JPH07261220A - 半導体光素子 - Google Patents

半導体光素子

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JPH07261220A
JPH07261220A JP6055699A JP5569994A JPH07261220A JP H07261220 A JPH07261220 A JP H07261220A JP 6055699 A JP6055699 A JP 6055699A JP 5569994 A JP5569994 A JP 5569994A JP H07261220 A JPH07261220 A JP H07261220A
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JP
Japan
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layer
lattice constant
semiconductor
well layer
barrier layer
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Pending
Application number
JP6055699A
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English (en)
Inventor
Koji Tominaga
浩司 冨永
Makoto Hosoda
誠 細田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
Original Assignee
ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
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Publication date
Application filed by ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories filed Critical ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 障壁層が井戸層に比較して薄い超格子中にお
ける非線形電気光学吸収効果を利用した半導体光素子の
動作波長を、半導体基板との格子整合の制約無しに自由
に選択できることができる、SEEDを利用した半導体
光素子を提供することにある。 【構成】 半導体基板上に形成され井戸層と障壁層とが
交互に形成された超格子構造の真性半導体層とが2つの
電極間に挟設され、非線形電気光学吸収効果を有するp
inダイオードを備えた半導体光素子において、障壁層
の厚さは井戸層の厚さよりも薄く設定され、半導体基板
と真性半導体層との間に、井戸層と同一の材料を有しそ
の組成比を各成長層毎に変化することによって半導体基
板の格子定数から真性半導体層の格子定数に変化するよ
うに形成された格子定数変換バッファ層と、井戸層と同
一の組成物であって、格子定数変換層よりも厚い厚さを
有し、格子定数を第2の格子定数に安定化するための格
子定数安定化バッファ層とを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形電気吸収効果を
有するSEED(Self-Electro-optic Effect Device)
を用いた半導体光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】障壁層が薄い超格子層中における非線形
電気光学吸収効果を利用した半導体光素子の1つとして
ワニエシュタルク型SEEDがあるが、これまでワニエ
シュタルク型SEEDは、例えば以下の文献に示すよう
に、GaAs半導体基板上のGaAs/AlAs、Ga
As/AlGaAsや、InP半導体基板上のIn0.53
Ga0.47As/In0.52Al0.48Asなど半導体基板に
格子整合した超格子デバイスにおいて実現されている。 (a)E.E.Mendez et al.,"Stark Localization in GaA
s-GaAlAs Superlatticesunder electric field",Physic
s Rev. Letter, Vol.60, 2426(1988年)。 (b)K.Kawashima et al.,"Transmission Self-Electr
o-Optic Effect DevicesBased on Wannier-Stark Local
ization in a GaAs/AlAs Superlattice", Japannese Jo
urnal of Applied Physics, Vol.31, 2682(1992年)。 (c)E.Bigan et al.,"Optimization of Optical Wave
guide Modulators Basedon Wannier-Stark Localzation
: An Experimental Study",IEEE Journal of Quantum
Electron, Vol.28, 214(1992年)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、超格子層中の
井戸層及び/又は障壁層の厚さ及び/又は組成などを変
化することにより超格子の構造を変化することによっ
て、波長に対する光電流の特性においてスイッチング動
作の階段特性を得ることができる波長を、例えば700
nmから850nmまでの波長の範囲で変化することが
でき、所定の動作波長選択性を得ることができる。しか
しながら、格子整合という制約があるため、上記階段特
性を得ることができる波長の範囲は比較的狭く、波長選
択の自由度は限られている。例えば、光源として高出力
で高品質なNd:YAGレーザ(例えば、発振波長1.
