。
【0028】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項4)にあっては,簡単な構成で,ソフトウェア
のサンプリングによるばらつきがなく,より高精度なフ
ィルムのカットが実現する。
【0029】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項5)にあっては,比例積分分制御を実行してい
るため,フィルム長さの補正に時定数を持たせることが
でき,滑らかな補正を実現することができる。
【0030】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項6)にあっては,比例積分制御を実行している
ため,フィルム長さの補正に時定数を持たせることがで
き,より滑らかな補正を実現することができる。
【0031】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項7)にあっては,ファジー推論器を用いている
ので,人間が経験的に実行してきた間隔的な調整を覚え
込ませることができ,滑らかな補正を実現することがで
きる。
【0032】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項8)にあっては,ファジー推論器を用いている
ので,人間が経験的に実行してきた間隔的な調整を覚え
込ませることができ,より滑らかな補正を実現すること
ができる。
【0033】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項9)にあっては,実際のフィルムの長さより少
ない移動距離を位置コントローラ部から送っても自動的
に補正し,連続運転を実現できる。その結果,外部から
はフィルムに公称の長さのみ与えればよく,システムを
操作性を向上させることができる。
【0034】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項10)にあっては,実際のフィルムの長さより
少ない移動距離を位置コントローラ部から送っても自動
的に補正し,連続運転を実現できる。その結果,外部か
らはフィルムに公称の長さのみ与えればよく,システム
の操作性を向上させることができる。
【0035】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項11)にあっては,フィルムとローラが滑った
場合,それ以降の送り量にその以上なデータが反映さ
れ,しばらく最適な送りからずれを発生するが,それを
検出して無視するため,その後における送りは今まで送
ってきた最適データをそのまま維持できる。
【0036】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項12)にあっては,フィルムが滑ったときの情
報を外部へ警告するので,外部ではその送り時における
異常を容易に認識することができる。
【0037】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項13)にあっては,加減速時間を自動的に変更
するので,如何なる種類のフィルムでの最適な加減速時
間を設定することができる。すなわち,フィルムごとの
最も速いタクトタイムを自動的に設定することができ
る。
【0038】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項14)にあっては,ファジー制御を用いてサー
ボアンプ部だけではなく,位置コントローラ部とサーボ
アンプ部の最も協調のとれた運転が実現する。
【0039】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項15)にあっては,実行負荷率を見て運転パタ
ーンを選定しているので,サーボアンプの能力を最大限
に活用するような運転ができる。
【0040】
【実施例】
〔実施例1〕以下,この発明に係るサーボモータの制御
装置の実施例を図について説明する。図1は,実施例1
に係るサーボモータの制御装置の概略構成を示すブロッ
ク図であり,図において,18はマーク検出用センサ4
から信号が入力されたタイミングで位置コントローラ部
8の送り指令の残距離とサーボアンプ部7の位置ドルー
プから今回の送り指令と実際に必要な送り量との差を検
出する差検出手段,19は位置指令パターン発生部17
の今回の送り指令と実際の送り量の差から次回以降の送
り量に対する補正量を計算する補正量計算手段,20は
マーク検出用センサ4からの信号が入力されるタイミン
グで位置ドループをラッチするラッチ手段である。
【0041】次に,動作について説明する。従来技術に
おける説明と同様にサーボモータ5が停止寸前にマーク
検出用センサ4からの信号が入力されたとする。このと
き,ラッチ手段20はサーボアンプ部7の位置ドループ
をラッチする。このラッチデータをεpとする。また,
同じタイミングで差検出手段18は位置コントローラ部
8の指令の残距離Rsをラッチする。また,位置指令パ
ターン発生部17により指令された今回の移動距離をL
