JPH07288200A - 高周波アンジュレータ - Google Patents

高周波アンジュレータ

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JPH07288200A
JPH07288200A JP8161894A JP8161894A JPH07288200A JP H07288200 A JPH07288200 A JP H07288200A JP 8161894 A JP8161894 A JP 8161894A JP 8161894 A JP8161894 A JP 8161894A JP H07288200 A JPH07288200 A JP H07288200A
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JP
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undulator
frequency
high frequency
light
electromagnetic field
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JP8161894A
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Takahito Tozawa
隆人 利沢
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 短波長の円偏光又は楕円偏光高周波アンジュ
レータを得ることを目的とする。 【構成】 高周波アンジュレータ11のアンテナポート
12aからロッドアンテナで共振したモードの電磁界は
電子を垂直面内で蛇行させ、アンテナポート12bから
ロッドアンテナで共振したモードの電磁界は電子を水平
面内で蛇行させる。次に上記アンテナポート12a,1
2bから同一周波数の高周波エネルギーを位相を90度
ずらして入力して位相が90度ずれたモードの電磁界を
励振する。この時、電子ビームが軸上を通過すると、電
子はらせん軌道を描きながら進行する。従って、短波長
の楕円偏光アンジュレータ光を得ることができる。ま
た、2つのロッドアンテナ12a,12bから同じ強度
の高周波エネルギーを入力すれば円偏光アンジュレータ
光が得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射光を利用する加速
器に設置されるアンジュレータに係り、特に、高周波空
洞による高周波電磁界を用いて電子を蛇行させ、発生す
る放射光を干渉させてアンジュレータ光を発生させる高
周波アンジュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】高エネルギー状態の電子が円運動や振動
をするとき種々の電磁波を放射することが知られてお
り、その放射の一つにシンクロトロン放射がある。この
シンクロトロン放射は、数億電子ボルト(数百Mev)
以上の光エネルギー状態に加速されて真空中をほぼ光速
で運動する電子が、偏向磁場によりその軌道が曲げられ
ると、その軌道の接線方向に放射光と呼ばれる光が放射
される現象である。
【0003】このシンクロトロン放射による放射光は、
波長が数オングストロームから数千オングストロームま
での連続光であり、この放射光を積分した放射パワーは
極めて大きい。
【0004】しかし、使用する波長以外の光は被照射体
に損傷を与えてしまうので、狭い波長範囲を選択して使
いたいという要求がある。この要求に答えるために波長
に選択性を持たせると、今度は放射光の強度が低下し、
高輝度な光源とならない。
【0005】そこで、この波長選択性、高輝度化の要求
を満足させるために、挿入型光源の一つであるアンジュ
レータによるアンジュレータ放射が研究され使用されて
いる。
【0006】アンジュレータは周期的磁場発生装置であ
り、アンジュレータ中に電子を入射して蛇行運動を行な
わせ各蛇行毎に放射される放射光を干渉させることによ
って、偏光性を有する高輝度な放射光を発生させること
ができる。
【0007】通常、アンジュレータの周期磁場は、永久
磁石の周期的な配列を電子ビームの通過部を挟み込むよ
うに配置して得ている。永久磁石を用いた従来のアンジ
ュレータの永久磁石の配列を図7に示す。
【0008】同図において、1−1〜1−m,2−1〜
2−mは永久磁石であり、その磁化方向は矢印で示され
ている。ビームの通過部を挟むように上下に設けられた
