JPH07268603A - 導電膜の成膜方法 - Google Patents

導電膜の成膜方法

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JPH07268603A
JPH07268603A JP5652194A JP5652194A JPH07268603A JP H07268603 A JPH07268603 A JP H07268603A JP 5652194 A JP5652194 A JP 5652194A JP 5652194 A JP5652194 A JP 5652194A JP H07268603 A JPH07268603 A JP H07268603A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】マスキングスパッタ法によって基板上の所定の
領域に導電膜を成膜するものでありながら、基板上に導
電体が設けられておりこの導電体が導電膜の成膜面に露
出していても、マスク板と基板上の導電体との間に異常
放電を発生させることなく均一な膜質の導電膜を成膜す
る。 【構成】金属膜からなる遮光膜(導電体)2が導電膜の
成膜面に露出している基板1の導電膜成膜領域を除く部
分を、表面全体を絶縁膜22で被覆したマスク板でマス
クして、前記基板1上にスパッタ粒子を堆積させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上の所定領域にス
パッタ装置によって導電膜を成膜する導電膜の成膜方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基板上への導電膜の成膜は、一般に、マ
グネトロン型のスパッタ装置によって行なわれている。
上記マグネトロン型のスパッタ装置は、放電により発生
するプラズマを磁界中に封じ込め、このプラズマにより
ターゲットから粒子をスパッタさせて、このスパッタ粒
子を基板上に堆積させるものであり、このスパッタ装置
は、図示しないが、チャンバ内に、プラズマを封じ込め
るための磁界を発生する磁石部を設け、この磁石部に対
向させてアノード電極を配置した構成となっている。
【0003】このスパッタ装置は、前記磁石部にターゲ
ットを設置し、導電膜を成膜する基板をアノード電極を
はさんで前記ターゲットと対向するように配置してスパ
ッタリングを行なうものであり、このスパッタリング
は、チャンバ内にAr (アルゴン)ガス等の雰囲気ガス
を導入し、前記ターゲット側をカソード電極として、こ
のカソード電極と前記アノード電極との間に高圧電圧
(直流電圧)を印加して行なわれている。
【0004】このように、Ar ガス等の雰囲気ガス中に
おいてターゲット側のカソード電極とアノード電極との
間に高圧電圧を供給すると、これらの間に放電電流が流
れて、この放電によりプラズマが発生する。そして、こ
の発生したプラズマは磁石部の磁界中に封じ込められ、
この磁界中に封じ込められたプラズマにより、ターゲッ
トから粒子がスパッタされる。そして、ターゲットから
スパッタされたスパッタ粒子は、上記基板の方向へ飛
び、この基板上に付着し堆積する。
【0005】ところで、上記スパッタ装置による導電膜
の成膜方法として、マスキングスパッタ法と呼ばれる方
法がある。このマスキングスパッタ法は、導電膜を成膜
する基板の導電膜成膜領域を除く部分を、この基板に近
接させて配置したマスク板でマスクして、前記基板上に
スパッタ粒子を堆積させる方法であり、この方法によれ
ば、基板上の所定領域だけにスパッタ粒子を堆積させ
て、この領域に導電膜を成膜することができる。
【0006】上記マスキングスパッタ法は、例えば、ア
クティブマトリックス液晶素子に用いる対向電極基板の
上にITO(酸化インジウム・スズ)膜等の透明導電膜
からなる対向電極を形成するのに利用されており、この
マスキングスパッタ法によれば、基板上に透明導電膜を
成膜するだけで対向電極を形成することができる。
【0007】すなわち、アクティブマトリックス液晶素
子は、画素電極と薄膜トランジスタ等のアクティブ素子
とをマトリックス状に配列形成した画素電極基板と、前
記画素電極基板の各画素電極に対向する対向電極を形成
した対向電極基板との間に液晶層を設けたものであり、
前記対向電極は、液晶素子の表示領域、つまり前記画素
電極の配列領域全体にわたって一枚膜状に形成されるた
め、上記マスキングスパッタ法によって基板上の対向電
