JPH0725961A - 洗濯機部品 - Google Patents

洗濯機部品

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JPH0725961A
JPH0725961A JP5175755A JP17575593A JPH0725961A JP H0725961 A JPH0725961 A JP H0725961A JP 5175755 A JP5175755 A JP 5175755A JP 17575593 A JP17575593 A JP 17575593A JP H0725961 A JPH0725961 A JP H0725961A
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JP
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compound
propylene
block copolymer
tub
washing machine
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Application number
JP5175755A
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English (en)
Inventor
Etsuzo Hamakawa
川 悦 三 濱
Masanobu Ishiyama
山 正 信 石
Hiroyuki Yoshikawa
川 博 之 由
Takashi Arai
井 隆 荒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06FLAUNDERING, DRYING, IRONING, PRESSING OR FOLDING TEXTILE ARTICLES
    • D06F37/00Details specific to washing machines covered by groups D06F21/00 - D06F25/00
    • D06F37/26Casings; Tubs
    • D06F37/261Tubs made by a specially selected manufacturing process or characterised by their assembly from elements
    • D06F37/262Tubs made by a specially selected manufacturing process or characterised by their assembly from elements made of plastic material, e.g. by injection moulding
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F297/00Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer
    • C08F297/06Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the coordination type
    • C08F297/08Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the coordination type polymerising mono-olefins
    • C08F297/083Macromolecular compounds obtained by successively polymerising different monomer systems using a catalyst of the ionic or coordination type without deactivating the intermediate polymer using a catalyst of the coordination type polymerising mono-olefins the monomers being ethylene or propylene

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明の洗濯機用部品は、230℃、2.1
6kg荷重におけるメルトフローレート(MFR)が
0.1〜500g/10分の範囲にあり、沸騰ヘプタン
不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるPmmmm、P
wの吸収強度から算出される立体規則性指標[IP]の
値が0.960〜0.995の範囲にあり、23℃デカ
ン可溶成分量が0.1〜50%の範囲にあるプロピレン
系ブロック共重合体からなる。 【効果】 上記洗濯機用部品は、一槽式または二槽式脱
水洗濯機としての性能上の問題を生じさせることなく、
荷重による変形を小さくして、部品同士の接触、ベルト
のプーリからの外れおよび異音を防止するとともに、寸
法安定化時間および成形サイクルの短縮ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、水槽、洗濯槽兼脱水槽お
よびバランサーなどの洗濯機用部品に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来の一槽式脱水洗濯機は、図1
に示すように、洗濯時の水を溜める水槽1内部に樹脂製
の洗濯槽兼脱水槽2が設けられており、この洗濯槽兼脱
水槽2の中央内底部に衣類攪拌用のパルセータ3が設け
られており、洗濯槽兼脱水槽2の側壁には水抜き用の多
数の脱水穴4が設けられている。この洗濯兼脱水槽は、
射出成形法にて製造される。
【0003】また、図1中の符号5は、洗濯槽兼脱水槽
2上部に設けられたバランサーを示す。このバランサー
5は、内部に流体を有するため脱水時の振動を低減する
ことができるとともに、洗濯槽兼脱水槽2を補強する役
割を果たしている。
【0004】図1中の符号6は軸受け箱を示す。この軸
受け箱6は、洗濯時にはパルセータ3のみを、脱水時に
は洗濯槽兼脱水槽2を回転駆動するようにモータ7の駆
動力を伝達する機構を有している。また、モータ7の駆
動力は、ベルト8およびプーリ9により軸受け箱6に伝
達される。
【0005】図1中の符号10は補強板を示す。この補
強板10には、水槽1、モータ7、軸受け箱6などが配
設され、補強板10は、支持竿11によりサスペンショ
ン12および球面座13を介して洗濯機の本体14の角
隅より垂下支持されている。
【0006】次に、従来の二槽式洗濯機を図2に示す
が、上記一槽式脱水洗濯機と区別するために図中の符号
にaを付けることとする。図2中の符号14aは洗濯機
の本体を示す。本体14aの上縁部には水槽1aの上縁
部が固定されている。この水槽1aは2つの槽から構成
され、片方は洗濯槽となり、その中央内底部にパルセー
タ3aが設けられている。符号15aは本体14aの下
縁に固定された台枠を示す。この台枠15a上にはモー
タ7aが設けられており、モータ7aの駆動力は、ベル
ト8aおよび上記水槽1aの底部外側に設けられたプー
リ9aによりパルセータ3aに伝達される。
【0007】また、他方の槽の内部には脱水槽16aが
設けられており、この脱水槽は、上記モータ7aとは別
個のモータ7aから直接回転駆動されるようになってい
る。ところで、上述した従来の一槽式脱水洗濯機および
二槽式洗濯機を構成する部品のうち、上記水槽1、1
a、洗濯槽兼脱水槽2およびバランサー5には、結晶性
ポリプロピレンが従来より使用されている。従来より使
用されている結晶性ポリプロピレンは、13C−NMR測
定による立体規則性指標[IP]の値が0.90〜0.
95程度であり、常温(通常23℃)における曲げ初期
弾性率が10000〜16000kg/cm2 である結
晶性ポリプロピレン系ブロック共重合体である。
【0008】上記のように構成された一槽式脱水洗濯機
では、図3(A)に示すように、洗濯槽兼脱水槽2内の
洗剤が添加されている水ないし温水中で衣類が洗濯され
てすすぎが終了した後脱水されるが、脱水時に、洗濯槽
兼脱水槽2の内部に衣類が均一に分布されていることは
まれで、不均一に分布している状態で衣類の脱水が行な
われる。その結果、水槽1、洗濯槽兼脱水槽2、バラン
サー5の回転がアンバランスになり、水槽1、洗濯槽兼
脱水槽2およびバランサー5に大きな荷重がかかる。
【0009】上記のように大きな荷重が水槽1、洗濯槽
兼脱水槽2およびバランサー5に作用すると、図3
(B)に示すように、水槽1、洗濯槽兼脱水槽2、バラ
ンサー5が変形し、水槽1と洗濯槽兼脱水槽2、あるい
は水槽1とバランサー5とが回転しながら接触し、大き
な音を発するとともに、水槽1と洗濯槽兼脱水槽2の双
方、あるいは水槽1とバランサー5の双方が破壊し重大
な支障をきたす可能性を有している。そこで、従来から
以下のような対策が採られている。
【0010】1)水槽1と洗濯槽兼脱水槽2あるいはバ
ランサー5の隙間を大きくする。 2)水槽1、洗濯槽兼脱水槽2およびバランサー5の板
厚をより厚くする、あるいは補強リブの追加等により水
槽1、洗濯槽兼脱水槽2およびバランサー5の剛性を上
げる。
【0011】3)脱水時のモータ回転数を小さくして水
槽1、洗濯槽兼脱水槽2、バランサー5のアンバランス
な回転による荷重を小さくする。 4)一般的に結晶性ポリプロピレンは温度が上がると、
弾性率が下がり変形量が大きくなるので、変形量が大き
くならないように、洗濯に使用する水の温度の上限を定
める。
【0012】5)水槽1、洗濯槽兼脱水槽2およびバラ
ンサー5の材料として、弾性率(剛性)の高い金属を用
いる。 6)水槽1、洗濯槽兼脱水槽2およびバランサー5の材
料として、弾性率(剛性)の高い結晶性ポリプロピレン
を用いる。
【0013】しかしながら、上記対策は、それぞれ以下
のような大きな問題を抱えている。上記1)の対策で
は、同じ大きさの洗濯槽兼脱水槽2を使用した場合、す
なわち同じ洗濯容量の場合、洗濯槽兼脱水槽2と水槽1
との隙間が大きくなるため、洗濯機本体14が大きくな
り、洗濯機の設置スペースが増大するという問題があ
る。また、同じ大きさの本体14の場合は、洗濯槽兼脱
水槽2が小さくなり、すなわち洗濯容量が減り、昨今の
時代の流れである大容量省スペース化からは逆行してし
まうという問題がある。
【0014】また、上記2)の対策では、水槽1、洗濯
槽兼脱水槽2およびバランサー5の板厚増大、あるいは
補強リブの追加により洗濯機の重量が増え、材料コスト
が上昇するとともに、脱水洗濯機の構成上、補強リブの
追加は限界にきている。すなわち、補強リブを付ける
と、水槽1と洗濯槽兼脱水槽2あるいはバランサー5の
隙間が小さくなるか、あるいは補強リブを追加するスペ
ースが無いというような問題がある。
【0015】上記3)の対策では、モータ7回転数が低
くなるため脱水率が下がり、衣類の絞り状態が悪くなる
という問題がある。上記4)の対策では、水温が低いた
め衣類の洗浄率が低下するという問題がある。
【0016】上記5)の対策では、金属は複雑な形状に