周期的な永久磁石の配列は、上下ともに、90°ずつ磁
化方向の異なる永久磁石1−1〜1−4及び2−1〜2
−4の4組で1周期をなしている。
【0009】同図に示すような永久磁石の磁化方向を用
いることによって、ビーム通過部に周期磁場を形成する
ことができる。この周期磁場は、永久磁石の残留磁化に
限界があるため、各周期のピーク磁場強度はおよそ数百
ガウス〜数キロガウス程度が限界であり、また周期長は
4つの永久磁石の大きさであるから4〜5cm程度が限
界で、それより小さくすることは難しい。
【0010】同図に示されたアンジュレータの場合、周
期磁場の分布は、λを磁場の周期長、B0yを周期磁場の
ピーク値として、 By =B0ysin(2πz/λ) …(1) と表すことができる。
【0011】アンジュレータ放射の特性を示す量として
Kパラメータと呼ばれるものがある。これは放射光の特
性を示す量であり、以下の式で定義される。 K〜93.4×λ(m)・B(T) …(2) アンジュレータ放射は、このKパラメータの値が1以下
の時に発生する。
【0012】同図に示したアンジュレータの場合、ビー
ムの蛇行運動は、磁場に垂直な(図7においては水平方
向の)面内でのみ行なわれる。この時のアンジュレータ
放射光の波長λn (nは高調波光の次数)は、次式のよ
うになる。
【0013】
【数1】 ここでγは電子の比エネルギー、θは電子ビーム軌道面
となす角である。この式より、Kの値、すなわち磁界B
が大きくなるほどアンジュレータ光の波長は長くなり、
磁場周期を短くするほど波長は短くなる。
【0014】また、アンジュレータ光の強度はθ=0で
最大であり、軌道面と角度を持つ方向の輝度は急激に減
少する。すなわち、ビームの軌道面内にのみ発生するこ
とになる。これが直線偏光アンジュレータ光である。
【0015】一方、周期磁場を垂直方向だけでなく、同
周期の水平方向の周期磁場と組み合わせることにより、
強い円偏光または楕円偏光アンジュレータ光を通る円偏
光または楕円偏光アンジュレータと呼ばれるものもあ
る。
【0016】楕円偏光アンジュレータの一例を図8に示
す。同図に示すように、楕円偏光アンジュレータは水平
方向と垂直方向の磁場の一方を永久磁石3−1〜3−m
又は永久磁石4−1〜4−mに対して半分だけずらして
あることが特徴である。この場合の、楕円偏光アンジュ
レータの周期磁場は以下の式で示される。
【0017】
【数2】 この周期磁場において、電子ビームはらせん軌道を描き
ながら進行し、この軌道のxy平面の投影は、x方向の
径とy方向の径の比がB0y:B0xの楕円となり、楕円偏
光アンジュレータ光が得られる。
【0018】ここで、両方向の周期磁場のピーク値が等
しい時、すなわち、B0x=B0yの時には円偏光アンジュ
レータ光となる。また、図7に示す直線偏光アンジュレ
ータは、B0xまたはB0yの値が「0」の場合に相当す
る。
【0019】アンジュレータとしては、上記のような永
久磁石を用いたもの以外に、高周波空洞により発生する
高周波の電磁界を用いる高周波アンジュレータと呼ばれ
るものがある。
【0020】この高周波アンジュレータの例としては、
例えば文献“Microwave Undulator”(Proccedings of
the 7th Meeting on Linear Accelerators,1982,P.84
〜86)に示されている。
【0021】上記文献に示された高周波アンジュレータ
を図9に示す。この高周波アンジュレータは、一種の高
周波空洞であり、高周波電源から供給される高周波エネ
ルギーにより電磁界のモードを立て、横方向に周期的に
作用する力を与えてビームを蛇行させ、アンジュレータ
光を発生する。
【0022】図9に示す高周波アンジュレータは、断面
形状が長方形に電極を備えた、リッジ型と呼ばれるもの
であり、図示していない高周波電源から、高周波パワー
が結合孔5を介して高周波アンジュレータ6に供給され
る。
【0023】ビームを蛇行させるための電磁界のモード
としては、通常、方形導波管のTE10N モードと呼ばれ
るものを用いる。このモードは電子ビームが通過する軸
上に、電界と磁界がともに存在するモードである。この
モードにおける電磁界分布を図10に示す。尚、この図
10は図9と同様に上記文献より引用したものである。
【0024】同図において、6は高周波アンジュレータ
本体、7は電子ビームの軌道、8は電気力線、9は磁力
線を示している。このモードにおけるの軸上の電磁界
は、
【0025】
【数3】 と表わされる。
【0026】ここで、E0y,B0xは、電界8及び磁界9