sとすると,実際のフィルムの長さLfは, Lf=Ls−(εp+Rs) となる。この測定値からフィルムの毎回の伸び縮みによ
るバラツキ分を考慮して補正量計算手段19は次回以降
の移動距離Lsを作成する。
【0042】図22は,クリアタイミングと急停止の状
態を示し,特に,図22(a)は,位置指令パターンと
位置ドループの波形およびマーク検出用センサ4からの
センサ信号による位置ドループのクリアの状態を示すグ
ラフである。また,図22(b)は,クリアタイミング
と急停止の状態を拡大した説明図である。位置ドループ
が大きく,残距離が残っているときにセンサ信号が入力
されると,サーボモータ5の速度は早く,このタイミン
グAではサーボモータ5が高速から急停止することにな
る。これにより,ローラ2とフィルム1間において滑り
が発生し,マーク位置からずれてフィルム1をカットし
たり,滑りによりフィルム1が傷ついたりする。したが
って,センサ信号が入力されるタイミングは,図22
(b)に示したクリアタイミングCのようにモータ速度
ができる限り,低速となったときに入力されることが望
ましい。以上の観点から,補正量計算手段19は測定し
た実際のフィルム長さよりクリアタイミングがCになる
ように次回の移動指令距離を修正する。
【0043】以上により,クリア時のサーボモータ5の
速度を常にできる限り低速になるように設定することが
できるため,クリア入力による急停止が少なくなり,滑
らかな送り運転ができると共にフィルムのカット位置と
フィルムのマーク位置の誤差を少なくできる。
【0044】〔実施例2〕次に,実施例2について説明
する。図2において,21はエンコーダ6からのパルス
をカウントするカウンタとマーク検出用センサ4からの
信号によりそのカウント値をラッチするハードウェア
(H/W)から構成されている位置検出用パルスラッチ
手段である。また,22は位置検出用パルスラッチ手段
21からのデータから実際にフィルム長さを計算する計
算手段であり,上記カウント値は計算手段22に基づい
て読み取れるように構成されている。
【0045】次に,動作について説明する。まず,位置
指令パターン発生部17において位置指令を出力する前
に位置検出用パルスラッチ手段21のカウント値Cbを
読み込んでおく。その後,従来技術において説明したよ
うにサーボモータ5を制御する。サーボモータ5が停止
する直前にマーク検出用センサ4からの信号が入力され
ると,位置検出用パルスラッチ手段21はハードウェア
的に現在のカウント値Caをラッチする。その後,サー
ボモータ5は従来技術と同様に位置ドループをクリアし
てマーク位置で停止する。計算手段22は位置指令パタ
ーン発生部17においてラッチしたデータを読み出して
実際のフィルムの長さLf’を Lf’=Ca−Cb と計算する。そのデータに基づき補正量計算手段19は
上記実施例1と同様に次回以降の移動距離Lsを計算す
る。
【0046】以上により,マーク検出用センサ4からの
信号が入力されたとき,ハードウェア的にカウンタ値を
ラッチするため,ソフトウェアのサンプリングによるば
らつきがなくなる。
【0047】〔実施例3〕次に,実施例3について説明
する。図3において,23は差検出手段18により測定
した実際のフィルムの長さLfから次回の移動距離を計
算する移動距離計算手段である。
【0048】次に,動作について説明する。上記実施例
1と同様の方法により差検出手段18が実際のフィルム
の長さを測定する。その後,移動距離計算手段23はデ
ータLfと予めパラメータなどで設定しておいたフィル
ム1の伸び縮みによるバラツキ量からフィルム長さの基
準値に対する送り量の余裕値θにより次回の移動距離L
sを, Ls=Lf+θ と計算して,位置指令パターン発生部17に出力する。
このデータから位置指令パターン発生部17は次回の位
置指令パターンを作成する。
【0049】以上により,マーク検出用センサ4からの
信号が入力されたときの目標残距離を設定可能としたこ
とにより,クリアする量を調整することが可能となり,
材質とか厚みといった材料の差異に対応することができ
る。
【0050】〔実施例4〕次に,実施例4について説明
する。図4において,22は実際のフィルムの長さを計
算する計算手段,23は次回の移動距離を計算する移動
距離計算手段である。
【0051】次に,動作について説明する。上記実施例
2と同様に計算手段22が実際のフィルム長さLf’を
計算し,上記実施例3と同様に移動距離計算手段23が
次回の移動距離Lsを計算する。
【0052】以上により,簡単な構成で,ソフトウェア
のサンプリングによるばらつきがなくなる。
【0053】〔実施例5〕次に,実施例5について説明
する。図5において,18’はマーク検出センサ4から
のセンサ信号が入力されるタイミングで位置ドループと
移動指令の残距離から今回の残距離を計算する計算手
段,24は予め設定した目標残距離(フィルム長さに対
する余裕長さ)と計算手段18’により測定された残距
離を等しくするように構成した比例積分制御器である。
また,比例積分制御器24において,25は比例要素,
26は積分要素,27は目標残距離である。なお,2
3’は比例積分制御器24の出力から次回の移動距離を
