JPH07237705A - 廃棄物輸送用カプセル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ごみを充填し搬送するカプセル自体を、廃棄
物再利用の可燃性物質を以て形成し、使い捨てでごみと
一緒に焼却可能とした。 【構成】 ごみを圧縮充填し、輸送するカプセル１をご
み収納部８を有する胴部２と、その先端に前蓋３および
緩衝空間５を形成する覆蓋４を圧入密閉し、胴部２にご
みを圧縮充填後、胴部２の後端に後蓋６を圧入密閉し、
ごみを充填したカプセルを目的地まで空気輸送等の搬送
手段で輸送する。また、カプセル外周を滑り易い低摩擦
係数の物質とした。 【効果】 カプセルを軽量安価に提供できると共に汚
汁、臭漏れを防ぎ、しかも輸送時の磨滅損傷を防止し、
且つ衝突時も緩衝作用が働きごみの飛散を生じない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物輸送用カプセル
に関する。

【０００２】

【従来の技術】わが国の都市部における廃棄物の排出量
は年々増加しており、一方焼却炉を設置した清掃工場は
山間部の辟地か都市郊外に位置する関係上、ごみの輸送
が長距離化する傾向にあり、ごみ収集車による処理方法
では交通渋滞や騒音、振動、排気ガス、臭気等の公害発
生で社会問題となっている。

【０００３】そのため都市部で排出された廃棄物（以下
ごみという）を、一時集積センターに収集し、ここで選
別、破砕した後、ごみは詰め込み装置によりカプセル内
へ圧縮詰め込み、このごみを充填したカプセルを目的地
である焼却炉のある清掃工場までパイプにより空気輸送
する廃棄物のカプセル輸送システムが一部で実施されて
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】現在のカプセル輸送
は、カプセルを搭載する車両形式で、単体または数台連
結した列車とし、循環使用しているが、ごみの積み込
み、積み卸し装置が構造複雑であり、しかもカプセルお
よび車両を多数用意しなければならず、設備費が嵩むの
みならず、洗浄、メンテナンスにも手数を要する問題が
あった。

【０００５】本発明は、上記従来技術の欠点を解消する
ためのものであり、ごみを圧縮充填して輸送するカプセ
ル自体を、廃棄物再生材の可燃物質を以て形成し、安価
に提供せんことを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の廃棄物輸送用カプセルにおいては、カプセ
ル自体を廃棄物再生材の可燃性物質を以て形成したもの
である。

【０００７】上記可燃性物質としては古紙、繊維類、木
屑等のリサイクル材を用い成形容易で安価に提供でき
る。

【０００８】また、ごみを圧縮充填して輸送するカプセ
ル自体を、可燃性物質を以て形成したから、ごみと一緒
に焼却する使い捨てとし、ごみ焼却時燃焼促進が図れ効
果的である。

【０００９】カプセル先端には、半球状の緩衝空間を形
成した覆蓋を具備したので、輸送管内の空気抵抗および
走行抵抗の軽減と、カプセル停止衝突時の緩衝的役割を
果たすものである。

【００１０】更に、カプセル外周部を、輸送管内摩擦抵
抗を軽減せしめる滑り易い、低摩擦係数材質で形成した
ものである。

【００１１】

【作用】上記のように構成されたカプセルの中に、ごみ
を圧縮詰め込み、そのまま空気輸送等の搬送手段により
目的地まで運搬し、必要により破砕機で破砕した後、も
しくは直接焼却炉へ投入してカプセルと共にごみを焼却
処理せんとするものである。

【００１２】そして、上記理由からカプセル自体を廃棄
物再生材の可燃性物質を以て空気輸送に適するような形
状に構成して使い捨て可能としたものである。

【００１３】また、カプセルの先端に半球状の覆蓋を取
り付けると共に、カプセル外周を低摩擦係数材質とした
から輸送管内の空気抵抗、走行抵抗が少なく且つ輸送管
およびカプセルの摩擦抵抗も軽減でき摩損を防げた。

【００１４】

【実施例】図において、１はカプセルであって、ごみの
収納部８を備えた円筒状の胴部２と、その先端に設けら
れる前蓋３と、この前蓋との間に緩衝空間５を形成する
半球状の覆蓋４と、胴部２の後端に圧嵌せられる湾曲面
を有する後蓋６とから構成される。