のピーク値であり、λg は管内波長と呼ばれ、このモー
ドの場合、高周波アンジュレータの長さをLとして、 λg =2L/N …(7) で表わされる。
【0027】ここで、Nはビーム通過方向に存在する電
磁分布のピークの数を示している。この式より、電界は
x方向成分、磁界はy方向成分のみを持つことが明らか
であり、この双方が電子ビームを垂直方向に作用するこ
とがわかる。
【0028】さらにこの電磁界は周期λg を持つことが
示される。ところが、この高周波電磁界は時間的に変化
する。すなわち電子ビームが通過する際の時間の経過に
ともなって高周波の位相が変化し、実際に電子ビームに
作用する電磁界は、位置的な分布と時間的な変化の合成
となる。
【0029】上記文献によれば、電磁界の位置的な周期
λg をこのモードの共振周波数に対する波長λに近くな
るように設計することにより、通過する電子ビームが受
ける電磁力が周期的になることが知られている。
【0030】この時、電子ビームは、図10の7で示さ
れる電子ビーム軌道の如く従来の永久磁石を用いた直線
偏光アンジュレータと同様に垂直面(yz平面)内を蛇
行運動してアンジュレータ光を発生する。これが高周波
アンジュレータの原理である。この際の等価電磁界周期
長λeqは、
【0031】
【数4】 して与えられる。
【0032】高周波アンジュレータのビームを蛇行させ
る共振モードの共振周波数を高くすれば、λが小さくな
り、またλg もλと近くなるように定められるため、必
然的にλeqの値も小さくなり、電磁場の周期長は短くな
り、従来の永久磁石を用いたアンジュレータよりも一層
短周期のビーム軌道の蛇行を行なわせることが可能であ
る。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】従来の永久磁石を用い
たアンジュレータにおいては、円偏光または楕円偏光構
造は可能であるが、磁場の周期が永久磁石の大きさによ
って制約され、4〜5cmより小さくすることは困難で
あり短波長の円偏光または楕円偏光アンジュレータ光を
得ることは難しい。
【0034】一方、高周波アンジュレータは、短波長化
の可能性はあるが、円偏光または楕円偏光構造とするこ
とはできなかった。本発明は上記実情に鑑みてなされた
ものであり、等価的電磁界周期がさらに小さい、すなわ
ち短波長の円偏光または楕円偏光高周波アンジュレータ
を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明は、 (1) 高周波空洞による高周波電磁界を用いてアンジ
ュレータ光を発生させる高周波アンジュレータにおい
て、前記高周波空洞を前記電子が通過する軸と垂直な面
の形状が90度回転対称な高周波空洞で構成し、この高
周波空洞内の電子が通過する軸上にこの軸と垂直方向の
電界または磁界もしくは電界及び磁界であって且つ、共
振周波数が同一で前記電磁界分布が互いに90度回転対
称な2つの共振モードの電磁界を発生するための電磁界
発生手段と、前記電磁界発生手段により発生した前記2
つの共振モードの電磁界を任意の時間位相差で励振して
前記高周波空洞内を通過する電子を蛇行させる励振手段
と、この励振手段によって蛇行させられた電子から発生
する放射光を干渉させてアンジュレータ光を得る手段と
を具備したことを特徴とする。 (2) 上記(1)項において前記励振手段は前記2つ
の共振モードの電磁界を90度の時間位相差で励振する
ことを特徴とする。
【0036】
【作用】円筒型又はビームが通過する軸と垂直な面の形
状が90度回転対称な高周波空洞に電子が入射される
と、電子はその進行方向と直交する水平方向に電磁力を
受けるモードと、垂直方向に電磁力を受けるモードとい
うような、90度回転対称な電磁界分布をもつ2つのモ
ードによって蛇行させられる。
【0037】そして、これら2つのモードの電磁界の時
間位相をずらして励振を行なうことによって電子が電磁
界から受ける電磁力は互いに直交する2つの方向に対し
て同周期で位相がずれたものとなり、その結果、円偏光
又は楕円偏光のアンジュレータ光を得ることができる。
【0038】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の第1実施例に
係るアンジュレータについて説明する。同実施例に係る
断面形状が円形の高周波アンジュレータの構成を図1に
示す。
【0039】同図において、11は円筒型高周波空洞の
高周波アンジュレータ本体、12a,12bは高周波エ
ネルギーを高周波アンジュレータ本体11に導くための
アンテナポートであり、この軸は互いに直角をなしてい
