JPH0726347A - 冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線 - Google Patents

冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線

Info

Publication number
JPH0726347A
JPH0726347A JP17017793A JP17017793A JPH0726347A JP H0726347 A JPH0726347 A JP H0726347A JP 17017793 A JP17017793 A JP 17017793A JP 17017793 A JP17017793 A JP 17017793A JP H0726347 A JPH0726347 A JP H0726347A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
strength
steel
steel wire
cold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP17017793A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisashi Uchida
尚志 内田
Yoshiro Koyasu
善郎 子安
Toshio Tomono
俊夫 伴野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP17017793A priority Critical patent/JPH0726347A/ja
Publication of JPH0726347A publication Critical patent/JPH0726347A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動車用懸架ばねのうち冷間成形ば
ねの軽量化、高応力化に対応するため、鋼線の成分のう
ちNbおよびC,Si,Mn,Crの添加量を特定する
ことにより、焼入れ焼戻し後の材質が高強度でかつ十分
な冷間成形性を有し、ばねとして耐久性および耐へたり
性に優れた冷間成形用高強度懸架ばね用鋼線を提供しよ
うとするものである。 【構成】 重量%でC:0.50%以上、0.65%以
下、Si:1.50%以上、2.50%以下、Mn:
0.50%を超え、1.50%以下、Cr:1.0%を
超え、2.5%以下、Nb:0.07%以上、0.65
%以下を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物から
なり、更に、Nb/C比:0.15以上、1.0以下で
あることを特徴とする冷間成形性に優れた高強度懸架ば
ね用鋼線。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車等の懸架装置に用
いられるコイルばねのうち、冷間成形懸架ばねに係わる
もので、冷間成形性に優れ、かつ、ばねとして耐久性お
よび耐へたり性に優れた懸架ばね用鋼線に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車は燃費向上のために軽量化
が強く要求されており、自動車の重要な構成部品の一つ
である懸架用コイルばねにおいても、同様に今まで以上
の軽量化が要求されている。懸架用コイルばねの軽量化
は、一般にはコイルばねの設計応力を高めることで対応
されており、そのためには、コイルばねの強度を高め、
耐久性を高める必要がある。その具体的な対応策は、懸
架用コイルばねの成形方法によって異なっている。
【0003】懸架用コイルばねの成形法としては、熱間
成形法および冷間成形法の二種類がある。熱間成形法
は、鋼線を熱間でコイルに成形した後、焼入れ・焼戻し
の熱処理により強度を調整する方法で、一般的に用いら
れている方法である。この熱間成形法では鋼線を高温で
コイルに成形するため、コイルばねとしての成形性はほ
とんど問題にならず、また、コイルに成形してから焼入
れ・焼戻し処理を施すため強度の調整が比較的容易であ
ることから、各種合金元素を添加し、耐久性および耐へ
たり性に優れた熱間成形用懸架ばね用鋼が開発されてき
た。
【0004】例えば、特開昭57−32353号公報で
は、JIS G4801に規定されているばね鋼鋼材の
内、Si−Mn鋼鋼材のSUP7の成分を基本成分と
し、これにV,Nb,Moを単独あるいは複合添加させ
ることにより、耐へたり性を改善することができ、ばね
用鋼として必要な耐久性、靭性についても従来鋼とくら
