JPH07265868A - 水処理剤インシステム濃度の監視と投与量の調節方法 - Google Patents

水処理剤インシステム濃度の監視と投与量の調節方法

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JPH07265868A
JPH07265868A JP7071792A JP7179295A JPH07265868A JP H07265868 A JPH07265868 A JP H07265868A JP 7071792 A JP7071792 A JP 7071792A JP 7179295 A JP7179295 A JP 7179295A JP H07265868 A JPH07265868 A JP H07265868A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 濃度変動に応答した現地で連続的に行うこと
ができる工業的水系の中の水処理剤のインシステム濃度
の調節方法を提供する。 【構成】 水処理剤供給の消費濃度応答性の調節方法で
あって、工業的流体系より水処理剤を含む流体サンプル
を取り出し、そのサンプルに、初期薬剤と実質的に非蛍
光性の水処理剤の組み合わせを含む濃度指示剤を生成す
るに有効な量で初期薬剤を加え、そのサンプルの蛍光分
析によって濃度指示剤を監視し、水処理剤のインシステ
ム濃度に関係づけることができる少なくとも1種の蛍光
発光値を測定し、蛍光発光値と水処理剤のインシステム
濃度を関係づけ、水処理剤のインシステム濃度に基づ
き、流体系への水処理剤の供給を調節する。好ましく
は、水処理剤のインシステム濃度に対する前記蛍光発光
値の関係が、初期薬剤の蛍光特性と濃度指示剤の蛍光特
性との間の違いによって確立する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水処理剤のインシステ
ム濃度及び/又は系の運転の調節に関するものであり、
具体的には、水処理剤を使用する系の水処理剤及び/又
は運転の効率を高めるため、処理プログラムの1以上の
成分を分析することにより、冷却水系、ボイラー水系、
水の再生/清水化系、製造プロセスの水系、その他のよ
うな工業的水系の中の水処理剤のインシステム濃度及び
/又は系の運転状態を調節する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
工業的水系中の水処理剤の濃度は、系の水の中の水処理
剤濃度及び/又は水処理剤が標的にする種(標的種)の
濃度又は目的状態を間欠的に測定することによって調節
される。系の水の中の水処理剤(複数でもよい)の濃度
の測定、及び応答するインシステム濃度の調節は、例え
ば1回の交替(交替は通常は約8〜12時間の系の運転
時間を担当)あたり1〜2回、又は数日間につき1回の
たまたま採取したサンプルのみに基づいて行われるのが
通常である。
【0003】従来の水系中の水処理剤の濃度測定法は、
やや煩雑及び/又は時間がかかり、及び/又は単なる推
定及び/又は不確かな結果(作業者の実験技術に依存)
を提出するのが一般である。一般に、系の運転状態の変
化と系の投与量を補償する間に長時間の遅れがある。水
処理剤についての分析は、従来は旧式(湿式化学的)な
方法が一般に使用され、場合により水流量計及び/又は
導電率の測定を併用する。系から水サンプルを採取し、
湿式化学的方法により行う。従来の湿式化学的試験法
は、問題の種(specie)と反応する薬剤を手作業で水に添
加する又は滴定し、分光分析を用いて測定できる濁った
又は着色した溶液を生成する過程を含む。濁度又は着色
強度は問題の種の濃度に比例する。例えば、ホスフェー
ト濃度を分光分析(比色)法によって測定する。パイロ
ホスフェートと有機燐化合物の濃度は、温浸(戻り)過
程の後に同様な分光分析法を用いて測定される。
【0004】水処理剤の濃度を測定するための通常の分
析法の多くは、水サンプル中の他の物質から妨害を受け
やすく、或る場合には分析法がなく、及び/又は色の変
化のような肉眼観察のように主観的である。例えば、オ
ルトホスフェートの比色分析は一般に使用される方法で
あるが、濁度の妨害を受けやすい。従来のマニュアル
(掴みサンプル)の分析法をより正確に行うためには、
より長時間を要することが多い。フィードバック情報が
サンプリングから数日後であり、このため投与量調節の
応答を決めるためにそのデータが殆ど価値がないことが
ある。さらに、水処理剤の濃度は、経時的に変化するこ
とが多い。
【0005】水処理剤のインシステム濃度の推定と、目
標のインシステム濃度に合わせるための次の水処理剤供
給の調節は、運転パラメーターのその他の不正確な評価
のためにさらに複雑である。工業的水系への水処理剤の
供給速度、及び/又は水処理剤のインシステム濃度に影
響する他の運転パラメーターは、正確又は精密な測定を
無意味にすることがある。供給装置及び/又はラインの
読み及び/又は設定は、問題なく信頼できることは殆ど
ない。水処理剤の濃度の変動は、他の物質を系に供給し
たときの希釈、蒸発による濃縮、スチーム発生又は他の
操作、系からの流体の不測の損失、その他のような種々
の系の条件に由来し、そのようなパラメーターの一部は
正確に分からないことがある。
【0006】系に渡された水処理剤の質量又は体積の正
確な指示が入手でき、水処理剤の正確な残存濃度が入手
できても、その残存濃度の測定が掴み又は間欠的なサン
プルに基づいておれば、水処理剤の系の消費についての
外挿は、いずれも部分的で旧い情報に基づくものであ
る。インシステム濃度の変化は、水処理剤と系の性能に
顕著な影響を及ぼすまで検出されないことがある。イン
システム濃度の調節は、その少なくとも一部は活性剤の
性能が変化した後の応答であろう。系の消費の変化の検
出が遅れた場合、処理剤のインシステム濃度の応答する
調節は不可避的に遅れ、系の性能が悪化することがあ
る。インシステム濃度の応答する調節が遅い場合、処理
剤の系の消費が変化した時間と、処理剤のインシステム
濃度を調節及び/又は系の運転パラメーター(例、アル
カリ性度)を調節する時間までに、ある程度の水処理剤
の供給過剰又は供給不足が常に生じているであろう。
【0007】工業的水系プラントにおいて、推定の変動
する間欠的な部分的又は旧いデータ(例えば、本質的に
応答の長い遅れ時間を有するデータや、導電率の測定の
ように非選択的なデータ)は、水処理剤供給速度の全て
の濃度変動応答調節の感度を大きく低下させ、及び/又
は水処理剤の供給速度を適切に補償するためのインシス
テム濃度変化に追従する能力を大きく低下させる。
【0008】また、水処理剤のインシステム濃度を調節
するための従来の方法は、その他の運転パラメーターの
不正確な評価のためにさらに複雑になる。水処理剤を工
業的水系に供給する及び/又は取り出す速度、及び/又
は水処理剤のインシステム濃度に影響を与える他の運転
パラメーターは、不活性トレーサーと選択的な分析法を
使用しなければ、正確な測定が不可能なことがある。供
給やブローダウンの装置及び/又はラインの読み及び/
又は設定は、信頼性に問題がないことは殆どなく、ブロ
ーダウンや補給の多数の源及び/又はそれら水サンプル
の組成変化によって複雑になることが多い。標的種と水
処理剤の濃度変化は種々の系の条件から生じ、例えば他
の物質が系に供給されたときの希釈、蒸発等による濃
縮、系からの流体の不測の損失等であり、これらパラメ
ーターの一部は正確に知ることができない。一般に、全
ての水源の出入り、全ての水処理剤源の出入りは、不活
性トレーサーと選択的な分析法を使用しなければ正確か
つ連続的に知ることができない。
【0009】水処理剤インシステム濃度の感度のよい選
択的で迅速な濃度変動応答調節は、殆ど全ての工業的水
系をより効率的にするであろう。水処理剤インシステム
濃度の感度のよい迅速な消費応答調節は、殆ど全ての工
業的水系をより効率的にするであろう。水処理剤の過剰
供給は不必要にコストがかかり、場合により系から排出
される排水のリサイクルの可能性を減じることがあり、
場合により系の性能を損なうことがある。水処理剤の供
給不足は殆ど不可避的に系の性能を減じ、供給不足の水
処理剤とその標的種のアンバランスは、水処理剤によっ
て対処すべき有害な作用の程度を大きくさせることにな
る。或る水系においては、系に供給される水処理剤の濃
度と、系の水の状態及び/又は標的種のアンバランス
は、系の効率を厳しく減じることがある。例えば、水処
理剤濃度のアンバランスは、温度調節性能(例、熱交
換)、熱移動性能(例、スチーム発生)、又は水系が利
用されるプロセスの性能を減じることがある。
【0010】本発明の目的は、その場で非常に短時間に
行うことができる、水系への1種以上の水処理剤のイン
システム濃度の調節方法又はプロセスを提供することで
ある。本発明の目的は、濃度変動に応答した、その場で
好ましくは連続的に行うことができる、工業的水系の中
の水処理剤のインシステム濃度の調節方法又はシステム
を提供することである。本発明の目的は、系の消費に応
答した、その場で好ましくは連続的に行うことができ
る、工業的水系の中の水処理剤のインシステム濃度の調
節方法又はシステムを提供することである。本発明の目
的は、工業的水系において、その場で非常に短時間に好
ましくは連続的に行うことができる、1種以上の水処理
剤の1種以上の監視方法を提供することである。本発明
の目的は、工業的水系において、水系の中の水処理剤の
インシステム濃度の少なくとも1種を監視し、併せて水
処理剤の系の消費を監視を行い、その場で好ましくは連
続的に行うことができる、インシステム濃度の感度の高
い調節を提供することである。本発明のこれら及びこの
他の目的は以降の説明に記載する。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】本発明は、
水処理剤インシステム濃度及び/又は系の運転パラメー
ターの濃度変動の応答管理(調節又は制御)を提供する
ものであり、例えば水処理剤供給を調節することにより
行い、蛍光分析によるインシステムの水処理剤濃度指示
剤の監視を含む。本発明は、実質的に非蛍光性の少なく
とも1種の水処理剤の供給速度の調節方法を提供し、そ
の水処理剤のインシステム濃度値を基にし、初期薬剤と
水処理剤の組み合わせである少なくとも1種のインシス
テム水処理剤濃度指示剤(濃度指示剤)の蛍光特性の監
視を含む。水処理剤は、水処理剤のインシステム濃度値
に関係することができる蛍光特性を有するインシステム
水処理剤濃度指示剤を生成するに適当な薬剤と組み合わ
せることができる任意の水処理剤であってよい。蛍光特
性は、少なくとも1種の蛍光分析法によって好ましくは
連続的に監視し、その監視の結果はその水処理剤の供給
速度の調節に関係づけられる。
【0012】好ましい態様において、水処理剤の系の消
費は、水処理剤に比例して系に添加する不活性トレーサ
ーの濃度を監視することよっても監視される。水処理剤
の系の消費は、次の式から求めることができる: C1 − C2 = SC ここでC1 は、関係の不活性トレーサー(水処理剤に既
知の割合で添加)の濃度に関連づけて求められた系に添
加した水処理剤濃度、C2 は濃度指示剤を監視すること
によって求めた水処理剤の測定濃度、SCは水処理剤の
系の消費、言い換えれば、不活性トレーサーのインシス
テム濃度に影響されない、水処理剤のインシステム濃度
への選択的な影響である。
【0013】より好ましくは、このような不活性トレー
サーは蛍光分析により、例えば水処理剤に対して既知の
割合で不活性トレーサーを添加した処理用配合物を用
い、そのトレーサーの系の中でのレベルを測定すること
によって監視する。好ましい態様において、本発明は、
不活性トレーサーの監視をさらに含み、以降に詳細に説
明するように、水処理剤指示剤の監視と併用して水処理
剤の系の消費を測定するために使用する。
【0014】さらに好ましい態様において、水処理剤イ
ンシステム濃度に対する全ての調節効果を、好ましくは
系の消費の連続監視と組み合わせたインシステム水処理
剤濃度指示剤の連続監視によって追跡する。他の好まし
い態様において、系の消費の読みを系の性能の測定又は
系の性能の問題解決のために使用する。水系の水の中の
溶質としての水処理剤の濃度は、種々多様なメカニズム
によって変動することがあり、その1種以上が所与の時
点で生じることがある。水処理剤を含む堆積が生成した
とき、水処理剤が金属腐食によって消費されたとき、水
処理剤が系の中で分解したとき、及び同様な水処理剤消
費現象が発生したときに水処理剤濃度は減るであろう。
また、水処理剤濃度は、水処理剤を含む流体が系から出
ていき、水処理剤濃度が低い流体に置換されたときに減
少する。水処理剤を含む堆積が溶解したとき、水処理剤
濃度の低い流体が例えば蒸発、スチーム発生等のメカニ
ズムによって系を出たとき、水処理剤の放出又は水処理
剤濃縮減少が生じたとき、水処理剤濃度は増加するであ
ろう。複数の水処理剤濃度の増加現象及び/又は水処理
剤濃度の減少現象が同時に発生することもある。
【0015】水処理剤を増やすメカニズムは、当然なが
ら、水系への水処理剤の意図的な供給である。前記のよ
うに、一般的な工業的添加剤供給機構の制御(マニュア
ル制御又は間接分析法に基づく)は、高度な精密さで水
処理剤を添加することは殆どない。インシステム濃度へ
の供給速度の効果のより正確な測定は、水処理剤に対し
て既知の割合で水系にトレーサーを添加した場合に行う
ことができ、これについては以降でより詳しく説明す
る。
【0016】或る場合において、主な濃度増加と濃度減
少現象(水処理剤供給、水のブローダウン、水の補給等
のような標準的な形の制御以外)は、それぞれ水処理剤
含有堆積物の生成と溶解である。水処理剤含有堆積物の
生成と溶解は、今度は水処理剤プログラムの性能に直接
関係することがある。水処理剤プログラムの第1の目標
が、水系の中の堆積及び/又は腐食を抑制することであ
る場合がある。そのような場合、水処理剤の系の要求の
監視に基づく水処理剤インシステム濃度の本発明による
調節は、水処理プログラム性能に基づく水処理剤インシ
ステム濃度の調節でもある。このような場合は本発明の
好ましい態様である。水処理剤インシステム濃度の調節
が水処理プログラム性能に基づく場合、水処理剤濃度の
調節は、処理プログラムの濃度調節に広げることができ
る。その監視は1種以上の水処理剤の不足又は過剰を測
定することができるが、次にそれは複数の水処理剤の不
足や過剰の量の尺度や、さらには全体のマルチ水処理剤
処理プログラムの尺度であることができる。
【0017】本発明は、工業的水系の水サンプル中の水
処理剤濃度指示剤を監視することにより、水系の水の中
の少なくとも1種の水処理剤の濃度を測定することを含
む。本願における用語「監視」は、他に明記がない限
り、水系から採取したサンプル中の水処理剤インシステ
ム濃度指示剤及び/又は不活性トレーサーの少なくとも
1種の蛍光特性の測定、及び水処理剤及び/又はトレー
サーのインシステム濃度と同一視することができる値に
その特性を関連づけることを意味する。本願における用
