JPH07255187A - 超音波アクチュエータ - Google Patents

超音波アクチュエータ

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Publication number
JPH07255187A
JPH07255187A JP6044460A JP4446094A JPH07255187A JP H07255187 A JPH07255187 A JP H07255187A JP 6044460 A JP6044460 A JP 6044460A JP 4446094 A JP4446094 A JP 4446094A JP H07255187 A JPH07255187 A JP H07255187A
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JP
Japan
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pressing
ultrasonic
shaft
ultrasonic transducer
force
Prior art date
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Pending
Application number
JP6044460A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihisa Taniguchi
芳久 谷口
Takenao Fujimura
毅直 藤村
Tomoki Funakubo
朋樹 舟窪
Toshiharu Tsubata
敏晴 津幡
Koji Ouchi
孝司 大内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP6044460A priority Critical patent/JPH07255187A/ja
Publication of JPH07255187A publication Critical patent/JPH07255187A/ja
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロマニピュレータ等に応用される超音
波アクチュエータにおいて、微視的な観点からみてもガ
タがなく剛体的で、小型化を容易に図ることができる超
音波アクチュエータを提供する。 【構成】 楕円振動を発生させる超音波振動子1と、こ
の超音波振動子1に圧接し上記楕円振動の作用によって
移動する被駆動体2と、基盤4,8に設けられていて上
記圧接の方向に沿って延びる基準面を有する長孔4a,
8aと、上記超音波振動子1に配設された軸14と、上
記超音波振動子1と被駆動体2の圧接方向及び上記被駆
動体2の変位方向に対し所定の角度をもって延びた押圧
面を有する長孔5a,9aが穿設された押圧板5,9
と、この押圧板5,9に押圧力をそれぞれ付与するねじ
りばね7a,7bとを備えており、上記ねじりばね7
a,7bの押圧力は、上記押圧板5,9によって、上記
超音波振動子1と被駆動体2間の圧接力と上記超音波振
動子1を上記基準面を有する長孔4a,8aに位置決め
するための付勢力とに分割される超音波アクチュエー
タ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波アクチュエー
タ、より詳しくは、楕円振動を発生させる超音波振動子
を備えた超音波アクチュエータに関する。
【0002】
【従来の技術】本出願人は、先に特願平4−32109
6号において、並進運動を発生できる超音波アクチュエ
ータを提案した。
【0003】上記特願平4−321096号に記載され
ている超音波アクチュエータに用いられる超音波振動子
の構成と原理の概略を、図3を参照して説明する。
【0004】同図3に示すように、超音波振動子1は、
2つの積層圧電体11を3つの保持用弾性体12aの間
にその積層方向と一致するよう挟み込み、これをさらに
直方体形状の弾性体12の一端面にビス12bで固定す
るとともに、該弾性体12の他端面の振動の腹となる部
分に摺動部材13を固定して構成されている。
【0005】このような超音波振動子1の積層圧電体1
1に正弦波電圧を印加すると、弾性体12に2種類の振
動が同時に励起され、該2種類の振動の変位が合成され
て、摺動部材13は楕円形の軌跡に沿って振動する。そ
こで該摺動部材13に図示しない被駆動体を押圧する
と、該楕円形の軌跡の振動から駆動力を受けて、被駆動