べ遜色のないものであるとしている。
【0005】同号公報でのV,Nb,Moの作用効果と
しては、焼入れにより過飽和に固溶したこれらの合金元
素が、焼戻しの過程において微細な合金炭化物として再
析出し、これが転位の動きを阻止し、二次硬化を生じ、
硬さを上昇させ、更に耐へたり性を向上する働きをす
る。また、焼入れ時の加熱においてオーステナイト中に
固溶されない合金炭化物は、オーステナイト結晶粒を細
粒化すると共にその粗大化を防止し、このような微細な
結晶粒は転位の移動量を少なくすることにより、耐へた
り性を向上させるとしている。
【0006】しかし、同号公報の実施例から明らかなよ
うに熱間成形法を前提としたものであり、この場合の引
張強さはたかだか180kgf/mm2 前後、ばねの耐久性も
最大剪断応力(τmax )110kgf/mm2 程度であり、最
近の懸架ばねの高応力化の要求に対しては不十分であ
る。最近では、懸架ばねに対する高応力化の要求レベル
が更に高くなり、これに伴なって靭性低下による信頼性
の低下が懸念されることから、懸架ばねの信頼性を確保
するため靭性を向上せしめた高強度熱間成形用ばね鋼が
提案されている。
【0007】例えば、特開平3−2354号公報では、
SUP7より低C化し、Ni,Cr,Nを適量添加し、
必要に応じてV,Nb,Moの一種以上含有させ、O量
を低減させることにより、靭性に優れ、かつ耐久性、耐
へたり性に優れたばね用鋼が得られるとしている。同号
公報では、低C化およびNi添加により靭性を向上せし
めている。また、V,Nb,Moの作用効果は、前述の
特開昭57−32353号公報と同様、結晶粒の微細化
効果にあるとしている。同号公報実施例では硬度をHR
C55に調整したコイルばねの耐久性はτmax 130kg
f/mm2 と従来鋼に比べ著しく高くなっている。しかしな
がら、同号公報の発明は添加合金元素の種類および添加
量が多く、そのためコスト的に不利にならざるを得な
い。
【0008】一方、冷間成形ばねでは、熱処理により鋼
線の強度を調整した後、室温でコイル成形を行うため、
コイル成形可能な素線径、コイル形状に限界がある。従
って、最近のばねの高応力化に対応するために強度を高
めれば冷間成形性が低下し、コイルばねの成形が難しく
なるという問題が派生し、冷間成形懸架ばねの高強度化
を困難にしている。例えば、特開昭59−96246号
公報では、ばね用鋼の一種である米国・自動車技術者協
会規格SAE9254相当材にVを添加するとともに、
急速加熱、急速冷却の熱処理を組合せることにより結晶
粒の粗大化を抑制し、結晶粒の微細化を図り冷間成形性
に優れた高強度、高靭性、高耐へたり性の冷間成形用ば
ね鋼線が得られるとしている。この場合、引張強度20
4kgf/mm2 に調整した線材を用いて製造したばねの耐久
性はτmax 120kgf/mm2 であるとしている。
【0009】このように、熱間成形懸架ばねでは、鋼線
を熱間でコイル成形するため成形性は問題にならず、成
形後に熱処理を施し、この熱処理により各種添加した合
金元素の作用効果を利用して、ばねに耐久性およびへた
り性、更には靭性を付与することが可能である。これに
対して、冷間成形懸架ばねでは、予め鋼線に焼入れ・焼
戻しの熱処理を施し、強度を調整した後、コイル成形を
行うため強度と同時に成形性を確保することが必須条件
であり、最近の熱間成形懸架ばねと同様な多種多量な合
金元素の利用ができない。そのため、冷間成形懸架ばね
の耐久性の応力レベルは、前述の熱間成形懸架ばねより
低いτmax 120kgf/mm2 級であるのが実情である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】冷間成形懸架ばねの高
応力化のために素材鋼線の強度を高めると、コイリング
時の冷間成形性が低下し、コイルばねとして成形ができ
なくなる。しかしながら、近年、冷間成形懸架ばねで
も、熱間成形懸架ばねと同様、高い疲労強度が要求され
ており、ばね用鋼線の高強度化の要求が強い。そこで、
本発明は、高強度でかつ十分な冷間成形性を有し、ばね
としての耐久性および耐へたり性に優れた冷間成形懸架
ばね用鋼線を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、重量%でC:
0.50%以上、0.65%以下、Si:1.50%以
上、2.50%以下、Mn:0.50%を超え、1.5
0%以下、Cr:1.0%を超え、2.5%以下、N
b:0.07%以上、0.65%以下を含有し、残部は
Feおよび不可避的不純物からなり、更に、Nb/C
比:0.15以上、1.0以下であることを特徴とする
冷間成形性に優れた高強度懸架ばね用鋼線である。