語「調節」は、他に明記がない限り、水系の中の水処理
剤濃度の少なくとも一部を決める水系への水処理剤の供
給速度(フィードホワード、フィードバック)のような
系の制御手段の設定及び/又は調節を意味する。このよ
うな監視及び/又は調節は、バッチ的、間欠的、半連続
的、又は連続的に行うことができ、好ましくは少なくと
も監視は、より好ましくは監視と調節の両方を、現場
(工業的水系プラントの場所)で実質的に連続的に行
う。
【0018】本発明は、インシステム水処理剤濃度指示
剤のみの監視又は関連の不活性トレーサーの監視を併用
して得られる情報を用い、水処理剤のインシステム濃度
又はその系の消費に基づいて少なくとも1種の水処理剤
インシステム濃度を調節することを含む。水処理剤イン
システム濃度は、本発明の方法によって、推定の断片的
な過去のデータではなく、水処理剤インシステム濃度又
は系の消費のその時点の値に基づいて調節される。本発
明は、補給水又は他の添加物質と共に系に導入される標
的種、多数の流れの混合、汚染、系の間の漏れ、系から
の漏れ、希釈や濃縮、既知又は未知の源からの水処理剤
の水中への開放、既知又は未知のメカニズムによる水か
らの水処理剤の損失、その他のような水処理剤濃度と系
の消費への影響の大きさを追跡する方法、又は定量する
必要を不要にする方法と考えることができる。
【0019】インシステム濃度の変化は、例えばpH、
水温、熱交換の表面温度、熱束、イオンのような多数の
運転条件によって生じることがある。水処理剤の工業的
水系に入る及び/又は出る及び/又は発生する速度は、
完全に予測又は制御することができない。工業的水系
は、物質の取得及び/又は損失及び/又は化学的転化に
ついて未知の源を有するのが普通である。水処理剤濃度
の最適な監視は、他のパラメーターに基づいて濃度変化
を推定しようとすることではなく、水系の中の濃度を定
量することである。本発明の方法は、1種以上の蛍光分
析法を用い、関係づけることができるインシステム水処
理剤濃度指示剤の値から1種以上のインシステム水処理
剤濃度を求めることができる。
【0020】本発明は、従来の水処理剤残存レベルの測
定に左右されない、濃度変動及び/又は系の消費の応答
調節を提供し、広い態様において、追跡の(traced)水処
理剤供給の使用にも依存しない。本発明の目的に関し
て、所与の水処理剤についての適当なインシステム濃度
指示剤は、水処理剤のインシステム濃度に比例する、又
は逆比例する、又は水処理剤のインシステム濃度に変換
できる蛍光特性を有する指示剤である。水処理剤は、イ
ンシステム水処理剤濃度指示剤を生成する薬剤(初期又
は当初の薬剤)と相互作用する。初期薬剤と併用した水
処理剤は、選択の蛍光分析法により監視される蛍光特性
を有するインシステム水処理剤濃度指示剤を形成し、又
はその分析方法が、インシステム水処理剤濃度指示剤に
対する適合性に基づいて選択される。
【0021】蛍光特性を示す物質は発蛍光団と称され
る。発蛍光団は一般に芳香族有機化合物及び/又は錯体
である。多くの無機化合物やイオンは、それ自身では蛍
光特性を有しない。多くの有機化合物は非蛍光性であ
り、又は低い水処理剤濃度で存在したときに蛍光分析に
よって定量できない僅かの蛍光強度を有する。本発明に
とって、非蛍光性及び低濃度で存在したときに蛍光分析
によって定量できない僅かの蛍光強度を有する物質は、
本願では実質的に非蛍光性とみなされる。ここで、適当
な発蛍光団又は発蛍光団前駆体との組み合わせによっ
て、実質的に非蛍光の水処理剤濃度を蛍光分析法によっ
て測定することができる。実質的に非蛍光性の水処理剤
は、所与の実質的に非蛍光性の水処理剤と初期又は最初
の薬剤との組み合わせによって生じた有効な又は生成薬
剤(インシステム水処理剤濃度指示剤又は濃度指示剤)
の成分と考えることができる。初期薬剤はそれ自身が蛍
光性であることがあり、そうでないこともある。生成薬
剤は蛍光性であることがあり、そうでないこともある。
(例えば、指示剤の蛍光特性が、生成薬剤の生成の後の
初期薬剤の蛍光の低下であることができる。)初期薬剤
と生成薬剤の両方がそれ自身で蛍光性の場合、場合によ
り励起及び/又は発光波長の選択を含む蛍光分析法が、
残存する初期薬剤と生成薬剤との干渉を避ける又は少な
くとも最小限にするために選択される。実質的に非蛍光
性の水処理剤と初期薬剤の各種の組み合わせの例、その
インシステム濃度指示剤についての適当な蛍光分析の選
択は、以降でより詳しく説明する。
【0022】一般的な例として、冷却水や他の工業的水
系に普通に使用され、本発明の方法による少なくとも1
種の蛍光分析法による定量を行い易い実質的に非蛍光性
の水処理剤には、限定されるものではないが、亜鉛、オ
ルトホスフェート、縮合無機ホスフェート、ホスホネー
ト(有機燐含有化合物)、モリブデン酸塩、ホウ素、非
酸化性殺生剤、界面活性剤、アルカリ性度、その他があ
る。一般的な例として、ボイラー水や他の工業的水系に
一般に使用され、本発明の方法による少なくとも1種の
蛍光分析法による定量を行い易い実質的に非蛍光性の水
処理剤には、限定されるものではないが、中和用アミ
ン、酸素捕獲剤、有機ポリマー、キレート剤(chelant)
、ホスフェート、ナトリウム、その他がある。これら
及びこの他の実質的に非蛍光性の水処理剤は、場合によ
り個々に使用してもよいが、通常はマルチ化学種水処理
プログラムにおいて他の化学種と併用される。
【0023】本発明の方法は、単独で又はその系の要求
と共に、水処理剤のインシステム濃度の全ての変化の度
合いの正確な測定を提供し、全ての供給速度の補償又は
行った他のインシステム濃度調節の効果の正確な測定を
提供する。この情報は、より正確で効率的な応答濃度調
節を可能にするだけでなく、水処理剤の消費速度の異常
な変化のきっかけとなる水系の混乱への警報を提供す
る。水処理剤濃度指示剤の監視によって得られる情報
は、水処理剤の濃度及び/又は系の消費に関連する全て
の系の運転パラメーターにとって非常に重要である。
【0024】本発明を適用することができる工業的水系
は、少なくとも1種の水処理剤を使用する任意の工業的
水系であり、限定されるものではないが、温度調節用水
系(水が熱及び/又はエネルギーの移動媒体として使用
される)、原水の流れ及び/又は補給水の浄水化系、廃
棄物及び/又は排水を浄化する水系、固体(懸濁及び/
又は溶質)を液体から分離する水系(例、膜分離プロセ
スの水系)、各種製造プロセス、特には化学工業製造プ
ロセス、パルプ製紙工業、製鉄工業、金属加工業、食品
加工業、採鉱業、自動車工業、織物工業の水系、ユーテ
ィリティ、化学的処理業、塗装業、アルミネートの精錬
のような精錬工業、その他がある。
【0025】工業的水系は、少なくとも約60重量%の
水を含み、残りは固体(懸濁及び/又は溶解)及び/又
は非水系流体の流体系であることが多く、通常は静的で
はなく、流れている。好ましい態様において、本発明の
工業的水系は、少なくとも約65〜70重量%の水を含
み、残りは固体(懸濁及び/又は溶解)及び/又は非水
系流体の流体系である工業的な系であり、好ましくは静
的ではなく、流れている。
【0026】ここで本発明は、広い態様において、工業
的水系に限定されず、非水流体系にも適用可能である。
実質的な非水流体系に水処理剤を使用する場合がある。
例えば、製油業の一部の炭化水素の流れに中和用アミン
が使用される。そのような炭化水素の流れの中で本発明
の目的のため、即ち処理剤投与量の調節のために中和用
アミン及び/又は他の水処理剤の濃度を監視することは
非常に有益であろう。本発明の方法は、流体の非水部分
から生じる蛍光分析への全ての潜在的妨害を避けること
ができるなら、水系と同じ仕方で水系/非水流体系の混
合系や非水流体系に適用することができる。本発明は、
簡便性のために水系に最も容易に広く適用できると考え
られるが、本願で水系に関して説明していることは、本
発明の限定のためではない。
【0027】或る水系は正確なインシステム濃度の計算
のために複数の水処理剤を使用し、それらを系の要求及
び/又は系の消費と組み合わせ、系の効率を改良できる
ことがある。このような複数の水処理剤についての濃度
及び/又は系の要求及び/又は系の消費は、その各々を
水処理剤のインシステム濃度に既知の割合で異なる水処
理剤に関係づけることができる複数の水処理剤指示剤を
定量することによって測定することができる。
【0028】1種の水処理剤が複数の系の消費条件に供
されることがあり、本発明の系の消費の測定はサンプリ
ング箇所における水処理剤の正味の系の消費である。正
味の系の消費における任意の箇所での特定の変化は、同
じ又は異なる水処理剤濃度指示剤を用いて複数の箇所で
水処理剤を定量することにより求めることができる。よ
り詳しくは、或る水系は、各々の領域で1種の水処理剤
が別個の領域固有の系の消費に遭遇する複数の領域を有
することがある。このような領域は連続して又は並列に
位置することがあり、又は水系が、或る領域に入る又は
或る領域から出る複数の流れを有することがある。本発
明は、別々な系の消費が測定されるべき各々の水系領域
において、水処理剤濃度指示剤と不活性トレーサーが監
視されるのであれば、これらの任意の条件又は条件の組
み合わせに使用することができる。
【0029】これら水系の水中の固体及び/又は溶質
は、実質的に又は主として有機物でよく、又は実質的に
又は主として無機物でよく、又は有機物と無機物の両者
の混合物でよい。本発明の方法は一般に、例えば40%
以上の固体充填率のような高い固体充填率を有する工業
的水系には適用できないであろう。水系は、溶解した固
体又は溶解したガスを含むことができ、又はスラリーで
あってもよく(希薄又は濃厚)、溶解した固体及び/又
はガスを含むスラリーであってもよい。また、水系は水
以外の液体を含んでもよく、その液体は水と相溶性又は
非相溶性であってよい。
【0030】冷却水系とボイラー水系に通常使用される
水処理剤は先に簡単に記したが、冷却水とボイラー水系
は、本発明を適用するに好ましい。これらは非常に動的
な水系であり、本発明の利益についてかなりの必要性が
ある。ここで、本発明は、前記のような各種の工業的水
系に適用可能である。これら水系のいくつかの特徴を次
により詳しく説明するが、例示のためであって本発明を
限定するものではない。 〔冷却水系〕大きい熱容量のため、水は、ユーティリテ
ィを含む各種の工場の生成物又はプロセスを冷やす好ま
しい熱移動媒体である。基本的な冷却装置の設計は、1
回通過系、閉鎖循環系(非蒸発)、開放循環系(蒸発)
である。多数の冷却タワーは水を再循環し、水の蒸発に
よって熱を放出することが多く、このため水源に出入り
する水が減る。新しい冷却系は環境とコストに有利なよ
うに設計するが、このことは腐食、スケーリング、汚
れ、その他の堆積の増加による冷却系の中の水の化学的
問題を生じさせる。
【0031】冷却水は一般に熱源に直接接触することは
ない。冷却水と冷却している生成物/プロセスは通常は
両方とも流体であり、通常は金属又は金属合金である良
好な熱伝導体のバリヤによって隔てられる。バリヤは熱
交換面と称され、収納容器の中のバリヤのアセンブリー
は熱交換器と称される。冷却水系又は他の殆どの工業的
水系において、腐食は早過ぎる金属の損傷を生じさせる
ことがある。腐食生成物の堆積は熱交換と流速の両方を
低下させ、熱交換表面と装置の保全性を低下させる。温
度が上昇又は下降すると不溶性になる化合物(例、Ca
CO3 は高温で溶解性が低く、SiO2 は低温で低い)
又は条件の変化(例、pH、アルカリ性度)によって沈
殿が生じる。スケールや堆積は熱交換を妨げ、流れを減
らす。汚れは懸濁固体の沈降、腐食生成物の蓄積、微生
物の成長によって発生する。汚れは熱交換や流体の流れ
を妨げるだけでなく、堆積物の下の厳しい腐食を促進す
る。
【0032】冷却水は、一般に、例えばプロセス流体よ
りも成分濃度がかなり低いが、それにもかかわらず補給
水によって大きく変化することがある。流体の源、使用
する処理プログラム、系の中の流体の濃度比は、成分の
タイプとその濃度を決める主な要因である。水源から採
取したときに冷却水に存在する溶質にはカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、硫酸塩イオン、珪酸塩イオ
ン、アルカリ性度、及び懸濁した無機固体等がある。水
処理プログラムの中の冷却水に導入されることがある溶
質には、亜鉛、モリブデン酸塩、珪酸塩、ポリホスフェ
ート、ポリエステル、ホスホネート、アルカリ性度、天
然有機物、合成有機ポリマー、非酸化性殺生剤、ハロゲ
ンベースの殺生剤、及びオゾンがある。冷却水は、一般
に約6.5〜約9.5のpHを有し、約10000pp
mまでの溶質濃度を有し、約200ppmまでの懸濁、
コロイド状、固体の濃度を普段は有するものと特徴づけ
ることができる。 〔ボイラー水系〕ボイラーは、一般に連続的に熱を与え
ることによって水を蒸発させてスチームにする容器であ
る。発生したスチームは、殆どの場合、直接又は間接の
熱交換媒体として及び/又は電力発生のために使用され
る。高圧及び/又は大容量のボイラーは、一般に水管ボ
イラーであり、水が管の中を循環し、与えた熱(火炎や
高温燃焼ガスのような燃焼生成物)は管の外側から貫通
する。これらの水管の一部が、熱が発生する燃焼が起き
ている炉の壁を構成することがある。
【0033】ボイラー水系は、例えばパルプ製紙業に使
用される回収ボイラーの水系、動力用ボイラー、化学プ
ロセス用ボイラー、及び高圧下で高い放射能汚染レベル
の流体を含むことがある原子力発電用ボイラーを含む。
ボイラーの中の最大不純物濃度を制限するためのボイラ
ー濃縮サイクルの制限は、ボイラーとタービンのメーカ
ー、水処理業者、ボイラーを使用する工業プラントの関
係者によって日常的に設定される。通常は補給水と循環
凝縮水の両者からなるボイラー給水は、ボイラーに供給
する前にその水を処理した程度にかかわらず、若干の不
純物を含む。スチームが発生すると実質的に純粋なH2
Oがボイラーから出ていき、後に不純物が残り(溶解又
は懸濁した固体)、ボイラー水中の不純物濃度を高くす
る。吐き出したスチームは汚染物質を含む給水で置換さ
れる。ボイラー水中に溶解又は懸濁した固体の濃度が次
第に高くなると、非常に重大な問題、例えば堆積の生
成、腐食、発泡、キャリーオーバー、熱交換率の低下、
ボイラー管の吸蔵等が不可避的に生じる。ボイラーの不
純物濃度(ボイラーの固体濃度)は、定常的なブローダ
ウンとしての水の抜き出しと、そのブローダウンを溶解
又は懸濁した固体濃度の低い補給水で置き換えることに
よって埋め合わされる。ここで、定常的なブローダウン
の熱エネルギーは、ボイラーの熱効率を下げる主な要因
であり、したがって固体濃度を制限するに必要なよりも
過剰なブローダウンは通常は嫌がられる。また、過剰な
ブローダウン率は水のコストを不必要に高くする。
【0034】中高圧ボイラーは100000Btu/フ
ィート2 ・時を超える熱交換速度を有し、ボイラーの中
の非常に薄い堆積層の存在でも、金属管の温度の過度の
増加を生じさせることがある。したがって、給水の純度
は非常に高く、給水の中に導入される不純物の許容濃度
