JPH07290114A - 全連続熱間圧延のシートバーのインサートアップセット接合方法 - Google Patents

全連続熱間圧延のシートバーのインサートアップセット接合方法

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JPH07290114A
JPH07290114A JP11186794A JP11186794A JPH07290114A JP H07290114 A JPH07290114 A JP H07290114A JP 11186794 A JP11186794 A JP 11186794A JP 11186794 A JP11186794 A JP 11186794A JP H07290114 A JPH07290114 A JP H07290114A
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sheet bar
insert
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sheet
rolling
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JP11186794A
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Tadatsugu Yoshida
忠継 吉田
Susumu Mizunuma
晋 水沼
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、全連続熱間圧延に際し、仕上げ圧
延機の入側でシートバーを圧延接合するシートバーのイ
ンサートアップセット接合方法を提供する。 【構成】 後行のシートバー12の先端部と先行のシー
トバー13の後端部の合わせ面との間に間隙25を設
け、この間隙にインサート材14を挿入して間隙の増加
を防止しつつインサート材をシートバー12,13の板
厚方向に圧下し、後行のシートバーの先端部と先行のシ
ートバーの後端部を接合するインサートアップセット接
合方法である。 【効果】 インサート材との界面の密着性が向上してシ
ートバーは強固に圧延接合され、また設備のコンパクト
化も達成されてシートバー圧延における生産性が向上す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全連続熱間圧延を行う
際に、仕上げ圧延機の入側でシートバーを圧延接合する
シートバーのインサートアップセット接合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、薄板の熱間タンデム圧延では、製
鋼工程から送られてきた有限長さのスラブを粗圧延して
シートバーとし、このシートバーを多スタンドの熱間仕
上げ圧延機で圧延してコイルに捲き取ることにより、所
定の寸法の薄板コイルにしている。
【0003】しかし仕上げ圧延において、シートバーが
有限長さであることによるシートバー先端の噛み込み、
およびシートバー後端の尻抜け時の非定常圧延が避けら
れないため、板の絞り込みなどの通板不良発生防止の観
点から、シートバーの先後端を通板する際に通板速度を
遅くしなければならず、生産性を阻害する要因となって
いた。その対策として、有限長さのシートバーを粗圧延
機と仕上げ圧延機の間で接合してエンドレスの仕上圧延
を行う事が検討されている。
【0004】特開昭58−112601号公報および特
開昭59−209405号公報には図5に示すように、
粗圧延機1,コイルボックス2,シャー,固定式溶接機
17,シートバーの貯蔵装置またはスパイラルルーバー
19,仕上げ圧延機11からなるプロセスが開示されて
いる。
【0005】固定式溶接機17の例として、特開昭61
−158285号公報および特開昭61−242768
号公報には、通電加熱とアップセットを用いるプロセス
が示されている。これらの方式では固定式溶接機を採用
するので、溶接機とローラーテーブルとの干渉は発生せ
ず、ローラーテーブルの昇降機能追加等の改造は不要で
ある。
【0006】しかしルーパーなどのシートバーの貯蔵装
置が新たに必要となり、シートバーが塑性変形をしない
最小の曲げ極率半径が25m程度となることを考慮する
と、ルーパなどの設備の大型化が避けられず、設備レイ
アウトの制限やコスト高の点から、既設ミルの改造には
適さない。
【0007】特開平4−89110号公報には、図6に
示すようにコイル16,レベラー3,シャー4,移動式
誘導加熱接合装置20,仕上げ圧延機11からなるプロ
セスが開示されている。
【0008】この方式の特徴は、仕上げ圧延機11の入
側で合わせ面を接合するということであり、シートバー
