JPH0725639B2 - 超電導繊維状結晶、単結晶およびその製造方法 - Google Patents

超電導繊維状結晶、単結晶およびその製造方法

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JPH0725639B2
JPH0725639B2 JP3273251A JP27325191A JPH0725639B2 JP H0725639 B2 JPH0725639 B2 JP H0725639B2 JP 3273251 A JP3273251 A JP 3273251A JP 27325191 A JP27325191 A JP 27325191A JP H0725639 B2 JPH0725639 B2 JP H0725639B2
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一郎 松原
透 小倉
博志 山下
実 木下
知二 川合
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導繊維状結晶、単
結晶およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導体の臨界温度(Tc)が液体窒素
温度を超えることは、冷却コストの低下に大きな意義が
ある。臨界温度が液体窒素温度を超える酸化物超電導体
としては、例えばY系、Bi系、Tl系の超電導体が挙
げられる。これらのうちBi系では、Bi2 Sr2 Cu
6 相(2201相)、Bi2 Sr2 CaCu2 8
(2212相)及びBi2 Sr2 Ca2 Cu3 10(2
223相)の3種の異なった相が存在し、各々の臨界温
度から20K相、80K相、110K相とも呼ばれてい
る。これらのうち、臨界温度の最も高い2223相は、
Tl系に比べ毒性が少ないこと、液体窒素温度との間で
大きな温度マージンがとれることなどの理由から、超電
導繊維状結晶および単結晶の実用化に際して最も有望な
材料と考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】2223相の生成条件
は非常にデリケートであり、生成条件が僅かに変化する
ことにより2223相と2201相または2212相と
の混合相が生成する欠点があった。
【0004】そこで、本発明者は、2223相の大型単
結晶および繊維状結晶を作製する方法を開発し、その方
法を発表した(松原ら、Appl.Phys.Let
t.,58,409(1991))。この方法は、CA
P法(Conversionby Annealing
in Powder)と呼ばれる方法であり、220
1相または2212相の単結晶または繊維状結晶をB
i、Sr、Ca、CuおよびPbを含む適切な組成の酸
化物粉末中に埋め込み、これを適切な温度で熱処理する
ことにより、上記単結晶または繊維状結晶は、元の形状
を維持したまま結晶構造が2201相または2212相
から2223相に変化し、大型の2223相の単結晶お
よび繊維状結晶が作製できるという方法である。
【0005】しかし、上記のCAP法を用いて得た22
23相の単結晶または繊維状結晶の臨界温度は、液体窒
素温度に比べ、未だ十分に高いものではなかった。
【0006】本発明は、臨界温度がより高く、実用化が
可能な2223相の超電導繊維状結晶および単結晶を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この様な目
的を達成するため種々研究を重ねた結果、2223相の
単結晶、繊維状結晶にLiを添加することにより臨界温
度を高めることができることを見出し本発明を完成し
た。
【0008】すなわち、本発明は、Bi、Sr、Ca、
Cu、Pb、LiおよびOからなり、その原子の組成比
がBi2-x Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<
x<0.4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.
1、および9.0<w<11.0)であり、且つBi2
Sr2 Ca2 Cu3 10構造(2223相)を有する超
電導繊維状結晶を提供するものである。
【0009】また、本発明は、Bi、Sr、Ca、C
u、Pb、LiおよびOからなり、その原子の組成比が
Bi2-x Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x
<0.4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.
1、および9.0<w<11.0)であり、且つBi2
Sr2 Ca2 Cu3 10構造(2223相)を有する超
電導単結晶を提供するものである。
【0010】さらに、本発明は、(a)Bi、Sr、C
a、CuおよびOからなり、Bi2 Sr2 CaCu2
8 構造(2212相)を有する繊維状結晶、またはB
i、Sr、CuおよびOからなり、Bi2 Sr2 CuO
6 構造(2201相)を有する繊維状結晶を、(b)原
子の組成比が Bi=1.0 Sr=0.5〜1.5 Ca=1.0〜3.0 Cu=1.0〜5.0 Pb=0.2〜1.0 Li=0.05〜0.25 である酸化物粉末中に埋め込み、833℃〜845℃で
熱処理することを特徴とする、原子の組成比がBi2-x
Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x<0.
