JPH07227749A - 研削装置におけるワーク保持方法及び装置 - Google Patents
研削装置におけるワーク保持方法及び装置Info
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- JPH07227749A JPH07227749A JP6018356A JP1835694A JPH07227749A JP H07227749 A JPH07227749 A JP H07227749A JP 6018356 A JP6018356 A JP 6018356A JP 1835694 A JP1835694 A JP 1835694A JP H07227749 A JPH07227749 A JP H07227749A
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- grinding
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Landscapes
- Gripping On Spindles (AREA)
- Constituent Portions Of Griding Lathes, Driving, Sensing And Control (AREA)
- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ワークのフランジ部端面を研削する複合研削
盤等の研削装置において、上記フランジ部端面に変形を
ほとんど生じさせることなくワークを十分な力で保持で
きるようにする。 【構成】 ワーク50の径方向に移動可能な複数のワー
ク保持片42をワーク周方向に並べ、各ワーク保持片4
2に挿入ピン46を突設する。各挿入ピン46を上記ワ
ーク50のフランジ部54のボルト挿通孔56に挿入し
た状態で、各ワーク保持片42をそれぞれ径方向外側に
移動させ、上記フランジ部54に径方向外側へ向かう引
張力を与えることにより、ワーク50の保持を行う。
盤等の研削装置において、上記フランジ部端面に変形を
ほとんど生じさせることなくワークを十分な力で保持で
きるようにする。 【構成】 ワーク50の径方向に移動可能な複数のワー
ク保持片42をワーク周方向に並べ、各ワーク保持片4
2に挿入ピン46を突設する。各挿入ピン46を上記ワ
ーク50のフランジ部54のボルト挿通孔56に挿入し
た状態で、各ワーク保持片42をそれぞれ径方向外側に
移動させ、上記フランジ部54に径方向外側へ向かう引
張力を与えることにより、ワーク50の保持を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合研削盤等の研削装
置において、フランジ部をもつワークを保持する方法及
び装置に関するものである。
置において、フランジ部をもつワークを保持する方法及
び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、複合研削盤等の研削装置におい
ては、その加工対象であるワークを高い保持力で正確な
位置に保持することが肝要となる。
ては、その加工対象であるワークを高い保持力で正確な
位置に保持することが肝要となる。
【0003】図7(a)は、その一例として、従来の複
合研削盤におけるワーク保持要領を模式的に示したもの
である。図例のワーク50は、円筒部52と、この円筒
部52の端部から径方向外側に突出するフランジ部54
とを有し、このフランジ部54に複数のボルト挿通孔
(貫通孔)56が周方向に並設されている。これに対し
てワーク保持装置は、上記フランジ部54においてその
端面(被研削面)55と反対側の面に接触するバッキン
グプレート48と、上記フランジ部54の外周面に径方
向外側から圧接してワーク50を保持するクランプ部材
Cとを備えており、これらクランプ部材Cでワークをク
ランプした状態で、内面研削用砥石T1を回転させなが
らワーク内周面に接触させてその研削を行うと同時に、
上記フランジ部端面55に平面研削用砥石T2を接触さ