る。
【0040】そして、このアンテナポート12a,12
bは、同図に示されていない導波管や真空窓の伝送系を
介して、図示されていない高周波電源に接続されてい
る。13a,13bは、高周波アンジュレータの共振周
波数を調整するためのチューナ用のポートであり、14
はビームポートである。
【0041】本発明に係る高周波アンジュレータの断面
図、側面図、電磁界分布を図2に示す。同図における側
面図及び断面図は図1の高周波アンジュレータ本体11
の側面図及び断面図を示しており、側面図は図1のA−
B断面図を表わしている。
【0042】本発明に係る第1の実施例では、電子を蛇
行させるために使用する共振モードとして、円筒型高周
波空洞のTE11N モードと呼ばれるものを使用してい
る。しかし、このことによって高次のモードであって
も、軸上に、電子の横方向に作用する電磁界が存在する
モード、例えばTM1 1Nモード等を用いてもさしつかえ
ない。
【0043】TE11N の「N」は、軸方向に存在する磁
界の節の個数を示している。この「N」の値をいくつに
定めるかは、必要なビーム軌道の蛇行の数や周期、高周
波電源の周波数等により異なるが、本発明に係る実施例
ではN=7として説明する。
【0044】同図において、15は電気力線、16は磁
力線を示しており、円筒型高周波空洞のTE117 モード
の電磁界分布は、軸上において電界(破線)15と磁界
(実線)16は直交している。そして、この電界(破
線)15と磁界(実線)16が共に通過する電子を同一
面(電気力線と平行、磁力線と垂直で軸を含む平面)内
で横方向に周期的に作用し蛇行させる。
【0045】次に、このモードを電気的に結合するロッ
ドアンテナで励振するためのアンテナの位置について図
2及び図3を用いて説明する。ロッドアンテナの周辺の
電気力線の様子を示す断面図を図3に示す。
【0046】同図に示すように、ロッドアンテナ17は
同軸の内導体を伸ばしたような形をしており、この周辺
における電気力線は電界(破線)15で示したような形
になる。
【0047】従って、ロッドアンテナ17を挿入する位
置において共振モードの電界は強くなる。このことか
ら、図2に示すような電磁界分布を持つモードを励振す
るためには、高周波アンジュレータ11の軸に対して垂
直かつ横側に設けられたアンテナポート12bからロッ
ドアンテナ17を挿入すればよい。
【0048】一方、高周波アンジュレータ11の軸に対
して垂直かつ上側のアンテナポート12aからロッドア
ンテナ17を挿入して同一の周波数を持つ高周波エネル
ギーを入力した場合には、図2に示した電磁界とは90
度回転対称な、上側のアンテナポート12a近傍におい
て電界の強い電磁界分布となる。
【0049】上記2つのモードの共振周波数が等しくな
るのは、空洞の断面が円形で90度回転対称であるため
である。制作上の誤差等により空洞の内壁面形状が90
度対称から少しずれた場合には、図1に示すチューナポ
ート13a,13bから、円筒形等の形状の金属である
チューナを挿入したり引き出したりすることにより、共
振周波数を変化させて調整を行なう。
【0050】チューナは、挿入部近傍の磁場を検出して
共振周波数を変化させるため、取付位置は、周期電磁界
のモードで磁界の腹となる位置でなければならず、さら
に2つのチューナポートの位置関係は90度回転対称で
なければならない。
【0051】これらの位置に設けたチューナポートの位
置は、2つの共振モードのうちのどちらか一方の磁場の
腹でもう一方の磁場の節になっているため、1つのチュ
ーナはどちらか一方の共振モードの周波数のみを変化さ
せ、もう一方には影響を与えない。従って、個々のモー
ドの共振周波数を独立に調整することができる。
【0052】図1においては、チューナポートの数は各
モードに対応して2つずつの合計4個として構成されて
いるが、この個数は一例であって、各モードに対応して
2台ずつ、または任意の台数ずつあってもさしつかえな
い。
【0053】これら2つのモードの電磁界分布は90度
回転対称であるから、軸上を通過する電子に対して作用
する方向もまた90度異なっている。すなわち、高周波
アンジュレータ11の軸に対して垂直かつ上側に設置さ
れているアンテナポート12aからロッドアンテナ17
で共振したモードの電磁界は電子を垂直面内に蛇行さ
せ、高周波アンジュレータ11の軸に対して垂直かつ横
側に設置されているアンテナポート12bからロッドア
ンテナ17で励振したモードの電磁界は電子を水平面内
に蛇行させる。
【0054】次に、上記2つのアンテナポート12a,