【0012】前述の通り、冷間成形懸架ばね用鋼線は、
焼入れ・焼戻しを施し強度を調整した後、コイルに成形
するため、強度と同時に冷間成形性を有していなければ
ならない。焼入れ・焼戻し条件のうち、焼戻温度を低め
ることにより鋼線の強度を高めることが可能であるが、
一般には焼戻処理に鉛浴炉を用いることから焼戻温度は
鉛の融点以下とすることができず、また、単に焼戻温度
を下げ強度を高めた場合、冷間成形性が低下し、懸架ば
ねに成形できない。一方、焼戻温度を高めれば、冷間成
形性は向上するが、強度が低下し、十分な疲労強度が得
られない。更に、一般に採用されている現行の焼入れ・
焼戻し条件を変更することは生産性を阻害するため好ま
しくない。
【0013】そこで、本発明者等は、一般に採用されて
いる通常の焼入れ・焼戻し条件を変更することなく高強
度化を図り、かつコイルばねとしての冷間成形性を確保
すべく、種々検討を重ねた。特に、コイリング時の冷間
成形性を支配する材質要因は、局部変形能すなわち引張
試験における絞り値と相関があるものと思料し、引張強
さと絞り値に及ぼす合金元素の影響について検討を加え
た。その結果、強度を確保するためCをSAE9254
相当に抑え、Si,Mn,Crの添加量を調整し、更
に、絞り値を確保するためNbを適量添加することによ
り、通常の焼入れ・焼戻し条件において強度および絞り
値の双方が確保できることを見出した。
【0014】図1は絞り値に及ぼすNbの効果を示すも
ので、横軸はNb/C比(重量%比)で整理してある。
供試材の化学成分を表1に示すが、同表の鋼のうち、強
度レベルがほぼ同じ本願発明鋼A1〜A4および比較鋼
B1を用いた。実験室的に溶解、鍛造した供試材を用い
て、焼入れ・焼戻しを施した。焼入条件は加熱温度95
0℃で30min 保持し、オーステナイト化した後、60
℃の油焼入れとした。焼戻条件は、加熱温度400℃で
60min 保持した後、水冷とした。引張試験片の形状は
平行部の直径6mm、長さ30mmである。
【0015】同図に示すように、Nb/C比が高くなる
に従って絞り値が高くなる傾向にあることが判る。従
来、絞り値が40%以上あれば懸架ばねとして問題なく
冷間成形が十分できるため、この絞り値を基準にとる
と、Nb/C比が0.15以上の添加が必要である。図
2はNb添加材およびNb無添加材の焼戻特性を示すも
のである。用いた供試材は表1に示した鋼A1および鋼
B1である。焼戻温度を200〜700℃の範囲で変
え、その他の焼入れ・焼戻し条件は前述の場合と同じで
ある。硬さ測定にはビッカース硬度計(荷重10kgf)を
用いた。
【0016】同図に示すように、Nb添加材およびNb
無添加材の硬度は、焼入れままから焼戻温度400℃ま
ではNb添加材の方がわずかに低く、それ以上の焼戻温
度では硬度にほとんど差がなく、双方とも二次硬化が認
められない。これは、Nbが熱処理前の鋼線の段階でN
b炭化物としてほとんど析出しており、焼入れのための
オーステナイト化においても固溶せずNb炭化物として
残存している効果によるものである。すなわち、未固溶
のNb炭化物として残存することによりマトリックスの
C量を減じているため、焼入硬さおよび低温側の焼戻し
硬さをわずかに低めるとともに、焼戻温度500℃前後
での再析出が生じないため、二次硬化を示さなかったも
のである。
【0017】また、未固溶Nb炭化物が存在するためオ
ーステナイト化時にオーステナイト粒の粗大化が抑制さ
れ細粒組織が得られる。このように、本願発明は未固溶
炭化物を積極的に利用したものである。更に、Nbの焼
戻し二次硬化を利用していないため、Si,Mnおよび
Crを組合せて添加量を調整し、通常の焼入れ・焼戻し
条件により高硬度化すなわち高強度化を図ったものであ
り、Nb添加との組合せにより絞り値を最適化したもの
である。C量を増すことにより高強度化が可能だが、絞
り値が低下するためC量はSAE9254と同等とし
た。
【0018】図3は、図2と同じ条件で熱処理した引張
試験の絞り値を示したものである。引張試験片寸法は図
1の場合と同じである。図3に示すように、Nb添加材
の絞り値はNb無添加材に比べ、焼戻温度400℃前後
で顕著に高くなっている。これはNb炭化物がオーステ
ナイト化時に未固溶で残存していることによるオーステ
ナイト粒の細粒化およびマトリックスの低C化の効果で
ある。このように、Nb添加により絞り値が大幅に改善
できる。
【0019】
【作用】本発明はNb添加による絞り値、すなわちばね
冷間成形性を改善し、C,Si,MnおよびCrの添加
量を組合せ調整して高強度化を図ったものである。以下
に本発明の成分限定理由について説明する。C量を0.