極形成領域に透明導電膜を成膜すれば、成膜した透明導
電膜をそのまま対向電極とすることができる。
【0008】図3は、上記マスキングスパッタ法による
従来の成膜方法を示しており、ここでは、上述した対向
電極基板の上に対向電極となる導電膜(ITO膜等の透
明導電膜)を成膜する例を示している。
【0009】まず、対向電極基板1について説明する
と、この基板1は、ガラス等からなる透明基板であり、
この基板1の導電膜4を成膜する面、つまり対向電極を
形成する面には、上記アクティブマトリックス液晶素子
の各画素部(画素電極と対向電極とが対向している部
分)の周囲に対応する格子状パターンの遮光膜2が設け
られるともに、その上に、前記各画素部に対応する複数
の色のカラーフィルタ3R,3G,3Bが設けられてい
る。
【0010】上記遮光膜2は、一般にブラックマスクと
呼ばれており、この遮光膜2は、基板1上にCr (クロ
ム)等の金属膜をスパッタ装置または蒸着装置等によっ
て成膜し、この金属膜をフォトリソグラフィ法によりパ
ターニングして形成されている。
【0011】また、上記カラーフィルタ3R,3G,3
Bは例えば赤,緑,青のフィルタであり、3Rは赤色フ
ィルタ、3Gは緑色フィルタ、3Bは青色フィルタであ
る。これらカラーフィルタ3R,3G,3Bはそれぞ
れ、その色の顔料を添加した感光性樹脂を基板1上に塗
布し、その膜を露光・現像処理により所定のフィルタ形
状にパターニングする方法で形成されている。
【0012】この方法で形成されたカラーフィルタ3
R,3G,3Bは、その変質等に対する耐性が十分高
く、その上を保護膜で覆う必要はないため、このカラー
フィルタ3R,3G,3Bはそのまま露出されており、
したがって、上記遮光膜2のカラーフィルタ3R,3
G,3Bで覆われていない部分も露出している。
【0013】そして、上記基板1上への対向電極となる
導電膜4のマスキングスパッタ法による成膜は、図3に
示すように、前記基板1の導電膜成膜領域を除く部分
を、この基板に近接させて配置したマスク板10でマス
クして行なわれている。
【0014】上記マスク板10は、上記基板1の面積よ
りある程度大きい面積をもつ板状体に、前記基板1の導
電膜成膜領域、つまり対向電極の形成領域に対応する形
状の開口10aを設けたものであり、このマスク板10
としては、薄鉄板等の金属板を打抜き加工したものが使
用されている。
【0015】このように、基板1の導電膜成膜領域を除
く部分を上記マスク板10でマスクしておいて基板1上
にスパッタ粒子を堆積させると、ターゲットからスパッ
タされて図に矢印で示すように基板方向へ飛んでくるス
パッタ粒子のうち、基板1の導電膜成膜領域を除く部分
に向かうスパッタ粒子がマスク板10で遮られ、基板1
上の前記領域だけにスパッタ粒子が堆積する。
【0016】そして、この領域に成膜された導電膜4の
形状は、基板1上に形成する対向電極と同じ形状であ
り、したがって、この導電膜4をパターニングすること
なくそのまま対向電極とすることができる。
【0017】なお、上記基板1の上にはCr 等の金属膜
からなる遮光膜2が設けられており、この遮光膜2のカ
ラーフィルタ3R,3G,3Bで覆われていない部分が
導電膜4の成膜面に露出しているため、基板1上に導電
膜4を成膜して形成された対向電極が前記遮光膜2と短
絡するが、この対向電極は、液晶素子の表示領域全体に
わたる一枚膜状の電極であるため、対向電極と遮光膜2
とが短絡しても何等問題はない。
【0018】また、上記マスク板10の上には、このマ
スク板10で遮られたスパッタ粒子が堆積するが、この
マスク板10は、その上に堆積した導電膜4がある程度
の厚さになったときに交換される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したマス
キングスパッタ法によって基板上に導電膜を成膜する場
合、従来の成膜方法では、基板上に導電体が設けられて
おり、しかもこの導電体が導電膜の成膜面に露出してい
ると、基板とマスク板との位置合わせ精度の誤差により
前記マスク板の一部が基板上の導電体と向き合った状態
となったときに、導電膜の成膜中にマスク板と基板上の
導電体との間に異常放電が発生し、その影響で、成膜さ
れた導電膜の膜質が不均一になってしまうという問題が
あった。
【0020】これを、上述した対向電極基板1上に対向
電極となる導電膜4を成膜する場合について説明する