06μmを有する。)を利用することができないという
問題点があった。
【0004】一つの試みとして、GaAs半導体基板上
のInGaAs/GaAs超格子系デバイスを利用する
ことが考えられ、井戸層よりも厚い障壁層を有するQC
SE(Quantum Confinement Stark Effect)を利用した光
半導体素子を実現している例がある。しかしながら、半
導体基板と格子整合したGaAs障壁層が半導体基板に
格子整合しないInGaAs井戸層に比較して薄くなる
ように構成したワニエシュタルク型SEEDにおいて
は、格子不整合による歪が薄い障壁層に蓄積されるため
超格子の成長中に欠陥が生じてしまい、明確なワニエシ
ュタルク局在効果を確認することはできていない。これ
については、例えば、以下の文献に開示されている。 B.Pezeshki et al.,"Wannier-Stark localization in a
strained InGaAs/GaAssuperlattice", Applied Physic
s Letter, Vol.57, 2116(1990年)。
【0005】本発明の目的は、障壁層が井戸層に比較し
て薄い超格子中における非線形電気光学吸収効果を利用
した半導体光素子の動作波長を、半導体基板との格子整
合の制約無しに自由に選択できることができる、SEE
Dを利用した半導体光素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の光半導体素子は、所定の第1の格子定数を有する半
導体基板と、上記半導体基板上に形成され所定の第2の
格子定数を有しかつ井戸層と障壁層とが交互に所定の周
期数で積層形成されてなる超格子構造を有する真性半導
体層とが2つの電極間に挟設され、上記2つの電極間に
逆バイアス電圧を変化することによって光吸収端付近の
光透過率が変化して上記逆バイアス電圧に対して入射す
る入力光による光電流が変化する非線形電気光学吸収効
果を有するpinダイオードを備えた半導体光素子にお
いて、上記障壁層の厚さは上記井戸層の厚さよりも薄く
設定され、上記半導体基板と上記真性半導体層との間
に、上記井戸層と同一の材料を有し当該材料の組成比を
各成長層毎に変化することによって上記半導体基板側の
上記第1の格子定数から上記真性半導体層側の上記第2
の格子定数に変化するように形成され、上記第1の格子
定数を上記第2の格子定数に変換する格子定数変換バッ
ファ層と、上記井戸層と同一の組成物であって、上記格
子定数変換層よりも厚い厚さを有し、上記格子定数を上
記第2の格子定数に安定化するための格子定数安定化バ
ッファ層とを形成したことを特徴とする。
【0007】また、請求項2記載の半導体光素子は、請
求項1記載の半導体光素子において、上記井戸層に対し
て応力が印加されるように上記井戸層及び上記障壁層の
組成が設定されたことを特徴とする。さらに、請求項3
記載の半導体光素子は、請求項2記載の半導体光素子に
おいて、上記井戸層に対して圧縮応力が印加されるよう
に上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定されたことを
特徴とする。また、請求項4記載の半導体光素子は、請
求項2記載の半導体光素子において、上記井戸層に対し
て引っ張り応力が印加されるように上記井戸層及び上記
障壁層の組成が設定されたことを特徴とする。さらに、
請求項5記載の半導体光素子は、請求項2記載の半導体
光素子において、上記井戸層に対して圧縮応力が印加さ
れかつ上記障壁層に対して引っ張り応力が印加され、上
記圧縮応力と上記引っ張り応力とが実質的に等しくなる
ように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定されたこ
とを特徴とする。またさらに、請求項6記載の半導体素
子は、請求項2記載の半導体光素子において、上記井戸
層に対して引っ張り応力が印加されかつ上記障壁層に対
して圧縮応力が印加され、上記引っ張り応力と上記圧縮
張り応力とが実質的に等しくなるように上記井戸層及び
上記障壁層の組成が設定されたことを特徴とする。
【0008】
【作用】以上のように構成された半導体光素子において
は、上記2つの電極間に逆バイアス電圧を変化すること
によって光吸収端付近の光透過率が変化して上記逆バイ
アス電圧に対して入射する入力光による光電流が変化す
る。すなわち、逆バイアス電圧を変化することによっ
て、スイッチング動作を実現することができる。そし
て、上記格子定数変換バッファ層は、上記第1の格子定
数を上記第2の格子定数に変換する。また、上記格子定
数安定化バッファ層は、上記格子定数を上記第2の格子
定数に安定化する。この場合、障壁層が井戸層に比較し
て薄い超格子中における非線形電気光学吸収効果を利用
した半導体光素子におけるスイッチング動作の動作波長
を、半導体基板との格子整合の制約無しにより広い範囲
にわたって自由に選択できることができる。本発明者の
実験によれば、上記動作波長を、従来例では700nm
乃至850nmの範囲で変化するのに対して、本発明の
構成では、700nm乃至1100nmの範囲で変化さ
せることができる。
【0009】また、好ましくは、上記井戸層に対して応
力が印加されるように上記井戸層及び上記障壁層の組成