12の加熱および接合の時間を十分確保するために移動
式接合装置20を用いるため、接合装置とローラーテー
ブルの干渉を防止しなければならず、昇降式テーブルの
設置等,既設ミルの改造に際しては多くのミル休止期間
と改造コストが必要となる。そのため、この方法は既設
ミルの改造には不適であり、事実上採用できない。
【0009】以上に示す従来技術では、シートバーの溶
接に長い時間を要するので、設備コストが高くなる問題
があった。そこでこの問題を解決するためには、短時間
で接合を行う方法の開発が重要な課題となっている。そ
の有力な方法として、原理的に接合時間が短い固相接合
が有利で、なかでも圧接方法が優れていると考えられ
る。
【0010】しかし、先行するシートバーに後行のシー
トバーを長手方向に押しつけて圧接する従来方法では、
押しつけ装置でシートバーを掴んで固定すること、シー
トバーの位置決めを行うこと、シートバーの合わせ面同
士を押しつけて接合すること等の一連の作業をシートバ
ーの移動に同期して実施する必要性から、設備の複雑化
が避けられないという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上に説明したよう
に、既設ミルを改造して全連続熱間圧延を実施するため
には、時間のかかる溶接を一切行わず、仕上げ圧延機の
入側でシートバーを圧接する新プロセスが有利である。
【0012】しかし従来のシートバーを長手方向に押し
つけて圧接する方法では、シートバーを掴んで固定する
こと、シートバーの位置決めを行うこと、シートバーの
合わせ面同士を押しつけて接合すること等の複数の作業
を、圧延の進行とともに移動するシートバーに同期して
実施しなければない困難性があった。
【0013】本発明は上記課題を解決し、間隙に挟んだ
インサート材を圧下変形させることによりシートバーを
長手方向に押しつけて接合するシートバーのインサート
アップセット接合方法を提供する。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで上記困難性を回避
するために、シートバーの合わせ面の間隙に挟んだイン
サート材を、固定式装置でシートバーの板厚方向に圧下
して変形させることにより、間接的にシートバーを長手
方向に押しつけて接合する原理を考案し、圧延理論と実
験により本手法の有効性を調べて、本発明を成したもの
である。
【0015】(1) 本発明は、粗圧延後のシートバー
の先端部を先行する仕上圧延中のシートバーの後端部に
接合して連続的に圧延する全連続熱間圧延のシートバー
の接合方法において、前記粗圧延後のシートバーの先端
部の合わせ面と前記先行する仕上圧延中のシートバーの
後端部の合わせ面との間に間隙を設け、該間隙にインサ
ート材を挿入し、間隙の増加を防止しつつインサート材
をシートバーの板厚方向に圧下して、前記粗圧延後のシ
ートバーの先端部と前記先行する圧延中のシートバーの
後端部を接合することを特徴とする全連続熱間圧延のシ
ートバーのインサートアップセット接合方法である。
【0016】(2) また上記(1)項のインサートア
ップセット接合方法において、間隙がシートバーの合わ
せ面をシートバーの幅方向に一部切除して設けられるこ
とを特徴とするインサートアップセット接合方法であ
る。
【0017】(3) また上記(1)または(2)項の
インサートアップセット接合方法において、インサート
材がシートバーと同じ金属材料,またはシートバーの圧
延温度より高い融点を有する金属材料であり、不活性ガ
ス中で加熱した後、表面を清浄化して前記シートバーの
間隙に挿入することを特徴とするインサートアップセッ
ト接合方法である。
【0018】(4) また上記(1)〜(3)項のいず
れかに記載のインサートアップセット接合方法におい
て、胴部のインサート材を挿入する幅方向位置と対応す
る位置に、カリバーを持つかまたは胴部の長さが、イン
サート材を挿入する幅方向位置の間隔より小さい単数ま
たは複数のピンチロールにより挟みつけられることによ
って、間隙の増加が妨げられることを特徴とするインサ
ートアップセット接合方法である。
【0019】(5) また上記(1)〜(4)項のいづ
れかに記載のインサートアップセット接合方法におい
て、インサート材が、シートバーの送り方向に移動しな
がら板厚方向に圧下する金型を有する固定式鍛造装置,
もしくはローラー鍛造装置により圧下されることを特徴
とするインサートアップセット接合方法である。
【0020】即ち本発明は、接合する合わせ面の両端の
部分にインサート材を挿入し、該インサート材を固定式
の装置によりシートバーの板厚方向に圧下し、インサー
ト材の変形により間接的にシートバーの合わせ面を押し
て圧接することにより、コンパクトな設備、接合強
度の安定確保を実現したことにある。