は非常に低い。ほぼ一定のスチーム発生要求には、ほぼ
一定の高いボイラーサイクル値がある。
【0035】ボイラー濃縮サイクルの制限とボイラー水
処理プログラムの使用の両者は、他に適当な給水高純度
化プログラムを備えていても、問題のあるスケール生成
/堆積を避けるために一般に必要である。 〔排水系〕一般的な排水系で生成した最終的な部分は、
廃棄物を発生する水系にリサイクルする、別な系にリサ
イクルする、又は投棄することになる。排水処理プラン
トのこれらの生成物は、廃棄物を発生する水系の生成物
と同様な価値を有することは殆どない。したがって、一
般的な排水処理プラントは、含まれる処理剤のコストに
非常に影響され、平均的な温度調節用水系と異なり、そ
の流入液は非常に変化し、その水処理剤供給と調節手段
は、一般的な冷却水プラントよりも感度がはるかに低
い。本発明の方法は、プラントの水処理剤インシステム
濃度の調節にプラントが順向であることを可能にし、著
しく低い水処理剤インシステム濃度の測定が、入水の質
の混乱を運転者に警報することができる。本発明の目的
についての排水及び/又は系は、その手前の系、冷却水
系、ボイラーの流れから放出された水であることが殆ど
である。 〔原水系〕本発明の目的に関して、原水の流れ及び/又
は系は、冷却水系やボイラーの流れのような水系に添加
する又は使用するために調製されている水であり、限定
れさるものではないが、地下水、河川水、その他の地上
水の供給を含む。 〔膜濾過水装置〕半透膜の使用は、工業的水系の改質又
は高純度化のために比較的最近加わった技術である。膜
分離において、駆動力又は複数種の駆動力の組み合わせ
によって流入液が膜を貫通し、後に濃縮物として元の不
純物の或る部分が残る。膜濾過は、懸濁粒子だけでな
く、コロイド、溶質を給水から除去する膜分離プロセス
であり、次により詳しく説明する。
【0036】膜分離の用途を妨げた歴史的な問題に、膜
のスケーリング、膜の汚れ、膜の劣化の問題がある。こ
れらの問題は、従来、膜分離コストを割合に高いままに
し、そのものが商業的に価値のある不純物を除去すると
いった特殊な場合にその用途を制限してきた。膜とその
応用技術の改良により、現在、膜分離は、工業的水系の
原水の高純度化、工業的プロセスの流出液の処理、その
他の排水の処理、及び不潔な水、海水、非水系流体、水
系と非水系流体の混合液の浄化のためのより商業的な技
術となっている。また、膜分離は、膜の汚れの検出及び
/又は定量を含む膜性能評価のための装備、及び膜濾過
用薬剤の投与量及び/又は性能の改良により、工業的用
途へのより現実的な適用、特に原水や排水の浄化に適用
されている。膜分離は、診断用装備をさらに改良するこ
とにより、工業的用途にさらに具体的に使用されるであ
ろう。
【0037】膜濾過系の診断的監視は、運転上の効率と
膜の有効寿命を早めることを避けるために非常に重要で
ある。現在、得られる診断的情報が工業的用途のための
装置の実用性に基本的であると理解され、受け入れられ
てきたため、工業的膜濾過プラントにおいては、何らか
の仕方で診断的監視が日常的に行われている。実際の供
給速度とインシステム濃度を測定するための膜濾過用薬
剤(膜分離プロセスの性能を向上させる水処理剤であ
り、膜のスケール堆積を遅らす/防ぐ抗スケール剤、膜
の汚れを遅らす/防ぐ汚れ防止剤、生物分散剤、殺生剤
のような微生物成長抑制剤、膜の堆積物を除去する洗浄
剤等であり、これらに限定されない)の監視は、装置の
運転効率を大きく向上させ、膜を保護するであろうが、
従来の技術は感度が劣るか時間がかかり、迅速な応答作
用が常に可能ではない。さらに、これらの複数の監視
は、複数の分析法を常に採用することを必要とし、欠く
ことのできない診断的プログラムを複雑にし、その費用
を増加させる。
【0038】本発明は、当然ながら、温度調節用水系、
又は水を高純度化する水系に限定されない。本発明は、
油やガス井戸工業の下がり穴の腐食防止剤のインシステ
ム濃度や系の要求の監視にも適用することができる。本
発明は、鉱石富化用水系に使用する水処理剤のインシス
テム濃度又は系の要求の監視にも適用することができ
る。本発明は、化学的精製用水系に使用する水処理剤の
インシステム濃度又は系の消費の監視に使用することも
できる。
【0039】一般的な水系の水は、次の物理的/化学的
特性範囲によって特徴づけることができる。ここで、本
発明はこのような範囲内の水のみに限定されない。 ・約2〜約12のpH ・約41°F〜約650°Fの温度 ・約0.1ppm〜約1000ppmの濃度の不溶性固
体 ・約10ppm〜約100000ppmの全固体濃度 〔油、ガス、地熱井戸の水系〕多くの油、ガス、地熱井
戸は、金属表面と接触する大規模な水系を使用する。こ
のような金属表面、特に下降穴に使用された金属は、厳
しい潜在的な水化学の問題を有し、限定されるものでは
ないが、潜在的な腐食とスケーリングの問題がある。こ
れらの問題に対処するために使用される水処理プログラ
ムは、そこで使用される水処理剤の即刻のインシステム
濃度又は系の消費を監視する高感度の方法により、大き
く改良されるであろう。
【0040】本発明の重要な長所は、水処理剤そのもの
よりも水処理剤濃度指示剤を監視することにより、水処
理剤が実質的に非蛍光系の種(specie)であっても、蛍光
分析によって監視が可能なことである。さらに、本発明
は、蛍光分析についてそれ自身で充分に蛍光性である水
処理剤にも有用であるが、水サンプルの直接の蛍光分析
は、所与の水系の中の蛍光干渉によって妨害される。そ
のような場合、水処理剤は、系に特有な実質的に非蛍光
性の特性を有することになろう。
【0041】好ましい態様において、少なくとも1種の
水処理剤のゼロ消費濃度もまた監視し、より好ましくは
蛍光分析によって行い、例えば、水処理剤に対して既知
の割合で不活性トレーサーを添加した処理剤配合物又は
補給水のような「追跡処理剤」を用いる。系の中でのこ
のようなトレーサーのレベルの監視は、系の中の処理剤
のゼロ消費濃度を決める。処理剤に比例して系に添加し
た不活性トレーサーの濃度は、処理剤の濃度に選択的な
影響が全くない場合の処理剤の理論濃度に比例する。殆
ど全ての水処理剤は、それに選択的な何らかのタイプの
消費を系の中で受け、即ち、処理剤の濃度を変化させる
が不活性トレーサーの濃度には影響を有しないメカニズ
ムによる消費を受ける。任意の箇所と時間における水系
の中の水処理剤の実際の濃度は、単位時間あたり添加さ
れる量と、単位時間あたり選択的及び非選択的に消費
(損失)される量の関数である。水処理剤と関連の不活
性トレーサーの両方のインシステム濃度が分かると、水
処理剤について系の消費が計算できる。
【0042】水処理剤に比例して系に添加した不活性ト
レーサーの濃度は、水処理剤のインシステム濃度を調節
する系の制御の全ての調節、特に複数の調節を同時に行
ったときの全ての影響の尺度でもある。例えば、目標が
水処理剤の濃度の20%(又はそれ以下)の低下であ
り、選択の調節が同時の清水の置換と水処理剤の供給を
伴う系からのブローダウンの一時的な増加である場合、
不活性トレーサーの監視は、目標が希釈メカニズムに合
致したときを明らかにするであろうが、時間間隔の中で
のその濃度への全ての処理剤の選択的影響を明らかにす
ることでは勿論ない。インシステム濃度への非選択的影
響の複雑さが増すにつれ、それらの正味の効果を追跡す
る不活性トレーサーの使用がより効果的になる。しか
し、割合に簡単な調節を行うときや定量データを測定し
ない場合でも、不活性トレーサーの補足的な監視が非常
に有益なことがある。例えば、水処理剤指示剤の監視
が、水処理剤のインシステム濃度の増加が必要であると
指示している場合、系の中のトレーサーの監視を、調節
の前及び/又は後に水処理剤のインシステム濃度を定量
せずに、水処理剤のゼロ消費インシステム濃度の上方調
節がなされたかを確認するために使用することができ
る。
【0043】追跡の水処理剤配合物又は補給水の不活性
トレーサーの「供給速度」の監視は、場合により好まし
い付加的な方法であり、例えば配合物及び/又は水を系
に入れる箇所の供給ラインの上流のトレーサー濃度を監
視することにより行う。このような「供給速度」の監視
は、不活性トレーサーを供給ラインの中で監視するとき
に、系に添加している水処理剤の実際の量をより正確に
測定するために用いる。本発明のインシステム濃度の調
節は、水系への供給入口の上流又は下流でトレーサー
(複数でもよい)の監視により提供される少なくとも一
部の情報と、水処理剤供給中のトレーサー(複数でもよ
い)の濃度に関して利用できる少なくとも一部の情報を
併用することができる。
【0044】水処理剤インシステム濃度の調節は、1種
以上の不活性トレーサーの監視に基づく多数の測定値の
任意のものを含めることができ、それらの値は相対値、
実質的な定量値、又はおよその定量値でよい。水系に供
給するときのトレーサーと活性水処理剤との比は、その
比が一定であれば分かっている必要はなく、或いは所望
の期間にわたって監視に関する充分な情報が得られれ
ば、その比は変化してもよい。インシステム水処理剤濃
度指示剤の蛍光特性を定量するため、種々の蛍光分析法
を単独で又は併用して使用することができる。そのよう
な蛍光分析法は、限定されるものではないが、次の特性
を測定及び/又は評価する方法を含む。
【0045】1.蛍光の出現又は消失 2.蛍光の励起及び/又は発光波長のシフト 3.蛍光の消光又は消光の解除(特定の物質による) 4.特定の吸光の変化に基づく蛍光の変化(増加又は減
少) 5.蛍光の充分に分かった温度依存性 6.蛍光の充分に分かったpH依存性又は他の水状態依
存性 7.場合により、上記の1〜4の方法の効果を見るため
の温度依存性及び/又はpH依存性の外挿 〔蛍光発光分光分析〕蛍光発光分光分析による特定の物
質の検出と定量は、発光した光の量と存在する蛍光物質
の量との比例関係を基礎にする。紫外線や可視光を含む
光の形態のエネルギーをサンプルセルに導くと、その中
の蛍光物質がエネルギーを吸収し、次いで吸収した光よ
り長い波長を有する光としてそのエネルギーを放出する
ことができる。蛍光性分子は光子を吸収し、電子を基底
状態から励起状態に持ち上げる。電子の励起状態が、高
いエネルギーの振動励起状態から低いエネルギーの振動
励起状態に落下すると、エネルギーは熱の形態で失われ
る。電子が基底電子状態に落下すると、熱エネルギーの
損失により、吸収したよりも低いエネルギー、即ち吸収
したよりも長い波長の光を放出する。放出した光の量は
光検出器で測定される。具体的には、透過した光が既知
の波長となるように光学フィルターを通してサンプルセ
ルの中に光を導き、この既知の波長は励起波長と称し、
一般にナノメートル(nm)の単位で表す。サンプルセ
ルは、選択の分析方法に対応し、分析物の蛍光応答を最
適化するように設計される。発光は同様にフィルターを
通してスクリーニングされ、既知の波長又は波長スペク
トルで発光の量を測定するようにし、その波長は発光波
長と称され、同じくナノメートルで表す。低濃度で特定
物質又は物質種の蛍光強度を測定することが望まれる又
は必要な場合、そのような場合は本発明について多くあ
るが、フィルターを特定の励起波長と発光波長の組み合
わせについて設定し、実質的に最適な低レベルの測定に
なるよう選択する。
【0046】概して、インシステム水処理剤濃度指示剤
又は関連の不活性トレーサー(水処理剤供給の蛍光トレ
ーサー)の濃度は、同じ励起波長/発光波長の設定につ
いて、サンプルの発光強度を、所与のインシステム水処
理剤濃度指示剤又はトレーサー濃度と発光との検量線に
対比することによって求めることができる。このような
検出した光を等価な濃度に変換することによる濃度対比
法は、線形発光応答が観察される濃度範囲の中にある濃
度指示剤(次にインシステム水処理剤濃度なる)又はト
レーサーの濃度を測定するようにして用い、この濃度範
囲を本願で「線形発光応答濃度範囲」と称す。線形発光
応答濃度範囲は、特定のインシステム水処理剤濃度指示
剤又はトレーサー、採用する励起波長/発光波長の設定
にある程度依存する。所与のインシステム水処理剤濃度
指示剤又はトレーサーの線形発光応答濃度範囲より高い
インシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーの濃度
であると、理想(線形)挙動からの負の偏りがあり、線
形の外挿から予想されるよりも所与の濃度の発光の程度
が少ない。そのような場合、インシステム水処理剤濃度
指示剤又はトレーサーの濃度が線形発光応答濃度範囲の
中に収まるまで、既知の係数によってサンプルを希釈す
ることができる。濃度が線形発光応答濃度範囲よりも高
い場合、この他に二通りの補正法を利用することができ
る。線形発光応答濃度範囲は、用いる励起波長/発光波
長の設定にある程度依存するため、別な励起波長/発光
波長の設定を使用することができる。また、励起/発光
の光の短い経路のサンプルセルを使用によって修正又は
問題の回避になることがある。サンプル中にインシステ
ム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーが著しく低い濃度
でのみ存在する場合、その濃度が線形発光応答濃度範囲
の中に入るまで既知の係数でインシステム水処理剤濃度
指示剤又はトレーサーを濃縮する方法もあり、あるいは
その他に液体−液体抽出により容易に測定できることも
ある。それはそれとして、所与のインシステム水処理剤
濃度指示剤又はトレーサーを採用する前に、線形発光応
答濃度範囲の全体で検量線を調製又は作成することが好
ましい。好ましくは、インシステム水処理剤濃度指示剤
又はトレーサーは、線形発光応答濃度範囲の中に入るに
充分な量で水処理剤供給にそれぞれ添加又は選択する。
一般に、インシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサ
ーの線形発光応答濃度範囲は、インシステム水処理剤濃
度指示剤又はトレーサーの量を容易に測定するに充分広
く、本発明の目的を満足することができる。有姿のサン
プルと一般的な標準装置についての線形発光応答濃度範
囲は、殆どの場合、mの濃度から少なくとも2000m
の濃度に広がる。サンプルの希釈のような「拡張した」
操作法を採用し、最適な励起波長と発光波長の組み合わ
せを用い、及び/又は最適なサンプルセル経路を用いる
と、線形発光応答濃度範囲はmから10000000m
以上まで広がることができる。
【0047】系の中のインシステム水処理剤濃度指示剤
又はトレーサーの濃度測定は、水系の中のインシステム
水処理剤濃度指示剤又はトレーサーの濃度がわずか数p
pmでも、さらには本発明の方法に使用できるインシス
テム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーの一部について
は数ppbであっても行うことができる。好ましい態様
において、系の中のインシステム水処理剤濃度指示剤又
は水処理剤供給に添加したトレーサーの量は、水系のサ
ンプル中に約1ppb〜約10ppmのインシステム水
処理剤濃度指示剤又はトレーサーの濃度を提供するに充