が設定される。この場合において、以下の4つの好まし
い場合がある。
【0010】(1)上記井戸層に対して圧縮応力が印加
されるように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定さ
れる。この結果、井戸層42の価電子帯32のバンド構
造が変化する。応力がなく無歪状態の場合(図3の
(a)参照。)と比較すると、重い正孔の準位は低いエ
ネルギー側に変化する(図3の(b)参照。)一方、軽
い正孔の準位は高いエネルギー側に変化する(図3の
(c)参照。)。従って、電子と軽い正孔による吸収の
エネルギー量(E1−LH1)と、電子と重い正孔によ
る吸収のエネルギー量(E1−HH1)との間のエネル
ギー差をより大きく設定することができる。これによ
り、エネルギー量(E1−HH1)と、エネルギー量
(E1−LH1)とを独立に利用した半導体光素子の光
源に求められる波長の単一性の制約がゆるくなる。言い
換えれば、広帯域な波長特性を有する発光ダイオード源
を用いてもよいという利点がある。
【0011】(2)上記井戸層に対して引っ張り応力が
印加されるように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設
定される。この場合においては井戸層42に引っ張り応
力が印加される。井戸層42にかかる引っ張り応力の結
果、井戸層42の価電子帯32のバンド構造が変化す
る。応力がなく無歪状態の場合(図4の(a)参照。)
と比較すると、重い正孔の準位は高いエネルギー側に変
化する(図4の(b)参照。)一方、軽い正孔の準位は
低いエネルギー側に変化する(図4の(c)参照。)。
従って、上記組成値の大きさや井戸層42の厚さを適当
に設定すれば、電子と軽い正孔による吸収のエネルギー
量(E1−LH1a)と、電子と重い正孔による吸収の
エネルギー量(E1−HH1a)を一致させることがで
きる。これにより、光源の偏光モードに依存しない光素
子が実現できるという特有の利点がある。
【0012】(3)上記井戸層に対して圧縮応力が印加
されかつ上記障壁層に対して引っ張り応力が印加され、
上記圧縮応力と上記引っ張り応力とが実質的に等しくな
るように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定され
る。ここで、井戸層42に印加される圧縮応力と、障壁
層41に印加される引っ張り応力とが実質的に等しくな
るように、すなわち両応力がバランスしかつ上記井戸層
と上記障壁層のバンドギャップエネルギーの差が無歪超
格子のときのそれに比較して大きくなるように上記組成
値を設定することにより、振動子強度が大きくなるの
で、光吸収のピークが鋭くなるため、コントラスト比の
大きな半導体光素子を得ることができる。 (4)上記井戸層に対して引っ張り応力が印加されかつ
上記障壁層に対して圧縮応力が印加され、上記引っ張り
応力と上記圧縮応力とが実質的に等しくなるように上記
井戸層及び上記障壁層の組成が設定される。ここで、井
戸層42に印加される引っ張り応力と、障壁層41に印
加される圧縮応力とが実質的に等しくなるように、すな
わち両応力がバランスしかつ上記井戸層と上記障壁層の
バンドギャップエネルギーの差が無歪超格子のときのそ
れに比較して大きくなるように上記組成値を設定するこ
とにより、振動子強度が大きくなるので、光吸収のピー
クが鋭くなるため、コントラスト比の大きな半導体光素
子を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例をGaAs半導体基
板上のInGaAs/InAlAs系ワニエシュタルク
型SEEDについて説明する。本実施例のワニエシュタ
ルク型SEEDは、図1に示すように、裏面に電極11
が形成されたn−GaAsにてなるn型半導体基板10
上に、以下の層が順次半導体基板10から近接した側か
ら積層されて形成される。 (a)GaAsにてなるn型半導体層21、(b)組成
値xがn型半導体層21のInの組成値0から次の格子
定数安定化バッファ層23の組成値y=zb=xmax
(ここで、xmaxはxの最大値を示し、また、zbは
次の格子定数バッファ層23のInの組成値である。)
までの範囲で、厚さ方向に線形的に変化するInxGa
1-xAsのn型半導体にてなる格子定数変換バッファ層
(以下、格子定数変換層という。)22、(c)Iny
Ga1-yAsのn型半導体にてなる格子定数安定化バッ
ファ層(以下、格子定数安定化層という。)23、
(d)Iny,Al1-yAsにてなるi型半導体層24、
(e)図3及び図4に示すように、InyAl1-yAsに
てなる障壁層41と、Iny'Ga1-y'Asにてなる井戸
層42とが交互に例えば100周期だけ積層形成されて
なる超格子構造(図1においてSL(Super Lattices)
と示す。)のi型真性半導体層25、ここで、y=z
b,y’=zwであり、障壁層41の厚さは井戸層42
の厚さに比較して薄い。(f)InyAl1-yAsにてな
るi型半導体層26、(g)InyGa1-yAsにてなる
p型半導体層27、(h)GaAsにてなるp型半導体
層28、(i)電極12。
【0014】ここで、円環形状の電極11,12のその