造形することができないので、金属の形状を簡単化して
造形することになるが、この場合には洗濯機本来の性能
が発揮されにくいという問題がある。たとえば洗濯槽兼
脱水槽2の内部に一体的に設けられている複雑な形状を
した突起を簡単化すれば、衣類の洗浄率および脱水率は
低下する。
【0017】上記6)の対策では、一般的に従来の結晶
性ポリプロピレンは弾性率(剛性)を高くすると、それ
に伴って衝撃強度が低下するため衝撃荷重を多く受ける
上記部品には使用できないという問題がある。
【0018】一方、二槽式洗濯機については、水槽1a
の上縁のみが固定されているため、水を入れると水の自
重で水槽1aが変形し台枠15a上のモータ7aと水槽
1a底部外側に設けられたプーリ9aの相対的な位置が
ずれてベルト8aが外れたり、あるいは異音が生じたり
する問題がある。このような問題に対して、上記一槽式
脱水洗濯機の場合と同様に、上記の2)、4)、5)、
6)の対策が考えられてきたが、それぞれ一槽式脱水洗
濯機の場合と同じような問題を抱えており、これらの問
題点について十分な解決策を見出すに至っていない。
【0019】さらに、従来の一槽式脱水洗濯機および二
槽式洗濯機は、以上のような設計的な問題のほかに、材
料的にも結晶性ポリプロピレンの成形体の寸法が安定す
るまで時間(以下、寸法安定化時間と称する場合があ
る)がかかるため、製品組立までに長時間要し、また洗
濯機用部品の成形サイクルも長く生産性も悪いという問
題がある。これらの問題は、特に大きな部品である上記
水槽1、1a、洗濯槽兼脱水槽2、バランサー5におい
て、無視することができないほど重要な問題となってい
る。
【0020】したがって、脱水洗濯機としての性能上の
問題を生じさせることなく、荷重による変形を小さくし
て、部品同士の接触、ベルトのプーリからの外れおよび
異音を防止するとともに、寸法安定化時間および成形サ
イクルの短縮ができる洗濯機用部品の出現が従来より望
まれている。
【0021】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、脱水洗濯機と
しての性能上の問題を生じさせることなく、荷重による
変形を小さくして、部品同士の接触、ベルトのプーリか
らの外れおよび異音を防止するとともに、寸法安定化時
間および成形サイクルの短縮ができる洗濯機用部品、特
に水槽、洗濯槽兼脱水槽およびバランサーを提供するこ
とを目的としている。
【0022】
【発明の概要】本発明に係る洗濯機用部品は、230
℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート(M
FR)が0.1〜500g/10分の範囲にあり、沸騰
ヘプタン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけるP
mmmm、Pwの吸収強度から下記式(1)により求められ
る立体規則性指標[IP]の値が0.960〜0.99
5の範囲にあり、23℃デカン可溶成分量が0.1〜5
0%の範囲にあるプロピレン系ブロック共重合体からな
ることを特徴としている。
【0023】
【数2】
【0024】(式中、 [Pmmmm]:プロピレン単位が5単位連続してアイソタ
クチック結合した部位における第3単位目のメチル基に
由来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
強度である。) 本発明で用いられるプロピレン系ブロック共重合体とし
ては、核剤を10〜10000ppmの範囲の量で含有
しているプロピレン系ブロック共重合体が好ましい。
【0025】上記プロピレン系ブロック共重合体は、従
来の結晶性プロピレンに比べて、従来と同等程度の衝撃
強度を維持するとともに、高い弾性率(剛性)、優れた
耐熱性を有し、しかも、半結晶化するまでの時間(以
下、半結晶化時間と称する場合がある)を短縮すること
ができるため、衣類のアンバランスによる荷重や、水の
自重を比較的高い温度環境で受けても水槽等の洗濯機部
品の変形量を小さくすることができる。
【0026】したがって、一槽式脱水洗濯機において
は、水槽と洗濯槽兼脱水槽、あるいは水槽とバランサー
との接触が、比較的高い温度環境で、脱水時のモータ回
転数が高くても生じにくくなる。また、二槽式洗濯機に
おいては、比較的高い温度の湯を水槽に入れても、水槽
が変形しにくくなっているため、ベルトのプーリからの
外れや、異音が生じなくなる。また、本発明で用いられ
ているプロピレン系ブロック共重合体は、半結晶化する
までの時間が短縮されるため、洗濯機用部品(成形体)
の寸法安定化時間が短縮され、しかも、洗濯機用部品の
成形サイクルの短縮を図ることができる。
【0027】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る洗濯機用部品
について具体的に説明する。なお、本発明において「重
合」という語は、単独重合のみならず、共重合を包含し
た意で用いられることがあり、また「重合体」という語
は、単独重合体のみならず、共重合体を包含した意で用
いられることがある。
【0028】本発明に係る洗濯機部品は、特定のメルト
フローレート、立体規則性指標[IP]および23℃デ
カン可溶成分量を有するプロピレン系ブロック共重合体
からなる。このプロピレン系ブロック共重合体は、核
剤、耐熱安定剤等の安定剤、充填剤などの添加剤を含有
していてもよい。
【0029】また、本発明に係る主な洗濯機部品として
は、一槽式脱水洗濯機では、水槽、洗濯槽兼脱水槽、バ
ランサーなどが挙げられ、二槽式洗濯機では、水槽など
が挙げられる。
【0030】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体は、エチレンおよび/または炭素数4〜10の
オレフィンから誘導される構成単位0〜20モル%と、
プロピレンから誘導される構成単位100〜80モル%
とからなる結晶性ポリプロピレン部と、炭素数2〜20
のオレフィンから誘導される構成単位を2種以上含む、
低結晶性共重合体部または非晶性共重合体部とからなる
ブロック共重合体である。
【0031】本発明では、プロピレンから誘導される構
成単位が30〜95モル%の量で含有され、エチレンお
よび/または炭素数4〜20のオレフィンから誘導され
る構成単位が70〜5モル%の量で含有されているプロ
ピレン系ブロック共重合体が好ましい。特にプロピレン
から誘導される構成単位が60〜90モル%の量で含有
され、エチレンおよび/または炭素数4〜20のオレフ
ィンから誘導される構成単位が40〜10モル%の量で
含有されているプロピレン系ブロック共重合体が好まし
い。
【0032】ここで、炭素数4〜20のオレフィンとし
ては、具体的には、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、4-メチル-1- ペンテン、3-メチル-1- ペンテン、1-
オクテン、3-メチル-1- ブテン、1-デセン、1-ドデセ
ン、1-テトラドデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ン、1-エイコセン、シクロペンテン、シクロヘプテン、
ノルボルネン、5-エチル-2- ノルボルネン、テトラシク
ロドデセン、2-エチル-1,4,5,8- ジメタノ-1,2,3,4,4a,
5,8,8a- オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。上
記の炭素数4〜20のオレフィンまたはエチレンから誘
導される構成単位は、2種以上含有されていてもよい。
【0033】また、本発明で用いられるプロピレン系ブ
ロック共重合体は、炭素数4〜20のジエン化合物から
誘導される構成単位を5モル%以下の量で含有していて
もよい。このようなジエン化合物としては、具体的に
は、1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジ
エン、1,3-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキ
サジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4
- ヘキサジエン、6-メチル-1,6- オクタジエン、7-メチ
ル-1,6- オクタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエン、
6-プロピル-1,6- オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタ
ジエン、6-メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6- ノ
ナジエン、6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-1,6-
ノナジエン、6-メチル-1,6- デカジエン、7-メチル-1,6
- デカジエン、6-メチル-1,6- ウンデカジエン、1,7-オ
クタジエン、1,9-デカジエン、イソプレン、ブタジエ
ン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジ
シクロペンタジエンなどが挙げられる。
【0034】このような本発明で用いられるプロピレン
系ブロック共重合体は、230℃、2.16kg荷重に
おけるメルトフローレート(MFR;ASTM D 12
38−65T)が0.1〜500g/10分、好ましく
は0.2〜300g/10分、より好ましくは1〜10
0g/10分の範囲にあり、沸騰ヘプタン不溶成分の結
晶化度が通常50%以上、好ましくは60%以上、より
好ましくは70%以上である。
【0035】プロピレン系ブロック共重合体の沸騰ヘプ
タン不溶成分は、以下のようにして調製される。すなわ
ち、攪拌装置付1リットルのフラスコに、重合体試料3
g、2,6-ジ-tert-ブチル-4- メチルフェノール20m
g、n-デカン500mlを入れ、145℃の油浴上で加
熱溶解させる。重合体試料が溶解した後、約8時間かけ
て室温まで冷却し、続いて23℃の水浴上で8時間保持
する。析出した重合体(23℃デカン不溶成分)を含む
n-デカン懸濁液をG−4(またはG−2)のグラスフィ
ルターで濾過分離し、減圧乾燥した後、重合体1.5g
を6時間以上ヘプタンを用いてソックスレー抽出して沸
騰ヘプタン不溶成分を得る。
【0036】結晶化度は、上記のようにして得られた沸
騰ヘプタン不溶成分を試料として用い、次のようにして
測定される。すなわち、試料を180℃の加圧成形機に
て厚さ1mmの角板に成形した後、直ちに水冷して得た
プレスシートを用い、理学電機(株)製ローターフレッ
クス RU300測定装置を用いて測定することにより
決定される(出力50kV、250mA)。この際の測
定法としては、透過法を用い、またサンプルを回転させ
ながら測定を行なう。
【0037】また、本発明で用いられるプロピレン系ブ
ロック重合体は、沸騰ヘプタン不溶成分の13C−NMR
スペクトルにおけるPmmmm、Pwの吸収強度から下記式
(1)により求められる立体規則性指標[IP]の値が
0.960〜0.995、好ましくは0.970〜0.