設定する移動距離設定手段である。
【0054】次に,動作について説明する。まず,マー
ク検出センサ4からの信号が入力されたとき,計算手段
18’は上記実施例1と同様に指令の移動距離Lsと実
際のフィルム長さLfとの差(残距離)εrを, εr=εp+Rs と計算する。次に,比例積分制御器24が,設定された
目標残距離θから比例積分制御である, εs=(θ−εr)*(Kp+Ki/s) なる計算を実行し,εrが目標値θに近づいていくよう
に制御する。その後,移動距離設定手段23’が次回の
移動距離Lsを Ls=Lf+εs (ただし,Lfは前回の実際のフィルム長さであり,上
記実施例1と同様に計算する)と計算する。
【0055】以上により,比例積分制御を実行している
ため,フィルム長さの補正に時定数を持たせることがで
き,滑らかな補正を実現できる。
【0056】〔実施例6〕次に,実施例6について説明
する。図6において,22’は今回の移動の残距離を計
算する計算手段である。
【0057】次に,動作について説明する。マーク検出
用センサ4からのセンサ信号が入力されたタイミングで
上記実施例2と同様に実際のフィルム長さLf’が計算
手段22’により計算される。その後,今回の移動指令
距離Lsから εr=Ls−Lf’ として今回の残距離を計算する。それ以降の処理に関し
ては,上記実施例5と同様に指令移動距離を計算する。
【0058】以上により,比例積分制御を実行している
ため,フィルム長さの補正に時定数を持たせることがで
き,より滑らかな補正を実現できる。
【0059】〔実施例7〕次に,実施例7について説明
する。図7において27’はファジー推論器である。
【0060】次に,動作について説明する。上記実施例
1と同様にマーク検出用センサ4からのセンサ信号が入
力されたタイミングで毎回位置ドループと移動指令の残
距離の和として指令の移動距離Lsと実際のフィルム長
さLfとの差(残距離)εrを計算する。その後,毎回
のεrからその平均値εr’とその標準偏差の3倍εr
3σを計算する。また,過去10回の移動に対して予め
設定した残距離εrの最小リミット値を越えた回数nを
計算する。これらのデータから図8に示す各データ毎の
メンバーシップ関数A,B,CからS,M,Bの値(フ
ァジールール)を下記の表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】上記表1に示したファジールールからこの
ファジー推論器27’の出力(次回の移動距離に対する
補正値)εsは,下記の数1の計算によりフィルム1の
移動設定値に対する補正値εsが求めらる。したがっ
て,次回の移動距離は上記実施例5と同様に移動距離設
定手段23’において計算する。
【0063】
【数1】
【0064】以上により,ファジー推論器27’を用い
ているので,人間が経験的に実行してきた間隔的な調整
を覚え込ませることができ,滑らかな補正を実現でき
る。
【0065】〔実施例8〕次に,実施例8について説明
する。図9において,28はファジー推論器である。こ
の実施例8にあっても上記実施例6と同様に毎回の残距
離εrを求める。その値から上記実施例7と同様にファ
ジー推論器28により移動補正量εsを計算する。
【0066】次に,動作について説明する。上記実施例
6と同様に毎回の残距離εrを求める。その値から上記
実施例7と同様にファジー推論器28により移動補正量
εsを計算するものである。
【0067】以上により,ファジー推論器28を用いて
いるので,人間が経験的に実行してきた間隔的な調整を
覚え込ませることができ,より滑らかな補正を実現でき
る。
【0068】〔実施例9〕次に,実施例9について説明
する。図10において,29は位置指令パターン発生部
17の1つの指令パターンで移動させる移動量を目標位
置と比較する比較手段,30は比較手段29により設定
された目標位置まで移動してもマーク検出用センサ4か
らの信号が入力されないとき,引き続き低速で指令を出
力するように指示する指示手段である。
【0069】次に,動作について説明する。図11
(a)は,指令距離だけ移動してもマーク検出用センサ
4から信号が入力されない場合を示している。この場
合,上記実施例1から実施例8までの方法にあっては,
次の起動をかけることができず,動作が停止してしま
う。したがって,上記実施例1から実施例8までは外部
設定器9の移動設定値をフィルム1の実際の長さより大
きく設定し,必ず移動中にマーク検出用センサ4からの
信号が入力されるようにしていた。その後,上記したよ
うに少しづつ移動量を小さくして最適値になるように制
御するものである。本実施例は,フィルム1の実際の長
さの基準値を外部設定器9から与えるだけで自動的に最
適な送りを実現することができるようにしたものであ
る。
【0070】すなわち,フィルム1の長さの設定値を外
部設定器9より入力し,位置指令パターン発生部17
は,その距離だけ移動するパターンを作成する。次に,
比較手段29で予め外部設定器9により設定した移動距
離より少し小さい目標位置を設定し,位置ドループと位
置指令パターン発生部17の指令残距離を常にその目標
位置だけ移動したか否かを監視する。
【0071】図11(b)に示すように目標位置まで来