分な量であるべきである。その分析(水系サンプルに照
射した光に応答して発光した光き測定)は、殆ど即座に
連続的にポータブル式の装置を用いて行えることが好ま
しい。
【0048】前記のように、複数のインシステム濃度指
示剤又はトレーサーを使用することが望ましいことがあ
る。例えば、1種以上の水処理剤を監視し、別々なイン
システム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーを監視され
る各々の水処理剤について使用し、1種以上の水処理剤
について別々のインシステム濃度を本発明の方法によっ
て測定することが望ましいことがある。別な例として、
例えばインシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサー
によって得られるデータを確かめるため、1つの水処理
剤の調節のためにだけ複数のインシステム水処理剤濃度
指示剤又はトレーサーを使用することが望ましいことが
ある。このような別個の他と異なるインシステム濃度指
示剤又はトレーサーは、それぞれの発光波長が互いに干
渉しなければ、全てが蛍光物質であっても1つの水系サ
ンプルで全てを検出・定量することができる。このよう
に、多数のインシステム濃度指示剤又はトレーサーにつ
いての現在の分析は、適切なスペクトル特性を有するイ
ンシステム濃度指示剤又はトレーサーの選択により可能
である。好ましくは、別々の波長の光を各々のインシス
テム濃度指示剤又はトレーサーを励起するために使用
し、その蛍光波長を別々の発光波長で観察・測定する。
各々のインシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサー
について、別々の濃度検量線を調節又は作成することが
できる。言い換えると、複数のインシステム水処理剤濃
度指示剤又はトレーサーを使用することができ、水系の
中でのその各々のインシステム水処理剤濃度指示剤又は
トレーサーの存在及び/又は濃度を、各々のインシステ
ム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーに有効な分析パラ
メーター(特に励起/発光の波長)を用いて測定するこ
とができ、好ましくはその分析パラメーターは測定値を
区別するに充分相違する。複数のインシステム濃度指示
剤又はトレーサーは別々であるが同時に監視することが
できるため、本発明は、本発明の目的以外の1種以上の
追加のインシステム濃度指示剤又はトレーサーの使用を
排除するものではなく、また本発明の目的及び何らかの
他の目的のためのインシステム水処理剤濃度指示剤又は
トレーサーの併用を排除するものではない。
【0049】少なくとも所与の期間にわたって実質的に
連続的に行う蛍光発光分光分析は、本発明の方法のため
の好ましい分析法の1つである。インシステム水処理剤
濃度の監視と水処理剤供給量の調節のために系の中のイ
ンシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーの濃度を
測定・定量することは好ましい分析技術の1つである。
【0050】間欠的に行う蛍光分析やオンラインの連続
蛍光監視に二重のモノクロメーター分光分析を使用する
ことができる。例えば Turner Designs (Sunnyvale, Ca
lifornia) から、適当な励起と発光のフィルターと石英
製のフローセルを備えたポータブルでコンパクトな蛍光
計が市販されている。一般に、妥当な実用性を有する殆
どの蛍光発光分光分析法について、いかなる方法であっ
ても、水処理剤、濃度指示剤、又は水処理剤供給トレー
サーを単離することなく分析を行えることが好ましい。
即ち、蛍光分析を行う水系には若干のバックグラウンド
蛍光が存在することがあり、そのバックグラウンド蛍光
は、本発明に関係しない水系の中の化合物から発するこ
とがある。分析法はバックグラウンド蛍光が低いように
設計し、バックグラウンドに対するインシステム水処理
剤濃度指示剤又はトレーサーの蛍光の相対強度(標準濃
度での標準蛍光化合物について測定し、例えば100の
相対強度を割り当てる)が、特定の励起波長と発光波長
の組み合わせを採用し、低いインシステム水処理剤濃度
指示剤又はトレーサーの濃度であっても100/10〜
100/2であることが非常に好ましいことがあり、こ
のような比は、それぞれ10と50の相対蛍光強度であ
る(同様な条件下で)。好ましい態様において、励起/
発光の波長及び/又はインシステム水処理剤濃度指示剤
又はトレーサーは、所与のバックグラウンド蛍光の予想
値に対して少なくとも約5〜10の相対蛍光を提供する
ように選択する。
【0051】例えば、殆どの水系のバックグラウンドに
対して、インシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサ
ーのいずれでも、妥当な濃度において少なくとも約5の
相対蛍光が非常に適切な蛍光信号である。バックグラウ
ンドに相当に強い蛍光の特別な化学種が存在する又は存
在することがある場合、そのような種の存在によって生
じるトレーサー測定の妨害を無効にする又は少なくとも
最小限にするように、インシステム水処理剤濃度指示剤
又はトレーサー及び/又は励起及び/又は発光波長を選
択することができる場合が多い。
【0052】蛍光発光分光分析及び他の分析法によるイ
ンシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサーの蛍光化
合物質の連続オンストリーム監視法が米国特許第499238
0 号(1991年2月12日発行、発明者 B.E.Moriarity, J.
J.Hickey, W.H.Hoy, J.E.Hoots, D.A.Johnson)に開示さ
れており、本願でも参考にして含まれる。 〔HPLCと蛍光分析の併用〕高圧液体クロマトグラフ
ィ−(HPLC)とインシステム濃度指示剤又はトレー
サーの蛍光分析の組み合わせは本発明にとって有力な手
法であり、特に非常に低レベルのインシステム水処理剤
濃度指示剤又はトレーサーを使用する場合や、遭遇する
バックグラウンド蛍光が蛍光分析の効率を妨害する場合
に有力である。HPLC−蛍光分析は、インシステム水
処理剤濃度指示剤又はトレーサー化合物を流体マトリッ
クスから分離し、そこでインシステム水処理剤濃度指示
剤又はトレーサーが測定可能となることを可能にする。
HPLCと蛍光分析の併用は、非常に汚染された流体中
の微量のインシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサ
ーの測定に特に有効である。
【0053】水処理剤指示剤が非蛍光性で初期薬剤が蛍
光性である場合、前記のような蛍光分析法を初期薬剤の
蛍光分析に適用することができる。標的種の測定は、初
期薬剤が水処理剤指示剤の生成において消費され、蛍光
強度及び/又は励起/発光波長の特性の変化によって明
示されるような初期薬剤の低下であることができる。水
処理剤指示剤と初期薬剤の両者が蛍光性であり、その違
いが各々の最大発光の波長である場合、蛍光分析は、初
期薬剤の最大発光波長での発光の減少、又は水処理剤と
初期薬剤の相互作用によって生成する水処理剤濃度指示
剤の最大発光波長における発光の増加のいずれかに注力
することができる。
【0054】上記の説明から理解されるように、不活性
蛍光トレーサーの蛍光分析は、不活性トレーサーを監視
しているときは好ましい方法であるが、他の不活性トレ
ーサーの監視に他の方法を利用することもでき、本発明
の広い態様は、そのようなトレーサーと方法の実施を排
除するものではない。 〔比色分析〕化学トレーサーの検出・定量のため、比色
又は分光測光を使用することができる。比色法は紫外線
又は可視光を吸収する化学種の性質を利用する方法であ
る。ある比色分析法は、ブランク又は標準溶液(既知濃
度のトレーサー種を含む)と監視している流体サンプル
とを肉眼で比較する。別な比色法は分光測光法であり、
光電池又は光電子増倍管のような検出器を用い、特定の
波長で入射光と透過光のビームの強度比を測定する。比
色プローブ、光ファイバー(二重)プローブ(例、Brin
kman PC-80プローブ(570nmフィルター))を使用し、サン
プル溶液をフローセルの中に入れ、その中にプローブを
浸す。1つの光ファイバーケーブルが、液体サンプルを
通してセルの内側の鏡に入射光を照射し、戻りの反射光
が液体サンプルを通過し、次いでもう1つのケーブルに
よって、比色計を含む比色分析装置に到達する。比色計
は、トレーサー濃度の反射光特性を電気信号に変換する
変換器を有する。変換器からの電圧がダイヤル指示計、
連続ライン記録印刷装置を作動する。比色計で発したア
ナログ電圧を常に検知又は監視するため、整定値モニタ
ーを使用することができ、トレーサー信号の検出(以降
で説明)の後、応答信号を処理剤応答供給ラインに送
り、供給を開始する又は供給速度を変化させることがで
きる。このような比色分析法とそれに使用可能な装置が
米国特許第4992380 号(1991年2月12日発行、発明者
B.E.Moriarity, J.J.Hickey, W.H.Hoy, J.E.Hoots, D.
A.Johnson)に開示されており、本願でも参考にして含ま
れる。比色法と組み合わせて使用するに適当な化学トレ
ーサーには、系の流体中に存在する他の種と区別できる
光吸収性を示す遷移金属又は物質、あるいは発色剤と反
応して系の流体中に存在する他の種と区別できる光吸収
性を生成する物質がある。 〔イオン選択性電極分析〕イオン選択性電極を、水系中
の特定のイオントレーサーの直接の電位差測定によっ
て、不活性トレーサーの濃度を測定するために使用する
ことができる。これら電極は、特定のイオン物質又は液
体に溶解したガスにのみ応答し、このためこのトレーサ
ーは、測定すべき環境中でイオン化(又は溶解したガ
ス)されなければならない。イオン選択性電極はpH電
極と同様に作動し、測定すべきイオン(又はガス)の濃
度差によって薄膜の横切ってイオン伝導性薄膜の両側で
生じる電位に依存する。電極の内部の濃度は一定にし、
同様にイオン(ガス)の濃度によって電位が変化する。
検量線の作成(電位又は電流と濃度)により、サンプル
電極におけるイオン(又はガス)濃度を、トレーサーイ
オンに鈍感な参照標準電極に対して指数化することがで
きる。トレーサーの連続的監視を行うため、流体の1つ
の流れの中に電極を直接浸すことができ(フローセルを
集合的に構成)、又は監視している流体を、イオン選択
性電極と参照電極が装入された外部フローセルを通過さ
せることもできる。イオン選択性電極のトレーサー監視
法とその装置は米国特許第4992380 号(1991年2月12日
発行、発明者 B.E.Moriarity, J.J.Hickey, W.H.Hoy,
J.E.Hoots, D.A.Johnson)に開示されており、本願でも
参考にして含まれる。 〔遷移金属分析〕遷移金属化合物(遷移金属イオン、オ
キシアニオン、オキシカチオン、及び関係の錯体)は、
1種以上の既知の方法によって定量的に測定することが
できる。好ましい方法は、前記のような比色法である。
もう1つの方法は分子吸収である。紫外線と可視光の分
子吸収は、分子の電子構造に依存する。吸収されたエネ
ルギーは、電子を低エネルギー状態の軌道から高エネル
ギー状態の軌道に上げる。ある分子は特定の波数のみを
吸収することができ、これは全ての分子は特定の状態の
みが可能であり、基底状態と励起状態のエネルギー差が
付加されたエネルギーに等しくなければならないためで
ある。分子に吸収された波数において、入射エネルギー
の強度は放出エネルギーの強度より大きく、吸光度の尺
度である。監視している流体のサンプルは、既知濃度の
遷移金属(又は他の適当なトレーサー種)を含む標準溶
液から調製した検量線(吸収と濃度)に比較し、トレー
サー濃度を検出・測定することができる。遷移金属トレ
ーサーについての分子吸収法は米国特許第4992380 号
(1991年2月12日発行、発明者 B.E.Moriarity, J.J.Hi
ckey, W.H.Hoy, J.E.Hoots, D.A.Johnson)に開示されて
おり、本願でも参考にして含まれる。
【0055】分離せずに化学種の存在及び/又は濃度を
定量する分析法は開発中の技術であり、本発明の方法に
おいてインシステム水処理剤濃度指示剤又はトレーサー
の監視に使用する適切な分析法の上記の概説は現状で全
てではなく、本発明の上記目的に適する同様な技術が将
来開発されるものと思われる。不活性水処理剤供給トレ
ーサーとして選択の化合物(複数でもよい)は、その中
で生成される又は添加される水系の中で可溶性又は分散
性であるべきであり、不活性トレーサーの期待される有
効寿命において環境中で安定であるか、又は分解、堆
積、錯体形成反応、又は他の現象による系からのその損
失が予測・補償できるべきであり、特にある量の不活性
トレーサーの存在を単に検出するだけでなく、その濃度
を測定し、その濃度と水処理剤の供給速度を関係づけよ
うとする場合はこのことが望まれる。
【0056】好ましい態様において、インシステム水処
理剤濃度指示剤及び/又は水処理剤供給トレーサーとし
ての選択と、その濃度指示剤及び/又はトレーサーを測
定するために選択した分析法の組み合わせは、濃度指示
剤及び/又はトレーサーの分離をすることなくその測定
を可能にすべきであり、より好ましくは連続的及び/又
はオンラインでのその分析を可能にすべきである。 〔水処理剤の適用〕水処理剤は、給水中の不可避的な不
純物から生じることが最も多い、腐食、スケールや他の
堆積物の生成、微生物の成長、他の不都合な作用を防止
する又は抑制するために水系に日常的に採用される。
【0057】鋼、銅、亜鉛のような加工した金属の腐食
は、水と酸素(常にではない)の存在下で金属元素を酸
化物に変化させる。腐食は複雑なプロセスであるが、次
のような金属表面のアニオン系とカチオン系の座で生じ
る3種の過程を含む電気化学反応と考えることができ
る。 1.陽極座における酸化されたカチオン状態での水溶液
中への金属の損失であり、電子の付随的な放出を伴う
(陽極反応) 2.放出した電子のカチオン座への流れ 3.陰極座で酸素が電子を利用してヒドロキシルイオン
を生成し(陰極反応)、陽極座に流れる。酸素がない状
態で二者択一的な陰極反応が水素原子を生成し、次いで
2 ガスを生成することができる(3Fe+4H2
→ Fe3 4+ 4H2 )。
【0058】これらの3種の過程は腐食が進行するに必
要であり、3種過程のうち最も遅い過程が全体の腐食プ
ロセスの速度を決める。陰極反応が3種の過程の中で最
も遅いことが多く、水の中の酸素の拡散速度が遅いため
である。腐食防止プログラムは、通常は陽極反応を止め
る又は陰極反応を遅らせる、又は両者の特定の防止剤に
依存する。種々のタイプの腐食防止剤に、有機系と無機
系の化合物があり、水と金属を隔てる金属表面上の薄膜
として吸着又は化学吸着することにより作用する。これ
らの物質は、水と金属相の間に動的バリヤを生成・維持
し、腐食を防止する。陽極/陰極反応を停止/抑制する
腐食防止剤としてよく利用される一般的な水処理剤に