中心部には、互いに対向する位置に光を通過させるため
の円形のスルーホール孔11h,12hが形成され、電
極11は可変直流電圧源1の正極が接続される一方、電
極12は接地されて可変直流電圧源1の負極が接続され
る。すなわち、本実施例のSEEDは、ヘテロ接合型半
導体pin型ダイオードの構造を有しており、可変直流
電圧源1によって逆バイアス電圧が印加されている。ま
た、i型真性半導体層25は、障壁層41の厚さが井戸
層42よりもう薄く数原子層程度の厚さを有する短周期
の超格子構造からなり、特に、本実施例のSEEDは、
格子定数を変換するための格子定数変換層22と、格子
定数を安定化するための格子定数安定化層23とを備え
たことを特徴としている。
【0015】当該SEEDにおいては、可変直流電圧源
1を用いて電極11,12間に直流逆バイアス電圧を印
加することにより、p型半導体層27,28とn型半導
体層21,22,23及びn型半導体基板10とを介し
て超格子構造のi型真性半導体層25に対してその厚さ
方向に所定の電界を印加することができる。ここで、当
該逆バイアス電圧の電圧値を変化することにより、従来
例と同様に、いわゆる光吸収端付近の波長領域で光透過
率を変化させることができ、これによって、逆バイアス
電圧に対して入射する入力光による光電流の特性が変化
する。
【0016】本実施例における各層の組成を要約すると
以下の通りである。 (a)21:n−GaAs。 (b)22:n−InxGa1-xAs,ここで、xは0≦
x≦zbの範囲で厚さ方向で変化する。 (c)23:n−InzbGa1-zbAs。 (d)24:i−InzbAl1-zbAs。 (e)25の障壁層:i−InzbAl1-zbAs;25の
井戸層:i−InzwGa1-zwAs。 (f)26:i−InzbAl1-zbAs。 (g)27:p−InzbGa1-zbAs。 (h)28:p−GaAs。 ここで、n−はn型を示す一方、p−はp型を示す。
【0017】まず、本実施例のSEEDの製造プロセス
について説明する。図1に示すように、GaAsにてな
る半導体基板10にn型不純物イオンが注入量5×10
17cm-3で注入されてn型半導体基板となり、当該n型
半導体基板10の裏面に円環形状の電極11がスルーホ
ール孔11hを有して形成される。次いで、n型半導体
基板10上に、n型不純物イオンが注入量5×1017
-3で注入されたGaAsにてなる厚さ100nmのn
型半導体層21が形成される。なお、以下に形成する半
導体層21乃至28の形成方法は、例えば、分子線エピ
タキシャル成長法、有機金属化学的気相成長(MOCV
D)法などの公知の方法を用いる。
【0018】次いで、当該n型半導体層21上に、n型
不純物イオンが注入量5×1017cm-3で注入されたI
xGa1-xAsにてなる厚さ200nmのn型半導体層
成る格子定数変換層22が形成される。ここで、当該格
子定数変換層22においては、格子定数を、下側のn型
半導体層21と上側の格子定数安定化層23との間でス
ムーズに変換するために、すなわち格子定数をスムーズ
に又は徐々に変化するために、組成値xがn型半導体層
21の組成値0から次の格子定数安定化バッファ層23
の組成値y=zb=xmaxまでの範囲で、厚さ方向に
線形的に変化するように各成長層毎に変化させて積層成
長されて形成される。ここで、格子定数を増大させてい
るが、バンドギャップの観点からみると、格子定数変換
層22は、バンドギャップを減少させるように変換する
作用を有する。
【0019】本実施例において、半導体基板10の格子
定数は約5.66Åであるが、超格子構造の真性半導体
層25の格子定数は約5.70Åであるので、格子定数
変換層22は格子定数を増大させるように構成されてい
る。ここで、組成値の最大値y=zb=xmaxは好ま
しくは、0.01から0.3までの範囲であり、より好
ましくは、0.15である。なお、当該格子定数変換層
22においては、格子定数又は組成値xを線形的に変化
させているが、本発明はこれに限らず、比較的小さいス
テップ量で階段状に変化させてもよい。
【0020】さらに、当該格子定数変換層22上に、n
型不純物イオンが注入量5×1017cm-3で注入された
InyGa1-yAsにてなる厚さ800nmのn型半導体
層なる格子定数安定化層23が形成される。当該格子定
数安定化層23は、格子定数を安定化するためのn型半
導体層であって、i型真性半導体層25に対するバッフ
ァ層となる。ここで、格子定数安定化層23の厚さは格
子定数を安定化させるために、格子定数変換層22など
の他の各層の厚さに比較して厚く設定される。次いで、
当該格子定数安定化層23上に、InyAl1-yAsにて
なる厚さ15nmのi型半導体層24が形成された後、
超格子構造を有するi型真性半導体層25が形成され
る。当該i型真性半導体層25は、図3及び図4に示す
ように、InyAl1-yAsにてなる厚さ1nmの障壁層
41と、InyGa1-yAsにてなる厚さ4.5nmの井
戸層42とが交互に例えば100周期だけ積層形成され
てなる超格子構造を有する。
【0021】なお、上記i型真性半導体層25において
は、i型半導体層24に接して上記井戸層42が形成さ
れる一方、次のi型半導体層26に接して上記井戸層4
2が形成される。本実施例においては、当該超格子構造