てもマーク検出用センサ4からのセンサ信号が入力され
るまで指令を出し続けるように指示する。その後,セン
サ信号が入力されれば,それ以降は上記実施例1から実
施例8に示した方法で移動を続ける。移動している途中
でローラ2とフィルム1の滑りにより同一の現象が発生
しても以上のような動作をすることで,続けて連続送り
を実行することができる。
【0072】以上により,実際のフィルム1の長さより
少ない移動距離を位置コントローラ部8から送っても自
動的に補正し,連続運転を実現できる。
【0073】〔実施例10〕次に,実施例10について
説明する。図12において,29はラッチ手段21のカ
ウント値と予め設定した目標位置から低速送りのトリガ
を決定する比較手段である。
【0074】次に,動作について説明する。予め設定し
た目標位置にラッチ手段21のカウント値が達したと
き,かつ,マーク検出用センサ4からの信号が入力され
ないとき,上記実施例9と同様に低速でマーク検出用セ
ンサ4からの信号が入力されるまで指令を出し続ける。
【0075】以上により,実際のフィルム1の長さより
少ない移動距離を位置コントローラ部8から送っても自
動的に補正し,連続運転を実現できる。
【0076】〔実施例11〕次に,実施例11について
説明する。図13において,31は連続運転を実行して
いるとき,かつ,目標位置に達してもマーク検出用セン
サ4からの信号が入力されないとき,スイッチ32に対
して開路指示を出力する開路指示出力手段,32は,開
路指示出力手段31からの指示で補正量計算手段19,
23,23’からの移動距離補正をかけないようにする
スイッチである。
【0077】次に,動作について説明する。上記実施例
9において示した方法にて,連続で動作しているとき,
比較手段29で設定した目標位置になってもマーク検出
用センサ4からの信号が入力されずに図11(b)で示
したような低速で指令を送る動作になることは上記実施
例1から実施例8において示したような運転を実施して
いるときでは通常考えられない。このような運転動作は
フィルム1とローラ2が滑った状況において発生すると
考えられる。したがって,このような運転のときに次回
に対して補正をかけると最適な運転からしばらくズレが
生じる可能性があるので,異常な送りのときはスイッチ
32の開閉動作により補正をかけないようにするもので
ある。
【0078】以上により,フィルム1とローラ2が滑っ
た場合,それ以降の送り量にその以上なデータが反映さ
れ,しばらく最適な送りからずれを発生するが,それを
検出して無視するため,その後における送りは今まで送
ってきた最適データをそのまま維持できる。
【0079】〔実施例12〕次に,実施例12について
説明する。図14において,33は外部への警告信号で
ある。
【0080】次に,動作について説明する。上記実施例
11と同様に,ここで異常モードとはフィルム1とロー
ラ2が滑ったときである。フィルム1が滑るとその表面
に傷が付く可能性がある。したがって,その警告として
外部に警告信号33を出力するものである。
【0081】以上により,フィルムが滑ったときの情報
を外部へ警告するので,外部ではその送り時における異
常を容易に認識することができる。
【0082】〔実施例13〕次に,実施例13について
説明する。図15において,34は位置指令パターン発
生部17の加減速時間の設定を変更する設定変更手段で
ある。
【0083】次に,動作について説明する。通常フィル
ム1とローラ2が滑るのは,加減速時間が短すぎで加減
速時におけるフィルム1の加減速トルクがフィルム1と
ローラ2の転がり摩擦を越えたときに発生する。したが
って,上記実施例11と同様にフィルム1が滑ったこと
を検出した場合,設定変更手段34は次回以降の加減速
時間を少し長くするように調整する。
【0084】また,最適な加減速時間はフィルム1の種
類によって異なる。したがって,電源を投入して最初の
運転は加減速時間が長い設定(フィルム1が絶対に滑ら
ない加減速時間)として除々に加減速時間を短くし,上
記のように滑りが出始めたときより少し長い加減速時間
で連続運転を実施するような運転も可能となる。
【0085】以上により,加減速時間を自動的に変更す
るので,如何なる種類のフィルム1での最適な加減速時
間を設定することができる。
【0086】〔実施例14〕次に,実施例14について
説明する。図16において,36はファジー推論器,3
8はサーボアンプ部7のオートチューニング制御部であ
る。
【0087】次に,動作について説明する。送り条件
(与えられた送り時間内で移動し,位置ドループが与え
られた値以下に設定するように動作する)内で最適にな
るようにサーボアンプ部7内の各フィードバック信号
(電流,速度,位置)に基づいてファジー演算をするこ
とにより,サーボアンプ部7における3個の制御部(電
流制御部13,速度制御部14,位置制御部15)のゲ
イン設定および位置コントローラ部8における位置指令
パターン発生部17の加減速時間を決定する。
【0088】位置指令パターン発生部17が常に同じパ
ターンを発生させる場合,連続運転中の電流,速度,位
置フィードバック信号より特徴量を計算し,ファジー推