せてその研削を行うように構成されている。
合研削盤におけるワーク保持要領を模式的に示したもの
である。図例のワーク50は、円筒部52と、この円筒
部52の端部から径方向外側に突出するフランジ部54
とを有し、このフランジ部54に複数のボルト挿通孔
(貫通孔)56が周方向に並設されている。これに対し
てワーク保持装置は、上記フランジ部54においてその
端面(被研削面)55と反対側の面に接触するバッキン
グプレート48と、上記フランジ部54の外周面に径方
向外側から圧接してワーク50を保持するクランプ部材
Cとを備えており、これらクランプ部材Cでワークをク
ランプした状態で、内面研削用砥石T1を回転させなが
らワーク内周面に接触させてその研削を行うと同時に、
上記フランジ部端面55に平面研削用砥石T2を接触さ
せてその研削を行うように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記装置において、上
記ワーク50を確実に保持すべく、クランプ部材Cによ
るクランプ力(径方向内側に向かう圧力)を高めると、
このクランプ力に起因してフランジ部54に発生するワ
ーク径方向の圧縮応力も増大し、これによりフランジ部
54が反ってその被研削面であるフランジ部端面55が
図7(a)の二点鎖線に示すように凸状に変形するおそ
れがある。このような変形は、フランジ部54の剛性が
低い場合、例えばフランジ部54全体の肉厚が小さい場
合や、図示のようにフランジ部54に貫通孔56が設け
られている場合、あるいはフランジ部54の一部に溝が
形成されている場合等に、特に顕著となる。このように
凸状に変形したフランジ部端面55をそのまま通常通り
平面研削加工すると、その後上記クランプ力を解除した
時にフランジ部端面55は凹となり、正確な平面が得ら
れない不都合が生じる。
記ワーク50を確実に保持すべく、クランプ部材Cによ
るクランプ力(径方向内側に向かう圧力)を高めると、
このクランプ力に起因してフランジ部54に発生するワ
ーク径方向の圧縮応力も増大し、これによりフランジ部
54が反ってその被研削面であるフランジ部端面55が
図7(a)の二点鎖線に示すように凸状に変形するおそ
れがある。このような変形は、フランジ部54の剛性が
低い場合、例えばフランジ部54全体の肉厚が小さい場
合や、図示のようにフランジ部54に貫通孔56が設け
られている場合、あるいはフランジ部54の一部に溝が
形成されている場合等に、特に顕著となる。このように
凸状に変形したフランジ部端面55をそのまま通常通り
平面研削加工すると、その後上記クランプ力を解除した
時にフランジ部端面55は凹となり、正確な平面が得ら
れない不都合が生じる。
【0005】なお、上記のようなフランジ部端面55の
変形を避ける手段として、フランジ部54以外の筒部5
2を外側からクランプすることも考えられるが、このよ
うな保持方式によると、被研削面であるフランジ部端面
55から遠い位置でワーク50を保持することになり、
その分加工時の支持剛性が低くなる。また、上記のよう
にフランジ部端面55の平面研削と同時にワーク内周面
を内面研削する複合研削盤においては、上記筒部52の
クランプによってその内周面が変形することにより今度
は内面研削の精度に悪影響を与えるおそれがある。
変形を避ける手段として、フランジ部54以外の筒部5
2を外側からクランプすることも考えられるが、このよ
うな保持方式によると、被研削面であるフランジ部端面
55から遠い位置でワーク50を保持することになり、
その分加工時の支持剛性が低くなる。また、上記のよう
にフランジ部端面55の平面研削と同時にワーク内周面
を内面研削する複合研削盤においては、上記筒部52の
クランプによってその内周面が変形することにより今度
は内面研削の精度に悪影響を与えるおそれがある。
【0006】本発明は、このような事情に鑑み、複合研
削盤をはじめとする研削装置において、ワークの被研削
面であるフランジ部端面に変形をほとんど生じさせるこ
となく十分な力でワークを保持することができるワーク