と、図4は、基板1とマスク板10との間に位置ずれが
あるときの導電膜の成膜状態を示しており、ここでは、
マスク板10が基板1に対して図上左方向にずれている
状態を示している。
【0021】このように、基板1とマスク板10との間
に位置ずれがある状態で導電膜4の成膜を行なうと、基
板1上に、所定の位置からずれて導電膜4が成膜される
が、基板1とマスク板10との位置ずれ量が許容誤差内
であれば、導電膜4の成膜位置のずれは特に問題にはな
らない。
【0022】しかしながら、上記基板1の上には、上述
したように、遮光膜2が液晶素子の各画素部の周囲に対
応する格子状パターンに設けられており、そのため、基
板1とマスク板10との位置ずれがあると、図4のよう
に、マスク板10の一部(図4ではマスク板10の右側
の内縁部)が基板1上の遮光膜2の縁部に向き合う状態
になる。
【0023】そして、上記マスク板10は導電性をもつ
金属板からなっており、また基板1上の遮光膜2もCr
等の金属膜からなる導電体であるし、さらにマスク板1
0が前記遮光膜2に近接しているため、マスク板10の
一部が遮光膜2の縁部と向き合っている状態で導電膜4
の成膜を行なうと、その成膜中に、マスク板10と遮光
膜2との互いに向き合っている部分の間に異常放電が発
生し、その影響により、基板1上へのスパッタ粒子の堆
積状態が異常放電発生部aの付近で乱れて、基板1上
に、前記異常放電発生部aの付近の膜質が劣る不均一な
膜質の導電膜4が成膜されてしまう。
【0024】なお、上記対向電極基板1の上に成膜され
た導電膜4はそのまま対向電極とされるため、前記導電
膜4の膜質が不均一であれば、前記対向電極の抵抗率お
よび透明度も不均一になり、したがって、この対向電極
基板1を用いて製造された液晶素子が、各画素部の液晶
に印加される電界の強さや光の透過率が不均一な、表示
むらのある素子となってしまう。
【0025】本発明は、マスキングスパッタ法によって
基板上の所定の領域に導電膜を成膜するものでありなが
ら、基板上に導電体が設けられておりこの導電体が導電
膜の成膜面に露出していても、マスク板と基板上の導電
体との間に異常放電を発生させることなく均一な膜質の
導電膜を成膜することができる導電膜の成膜方法を提供
することを目的としたものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、基板上の所定
の領域にスパッタ装置によって導電膜を成膜する方法で
あって、前記基板の導電膜成膜領域を除く部分を、この
基板に近接させて配置した少なくとも前記基板に対向す
る面が絶縁性をもっているマスク板でマスクして、前記
基板上にスパッタ粒子を堆積させることを特徴とするも
のである。
【0027】本発明の成膜方法は、特に、導電膜を成膜
する基板上に導電体が設けられており、この導電体が導
電膜の成膜面に露出している場合に有効である。その例
としては、基板がアクティブマトリックス液晶素子に用
いる対向電極基板であり、成膜する導電膜は対向電極と
なる透明導電膜であって、前記基板上には、前記液晶素
子の各画素部の周囲に対応させて金属膜からなる遮光膜
が設けられるとともに、その上に、前記各画素部に対応
するカラーフィルタが設けられており、前記遮光膜の前
記カラーフィルタで覆われていない部分が導電膜の成膜
面に露出している場合がある。また、上記マスク板とし
ては、金属板からなるマスク板本体の少なくとも上記基
板に対向する面を耐熱性の絶縁膜で被覆したものを使用
するのが望ましい。
【0028】
【作用】本発明の成膜方法は、基板の導電膜成膜領域を
除く部分をこの基板に近接させて配置したマスク板でマ
スクしてマスキングスパッタ法による成膜を行なうもの
であるが、前記マスク板として、少なくとも前記基板に
対向する面が絶縁性をもっているものを用いているた
め、基板上に導電体が設けられており、この導電体が導
電膜の成膜面に露出している場合でも、マスク板と基板
上の導電体との間に異常放電を発生させることなく均一
な膜質の導電膜を成膜することができる。
【0029】すなわち、例えば基板がアクティブマトリ
ックス液晶素子に用いる対向電極基板であり、成膜する
導電膜が対向電極となる透明導電膜であって、前記基板
上に、前記液晶素子の各画素部の周囲に対応させて金属
膜からなる遮光膜が設けられるとともにその上に前記各
画素部に対応するカラーフィルタが設けられており、前
記遮光膜のカラーフィルタで覆われていない部分が導電