を有するi型真性半導体層25の周期数は100である
が、本発明はこれに限らず、好ましくは30から150
までの範囲の周期数に設定してもよい。
【0022】さらに、当該i型真性半導体層25上に、
InyAl1-yAsにてなる厚さ20nmのp型半導体層
26が形成された後、当該i型半導体層26上に、p型
不純物イオンが注入量1×1018cm-3で注入されたI
yGa1-yAsにてなる厚さ100nmのp型半導体層
27が形成される。さらに、当該p型半導体層27上
に、p型不純物イオンが注入量5×1018cm-3で注入
されたGaAsにてなる厚さ10nmのp型半導体層2
8が形成された後、電極11のスルーホール孔11hに
対向するように形成されたスルーホール孔12hを有す
る電極12が上記p型半導体層28上に形成される。そ
して、電極11は可変直流電圧源1の正極が接続される
一方、電極12は接地されて可変直流電圧源1の負極が
接続される。なお、本実施例における上記n型不純物又
はp型不純物の注入量は、上記に限定されず、好ましく
は、1×1017cm-3乃至1×1019cm-3の範囲にあ
ればよい。
【0023】以上のように構成された本実施例のワニエ
シュタルク型SEEDにおいては、上記格子定数変換層
22のInの組成値xは0からy=xmaxにリニアに
変化し、その上の格子定数安定化層23よりも上の層で
は、Inの組成値は一定に設定している。この結果、G
aAs半導体基板10とは格子定数の異なる格子定数変
換層22が疑似的な半導体基板となり、その上にはIn
yGa1-yAsの半導体層27に格子整合したほとんど無
歪に近い系を成長することができる。すなわち、上記半
導体基板10は所定の格子定数を有するが、当該格子定
数を格子定数変換層22によって徐々に変化させかつ格
子定数安定化層23によって安定化することによってほ
とんど無歪に近い状態でi型半導体層24及びそれより
の上の半導体25乃至28に格子整合させている。
【0024】本実施例において、組成値y=zb=xm
axを0.15とするとGaAsのn型半導体層21と
In0.15Ga0.85Asの格子定数安定化層23との間の
格子不整合、すなわち2つの材料の間に生じる歪の割合
は約1%であり、一般に、Inの組成値y’が大きくな
るにつれて、転位なしに成長可能な臨界膜厚は小さくな
る。この場合、臨界膜厚は30nm程度となり、通常の
成長ではこれ以上の膜厚になると格子不整合による転位
が系全体に発生してしまう。しかしながら、図1の本実
施例の構造によれば、上記格子定数変換層22に転位が
集中するため、格子定数安定化層23より上には転位の
ない電気的光学的特性の良好な層の成長が可能となる。
【0025】従来技術の項で説明した、従来例のQCS
EタイプのSEEDにおいては半導体基板10に格子整
合したGaAs又はAlGaAsにてなる障壁層と、半
導体基板10に格子整合しないInGaAsにてなる井
戸層の組み合わせでもって転位の無い成長が可能であっ
た。なぜなら、超格子の成長の過程でInGaAs井戸
層の後に比較的厚いGaAs又はAlGaAsにてなる
障壁層を成長する際に、蓄積した歪を緩和しながら成長
が進むために、トータルで臨界膜厚を越えた厚さのIn
GaAsの成長が可能となり、十分な光吸収の変化を得
るだけの厚さの素子を得ることができたからである。と
ころが一方、障壁層が薄い短周期超格子(例えばワニエ
シュタルク型SEEDの超格子)を備えた従来例のSE
EDにおいては、障壁層の成長の際に歪の緩和が十分進
まず、歪が蓄積されながら成長が進むため臨界膜厚程度
で転位が発生し、十分な光吸収の変化を得るだけの厚さ
を成長することができなかった。
【0026】図2に例として、組成値y=xmaxを
0.15として作製した素子の光電流の波長依存性を示
す。図2の特性は、図1に示すように、所定の波長を有
する入射光をp型半導体層28側からその表面に対して
垂直な方向で入射させたときに当該pin型ダイオード
に流れる光電流を測定したものである。すなわち、入射
光を吸収したとき光電流が流れる一方、吸収しないとき
光電流が流れない。図2の実験例では、約930nmの
波長以上では、光吸収が生じず、入射光は当該pinダ
イオードを通過して出射する。一方、約870nmの波
長以下では、当該pinダイオードによって光吸収が生
じ、出力光は入射光に比較して小さくなる。
【0027】上記図2から明らかなように、ワニエシュ
タルク型SEEDに特徴的なブルーシフト、すなわち逆
バイアス電圧を印加することことにより吸収端が短波長
側にシフトすることが観測されている。また、シュタル
ク階段準位による吸収も見られることから、半導体基板
10と格子不整合が約1%あるにもかかわらず、良好な
短周期超格子構造を有する半導体層25が形成されてい
ることがわかる。
【0028】本発明に係る本実施例によれば、原理的に
組成値y’=zmaxは任意に選べるため、所望の動作
波長を有するSEEDの形成が可能である。また、上記
格子定数安定化層23よりも上の層では、格子不整合が
無いため吸収層の厚さに制約が無く十分な吸収変化を得
ることが可能である。上記図2の実験例では、無バイア
ス時のミニバンドによる立ち上がり波長が約890nm
のときの例が示されているが、本発明者の実験によれ