【0021】
【作用】以下作用とともに、本発明の一実施態様例を示
す図面に従って本発明を詳細に説明する。
【0022】図1は本発明の接合方法を実施するに好適
な設備の圧延ライン例を示す図面、図2は本発明のイン
サート材の挿入状況の例を示す図面、図3は本発明の接
合の機構を示す斜視図、図4は接合部の変形状態を示す
図面である。
【0023】図1で、1は粗圧延機,2はコイルボック
ス,3はレベラー,4はシャー,5は端部切断装置,6
はインサート材加熱用の非酸化雰囲気炉,7はインサー
ト材の挿入装置,8はフライング式鍛造装置またはロー
ラー鍛造装置,8aは鍛造装置の金型,9は後行のシー
トバーのピンチロール,10は先行のシートバーのピン
チロール,11は仕上げ圧延機,12は後行のシートバ
ー,13は先行のシートバー,14はインサート材,1
4aはインサート材保持用の爪(図2),15は仕上げ
スケールブレーカー,16はコイルである。
【0024】粗圧延機1で所定の寸法に圧延されたシー
トバーは、コイルボックス2に捲き取られた後コイル1
6として捲き戻されるか、もしくはコイルボックスをパ
スして、直接シャー4により先端部と後端部を切断され
る。
【0025】また図2に示すように、後行のシートバー
12の先端部および先行のシートバー13の後端部のど
ちらか一方もしくは両方の合わせ面に、端部切断装置5
によりインサート材挿入用間隙の切り欠き部25が設け
られる。
【0026】端部切断装置5としては、ミラー,鋸など
の機械的切断加工や、レーザー,プラズマなどの高エネ
ルギービームによる切断加工を適用できるが、加工時間
や加工精度を考慮すると、インサート材14挿入用間隙
の切り欠きと同じ形状の刃型を持つシャーによる打ち抜
き方式が好ましい。この場合、シートバーの送りに同期
してシートバーの幅方向の任意の位置を打ち抜く位置制
御機構を有するシャーを用いるのが好ましい。
【0027】間隙の切り欠き部25は、先行のシートバ
ー13の後端面,後行のシートバー12の先端面,また
はその両方ともに加工することができるが、図2(a)
に示すように、シートバーの送り速度が圧延速度に影響
されない後行材に加工するのが好ましい。
【0028】また、インサート材挿入用間隙の切り欠き
部25の形状は、インサート材14の形状に合わせて形
成する。インサート材14の形状は、角柱状か円柱状と
するのが良い。
【0029】従って図2に示すように、インサート材挿
入用間隙の切り欠き部25の幅wp(シートバー幅方向
の切り欠きの長さ)はインサート材の幅wi程度とし、
間隙の切り欠き部25の長さlpはインサート材の長さ
liより小さくするのが良い。しかしながら後述するよ
うに、インサート材の一部に爪14aを設けてインサー
ト材を間隙の切欠部25に載置する対策を講じる場合
は、インサート材の長さliより大きくしても良い。
【0030】インサート材14の材質はシートバー1
2,13と同じ材料が好ましいが、異なる場合は板破断
防止の観点からシートバーの圧延温度よりも融点が高い
材料とする。インサート材の幅wiは強度を確保するた
めには大きい方が良いが、加工などのコストを減らす観
点を考慮するとシートバーの板幅bの10%程度が好ま
しい。
【0031】またインサート材の長さliは、圧下の際
の材料の充満性や座屈防止の観点からは大きい方が良い
が、加工などのコストの観点からはシートバーの板厚よ
り小さい方が好ましい。またインサート材の長さliが
板厚の20%以下であれば、図2(b)に示すように、
挿入用間隙の切り欠き部25を設けないで、シャー切断
のままの先行のシートバー13と後行のシートバー12
の合わせ面の間隙を開け、この間隙に挟んでも良い。
【0032】インサート材14を挿入する位置は、先行
材,後行材の合わせ面の幅に応じて適宜の場所で良い
が、板端部から割れが発生することを考慮すると、合わ
せ面の板端部を含むことが好ましい。従って当然のこと
ながら、切り欠き部を設けて間隙を形成する場合も、板
端部を含む位置に切り欠きを設けることになる。
【0033】次にインサート材14は、インサート材挿
入装置7により後行のシートバー12の合わせ面に設け
られたインサート材挿入用切欠部25に移送される。
【0034】インサート材挿入装置7は、シートバーの
送りと同期して移動し、かつ間隙位置に合わせてシート
バーの幅方向に移動する本体と、本体に付属しインサー
ト材14をインサート材加熱装置6から取り出して案内
装置に払い出す装置,および本体に付属し本体からシー
トバーの間隙まで伸びる筒の中をインサート材14が落
下するシューター式の案内装置から構成されている。
【0035】なおインサート材14は、インサート材加
熱炉6により予めシートバーの温度と同程度か、より高
温に加熱することが好ましい。インサート材の加熱は、