体が並進運動する。
【0006】上記弾性体12に励起される上記2種類の
振動を、図4,図5を参照して説明する。
【0007】図4は単純な伸縮運動である共振縦振動を
示している。図5は、該伸縮の方向に伝播する横波の弾
性波であって、2次の定在波になっている共振屈曲振動
を示している。そして、上記伸縮振動の1次共振周波数
と、上記横波の2次の定在波の周波数が一致するよう
に、弾性体12の長さと高さを設定してある。
【0008】従って、図3の積層圧電体11に該周波数
の振動を与えるだけで、上記2種類の振動の変位が合成
されて、上記横波の定在波の腹の位置で、質点が楕円形
の軌跡に沿って振動する。そこで、該位置に上記摺動部
材13を設け、これに被駆動体を押圧すると、該被駆動
体が上記楕円振動の作用を受けて並進運動するようにな
っている。
【0009】このような超音波振動子1を用いた超音波
アクチュエータは、直進運動を行うとともに、同直進方
向に強い推力を直接得られて減速機構が不要になるの
で、動作静粛にしてバックラッシュがなく、しかもバー
スト波を入力すればナノメートルオーダーの微細なステ
ップ駆動も可能であるという数々の優れた特徴を有して
いる。
【0010】本出願人は、さらに特願平5−79814
号において、該超音波アクチュエータを用いたマイクロ
マニピュレータのシステムを提案した。
【0011】該特願平5−79814号に記載の提案に
よれば、細胞に遺伝子を注入したり神経細胞の電位を測
定する等の細胞操作を行うためのマイクロマニピュレー
タにおいて、駆動源として超音波アクチュエータを用い
ており、これにパーソナルコンピュータ等のホストを組
み合わせてシステムを構成している。これによって、先
端部で細胞操作等を行う極細針形状のキャピラリの動作
条件を定量的に管理することができて、難しい細胞操作
を、熟練を要することなく誰でも簡単に、再現性良く行
うことができるものである。
【0012】こうしたマイクロマニピュレータにおいて
は、サブミクロンオーダーの微細な変位を様々な速度で
発生する必要があり、しかもこれを高精度に位置決めし
なければならない。このような性能は、従来の電磁型モ
ータ等を用いた駆動機構には望むべくもないが、上記の
超音波アクチュエータはナノメートルオーダーの変位を
再現性良く発生できるために、このような要求に余裕を
以て応えるものであった。
【0013】図10は上記超音波振動子1を用いた超音
波アクチュエータを示す斜視図、図11は該超音波アク
チュエータを倒立して示す分解斜視図であり、これらを
参照して、上記特願平5−79814号に記載の例につ
いて説明する。
【0014】上述のような超音波振動子1は、その定在
波の振動の節となる位置から被支持部たる軸14を突設
していて、この軸14により支持体52に回動自在に支
持されている。より詳しくは、上記支持体52は、両端
部からガイド柱54を後述する枠体51に向けて突設す
るとともに、両側面に一対の挟持板53を固定してい
る。この挟持板53には、孔53aが穿設されていて、
この孔53aに上記軸14を貫通することにより、超音
波振動子1が回動自在に支持されている。従って、超音
波振動子1の2つの摺動部材13には、押圧力が均等に
付加されるようになっている。
【0015】枠体51は、超音波振動子1を上記支持体
52を介して支持するとともに、後述する被駆動体61
を摺動可能に支持する部材である。すなわち、枠体51
は、その一対の孔55にボールブッシュ56を介して上
記支持体52のガイド柱54を支持するようになってい
て、これにより支持体52は、超音波振動子1を付勢す
る方向にのみ並進運動自在である。
【0016】上記枠体51の一部57は、支持体52を
挟んで被駆動体61の反対となる側まで延出していて、
この枠体51の一部57と支持体52との間に台座58
を介してコイルスプリング59を挿着して、超音波振動
子1を付勢するための押圧力を与えるようになってい
る。また、上記台座58は、コイルスプリング59が超
音波振動子1に与える押圧力の多寡を調整可能とする部
材である。
【0017】被駆動体61は、その凸状部62を一対の
クロスローラガイド63に挟み込むようにして上記枠体
51の一部に摺動可能に支持されていて、単一の方向に
のみ並進運動自在となっている。この被駆動体61の上
面には、超音波振動子1の摺動部材13に当接するため
の摺動板64が固設されている。
【0018】超音波振動子1は、コイルスプリング59
の押圧力によって該摺動板64に付勢され、摺動部材1
3の楕円振動の作用により該摺動板64を変位させる。