ば、本実施例における組成値を種々に変化することによ
り、動作波長として700nm乃至1100nmの動作
波長のSEEDを得ることができた。
【0029】以上の実施例において、組成値y=zb,
y’=zwとしているが、本発明はこれに限らず、各層
21乃至28の膜厚がy≠zbとy’≠zwの少なくと
も一方を満足するように設定してもよい。この場合にお
いて、y=y’とすると、以下の6通りの条件が存在し
て、超格子構造を有する真性半導体層25内の井戸層4
2に対して圧縮応力と引っ張り応力とのうちの少なくと
も一方を印加すことができ、これによって、任意の歪超
格子を形成することができる。 (a)zw>y>zb (b)zw>y=zb (c)zw=y>zb (d)zw=y=zb (e)zw<y=zb (f)zw<y<zb
【0030】さらに、本発明においてより好ましい実施
例である上記(b)、(e)及び(f)又は(a)の場
合、並びに比較例である上記(d)の場合について以下
に詳述する。 (1)zw>y=zb この場合においては、井戸層42に圧縮応力が印加され
る。この結果、井戸層42の価電子帯32のバンド構造
が変化する。応力がなく無歪状態の場合(図3の(a)
参照。)と比較すると、重い正孔の準位は低いエネルギ
ー側に変化する(図3の(b)参照。)一方、軽い正孔
の準位は高いエネルギー側に変化する(図3の(c)参
照。)。従って、電子と軽い正孔による吸収のエネルギ
ー量(E1−LH1)と、電子と重い正孔による吸収の
エネルギー量(E1−HH1)との間のエネルギー差を
より大きく設定することができる。これにより、エネル
ギー量(E1−HH1)と、エネルギー量(E1−LH
1)とを独立に利用した半導体光素子の光源に求められ
る波長の単一性の制約がゆるくなる。言い換えれば、広
帯域な波長特性を有する発光ダイオード源を用いてもよ
いという利点がある。
【0031】(2)zw<y=zb この場合においては井戸層42に引っ張り応力が印加さ
れる。井戸層42にかかる引っ張り応力の結果、井戸層
42の価電子帯32のバンド構造が変化する。応力がな
く無歪状態の場合(図4の(a)参照。)と比較する
と、重い正孔の準位は高いエネルギー側に変化する(図
4の(b)参照。)一方、軽い正孔の準位は低いエネル
ギー側に変化する(図4の(c)参照。)。従って、上
記組成値の大きさや井戸層42の厚さを適当に設定すれ
ば、電子と軽い正孔による吸収のエネルギー量(E1−
LH1a)と、電子と重い正孔による吸収のエネルギー
量(E1−HH1a)を一致させることができる。これ
により、光源の偏光モードに依存しない光素子が実現で
きるという特有の利点がある。
【0032】(3)zw<y<zb この場合、井戸層42に引っ張り応力が印加される一
方、障壁層41に圧縮応力が印加される。ここで、井戸
層42に印加される引っ張り応力と、障壁層41に印加
される圧縮応力とが実質的に等しくなるように、すなわ
ち両応力がバランスしかつ上記井戸層と上記障壁層のバ
ンドギャップエネルギーの差が無歪超格子のときのそれ
に比較して大きくなるように上記組成値を設定すること
により振動子強度が大きくなるので、光吸収のピークが
鋭くなるため、コントラスト比の大きな半導体光素子を
得ることができる。
【0033】(4)zw>y>zb この場合、井戸層42に圧縮応力が印加される一方、障
壁層41に引っ張り応力が印加される。ここで、井戸層
42に印加される圧縮応力と障壁層41に印加される圧
縮応力とが実質的に等しくなるように、すなわち両応力
がバランスしかつ上記井戸層と上記障壁層のバンドギャ
ップエネルギーの差が無歪超格子のときのそれに比較し
て大きくなるように上記組成値を設定することにより振
動子強度が大きくなるので、光吸収のピークが鋭くなる
ため、コントラスト比の大きな半導体光素子を得ること
ができる。
【0034】以上の実施例においては、GaAs半導体
基板10上のInGaAs(井戸層)/InAlAs
(障壁層)系超格子構造(以下、同様の形式で記す。)
を有する真性半導体層25の一例について説明した。本
実施例においては、半導体基板10が所定の格子定数A
を有する一方、超格子構造を有する真性半導体層25が
所定の格子定数Bを有するとしたときに、A<Bであ
る。すなわち、上記格子定数変換層22によって格子定
数をAから格子定数Bに大きくなるように変化して変換
する。しかしながら、本発明はこれに限らず、例えば、
GaAs半導体基板上のGaAs1-zz(井戸層)/A
wGa1-wAs1-zz(障壁層)系超格子構造を有する
真性半導体層を備える場合などの他の材料系の場合にお
いては、A>Bである場合があり、上述と同様の構成
で、ほとんど無歪の状態である良好な短周期超格子構造
を有するSEEDを実現することができる。この場合
は、上記格子定数変換層22によって格子定数をAから
格子定数Bに小さくなるように変化して変換する。
【0035】なお、GaAs半導体基板上のGaAs
1-zz(井戸層)/AlwGa1-wAs1-zz(障壁層)
系超格子構造を有する真性半導体層を備えるSEEDの
場合の各層の組成は、図1の構成に対応して以下の通り
である。 (a)21:n−GaAs。 (b)22:n−GaAs1-zz,ここで、組成値zは