膜の成膜面に露出している場合、基板とマスク板との位
置合わせ精度の誤差によってマスク板の一部と基板上の
遮光膜の縁部とが近接した状態となっても、マスク板の
前記基板に対向する面が絶縁性であるので、前記遮光膜
が金属膜からなる導電体であっても、マスク板と遮光膜
との互いに向き合っている部分の間に異常放電が発生す
ることはなく、したがって、均一な膜質の導電膜を成膜
することができる。
【0030】また、上記マスク板としては、金属板から
なるマスク板本体の少なくとも上記基板に対向する面を
耐熱性の絶縁膜で被覆したものを用いるのが望ましく、
このマスク板は、その強度が十分であるし、また、金属
板を打抜き加工してマスク板本体を製作しその少なくと
も上記基板に対向する面を耐熱性の絶縁膜で被覆するだ
けで安価に製造することができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、アクティブマト
リックス液晶素子に用いる対向電極基板の上に対向電極
となる導電膜(ITO膜等の透明導電膜)を成膜する場
合について説明する。
【0032】図1および図2はこの実施例の成膜方法を
示す図であり、図1は基板1とマスク板20との間に位
置ずれないときの導電膜の成膜状態を示している。な
お、図1に示した対向電極基板1は、図3に示したもの
と同じものであるから、その説明は図に同符号を付して
省略する。
【0033】この実施例の成膜方法は、上記対向基板1
の導電膜成膜領域を除く部分をこの基板1に近接させて
配置したマスク板20でマスクしてマスキングスパッタ
法による成膜を行なうものである。
【0034】上記マスク板20は、上記基板1の面積よ
りある程度大きい面積をもつ板状体に、上記基板1の導
電膜成膜領域、つまり対向電極の形成領域に対応する形
状の開口20aを設けらたものであり、この実施例で
は、マスク板20として、鉄,ステンレス鋼,アルミニ
ウム合金等からなる薄い金属板を打抜き加工して製作し
たマスク板本体21の表面全体を耐熱性の絶縁膜22で
被覆したものを用いている。なお、前記絶縁膜22は、
例えばSi O2 (酸化シリコン)膜であり、このSi O
2 膜は、マスク板本体21の表面にシラン系の化合物の
溶剤を塗布して焼成して形成されている。
【0035】このように、上記基板1の導電膜成膜領域
を除く部分を上記マスク板10でマスクしておいて基板
1上にスパッタ粒子を堆積させると、ターゲットからス
パッタされて図に矢印で示すように基板方向へ飛んでく
るスパッタ粒子のうち、基板1の導電膜成膜領域を除く
部分に向かうスパッタ粒子がマスク板20で遮られ、基
板1上の前記領域だけにスパッタ粒子が堆積する。
【0036】この領域に成膜された導電膜4の形状は、
基板1上に形成する対向電極と同じ形状であり、したが
って、この導電膜4をパターニングすることなくそのま
ま対向電極とすることができる。
【0037】なお、上記基板1の上にはCr 等の金属膜
からなる遮光膜2が設けられており、この遮光膜2のカ
ラーフィルタ3R,3G,3Bで覆われていない部分が
導電膜4の成膜面に露出しているため、基板1上に導電
膜4を成膜して形成された対向電極が前記遮光膜2と短
絡するが、この対向電極は、液晶素子の表示領域全体に
わたる一枚膜状の電極であるため、対向電極と遮光膜2
とが短絡しても何等問題はない。
【0038】また、上記マスク板20は、スパッタ装置
のチャンバ内に、基板1の配置位置に近接させて設置さ
れており、このマスク板20は、その上に堆積した導電
膜4がある程度の厚さになったときに交換される。
【0039】この成膜方法は、基板1の導電膜成膜領域
を除く部分をこの基板1に近接させて配置したマスク板
20でマスクしてマスキングスパッタ法による成膜を行
なうものであるが、前記マスク板20として、その表面
が絶縁性をもっているものを用いているため、基板1上
に導電体である遮光膜(Cr 等の金属膜)2が設けられ
ており、この遮光膜2が導電膜4の成膜面に露出してい
ても、マスク板20と基板1上の遮光膜2との間に異常
放電を発生させることなく均一な膜質の導電膜4を成膜
することができる。
【0040】すなわち、上記対向電極基板1の上には、
遮光膜2が液晶素子の各画素部の周囲に対応する格子状
パターンに設けられるとともに、その上に、前記各画素
部に対応する赤,緑,青のカラーフィルタ3R,3G,
3Bが設けられており、前記遮光膜2の前記カラーフィ