4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.1、およ
び9.0<w<11.0)であり、且つBi2 Sr2
2 Cu3 10構造(2223相)を有する超電導繊維
状結晶の製造方法を提供するものである。
【0011】さらにまた、本発明は、(a)Bi、S
r、Ca、CuおよびOからなり、Bi2 Sr2 CaC
2 8 構造(2212相)を有する単結晶、またはB
i、Sr、CuおよびOからなり、Bi2 Sr2 CuO
6 構造(2201相)を有する単結晶を、(b)原子の
組成比が Bi=1.0 Sr=0.5〜1.5 Ca=1.0〜3.0 Cu=1.0〜5.0 Pb=0.2〜1.0 Li=0.05〜0.25 である酸化物粉末中に埋め込み、833℃〜845℃で
熱処理することを特徴とする、原子の組成比がBi2-x
Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x<0.
4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.1、及び
9.0<w<11.0)であり、且つBi2 Sr2 Ca
2 Cu3 10構造(2223相)を有する超電導単結晶
の製造方法を提供するものである。
【0012】本発明の超電導繊維状結晶および単結晶の
製造に用いる、Bi、Sr、Ca、CuおよびOからな
り、Bi2 Sr2 CaCu2 8 構造(2212相)を
有する繊維状結晶および単結晶、並びにBi、Sr、C
uおよびOからなり、Bi2Sr2 CuO6 構造(22
01相)を有する繊維状結晶および単結晶は、以下の文
献1、文献2または文献3に記載の方法により製造でき
る。
【0013】文献1:松原ら,Jpn.J.Appl.
Phys.,28,L1121(1989) 文献2:松原ら,J.Cryst.Growth,11
,973(1991) 文献3:岸田ら,J.Cryst.Growth,
,937(1990) 本発明で使用する2212相または2201相の繊維状
結晶の長さは、3〜15mm程度であり、単結晶の大き
さは、2×2mm2 程度である。
【0014】上記の2212相または2201相の繊維
状結晶あるいは単結晶を埋め込むための粉末は、原子組
成比で、Bi=1.0として、Sr=0.5〜1.5、
Ca=1.0〜3.0,Cu=1.0〜5.0,Pb=
0.2〜1.0,Li=0.05〜0.25となるよう
に原料物質を混合した後、焼成することにより作製す
る。原料物質は、焼成により酸化物を形成し得るもので
あれば、特に限定されず、金属単体、酸化物、各種の化
合物(炭酸塩など)が使用できる。原料物質としては、
上記の原子を2種以上含む化合物を使用しても良い。焼
成を大気中などの酸素雰囲気下で行なう場合および原料
物質自体が十分量の酸素を含んでいる場合には、酸素源
となる原料物質を使用する必要はない。焼成温度および
時間は、使用する原料物質の種類、組成比などにより異
なるが、通常800〜860℃程度で、5〜100時間
程度の範囲内にあり、一例として、840℃で20時間
である。焼成手段も特に限定されず、電気加熱炉、ガス
加熱炉、光加熱炉など任意の手段を採用し得る。形成さ
れた焼成物は十分に粉砕し粉末状にする。次いで、この
粉末に上記の文献記載の方法により得られた2212相
または2201相の繊維状結晶あるいは単結晶を埋め込
み、熱処理する。熱処理温度および時間は、使用する粉
末の組成比、埋め込む繊維状結晶および単結晶の大きさ
などにより異なるが、通常833℃〜845℃程度で8
0〜200時間程度の範囲内にあり、一例として、84
0℃で150時間である。熱処理手段も特に限定され
ず、電気加熱炉、ガス加熱炉、光加熱炉など任意の手段
を採用し得る。熱処理終了後、粉末中から繊維状結晶あ
るいは単結晶を分離して取り出すことにより、Bi2-x
Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x<0.