バーナー,通電加熱など公知の方法で行えば良いが、不
活性雰囲気の加熱炉で行ってスケール生成を抑制するこ
とが好ましい。このようにして合わせ面の温度が高ま
り、活性が増加し接合効率が良くなる。
【0036】またインサート材挿入装置7には、水ジェ
ット,金ブラシ付きロール,フライスなど機械的方法,
または還元性スケール除去剤,スケール溶解装置など電
気化学的方法,さらにはレーザー照射式溶融,プラズマ
照射式溶融など高エネルギー的方法などのスケール除去
手段を設けておき、インサート材14がインサート挿入
装置7の中を通過して間隙に移送する際に、表面のスケ
ールを除去するのが好ましい。このようにインサート材
14の表面の清浄度が高めることにより、接合効率が向
上する。
【0037】次にテーブルローラーおよびピンチロール
9,10の回転速度制御により、後行のシートバー12
が先行のシートバー13に追いつくように搬送され、両
シートバーが接触する際に、インサート材14はインサ
ート材挿入用間隙の切欠部25に挿入されて両シートバ
ーに挟まれ、その位置に挟持される。
【0038】なお上述したように、インサート材の長さ
liがインサート挿入用間隙の切欠部25の長さlpよ
り小さい場合や、インサート材をインサート材挿入用間
隙の切欠部に高精度で位置設定をする場合に、インサー
ト材を挟み込んで保持する方法だけでは不適であるが、
その際には、図4に示すようにインサート材の適当な位
置に爪や突起14aを設け、シートバーの切欠部25の
長手方向の両端部に懸架し挿入するようにすれば良い。
【0039】次に図3に示すように、後行のシートバー
12はピンチロール9により、また先行のシートバー1
3はピンチロール10により上下から挟まれるととも
に、各ピンチロールの回転速度制御により両シートバー
が合わせ面に向かって押しつけられる。
【0040】この状態を保ったまま、両シートバー1
2,13は圧延の進行とともに移動する。なおインサー
ト材14挿入後のシートバーの搬送においては、ピンチ
ロールとの干渉を防止するために、図2(b)に示すよ
うにピンチロール9,10の胴部の長さをインサート材
を挿入する幅方向位置の間隙より小さくするが、図2
(a)のように胴部のインサート材を挿入する幅方向位
置に対応する位置にカリバーを設けたピンチロールとす
ることが好ましい。
【0041】またピンチロールの拘束力を増加させるに
は、複数のピンチロールの使用が有効である。切欠部2
5の間隙に挟持されたインサート材14が装置8の直下
に移動した場合に、圧下装置8の上下の金型8aが作動
し、インサート材を圧下する。
【0042】その際、シートバー12,13は間隙が増
加しないようにピンチロール9,10で拘束されている
ため、インサート材14が両シートバーの合わせ面を摺
動しながらアップセットするように変形し、後行のシー
トバー12と先行のシートバー13はインサート材を介
して間隙の両合わせ面で接合される。
【0043】圧下装置としてはシートバーの送りに同期
して本体が移動する装置の使用も考えられるが、構造が
複雑になる短所がある。そこで装置本体は固定式で、金
型がロコモーション機構などでシートバーの送り方向に
移動しながらシートバーの板厚方向に圧下するフライン
グ式プレスや、圧延スタンドと同様のロール圧下機構の
ローラー鍛造装置の使用が好ましい。
【0044】なおシートバーを合わせ面に向かって押し
つけた状態に保つのは、インサート材の挟持のためと、
インサート材圧下の際に間隙の増加を防止するためであ
り、同時にインサート材の長さが切り欠き部の間隙より
小さい場合には、合わせ面を密着させることにより表面
酸化を防止するためである。
【0045】図4(a)はインサート材の圧下前,図4
(b)は圧下中のインサート材の変形状態を示す。イン
サート材の体積は圧下の前後で変化しないから、圧下に
よりインサート材の高さtiが減少すれば、インサート
材の長さliと幅wiは増加する。
【0046】一方インサート材14は、シートバーの間
隙,切り欠き25により周囲を拘束されているため自由
な変形ができないので、シートバーを押す方向の圧力が
インサート材とシートバーとの接触界面で発生し接合さ
れる。
【0047】一方シートバーの合わせ面の未接合部につ
いては、仕上げ圧延機の第1スタンドで圧延する際に圧
接し、全幅に渡ってシートバーが接合するので、後続の
スタンドで板破断することもなく連続圧延が可能とな
る。
【0048】次に本発明の作用について説明する。
【0049】本発明の特徴の一つであるコンパクトな設
備に関する作用について先ず説明する。本発明は、イン
サート材14をシートバー12,13の板厚方向に圧下
してその際の変形により間接的にシートバーを長手方向
にアップセット接合させる方式としている。このことに