は、限定されるものではないが、クロム酸塩、オルトホ
スフェート、ニトリット、シリケート、カーボネート、
ポリホスフェート、亜鉛、モリブデート、有機物皮膜用
アミン、ホスホネートがある。亜硫酸水素ナトリウム、
亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、エリトロ
ビン酸、ヒドラジン、カルボヒドラジン、その他のよう
な酸素捕獲剤もまたボイラー水系、油田の水系、その他
の腐食抑制のための水処理剤として頻繁に使用される。
【0059】鉱物のスケールは、表面に接着する硬い結
晶質の堆積物である。主なスケール成分はCaCO3
CaSO4 、BaSO4 、SrSO4 、その他である
(一般にFe2 3 、SiO2 はスケール成分ではなく
汚れ成分と考えられている)。鉱物スケール堆積物は、
通常は水と接触する表面、例えば膜濾過系の膜のような
表面上に水に溶解していた固体が濃縮・沈殿することに
より生成する。膜濾過系又は他の工業的水系に現在使用
されているスケール防止剤には、水溶液で供給され、ア
ルカリ土類炭酸塩や硫酸塩(即ち、CaCO3 やCaS
4 )の生成と成長を抑制するポリマーがある。ある高
分子スケール防止剤は、スケール生成鉱物の結晶構造を
変化させ、水系の表面(複数でもよい)にスケールが強
く接着することを妨げ、系の流出液と共に除去されるこ
とを促進する。ある水系、例えばボイラーの高分子スケ
ール防止剤は、硬質イオンをキレート化し、鉱物が完全
に沈殿することを妨げる。キレート化スケール防止剤に
は、カルシウムカチオンをキレート化することができる
イオン化した状態のポリアクリル酸がある。有効なスケ
ール防止剤の使用は、一部の系でスケール抑制に使用さ
れる酸の供給を必要性を最小限にする又は無くすことが
でき、懸濁粒子やコロイドが溶液中に存在することを助
け、CaCO3 やCaSO4 の沈殿を防止することがで
きる。スケール防止剤として頻繁に使用される一般的な
水処理剤には、限定されるものではないが、ポリホスフ
ェート、ポリオールエステル、ホスホネート、全有機物
合成ポリマー(アニオン系ポリマーが多い)、エチレン
ジアミンテトラ酢酸(EDTA)のような非高分子キレ
ート化剤がある。
【0060】硼酸は、工業的水系においてアモルファス
のシリカスケールの生成を防止する薬剤として使用され
る。硼酸の水溶性塩及び/又は水に溶けたとき又は加水
分解したときにオルト硼酸塩を生成する別な硼素化合物
を、単独で、又はヒドロキシ、第一又は第二アミノ官能
基を含む水溶性の極性ポリ有機化合物との混合物とし
て、工業水に接触する表面上のアモルファスシリカのス
ケール生成の防止剤として使用することが、米国特許第
4532047 号(1985年7月30日発行、発明者 Leonard Dub
in) 、米国特許第4584104 号(1986年8月22日発行、発
明者 Leonard Dubin) に開示されており、本願でも参考
にして含まれる。硼酸は別な工業的用途もまた有する。
これは緩衝剤であり、制菌と殺カビ性を有する。
【0061】汚れは、水系の水と接触する表面に付着す
る軟質の非結晶性の堆積物である。一般的な汚れは、懸
濁した固体、コロイド状物質、オイル、金属酸化物、シ
リケート、及び生物的成長(微生物)からの堆積及び/
又はこれらの堆積である。汚れは通常水系の流入液に含
まれる懸濁物質から生成する。汚れ堆積物の生成は、通
常は膜の前の濾過、水の化学的処理(特に流入水)、組
成及び/又は汚れ源及び潜在的汚れを決めるための監視
(水とフィルターの分析)、周期的な装置の保全(洗
浄)によって対処されている。新しい流入液を適切に調
整するための前処理として適用される化学処理には、沈
殿を防ぐための凝集剤、凝固剤、及び/又はpH調節が
ある。殺生剤は、微生物の成長を防ぐために新しい流入
液及び/又はリサイクル流体に添加することができる。
予備濾過は、大きな懸濁粒子(>2μm)を除去するこ
とで、ある程度汚れを減らす助けができる。汚れ防止剤
として頻繁に使用される典型的な水処理剤には、限定さ
れるものではないが、全ての有機物、天然有機物、合成
ポリマー(アニオン系ポリマーが多い)、及び非毒性の
殺生剤がある。
【0062】工業的水系の水に接触する表面は、微生物
の蓄積によって汚れ易いことが多い。この汚れは、微生
物堆積、微生物汚れ、スライミングと称されることがあ
る。抗微生物剤としてよく使用される一般的な水処理剤
には、限定されるものではないが、非酸化性の殺生剤と
塩素/臭素やオゾンのような酸化性の殺生剤がある。工
業的水系への分散剤の添加は、多くの水系処理プログラ
ムの共通の要因である。分散剤は、表面上の堆積を抑制
するに必要な水処理剤の合計量を減らすことができ、分
散剤を使用していない同等のプロセスに比較して、他の
水処理剤の効果を持続する及び/又は全体の抑制を改良
することができる。ある系に使用する分散剤はノニオン
系界面活性剤であり、例えばエチレンオキサイド/プロ
ピレンオキサイドのブロックコポリマーのノニオン系界
面活性剤である。本発明の方法によって保護されている
表面が妙紙機である場合、製紙用の水の中の分散剤の最
適な混和は、好ましくはノニオン系界面活性剤の混和で
ある。使用されることが多いもう1つのタイプの分散剤
は、高分子電解質、特には約500又は1000〜約1
00000の範囲の重量平均分子量を有するアニオン系
の水溶性ポリマーである。多くの水系で使用されるアニ
オン系タイプの分散剤は、負に帯電した種にイオン化し
たとき、充分なアニオン電荷密度を有し、添加した水系
に粒子分散又は限界抑制活性を効果的に提供する。ある
アニオン系分散剤ポリマーは、カルギキシレートアニオ
ン(−COO- )、スルホネートアニオン(−S
3 - ) 、又はそのようなアニオン座の組み合わせにイ
オン化できる座を含むことが多い。このようなポリマー
(複数でもよい)は少なくとも約10モル%、一般には
少なくとも20又は25モル%の少なくとも1種のアニ
オン座を含むモノマー単位を有することが多く、そのよ
うなモノマー単位は2つの主鎖炭素を含むポリマーのセ
グメントである。高分子のアニオン系分散剤は、アニオ
ン系モノマー単位以外のモノマー単位を有することがで
き、例えば(メタ)アクリルアミド、t-ブチル(メタ)
アクリルアミドのようなアミド窒素に置換した低級アル
キルを含む(メタ)アクリルアミド、及び他のモノマー
単位が、必要な分散性と水溶性を過度に損なうことなく
高分子アニオン系分散剤に含まれることができる。分散
剤は、1種以上の有機ホスホネートと併用したアニオン
系ポリマーであることもできる。 〔水処理剤の定義〕前記に挙げたように、多数の化学種
(specie)が、1以上のタイプの水系に、水処理剤として
の1以上の能力に基づいて使用される。ある化学種、例
えば炭酸カルシウムは、ある工業的水系では水の汚染物
質であり、別な工業的水系では水系として添加される。
上記の水処理剤の列挙は全てではなく、将来的に異なる
水系について新しい水処理プログラムが開発されると、
さらに増えるものと思われる。しかしながら、水処理剤
は、本願においては、系の中の1種以上の不純物の存在
から発生する有害な作用を少なくとも減じる役割を有す
る化学物質と定義することができる。通常、水処理剤は
系の中に意図的に添加及び/又は維持される。必ずしも
ではないが、所与の系において、水処理剤の残存濃度レ
ベルの維持が望まれることが多い。必ずしもではない
が、所与の系において、水処理剤の目標又は最適残存濃
度レベルの維持が望まれることが多い。水処理剤は、特
定の種類の不純物に対して明白な対抗活性を有すること
ができる。例えば、ある腐食防止剤は、系に一般に存在
する腐食物質の存在によって生じる腐食を妨げる。水処
理剤は、不純物に分類される1以上の不純物に対して選
択的な対抗活性を有することができる。例えば、ある腐
食防止剤は、系の中の特定の腐食物質種の存在から生じ
る腐食に対抗する。水処理剤は、不純物の有害な作用に
対する中和活性を有することができ、又は1種以上の他
の水処理剤との組み合わせで、同様な対抗活性又は改良
された対抗活性を有することができる。水処理剤は、そ
の目標不純物、即ち対抗作用活性を有する不純物が検出
できるレベルまで存在しなくても、予防の目安として系
の中に維持されることがある。水処理剤は一般に、系の
中に維持される少なくともその濃度で水溶性である。
【0063】多くの種類の水処理剤、不純物、不純物の
存在から発生する有害な作用をここで説明及び/又は列
挙したが、これらの説明及び/又は列挙は、種類又は種
類の中の個々の種について全てではないと考える。これ
らの説明及び/又は列挙は例示であり、当業者であれ
ば、ある化学種が所与の水系について水処理剤であるか
どうかが容易に判断できよう。
【0064】本発明によって求められる水処理剤のイン
システム濃度は、一般に、系の中の溶質の形態の水処理
剤の残存濃度である。本発明によって求められるインシ
ステム濃度の水処理剤は、好ましくは、水溶性の水処理
剤である。本発明によって求められるインシステム濃度
の水処理剤は、好ましくは、所与の系又は所与の種類の
系について確立された目標及び/又は最適の残存濃度を
有する水処理剤である。本発明によって求められるイン
システム濃度の水処理剤は、好ましくは、流体の異なる
部分で異なる濃度で存在するのではなく、系の流体の中
に均一に分布した水処理剤である。 〔無機系の水処理剤イオン〕亜鉛、モリブデン酸塩、シ
リカ、硼素、アルミニウム、ホスフェート等のような化
学種は無機系水処理剤イオンであることができる。これ
らのイオンはいずれもある水処理剤プログラムの活性成
分であることが分かっている。これらのイオンは蛍光特
性を有しない。それにもかかわらず、これらは全て、イ
ンシステム水処理剤濃度指示剤を生成する初期薬剤との
反応/相互作用による蛍光分析によって、定量を行うこ
とが可能である。可溶性の亜鉛、モリブデン酸塩、シリ
カ、ホスフェート、及び場合により他の無機イオンの従
来の定量法には、原子吸光分光分析(AA)、高周波誘
導結合プラズマ(ICPA)分光分析、及び/又はマニ
ュアルの比色法がある。原子吸光分光分析と高周波誘導
結合プラズマは精密で高価な装置、非常に特殊なサンプ
リング技術、及び場合により時間のかかる温浸手順を必
要とする。原子吸光分光分析と高周波誘導結合プラズマ
は一般にオンラインで行うことができず、分析終了まで
に数時間を必要とすることがある。
【0065】比色法は、上記の無機種についてはいずれ
も公知である。この比色分析は、発色を基礎にしてお
り、その強度を問題の種の濃度に関係づけることができ
る。その色は、発生までにかなりの時間を要することが
あり、サンプルの吸光度の測定を遅らせ、分析結果を遅
らせることがある。長時間の消費は、連続装置設計によ
る連続的な監視の読み取りを不可能にする。上記のよう
に、比色分析は、他の着色種やサンプルの濁りによって
障害を受ける問題もある。 〔インシステム濃度指示剤の生成〕インシステム濃度指
示剤は、水処理剤と初期薬剤との相互作用によって生成
する。初期薬剤はそれ自身が蛍光性であってもよく、蛍
光性でなくてもよい。得られるインシステム水処理剤濃
度指示剤は、付加物、錯体、又は他の相互作用生成物
(共有結合の相互作用ではない)であることができ、水
処理剤は例えばイオン結合によって初期薬剤と結合す
る。2以上の非蛍光性分子が化学反応して発蛍光団を生
成できることに注意することは重要である。あるいは、
初期薬剤は水処理剤と化学的に反応して、蛍光性の水処
理剤濃度指示剤を生成することができる。水処理剤と初
期薬剤との相互作用は、初期薬剤の蛍光特性(複数でも
よい)を生成、消光、又は他に変化させる。得られるイ
ンシステム水処理剤濃度指示剤の或る蛍光特性の測定
が、系の中の水処理剤の濃度に関係づけることができる
値を提供することができる。
【0066】インシステム水処理剤濃度指示剤の生成及
び/又はインシステム濃度指示剤の蛍光分析のための媒
体は、実質的な水系媒体、水系/非水系の混合媒体、又
は実質的な非水系媒体でよい。インシステム水処理剤濃
度指示剤の生成及び/又はインシステム濃度指示剤の蛍
光分析のための媒体は、インシステム水処理剤濃度指示
剤の生成及び/又はインシステム水処理剤濃度指示剤の
蛍光分析を促進する又は助長する1種以上の化学種を含
むことができる。或る蛍光分析法は、インシステム水処
理剤指示剤が蛍光分析を受ける媒体のpH又は他の条件
に敏感である。
【0067】初期薬剤を水系そのものの中に添加するこ
とは、一般に非実用的で不必要である。水系から採取し
た水サンプルは、全体部分の一部のみを表し、したがっ
て初期薬剤の使用量は最小限である。通常は異質な物質
で水系の全体を汚染することが望ましいことは殆どない
であろう。しかし、本発明は、特に水系そのものの中に
初期薬剤、その前駆体が存在することが必要な場合にそ
れを排除するものではない。
【0068】インシステム水処理剤濃度指示剤の蛍光を
測定する蛍光分析法の採用は、本発明の、迅速な測定を
提供する実質的に連続的な実施を可能にする。初期薬剤
は、オンラインの水系の流れから直接取り出した連続的
なサンプルの流れに連続的に添加することができる。蛍
光分析は、このサンプルの流れについて、初期薬剤を導
入した箇所から短い距離の下流で行うことができる。少
なくとも殆どの場合において、サンプルが水系から離れ
た直ぐ後にインシステム水処理剤濃度指示剤が生成し、
測定される。多くの場合、サンプルが水系から離れた5
分間以内にインシステム水処理剤濃度指示剤が生成し、
測定される。少なくとも殆どの場合、サンプルが水系か
ら離れた10分間以内にインシステム水処理剤濃度指示
剤が生成し、測定される。
【0069】水系サンプルを、実質的な水系以外に転化
するに適当な方法が知られており、例えば液体/液体抽
出である。ポリイオンポリマー(高分子電解質)の可能
性のある初期薬剤は、いくつかのタイプの高分子電解質
濃度依存性の挙動の1つを示す、逆電荷のイオン系染料
(蛍光性であることが多い)である。これらの挙動の種
類は、一般にいくつかの分類の1つにあてはまる。 (A)所定の発光波長ピークについて測定したときの蛍
光発光強度の低下 (B)所定の発光波長ピークについて測定したときの蛍
光発光強度の増加 (C)新しい発光ピークの出現と、新しい発光波長ピー
クの蛍光発光強度の増加 これらの挙動のタイプは、染料の化学構造及び/又は高
分子電解質/染料の比に依存する。標準的ピークの発光
強度での蛍光発光強度の増加(タイプA挙動)は蛍光の
消光又は発光波長のシフトであることがある。タイプC
挙動は、発光波長のシフト現象とは限らず、以前は弱い
又は非蛍光性であった化学物質の蛍光の出現であること
もある。適当な染料には、限定されるものではないが、
ナイルブルーAとピナシアノールクロリドがある。
【0070】本発明の目的の、インシステム水処理剤濃
度指示剤の生成及び/又はそのインシステム水処理剤濃
度指示剤の蛍光分析に適することができる方法が示され
ている種々の文献を次に示すが、これらに限られるもの
ではない。亜鉛濃度は、例えば「ノニオン系界面活性剤
による亜鉛−モリン錯体の蛍光分析の改良、著者:F.H.