50%以上、0.65%以下としたのは、0.50%未
満では焼入れ、焼戻しにより強度、すなわちばねとして
耐久性が十分な強度が得られないためであり、0.65
%を超えると絞り値、すなわちばねに加工するための冷
間成形性が低下するためである。
【0020】Siを1.50%以上、2.50%以下と
したのは、1.50%未満では固溶強化および耐へたり
性向上の効果が十分に得られないためであり、2.50
%を超えると耐へたり性向上効果が飽和し、かつ圧延お
よび熱処理時に脱炭が生じやすくなり、耐久性を低下さ
せるためである。Mnを0.50%を超え、1.50%
以下としたのは、0.50以下では固溶強化および焼入
れ性が不十分なためであり、1.50%を超えると延性
が低下するためである。
【0021】Crを1.0%を超え、2.5%以下とし
たのは、1.0%以下では焼入れ性および脱炭抑制効果
が不十分であり、かつ強度が不十分であり、2.5%を
超えるとこれらの効果が飽和するためである。Nbを
0.07%以上、0.65%以下としたのは、0.07
%以上では絞り性すなわち冷間成形性改善効果が不十分
であり、0.65%を超えると冷間成形性改善効果が飽
和するためである。特に、冷間成形性を確保するために
はNb/C比で0.15以上、1.0以下の範囲にする
必要がある。また、Nbと前述のC,Si,Mn,Cr
との組合せで絞り値を最適化する必要がある。
【0022】本発明は、以上のような成分を有するもの
であるが、焼戻し脆化を防止するためにPを0.015
%以下にすることが望ましい。また、鋼線からコイルば
ねの製造に際しては、従来技術として行われている通常
の方法が採用できる。通常の方法による、製鋼、連続鋳
造、分塊圧延、線材圧延の工程を経て、伸線、焼入れ、
焼戻し工程等を経て、引張強さ200kgf/mm2以上に調
整し、絞り値、すなわち冷間成形性に優れたばね鋼線が
得られる。
【0023】
【実施例】表1は供試鋼の化学成分を示したものであ
る。表1において鋼A1〜A5は本発明鋼であり、鋼B
1〜B10は比較鋼である。供試鋼は、実験室的に溶
解、鍛造、外周切削を行い、焼入れ焼戻しを施した後、
引張試験片に加工した。焼入条件は加熱温度950℃で
30min 保持しオーステナイト化した後、60℃の油焼
入れとした。焼戻条件は、加熱温度400℃で600mi
n 保持した後、水冷とした。引張試験片の形状は平行部
の直径6mm、長さ30mm、標点距離25mmである。
【0024】
【表1】
【0025】本発明鋼である鋼A1〜鋼A5は強度すな
わち引張強さが200kgf/mm2 以上であり、絞り値は4
0%以上で、強度および絞り値、共に良好である。これ
に対し、比較鋼である鋼B1〜鋼B5は本発明の成分範
囲から外れるもので、鋼B1,B4,B6〜B11は引
張強さが200kgf/mm2 以上であるが、絞り値は40%
未満であり、また鋼B2,B3,B5は絞り値は40%
以上であるが引張強さは200kgf/mm2 未満のものであ
る。すなわち、比較鋼はC,Si,Mn,Cr,Nbの
添加量が最適化されていないため、強度ないしは絞り値
のいずれかが低くなっているのに対し、本発明鋼は強度
および絞り値ともに高く、高強度化してもばね加工にお
ける冷間成形に優れていることが判る。
【0026】この知見に基づき、実際にばねを製造し
た。表2は供試ばねの化学成分を示す。
【0027】
【表2】
【0028】鋼A6は本発明鋼、鋼B11〜B12は比
較鋼である。通常の方法による製鋼、連続鋳造、分塊圧
延、線材圧延の工程を経て、伸線、焼入れ、焼戻し等の
工程により、鋼A6および鋼B11は引張強さ205kg
f/mm2 に、鋼B12は引張強さ195kgf/mm2 に調整し
た。この鋼線をローラーピンタイプのコイリングマシン
により懸架ばねをそれぞれ50本、冷間成形した。供試
ばねの諸元を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】この段階で比較鋼B11はコイル成形中に
折損したためその後の試験を中止した。鋼A6および鋼
B12について引続き、低温焼鈍、ショットピーニン
グ、低温焼鈍、セッチングを施し、ばねの耐久性および
耐へたり性を評価した。ばね耐久性はばね疲労試験機を
用い、それぞればね5本づつ、平均応力τm =70kgf/
mm2 、応力振幅τa =55kgf/mm2 で試験を行った。耐
へたり性は開発鋼では上記応力で30万回耐久したば
ね、比較鋼では5万回の耐久試験前後の自由長を測定
し、自由長の変化率により評価した。表4にこれらの結
果をまとめて示した。
【表4】
【0031】表4に示すように、ばね冷間成形において
引張強さ205kgf/mm2 に調整した開発鋼ではコイル折
損が生じないのに対し、比較鋼ではコイル折損が生じ
た。すなわち、同じ強度であれば本発明鋼がばねの冷間
成形性に優れていることが判る。一方、ばね疲労試験で
は、強度が異なるが本発明鋼は30万回耐久しているの
に対し、比較鋼が10万回未満の繰返し回数で折損し
た。また、本発明鋼のへたり性は比較鋼と比べ同等であ
る。すなわち、本発明鋼は耐久性および耐へたり性に優
れていることが判る。
【0032】
【発明の効果】本発明はSAE9254相当のCとし、
Si,Mn,Crを調整することにより強度を確保し、
更にNbを添加し、Nb/C比を適性にすることによ
り、冷間成形性の優れた高強度懸架ばね鋼線の製造が可
能となる。従って、冷間成形懸架ばねの高応力化に十分
対応でき、懸架ばねの軽量化の非常に大きく寄与でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Nb/C(重量比)と引張試験における絞り値
との関係を示す線図。
【図2】Nb添加材(本発明鋼A1)およびNb無添加
材(比較鋼B1)の焼戻温度と硬度の関係、すなわち焼
戻性能曲線を比較した線図。
【図3】同様に焼戻温度と絞り値を比較した線図。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で C :0.50%以上、0.65%以下 Si:1.50%以上、2.50%以下 Mn:0.50%を超え、1.50%以下 Cr:1.0%を超え、2.5%以下 Nb:0.07%以上、0.65%以下 残部はFeおよび不可避的不純物からなり、更に、Nb
    /C比:0.15以上、1.0以下であることを特徴と
    する冷間成形性に優れた高強度懸架ばね用鋼線。