より、負荷が容易なシートバーの板厚方向の鍛造が可能
で、安価な鍛造装置を使用する。
【0050】なおシートバーの送り速度が大きい場合に
は、鍛造中に金型8aとインサート材の摩擦が大きくな
るので、これを防止するために、圧下中に金型8aがシ
ートバーの送り方向に移動する前記のフライング機構を
有する圧下装置や、ローラー鍛造装置を使用することが
望ましい。以上に示すように本発明の方法では、インサ
ート材のみを圧下するので、機構の複雑化を招くシート
バーの上下・左右方向の移動が不要となる。
【0051】一方本発明者らは、仕上げ圧延機11の入
側で突き合わせ面の両幅端部近傍のみを接合しておけ
ば、後述の仕上げ圧延機の第1スタンドで残りの部分が
圧接されて、板破断が生じないことを知見しており、板
幅端部近傍のみを接合することにより、特に大形となる
鍛造装置の容量を全幅を接合する際の20%程度に減少
させることができる。
【0052】また鍛造時には、合わせ面が分離するのを
防止するためにシートバーを拘束しなければならない
が、この拘束力も全幅を接合する時の20%程度に減少
することになるので、比較的小さな押し込み力の容量の
ピンチロールによる拘束方法の適用が可能となる。
【0053】次に本発明の他の特徴である、接合強度の
安定確保に関する作用について説明する。熱間接合に関
する一般論として、接合に必要な条件は、合わせ面の
清浄化、合わせ面の活性化、合わせ面の密着化に大
別される。即ち、接合する時点で合わせ面のスケールを
除去して金属表面を露出させること、合わせ面の温度を
高温に保つこと、合わせ面を相互に押しつけて密着させ
ることが接合を確実にするために特に重要である。
【0054】本発明においても、これらの3条件を制御
して接合強度の増加を図っており、表1に本発明の対策
が接合条件に及ぼす効果を示す。
【0055】
【表1】
【0056】即ちインサート材挿入用切欠部を形成する
ために、シートバー合わせ面の幅端部を一部端部切断装
置により切断することにより新生面が生じるため、清浄
性が増加すると同時に活性も増す。またシャー4による
先行のシートバーの後端部および後行のシートバーの先
端部の切断により、合わせ面の平滑かつ新生な面を生成
して密着性を向上する。
【0057】従来のシートバー長手方向の圧着方式で
は、シートバーの表面に金型等の拘束が無いので、材料
がシートの接合部の表面に突出し欠陥になること、合わ
せ面の間隙が閉塞系にならないので材料内部に大きな静
水圧が発生せず、インサート材と合わせ面の界面の密着
性が低下し、強固な接合が期待できないという問題があ
った。
【0058】本発明の方法であれば、圧下装置の金型に
よる拘束で材料がシートバーの表面に突出しない。ま
た、インサート材が切欠部に充満した後は静水圧が著し
く高まり、インサート材と合わせ面界面を相互に押しつ
ける圧力が高まってインサート材とシートバー界面の密
着性が向上する。
【0059】更にインサート材を圧下する際に、インサ
ート材の表面とシートバーの表面で剪断摩擦が発生し、
表面スケールの剥離が生じて清浄性が著しく高まること
になる。以上本発明は、装置のコンパクト化と接合強度
の安定確保に効果があることが判る。
【0060】本発明によるインサートアップセット接合
方式であれば、前述のように、従来方式の欠点を改善し
ており、仕上げ圧延機で作用する張力によっても切断し
ない強固な接合が可能となる。
【0061】
【実施例】本発明の一実施例を、図1に示す機構の圧延
プロセスラインにおいて、表2に示す条件により連続熱
間圧延を行った結果、先行のシートバーの後端部と後行
のシートバーの先端部は強固に接合され、仕上圧延中に
シートバーの板破断が発生する事はなく、本発明が有効
であることが判明した。
【0062】
【表2】
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明のインサート
アップセット接合方法は、シートバーの先端部,後端部
の合わせ面に間隙を設け、この間隙にインサート材を挿
入し、間隙の増加を防止しつつインサート材をシートバ
ーの板厚方向に圧下することにより、インサート材と合
わせ面界面を相互に押しつける圧力が高まり、インサー
ト材とシートバー界面の密着性が向上して両シートバー
は強固に圧延接合され、接合強度の安定確保が実現され
るとともに、また設備のコンパクト化も達成され、全連
続熱間圧延によるシートバーの生産性向上に顕著な効果
を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合方法を実施するに好適な設備の圧
延ライン例を示す図面である。
【図2】本発明の接合方法の態様例を示し、(a),
(a−1)図はインサート材挿入用の切り欠きがある場
合,(b),(b−1)図は切り欠きがない場合の例を