995、より好ましくは0.980〜0.995の範囲
にある。
【0038】
【数3】
【0039】(式中、 Pmmmm:プロピレン単位が5単位連続してアイソタクチ
ック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来
する吸収強度 Pw:プロピレン単位のメチル基に由来する吸収強
度。) ここで、プロピレン系ブロック共重合体の沸騰ヘプタン
不溶成分がプロピレンの単独重合体である場合、この不
溶成分は、たとえば下記式(A)のように表わすことが
できる。
【0040】
【化5】
【0041】で表わされるプロピレン単位5連鎖中の3
単位目のメチル基(たとえばMe3 、Me4 )に由来す
13C−NMRスペクトルにおける吸収強度をPmmmmと
し、プロピレン単位中の全メチル基(Me1 、Me2
Me3 …)に由来する吸収強度をPwとすると、上記式
(A)で表わされるポリプロピレンの立体規則性は、上
記式(1)から求められる値により評価することができ
る。
【0042】本発明において沸騰ヘプタン不溶成分のN
MR測定は、たとえば次のようにして行われる。すなわ
ち、この不溶成分0.35gをヘキサクロロブタジエン
2.0mlに加熱溶解させる。この溶液をグラスフィル
ター(G−2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5
mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入す
る。そして、日本電子製GX−500型NMR測定装置
を用い、120℃で13C−NMR測定を行なう。積算回
数は、10,000回以上とする。立体規則性指標[I
P]の値は、上記測定によって得られるピーク強度から
求めることができる。
【0043】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体の沸騰ヘプタン不溶成分の密度は、通常0.9
00g/cm3 以上、好ましくは0.905g/cm3
以上である。
【0044】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体は、23℃デカン可溶成分量が0.1〜50
%、好ましくは1〜40%、より好ましくは3〜30
%、特に好ましくは5〜20%の範囲にある。
【0045】本発明では、プロピレン系ブロック共重合
体の23℃デカン可溶成分量は、次のようにして測定さ
れる。すなわち、攪拌装置付1リットルのフラスコに、
重合体試料3g、2,6-ジ-tert-ブチル-4- メチルフェノ
ール20mg、n-デカン500mlを入れ、145℃の
油浴上で加熱溶解させる。重合体試料が溶解した後、約
8時間かけて室温まで冷却し、続いて23℃の水浴上で
8時間保持する。析出した重合体と、溶解ポリマーを含
むn-デカン溶液とをG−4(またはG−2)のグラスフ
ィルターで濾過分離する。このようにして得られた溶液
を10mmHg、150℃の条件で加熱してn-デカン溶
液に溶解していたポリマーを定量になるまで乾燥し、そ
の重量を23℃デカン可溶成分量とし、プロピレン系ブ
ロック共重合体の23℃デカン可溶成分量は、重合体試
料の重量に対する百分率として算出する。
【0046】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体の沸騰ヘプタン不溶成分の、135℃での半結
晶化時間は、通常100秒以下、好ましくは80秒以
下、より好ましくは70秒以下である。
【0047】この半結晶化時間は、次のようにして測定
される。すなわちパーキンエルマー社製示差熱計を用い
て、135℃における上記重合体の沸騰ヘプタン不溶成
分の結晶化による発熱量と時間との関係を測定し、発熱
量が総発熱量の50%に達するまでに要する時間をもっ
て半結晶化時間とする。
【0048】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体では、沸騰ヘプタン不溶成分の融点と結晶化温
度との差は、45℃以下、好ましくは43℃以下、より
好ましくは40℃以下である。
【0049】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体の135℃デカリン中で測定される極限粘度
[η]は、通常0.001〜30dl/g、好ましくは
0.01〜10dl/g、特に好ましくは0.05〜5
dl/gの範囲にある。
【0050】このような本発明で用いられるプロピレン
系ブロック共重合体は、立体規則性触媒、好ましくは担
体付遷移金属成分、有機アルミニウム化合物および特定
のケイ素化合物成分よりなる触媒の存在下に、一つの重
合反応系中でオレフィン類を重合させることにより調製
することができる。このプロピレン系ブロック共重合体
の詳細な調製方法については、後述する。
【0051】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体としては、後述の核剤が配合されているプロピ
レン系ブロック共重合体がより好ましい。プロピレン系
ブロック共重合体に核剤を配合することによって、結晶
粒子の微細化が図れるとともに、結晶化速度が向上し、
成形体の寸法安定化時間および成形サイクルの短縮が可
能になる。
【0052】このような核剤としては、下記式(i) また
は(ii)で表わされる化合物(オレフィン)から誘導され
る重合体、下記式(iii) 、(iv)または(v) で表わされる
化合物、芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボン酸
の金属塩などが挙げられる。本発明においては、核剤
は、プロピレン系ブロック共重合体中に10〜1000
0ppm、好ましくは100〜5000ppmの範囲の
量で含有していることが望ましい。
【0053】
【化6】
【0054】Mは炭素またはケイ素であり、R1 および
2 は炭化水素基であり、R3 は水素または炭化水素基
である。)上記式(i) において、Xで示されるシクロア
ルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基などが挙げられ、アリール基とし
ては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基
などが挙げられる。
【0055】上記式(i) または(ii)において、R1 、R
2 およびR3 で示される炭化水素基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、
フェニル基、ナフチル基等のアリール基、あるいはノル
ボルニル基などが挙げられる。
【0056】さらに、R1 、R2 およびR3 で示される
炭化水素基には、ケイ素、ハロゲン原子が含まれていて
もよい。このような上記式(i) または(ii)で表わされる
化合物としては、具体的には、3-メチル-1- ブテン、3-
メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル
-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1
- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1-
ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、アリルナフタレン、
アリルノルボルナン、スチレン、ジメチルスチレン類、
ビニルナフタレン類、アリルトルエン類、アリルベンゼ
ン、ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビ
ニルシクロヘプタン、アリルトリメチルシラン類などが
例示できる。これらの中では、3-メチル-1- ブテン、3-
メチル-1- ペンテン、3-エチル-1-ヘキセン、ビニルシ
クロヘキサン、アリルトリメチルシラン、ジメチルスチ
レンなどが好ましい。また、これらの化合物のなかで
も、3-メチル-1- ブテン、ビニルシクロヘキサン、アリ
ルトリメチルシランがより好ましく、3-メチル-1- ブテ
ンが特に好ましい。
【0057】上記以外の核剤の中で好ましく用いられる
核剤としては、下記のような核剤が挙げられる。
【0058】
【化7】
【0059】(式中、R4 は酸素、硫黄、もしくは炭素
数1〜10の炭化水素基であり、R5 、R6 は水素もし
くは炭素数1〜10の炭化水素基であり、R5 、R6
同種であっても異種であってもよく、R5 同士、R6
士またはR5 とR6 が結合して環状となっていてもよ
く、Mは、1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整
数である。)上記式(iii) で表わされる化合物として
は、具体的には、ナトリウム-2,2'-メチレン- ビス(4,
6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム
-2,2'-エチリデン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)
フォスフェート、リチウム-2,2'- メチレン- ビス(4,6
-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,
2'-エチリデン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フ
ォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン- ビス(4-
i-プロピル-6-t- ブチルフェニル)フォスフェート、リ
チウム-2,2'-メチレン- ビス(4-メチル-6-t- ブチルフ
ェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン- ビ
ス(4-エチル-6-t- ブチルフェニル)フォスフェート、
カルシウム- ビス[2,2'- チオビス(4-メチル-6-t- ブ
チルフェニル)フォスフェート]、カルシウム- ビス
[2,2'- チオビス(4-エチル-6-t- ブチルフェニル)フ
ォスフェート]、カルシウム- ビス[2,2'- チオビス
(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェート]、マグ
ネシウム- ビス[2,2'- チオビス(4,6-ジ-t- ブチルフ
ェニル)フォスフェート]、マグネシウム- ビス[2,2'
-チオビス(4-t-オクチルフェニル)フォスフェー
ト]、ナトリウム-2,2'-ブチリデン- ビス(4,6-ジメチ
ルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリ
デン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン- ビス(4,6-
ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
t-オクチルメチレン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニ
ル)フォスフェート、カルシウム- ビス[2,2'- メチレ
ン- ビス(4,6-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、
マグネシウム- ビス[2,2'- メチレン- ビス(4,6-ジ-t
- ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム- ビス
[2,2'- メチレン- ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)
フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-メチレン- ビス
(4-メチル-6-t- ブチルフェニル)フォスフェート、ナ
トリウム-2,2'-メチレン- ビス(4-エチル-6-t- ブチル
フェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4'- ジメチ
ル-5,6'-ジ-t- ブチル-2,2'-ビフェニル)フォスフェー
ト、カルシウム(4,4'- ジメチル-6,6'-ジ-t- ブチル-
2,2'-ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン- ビス(4-m-ブチル-6-t- ブチルフェニル)
フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン- ビス(4,
6-ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,
2'-メチレン- ビス(4,6-ジエチルフェニル)フォスフ
ェート、カリウム-2,2'-エチリデン- ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム- ビス
[2,2'- エチリデン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニ
ル)フォスフェート]、マグネシウム- ビス[2,2'- エ
チリデン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフ
ェート]、バリウム- ビス[2,2'- エチリデン- ビス
(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフェート]、アル
ミニウム- トリス[2,2'- メチレン- ビス(4,6-ジ-t-
ブチルフェニル)フォスフェート]およびアルミニウム
-トリス[2,2'- エチリデン- ビス(4,6-ジ-t- ブチル
フェニル)フォスフェート]およびこれらの2個以上の
混合物を例示することができる。特にナトリウム-2,2'-
メチレン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル)フォスフ