0≦z≦zbの範囲で厚さ方向で変化する。 (c)23:n−GaAs1-zbzb。 (d)24:i−AlwGa1-wAs1-zbzb。 (e)25の障壁層:i−AlwGa1-wAs1-zbzb
25の井戸層:i−GaAs1-zbzb。 (f)26:i−AlwGa1-wAs1-zbzb。 (g)27:p−GaAs1-zbzb。 (h)28:p−GaAs。
【0036】また、GaAs半導体基板10上に限ら
ず、例えばInPにてなる半導体基板上においても、上
記実施例の構造と同様に、InxGa1-xAs(井戸層)
/InyAl1-yAs(障壁層)系超格子構造を有するS
EEDを実現することができる。この場合の各層の組成
は図1の構成に対応して以下の通りである。 (a)21:n−InP。 (b)22:n−InxGa1-xAs,ここで、組成値x
は0.03≦x≦zbの範囲で又はzb≦x≦0.53
の範囲で厚さ方向で変化する。 (c)23:n−InzbGa1-zbAs。 (d)24:i−InzbAl1-zbAs。 (e)25の障壁層:i−InzbAl1-zbAs;25の
井戸層:i−InzwGa1-zwAs。 (f)26:i−InzbAl1-zbAs。 (g)27:p−InzwGa1-zwAs。 (h)28:p−InP。
【0037】この場合においては、InxGa1-xAs
(井戸層)/InyAl1-yAs(障壁層)に表記したと
きの組成値x≒y>0.53のときに格子定数は半導体
基板の格子定数A=約5.87Å<真性半導体層の格子
定数Bであるので、格子定数変換層によって格子定数を
Aから格子定数Bに大きくなるように変化して変換す
る。一方、組成値x≒y<0.53で格子定数はA>B
となり、この場合、格子定数変換層によって格子定数を
Aから格子定数Bに小さくなるように変化して変換す
る。上記いずれの場合も良好な短周期超格子構造を有す
るSEEDを得ることができ、動作波長の選択がより広
い範囲にわたって自由にできるという特有の利点があ
る。
【0038】本発明は、特に、例えばワニエシュタルク
型SEEDなどの比較的短い周期の超格子構造を有する
i型真性半導体層25を備えたSEEDに適用すること
ができる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、所
定の第1の格子定数を有する半導体基板と、上記半導体
基板上に形成され所定の第2の格子定数を有しかつ井戸
層と障壁層とが交互に所定の周期数で積層形成されてな
る超格子構造を有する真性半導体層とが2つの電極間に
挟設され、上記2つの電極間に逆バイアス電圧を変化す
ることによって光吸収端付近の光透過率が変化して上記
逆バイアス電圧に対して入射する入力光による光電流が
変化する非線形電気光学吸収効果を有するpinダイオ
ードを備えた半導体光素子において、上記障壁層の厚さ
は上記井戸層の厚さよりも薄く設定され、上記半導体基
板と上記真性半導体層との間に、上記井戸層と同一の材
料を有し当該材料の組成比を各成長層毎に変化すること
によって上記半導体基板側の上記第1の格子定数から上
記真性半導体層側の上記第2の格子定数に変化するよう
に形成され、上記第1の格子定数を上記第2の格子定数
に変換する格子定数変換バッファ層と、上記井戸層と同
一の組成物であって、上記格子定数変換層よりも厚い厚
さを有し、上記格子定数を上記第2の格子定数に安定化
するための格子定数安定化バッファ層とを形成してい
る。これによって、障壁層が井戸層に比較して薄い超格
子中における非線形電気光学吸収効果を利用した半導体
光素子におけるスイッチング動作の動作波長を、半導体
基板との格子整合の制約無しにより広い範囲にわたって
自由に選択できることができる。
【0040】また、請求項3記載の半導体光素子におい
ては、上記井戸層に対して圧縮応力が印加されるように
上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定される。これに
よって、上述のように、電子と軽い正孔による吸収のエ
ネルギー量(E1−LH1)と、電子と重い正孔による
吸収のエネルギー量(E1−HH1)との間のエネルギ
ー差をより大きく設定することができる。これにより、
エネルギー量(E1−HH1)と、エネルギー量(E1
−LH1)とを独立に利用した半導体光素子の光源に求
められる波長の単一性の制約がゆるくなる。言い換えれ
ば、広帯域な波長特性を有する発光ダイオード源を用い
てもよいという特有の利点がある。
【0041】さらに、請求項4記載の半導体光素子にお
いては、上記井戸層に対して引っ張り応力が印加される
ように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定される。
これによって、井戸層42にかかる引っ張り応力の結
果、井戸層42の価電子帯32のバンド構造が変化し、
上述のように、電子と軽い正孔による吸収のエネルギー
量(E1−LH1a)と、電子と重い正孔による吸収の
エネルギー量(E1−HH1a)を一致させることがで
きる。これにより、光源の偏光モードに依存しない光素
子が実現できるという特有の利点がある。
【0042】また、請求項5記載の半導体光素子におい
ては、上記井戸層に対して圧縮応力が印加されかつ上記