保持方法及び装置を提供することを目的とする。
削盤をはじめとする研削装置において、ワークの被研削
面であるフランジ部端面に変形をほとんど生じさせるこ
となく十分な力でワークを保持することができるワーク
保持方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、径方向外側に突出するフラン
ジ部を有しかつこのフランジ部に複数の貫通孔が周方向
に並べて設けられたワークの上記フランジ部端面を研削
する研削装置におけるワーク保持方法であって、上記ワ
ークの各貫通孔にワーク保持部材を係合し、これらワー
ク保持部材を同時にワーク径方向外側に移動させること
により上記フランジ部に径方向外側への引張力を与える
ものである(請求項1)。
の手段として、本発明は、径方向外側に突出するフラン
ジ部を有しかつこのフランジ部に複数の貫通孔が周方向
に並べて設けられたワークの上記フランジ部端面を研削
する研削装置におけるワーク保持方法であって、上記ワ
ークの各貫通孔にワーク保持部材を係合し、これらワー
ク保持部材を同時にワーク径方向外側に移動させること
により上記フランジ部に径方向外側への引張力を与える
ものである(請求項1)。
【0008】また本発明は、上記方法を実施するための
装置であって、保持装置本体と、この保持装置本体に上
記ワークの径方向に移動可能に取付けられ、上記ワーク
の各貫通孔に挿入可能な挿入部がそれぞれ設けられた複
数のワーク保持部材と、これらのワーク保持部材の挿入
部が上記ワークの各貫通孔に挿入された状態で各ワーク
保持部材を上記ワークの径方向外側に移動させる保持駆
動手段とを備えたものである(請求項2)。
装置であって、保持装置本体と、この保持装置本体に上
記ワークの径方向に移動可能に取付けられ、上記ワーク
の各貫通孔に挿入可能な挿入部がそれぞれ設けられた複
数のワーク保持部材と、これらのワーク保持部材の挿入
部が上記ワークの各貫通孔に挿入された状態で各ワーク
保持部材を上記ワークの径方向外側に移動させる保持駆
動手段とを備えたものである(請求項2)。
【0009】上記保持駆動手段としては、上記ワークの
軸方向に移動し、かつこの軸方向移動力を各ワーク保持
部材の径方向移動力に変換する動力伝達部をもつ軸方向
作動部材を備えたものが好ましい(請求項3)。
軸方向に移動し、かつこの軸方向移動力を各ワーク保持
部材の径方向移動力に変換する動力伝達部をもつ軸方向
作動部材を備えたものが好ましい(請求項3)。
【0010】より具体的には、各ワーク保持部材のワー
ク軸方向及びワーク周方向への移動を規制する規制部材
を備えるとともに、上記動力伝達部として、上記軸方向
作動部材において各ワーク保持部材に対応する位置に上
記ワークの軸方向に対して傾斜するテーパー面をもつ爪
部を設け、各ワーク保持部材に上記爪部のテーパー面と
接触するテーパー面を形成したものが好適である(請求
項4)。
ク軸方向及びワーク周方向への移動を規制する規制部材
を備えるとともに、上記動力伝達部として、上記軸方向
作動部材において各ワーク保持部材に対応する位置に上
記ワークの軸方向に対して傾斜するテーパー面をもつ爪
部を設け、各ワーク保持部材に上記爪部のテーパー面と
接触するテーパー面を形成したものが好適である(請求
項4)。
【0011】上記軸方向作動部材は、上記爪部も含めて
一体化されたものでも良いが、この軸方向作動部材を、
単一の軸方向作動部と上記爪部をもつ複数の動力伝達片
とに分割し、上記軸方向作動部に対して上記爪部がワー
ク径方向に移動可能となるように上記軸方向作動部と各
動力伝達片とをワーク軸方向に接触させることが、より
好ましい(請求項5)。
一体化されたものでも良いが、この軸方向作動部材を、
単一の軸方向作動部と上記爪部をもつ複数の動力伝達片
とに分割し、上記軸方向作動部に対して上記爪部がワー
ク径方向に移動可能となるように上記軸方向作動部と各
動力伝達片とをワーク軸方向に接触させることが、より
好ましい(請求項5)。
【0012】上記各装置では、上記ワークのフランジ部