12bから、同じ周波数の高周波エネルギーを、位相を
90度ずらして入力し、位相が90度ずれたモードの電
磁界を励振する。
【0055】この時、水平方向と垂直方向の電磁界分布
の変化はそれぞれsin及びcosの時間依存性を持つ
ことになり、この状態で電子ビームが軸上を通過する
と、電子ビームが受ける電磁力は、(4)式に示す楕円
偏光アンジュレータの周期磁場と同様になり、電子はら
せん軌道を描きながら進行する。従って、強い楕円偏光
アンジュレータ光が得られる。
【0056】また、2つのロッドアンテナ12a,12
bから同じ強度の高周波エネルギーを入力すれば円偏光
アンジュレータ光が得られ、さらにどちらか一方のアン
テナのみから高周波エネルギーを入力すれば直線偏光ア
ンジュレータ光が得られる。
【0057】双方のアンテナへの入力高周波エネルギー
調整する機能を備えた高周波アンジュレータの電源系及
び伝送系を図4に示す。同図において、21は高周波発
振器、22は高周波発振器21から発振された高周波信
号のうち2つに分波された高周波信号の一方の信号の位
相を調整するための位相調整器、23a及び23bは高
周波発振器21からの高周波信号を減衰するための減衰
器、24a,24bは減衰器23a,23bによって減
水された高周波信号を増幅するための高周波増幅器であ
る。そして、この高周波増幅器24a,24bは高周波
アンジュレータ本体26のアンテナポート25a,25
bに接続されている。
【0058】次に、同図を参照して動作を説明する。高
周波発振器21より発振された高周波信号は2つに分波
され、分波された高周波信号のうち、一方は位相調整器
22を介して可変減衰器23aに供給される。この位相
調整器22ではアンテナに送られる高周波信号の位相差
が90度になるように調整が行なわれる。
【0059】分波された高周波信号のうち、他方は可変
減衰器23bに供給される。そして、高周波増幅器24
a,24bに供給される高周波信号を可変減衰器23
a,23bで調整することによって、楕円偏光のみでは
なく円偏光や直線偏光のアンジュレータ光を得ることが
できる。
【0060】従って、本発明に係る高周波アンジュレー
タを用いることによって、より短波長の円偏光または楕
円偏光アンジュレータ光を得られるばかりでなく、可変
減衰器23a,23bを調整するだけで周期磁場のピー
ク値を可変にすることができる。
【0061】更に、2つのアンテナから位相を90度ず
らして入力を行なうことによって円偏光または楕円偏光
アンジュレータとしたり、一方のアンテナから高周波の
入力を行なわなければ従来の直線偏光アンジュレータ光
を得ることができる。
【0062】高周波アンジュレータは、周期磁場の周期
を、従来の永久磁石を用いたタイプと比較して相当短く
することができるため、従来よりもはるかに短周期の円
偏光ないし楕円偏光アンジュレータ光を得ることができ
る。
【0063】次に、本発明に係るアンジュレータの第2
実施例について説明する。本発明の第1実施例において
は、高周波アンジュレータの断面形状を円形としたが、
円形でなくても90度回転対称性を有していれば同様の
効果を得ることができる。
【0064】本発明の第2の実施例として、図5に示す
ような正方形断面のものや、図6に示すような正方形断
面にリッジが四辺より突き出たような形状でも構わな
い。これらの高周波アンジュレータは方形空洞(及びそ
の変形)であるから、電子を蛇行させるために用いるモ
ードはTE10N のようなモードとなる。
【0065】また、本発明の実施例においては電気的に
結合するアンテナとしてロッドアンテナを用いたが、磁
気的に結合するループアンテナを用いることも可能であ
る。更に第1の実施例においては、同じ共振周波数を有
し電磁界分布が90度回転対称となる2つのモードの電
磁界を、時間位相が90度ずれるように励振するものと
したが、時間位相の差は、90度でなくても楕円偏光ア
ンジュレータ光を得ることができる。すなわち、2つの
モードの時間位相の差をφとすると、電子ビームの受け
る力の水平方向成分FX と垂直方向成分Fy は、
【0066】
【数5】 で表わされる。
【0067】ここで、ψは、ビームの高周波アンジュレ
ータ入射時の初期位相である。この時(Fx ,Fy )の
軌跡は、φ=0,πの時に直線となり、それ以外の時に
は楕円になる。また、F0x=F0y、φ=±π/2の時に
のみ(Fx ,Fy )の軌跡は円となる。
【0068】従って、φ=±π/2と限定しなくても、
図4の伝送系のシステムにおいて、可変減衰器23a,
23b及び位相調整器22を調整することにより円偏光
