JPH07297442A - 放射線検出器及びこれを用いたｃｔ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各チャンネルからの信号線の取り出しが容易
であり、かつ、チャンネル間のピッチを小さくしても十
分なアクティブエリアを得ることができる放射線検出器
及びこれを用いたＣＴ装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 上面にシンチレータ、下面にフォトダイオー
ドを有して成る放射線検出器チャンネルを２次元的に配
列して構成され、入射した放射線を電気信号に変換する
放射線検出器において、前記上面に対して下面を傾斜さ
せた構成とし、この傾斜した下面に平行に基板を複数配
設し、当該基板とフォトダイオードとの間に検出信号伝
達用の信号線を設けて構成される。 【効果】 信号線の取り出しが容易となり、かつ、十分
なアクティブエリアを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、放射線検出器チャンネ
ルを２次元アレイ状に配設して構成された放射線検出器
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、医用診断装置の開発が進められる
中で、Ｘ線ＣＴ装置が多く用いられている。Ｘ線ＣＴ装
置は、被検体を挟んでＸ線管とＸ線検出器とを対向配置
し、Ｘ線管から曝射され被検体を透過したＸ線をＸ線検
出器にて収集して断層画像を再構成するものである。図
４は、このようなＸ線ＣＴ装置の原理を模式的に示す説
明図である。

【０００３】同図において、Ｘ線管１に高電圧が供給さ
れＸ線が曝射されると、Ｘ線ビーム７はウエッジ２を介
して寝台４上に載置された被検体３に照射され、透過後
のＸ線はＸ線検出器５に収集されて電気信号に変換さ
れ、データ収集装置６を介して画像再構成装置側へ出力
される。

【０００４】Ｘ線検出器５は通常１次元的に配設される
構成を有するが、昨今においては１回のスキャンで複数
の断層像を撮影しようという試みから、検出器のチップ
が２次元アレイ状に配設されたＸ線検出器が実用化され
つつある。このような２次元状のＸ線検出器を構成する
方法としてシンチレータと光センサとを組み合わせるも
のが考えられる。

【０００５】いま、光センサとしてフォトダイオードを
用いる場合、検出器１チャンネル当たりのピッチを小さ
くすると有感層からの電気信号を取り出す配線エリアの
割合が大きくなり、必要な大きさのアクティブエリアが
得られなくなる。

【０００６】また、各チャンネルのフォトダイオードか
ら信号線（ワイヤボンディング）を取り出す必要がある
が、２次元アレイ状に配設された各チャンネルから信号
線を取り出すことは困難であり実現性に乏しいという欠
点がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来にお
ける２次元状放射線検出器は各チャンネルに配線エリア
が必要となるため、各チャンネル間のピッチを小さくす
ると必要な大きさのアクティブエリアを得ることができ
ず、所望の大きさに小形化することができない。また、
２次元アレイ状に配設された各チャンネルから信号線を
取り出すことは困難であるという欠点があった。

【０００８】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたものでその目的とするところは、各チ
ャンネルからの信号線の取り出しが容易であり、かつ、
チャンネル間のピッチを小さくしても十分なアクティブ
エリアを得ることができる放射線検出器及びこれを用い
たＣＴ装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第１の発明の放射線検出器は、上面にシンチレ
ータ、下面に光センサを有して成る放射線検出器チャン
ネルを２次元的に配列して構成され、入射した放射線を
電気信号に変換する放射線検出器において、前記上面に
対して下面を傾斜させた構成とし、この傾斜した下面に
平行に基板を複数配設し、当該基板と光センサとの間に
検出信号伝達用の信号線を設けたことが特徴である。

【００１０】また、本願第２の発明の放射線検出器は、
上面にシンチレータ、下面に光センサを有して成る放射
線検出器チャンネルを２次元的に配列して構成され、入
射した放射線を電気信号に変換する放射線検出器におい
て、前記上面に対して下面を傾斜させた構成とし、前記
下面と接触しかつ上面と略平行な基板を配設し、当該基
板と光センサとの間に検出信号伝達用の信号線を設けた
ことを特徴とする。

【００１１】更に、本願第３の発明の放射線検出器は放
射線検出器チャンネルを２次元的に配列して構成され、
入射した放射線を電気信号に変換する放射線検出器にお
いて、前記放射線検出器チャンネルは、放射線の入射面
に設けられたシンチレータと、このシンチレータからの
光信号を略直角方向に反射させるミラーと、前記シンチ
レータの入射面と略直角に配設され前記ミラーからの光
信号を電気信号に変換する光センサとで構成され、該光
センサの面と平行な基板を複数配設し、当該基板と光セ
ンサとの間に検出信号伝達用の信号線を設けたことを特
徴とする。