外周面と接触することによりこのワークを所定の芯出し
位置に位置決めする複数の芯出し部材をワーク周方向に
並べて設けるとともに、ワーク径方向内側に向かう位置
決め移動力を各芯出し部材に付与する位置決め力付与手
段を備えることにより、後述のようなより優れた効果が
得られる(請求項6)。
外周面と接触することによりこのワークを所定の芯出し
位置に位置決めする複数の芯出し部材をワーク周方向に
並べて設けるとともに、ワーク径方向内側に向かう位置
決め移動力を各芯出し部材に付与する位置決め力付与手
段を備えることにより、後述のようなより優れた効果が
得られる(請求項6)。
【0013】より具体的に、上記請求項3〜5記載の装
置では、上記芯出し部材をワーク周方向に並べて設ける
とともに、各芯出し部材に上記軸方向作動部材の外周部
に対してワーク軸方向に向い合う対向部を設け、この対
向部と上記軸方向作動部材の外周部との間にワーク軸方
向に弾性変形可能な弾性部材を介在させ、各芯出し部材
が上記軸方向作動部材とともに各ワーク保持部材が径方
向外側に移動する向きにワーク軸方向に沿って移動する
のに伴ってこれら芯出し部材をワーク径方向内側に移動
させる動力変換手段を備えたものが、好適である(請求
項7)。
置では、上記芯出し部材をワーク周方向に並べて設ける
とともに、各芯出し部材に上記軸方向作動部材の外周部
に対してワーク軸方向に向い合う対向部を設け、この対
向部と上記軸方向作動部材の外周部との間にワーク軸方
向に弾性変形可能な弾性部材を介在させ、各芯出し部材
が上記軸方向作動部材とともに各ワーク保持部材が径方
向外側に移動する向きにワーク軸方向に沿って移動する
のに伴ってこれら芯出し部材をワーク径方向内側に移動
させる動力変換手段を備えたものが、好適である(請求
項7)。
【0014】本発明は、少なくともフランジ部端面を研
削する研削装置に適用が可能であるが、この研削装置が
上記ワークのフランジ部端面とワーク内周面とを同時に
研削する複合研削盤である場合に、特に有効となる(請
求項8)。
削する研削装置に適用が可能であるが、この研削装置が
上記ワークのフランジ部端面とワーク内周面とを同時に
研削する複合研削盤である場合に、特に有効となる(請
求項8)。
【0015】
【作用】請求項1記載の方法では、ワークのフランジ部
に設けられている各貫通孔を利用し、このフランジ部に
径方向外側の引張力を与えることによりワークが保持さ
れるため、この保持に起因して上記フランジ部が反るこ
とはなく、よってフランジ部端面にも変形はほとんど生
じない。従って、この状態で上記フランジ部端面を精度
良く研削加工することが可能である。
に設けられている各貫通孔を利用し、このフランジ部に
径方向外側の引張力を与えることによりワークが保持さ
れるため、この保持に起因して上記フランジ部が反るこ
とはなく、よってフランジ部端面にも変形はほとんど生
じない。従って、この状態で上記フランジ部端面を精度
良く研削加工することが可能である。
【0016】具体的に、請求項2記載の装置では、各ワ
ーク保持部材の挿入部がワークフランジ部の各貫通孔に
挿入され、この状態で各ワーク保持部材が保持駆動手段
によって上記ワークの径方向外側に駆動されることによ
り、上記フランジ部に径方向外側への引張力が与えられ
てワークの保持がなされる。
ーク保持部材の挿入部がワークフランジ部の各貫通孔に
挿入され、この状態で各ワーク保持部材が保持駆動手段
によって上記ワークの径方向外側に駆動されることによ
り、上記フランジ部に径方向外側への引張力が与えられ
てワークの保持がなされる。
【0017】この装置では、各ワーク保持部材を駆動す
る保持駆動手段をなるべく簡素化し、装置全体の小型化
を図ることが望ましいが、ここで請求項3記載の装置で
は、軸方向作動部材をワーク軸方向に移動させるだけで
よく、この軸方向移動力が上記軸方向作動部材の動力伝
達部によって各ワーク保持部材の径方向移動力に変換さ
れることにより、各ワーク保持部材が径方向外側に駆動
されることになる。
る保持駆動手段をなるべく簡素化し、装置全体の小型化