示す図面である。
【図3】本発明の接合機構を示す斜視図である。
【図4】本発明の接合部におけるインサート材の変形状
態を示し、(a)図は圧下前,(b)図は圧下後の状態
を示す断面図である。
【図5】従来の固定式溶接器とシートバーの貯蔵装置ま
たはスパイラルルーパーを用いたライン例を示す図面で
ある。
【図6】従来の移動式接合機とスイングローラー式テー
ブルを用いたライン例を示す図面である。
【符号の説明】
1 粗圧延機 2 コイルボックス 3 レベラー 4 シャー 5 端部切断装置 6 インサート材加熱用の非酸化雰囲気炉 7 インサート材挿入装置 8 フライング式またはローラー鍛造装置 8a 鍛造装置の金型 9 後行シートバーのピンチロール 10 先行シートバーのピンチロール 11 仕上げ圧延機 12 後行シートバー 13 先行シートバー 14 インサート材 14a インサート材保持用突起 15 仕上げスケールブレーカー 16 コイル 17 固定式溶接機 18 ピンチロール 19 シートバーの貯蔵装置またはスパイラルルー
パー 20 移動式接合機 25 インサート材挿入用間隙
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】この状態を保ったまま、両シートバー1
2,13は圧延の進行とともに移動する。なおインサー
ト材14挿入後のシートバーの搬送においては、ピンチ
ロールとの干渉を防止するために、図2(b)に示すよ
うにピンチロール9,10の胴部の長さをインサート材
を挿入する幅方向位置の間隙より小さくするか、図2
(a)のように胴部のインサート材を挿入する幅方向位
置に対応する位置にカリバーを設けたピンチロールとす
ることが好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】
【表1】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗圧延後のシートバーの先端部を先行す
    る仕上圧延中のシートバーの後端部に接合して連続的に
    圧延する全連続熱間圧延のシートバーの接合方法におい
    て、前記粗圧延後のシートバーの先端部の合わせ面と前
    記先行する仕上圧延中のシートバーの後端部の合わせ面
    との間に間隙を設け、該間隙にインサート材を挿入し、
    間隙の増加を防止しつつインサート材をシートバーの板
    厚方向に圧下して、前記粗圧延後のシートバーの先端部
    と前記先行する圧延中のシートバーの後端部を接合する
    ことを特徴とする全連続熱間圧延のシートバーのインサ
    ートアップセット接合方法。
  2. 【請求項2】 間隙が、シートバーの合わせ面をシート
    バーの幅方向に一部切除して設けられることを特徴とす
    る請求項1記載の全連続熱間圧延のシートバーのインサ
    ートアップセット接合方法。
  3. 【請求項3】 インサート材が、シートバーと同じ金属
    材料,またはシートバーの圧延温度より高い融点を有す
    る金属材料であり、不活性ガス中で加熱した後、表面を
    清浄化して前記シートバーの間隙に挿入することを特徴
    とする請求項1または2のいづれかに記載の全連続熱間
    圧延のシートバーのインサートアップセット接合方法。
  4. 【請求項4】 胴部のインサート材を挿入する幅方向位
    置と対応する位置に、カリバーを持つかまたは胴部の長
    さが、インサート材を挿入する幅方向位置の間隔より小
    さい単数または複数のピンチロールにより挟みつけられ
    ることによって、間隙の増加が妨げられることを特徴と
    する請求項1〜3のいづれかに記載の全連続熱間圧延の
    シートバーのインサートアップセット接合方法。
  5. 【請求項5】 インサート材が、シートバーの送り方向
    に移動しながら板厚方向に圧下する金型を有する固定式
    鍛造装置,もしくはローラー鍛造装置により圧下される
    ことを特徴とする請求項1〜4のいづれかに記載の全連
    続熱間圧延のシートバーのインサートアップセット接合
    方法。
JP11186794A 1994-04-28 1994-04-28 全連続熱間圧延のシートバーのインサートアップセット接合方法 Withdrawn JPH07290114A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101511704B1 (ko) * 2013-11-19 2015-04-13 주식회사 포스코 연속 냉간 압연 설비 및 연속 냉간 압연 방법

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