Hernandes, J.H.Escriche, M.T.G.Andreu, Talanta, 19
86, 33(6), p.537-540」に記載のように、特にノニオン
系界面活性剤促進剤又は助長剤の存在下の亜鉛−モリン
錯体の生成に基づく蛍光分光法で測定することができ、
この文献は本願でも参考にして含まれる。ノニオン系界
面活性剤の存在(例、Genapol PF-20 、エチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドの縮合物)は、約76褶曲
(fold)の亜鉛−モリン錯体の蛍光を増加し、低レベルの
亜鉛の定量を実用的にする。最大蛍光は、1.5%界面
活性剤と0.009%モリンを用いて、pH4.7にお
いて、433nm励起波長と503nm蛍光発光の測定
で見られたと報告されている。検量線グラフは約150
ng/ml(約150ppb)まで線形で、約3ng/
ml(約3ppb)が検出限界である。
【0071】二価の金属イオン濃度のもう1つの初期薬
剤は(N-(4-ニトロベンゾフラザン)モノアザ-18-クラウ
ン-6) のクラウンエーテルを基礎にした蛍光薬剤であ
り、文献「新しい金属検出性蛍光薬剤、著者:K.W.Stre
et,Jr.とS.A.Krause、Anal.Lett.,1986, 19(7-8), p.73
5-745 」に記載されており、この文献は本願でも参考に
して含まれる。薬剤と金属カチオンとの錯体は高い蛍光
発光を示す。薬剤の性能は使用する溶媒系に敏感であ
り、非水系の媒体は、感度と錯体化能力の両方について
最も良好な条件を与える。配位子は固有の酸/塩基の検
知性蛍光と分光分析特性を有するが、その金属検知性
は、多くの現状で利用できる比色用と蛍光用のクラウン
薬剤の場合のように、プロトン付加−脱プロトンの化学
によるものではない。この薬剤の感度は、金属に結合し
たアニオンと溶媒マトリックスの水含有率に影響され
る。
【0072】文献が記載の本発明に関係する分析物の蛍
光分析法のこれら及びこの他の初期薬剤を次の表にまと
めて示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【実施例】
〔合成工業水〕他に明記がないときは、次の例1〜9の
合成の工業水の溶液を調製するためにく用いた水は、次
の化学組成を有し、これは例えば工業的冷却水の模倣で
あり、このため本願では「合成工業水」と称す。
【0075】 200ppmのCa+2(CaCO3 として) 200ppmのMg+2(CaCO3 として) 200ppmのHCO3 - (CaCO3 として) 140ppmのCl- (Clとして) 190ppmのSO4 -2(SO4 として) 90ppmのNa+ (Naとして) pH8.4例1 オルトホスフェート(PO4 -3)水処理剤への本発明の
方法の適用を例証するため、さらに0〜10.0ppm
のPO4 -3(PO4 として)を含む一連の合成工業水の
溶液の蛍光分析を初期薬剤の存在中で行い、各々の溶液
中の水処理剤濃度指示剤の相対蛍光%を、水処理剤を含
まない溶液と比較して求めた。この例1で使用した初期
薬剤は、強い酸性のバナドモリブデート(vanadomolybda
te) 水溶液中の1-ピレンスルホン酸とした。この溶液
(蛍光薬剤)は1.0ppmの1-ピレンスルホン酸(酸
活性としてのppm)、2.35重量%/体積のモリブ
デン酸アンモニウム、0.125重量%/体積のメタバ
ナジウム酸アンモニウム、及び33体積%の濃塩酸を含
んだ。蛍光薬剤(10ml)を各々の100mlのオル
トホスフェート含有溶液に混ぜ、その1分間後に、二重
モノクロメーターと1.0cm×1.0cmのキュベッ
トを備えた Gilford Fluoro IV蛍光計を用いて蛍光分析
を行った。380nmの励起波長と405nmの発光波
長を使用した。オルトホスフェートと一緒にしていない
初期薬剤を含む溶液を100の相対蛍光%に割り当て
た。これらの条件下で初期薬剤がオルトホスフェートと
相互作用したとき、その蛍光特性の変化は蛍光強度の減
少であった。水処理剤濃度に関係づけることができる蛍
光特性は、分析物(PO4 -3)の濃度が増加したときの
発光強度の減少であった。監視している蛍光は、初期薬
剤と水処理剤の間の錯体に影響される。各々のサンプル
について、PO4 -3の濃度と測定された相対蛍光%を次
の表Iに示す。
【0076】 表I ───────────────────────────── PO4 -3濃度(PO4 として) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100% 2.5ppm 72.6% 5.0ppm 55.4% 10.0ppm 27.9% ─────────────────────────────例2 オルトホスフェート水処理剤への本発明の方法の適用を
例証するため、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸(H
EDP)を用い、さらに0.0〜10.0ppmのホス
ホネート(HEPCとして)を含む一連の合成工業水の
溶液の蛍光分析を初期薬剤の存在中で行い、各々の溶液
中の水処理剤濃度指示剤の相対蛍光%を、水処理剤を含
まない溶液と比較して求めた。高濃度の蛍光薬剤を使用
して、高いレベルのホスフェートを測定することができ
る。初期薬剤は、錯体バソフェナントロリン(bathophen
anthroline) : Cu2+が2:1とし、この例2では水溶
液で使用した。この溶液(蛍光薬剤)は、脱イオン水の
中に500ppmのバソフェナントロリンと48ppm
のCu2+を含んだ。この蛍光薬剤(2ml)をホスフェ
ート含有溶液の各々の100mlに混ぜ、1分間後に、
直径0.2cmのキュベット(フローセル)とモノクロ
メーターを備えた Gilford Fluoro IV蛍光計を用いて蛍
光分析を行った。280nmの励起波長と390nmの
発光波長を使用した。ホスフェートを含まずに初期薬剤
を含む溶液を0の相対蛍光%に割り当てた。これらの条
件下で初期薬剤がホスフェートと相互作用したときの初
期薬剤の蛍光特性の変化は、蛍光強度の増加であった。
水処理剤濃度に関係づけることができる蛍光特性は、分
析物(HEDP)の濃度が増加したときの発光強度の増
加である。各々のサンプルについて求めたホスフェート
濃度に対する相対蛍光%を次の表IIに示した。このデー
タは0.9999の相関係数(r)を示す。
【0077】 表II ───────────────────────────── ホスフェート濃度(HEPDとして) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 0% 0.5ppm 24% 1.0ppm 49% ─────────────────────────────例3 本発明の方法の、重クロム酸ナトリウム(Na2 Cr2
7 )を用いるクロム酸塩水処理剤への応用を例証する
ため、さらに0〜18.0ppmのクロム酸塩(Na2
Cr2 7 として)を含む一連の合成工業水の蛍光分析
を、初期薬剤の存在下で行い、各々の溶液中の水処理剤
濃度指示剤の相対蛍光%を、その水処理剤を含まない溶
液と比較して求めた。例3で使用した初期薬剤は2-ナフ
タレンスルホン酸(2-NSA)水溶液であった。この溶
液(蛍光薬剤)は2-NSAを脱イオン水に加え、100
ppmの2-NSAを含む溶液を作成することによって調
製した。各々の100mlのクロム酸塩含有溶液に蛍光
薬剤(0.5ml)を混ぜ、1分間後に、直径0.2c
mのキュベット(フローセル)とモノクロメーターを備
えた Gilford Fluoro IV蛍光計を用いて蛍光分析を行っ
た。280nmの励起波長と330nmの発光波長を使
用した。クロム酸塩と組み合わせていない初期薬剤を含
む溶液を100の相対蛍光%に割り当てた。これらの条
件下で初期薬剤がクロム酸塩と相互作用したときの初期
薬剤の蛍光特性の変化は、蛍光強度の減少であった。水
処理剤濃度に関係づけることができる蛍光特性は、分析
物(Na2 Cr2 7 )の濃度が増加したときの発光強
度の減少である。各々のサンプルについて求めたクロム
酸塩の濃度に対する相対蛍光%を次の表IIIに示した。
このデータは0.998の相関係数(r)を示す。
【0078】 表III ───────────────────────────── ホスフェート濃度(Na2 Cr2 7 ) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100% 4.5ppm 96.0% 9ppm 91.9% 13.5ppm 86.1% 18.0ppm 82.3% ─────────────────────────────例4 本発明の方法の、ナトリウムエチレンビス−ジチオカル
バメート配合物(殺生剤配合物)を用いる殺生剤水処理
剤への応用を例証するため、0〜50ppmの殺生剤
(殺生剤配合物として)を含む一連の合成工業水の蛍光
分析を、初期薬剤の存在下で行い、各々の溶液中の水処
理剤濃度指示剤の相対蛍光%を、その水処理剤を含まな
い溶液と比較して求めた。この例4で使用した初期薬剤
は2-ナフタレンスルホン酸(2-NSA)水溶液であっ
た。この溶液(蛍光薬剤)は2-NSAを脱イオン水に加
え、100ppmの2-NSAを含む溶液を作成すること
によって調製した。各々の100mlの殺生剤含有溶液
と殺生剤非含有溶液に蛍光薬剤(0.5ml)を混ぜ、
1分間後に、直径0.2cmのキュベット(フローセ
ル)とモノクロメーターを備えた Gilford Fluoro IV蛍
光計を用いて蛍光分析を行った。この典型的な濃度の殺
生剤(50ppmまでの殺生剤配合物)について280
nmの励起波長と330nmの発光波長を使用した。殺
生剤と組み合わせていない初期薬剤を含む溶液を100
の相対蛍光%に割り当てた。これらの条件下で初期薬剤
が殺生剤と相互作用したときの初期薬剤の蛍光特性の変
化は、蛍光強度の減少であった。水処理剤濃度に関係づ
けることができる蛍光特性は、分析物(殺生剤配合物)
の濃度が増加したときの発光強度の減少である。各々の
サンプルについて求めた殺生剤の濃度に対する相対蛍光
%を次の表IVに示した。このデータは0.996の相関
係数(r)を示す。
【0079】 表IV ───────────────────────────── 殺生剤濃度(殺生剤配合物として) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100% 25ppm 83.5% 50ppm 71.6% ─────────────────────────────例5 本発明の方法の、高濃度の殺生剤水処理剤への応用を例
証するため、ナトリウムエチレンビス−ジチオカルバメ
ート配合物(殺生剤配合物)を用い、さらに0〜200
ppmの殺生剤(殺生剤配合物として)を含む一連の合
成工業水の蛍光分析を、初期薬剤の存在下で行い、各々
の溶液中の水処理剤濃度指示剤の相対蛍光%を、その水
処理剤を含まない溶液と比較して求めた。この例5で使
用した初期薬剤は前記の例4と同じ2-ナフタレンスルホ
ン酸(2-NSA)水溶液であったが、異なる励起波長を
用いた。各々の100mlの殺生剤含有溶液と殺生剤非
含有溶液に蛍光薬剤(0.5ml)を混ぜ、1分間後
に、直径0.2cmのキュベット(フローセル)とモノ
クロメーターを備えた Gilford Fluoro IV蛍光計を用い
て蛍光分析を行った。この典型的な濃度より高い濃度の
殺生剤について310nmの励起波長と330nmの発
光波長を使用した。殺生剤と組み合わせていない初期薬
剤を含む溶液を100の相対蛍光%に割り当てた。これ
らの条件下で初期薬剤が殺生剤と相互作用したときの初
期薬剤の蛍光特性の変化は、蛍光強度の減少であった。
水処理剤濃度に関係づけることができる蛍光特性は、分
析物(殺生剤配合物)の濃度が増加したときの発光強度
の減少である。各々のサンプルについて求めた殺生剤の
濃度に対する相対蛍光%を次の表Vに示した。このデー
タは0.994の相関係数(r)を示す。
【0080】 表V ───────────────────────────── 殺生剤濃度(殺生剤配合物として) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100% 100ppm 83.8% 200ppm 69.4% ─────────────────────────────例6 本発明の方法の、低濃度の亜鉛イオン(Zn2+)水処理
剤への応用を例証するため、さらに0.0〜0.6pp
mの亜鉛イオン(Znとして)を含む一連の合成工業水
の蛍光分析を初期薬剤の存在下で行い、各々の溶液中の
水処理剤濃度指示剤の相対蛍光%を、亜鉛イオンを含ま
ない溶液と比較して求めた。この例6で使用した初期薬
剤は、脱イオン水中に0.3%のジルコン(zincon)を含
むメチレンブルーの0.006%溶液であった。各々の
100mlの亜鉛含有溶液と亜鉛非含有溶液に蛍光薬剤
(0.67ml)を混ぜ、1分間後に、直径0.2cm
のキュベット(フローセル)とモノクロメーターを備え
た Gilford Fluoro IV蛍光計を用いて蛍光分析を行っ
た。亜鉛イオンのこれらの濃度について665nmの励
起波長と690nmの発光波長を使用した。亜鉛イオン
と組み合わせていない初期薬剤を含む溶液を100の相
対蛍光%に割り当てた。これらの条件下で初期薬剤が亜
鉛イオンと相互作用したときの初期薬剤の蛍光特性の変
化は、蛍光強度の減少であった。水処理剤濃度に関係づ
けることができる蛍光特性は、分析物(亜鉛イオン)の
濃度が増加したときの発光強度の減少である。各々のサ
ンプルについて求めた亜鉛イオンの濃度に対する相対蛍
光%を次の表VIに示した。このデータは0.998の相
関係数(r)を示す。
【0081】 表VI ───────────────────────────── 亜鉛濃度(Znとして) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100% 0.2ppm 88.8% 0.4ppm 75.8% 0.6ppm 66.7% ─────────────────────────────例7 本発明の方法の、高濃度の亜鉛イオン(Zn2+)水処理
剤への応用を例証するため、さらに0.0〜2.0pp
mの亜鉛イオン(Znとして)を含む一連の合成工業水
の蛍光分析を初期薬剤の存在下で行い、各々の溶液中の
水処理剤濃度指示剤の相対蛍光%を、亜鉛イオンを含ま
ない溶液と比較して求めた。初期薬剤は、例6と同じ脱
イオン水中に0.3%のジルコン(zincon)を含むメチレ
ンブルーの0.006%溶液を再度使用した。各々の1
00mlの亜鉛含有溶液と亜鉛非含有溶液に蛍光薬剤
(2ml)を混ぜ、1分間後に、直径0.2cmのキュ
ベット(フローセル)とモノクロメーターを備えた Gil
ford Fluoro IV蛍光計を用いて蛍光分析を行った。亜鉛
イオンのこれらの濃度について680nmの励起波長と
705nmの発光波長を使用した。亜鉛イオンと組み合
わせていない初期薬剤を含む溶液を100の相対蛍光%
に割り当てた。これらの条件下で初期薬剤が亜鉛イオン
と相互作用したときの初期薬剤の蛍光特性の変化は、蛍
光強度の減少であった。水処理剤濃度に関係づけること
ができる蛍光特性は、分析物(亜鉛イオン)の濃度が増
加したときの発光強度の減少である。各々のサンプルに
ついて求めた亜鉛イオンの濃度に対する相対蛍光%を次
の表VIIに示した。このデータは0.997の相関係数
(r)を示す。
【0082】 表VII ───────────────────────────── 亜鉛濃度(Znとして) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100% 1.0ppm 71% 1.5ppm 60% 2.0ppm 49% ─────────────────────────────例8 例8は次の事項を除き、例7と同じとした。初期蛍光薬
剤は脱イオン水中に溶かした1000ppmの4,5-ジヒ
ドロキシ-m- ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩一水
和物とした。初期蛍光薬剤(1.5ml)を100ml
の各々のモリブデン酸塩含有溶液(Moとして0.0〜
0.8ppm又はMoO4 として0.0〜1.33pp
m)に混合した。キュベットサイズは1.0cm×1.