4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.1、およ
び9.0<w<11.0)なる組成を有し、且つBi2
Sr2 Ca2 Cu3 10構造(2223相)を持つ超電
導繊維状結晶および単結晶を得ることができる。
【0015】詳しくは以下の実施例において示される
が、本発明のLiを含む2223相の超電導繊維状結晶
および単結晶は、同様の方法で製造したLiを含まない
2223相の超電導繊維状結晶および単結晶に比べて臨
界温度が約1K上昇する。すなわち、Bi系2223相
の臨界温度の向上にLiの添加が有効であることが明か
となった。
【0016】本発明の製造方法においては、下記の
(イ)および(ロ)の条件を充足することを必須とす
る。
【0017】(イ)特定組成範囲の成分比を有する粉末
を使用すること;組成比が仮に一種でも規定範囲外とな
った場合には、Liを添加した2223相の繊維状結晶
および単結晶の生成は困難となる。
【0018】(ロ)特定範囲の温度で熱処理すること;
焼成粉末のすべての組成が規定範囲内であっても、熱処
理温度が規定範囲外になれば、Liを添加した2223
相の超電導繊維状結晶および単結晶の製造は著しく困難
になる。
【0019】本発明における、Li添加による臨界温度
上昇の原因は未だ十分に解明されていないが、以下に示
すような2種類の可能性が考えられる。
【0020】1つの可能性は、ホール濃度の最適化であ
る。一般に酸化物超電導体の臨界温度はキャリアーであ
るホールの濃度と相関関係を持つことが知られている。
すなわち、臨界温度を最大にする最適のホール濃度が存
在し、もしホール濃度が最適値より過剰或いは不足すれ
ば臨界温度は低下する。CAP法で製造したLi添加2
223相の繊維状結晶および単結晶が、Liを含まない
2223相の繊維状結晶および単結晶に比べて高い臨界
温度を持つ原因として、Liがホールの濃度の最適化に
役立っていることが挙げられる。
【0021】もう一つの可能性は、アルカリ土類金属
(Sr、Ca)の比が変化したことである。Bi系超電
導体では、SrとCaの比が臨界温度に影響を与えるこ
とが知られている。イオン半径の大きいSrの比が大き
くなる程臨界温度が上昇する傾向がある。CAP法にお
いて2212相あるいは2201相から2223相に変
換する場合、Liの有無がSrとCaの比に影響を与
え、臨界温度が上昇したことも考えられる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、Bi、Sr、Ca、C
u、Pb、LiおよびOからなり、その原子の組成比が
Bi2-x Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x
<0.4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.
1、9.0<w<11.0)であり、且つBi2 Sr2
Ca2 Cu3 10構造(2223相)を有する超電導繊
維状結晶および単結晶が得られる。
【0023】本発明では、Liの添加がBi系2223
相の臨界温度の向上に有効であることが明かとなった。
液体窒素中での応用を考えた場合、より大きな温度マー
ジンが取れることになり、これにより高い臨界電流密度
が達成できることになる。従って、液体窒素中で使用で
きる磁場発生用マグネット材料、電力貯蔵用および電力
輸送用の線材の特性向上に役立つものと期待される。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0025】なお、以下の実施例においてCAP法にお
ける埋込み用の粉末の作製に使用した各原子源となる原
料は、下記のものであった。
【0026】*Bi源 酸化ビスマス(Bi2 3 ) *Sr源 炭酸ストロンチウム(SrCO3 ) *Ca源 炭酸カルシウム(CaCO3 ) *Cu源 酸化銅 (CuO) *Pb源 酸化鉛(PbO) *Li源 炭酸リチウム(Li2 CO3
【0027】
【実施例1】Bi2 Sr2 Ca4 Cu6 Pb0.5 Li
0.2 x に示す原子組成比となる様に各原子源となる原
料を十分に混合した後、その15gをアルミナルツボに
入れ、電気炉中で840℃で20時間焼成した。粉砕
後、再び840℃で20時間焼成し、次いで焼成物を十
分に粉砕し、CAP法における埋込み用の粉末とした。
【0028】次いで、2212構造を持つ繊維状結晶数
十本を、上記粉末中に埋め込み、電気炉中各々830
℃、835℃、838℃、840℃、843℃、845
℃で150時間熱処理し、各温度における磁化率の推移
を測定した。結果を図1に示す。 なお、図1中の各プ
ロットは、以下の試料を意味する。
【0029】●は、上記粉末中における加熱処理をしな
い試料についての結果である。
【0030】○は、上記粉末中、830℃で加熱処理を
行った試料についての結果である。
【0031】△は、上記粉末中、835℃で加熱処理を
行った試料についての結果である。
【0032】▲は、上記粉末中、838℃で加熱処理を
行った試料についての結果である。
【0033】□は、上記粉末中、840℃で加熱処理を
行った試料についての結果である。
【0034】■は、上記粉末中、843℃で加熱処理を
行った試料についての結果である。
【0035】図1の結果より、熱処理温度が840℃〜
843℃の時、2223相にほぼ完全に変換することが
確認された。また、熱処理温度が845℃の時は、繊維
状結晶は粉末と分離不可能となる。これは、熱処理温度
が高くなるに従い、埋め込み粉末中の部分溶融による液
相が多くなり、繊維状結晶を侵食するためと思われる。
【0036】臨界温度付近の磁化率の温度変化を図2に
示す。
【0037】なお、図2中、●は、Liを含まない22
23構造の試料を示す。
【0038】○は、Liを含む2223構造の試料を示
す。
【0039】Liを添加した試料(○)は、840℃で
熱処理を行ったものである。比較として、Liを含まな
い試料(●)を示す。これは、CAP法で作成したが、
埋め込み粉末中にLiは含んでいないものである。Li
を添加した試料(○)の臨界温度は、108.1Kであ
り、Liを添加していない試料(●)の臨界温度(10
7.0K)に比べ1.1K上昇した。
【0040】この繊維状結晶の電気抵抗と絶対温度との
関係を直流四端子法により測定した。結果を図3に示