ェートが好ましい。
【0060】
【化8】
【0061】(式中、R7 は水素もしくは炭素数1〜1
0の炭化水素基であり、Mは1〜3価の金属原子であ
り、nは1〜3の整数である。)上記式(iv)で表わされ
る化合物としては、具体的には、ナトリウム- ビス(4-
t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム- ビス
(4-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム- ビ
ス(4-エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-
ビス(4-i-プロピルフェニル)フォスフェート、ナトリ
ウム- ビス(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート、
カリウム- ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェー
ト、カルシウム- ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフ
ェート、マグネシウム- ビス(4-t-ブチルフェニル)フ
ォスフェート、リチウム- ビス(4-t-ブチルフェニル)
フォスフェート、アルミニウム- ビス(4-t-ブチルフェ
ニル)フォスフェートおよびこれらの2種以上の混合物
を例示することができる。特にナトリウム- ビス(4-t-
ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
【0062】
【化9】
【0063】(式中、R8 は水素もしくは炭素数1〜1
0の炭化水素基である。)上記式(v) で表わされる化合
物としては、具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソル
ビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-P- メチルベンジリデ
ンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-P- エチルベン
ジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4
- ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデ
ン-2,4- ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベン
ジリデン-2,4-p- エチルベンジリデンソルビトール、1,
3-p-エチルベンジリデン-2,4-p- メチルベンジリデンソ
ルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソル
ビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビ
トール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソル
ビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソ
ルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソ
ルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソ
ルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソ
ルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-P- クロルベ
ンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-
2,4- ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジ
リデン-2,4-p- メチルベンジリデンソルビトール、1,3-
p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソル
ビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p- クロルベ
ンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-
2,4-p- クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4
-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれ
らの2個以上の混合物を例示でき、特に1,3,2,4-ジベン
ジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリ
デン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-
メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロ
ルベンジリデン)ソルビトールおよびそれらの2種以上
の混合物が好ましい。
【0064】その他の核剤としては、芳香族カルボン酸
の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属塩を例示することが
でき、具体的には、安息香酸アルミニウム塩、p-t-ブチ
ル安息香酸アルミニウム塩やアジピン酸ナトリウム、チ
オフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。
【0065】また、タルクのような無機化合物を例示す
ることもできる。核剤を上記の量でプロピレン系ブロッ
ク共重合体に配合することにより、プロピレン系ブロッ
ク共重合体が本来有する優れた特性が損なわれることな
く、結晶粒子が微細で結晶化度がさらに向上したプロピ
レン系ブロック共重合体が得られる。
【0066】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体は、フェノール系安定剤、有機フォスファイト
系安定剤、チオエーテル系安定剤、ヒンダードアミン系
安定剤、高級脂肪酸の金属塩などから選ばれる少なくと
も1種の安定剤を、プロピレン系ブロック共重合体10
0重量部に対して0.001〜10重量部の量で配合し
てもよい。
【0067】また、本発明で用いられるプロピレン系ブ
ロック共重合体は、衝撃強度を向上させるために、オレ
フィン系およびアロマティック系ゴム成分、および高密
度ないし中密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレ
ンまたは高圧法低密度ポリエチレンなどのポリエチレン
成分を配合したり、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤、滑剤、着色防止剤、粘度調整剤、抗菌
剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを配合
することができ、その配合割合は適宜量である。
【0068】また、本発明では、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、プロピレン系ブロック共重合体に、シリ
カ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの
充填剤を配合してもよい。
【0069】上述した本発明で用いられるプロピレン系
ブロック共重合体は、たとえば、[Ia]マグネシウム、
チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含
有する固体状チタン触媒成分(a)と、[II]有機金属
触媒成分(b)と、[III] 下記式(vi)で示されるケイ
素化合物(c)または複数の原子を介して存在する2個
以上のエーテル結合を有する化合物(d)と Ra nSi(ORb4-n ・・・(vi) (式中、nは1、2または3であり、nが1のとき、R
a は2級または3級の炭化水素基であり、nが2または
3のとき、Ra の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基であり、Ra は同一であっても異なっていても
よく、Rb は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−
nが2または3であるとき、Rb は同一であっても異な
っていてもよい。)から形成されるオレフィン重合触媒
の存在下に、好ましくは[Ib]マグネシウム、チタン、
ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固
体状チタン触媒成分(a)と、有機金属触媒成分(b)
との存在下に、上記式(i) または(ii)で表わされるオレ
フィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンを予備
重合してなる予備重合触媒成分と、[II]有機金属触媒
成分(b)と、[III] 上記式(vi)で示されるケイ素化
合物(c)または複数の原子を介して存在する2個以上
のエーテル結合を有する化合物(d)とから形成される
オレフィン重合触媒の存在下に、プロピレンを重合させ
ることにより調製することができる。
【0070】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体は、たとえば、[Ia]マグネシウム、チタン、
ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固
体状チタン触媒成分(a)と、[II]有機金属触媒成分
(b)と、[III] 上記式(vi)で示されるケイ素化合物
(c)または複数の原子を介して存在する2個以上のエ
ーテル結合を有する化合物(d)とから形成されるオレ
フィン重合触媒の存在下に、好ましくは[Ib]マグネシ
ウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分と
して含有する固体状チタン触媒成分(a)と、有機金属
触媒成分(b)との存在下に、上記式(i) または(ii)で
表わされるオレフィンから選ばれる少なくとも1種のオ
レフィンを予備重合してなる予備重合触媒成分と、[I
I]有機金属触媒成分(b)と、[III] 上記式(vi)で
示されるケイ素化合物(c)または複数の原子を介して
存在する2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)
とから形成されるオレフィン重合触媒の存在下に、第1
の重合工程において、プロピレンの単独重合を行なう
か、あるいは、プロピレンと、エチレンおよび/または
炭素数4〜10のオレフィンとの共重合を行ない、結晶
性重合体(結晶性ポリプロピレン部)を調製し、第2の
重合工程において、エチレンおよび炭素数3〜20のオ
レフィンから選ばれる2種以上の単量体の共重合を行な
い、低結晶性共重合体(低結晶性共重合体部)または非
晶性共重合体(非晶性共重合体部)を調製することによ
り得ることができる。
【0071】以下に、本発明で用いられるプロピレン系
ブロック共重合体の製造に使用されるオレフィン重合触
媒を形成する各成分について具体的に説明する。固体状
チタン触媒成分(a)は、下記のようなマグネシウム化
合物、チタン化合物および電子供与体を接触させること
により調製することができる。
【0072】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるチタン化合物として具体的には、たとえば、次式
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。 Ti(OR)g4-g (式中、Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であ
り、gは0≦g≦4である。)このようなチタン化合物
として、具体的には、TiCl4 等のテトラハロゲン化チ
タン;Ti(OCH3)Cl3 等のトリハロゲン化アルコキ
シチタン;Ti(OCH3)2Cl2等のジハロゲン化ジアル
コキシチタン;Ti(OCH3)3Cl 等のモノハロゲン化
トリアルコキシチタン;Ti(OCH3)4等のテトラアル
コキシチタンなどを例示することができる。
【0073】これらの中では、ハロゲン含有チタン化合
物が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好まし
く、特に四塩化チタンが好ましい。これらチタン化合物
は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用
いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭化水素
化合物あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに希釈さ
れていてもよい。
【0074】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマ
グネシウム化合物および還元性を有しないマグネシウム
化合物を挙げることができる。
【0075】ここで還元性を有するマグネシウム化合物
としては、たとえばマグネシウム−炭素結合あるいはマ
グネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙
げることができる。このような還元性を有するマグネシ
ウム化合物の具体的な例としては、ジメチルマグネシウ
ム、エチル塩化マグネシウム、ブチルマグネシウムハイ
ドライドなどを挙げることができる。これらマグネシウ
ム化合物は、単独で用いることもできるし、後述する有
機金属化合物と錯化合物を形成していてもよい。また、