この摺動板64が固設される被駆動体61には、図示し
ないキャピラリが固設されていて、これによりキャピラ
リを微小駆動できるものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
超音波アクチュエータは、超音波振動子1の支持と付勢
を行うために、多くの機械的可動部を有する支持・押圧
機構を有していた。このような従来の支持・押圧機構が
包含する問題点を、図を参照して説明する。
【0020】まず、第1の問題点を説明する。図12
は、超音波振動子1を支持し押圧する機構を、図11の
矢印Xの方向から見た図である。
【0021】超音波振動子1を軸14を介して両側から
支持・付勢する支持体52は、上述のように左右一体の
構造になっていた。そのために、もし該支持体52の左
右の寸法に僅かでも誤差があると、図12(A)に示す
ように、超音波振動子1が摺動板64に片当たりして、
本来の駆動力を発揮することができなかった。また、仮
に支持体52の寸法に誤差が全くないとしても、図12
(B)に示すように、超音波振動子1の下端面に固設さ
れた摺動部材13の平行度が悪ければ、やはり片当たり
してしまうことになる。こうして、微少なスケールにお
いては高い工作精度を出すのが困難であるために、結
局、実際上は必ず片当たりをしてしまうという問題点が
あった。
【0022】次に、第2の問題点を説明する。図13
は、支持体52の挟持板53の孔53aと超音波振動子
1の軸14との遊嵌関係を誇張して示した側面図であ
る。
【0023】同図13に示すように、軸14は支持体5
2の挟持板53の孔53aに遊嵌しなければならないの
で、緩い嵌め合いになっている。従って、巨視的にはガ
タ無く嵌まり合っているように思われても、微視的に見
れば一定量のガタを必ず有している。そのため、同図1
3(A),図13(B)に誇張して示すように、被駆動
体61を駆動する度に軸14が挟持板53の孔53aの
中で遊んで、超音波振動子1が左右に振られていた。こ
れはサブミクロンオーダーの位置決めをしようとするマ
イクロマニピュレータにおいては無視できない重大な不
具合であり、該支持体52のガタのために満足な位置出
し精度が得られないという問題点を有していた。
【0024】次に、第3の問題点を説明する。図14
は、超音波振動子1を支持し押圧する手段全体の撓み
を、誇張して示した側面図である。
【0025】従来の支持・押圧手段は多くの部材と機械
的結合部分で構成されていた。そのために、巨視的には
剛体的に振る舞っているようでも、微視的に見れば軟弱
で、同図14に誇張して示すように支持・押圧手段の全
体が挫屈するように変位するという性質を有していた。
これは上記第2の問題点と同様に、サブミクロンオーダ
ーの位置決めをしようとするマイクロマニピュレータに
とっては、重大な問題であるばかりでなく、マニピュレ
ータに寄生振動が乗る原因になっていた。
【0026】最後に、第4の問題点を説明する。図11
に示す構成から明らかなように、従来の構成は多くの部
材と可動部分からなり、小型化するのが困難であった。
特に同図11中符号Yで示す方向の寸法が大きく、多軸
化するために複数のユニットを組み合わせようとする
と、倒立顕微鏡の試料台に載らない程巨大になるという
問題点があった。
【0027】以上説明したように、従来の超音波アクチ
ュエータの支持・押圧手段は、多数の部材からなるとと
もに、これらの部材が多数の箇所で機械的結合をしてお
り、部材どうしの結合にガタが存在するため寄生振動の
原因となり、また、装置を小型化するのが困難であると
いう問題点があった。
【0028】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、微視的な観点からみてもガタがなく、小型化を容
易に図ることができる超音波アクチュエータを提供する
ことを目的としている。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による超音波アクチュエータは、楕円振動
を発生させる超音波振動子と、この超音波振動子が圧接
され上記楕円振動の作用によって幾何学的変位を生じる
被駆動体と、超音波アクチュエータの基部に設けられて
上記圧接の方向に沿って延びる基準面と、上記超音波振
動子に配設された被支持部と、上記超音波振動子の圧接
方向及び上記被駆動体の変位方向に対し所定の角度をも
って延びた押圧面を有する押圧部材と、この押圧部材に
押圧力を付与する弾性部材とを具備しており、上記弾性
部材の押圧力は、上記押圧部材によって、上記超音波振
動子と被駆動体間の圧接力と上記超音波振動子を上記基