す。図3から明らかなように、電気抵抗がゼロになる温
度は107.5Kであった。
【0041】
【実施例2】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.3 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2212構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度838〜840℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。実施例1に比べ、
最適熱処理温度は約3℃低下した。得られたLi添加2
223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.1Kであ
り、実施例1の場合と同一であった。
【0042】
【実施例3】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.4 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2212構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度836〜838℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。実施例1に比べ、
最適熱処理温度は約5℃低下した。得られたLi添加2
223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.2Kであ
り、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0043】
【実施例4】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.5 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2212構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度833〜835℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。実施例1に比べ、
最適熱処理温度は約8℃低下した。得られたLi添加2
223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.2Kと、
実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0044】
【実施例5】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.1 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2212構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度843〜845℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。実施例1に比べ、
最適熱処理温度は約2℃上昇した。得られたLi添加2
223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.0Kであ
り、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0045】
【実施例6】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.3 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2201構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度838〜840℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。得られたLi添加
2223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.1K
と、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0046】
【実施例7】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.4 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2201構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度836〜838℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。得られたLi添加
2223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.1K
と、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0047】
【実施例8】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2 Ca
4 Cu6 Pb0.5 Li0.1 x に変えること以外は実施
例1の手法に準じて2201構造を有する繊維状結晶を
熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場
合、熱処理温度843〜845℃においてほぼ完全に2
223相に変換した試料が得られた。得られたLi添加
2223相の繊維状結晶の臨界温度は、108.0K
と、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0048】
【実施例9】実施例1の手法に準じて2212構造を有
する単結晶を熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離し
た。この場合、熱処理温度840〜843℃においてほ
ぼ完全に2223相に変換した試料が得られた。得られ
たLi添加2223相の単結晶の臨界温度は、108.