【００１５】上記カプセル１は廃棄物である古紙等の紙
類、織布、編物、不織布、特に車輌の内装材、ジュウタ
ン、カーペット、毛布等の繊維類、廃材、樹木、オガク
ズ等の木質類その他の可燃性物質を単体で、または混合
して破砕、粉砕してバラバラの繊維状に分解し、これに
必要によっては補強材、バインダー等を適当量混入し加
熱圧縮し所定厚み、強度のシート状に形成したり直接前
記前、後蓋３、６および覆蓋４にプレス成型する。

【００１６】カプセル１の胴部２は、上記シート状のも
のを円筒状に屈曲して端部を接着して形成する。この胴
部２の先端に前蓋３の鍔部７の半分位を圧入接着し、残
りの鍔部７に覆蓋４の開口周縁部を圧入接着して一体化
する。

【００１７】この場合、胴部２を若干円錐状に形成すれ
ば、挿脱自在に積み重ねることができ、マガジンへの収
納スペースが節減できる。更に、カプセル１の外周には
滑り易い低摩擦係数の例えばテフロンをコーティングし
たり、あるいはテフロンシートを外周全面または長手方
向複数箇所に貼着せしめてもよいし、カプセル自体に潤
滑材を含浸または塗布してもよい。

【００１８】上記のように形成されたカプセル１を、集
積センターに設置されているごみ詰め込み装置のマガジ
ン中に多数収納しておき、順次一個宛詰め込み部へ取り
出して胴部２のごみ収納部８中へ、ごみを圧縮詰め込ん
だ後、後蓋６を圧入密閉する。この場合、搬送中に後蓋
６が脱落しないように接着してもよい。

【００１９】そして、ごみを充填したカプセル１を短距
離輸送の時は、コンベヤー上に乗せて搬送してもよい
が、集積センターと清掃工場とが遠隔地にある場合は空
気輸送を行う方が効果的でよい。

【００２０】しかして、ごみを充填したカプセル１を輸
送管９内に搬入し、空気力を利用して遠距離搬送する。
カプセル１の先端は半球状のため輸送管９内の空気抵
抗、走行抵抗は減ぜられ高速で搬送でき、しかもカプセ
ル外周を低摩擦係数材質で形成しているから輸送管９内
を滑り易く、輸送管９およびカプセル１が摩耗、損傷を
生ずることなく搬送できる。

【００２１】そして、積み卸し地点に到着した時の停止
時、カプセルに衝突事故が発生しても覆蓋４が圧壊する
ことによって、ごみ収納部の破損を防ぐ緩衝作用の役割
を果たし、ごみの散乱が惹起しない。

【００２２】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので以下に記載されるような効果を奏ずるものであ
る。

【００２３】ごみを充填し輸送するカプセルを廃棄物再
利用の可燃性物質を以て形成したから軽量で安価に供給
でき、使い捨てが可能となるため、従来の車輌形式に比
し、台車は勿論ごみ排出積み卸し施設も不要となり、設
備費が大巾に低廉になる。

【００２４】カプセルが可燃性物質であるから、ごみと
一緒に焼却でき、しかもカプセルが燃焼を促進する役目
も果たし、焼却炉の効率も向上する。

【００２５】廃棄物のカプセル空気輸送を実施できるか
ら、大量のごみの長距離輸送に適し省力化が可能であ
り、清掃工場近辺のごみ収集車の集中化による公害問題
回避と、輸送中の汚汁、臭い漏れがなく安全且つ衝生的
である。

【００２６】空気輸送時、カプセルおよび輸送管に摩耗
損傷の発生が少なく、ごみ積み卸し設備が不要であり、
停止時の衝突事故に対しても覆蓋が緩衝作用の役目を果
たしカプセルが破損しないので、ごみの飛散、散乱が防
げる。

【００２７】

【図面の簡単な説明】

【図１】空気輸送時のカプセルの縦断面図である。

【図２】図１におけるＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ カプセル ２ 胴部 ３ 前蓋 ４ 覆蓋 ５ 緩衝空間 ６ 後蓋

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ごみを圧縮充填して輸送するカプセル
   を、廃棄物再生利用の可燃物質で形成した廃棄物輸送用
   カプセル。
2. 【請求項２】 可燃物質として、紙類、繊維類、木質類
   等の廃棄物再生材を用いた請求項１記載の廃棄物輸送用
   カプセル。
3. 【請求項３】 カプセル空気輸送に適する如く、ごみ収
   納部を具備する胴部と、胴部先端に取り付けられる前蓋
   および緩衝空間を形成した覆蓋と、上記胴部にごみを圧
   縮充填後、その後端を密閉する後蓋とから構成した請求
   項１記載の廃棄物輸送用カプセル。
4. 【請求項４】 カプセル外周を低摩擦係数材質とした請
   求項１または３記載の廃棄物輸送用カプセル。