準面に位置決めするための付勢力とに分割されるもので
ある。
【0030】
【作用】上記弾性部材が押圧部材に押圧力を付与し、該
押圧力を上記超音波振動子と被駆動体間の圧接力と上記
超音波振動子を上記基準面に位置決めするための付勢力
とに分割され、超音波振動子が楕円振動を発生させ、こ
の超音波振動子を圧接される被駆動体が上記楕円振動の
作用によって幾何学的変位を生じる。
【0031】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1から図5は本発明の第1実施例を示したもの
であり、図1は超音波アクチュエータの構成を説明する
ための分解斜視図、図2は超音波アクチュエータの支持
・押圧手段を図1中C矢の方向から見て、その作用を説
明するための正面図である。
【0032】この第1実施例の超音波アクチュエータ
は、図1に示すように、被駆動体2に設けた窪み2aに
超音波振動子1を抱き込むようにして収容し、これら
を、押圧部材たる押圧板5,9を介して、超音波アクチ
ュエータの基部たる2つの基盤4,8の間に位置決めし
て主要部を構成されている。
【0033】上記被駆動体2は、略矩形の板状部材でな
り、上述のように超音波振動子1を収容する矩形の窪み
2aを有するとともに、この窪み2aの内部側面には摺
動板17が設けられていて、さらに、該窪み2aの中央
部には、矩形孔2bが穿設されている。また、該被駆動
体2は、矩形形状の長辺となる上下端部に一対のクロス
ローラガイド3を備えている。このクロスローラガイド
3は、該被駆動体2と上記基盤4を並進運動自在に接続
しており、これにより、被駆動体2は基盤4に対して、
図中矢印Aに示す方向にのみ並進運動自在に支持されて
いる。
【0034】上記基盤4,8は、上記クロスローラガイ
ド3に接触する長手方向の凸部4fおよび凸部8fをそ
れぞれ有する矩形の板状部材でなる。これら基盤4,8
は、ほぼ中央部に、上記被駆動体2の運動方向に垂直な
方向の長孔4a,8aが穿設され、さらに、この長孔4
a,8aの近傍には、ねじ止め用の孔4b,8bと、弾
性部材たるねじりばね7a,7bの一端が微動自在に貫
通する孔4c,8cと、該ねじりばね7a,7bを保持
する孔4d,8dと、このねじりばね7a,7bの他端
を係合する孔4e,8eが穿設されている。そして、こ
のような基盤4,8は、図示しないボルトにより互いに
強固に締結されていて、これにより、超音波振動子1と
被駆動体2を包み込むように支持する枠構造体を構成し
ている。
【0035】上記押圧板5,9は、矩形の板状部材に複
数の孔を穿設してなる。より詳しくは、押圧板9は、図
2に示すように、中央部に、上記長孔4a,8aに対し
傾斜して設けられた長孔9aと、右下角部にねじ10に
より基盤8に取り付けるための孔9bと、左下角部にね
じりばね7bの一端を係合するための孔9cとを穿設し
ている。押圧板5も同様に、中央部に、上記長孔4a,
8aに対し傾斜して設けられた長孔5aと、ねじ6によ
り基盤4に取り付けるための孔5bと、ねじりばね7a
の一端を係合するための孔5cとを穿設している。この
ような構成により、該押圧板5,9は、ねじ6,10に
より基盤4,8に対してそれぞれ回動自在となるように
系合されるとともに、ねじりばね7a,7bによって、
図1の矢印Bおよび矢印B’に示す方向に、それぞれ付
勢されている。
【0036】上記超音波振動子1は、図3に示すよう
に、2つの積層圧電体11を3つの保持用弾性体12a
の間にその積層方向と一致するよう挟み込み、これをさ
らに直方体形状の弾性体12の一端面にビス12bで固
定するとともに、該弾性体12の他端面の振動の腹とな
る部分に摺動部材13を固定して構成されている。そし
て、この超音波振動子1の弾性体12の両側面のほぼ中
央部からは、被支持部たる軸14が突設されている。
【0037】この超音波振動子1の軸14は、押圧板5
の長孔5aを貫通して基盤4の基準面となる長孔4aに
系合している。反対側も同様に軸14が、押圧板9の長
孔9aを貫通して基盤8の基準面となる長孔8aに系合
している。
【0038】次に、このような第1実施例の作用を説明
する。図2に示すように、押圧板9がねじりばね7bの
作用を受けて図中矢印B’に示す方向に付勢されると、
長孔9aと係合している軸14は、矢印E1に示すよう
な力を受ける。
【0039】このとき、軸14は、基盤8に穿設された
縦方向の長孔8aによって動きを規制されるため、上記
矢印E1に示す付勢力は、軸14を基盤8の基準面とな
る長孔8aに押圧する矢印E2に示す分力と、軸14を