論器36に入力する。ファジー推論器36は予め設定し
たメンバーシップ関数とファジールールに基づいて演算
を実行し,加減速時間の補正量とサーボアンプ部7の各
制御器のゲイン設定に必要な目標応答を出力する。サー
ボアンプ部7のオートチューニング制御部38は,これ
により各制御器のゲインを自動的にチューニングする。
位置コントローラ部8は加減速時間を変化させ,サーボ
アンプ部7は各制御器のゲインを調整することにより,
位置コントローラ部8とサーボアンプ部7が協調をとっ
て目標の時間で位置決めできるような設定に自動チュー
ニングする。
【0089】以上により,ファジー制御を用いてサーボ
アンプ部7だけではなく,位置コントローラ部8とサー
ボアンプ部7の最も協調のとれた運転を実現できる。
【0090】〔実施例15〕次に,実施例15について
説明する。図17において,37はファジー推論器であ
る。
【0091】次に,動作について説明する。上記実施例
14と同様にしてサーボアンプ部7の各フィードバック
信号(電流,速度,位置)より以下の3個の特徴量を計
算する。まず,整定時間は,図18において,目標位置
決め時間から位置指令出力時間を引いた値である。実行
負荷率Trmsは,図19において1サイクル運転中で
下記の数2となる。
【0092】
【数2】
【0093】また,機械振動Mはサーボモータ5が停止
時(すなわち,図19に示したt4区間)の電流フィー
ドバックの最大値Δlfから下記の数3と定義する。
【0094】
【数3】
【0095】これにより,上記実施例7と同様にメンバ
ーシップ関数を図20,ファジールールを下記の表2で
定義することにより,加減速時間Δaとサーボアンプ部
7の各制御器の目標応答Gは,下記の数4となる。
【0096】
【表2】
【0097】
【数4】
【0098】以上により,与えられた時間で最適な動作
が可能なように自動で各制御器のゲインと位置指令パタ
ーンがチューニングできる。なお,サーボアンプ部7は
ファジー推論器37の出力Gにより各ゲインをオートチ
ューニングする機能を持っているものとする。
【0099】ここに示したファジー推論器37は,実行
負荷率に余裕がある場合には,加減速時間を短くしてサ
ーボアンプにゲインをあまり上げることなく目標の位置
決め時間に入るようにし,実行負荷率に余裕がない場合
には,サーボアンプのゲインを上げることで目標の位置
決め時間に入るように論理を組んでいる。
【0100】以上により,実行負荷率を見て運転パター
ンを選定しているので,サーボアンプの能力を最大限に
活用するような運転ができる。
【0101】
【発明の効果】以上のように,この発明に係るサーボモ
ータの制御装置(請求項1)によれば,フィルムの伸び
縮みがあっても,マーク検出用センサからの信号が入力
されたときの位置ドループおよび位置指令残距離と指令
した移動距離とを使用して実際の移動距離を求め,次回
以降の移動距離として反映させることにより,クリア時
のサーボモータ5の速度を常にできる限り低速になるよ
うに設定することができるため,クリア入力による急停
止が少なくなり,滑らかな送り運転ができると共にフィ
ルムのカット位置がフィルムのマーク位置からの誤差を
少なくできるという効果がある。
【0102】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項2)によれば,マーク検出用センサからの信号
が入力されたとき,ハードウェア的にカウンタ値をラッ
チするため,ソフトウェアのサンプリングによるばらつ
きがなく,さらに,高精度なフィルムのカットが実現す
る効果がある。
【0103】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項3)によれば,上記請求項1に係る発明に対
し,マーク検出用センサからの信号が入力されたときの
目標残距離を設定可能としたことにより,クリアする量
を調整することが可能となり,材質とか厚みといった材
料の差異に対応することができる効果がある。
【0104】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項4)によれば,上記請求項3と同様に簡単な構
成で,上記請求項2において説明した効果がより高精度
となる。
【0105】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項5)によれば,比例積分分制御を実行している
ため,フィルム長さの補正に時定数を持たせることがで
き,滑らかな補正を実現することができる効果がある。
【0106】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項6)によれば,比例積分分制御を実行している
ため,フィルム長さの補正に時定数を持たせることがで
き,より滑らかな補正を実現することができる効果があ
る。
【0107】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項7)によれば,ファジー推論器を用いているの
で,人間が経験的に実行してきた間隔的な調整を覚え込
ませることができ,滑らかな補正を実現することができ