これらマグネシウム化合物は、液体であってもよく、固
体あってもよいし、金属マグネシウムと対応する化合物
とを反応させることで誘導してもよい。さらに触媒調製
中に上記の方法を用いて金属マグネシウムから誘導する
こともできる。
【0076】還元性を有しないマグネシウム化合物の具
体的な例としては、塩化マグネシウムのようなハロゲン
化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウムのようなア
ルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネ
シウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;エト
キシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウム;フ
ェノキシマグネシウムのようなアリロキシマグネシウ
ム;ラウリン酸マグネシウムのようなマグネシウムのカ
ルボン酸塩などを例示することができる。
【0077】これら還元性を有しないマグネシウム化合
物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化
合物であってもよい。還元性を有しないマグネシウム化
合物を、還元性を有するマグネシウム化合物から誘導す
るには、たとえば、還元性を有するマグネシウム化合物
を、ハロゲン、ポリシロキサン化合物、ハロゲン含有シ
ラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物、アルコ
ール、エステル、ケトン、アルデヒドなどの活性な炭素
−酸素結合を有する化合物と接触させればよい。
【0078】なお、本発明において、マグネシウム化合
物は上記の還元性を有するマグネシウム化合物および還
元性を有しないマグネシウム化合物の外に、上記のマグ
ネシウム化合物と他の金属との錯化合物、複化合物ある
いは他の金属化合物との混合物であってもよい。さら
に、上記の化合物を2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
【0079】固体状チタン触媒成分(a)の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも
多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得
られる固体状チタン触媒成分(a)中において、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、
従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる
場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触反応
させることが好ましい。
【0080】上述したマグネシウム化合物の中では、還
元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグ
ネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩
化マグネシウムが特に好ましい。
【0081】本発明で用いられる固体状チタン触媒成分
(a)は、上記のようなマグネシウム化合物と、前述し
たようなチタン化合物および電子供与体を接触させるこ
とにより形成される。
【0082】固体状チタン触媒成分(a)の調製の際に
用いられる電子供与体としては、具体的には、メチルア
ミン、エチレンジアミン、トリベンジルアミン等のアミ
ン類;ピロール、メチルピロール、ジメチルピロール等
のピロール類;ピロリン;ピロリジン;インドール;ピ
リジン、メチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジル
ピリジン、塩化ピリジン等のピリジン類;ピペリジン
類、キノリン類、イソキノリン類等の含窒素環状化合
物;テトラヒドロフラン、1,4-シネオール、ピラン、ジ
テドロピラン等の環状含酸素化合物;メタノール、イソ
プロピルベンジルアルコール等の炭素数1〜18のアル
コール類;フェノール、キシレノール、エチルフェノー
ル、ナフトール等の低級アルキル基を有してもよい炭素
数6〜20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケ
トン、ベンゾフェノン、ベンゾキノン等の炭素数3〜1
5のケトン類;アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、
ナフトアルデヒド等の炭素数2〜15のアルデヒド類;
ギ酸メチル、酢酸メチル、メタクリル酸メチル、安息香
酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フタル
酸ジエチル、炭酸エチル等の炭素数2〜30の有機酸エ
ステル;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド等の炭
素数2〜15の酸ハライド類;メチルエーテル、アニソ
ール、ジフェニルエーテルエポキシ-p- メンタン等の炭
素数2〜20のエーテル類;2-イソペンチル-2-イソプ
ロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-イソブチル-1,3-
ジメトキシプロパン等のジエーテル類;酢酸アミド、
安息香酸アミド等の酸アミド類;アセトニトリル、ベン
ゾニトリル等のニトリル類;無水酢酸、無水フタル酸、
無水安息香酸等の酸無水物などが挙げられる。
【0083】また電子供与体として、後述するような一
般式(vi)で示されるケイ素化合物(c)を用いること
もできる。また、上記のようなチタン化合物、マグネシ
ウム化合物および電子供与体を接触させる際に、下記の
ような担体化合物を用い、担体担持型の固体状チタン触
媒成分(a)を調製することもできる。
【0084】このような担体化合物としては、Al
23、SiO2、B23、MgO、CaO、TiO2、Z
nO、ZnO2、SnO2、BaO、ThO およびスチ
レン−ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂などを挙げ
ることができる。これら担体化合物の中でも、好ましく
はSiO2、Al23、MgO、ZnO、ZnO2などを
挙げることができる。
【0085】なお、上記の成分は、たとえばケイ素、リ
ン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触さ
せてもよい。固体状チタン触媒成分(a)の製造方法
は、上記したようなチタン化合物、マグネシウム化合物
および電子供与体を接触させることなどにより製造する
ことができ、公知の方法を含むあらゆる方法を採用する
ことができる。
【0086】これら固体状チタン触媒成分(a)の具体
的な製造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体および炭化水素溶
媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固
体を析出させた後、または析出させながらチタン化合物
と接触反応させる方法。
【0087】(2) マグネシウム化合物と電子供与体から
なる錯体を有機金属化合物と接触反応させた後チタン化
合物を接触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および好ましくは電子供与体を接触反応さ
せる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有
化合物および/または有機金属化合物と接触反応させて
もよい。
【0088】(4) マグネシウム化合物、電子供与体、場
合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または
有機担体との混合物から、マグネシウム化合物の担持さ
れた無機または有機担体を得、次いでチタン化合物を接
触させる方法。
【0089】(5) マグネシウム化合物、チタン化合物、
電子供与体、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶
液と無機または有機担体との接触により、マグネシウ
ム、チタンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方
法。
【0090】(6) 液状状態の有機マグネシウム化合物を
ハロゲン含有チタン化合物と接触反応させる方法。この
とき電子供与体を少なくとも1回は用いる。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
このとき電子供与体を少なくとも1回は用いる。
【0091】(8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物
をハロゲン含有チタン化合物と接触反応する方法。この
とき電子供与体を少なくとも1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。
【0092】(10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物
および電子供与体からなる錯体を有機金属化合物と接触
後チタン化合物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合
物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応
は、各成分を電子供与体および/または有機金属化合物
やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理
してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与
体を少なくとも一回は用いることが好ましい。
【0093】(12)還元能を有しない液状のマグネシウム
化合物と液状チタン化合物とを、好ましくは電子供与体
の存在下で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複
合体を析出させる方法。
【0094】(13)(12)で得られた反応生成物に、チタン
化合物をさらに反応させる方法。 (14)(11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子供
与体およびチタン化合物をさらに反応させる方法。
【0095】(15)マグネシウム化合物と好ましくは電子
供与体と、チタン化合物とを粉砕して得られた固体状物
を、ハロゲン、ハロゲン化合物および芳香族炭化水素の
いずれかで処理する方法。なお、この方法においては、
マグネシウム化合物のみを、あるいはマグネシウム化合
物と電子供与体とからなる錯化合物を、あるいはマグネ
シウム化合物とチタン化合物を粉砕する工程を含んでも
よい。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハ
ロゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機
金属化合物あるいはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙
げられる。
【0096】(16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チ
タン化合物と接触・反応させる方法。この際、粉砕時お
よび/または接触・反応時に電子供与体や、反応助剤を
用いることが好ましい。
【0097】(17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハ
ロゲンまたはハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処
理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体および
チタン化合物と接触させる方法。
【0098】(19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシ
マグネシウム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネ
シウム化合物を、チタン化合物および/またはハロゲン
含有炭化水素および好ましくは電子供与体と反応させる
方法。
【0099】(20)マグネシウム化合物とアルコキシチタ
ンとを少なくとも含む炭化水素溶液と、チタン化合物お
よび/または電子供与体とを接触させる方法。この際ハ
ロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共
存させることが好ましい。
【0100】(21)還元能を有しない液状状態のマグネシ
ウム化合物と有機金属化合物とを反応させて固体状のマ
グネシウム・金属(アルミニウム)複合体を析出させ、
次いで、電子供与体およびチタン化合物を反応させる方
法。
【0101】固体状チタン触媒成分(a)を調製する際
に用いられる上記各成分の使用量は、調製方法によって
異なり一概に規定できないが、たとえばマグネシウム化
合物1モル当り、電子供与体は0.01〜10モル、好
ましくは0.1〜5モルの量で用いられ、チタン化合物
は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200
モルの量で用いられる。
【0102】このようにして得られる固体状チタン触媒
成分(a)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび
電子供与体を必須成分として含有している。この固体状
チタン触媒成分(a)において、ハロゲン/チタン(原
子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100の範囲