障壁層に対して引っ張り応力が印加され、上記圧縮応力
と上記引っ張り応力とが実質的に等しくなるように上記
井戸層及び上記障壁層の組成が設定される。これによっ
て、振動子強度が大きくなるので、光吸収のピークが鋭
くなるため、コントラスト比の大きな半導体光素子を得
ることができるという特有の利点がある。
【0043】また、請求項6記載の半導体光素子におい
ては、上記井戸層に対して引っ張り応力が印加されかつ
上記障壁層に対して圧縮応力が印加され、上記引っ張り
応力と上記圧縮応力とが実質的に等しくなるように上記
井戸層及び上記障壁層の組成が設定される。これによっ
て、振動子強度が大きくなるので、光吸収のピークが鋭
くなるため、コントラスト比の大きな半導体光素子を得
ることができるという特有の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施例であるSEEDを用い
た光半導体素子の縦断面図である。
【図2】 図1の半導体光素子における波長に対する光
電流特性を示すグラフである。
【図3】 図1の半導体素子におけるi型真性半導体層
内の井戸層に圧縮応力が印加される第1の条件のときの
厚さ方向の距離に対するエネルギー準位を示すグラフで
ある。
【図4】 図1の半導体素子におけるi型真性半導体層
内の井戸層に引っ張り応力が印加される第2の条件のと
きの厚さ方向の距離に対するエネルギー準位を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…可変直流電圧源、 10…n型半導体基板、 11,12…電極、 21…n型半導体層、 22…格子定数変換バッファ層、 23…格子定数安定化バッファ層、 24…i型半導体層、 25…超格子構造のi型真性半導体層、 26…i型半導体層、 27…p型半導体層、 28…p型半導体層、 31…伝導帯、 32…価電子帯、 41…障壁層、 42…井戸層。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の第1の格子定数を有する半導体基
    板と、上記半導体基板上に形成され所定の第2の格子定
    数を有しかつ井戸層と障壁層とが交互に所定の周期数で
    積層形成されてなる超格子構造を有する真性半導体層と
    が2つの電極間に挟設され、上記2つの電極間に逆バイ
    アス電圧を変化することによって光吸収端付近の光透過
    率が変化して上記逆バイアス電圧に対して入射する入力
    光による光電流が変化する非線形電気光学吸収効果を有
    するpinダイオードを備えた半導体光素子において、 上記障壁層の厚さは上記井戸層の厚さよりも薄く設定さ
    れ、 上記半導体基板と上記真性半導体層との間に、 上記井戸層と同一の材料を有し当該材料の組成比を各成
    長層毎に変化することによって上記半導体基板側の上記
    第1の格子定数から上記真性半導体層側の上記第2の格
    子定数に変化するように形成され、上記第1の格子定数
    を上記第2の格子定数に変換する格子定数変換バッファ
    層と、 上記井戸層と同一の組成物であって、上記格子定数変換
    層よりも厚い厚さを有し、上記格子定数を上記第2の格
    子定数に安定化するための格子定数安定化バッファ層と
    を形成したことを特徴とする半導体光素子。
  2. 【請求項2】 上記井戸層に対して応力が印加されるよ
    うに上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定されたこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体光素子。
  3. 【請求項3】 上記井戸層に対して圧縮応力が印加され
    るように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定された
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体光素子。
  4. 【請求項4】 上記井戸層に対して引っ張り応力が印加
    されるように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定さ
    れたことを特徴とする請求項2記載の半導体光素子。
  5. 【請求項5】 上記井戸層に対して圧縮応力が印加され
    かつ上記障壁層に対して引っ張り応力が印加され、上記
    圧縮応力と上記引っ張り応力とが実質的に等しくなるよ
    うに上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定されたこと
    を特徴とする請求項2記載の半導体光素子。
  6. 【請求項6】 上記井戸層に対して引っ張り応力が印加
    されかつ上記障壁層に対して圧縮応力が印加され、上記
    引っ張り応力と上記圧縮張り応力とが実質的に等しくな
    るように上記井戸層及び上記障壁層の組成が設定された
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体光素子。
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