る効果がある。
【0108】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項8)によれば,ファジー推論器を用いているの
で,人間が経験的に実行してきた間隔的な調整を覚え込
ませることができ,より滑らかな補正を実現することが
できる効果がある。
【0109】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項9)によれば,実際のフィルムの長さより少な
い移動距離を位置コントローラ部から送っても自動的に
補正し,連続運転を実現できる。その結果,外部からは
フィルムに公称の長さのみ与えればよく,システムを操
作性を向上させることができる効果がある。
【0110】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項10)によれば,実際のフィルムの長さより少
ない移動距離を位置コントローラ部から送っても自動的
に補正し,連続運転を実現できる。その結果,外部から
はフィルムに公称の長さのみ与えればよく,よりシステ
ムを操作性を向上させることができる効果がある。
【0111】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項11)によれば,フィルムとローラが滑った場
合,上記請求項1〜10にあっては,それ以降の送り量
にその以上なデータが反映され,しばらく最適な送りか
らずれを発生するが,それを検出して無視するため,そ
の後における送りは今まで送ってきた最適データをその
まま維持できる効果がある。
【0112】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項12)にあっては,フィルムが滑ったときの情
報を外部へ警告するので,外部ではその送り時における
異常を容易に認識することができる効果がある。
【0113】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項13)にあっては,加減速時間を自動的に変更
するので,如何なる種類のフィルムでの最適な加減速時
間を設定することができる。すなわち,フィルムごとの
最も速いタクトタイムを自動的に設定することができる
効果がある。
【0114】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項14)にあっては,ファジー制御を用いてサー
ボアンプ部だけではなく,位置コントローラ部とサーボ
アンプ部の最も協調のとれた運転が実現する効果があ
る。
【0115】この発明に係るサーボモータの制御装置
(請求項15)にあっては,実行負荷率を見て運転パタ
ーンを選定しているので,サーボアンプの能力を最大限
に活用するような運転ができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図2】 実施例2に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図3】 実施例3に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図4】 実施例4に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図5】 実施例5に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図6】 実施例6に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図7】 実施例7に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図8】 実施例7に係るサーボモータの制御装置のメ
ンバーシップ関数を示す説明図である。
【図9】 実施例8に係るサーボモータの制御装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図10】 実施例9に係るサーボモータの制御装置の
概略構成を示すブロック図である。
【図11】 実施例9,10において,クリア信号が入
力されないときの動作を示すグラフである。
【図12】 実施例10に係るサーボモータの制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図13】 実施例11に係るサーボモータの制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図14】 実施例12に係るサーボモータの制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図15】 実施例13に係るサーボモータの制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図16】 実施例14に係るサーボモータの制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図17】 実施例15に係るサーボモータの制御装置
の概略構成を示すブロック図である。