長孔8aに沿って図中下方に付勢する矢印E3に示す分
力とに分かれる。これらの分力の内で、矢印E2に示す
分力が軸14を位置決めし、矢印E3に示す分力が軸1
4を介して超音波振動子1を摺動板17に押圧する。
【0040】また、押圧板5による作用も、上記押圧板
9による作用と同様である。
【0041】なお、上記超音波振動子1の作用は、上記
従来例で説明したものと同様であり、積層圧電体11に
正弦波電圧を印加すると、弾性体12に図4,図5に示
すような2種類の振動が同時に励起され、これら2種類
の振動の変位が合成されて、摺動部材13は楕円形の軌
跡に沿って振動する。そこで該摺動部材13に被駆動体
2を上述のように押圧すると、該楕円形の軌跡の振動か
ら駆動力を受けて、該被駆動体2が図1の矢印Aに示す
方向に並進運動する。
【0042】以上の説明から明らかなように、軸14は
特段の支持部材や軸受け手段等を介すことなく直接に基
盤4,8に当て付けて位置決めされるために、少なくと
も原理的にはガタが生じることはない。
【0043】さらに、押圧板5,9は単純な形状で小型
であるために、付勢力がねじりばね7a,7bから軸1
4に伝達されるまでの経路が短く、部材が撓んで寄生振
動が生じるという余地はない。
【0044】加えて、本実施例の支持・付勢部材は、超
音波振動子1をその両側面側から独立に支持し付勢する
ようにしたために、超音波振動子1の摺動部材13と摺
動板17とが傾いて接触するようなことはなく、自ずか
ら良好な接触状態を保つ。さらに、本実施例の支持・押
圧手段は、押圧板で構成されるために、被駆動体の進行
方向に直交する方向の厚さが薄いものとなる。
【0045】こうして、このような第1実施例の超音波
アクチュエータによれば、超音波振動子の被支持部を基
準面に対して斜めに付勢するようにしたので、該超音波
振動子を原理的にガタなく位置決めすることができ、ま
た、支持・押圧手段が撓む余地がないので寄生振動が発
生せず、両側面から独立に付勢しているために摺動面が
片当たりすることはなく、全体としても薄型化が容易に
なる。従って、振動もなく高精度に位置決めすることが
できる小型の超音波アクチュエータとなる。
【0046】なお、本発明は、上記第1実施例に示した
ような具体的な構成に限られるものではなく、超音波振
動子の被支持部を基準面に対して斜めに付勢することを
主旨とする、あらゆる機構を含有することはいうまでも
ない。そこで、他の幾つかの実施例を図を参照して以下
に説明する。
【0047】図6,図7は本発明の第2実施例を示した
ものであり、図6は押圧板を示す斜視図、図7は超音波
アクチュエータに取り付けた状態の押圧板を示す正面図
である。この第2実施例において、上述の第1実施例と
同様の部分には同一の符号を附して説明は省略し、主と
して異なる点に付いてのみ説明する。
【0048】この第2実施例の押圧板25は、図6に示
すように、矩形状のばね用圧延鋼板等を略L字型に曲折
し、曲折した部分の一方に矩形状の切欠を設けることに
より、第1板状部25aと第2板状部25bを構成して
いる。上記第1板状部25aには、上記L字型の折り目
方向の長孔25cを穿設し、一方、上記第2板状部25
bには、例えば対角線上に取付孔25dを複数穿設して
いる。
【0049】このような押圧板25は、上記第1実施例
で説明したような基盤4,8に、図7に示すように撓ま
せて取り付けられる。すなわち、例えば押圧板25を基
盤4に取り付けるときには、ねじ26を上記取付孔25
dを介して基盤4に螺合するとともに、超音波振動子1
の軸14を長孔25cに貫通した後、基盤4の長孔4a
に係合する。このとき、該押圧板25は、超音波振動子
1を摺動板17(図1参照)に押圧する方向に撓ませた
状態で取り付けられる。
【0050】次に、このような第2実施例の作用は上述
の第1実施例とほぼ同様であるが、押圧板25の第1板
状部25aと第2板状部25bの中間の部分が板ばねの
作用をして、軸14を基盤4へ向けて付勢し、超音波振
動子1の位置決めと被駆動体2への押圧を行う。
【0051】このような第2実施例によれば、上述の第
1実施例と同様の効果を有するとともに、ばね手段を押
圧板と一体に形成したので、部品点数が少なく、超音波
アクチュエータを簡潔な構成で安価に製造することがで
きるという効果がある。
【0052】図8,図9は本発明の第3実施例を示した
ものである。この第3実施例において、上述の第1,第
2実施例と同様の部分には同一の符号を附して説明は省
略し、主として異なる点に付いてのみ説明する。
【0053】この第3実施例の押圧板35は、図9に示