にあり、前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.0
1〜100、好ましくは約0.02〜10の範囲にあ
り、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、
好ましくは約2〜50の範囲にあることが望ましい。
【0103】このような固体状チタン触媒成分(a)
(触媒成分[Ia])は、該固体状チタン触媒成分(a)
と下記有機金属触媒成分(b)との存在下、オレフィン
の予備重合を行うことにより得られる[Ib]予備重合触
媒成分として重合に用いることが望ましい。
【0104】[Ib]予備重合触媒成分の調製に用いられ
る有機金属触媒成分(b)としては、周期律表第I族〜
第 III族金属の有機金属化合物が用いられ、具体的に
は、下記のような化合物が用いられる。
【0105】(b-1) 一般式 R1 mAl(OR2npq (式中、R1 およびR2 は炭素原子を通常1〜15個、
好ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互
いに同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子を表
し、0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、q
は0≦q<3の数であり、かつ、m+n+p+q=3で
ある。)で表わされる有機アルミニウム化合物。
【0106】(b-2) 一般式 M1AlR1 4 (式中、M1 はLi 、Na 、Kであり、R1 は前記と同
じである。)で表わされる第I族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化物。
【0107】(b-3) 一般式 R122 (式中、R1 およびR2 は上記と同様であり、M2 はM
g、ZnまたはCdである。)で表わされる第II族また
は第 III族のジアルキル化合物。
【0108】前記の(b-1) に属する有機アルミニウム化
合物としては、次のような化合物を例示できる。 一般式 R1 mAl(OR23-m (式中、R1 およびR2 は前記と同様であり、mは好ま
しくは1.5≦m≦3の数である。)で表わされる化合
物、 一般式 R1 mAlX3-m (式中、R1 は前記と同様であり、Xはハロゲンであ
り、mは好ましくは0<m<3である。)で表わされる
化合物、 一般式 R1 mAlH3-m (式中、R1 は前記と同様であり、mは好ましくは2≦
m<3である。)で表わされる化合物、 一般式 R1 mAl(OR2nq (式中、R1 およびR2 は前記と同様であり、Xはハロ
ゲン、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3であり、か
つ、m+n+q=3である。)で表わされる化合物など
を挙げることができる。
【0109】(b-1) に属するアルミニウム化合物として
は、より具体的には、トリエチルアルミニウム等のトリ
アルキルアルミニウム;トリイソプレニルアルミニウム
等のトリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウ
ムエトキシド等のジアルキルアルミニウムアルコキシ
ド;エチルアルミニウムセスキエトキシド等のアルキル
アルミニウムセスキアルコキシド;R1 2.5Al(O
20.5 等で表わされる平均組成を有する部分的にア
ルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアル
ミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド;エチルアルミニウムセスキクロリド等のアルキルア
ルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロ
リド等のアルキルアルミニウムジハライドのように部分
的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチル
アルミニウムヒドリド等のジアルキルアルミニウムヒド
リド;エチルアルミニウムジヒドリド等のアルキルアル
ミニウムジヒドリドなどのようにその他の部分的に水素
化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエ
トキシクロリド等のように部分的にアルコキシ化および
ハロゲン化されたアルキルアルミニウムを挙げることが
できる。
【0110】また、(b-1) に類似する化合物としては、
酸素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結
合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。
このような化合物としては、たとえば、(C252
lOAl(C252 、(C492AlOAl(C4
92 、(C252AlN(C25)Al(C252
などの他に、メチルアルミノオキサンなどのアルミノオ
キサン類を挙げることができる。
【0111】前記(b-2) に属する化合物としては、Li
Al(C254 、LiAl(C7154 などを挙げる
ことができる。
【0112】これらの中では有機アルミニウム化合物が
好ましく用いられる。[Ib]予備重合触媒成分の調製に
用いられるオレフィンとしては、上記式(i)または(ii)
で表わされる化合物が好ましく用いられる。
【0113】予備重合では、プロピレンの本重合におけ
る系内の触媒濃度よりもかなり高濃度で触媒を用いるこ
とができる。予備重合における固体状チタン触媒成分
(a)の濃度は、後述する不活性炭化水素媒体1リット
ル当り、チタン原子換算で、通常約0.01〜200ミ
リモル、好ましくは約0.05〜100ミリモルの範囲
にあることが望ましい。
【0114】有機金属触媒成分(b)の量は、固体状チ
タン触媒成分(a)1g当り0.1〜1000g、好ま
しくは0.3〜500gの重合体が生成するような量で
あればよく、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン原
子1モル当り、通常約0.1〜100ミリモル、好まし
くは約0.5〜50ミリモルの範囲とすることが望まし
い。
【0115】また予備重合を行う際には、固体状チタン
触媒成分(a)、有機金属触媒成分(b)の他に電子供
与体(e)を用いてもよい。この電子供与体(e)とし
て、具体的には、先に固体状チタン触媒成分(a)を調
製する際に用いた電子供与体、後述する式(vi)で示され
るケイ素化合物(c)および複数の原子を介して存在す
る2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)、さら
には下記式(c-i) で表わされる有機ケイ素化合物を挙
げることができる。
【0116】 RnSi(OR’)4-n ・・・(c-i) (式中、RおよびR’は炭化水素基であり、0<n<4
である。)なお、この式(c-i) で示される有機ケイ素
化合物としては、後述する式(vi)で示されるケイ素化合
物(c)は含まれない。
【0117】このような一般式(c-i) で示される有機
ケイ素化合物としては、具体的には、トリメチルメトキ
シシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラ
ン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスエチルフェニ
ルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、γ-
クロルプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリエト
キシシラン、γ- アミノプロピルトリエトキシシラン、
クロルトリエトキシシラン、ケイ酸エチル、メチルトリ
アリロキシ(allyloxy)シラン、ビニルトリス(β- メト
キシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、
ジメチルテトラエトキシジシロキサンなどが挙げられ
る。
【0118】これらの電子供与体(e)は、単独である
いは2種以上併用して用いることができる。電子供与体
(e)は、固体状チタン触媒成分(a)中のチタン原子
1モル当り0.1〜50モル、好ましくは0.5〜30
モル、さらに好ましくは1〜10モルの量で用いられ
る。
【0119】予備重合は、不活性炭化水素媒体に上記式
(i) または(ii)で表わされるオレフィンおよび上記触媒
成分を加え、温和な条件下で行なうことが好ましい。予
備重合で上記式(i) または(ii)で表わされるオレフィン
を用いると、上述した式(i)または(ii)で表わされる化
合物から誘導される重合体が生成され、この重合体は核
剤の役割を果たすことになる。
【0120】この際用いられる不活性炭化水素媒体とし
ては、具体的には、プロパン、ヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;
シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化
水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;エチレンクロリド、クロルベンゼン等のハロゲン化
炭化水素、あるいはこれらの接触物などを挙げることが
できる。これらの不活性炭化水素媒体のうちでは、特に
脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。
【0121】予備重合の際の反応温度は、生成する予備
重合体は実質的に不活性炭化水素媒体中に溶解しないよ
うな温度であればよく、通常約−20〜+100℃、好
ましくは約−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+
40℃の範囲にある。なお、予備重合においては、水素
のような分子量調節剤を用いることもできる。
【0122】予備重合は、上記のような固体状チタン触
媒成分(a)1g当り約0.1〜1000g、好ましく
は約0.3〜500gの重合体が生成するように行なう
ことが望ましい。予備重合量をあまり多くすると、本重
合における共重合体の生成効率が低下することがある。
【0123】このような予備重合は、回分式や連続式で
行なうことができる。本発明で用いられるプロピレン系
ブロック共重合体の調製に用いられるオレフィン重合触
媒は、上記[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予
備重合触媒成分と、[II]有機金属触媒成分と、[II
I] ケイ素化合物(c)または複数の原子を介して存在
する2個以上のエーテル結合を有する化合物(d)とか
ら形成されている。
【0124】[II]有機金属触媒成分としては、前述し
た[Ib]予備重合触媒成分の調製に用いた(b)有機金
属触媒成分と同様の成分を使用することができる。[II
I] ケイ素化合物(c)は、下記式(vi)で示される化
合物である。
【0125】 Ra n−Si−(ORb4-n ・・・(vi) (式中、nは1、2または3であり、nが1のとき、R
a は2級または3級の炭化水素基であり、nが2または
3のとき、Ra の少なくとも1つは2級または3級の炭
化水素基であり、Ra は同一であっても異なっていても
よく、Rb は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−
nが2または3であるとき、Rb は同一であっても異な
っていてもよい。) この式(vi)で示されるケイ素化合物(c)において、2
級または3級の炭化水素基としては、シクロペンチル
基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置
換基を有するこれらの基あるいはSiに隣接する炭素が
2級または3級である炭化水素基が挙げられる。より具
体的に、置換シクロペンチル基としては、2-メチルシク
ロペンチル基、2,3-ジエチルシクロペンチル基、2,3,4-
トリメチルシクロペンチル基、テトラエチルシクロペン
チル基などのアルキル基を有するシクロペンチル基を例
示することができる。
【0126】置換シクロペンテニル基としては、2-メチ
ルシクロペンテニル基、2,3-ジメチルシクロペンテニル
基、2,3,4-トリエチルシクロペンテニル基、テトラエチ
ルシクロペンテニル基などのアルキル基を有するシクロ
ペンテニル基を例示することができる。
【0127】置換シクロペンタジエニル基としては、2-
メチルシクロペンタジエニル基、2,4-ジメチルシクロペ
ンタジエニル基、2,3,4-トリメチルシクロペンタジエニ
ル基、2,3,4-トリエチルシクロペンタジエニル基、2,3,
4,5-テトラメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4,5-
ペンタエチルシクロペンタジエニル基などのアルキル基
を有するシクロペンタジエニル基をを例示することがで
きる。
【0128】またSiに隣接する炭素が2級炭素である
炭化水素基としては、i-プロピル基、s-ブチル基、s-ア
ミル基、α-メチルベンジル基などを例示することがで
き、Siに隣接する炭素が3級炭素である炭化水素基と
しては、t-ブチル基、t-アミル基、α,α'- ジメチルベ
ンジル基などを例示することができる。
【0129】このような式(vi)で示されるケイ素化合物
(c)は、nが1である場合には、シクロペンチルトリ
メトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシ
シラン、2,3-ジメチルシクロペンチルトリメトキシシラ
ン、t-ブチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリ
メトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシランな
どのトリアルコキシシラン類が例示される。
【0130】nが2である場合には、ジシクロペンチル
ジエトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、
ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメ
チルジエトキシシラン、2-ノルボルナンメチルジメトキ
シシランなどのジアルコキシシラン類が例示される。
【0131】nが2である場合には、上記式(vi)で示さ
れるケイ素化合物(c)は、下記式(vii) で示されるジ
メトキシ化合物であることが好ましい。
【0132】
【化10】
【0133】式中、Ra およびRc は、それぞれ独立
に、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロ
ペンテニル基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタ
ジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、あるいはS
iに隣接する炭素が2級炭素または3級炭素である炭化
水素基を示す。
【0134】このような式(vii) で示されるケイ素化合
物としては、たとえば、ジシクロペンチルジメトキシシ
ラン、ジシクロペンテニルジメトキシシラン、ジシクロ
ペンタジエニルジメトキシシラン、ジ-t- ブチルジメト
キシシラン、ジ-(3- メチルシクロペンチル)ジメトキ
シシラン、ジ-(2- エチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ-(2,3- ジメチルシクロペンチル)ジメトキ
シシラン、ジ-(2,3,4- トリメチルシクロペンチル)ジ
メトキシシラン、ジ- (テトラエチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ-(2- メチルシクロペンテニル)
ジメトキシシラン、ジ-(2,5- ジメチルシクロペンテニ
ル)ジメトキシシラン、ジ-(2,3,4- トリエチルシクロ
ペンテニル)ジメトキシシラン、ジ- (テトラエチルシ
クロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ-(2-n- ブチル
シクロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ-(2,3- ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ-
(2,3,4- トリエチルシクロペンタジエニル)ジメトキ
シシラン、ジ-(2,3,4,5- テトラメチルシクロペンタジ
エニル)ジメトキシシラン、ジ-(1,2,3,4,5- ペンタエ
チルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ-t-
アミル-ジメトキシシラン、ジ-(α,α'-ジメチルベン
ジル)ジメトキシシラン、ジ- (アドマンチル)ジメト
キシシラン、アドマンチル-t- ブチルジメトキシシラ
ン、シクロペンチル-t- ブチルジメトキシシラン、ジイ
ソプロピルジメトキシシラン、ジ-s- ブチルジメトキシ
シラン、ジ-s- アミルジメトキシシラン、イソプロピル
-s- ブチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0135】nが3である場合には、トリシクロペンチ
ルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシ
ラン、シクロペンチルジメチルメトキシシラン、シクロ
ペンチルジメチルエトキシシランなどのモノアルコキシ
シラン類などが挙げられる。
【0136】これらのうち、ジメトキシシラン類、特に
上記式(vii) で示されるジメトキシシラン類が好まし
く、具体的に、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ
-t-ブチルジメトキシシラン、ジ-(2- メチルシクロペ
ンチル)ジメトキシシラン、ジ-(3-メチルシクロペン
チル)ジメトキシシラン、ジ-t- アミルジメトキシシラ
ンが好ましい。
【0137】これらケイ素化合物(c)は、2種以上併
用して用いることができる。本発明で用いられる複数の
原子を介して存在する2個以上のエーテル結合を有する
化合物(d)(以下、ポリエーテル化合物と称する場合
がある)では、これらエーテル結合間に存在する原子
は、炭素、ケイ素、酸素、硫黄、リン、ホウ素からなる
群から選択される1種以上であり、原子数は2以上であ
る。これらのうち、エーテル結合間の原子に比較的嵩高
い置換基、具体的には炭素数2以上であり、好ましくは
3以上で直鎖状、分岐状、環状構造を有する置換基、よ
り好ましくは分岐状または環状構造を有する置換基が結
合しているものが望ましい。また2個以上のエーテル結
合間に存在する原子に、複数の、好ましくは3〜20、
より好ましくは3〜10、特に好ましくは3〜7の炭素
原子が含まれている化合物が好ましい。
【0138】このようなポリエーテル化合物としては、
たとえば下記式で示される化合物を挙げることができ
る。
【0139】
【化11】
【0140】式中、nは2≦n≦10の整数であり、R
1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、
リン、ホウ素およびケイ素から選択される少なくとも1
種の元素を有する置換基であり、任意のR1 〜R26、好
ましくはR1 〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形
成していてもよく、主鎖中に炭素以外の原子が含まれて
いてもよい。
【0141】上記のようなポリエーテル化合物として
は、1,3-ジエーテル類が好ましく用いられ、特に、2,2-
ジイソブチル-1,3- ジメトキシプロパン、2-イソプロピ
ル-2-イソペンチル-1,3- ジメトキシプロパン、2,2-ジ
シクロヘキシル-1,3- ジメトキシプロパン、2,2-ビス
(シクロヘキシルメチル)-1,3- ジメトキシプロパンが
好ましく用いられる。
【0142】これらポリエーテル化合物(d)は、2種
以上併用して用いることができる。次に、本発明で用い
られるプロピレン系ブロック共重合体の製造方法につい
て説明する。
【0143】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体は、たとえば前記[Ia]固体状チタン触媒成分
と、[II]有機金属触媒成分と、 [III]上記式(vi)で
示されるケイ素化合物(c)またはポリエーテル化合物
(d)とから形成されるオレフィン重合触媒の存在下、
好ましくは、前記[Ib]予備重合触媒成分と、[II]有
機金属触媒成分と、 [III]上記式(vi)で示されるケイ
素化合物(c)またはポリエーテル化合物(d)とから
形成されるオレフィン重合触媒の存在下に、第1の重合
工程において、プロピレンの単独重合を行なうか、ある
いはプロピレンと、エチレンおよび/または炭素数4〜
10のオレフィンとの共重合を行ない、結晶性重合体
(結晶性ポリプロピレン部)を製造し、第2の重合工程
において、エチレンおよび炭素数3〜20のオレフィン
から選ばれる2種以上の単量体の共重合を行ない、低結
晶性共重合体(低結晶性共重合体部)または非晶性共重
合体(非晶性共重合体部)を製造することにより得るこ
とができる。
【0144】プロピレン系ブロック共重合体を製造する
に際して、まず第1の重合工程において、プロピレンの
単独重合を行なうか、あるいはプロピレンと、エチレン
および/または炭素数4〜20のオレフィンとの共重合
を行なう。
【0145】第1の重合工程は、通常、気相あるいは液
相で行なわれる。重合がスラリー重合または溶解重合の
反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]予
備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と同
様の不活性炭化水素を用いることができる。
【0146】第1の重合系内においては、前記[Ia]固
体状チタン触媒成分または[Ib]予備重合触媒成分は、
重合容積1リットル当り、[Ia]固体状チタン触媒成分
中のチタン原子または[Ib]予備重合触媒成分中のチタ
ン原子に換算して、通常は約0.0001〜50ミリモ
ル、好ましくは約0.001〜10ミリモルの量で用い
られる。また、[II]有機金属触媒成分は、重合系中の
チタン原子1モルに対し、[II]有機金属触媒成分に含
まれる金属原子が、通常約1〜2000モル、好ましく
は約2〜500モルとなるような量で用いられる。さら
に [III]ケイ素化合物(c)またはポリエーテル化合
物(d)は、[II]有機金属触媒成分中の金属原子1モ
ル当り、通常約0.001〜50モル、好ましくは約
0.01〜20モルとなるような量で用いられる。
【0147】第1の重合時に、水素を用いれば、得られ
る重合体の分子量を調節することができる。第1の重合
工程において、重合温度は、通常、約−50〜200
℃、好ましくは約20〜100℃であり、圧力は、通
常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは約2〜50
kg/cm2 に設定される。重合は回分式、半連続式、
連続式の何れの方法においても行なうことができる。ま
た、重合器を2器以上用いて行なうこともできる。
【0148】上記したような第1の重合工程において得
られる重合体中において、エチレンおよび/または炭素
数4〜10のオレフィンから誘導される構成単位の含有
率は、0〜20モル%、好ましくは0〜15モル%、特
に好ましくは0〜10モル%であることが望ましい。
【0149】第1の重合工程において得られる重合体の
135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]は、
40〜0.001dl/g、好ましくは30〜0.01
dl/g、特に好ましくは20〜0.05dl/gであ
ることが望ましい。
【0150】なお、第1の重合工程には、プロピレン
と、前記エチレンおよび/または炭素数4〜20のオレ
フィンとに加え、少量のジエン化合物を重合系内に添加
し、ジエン化合物から誘導される構成単位を、第1の重
合工程で得られる重合体中に導入してもよい。
【0151】ジエン化合物としては、1,4-ヘキサジエ
ン、1,5-ヘキサジエン、4-メチル-1,4- ヘキサジエン、
5-メチル-1,4- ヘキサジエン、7-メチル-1,6- オクタジ
エン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンな
どの炭素数5〜12のジエン化合物を用いることが好ま
しい。
【0152】本発明で用いられるプロピレン系ブロック
共重合体の製造においては、たとえば前記第1の重合工
程に続いて、該第1の重合工程において得られた重合体
の存在下、エチレンおよび炭素数2〜20のオレフィン
から選ばれる2種以上の単量体の共重合を行なう方法が
ある。
【0153】ここで、炭素数2〜20のオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレンおよび第1の重合工程で用
いられる炭素数4〜20のオレフィンなどが挙げられ、
このうち炭素数3〜12のオレフィンを用いることが好
ましい。
【0154】第2の重合工程は、通常、気相あるいは液
相で行なわれる。重合がスラリー重合または溶解重合の
反応形態を採る場合、反応溶媒として、上述の[Ib]予
備重合触媒成分の調製に用いられる不活性炭化水素と同
様の不活性炭化水素を用いることができる。また重合器
を2器以上用いることもできる。
【0155】第2の重合系内においては、必要に応じて
[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予備重合触媒
成分、[II]有機金属触媒成分、 [III]ケイ素化合物
(c)またはポリエーテル化合物(d)を加えることが
でき、[Ia]固体状チタン触媒成分または[Ib]予備重
合触媒成分は、重合容積1リットル当り[Ia]固体状チ
タン触媒成分中のチタン原子または[Ib]予備重合触媒
成分中のチタン原子に換算して、通常は約0.0001
〜50ミリモル、好ましくは約0.001〜10ミリモ
ルの量を加えることができる。また、[II]有機金属触
媒成分は、重合系中に加えたチタン原子1モルに対し、
[II]有機金属触媒成分に含まれる金属原子が、通常約
1〜2000モル、好ましくは約2〜500モルとなる
ような量を加えることができる。さらに [III]ケイ素
化合物(c)またはポリエーテル化合物(d)は、加え
た[II]有機金属触媒成分中の金属原子1モル当り、通
常約0.001〜50モル、好ましくは約0.01〜2
0モルとなるような量で用いることができる。
【0156】第2の重合系内に水素を用いると、水素添
加量によって低結晶性共重合体部または非晶性共重合部
の分子量を調節することができる。第2の重合工程にお
いて、重合温度は、通常、約−50〜200℃、好まし
くは約20〜100℃であり、圧力は、通常、常圧〜1
00kg/cm2 、好ましくは約2〜50kg/cm2
に設定される。重合は回分式、半連続式、連続式の何れ
の方法においても行なうことができる。
【0157】なお、第2の重合工程においても、前述し
た第1の重合工程と同様、少量のジエン化合物を反応系
内に導入してもよい。また、第1および第2のいずれの
重合工程においても固体状チタン触媒成分(a)を調製
する際に用いた電子供与体および/または上記式 (c-
i)で表わされる有機ケイ素化合物を供給してもよい。
【0158】このようにしてプロピレン系ブロック共重
合体を製造すると、固体触媒成分単位量当りの、プロピ
レン系ブロック共重合体の収率を高くすることができる
ため、プロピレン系ブロック共重合体中の触媒残渣、特