0cmであった。励起波長は245nmで発光波長は3
30nmであった。モリブデン酸塩濃度と、各々のサン
プルについて測定した相対蛍光%を次の表VIIに示し
た。このデータは0.996の相関係数(r)を示す。
【0083】 表VII ───────────────────────────── モリブデン酸塩濃度(Moとして* ) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100.0% 0.2ppm 97.0% 0.4ppm 94.0% 0.6ppm 90.2% 0.8ppm 88.4% ───────────────────────────── *又は0.0〜1.33ppm(MoO4 として)例9 例9は次の事項を除き、例8と同じとした。初期蛍光薬
剤(3.0ml)を100mlの各々のモリブデン酸塩
含有溶液(Moとして0.0〜4.0ppm又はMoO
4 として0.0〜6.77ppm)に混合した。モリブ
デン酸塩濃度と、各々のサンプルについて測定した相対
蛍光%を次の表IXに示した。このデータは0.991の
相関係数(r)を示す。
【0084】 表IX ───────────────────────────── モリブデン酸塩濃度(Moとして* ) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100.0% 1.0ppm 86.1% 2.0ppm 71.6% 3.0ppm 61.6% 4.0ppm 54.2% ───────────────────────────── *又は0.0〜1.33ppm(MoO4 として)例10 例10は次の事項を除き、例9と同じとした。初期蛍光
薬剤(10.0ml)を100mlの各々のモリブデン
酸塩含有溶液(Moとして0.0〜10.0ppm又は
MoO4 として0.0〜16.7ppm)に混合した。
キュベットは直径0.2cmであった。モリブデン酸塩
濃度と、各々のサンプルについて測定した相対蛍光%を
次の表Xに示した。このデータは0.98の相関係数
(r)を示す。
【0085】 表X ───────────────────────────── モリブデン酸塩濃度(Moとして* ) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100.0% 5.0ppm 63.9% 7.5ppm 52.0% 10.0ppm 45.8% ─────────────────────────────例11 本発明の方法の、標的種としてのモリブデン酸塩への応
用を例証するため、合成工業水の蛍光分析を行い、各々
の溶液中の標的種濃度指示剤の相対蛍光%を、標的種を
含まない溶液と比較して求めた。初期薬剤は、脱イオン
中の0.17%ピロカテコールバイオレット(A.K.A. カ
テコールスルホンフタレイン)と0.001%ローダミ
ンWTとした。蛍光薬剤(1.00ml)を100ml
の各々のモリブデン酸塩含有溶液(Moとして0.0〜
4.0ppm又はMoO4 として0.0〜6.7pp
m)に混合し、1分間後に、1.0cm×1.0cmの
キュベットと二重モノクロメーターを備えた Gilford F
luoro IV蛍光計を用いて蛍光分析を行った。550nm
の励起波長と580nmの発光波長を使用した。蛍光薬
剤は含むがモリブデン酸塩は含まない溶液を100の相
対蛍光%に割り当てた。これらの条件下で初期薬剤がモ
リブデン酸塩と相互作用したときの初期薬剤の蛍光特性
の変化は、蛍光強度の減少であった。標的種濃度に関係
づけることができる蛍光特性は、モリブデン酸塩の濃度
が増加したときの発光強度の減少である。各々のサンプ
ルについて求めたモリブデン酸塩の濃度に対する相対蛍
光%を次の表XIに示した。このデータは0.99の相関
係数(r)を示す。
【0086】 表XI ───────────────────────────── モリブデン酸塩濃度(Moとして* ) 相対蛍光% ───────────────────────────── 0.0ppm 100.0% 1.0ppm 85.2% 2.0ppm 66.1% 3.0ppm 55.0% 4.0ppm 46.5% ───────────────────────────── *又は0.0〜6.7ppm(MoO4 として)例12 本発明の方法の、標的種としての全アルカリ性度への応
用を例証するため、合成工業水の蛍光分析を行い、各々
の溶液中の標的種濃度指示剤の相対蛍光%を標的種を含
まない溶液と比較して求めた。初期蛍光薬剤は、脱イオ
ン中の1000ppmの4-アミノ安息香酸とした。この
蛍光薬剤(0.1ml)を100mlの各々の標的種含
有溶液に添加した。直径0.2cmのキュベット(フロ
ーセル)と二重モノクロメーターを備えた Gilford Flu
oro IV蛍光計を用いて蛍光分析を行った。275nmの
励起波長と340nmの発光波長を使用した。蛍光薬剤
は含むが(二)カーボネートアルカリ性度が0ppmの
溶液を0%の相対蛍光に割り当て、pH6.4〜8.9
の蛍光薬剤含有溶液(硫酸中和剤は全く存在せず)を1
00の相対蛍光%に割り当てた。1分間後に初期薬剤の
蛍光特性の変化を測定し、全アルカリ性度と反応する
と、これらの条件下で蛍光強度が増加した。標的種濃度
に関係づけることができる蛍光特性は、分析物の濃度が
増加したときの発光強度の増加である。各々のサンプル
について求めた全アルカリ性度に対する相対蛍光%を次
の表XIIに示した。このデータは0.99の相関係数
(r)を示す。
【0087】 表XII ───────────────────────────── 全アルカリ性度(CaCO3 として* ) 相対蛍光% ───────────────────────────── 200ppm(初期) 4.0% 250ppm 8.6% 275ppm 14.7% 300ppm 85.8% 325ppm 91.6% ───────────────────────────── 蛍光の出現又は消失、蛍光の励起及び/又は発光波長の
シフト、蛍光の消光、吸光度の変化に基づく蛍光変化
は、高分子水処理剤と蛍光色薬剤の相互作用による現象
であることがある。高分子水処理剤の初期薬剤としての
蛍光薬剤の使用を次により詳しく説明する。
【0088】米国特許第4894346 号(1990年1月16日発
行、発明者 Myersら)は、メタクロマンジー染料を溶液
サンプルに添加し、溶液の吸光度を標準溶液と比較する
ことによるスルフェート及び/又はポリカルボキシレー
ト化合物の濃度測定法を開示しており、この特許は本願
でも参考にして含まれる。しかし、このような方法は蛍
光分析法ではない。
【0089】或る染料は、高分子種の存在中で蛍光色応
答(蛍光の変化)を示す。特定の多環式染料の蛍光強度
は、種々のカチオン系やノニオン系のポリマーと相互作
用すると、増加することが観察されている。2番目の方
法は、欧州特許023127, A.L.Wu,1987 に開示のように、
この現象と、得られた錯体の、蛍光鏡検法、フローサイ
トメトリー、他の定量法に使用する三成分錯体を生成す
る微生物的多アニオンへの親和性を利用するものであ
り、この特許は本願でも参考にして含まれる。
【0090】もう1つの方法は、文献「書名Anal. Che
m.,著者 D.P. Parazak, C.W. Burkhardt, K.J. McCarth
y, Vol.59, page1444-1445, 1987 年」に記載のよう
に、アニオン系染料とカチオン系高分子電解質の錯体生
成相互作用を利用し(メタクロマンジー的スペクトル変
化ではない)、それによって疎水性溶媒で抽出可能な錯
体が生成する。この文献は本願でも参考にして含まれ
る。
【0091】また、本発明は、蛍光色薬剤を使用するこ
とができる。蛍光色薬剤は蛍光性であり、即ち所与の波
長の光を吸収し、長い波長の光を放出する。蛍光薬剤の
主な構造単位(常に不飽和である)は発蛍光団と称され
る。蛍光色薬剤は、逆に帯電した高分子電解質と相互作
用し、それによって通常のピークの発光波長の蛍光波長
強度が変化するイオン系の蛍光染料である。高分子電解
質を含む妥当に希薄な水溶液中で、蛍光色薬剤は、高分
子電解質濃度に依存したいくつかのタイプの挙動を示す
ことがあることが見いだされている。これらの挙動のタ
イプは、高分子電解質濃度が増加したときに見られる挙
動によって、次のように分類することができる。 (A)所与の発光波長ピークで測定したときの発光強度
の低下 (B)所与の発光波長ピークで測定したときの発光強度
の低下 (C)新しいピークの出現と、新しい発光波長ピークで
測定したときのより高い強度の発光 前記の挙動のタイプは、蛍光色薬剤の化学的構造及び/
又は高分子電解質/蛍光色薬剤の比に依存する。一部の
蛍光色薬剤に見られるような標準ピーク発光波長におけ
る蛍光発光の強度低下(タイプA挙動)は蛍光の消光現
象であることが分かっており、このような現象は蛍光色
の消光と考えることができる。他の蛍光色薬剤に見られ
るような蛍光発光の変化は蛍光発光波長のシフト現象
(タイプC挙動)であることが分かっており、そのよう
な現象は蛍光色シフトと考えることができる。タイプC
挙動は発光波長のシフト現象だけでなく、それまで弱か
った又は非蛍光性の化合物の蛍光の出現(新たな発光波
長ピーク)を伴うこともある。メタクロマジー染料の一
部のみが蛍光色(fluorochromatic) 挙動を示し、蛍光色
薬剤は可視メタクロマジー挙動を示すこともあり示さな
いこともある。メタクロマジー挙動と蛍光色挙動は明瞭
なスペクトル的現象である。最大蛍光励起波長は、或る
染料の最大吸収波長であることもないこともあり、他の
染料の最大吸収の波長と明確に違う又は無関係である。
【0092】蛍光色薬剤には、限定されるものではない
が、ナイルブルーAとピナシアノールクロリドがある。
この測定には、イオン座と蛍光色薬剤のモル比の制限が
ある。この測定は蛍光色薬剤と高分子電解質のイオン座
の間の相互作用に依存し、この相互作用は、例えば選択
の発光波長において蛍光強度を減少させる(タイプA挙
動)。このモル比の制限を超過すると、イオン座との相
互作用に利用できる蛍光色薬剤が枯渇すると考えられ
る。この比の限界に見合わなければ、発光強度と高分子
電解質濃度とのプロットの勾配は平らになり、標準曲線
はもはや蛍光発光強度と高分子電解質濃度との所望の関
係を提供しなくなる。高濃度の高分子電解質は、蛍光色
薬剤の濃度を高めることによって測定することができ
る。イオン座と蛍光色薬剤とのモル比の制限は、高分子
電解質と蛍光色薬剤の任意の所望の組み合わせについて
実験的に求めることができ、又は高分子電解質の既知又
は予測の電荷密度に基づいて算出することもできる。イ
オン座と蛍光色薬剤のモル比の制限の慎重な見積もり
は、制限が1:1のモル比以上になるようにし、制限を
超えないことを保証するために1:1の予測モル比に制
限を設定するが、殆どのタイプA挙動の高分子電解質/
蛍光色薬剤の組み合わせについて、実際の制限は、高分
子電解質のイオン座と蛍光色薬剤のモル比で約1.2:
1〜約1.5:1の範囲内に見いだされるであろう。
【0093】前記のように、選択の波長(好ましくは、
高分子電解質の存在なしの所与の蛍光色薬剤についての
発光ピーク)における発光強度の減少は、蛍光色薬剤の
消光又は蛍光色波長のシフトによることがあり、一部の
蛍光色薬剤では両方の減少の可能性を否定できないこと
がある。どちらの現象が生じているかは、選択の蛍光色
薬剤によるものと考えられる。本発明の殆どの利益は、
どちらの現象が生じているかにかかわらず実現すること
ができる。それにもかかわらず、好ましい態様におい
て、採用する蛍光色薬剤は蛍光色波長シフトにより選択
波長の蛍光発光強度の変化を提供する薬剤である。 〔水処理剤供給トレーサー〕用語「追跡」は、他に明記
がない限り、水系の中の不活性トレーサー(複数でもよ
い)の濃度測定を意味する。このような追跡は、本発明
の目的において、1つだけ、間欠的、又は半連続的に行
われることは少なく、実質的に連続的に、好ましくはそ
の場で(水系のその箇所)濃度測定を行い、水処理剤の
供給速度と消費速度の迅速な測定を提供する。不活性ト
レーサーは「トレーサー」と称することもある。
【0094】一般に、水処理剤供給へのトレーサーの投
与量は、下流のサンプリング/監視の箇所の濃度で、少
なくとも約5ppt、より一般的には約5ppb以上か
ら約100又は1000ppmまでのレベルを水系のト
レーサー濃度に与えるに充分な量であろう。水処理剤供
給は、常にではないが、一般的に活性水処理剤と1種以
上の不活性トレーサーを含む。希釈剤は水処理剤の溶媒
であることが多く、その溶媒は、多くの場合は水でよ
い。希釈剤は、水処理剤供給を投入する水系の中で活性
水処理剤の迅速で実質的に均一な分配を容易にするため
に、水処理剤供給の中に含ませることが多い。水処理剤
供給の中の活性水処理剤の濃度は、約0.5〜約50重
量%が一般的であり、場合によりさらに高いことがあ
る。水処理剤供給の中の活性水処理剤とトレーサーの重
量比は、約10:1〜約1000:1の範囲であること
が多い。トレーサーが活性水処理剤の一部である場合
(例、活性水処理剤ポリマーの蛍光側基置換基)、上記
の範囲は、目印の置換基に対する水処理剤の全重量(目
印の置換基を含む)を基準にする。任意の選択的な水処
理剤消費箇所の上流の系の中の活性水処理剤とトレーサ
ーの重量比は、当然ながら、水処理剤供給の中の比と実
質的に同じであり、その後水処理剤が水系の中で選択的
に消費されるにつれてその重量比が低下し、例えば1:
1又はそれ以下の重量比に近づく。
【0095】トレーサーは、本発明の目的にとって好ま
しい分析法である蛍光分析法によって容易に定量できる
ものから選択することが好ましい。他の分析法として、
HPLCと蛍光分析の併用によるトレーサーの定量法が
使用でき、上記に詳しく説明した。不活性トレーサー
は、水処理剤供給の中で可溶性かつ安定であり、水系の
水と共に輸送されることができ、遭遇する温度と圧力条
件下の使用する温度において完全に水溶性又は分散性で
ある。また、好ましくは、選択の不活性トレーサーは次
の基準を満たす。
【0096】1.熱的に安定であり、所与の系の温度で
は分解しない。 2.連続的又は半連続的に検出することができ、水系に
ついて行うことができる正確で再現性がある濃度測定が
実施できる。 3.不活性トレーサーを使用する水系の水中に普通に存
在する化学種とは実質的に異質である。
【0097】4.不活性トレーサーを使用する水系の水
中に普通に存在する化学種による影響や妨害を受けな
い。 5.水系の水からのそれ自身の可能性のある固有の損失
(例、キャリーオーバー)が実質的にない。 6.不活性トレーサーを使用する水系の水に使用する全
ての処理剤と適合性があり、したがってその効用が低下
しない。
【0098】7.水処理剤供給配合物の中のトレーサー
及び/又は他の成分、貯蔵条件及び/又は遭遇する搬送
条件によらず、水処理剤供給配合物の全ての成分と適合
性がある。 8.使用する水系の水の区域枠の中だけでなく排出して
も、適切に非毒性で環境的に安全である。
【0099】不活性トレーサーとして選択の化合物は、
例えば分解、堆積、錯生成反応、その他の現象によって
は、それらの現象による損失速度が予測可能で監視して
いる水処理剤の系の消費に比例するのでなければ、その
ような現象によって消費又は選択的に損失する化合物で