【００１２】また、本願第４の発明の放射線検出器は、
前記第１乃至第３の発明において前記シンチレータと光
センサとの間の領域に、各チャンネル間のクロストーク
を防止するための反射材を設けたことを特徴とする。

【００１３】更に、本願第５の発明の放射線検出器は、
前記第１乃至第４の発明において、光センサをフォトダ
イオードとしたことが特徴である。

【００１４】また、本願第６の発明のＣＴ装置は、前記
第１の発明乃至第５の発明の放射線検出器を用いて被検
体の断層画像を撮影することを特徴とする。

【００１５】

【作用】上述の如く構成された本願第１の発明の放射線
検出器では、光センサが取り付けられる下面側が傾斜し
た構造とされ、この傾斜に沿って配線用の基板が配設さ
れ光センサとの接続が行われる。従って、隣あうチャン
ネルに干渉することなく容易に信号線を取り出すことが
できるようになる。

【００１６】また、本願第２の発明では、やはり検出器
の下面側が傾斜した構成とされ、この検出器の下側に取
り付けられ上面と平行な基板と光センサとの間で信号線
の接続が行われる。この際、検出器の下面が傾斜した構
造とされているので基板との間に十分なスペースを確保
することができ、容易に信号線を取り出すことができる
ようになる。

【００１７】本願第３の発明では、シンチレータにて変
換された光信号がミラーで直角方向に反射され、シンチ
レータに対して直角に取り付けられた光センサにて受光
される。そして、この光センサと信号線が接続される基
板は、光センサと平行に配設されるので、隣あうチャン
ネルに干渉することなく容易に信号線を取り出すことが
できるようになる。

【００１８】また、本願第６の発明のＣＴ装置では、２
次元状の放射線検出器が前記第１乃至第５の発明に示し
た如くに構成されるので、１回のスキャンで複数の断層
画像を得ることができるようになる。

【００１９】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は、本発明に係る放射線検出器の第１実施例
を示す構成図である。図示のように、この放射線検出器
は検出器チャンネル１６が２次元アレイ状に配設されて
構成され、放射線を検出する面（上面）には入射した放
射線を光信号に変換するシンチレータ１１が形成されて
いる。また、下面は上面に対して傾斜した構成となって
おり、光信号を電気信号に変換するフォトダイオード１
３が形成されている。そして、シンチレータ１１とフォ
トダイオード１３との間には、ガラス等の材質で形成さ
れ光信号を外部に漏らさないで伝達する光ガイド１２が
配設されている。

【００２０】更に、フォトダイオード１３と平行に基板
１４が取り付けられ、フォトダイオード１３と基板１４
とは信号線１５にて接続されている。これによって、フ
ォトダイオード１３で検出された信号は、信号線１５を
介して基板１４に伝達される。

【００２１】このように構成された本実施例によれば、
検出器の各チャンネルのフォトダイオード１３と基板１
４とを接続する配線が他のチャンネルに干渉することは
なくなり、信号線の接続が容易となる。また、信号線１
５の配線スペースが検出器の下面側に確保されるので、
上面側の配線スペースを必要とせず１チャンネル当たり
のピッチを小さくしても十分なアクティブエリアを確保
することができる。

【００２２】また、本実施例において、光の指向性が悪
く散乱によるクロストークがある時は、光ガイドの側面
を反射体で囲むか或いは反射材でコーティングすればよ
い。また、光ガイドとしては、光ファイバ等のライトガ
イドを用いてもよい。更に、基板１４に伝達された検出
信号は、フレキシブルなケーブルを接続して取り出す
か、或いはフォトダイオード１３と接続した面とは反対
の面にてコネクタで取り出せばよい。

【００２３】図２は、本発明に係る放射線検出器の第２
実施例を示す構成図である。同図において、シンチレー
タ１１、及びこのシンチレータ１１に対して傾斜して配
設されたフォトダイオード１３、光ガイド１２は前記第
１実施例と同一の構成とされており、本実施例ではフォ
トダイオード１３と接続される基板１７がシンチレータ
１１（検出器の上面）と平行に配設されている。

【００２４】そして、このような構成においても検出器
の下面側に信号線１５を配設するスペースを確保するこ
とができるようになるので前記第１実施例と同様に検出
器の各チャンネルのフォトダイオード１３と基板とを接
続する配線が他のチャンネルに干渉することはなくな
り、信号線の接続が容易となる。また、１チャンネル当
たりのピッチを小さくすることができる。なお、前記第
１，第２実施例では、シンチレータ１１とフォトダイオ
ード１３との間にガラス等の材質で形成される光ガイド
１２を設ける構成としたが、該光ガイド１２全体をシン
チレータ１１にて構成してもよい。