ルタ3R,3G,3Bで覆われていない部分は導電膜4
の成膜面に露出しているが、この基板1上に対向電極と
なる透明導電膜4を成膜する場合、図1に示したよう
に、基板1とマスク板20との間に位置ずれがなけれ
ば、マスク板20は基板1上の遮光膜2に対して十分に
ずれている。
【0041】しかし、基板1とマスク板20との位置合
わせ精度にはある程度の誤差があり、その誤差によって
は、マスク板20の一部が基板1上の遮光膜2の縁部に
向き合う状態になることがある。
【0042】図2は、基板1とマスク板20との間に位
置ずれがあるときの導電膜4の成膜状態を示しており、
ここでは、マスク板20が基板1に対して図上左方向に
ずれている状態を示している。
【0043】このように、基板1とマスク板20との間
に位置ずれがある場合、その位置ずれ量が許容誤差内で
あれば、導電膜4の成膜位置のずれは特に問題にはなら
ないが、前記位置ずれ量が許容誤差内であっても、その
ずれ量によっては、図2のように、マスク板20の一部
(図2ではマスク板10の右側の内縁部)が基板1上の
遮光膜2の縁部に向き合う状態になることがある。
【0044】そして、従来の成膜方法では、図3および
図4に示したように、金属板からなるマスク板10を用
いているため、このマスク板10が導電性をもってお
り、また基板1上の遮光膜2もCr 等の金属膜からなる
導電体であるし、さらにマスク板が前記遮光膜2に近接
しているため、図4のようにマスク板10の一部が遮光
膜2の縁部と向き合っている状態で導電膜4の成膜を行
なうと、その成膜中に、マスク板10と遮光膜2との互
いに向き合っている部分の間に異常放電が発生し、その
影響により、基板1上へのスパッタ粒子の堆積状態が異
常放電発生部aの付近で乱れて、基板1上に、前記異常
放電発生部aの付近の膜質が劣る不均一な膜質の導電膜
4が成膜されてしまう。
【0045】この点、上記実施例の成膜方法では、マス
ク板20として、金属板からなるマスク板本体21の表
面全体を耐熱性の絶縁膜22で被覆したものを用いてい
るため、基板1とマスク板20との位置合わせ精度の誤
差によりマスク板20の一部が図2のように基板1上の
遮光膜2の縁部と向き合った状態となっても、マスク板
20と遮光膜2との互いに向き合っている部分の間に異
常放電が発生することはなく、したがって、基板1上へ
のスパッタ粒子の堆積状態が異常放電によって乱れるこ
とはないから、基板1上に均一な膜質の導電膜4を成膜
することができる。
【0046】なお、上記対向電極基板1の上に成膜され
た導電膜4はそのまま対向電極とされるが、前記導電膜
4の膜質が均一であれば、前記対向電極の抵抗率および
透明度も均一であり、したがって、この対向電極基板1
を用いて製造された液晶素子は、各画素部の液晶に印加
される電界の強さや光の透過率が均一で、表示むらのな
い良好な表示品質をもっている。
【0047】また、上記成膜方法においては、マスク板
20として、金属板からなるマスク板本体21の表面全
体を耐熱性の絶縁膜22で被覆したものを用いているた
め、このマスク板20の強度は十分であるし、また、こ
のマスク板20は、金属板を打抜き加工してマスク板本
体21を製作しその表面を耐熱性の絶縁膜22で被覆す
るだけで安価に製造することができる。
【0048】なお、上記マスク板20は、上記実施例の
ものに限らず、マスク板本体21の基板1に対向する面
だけを絶縁膜22で被覆したものであってもよく、マス
ク板20の少なくとも基板1に対向する面が絶縁性であ
れば、マスク板20と基板1上の遮光膜2との間に異常
放電が発生することはない。
【0049】ただし、上記異常放電の発生をより確実に
防ぐには、少なくとも、マスク板20の基板1に対向す
る面と内周側の側面(開口20aの周壁面)とに、その
全域にわたって絶縁性をもたせるのが望ましい。
【0050】また、上記実施例では、マスク板20の表
面の絶縁膜(Si O2 膜)22を、マスク板本体21の
表面にシラン系誘起化合物の溶剤を塗布して焼成するこ
とによって形成しているが、この絶縁膜22は、Si O
2 等をスパッタ装置によりマスク板本体21の表面に堆
積させて形成してもよいし、またマスク板本体21の表
面を陽極酸化し、その表面に生成した酸化膜を被覆絶縁
膜としてもよい。
【0051】さらに、上記実施例の成膜方法は、アクテ
ィブマトリックス液晶素子に用いる対向電極基板1の上
に対向電極となる透明導電膜を成膜する方法であるが、