【図18】 位置決めの整定時間を示す説明図である。
【図19】 実行負荷率の計算方法の説明図である。
【図20】 実施例15に係るサーボモータの制御装置
のメンバーシップ関数を示す説明図である。
【図21】 従来のサーボモータの制御装置のメンバー
シップ関数を示す説明図である。
【図22】 サーボモータの制御装置のクリアタイミン
グを示す説明図である。
【符号の説明】
1 フィルム、2 ローラ、4 マーク検出用センサ、
5 サーボモータ、6エンコーダ、7 サーボアンプ
部、8 位置コントローラ部、9 外部設定器、17
位置指令パターン発生部、18 差検出器、19 補正
量計算手段、20 ラッチ手段(位置ドループ)、21
ラッチ手段(位置検出パルス)、22,22’ 計算
手段、23,23’ 移動距離計算手段、24 比例積
分制御器、27’,28 ファジー推論器、29 比較
手段、30 指示手段、31 開路指示出力手段、32
スイッチ、33 警告信号、34 設定変更手段、3
6,37 ファジー推論器、38 オートチューニング
制御部。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボモータと,前記サーボモータの軸
    に直結したエンコーダからの信号と位置指令により前記
    サーボモータの位置を制御するサーボアンプ部と,前記
    サーボアンプ部に対する前記位置指令を作成する位置コ
    ントローラ部と,その制御対象が被搬送物を一定量だけ
    定寸送りする搬送システムであり,被搬送物のマークを
    検出する検出手段とを有するサーボモータの制御装置に
    おいて,前記検出手段からの信号を入力し,そのタイミ
    ングで前記サーボアンプ部の位置ドループをラッチする
    ラッチ手段と,前記タイミングで前記位置コントローラ
    部の定寸送りの位置指令残距離をラッチするラッチ手段
    と,今回の送り使用した定寸送りの移動量および前記ラ
    ッチ手段によりラッチされた位置ドループと位置指令残
    距離から次回以降の定寸送りの移動量を修正する修正手
    段とを具備することを特徴とするサーボモータの制御装
    置。
  2. 【請求項2】 サーボモータと,前記サーボモータの軸
    に直結したエンコーダからの信号と位置指令により前記
    サーボモータの位置を制御するサーボアンプ部と,前記
    サーボアンプ部に対する前記位置指令を作成する位置コ
    ントローラ部と,その制御対象が被搬送物を一定量だけ
    定寸送りする搬送システムであり,被搬送物のマークを
    検出する検出手段とを有するサーボモータの制御装置に
    おいて,前記エンコーダの帰還パルスをカウントするカ
    ウント手段と,前記検出手段からの検出信号を入力し,
    そのタイミングで前記カウント手段からのカウント値を
    ラッチするラッチ手段と,今回の送りに使用した定寸送
    りの移動量と前記ラッチ手段のラッチデータから次回以
    降の定寸送り移動量を修正する修正手段とを具備するこ
    とを特徴とするサーボモータの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記修正手段は,定寸送りの位置指令移
    動量に対して前記検出手段からの信号が入力される目標
    残距離を設定し,前記検出手段からの信号が入力された
    タイミングでの前記位置ドループと位置指令残距離との
    和と目標位置との差だけ次回以降の定寸送り移動量を修
    正することを特徴とする請求項1記載のサーボモータの
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記修正手段は,定寸送りの位置指令移
    動量に対して前記検出手段からの信号が入力される目標
    残距離を設定し,前記検出手段からの信号が入力された
    タイミングでの前記帰還パルスのラッチカウント値と目
    標位置との差だけ次回以降の定寸送り移動量を修正する
    ことを特徴とする請求項2記載のサーボモータの制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記修正手段は,定寸送りの位置指令移
    動量に対して前記検出手段からの信号が入力される目標
    残距離を設定し,前記検出手段からの信号が入力された
    タイミングでの前記位置ドループと位置指令残距離との
    和と目標位置との差を比例積分制御することにより次回
    以降の定寸送り移動量を修正することを特徴とする請求
    項1記載のサーボモータの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記修正手段は,定寸送りの位置指令移
    動量に対して前記検出手段からの信号が入力される目標
    残距離を設定し,前記検出手段からの信号が入力された
    タイミングでの前記帰還パルスのラッチカウント値と目
    標位置との差を比例積分制御することにより次回以降の
    定寸送り移動量を修正することを特徴とする請求項2記