あるべきでない。本発明で使用する不活性トレーサー
(複数でもよい)は、水系の環境中で実質的に消費され
ない。水系の環境中で完全に不活性なトレーサーは、そ
れを添加する水系の水の中の任意の成分と反応せず、水
系の水の環境中で分解せず、その系の中でいかなる仕方
でも結合及び/又は堆積することができず、金属組成、
熱交換、熱容量によって有意に影響されないであろう。
工業的水系で遭遇するはずの水系環境中で完全に不活
性、又は実質的に不活性な水溶性トレーサーが存在す
る。また、その添加から系の成分としてのその監視まで
の経時の中で、反応、分解、結合、及び/又は堆積によ
ってその10重量%以下が失われる程度の不活性は、水
処理剤供給監視について常にではないが充分に又は実質
的に不活性であると考えられる。
【0100】前記のように、不活性トレーサーは水処理
剤に対して既知の割合で水処理剤供給に添加し、好まし
くは不活性トレーサーは、水処理剤活性成分に対して既
知又は一定の比率の既知又は一定の濃度で、水処理剤供
給と一緒又は別々に添加する。このような比例関係を達
成する好ましい方法は、水処理剤供給をその場の希釈で
調製し、不活性トレーサーがその濃縮物で安定であれ
ば、不活性トレーサーを水処理剤濃縮物と一緒に処方す
ることである。この濃縮物は水溶液、又は添加する希釈
液に適切な速度で分散する均一な混合物でよい。殆どの
場合、水処理剤と不活性トレーサーの両者は、乾燥固体
や個々の純粋な液体ではなく流体供給処方物の成分とし
て系に供給するため、トレーサー濃度は、不活性トレー
サーそのもの又は水処理剤そのものの濃度値でなく、水
処理剤を含む配合物の濃度に関係づけられ、次いでその
配合物が必要なときに、不活性トレーサー及び/又は水
処理剤の濃度に関係づけることができる。したがって、
本発明の目的について、トレーサーと水処理剤供給との
比例関係は、供給のトレーサー成分と水処理剤成分の比
例関係に等しいことができる。不活性トレーサー濃度と
水処理剤濃度の関係は、当然ながら水処理剤のゼロ消費
に基づく関係である。
【0101】水系で実質的に不活性な蛍光化合物にはモ
ノ−、ジ−、トリスルホン化ナフタレンとそれらの塩、
特には種々のナフタレンモノ−、ジ−、トリスルホン酸
異性体があり、本発明で使用するに好ましい不活性トレ
ーサー(複数でもよい)である。ナフタレンモノ−、ジ
−、トリスルホン酸異性体は水溶性であり、広く市販さ
れており、公知の蛍光分析法で定量可能である。好まし
いナフタレンモノ−、ジスルホン酸異性体は、ナフタレ
ンスルホン酸(NSA)、例えば1-NSA、2-NSA、
及びナフタレンジスルホン酸(NDSA又はNDA)、
例えば1,2-NDSA、1,3-NDSA、1,4-NDSA、1,
5-NDSA、1,6-NDSA、1,7-NDSA、1,8-NDS
A、2,3-NDSA、2,4-NDSA等の水溶性塩である。
これらの不活性トレーサー(モノ−、ジ−、トリスルホ
ン化ナフタレン及びそれらの混合物)の多くは、殆どの
水系の環境に非常に適合する。これらの好ましい蛍光ト
レーサーの中で、2-NSAと1,5-NDSAは、少なくと
も約540℃(1004°F)までの温度で少なくとも
24時間熱的に安定であり(実質的に不活性)、285
℃(545°F)の温度と約1500psigまでの圧
力で一般的な水系の保持時間に見合う又はそれを超える
期間で熱的に安定である。このような不活性蛍光トレー
サーは、スチームの中に揮発されない。
【0102】本発明の方法に使用するに好ましい不活性
蛍光トレーサーのもう1つの群は、ピレンの各種スルホ
ン化誘導体、例えば1,3,6,8-ピレンテトラスルホン酸、
そのスルホン化ピレン誘導体の各種水溶性塩である。好
ましい態様において、不活性トレーサーはこれらのスル
ホン化蛍光トレーサーの1種であり、水系中で約0.5
ppbの濃度レベルで使用され、より一般的には少なく
とも約5ppb以上から約10ppmまでである。
【0103】蛍光化学トレーサーとその監視法は、例え
ば米国特許第4783314 号(1988年11月8日発行、発明者
J.E. Hoots, B.E. Hunt)に開示のように公知であり、
2-ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩のような蛍光ト
レーサーが蛍光監視と組み合わせて使用されている。こ
の特許は参考にして含まれる。トレーサーが2-NSA
(ナフタレンスルホン酸(NSA)の水溶性塩の1種)
である場合、水系の中のその濃度は、277nmの励起
波長と334nmの発光波長で蛍光色測定を行い、その
発光を酸活性として0.5ppmの2-NSAを含む標準
水溶液と比較することにより求めることができる。
【0104】不活性トレーサーは、充分に水溶性であ
り、本発明の目的において充分な容易さで水系の中で監
視することができる任意の化学種(specie)でよい。活性
トレーサー化学物質は、選択的又は水力学的損失によっ
て水系から失われることがある。これに対して、不活性
トレーサーは、ブローダウンによる一部の除去のような
水力学的損失によってのみ系から失われる。本発明の目
的に関し、不活性トレーサーとして使用されるトレーサ
ーは、その選択的な損失がそのトレーサーの監視の下流
で生じるとすれば、任意の量の任意のメカニズムで水系
から失われてもよい。
【0105】或るトレーサーは或る系で活性トレーサー
で、別な系では不活性トレーサーであることがある。活
性トレーサーは、例えば腐食防止剤であることができ
る。銅や銅合金の腐食を抑制するために適用する一連の
化合物は、である。これらの系統の有機物にはベンゾト
リアゾール(BT)、ブチルベンゾトリアゾール(BB
T)、トリルトリアゾール(TT)及び関連の化合物が
あり、金属表面と反応して銅や銅合金の上に保護皮膜を
生成する。これらの化合物は活性腐食防止処理成分であ
り、本願では総括的に銅腐食防止剤、腐食防止剤、又は
芳香族アゾールと称し、場合によりトリアゾール又は芳
香族(チ)(トリ)アゾールと称することもある。本発
明の方法においてトレーサーとして使用したときの芳香
族(チ)(トリ)アゾールの好ましい分析法は、蛍光発
光分光分析であり、例えば米国特許出願第07/872624 号
(1992年4月22日出願)に開示されており、本願でも参
考にして含まれる。
【0106】或る水系には、腐食防止剤による保護が必
要な銅、銅合金、又は他の金属表面が存在せず、そのよ
うな系に本発明の目的の水処理剤供給トレーサーとして
銅腐食防止剤を使用することは概して一般的ではない
が、本発明の態様としてそれを除外するものではない。
ここで、銅腐食防止剤の使用は、水処理剤供給の流れの
少なくとも一部を補給するであろう水の中に既に含まれ
ている場合、又は水がその系からその腐食防止剤を必要
とする系にリサイクルされるであろうときに、その系に
おいて好ましい態様であることができる。例えば、或る
工場は、冷却塔のような水系から別な水系に水をリサイ
クルすることがある。そのような場合、腐食防止及び/
又はトレーサー性能のために第1の水系の水にこれら銅
腐食防止剤を添加すると、それらは、本発明の目的に充
分な濃度で第2の水系の水処理剤供給流れの中に存在す
ることがある。さらに、第2の水系が、そのような銅腐
食防止剤の消費に結びつく金属表面を含まない場合、そ
の「活性」トレーサーは、本発明の目的に関しては不活
性トレーサーである。例えば、関係の監視が水系の流れ
にそった箇所の水処理剤供給流れであり(不活性トレー
サーの供給濃度を求めるため)、それらの間に消費に結
びつく金属表面を有しない場合、銅腐食防止剤は不活性
トレーサーであろう。
【0107】同様に、水処理剤供給流れの少なくとも一
部を構成する水の中に既に含まれている場合や、不活性
トレーサー含有流出液が、トレーサー又は処理目的のよ
うな他の目的に使用される系にリサイクルされる場合
に、この他のトレーサーの使用が本発明の好ましい態様
になることがある。特定の蛍光化合物は、所与の発光波
長で測定したとき、インシステム環境条件であることが
できる1以上の環境条件に応じて蛍光強度が変化するこ
とがある。本発明は、蛍光強度の変化を伴う又は含むト
レーサー監視技術(この用語が用いられたときは蛍光発
光分光分析の技術)を排除するものではない。
【0108】用語「インシステム水処理剤濃度指示
剤」、「水処理剤濃度指示剤」、又は「水処理剤指示
剤」は、本願では相互に置き換えが可能な用語であり、
それぞれを区別する定義は必要ない。用語「インシステ
ム濃度」は、水系の水の中の種(specie)の濃度を言い、
水の中に分散していない種の量は含まれず、例えば水と
接触している表面に生成した堆積物のように水と接触し
ていても、その量は含まれない。
【0109】他に明記がない限り、(複数でもよい)の
表現は、例えば種(複数でもよい)は、種及び/又は複
数の種を意味する。ppmは100万分の部、ppbは
10億分の部、pptは1兆分の部を意味する。 〔本発明の工業的応用〕本発明は、水系、水系と非水系
の混合系、及び実質的な非水系の処理のために水処理剤
を使用する設備に適用可能であり、具体的にはボイラー
水系、冷却水系等を使用する工場設備である。
フロントページの続き (72)発明者 マーティン アール.ゴッドフレイ アメリカ合衆国,イリノイ 60119,エル バーン,ロカスト コート 2 サウス 260

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水処理剤供給の消費濃度応答性の調節方
    法であって、次の過程を含んでなる方法: ・工業的流体系より水処理剤を含む流体サンプルを取り
    出し、 ・前記サンプルに、初期薬剤と実質的に非蛍光性の水処
    理剤の組み合わせを含む濃度指示剤を生成するに有効な
    量で初期薬剤を加え、 ・前記サンプルの蛍光分析によって前記濃度指示剤を監
    視し、前記水処理剤のインシステム濃度に関係づけるこ
    とができる少なくとも1種の蛍光発光値を測定し、 ・前記蛍光発光値と、前記水処理剤の前記インシステム
    濃度を関係づけ、 ・前記水処理剤の前記インシステム濃度に基づき、前記
    流体系への前記水処理剤の供給を調節する。
  2. 【請求項2】 前記水処理剤の前記インシステム濃度に
    対する前記蛍光発光値の関係が、前記初期薬剤の少なく
    とも1種の蛍光特性と前記濃度指示剤の蛍光特性との間
    の少なくとも1種の違いによって確立された請求項1に
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記監視を、前記工業的系の場所で実質
    的に連続的に行う請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記系への前記水処理剤の供給の少なく
    とも1種の調節を、前記水処理剤のインシステム濃度に
    基づいて行う請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記初期薬剤が実質的に非蛍光性であ
    り、前記濃度指示剤が蛍光性である請求項1に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記初期薬剤が蛍光性であり、前記濃度
    指示剤が実質的に非蛍光性である請求項1に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記初期薬剤と濃度初期薬剤が両方とも
    蛍光性であり、全ての残存初期薬剤の蛍光発光と前記濃
    度指示剤の蛍光発光の間の干渉を少なくとも最小限にす
    るような蛍光分析法を用いて前記蛍光分析を行う請求項
    1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 蛍光分析による前記流体系に対する前記
    水処理剤の供給及び前記水処理剤の供給速度の監視をさ
    らに含む請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 次の過程を含み、蛍光分析による前記流
    体系への水処理剤の供給と前記水処理剤の供給速度の監
    視をさらに含む請求項1に記載の方法: (1)前記水処理剤に対して既知の比率で不活性蛍光トレ
    ーサーを含む処理用配合物の1成分として、前記水処理
    剤を供給ラインを通して前記流体系に供給し、(2)前記
    供給ラインの中又は前記系の中の前記水処理剤の濃度を
    測定し、前記水処理剤の系の消費を測定し、そして(3)
    所定の範囲内で系の消費がされるように水処理剤の供給
    を調節する。
  10. 【請求項10】 次の過程を含み、蛍光分析による前記
    流体系への水処理剤の供給と前記水処理剤供給の速度の
    監視をさらに含む請求項1に記載の方法: (1)蛍光の目印成分を含む処理用配合物の1成分とし
    て、前記水処理剤を供給ラインを通して前記流体系に供
    給し、(2)前記供給ラインの中で前記蛍光の目印成分の
    濃度を測定する。
  11. 【請求項11】 前記水処理剤の前記インシステム濃度
    が、前記系の中での前記水処理剤を含む堆積物の生成及
    び/又は溶解に影響され、前記堆積物の生成と溶解を水
    処理プログラムの性能に関係づけ、それにより、前記水
    処理剤供給の調節が水処理プログラム性能に基づく水処
    理剤供給の調節でもある請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記水処理剤がZn+2、オルトホスフ
    ェート、縮合無機ホスフェート、ホスホネート、硼素、
    アルカリ性度、モリブデン酸塩、シリカ、非酸化性殺生
    剤、界面活性剤、中和用アミン、酸素捕獲剤、有機ポリ
    マー、キレート化剤、又はナトリウムである請求項1に
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記流体系が、少なくとも約70重量
    %の水を含む工業的水系である請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記系が、工業的冷却水系又は工業的
    ボイラー水系である請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記系が複数の水処理剤を含み、前記
    複数の水処理剤の濃度を複数の濃度指示剤の監視によっ
    て行う請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記系が、非水流体系、又は水系と非
    水系の混合流体系である請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記分析を、前記濃度指示剤の単離な
    しに行う請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記水処理剤のインシステム濃度が、
    前記系の中の溶質の形態の前記水処理剤の残存濃度であ
    り、前記水処理剤が、確立された標的及び/又は前記系
    についての最適残存濃度を有する請求項1に記載の方
    法。
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