1Kと、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0049】
【実施例10】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2
4 Cu6 Pb0.5 Li0.3 x に変えること以外は実
施例1の手法に準じて2212構造を有する単結晶を熱
処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場合、
熱処理温度838〜840℃においてほぼ完全に222
3相に変換した試料が得られた。得られたLi添加22
23相の単結晶の臨界温度は、108.2Kと、実施例
1の場合とほぼ同様であった。
【0050】
【実施例11】実施例1の手法に準じて2201構造を
有する単結晶を熱処理し、次いでこの結晶を粉末と分離
した。この場合、熱処理温度840〜843℃において
ほぼ完全に2223相に変換した試料が得られた。得ら
れたLi添加2223相の単結晶の臨界温度は、10
8.1Kと、実施例1の場合とほぼ同様であった。
【0051】
【実施例12】埋め込み用粉末の組成をBi2 Sr2
4 Cu6 Pb0.5 Li0.3 x に変えること以外は実
施例1の手法に準じて2201構造を有する単結晶を熱
処理し、次いでこの結晶を粉末と分離した。この場合、
熱処理温度838〜840℃においてほぼ完全に222
3相に変換した試料が得られた。得られたLi添加22
23相の単結晶の臨界温度は、108.2Kと、実施例
1の場合とほぼ同様であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】各熱処理温度で得られた試料の磁化率の温度依
存性を示す図である。
【図2】Liを添加した2223繊維状結晶の臨界温度
付近での磁化率の温度依存性をLiを含まない2223
繊維状結晶と比較した図である。
【図3】本発明で得られたLi添加2223繊維状結晶
の絶対温度と電気抵抗との関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Bi、Sr、Ca、Cu、Pb、Liおよ
    びOからなり、その原子の組成比がBi2-x Pbx Sr
    y Cay Cu3 Liz w (0<x<0.4、1.4≦
    y≦2.0、0.01<z<0.1、および9.0<w
    <11.0)であり、且つBi2 Sr2 Ca2 Cu3
    10構造(2223相)を有する超電導繊維状結晶。
  2. 【請求項2】Bi、Sr、Ca、Cu、Pb、Liおよ
    びOからなり、その原子の組成比がBi2-x Pbx Sr
    y Cay Cu3 Liz w (0<x<0.4、1.4≦
    y≦2.0、0.01<z<0.1、および9.0<w
    <11.0)であり、且つBi2 Sr2 Ca2 Cu3
    10構造(2223相)を有する超電導単結晶。
  3. 【請求項3】(a)Bi、Sr、Ca、CuおよびOか
    らなり、Bi2 Sr2 CaCu2 8 構造(2212
    相)を有する繊維状結晶、またはBi、Sr、Cuおよ
    びOからなり、Bi2 Sr2 CuO6 構造(2201
    相)を有する繊維状結晶を、(b)原子の組成比が Bi=1.0 Sr=0.5〜1.5 Ca=1.0〜3.0 Cu=1.0〜5.0 Pb=0.2〜1.0 Li=0.05〜0.25 である酸化物粉末中に埋め込み、833℃〜845℃で
    熱処理することを特徴とする、原子の組成比がBi2-x
    Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x<0.
    4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.1、及び
    9.0<w<11.0)であり、且つBi2 Sr2 Ca
    2 Cu3 10構造(2223相)を有する超電導繊維状
    結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】(a)Bi、Sr、Ca、CuおよびOか
    らなり、Bi2 Sr2 CaCu2 8 構造(2212
    相)を有する単結晶、またはBi、Sr、CuおよびO
    からなり、Bi2 Sr2 CuO6 構造(2201相)を
    有する単結晶を、(b)原子の組成比が Bi=1.0 Sr=0.5〜1.5 Ca=1.0〜3.0 Cu=1.0〜5.0 Pb=0.2〜1.0 Li=0.05〜0.25 である酸化物粉末中に埋め込み、833℃〜845℃で
    熱処理することを特徴とする、原子の組成比がBi2-x
    Pbx Sry Cay Cu3 Liz w (0<x<0.
    4、1.4≦y≦2.0、0.01<z<0.1、及び
    9.0<w<11.0)であり、且つBi2 Sr2 Ca
    2 Cu3 10構造(2223相)を有する超電導単結晶
    の製造方法。
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