    載のサーボモータの制御装置。
  7. 【請求項7】 前記修正手段は,前記検出手段からの信
    号が入力されたタイミングにおける前記サーボアンプ部
    の位置ドループ,前記位置コントローラ部の残距離,目
    標残距離および送り移動距離データをファジー推論演算
    することにより次回以降の定寸送り移動量を修正するこ
    とを特徴とする請求項1記載のサーボモータの制御装
    置。
  8. 【請求項8】 前記修正手段は,前記検出手段からの信
    号が入力されたタイミングにおける前記サーボアンプ部
    の帰還パルスのラッチカウント値,目標移動距離および
    送り移動距離データをファジー推論演算することにより
    次回以降の定寸送り移動量を修正することを特徴とする
    請求項2記載のサーボモータの制御装置。
  9. 【請求項9】 前記位置コントローラ部の位置指令値か
    らサーボアンプ部の位置ドループ値を引いた値が目標移
    動距離より大きくなったことを判断する第1の判断手段
    と,前記第1の判断手段が前記位置コントローラ部の位
    置指令値からサーボアンプ部の位置ドループ値を引いた
    値が目標移動距離より大きくなったと判断した場合に,
    前記検出手段からの信号が入力されていないことを判断
    する第2の判断手段と,前記第2の判断手段が前記検出
    手段からの信号が入力されていないと判断したとき,低
    速での位置指令を前記検出手段からの信号が入力される
    まで出力する出力手段とを具備することを特徴とする請
    求項1,3,5または7記載のサーボモータの制御装
    置。
  10. 【請求項10】 前記サーボアンプ部の帰還パルス量が
    目標移動距離より大きくなったことを判断する第1の判
    断手段と,前記第1の判断手段が前記サーボアンプ部の
    帰還パルス量が目標移動距離より大きくなったと判断し
    た場合に,前記検出手段からの信号が入力されていない
    ことを判断する第2の判断手段と,前記第2の判断手段
    が前記検出手段からの信号が入力されていないと判断し
    たとき,低速での位置指令を前記検出手段からの信号が
    入力されるまで出力する出力手段とを具備することを特
    徴とする請求項2,4,6または8記載のサーボモータ
    の制御装置。
  11. 【請求項11】 前記修正手段は,被搬送物を目標移動
    量だけ搬送したときに,前記検出手段からの信号が入力
    されていないことを検出したとき,次回以降の移動量の
    修正を行わないことを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6,7または8記載のサーボモータの制御装
    置。
  12. 【請求項12】 前記修正手段は,被搬送物を目標移動
    量だけ搬送したときに,前記検出手段からの信号が入力
    されていないことを検出したとき,外部に対して警告信
    号を出力することを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5,6,7または8記載のサーボモータの制御装置。
  13. 【請求項13】 前記修正手段は,目標移動量だけ送っ
    たときに前記検出手段からの信号が入力されていないこ
    とを検出したとき,前記位置コントローラ部の位置指令
    加減速時間を自動で変化させることにより,前記加減速
    時間を修正することを特徴とする請求項1,2,3,
    4,5,6,7または8記載のサーボモータの制御装
    置。
  14. 【請求項14】 サーボモータと,前記サーボモータの
    軸に直結したエンコーダからの信号と位置指令により前
    記サーボモータの位置を制御するサーボアンプ部と,前
    記サーボアンプ部に対する前記位置指令を作成する位置
    コントローラ部とを有し,その制御対象が被搬送物を一
    定量だけ定寸送りする搬送システムであるサーボモータ
    の制御装置において,前記サーボアンプ部の電流フィー
    ドバック量,速度フィードバック量および位置ドループ
    量に基づいてファジー演算を実行することにより,前記
    位置コントローラ部の加減速時定数および前記サーボア
    ンプ部の速度・位置ループの各種ゲインを自動的に修正
    する修正手段を具備することを特徴とするサーボモータ
    の制御装置。
  15. 【請求項15】 前記修正手段は,前記サーボアンプ部
    の電流フィードバック量,速度フィードバック量および
    位置ドループ量に基づいて前記サーボモータの実行負荷
    率,整定時間,機械振動を算出し,該算出値に基づいて
    ファジー演算を実行することにより前記位置コントロー
    ラ部の加減速時定数および前記サーボアンプ部の速度・
    位置ループの各種ゲインを自動的に修正することを特徴
    とする請求項14記載のサーボモータの制御装置。
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