にハロゲン含量を相対的に低減させることができる。し
たがって、プロピレン系ブロック共重合体中の触媒を除
去する操作を省略できるとともに、得られたプロピレン
系ブロック共重合体を用いて成形体を成形する際に、金
型の発錆を防止し易くなる。
【0159】上記のような製法により得られるプロピレ
ン系ブロック共重合体中において、プロピレン単位の含
有率は50〜98モル%であり、好ましくは60〜97
モル%である。
【0160】プロピレン系ブロック共重合体の23℃デ
カン可溶成分量は、50%以下であるが、このデカン可
溶成分には、主に第2の重合工程で得られた共重合体が
含まれている。この共重合体の組成は、用いるオレフィ
ンの種類によって異なるため一概に規定できない。
【0161】また、プロピレン系ブロック共重合体のメ
ルトフローレート(MFR)は、第1、第2の重合で添
加する水素の量や重合温度等の条件によって自由に調節
できる。
【0162】上記のようにして得られたプロピレン系ブ
ロック共重合体に、上述した核剤、安定剤、充填剤など
の添加剤を加えて、単軸押出機、多軸押出機、ニーダ
ー、バンバリーミキサーなどで溶融混練することによ
り、核剤等の添加剤を含有するプロピレン系ブロック共
重合体が得られる。なかでも、多軸押出機、ニーダー、
バンバリーミキサーなどの混練性に優れた装置を使用す
ると、上記の各成分がより均一に分散した高品質のプロ
ピレン系ブロック共重合体が得られる。
【0163】本発明では、上記のようにして得られたプ
ロピレン系ブロック共重合体を、水槽1、1a、洗濯槽
兼脱水槽2、脱水槽、バランサー5に用いるが、これら
の全ての洗濯機用部品に上記のプロピレン系ブロック共
重合体を用いれば、最も大きな効果が得られる。もちろ
ん、洗濯機用部品に上記プロピレン系ブロック共重合体
と従来の結晶性ポリプロピレンとを混用してもよく、た
とえば、水槽1に従来の結晶性ポリプロピレンを使用
し、洗濯槽兼脱水槽2とバランサー5に上記プロピレン
系ブロック共重合体を使用することができるし、この組
合わせを変えてもよい。
【0164】
【発明の効果】本発明で用いられるプロピレン系ブロッ
ク共重合体は、特定のメルトフローレート、立体規則性
指標[IP]および23℃デカン可溶成分量を有するの
で、従来の洗濯機用部品と同等程度の衝撃強度を維持し
つつ、常温(23℃)における弾性率を、10000〜
16000kg/cm2 から17000〜23000k
g/cm2 に上げることが可能となり、かつ、耐熱剛性
の向上および半結晶化時間の短縮ができる。
【0165】本発明に係る洗濯機用部品は、上記のよう
な効果を有するプロピレン系ブロック共重合体からなる
ので、一槽式または二槽式脱水洗濯機としての性能上の
問題を生じさせることなく、荷重による変形を小さくし
て、部品同士の接触、ベルトのプーリからの外れおよび
異音を防止するとともに、寸法安定化時間および成形サ
イクルの短縮ができる。
【0166】たとえば、後述する実施例3の核剤含有プ
ロピレン系ブロック共重合体を用いた場合は、後述の比
較例のプロピレン系ブロック共重合体を用いた場合と比
較して、次のような効果が認められる。 (a)同じ荷重の場合、各々の洗濯機用部品の変形量を
65%に低減することができる。
【0167】この結果、より具体的には、以下のような
効果が現れる。 (a−1)水槽と、洗濯槽兼脱水槽あるいはバランサー
との隙間を72%に小さくできるため、同じ洗濯容量
で、2〜3%の省スペース化ができる。 (a−2)同じ洗濯容量で、2〜3%の節水ができる。 (a−3)同じ洗濯機設置スペースで、3%程度の大容
量化ができる。 (a−4)過負荷時の安全性が向上する。 (a−5)二槽式洗濯機の場合、ベルトの外れや異音が
なくなる。 (b)荷重による洗濯槽兼脱水槽あるいは脱水槽の変形
量を同じに設定すると、脱水回転数を100〜200r
pm増大することが可能となる。
【0168】この結果、より具体的には、以下のような
効果が現れる。 (b−1)衣類の脱水率を1〜3%向上させることがで
きる。 (c)洗濯槽兼脱水槽の耐熱剛性の向上により洗濯水の
温度を20℃程度上げることができる。
【0169】この結果、より具体的には、以下のような
効果が現れる。 (c−1)衣類の洗浄率が2〜5%程度向上する。 (d)洗濯機用部品の成形直後から寸法が安定化するま
での時間(寸法安定化時間)を、24時間から9時間に
大幅に短縮できる。
【0170】この結果、より具体的には、以下のような
効果が現れる。 (d−1)洗濯機組立までの洗濯機用部品の待ち在庫数
を大幅に低減させることができる。 (e)洗濯機用部品の成形サイクルが65秒から60秒
に約5秒短縮できる。
【0171】本発明によれば、上記のような効果を有す
る水槽、洗濯槽兼脱水槽、脱水槽、バランサーなどの洗
濯機用部品を低コストで提供することができる。以下、
本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実
施例に限定されるものではない。
【0172】なお、試験片の曲げ初期弾性率は、AST
M D−790に従って測定した。また、洗濯槽兼脱水
槽の変形量は、洗濯槽兼脱水槽の底部を底部固定治具で
固定した状態で洗濯槽兼脱水槽の最上部に荷重10kg
fを横方向(遠心方向)に作用させた場合に歪む洗濯槽
兼脱水槽の最上部の変形量をもって示した。
【0173】
【実施例1】230℃、2.16kg荷重におけるメル
トフローレートが25g/10分、立体規則性指標[I
P]の値が0.985、23℃デカン可溶成分量が12
%であるプロピレン系ブロック共重合体を、従来公知の
射出成形機で所定のサイズの洗濯槽兼脱水槽を射出成形
した。得られた洗濯槽兼脱水槽の変形量を上記の方法に
従って測定した。このときの変形量は、0.82mmで
あった。この洗濯槽兼脱水槽の変形量は、後述の比較例
の変形量(同じ荷重における変形量)に比し、68%に
低減できた。
【0174】なお、このプロピレン系ブロック共重合体
の常温下(23℃)における曲げ初期弾性率は、190
00kg/cm2 であった。
【0175】
【実施例2】実施例1において、実施例1のプロピレン
系ブロック共重合体の代わりに、230℃、2.16k
g荷重におけるメルトフローレートが5g/10分、立
体規則性指標[IP]の値が0.983、23℃デカン
可溶性分量が12%であるプロピレン系ブロック共重合
体を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。洗濯槽
兼脱水槽の変形量は、0.86mmであった。この洗濯
槽兼脱水槽の変形量は、後述の比較例の変形量(同じ荷
重における変形量)に比し、72%に低減できた。
【0176】なお、このプロピレン系ブロック共重合体
の常温下(23℃)における曲げ初期弾性率は、180
00kg/cm2 であった。
【0177】
【実施例3】実施例1で用いたプロピレン系ブロック共
重合体と同じプロピレン系ブロック共重合体に、ナトリ
ウム-2,2'-メチレン- ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニ
ル)フォスフェート[核剤;上述した式(iii) で表わさ
れる化合物]を1000ppm含有させた。
【0178】以下、実施例1において、実施例1のプロ
ピレン系ブロック共重合体の代わりに、上記の核剤含有
プロピレン系ブロック共重合体を用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。洗濯槽兼脱水槽の変形量は、0.
78mmであった。この洗濯槽兼脱水槽の変形量は、後
述の比較例の変形量(同じ荷重における変形量)に比
し、65%に低減できた。
【0179】なお、このプロピレン系ブロック共重合体
の常温下(23℃)における曲げ初期弾性率は、200
00kg/cm2 であり、実施例1と比較して1000
kg/cm2 向上しており、核剤による剛性の向上効果
が認められた。
【0180】
【実施例4】実施例1で用いたプロピレン系ブロック共
重合体と同じプロピレン系ブロック共重合体に、ポリ3-
メチル-1- ブテン[核剤;上述した式(i) で表わされる
化合物から誘導される重合体]を500ppm含有させ
た。
【0181】以下、実施例1において、実施例1のプロ
ピレン系ブロック共重合体の代わりに、上記の核剤含有
プロピレン系ブロック共重合体を用いた以外は、実施例
1と同様に行なった。洗濯槽兼脱水槽の変形量は、0.
74mmであった。この洗濯槽兼脱水槽の変形量は、後
述の比較例の変形量(同じ荷重における変形量)に比
し、62%に低減できた。
【0182】なお、このプロピレン系ブロック共重合体
の常温下(23℃)における曲げ初期弾性率は、210
00kg/cm2 であり、実施例3と比較して1000
kg/cm2 向上しており、実施例3で用いた核剤より
も、この実施例で用いた核剤の方が剛性の向上効果がよ
り優れていることが認められた。
【0183】また、この実施例4の核剤含有プロピレン
系ブロック共重合体で洗濯槽兼脱水槽を成形したときに
要した冷却時間は21秒であった。これに対して、後述
する比較例のプロピレン系ブロック共重合体で洗濯槽兼
脱水槽を成形したときに要した冷却時間は26秒であっ
た。その結果、実施例4における洗濯槽兼脱水槽の成形
サイクルは、比較例における洗濯槽兼脱水槽の成形サイ
クルに対して約8%短縮可能となった。
【0184】
【比較例】実施例1において、実施例1のプロピレン系
ブロック共重合体の代わりに、230℃、2.16kg
荷重におけるメルトフローレートが25g/10分、立
体規則性指標[IP]の値が0.958、23℃デカン
可溶成分量が12%であるプロピレン系ブロック共重合
体を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。洗濯槽
兼脱水槽の変形量は、1.20mmであった。
【0185】なお、このプロピレン系ブロック共重合体
の常温下(23℃)における曲げ初期弾性率は、130
00kg/cm2 であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、一槽式脱水洗濯機の縦断面図である。
【図2】図2は、二槽式洗濯機の縦断面図である。
【図3】図3(A)は、一槽式洗濯機の洗濯時の状態を
示す縦断面図であり、図3(B)は、一槽式洗濯機の脱
水時の状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 水槽 2 洗濯槽兼脱水槽 3 パルセータ 4 脱水穴 5 バランサー 6 軸受け箱 7 モータ 8 ベルト 9 プーリ 10 補強板 11 支持竿 12 サスペンション 13 球面座 14 本体 15 台枠 16 脱水槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 由 川 博 之 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内 (72)発明者 荒 井 隆 千葉県市原市千種海岸3番地 三井石油化 学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 230℃、2.16kg荷重におけるメ
    ルトフローレート(MFR)が0.1〜500g/10
    分の範囲にあり、 沸騰ヘプタン不溶成分の13C−NMRスペクトルにおけ
    るPmmmm、Pwの吸収強度から下記式(1)により求め
    られる立体規則性指標[IP]の値が0.960〜0.
    995の範囲にあり、 23℃デカン可溶成分量が0.1〜50%の範囲にある
    プロピレン系ブロック共重合体からなることを特徴とす
    る洗濯機用部品; 【数1】 (式中、 [Pmmmm]:プロピレン単位が5単位連続してアイソタ
    クチック結合した部位における第3単位目のメチル基に
    由来する吸収強度であり、 [Pw] :プロピレン単位のメチル基に由来する吸収
    強度である。)
  2. 【請求項2】 核剤を10〜10000ppmの範囲の
    量で含有する請求項1に記載のプロピレン系ブロック共
    重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の洗濯
    機用部品。
  3. 【請求項3】 前記核剤が、下記式(i) または(ii)で表
    わされる化合物から誘導される重合体、下記式(iii) 、
    (iv)または(v) で表わされる化合物、芳香族カルボン酸
    の金属塩および脂肪族カルボン酸の金属塩からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項2に記載の洗濯機用部品; 【化1】 Mは炭素またはケイ素であり、R1 およびR2 は炭化水
    素基であり、 R3 は水素または炭化水素基である。) 【化2】 (式中、R4 は酸素、硫黄、もしくは炭素数1〜10の
    炭化水素基であり、 R5 、R6 は水素もしくは炭素数1〜10の炭化水素基
    であり、R5 、R6 は同種であっても異種であってもよ
    く、R5 同士、R6 同士またはR5 とR6 が結合して環
    状となっていてもよく、 Mは、1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数で
    ある。) 【化3】 (式中、R7 は水素もしくは炭素数1〜10の炭化水素
    基であり、 Mは1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であ
    る。) 【化4】 (式中、R8 は水素もしくは炭素数1〜10の炭化水素
    基である。)
  4. 【請求項4】 前記洗濯機用部品が、水槽、洗濯槽兼脱
    水槽およびバランサーから選ばれる少なくとも一つであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の洗
    濯機用部品。
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