本発明は、種々の基板の所定領域の上に金属膜または透
明導電膜等の導電膜をマスキングスパッタ法によって成
膜するのに適用できるものであり、特に、導電膜を成膜
する基板上に導電体が設けられており、この導電体が導
電膜の成膜面に露出している場合に有効である。
【0052】
【発明の効果】本発明の成膜方法は、基板の導電膜成膜
領域を除く部分をこの基板に近接させて配置したマスク
板でマスクしてマスキングスパッタ法による成膜を行な
うものであるが、前記マスク板として、少なくとも前記
基板に対向する面が絶縁性をもっているものを用いてい
るため、基板上に導電体が設けられており、この導電体
が導電膜の成膜面に露出している場合でも、マスク板と
基板上の導電体との間に異常放電を発生させることなく
均一な膜質の導電膜を成膜することができる。
【0053】また、上記マスク板としては、金属板から
なるマスク板本体の少なくとも上記基板に対向する面を
耐熱性の絶縁膜で被覆したものを用いるのが望ましく、
このマスク板は、その強度が十分であるし、また、金属
板を打抜き加工してマスク板本体を製作しその少なくと
も上記基板に対向する面を耐熱性の絶縁膜で被覆するだ
けで安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による成膜方法を示す、基板
とマスク板との間に位置ずれないときの導電膜の成膜状
態図。
【図2】同じく基板とマスク板との間に位置ずれがある
ときの導電膜の成膜状態図。
【図3】従来の成膜方法を示す、基板とマスク板との間
に位置ずれないときの導電膜の成膜状態図。
【図4】同じく基板とマスク板との間に位置ずれがある
ときの導電膜の成膜状態図。
【符号の説明】
1…基板 2…遮光膜(導電体) 3R,3G,3B…カラーフィルタ 4…導電膜 20…マスク板 21…マスク板本体 22…絶縁膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上の所定の領域にスパッタ装置によっ
    て導電膜を成膜する方法であって、前記基板の導電膜成
    膜領域を除く部分を、この基板に近接させて配置した少
    なくとも前記基板に対向する面が絶縁性をもっているマ
    スク板でマスクして、前記基板上にスパッタ粒子を堆積
    させることを特徴とする導電膜の成膜方法。
  2. 【請求項2】基板上には導電体が設けられており、この
    導電体が導電膜の成膜面に露出していることを特徴とす
    る請求項1に記載の導電膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】基板はアクティブマトリックス液晶素子に
    用いる対向電極基板であり、成膜する導電膜は対向電極
    となる透明導電膜であって、前記基板上には、前記液晶
    素子の各画素部の周囲に対応させて金属膜からなる遮光
    膜が設けられるとともに、その上に、前記各画素部に対
    応するカラーフィルタが設けられており、前記遮光膜の
    前記カラーフィルタで覆われていない部分が導電膜の成
    膜面に露出していることを特徴とする請求項1に記載の
    導電膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】マスク板は、金属板からなるマスク板本体
    の少なくとも基板に対向する面を耐熱性の絶縁膜で被覆
    したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1つに記載の導電膜の成膜方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100977982B1 (ko) * 2003-09-17 2010-08-24 엘지디스플레이 주식회사 액정표시장치용 어레이기판 제조장치 및 그 제조방법
JP2014019891A (ja) * 2012-07-17 2014-02-03 Ulvac Japan Ltd 誘電体膜の形成方法、薄膜二次電池の製造方法、及び、誘電体膜の形成装置
JP2014214367A (ja) * 2013-04-26 2014-11-17 コニカミノルタ株式会社 プラズマcvd成膜用マスク、プラズマcvd成膜方法、及び有機エレクトロルミネッセンス素子
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