または楕円偏光アンジュレータ光を得ることができる。
【0069】さらに、図4に示した高周波伝送系及び伝
送系システムでは、高周波増幅器を2台使用している
が、1台の高周波増幅器のみを使用し、高周波エネルギ
ーをここで増幅した後に2つに分波し、位相差は分波後
の導波管の長さで調整するという方法を採用することも
できる。
【0070】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、高
周波アンジュレータを用いて円偏光ないし楕円偏光アン
ジュレータ光を得ることができるため、従来よりもはる
かに短周期の磁場を用いて従来よりも短波長の円偏光ま
たは楕円偏光アンジュレータ光を得ることができる。ま
た、高周波電送系の可変減衰器や位相調整器を調整する
だけで容易に直線偏光、円偏光、楕円偏光アンジュレー
タ光を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る高周波アンジュレー
タの構成を示す図。
【図2】同実施例における高周波アンジュレータの断面
図、側面図及び電磁界分布を示す図。
【図3】同実施例におけるロッドアンテナの周辺の電気
力線の様子を示す断面図。
【図4】同実施例における高周波アンジュレータの電源
系及び伝送系の構成を示す図。
【図5】本発明の第2実施例に係る高周波アンジュレー
タの断面形状を示す第1の断面図。
【図6】同実施例における高周波アンジュレータの断面
形状を示す第2の断面図。
【図7】従来のアンジュレータの永久磁石の配置を示す
図。
【図8】従来の楕円偏光型アンジュレータの永久磁石の
配置を示す図。
【図9】従来の高周波アンジュレータの構成を示す図。
【図10】従来の高周波アンジュレータ内でのビームの
蛇行軌道と電磁界分布を示す図。
【符号の説明】
1〜4…永久磁石 5…結合孔 6…高周波アンジュレータ 7…電子ビームの軌道 8…電気力線 9…磁力線 11…高周波アンジュレータ本体 12a,12b…アンテナポート 13a,13b…チューナポート 14…ビームポート 15…電気力線 16…磁力線 17…ロッドアンテナ 21…高周波発生器 22…位相発生器 23a,23b…可変減衰器 24a,24b…高周波増幅器 25a,25b…アンテナポート 26…高周波アンジュレータ本体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波空洞による高周波電磁界を用いて
    アンジュレータ光を発生させる高周波アンジュレータに
    おいて、 前記高周波空洞を前記電子が通過する軸と垂直な面の形
    状が90度回転対称な高周波空洞で構成し、 この高周波空洞内の電子が通過する軸上にこの軸と垂直
    方向の電界または磁界もしくは電界及び磁界であって且
    つ、共振周波数が同一で前記電磁界分布が互いに90度
    回転対称な2つの共振モードの電磁界を発生するための
    電磁界発生手段と、 前記電磁界発生手段により発生した前記2つの共振モー
    ドの電磁界を任意の時間位相差で励振して前記高周波空
    洞内を通過する電子を蛇行させる励振手段と、 この励振手段によって蛇行させられた電子から発生する
    放射光を干渉させてアンジュレータ光を得る手段とを具
    備したことを特徴とする高周波アンジュレータ。
  2. 【請求項2】 前記励振手段は前記2つの共振モードの
    電磁界を90度の時間位相差で励振することを特徴とす
    る請求項1記載の高周波アンジュレータ。
JP8161894A 1994-04-20 1994-04-20 高周波アンジュレータ Pending JPH07288200A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8781076B2 (en) 2010-01-07 2014-07-15 Saitama Medical University Phase controller
JP2015534132A (ja) * 2012-10-31 2015-11-26 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー 投影露光装置に使用することができる出力ビームを発生させるためのeuv光源
CN114501769A (zh) * 2022-02-25 2022-05-13 中国科学院高能物理研究所 芒果扭摆器

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