すように略楔型をしていて、下端側には基盤4の長孔4
aの方向に対して所定の角度だけ傾斜して設けられた押
圧面たる斜面35aが形成されている。
【0054】また、基盤4の外壁の長孔4aの近傍に
は、該長孔4aと同方向の溝34を図8に示すように刻
設していて、この溝34に上記押圧板35を遊嵌してい
る。さらにこの押圧板35は、図9に示すように、弾性
部材たるつるまきばね36によって、上記溝34に沿っ
た方向に付勢されている。
【0055】同様の構成の押圧板35は、基盤8側にも
取り付けられることはいうまでもない。
【0056】次に、このような第3実施例の作用は、上
述の第1,第2実施例とほぼ同様であって、楔型の押圧
板35が軸14を基盤4へ付勢し、位置決めと被駆動体
への押圧を行っている。
【0057】このような第3実施例によれば、上記第
1,第2実施例よりも構成はやや複雑になるものの、ば
ね定数の大きいつるまきばねを使用できるために、より
強い押圧力が得られるという効果がある。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、微
視的な観点からみてもガタがなく、小型化を容易に図る
ことができる超音波アクチュエータとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の超音波アクチュエータを
示す分解斜視図。
【図2】上記第1実施例の超音波アクチュエータの押圧
板を示す正面図。
【図3】上記第1実施例の超音波振動子を示す正面図。
【図4】上記第1実施例の超音波振動子に励起される共
振縦振動を示す図。
【図5】上記第1実施例の超音波振動子に励起される共
振屈曲振動を示す図。
【図6】本発明の第2実施例の押圧板を示す斜視図。
【図7】上記第2実施例の押圧板を超音波アクチュエー
タに取り付けた状態を示す正面図。
【図8】本発明の第3実施例の押圧板と超音波振動子の
軸との係合関係を示す断面図。
【図9】上記第3実施例の押圧板を超音波アクチュエー
タに取り付けた状態を示す正面図。
【図10】従来の超音波アクチュエータを示す斜視図。
【図11】上記図10に示した超音波アクチュエータを
倒立して示す分解斜視図。
【図12】上記図10に示した超音波アクチュエータ
を、図11の矢印Xの方向から見た断面図。
【図13】上記図10に示した超音波アクチュエータ
の、支持体の挟持板の孔と超音波振動子の軸との遊嵌関
係を誇張して示した側面図。
【図14】上記図10に示した超音波アクチュエータに
おいて、超音波振動子を支持し押圧する手段全体の撓み
を誇張して示した断面を含む側面図。
【符号の説明】
1…超音波振動子 2…被駆動体 4,8…基盤(超音波アクチュエータの基部) 4a,8a…長孔(基準面) 5,9…押圧板(押圧部材) 5a,9a…長孔(押圧面) 7a,7b…ねじりばね(弾性部材) 14…軸(被支持部) 25…押圧板(弾性部材を兼ねた押圧部材) 25c…長孔(押圧面) 35…押圧板(押圧部材) 35a…斜面(押圧面) 36…つるまきばね(弾性部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津幡 敏晴 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 大内 孝司 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楕円振動を発生させる超音波振動子と、 この超音波振動子が圧接され、上記楕円振動の作用によ
    って幾何学的変位を生じる被駆動体と、 超音波アクチュエータの基部に設けられて上記圧接の方
    向に沿って延びる基準面と、 上記超音波振動子に配設された被支持部と、 上記超音波振動子の圧接方向及び上記被駆動体の変位方
    向に対し所定の角度をもって延びた押圧面を有する押圧
    部材と、 この押圧部材に押圧力を付与する弾性部材と、 を具備しており、上記弾性部材の押圧力は、上記押圧部
    材によって、上記超音波振動子と被駆動体間の圧接力と
    上記超音波振動子を上記基準面に位置決めするための付
    勢力とに分割されることを特徴とする超音波アクチュエ
    ータ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009131002A1 (ja) * 2008-04-24 2009-10-29 オリンパス株式会社 リニア駆動型超音波モータ

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