JP17017793A 1993-07-09 1993-07-09 冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線 Withdrawn JPH0726347A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17017793A JPH0726347A (ja) 1993-07-09 1993-07-09 冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17017793A JPH0726347A (ja) 1993-07-09 1993-07-09 冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0726347A true JPH0726347A (ja) 1995-01-27

Family

ID=15900123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17017793A Withdrawn JPH0726347A (ja) 1993-07-09 1993-07-09 冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0726347A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1619264A1 (en) * 2003-03-28 2006-01-25 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Steel wire for high strength spring excellent in workability and high strength spring

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1619264A1 (en) * 2003-03-28 2006-01-25 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Steel wire for high strength spring excellent in workability and high strength spring
EP1619264A4 (en) * 2003-03-28 2007-08-15 Kobe Steel Ltd STEEL CABLE FOR VERY RESISTANT RESISTANCE TO EXCELLENT FA CON- TANTABILITY AND HIGH RESISTANCE SPRING
US8007716B2 (en) 2003-03-28 2011-08-30 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho Steel wire for high strength spring excellent in workability and high strength

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7763123B2 (en) Spring produced by a process comprising coiling a hard drawn steel wire excellent in fatigue strength and resistance to setting
EP3346020B1 (en) Spring steel wire and spring
US5286312A (en) High-strength spring steel
US20070125456A1 (en) High strength spring steel wire with excellent coiling properties and hydrogen embrittlement resistance
WO2001048258A1 (fr) Produit en barre ou en fil a utiliser dans le forgeage a froid et procede de production de ce produit
EP2746420B1 (en) Spring steel and spring
EP0637636B1 (en) Graphite structural steel having good free-cutting and good cold-forging properties and process of making this steel
WO2015146141A1 (ja) 高強度で耐食性に優れたスタビライザー用鋼と、それを用いた車両用スタビライザーおよびその製造方法
JPH08506623A (ja) 高強度高靭性ばね鋼およびその製造方法
JP6798557B2 (ja)
JPH05214484A (ja) 高強度ばね用鋼およびその製造方法
JP4097151B2 (ja) 加工性に優れた高強度ばね用鋼線および高強度ばね
JP3733229B2 (ja) 冷間加工性及び耐遅れ破壊性に優れた高強度ボルト用棒鋼の製造方法
KR101789944B1 (ko) 코일 스프링 및 그 제조 방법
JP4344126B2 (ja) ねじり特性に優れる高周波焼もどし鋼
JPH05148581A (ja) 高強度ばね用鋼および高強度ばねの製造方法
JPH0830246B2 (ja) 高強度ばね用鋼
JPS62274051A (ja) 耐疲労性、耐へたり性に優れた弁ばね用鋼線
JP4062612B2 (ja) 疲労強度および耐へたり性に優れた硬引きばね用鋼線並びに硬引きばね
KR100325706B1 (ko) 저합금형고응력스프링용강및그제조방법
JP3211627B2 (ja) 窒化用鋼およびその製造法
JPH0726347A (ja) 冷間成形に優れた高強度懸架ばね用鋼線
JP4041330B2 (ja) 疲労強度に優れた硬引きばね用鋼線および硬引きばね
JPH01184259A (ja) 高強度ばね鋼
JP2860789B2 (ja) 焼入性、耐久性の優れたばね用鋼

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20001003