【００２５】図３は、本発明に係る放射線検出器の第３
実施例を示す構成図である。図示のようにこの検出器
は、放射線の入射面に配設されたシンチレータ１１と、
該シンチレータ１１にて変換された光信号を直角方向に
反射させるためのミラー１９と、シンチレータ１１とは
直交して配設され前記ミラー１９からの光信号を受光し
て電気信号に変換するフォトダイオード１３とで構成さ
れている。

【００２６】そして、このフォトダイオード１３と平行
に基板１８が配設されており、信号線１５にて接続さ
れ、フォトダイオード１３での検出信号が伝達されるよ
うになっている。

【００２７】このような構成によれば、信号線１５を配
設するスペースを十分に確保することができるので、前
記第１，第２実施例と同様に検出器の各チャンネルのフ
ォトダイオード１３と基板とを接続する配線が他のチャ
ンネルに干渉することはなくなり、信号線の接続が容易
となる。また、１チャンネル当たりのピッチを小さくす
ることができる。なお、第３実施例においても、光ガイ
ド１２を使用せずにシンチレータ１１で光ガイド１２の
部分を構成してもよい。

【００２８】また、本実施例において、光の指向性が悪
く散乱によるクロストークがある時は、光ガイドの側面
を反射体で囲むか或いは反射材でコーティングすればよ
い。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放射線検出器の各チャンネルに設けられたフォトダイオ
ードと基板とを接続するための配線を他のチャンネルに
干渉することなく配設することができるので、信号線の
接続が容易になる。また、放射線の入射面側に配線スペ
ースを必要としないので、１チャンネル当たりのスペー
スを小さくすることができ、十分なアクティブエリアを
得ることができるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係る放射線検出器の構成
を示す図である。

【図２】本発明の第２実施例に係る放射線検出器の構成
を示す図である。

【図３】本発明の第３実施例に係る放射線検出器の構成
を示す図である。

【図４】Ｘ線ＣＴ装置の概略的な構成を示す説明図であ
る。

【符号の説明】

１ Ｘ線管 ３ 被検体 ５ Ｘ線検出器 １１
シンチレータ １２ 光ガイド １３ フォトダイオード １４，
１７，１８ 基板 １５ 信号線 １６ 検出器チャンネル １９ ミ
ラー

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上面にシンチレータ、下面に光センサを
   有して成る放射線検出器チャンネルを２次元的に配列し
   て構成され、入射した放射線を電気信号に変換する放射
   線検出器において、 前記上面に対して下面を傾斜させた構成とし、この傾斜
   した下面に平行に基板を複数配設し、当該基板と光セン
   サとの間に検出信号伝達用の信号線を設けたことを特徴
   とする放射線検出器。
2. 【請求項２】 上面にシンチレータ、下面に光センサを
   有して成る放射線検出器チャンネルを２次元的に配列し
   て構成され、入射した放射線を電気信号に変換する放射
   線検出器において、 前記上面に対して下面を傾斜させた構成とし、前記下面
   と接触しかつ上面と略平行な基板を配設し、当該基板と
   光センサとの間に検出信号伝達用の信号線を設けたこと
   を特徴とする放射線検出器。
3. 【請求項３】 放射線検出器チャンネルを２次元的に配
   列して構成され、入射した放射線を電気信号に変換する
   放射線検出器において、 前記放射線検出器チャンネルは、放射線の入射面に設け
   られたシンチレータと、このシンチレータからの光信号
   を略直角方向に反射させるミラーと、前記シンチレータ
   の入射面と略直角に配設され前記ミラーからの光信号を
   電気信号に変換する光センサとで構成され、該光センサ
   の面と平行な基板を複数配設し、当該基板と光センサと
   の間に検出信号伝達用の信号線を設けたことを特徴とす
   る放射線検出器。
4. 【請求項４】 前記シンチレータと光センサとの間の領
   域に、各チャンネル間のクロストークを防止するための
   反射材を設けたことをを特徴とする請求項１乃至３記載
   の放射線検出器。
5. 【請求項５】 前記光センサはフォトダイオードである
   ことを特徴とする請求項１乃至４記載の放射線検出器。
6. 【請求項６】 前記請求項１乃至請求項５記載の放射線
   検出器を用いて被検体の断層画像を撮影することを特徴
   とするＣＴ装置。