を図ることが望ましいが、ここで請求項3記載の装置で
は、軸方向作動部材をワーク軸方向に移動させるだけで
よく、この軸方向移動力が上記軸方向作動部材の動力伝
達部によって各ワーク保持部材の径方向移動力に変換さ
れることにより、各ワーク保持部材が径方向外側に駆動
されることになる。
【0018】より具体的に、請求項4記載の装置では、
上記軸方向作動部材に設けられた各爪部のテーパー面と
各ワーク保持部材に形成されたテーパー面とが接触した
状態で、上記軸方向作動部材が軸方向に作動することに
より、規制部材でワーク軸方向及びワーク周方向への移
動が規制された各ワーク保持部材はそれぞれ径方向外側
に移動することになる。
上記軸方向作動部材に設けられた各爪部のテーパー面と
各ワーク保持部材に形成されたテーパー面とが接触した
状態で、上記軸方向作動部材が軸方向に作動することに
より、規制部材でワーク軸方向及びワーク周方向への移
動が規制された各ワーク保持部材はそれぞれ径方向外側
に移動することになる。
【0019】この装置において、各爪部が軸方向作動部
材に完全に一体化されていると、上記軸方向作動部材の
軸方向に移動に伴っていずれかの挿入部が他の挿入部よ
りも先にワーク貫通孔内周面に当接した場合に、それ以
上上記軸方向作動部材を軸方向に移動できず、従って他
の挿入部をワーク貫通孔に接触させることが難しくなる
が、ここで請求項5記載の装置では、上記軸方向作動部
材が単一の軸方向作動部と上記爪部をもつ複数の動力伝
達片とに分割され、上記軸方向作動部に対して各動力伝
達片の爪部がワーク径方向に相対移動可能とされている
ため、いずれかの挿入部が他の挿入部よりも先にワーク
貫通孔内周面に当接しても、この挿入部に対応する爪部
と上記軸方向作動部との相対変位を伴いながらさらに軸
方向作動部材を軸方向に移動させることができ、他の挿
入部もワーク貫通孔に接触させることができる。
材に完全に一体化されていると、上記軸方向作動部材の
軸方向に移動に伴っていずれかの挿入部が他の挿入部よ
りも先にワーク貫通孔内周面に当接した場合に、それ以
上上記軸方向作動部材を軸方向に移動できず、従って他
の挿入部をワーク貫通孔に接触させることが難しくなる
が、ここで請求項5記載の装置では、上記軸方向作動部
材が単一の軸方向作動部と上記爪部をもつ複数の動力伝
達片とに分割され、上記軸方向作動部に対して各動力伝
達片の爪部がワーク径方向に相対移動可能とされている
ため、いずれかの挿入部が他の挿入部よりも先にワーク
貫通孔内周面に当接しても、この挿入部に対応する爪部
と上記軸方向作動部との相対変位を伴いながらさらに軸
方向作動部材を軸方向に移動させることができ、他の挿
入部もワーク貫通孔に接触させることができる。
【0020】以上の各装置では、フランジ部に径方向外
側への引張力を与えることにより、ワークを十分に保持
することが可能であるが、このワークの芯出しをより正
確に行うには、上記フランジ部を径方向外側から規制す
ることが望ましい。ここで請求項6記載の装置では、ワ
ーク周方向に並べて設けられた複数の芯出し部材が上記
ワークのフランジ部外周面と接触し、かつ、各芯出し部
材にワーク径方向内側に向かう位置決め移動力が付与さ
れるため、上記ワークは正確に正規の位置に保持される
ことになる。
側への引張力を与えることにより、ワークを十分に保持
することが可能であるが、このワークの芯出しをより正
確に行うには、上記フランジ部を径方向外側から規制す
ることが望ましい。ここで請求項6記載の装置では、ワ
ーク周方向に並べて設けられた複数の芯出し部材が上記
ワークのフランジ部外周面と接触し、かつ、各芯出し部
材にワーク径方向内側に向かう位置決め移動力が付与さ
れるため、上記ワークは正確に正規の位置に保持される
ことになる。
【0021】より具体的に、請求項7記載の装置では、
各ワーク保持部材が径方向外側に移動する向きにワーク
軸方向に沿って移動するのに連動して、上記請求項3〜
5における軸方向作動部材と各芯出し部材の対向部と上
記軸方向作動部材の外周部との間に介在する圧縮ばねを
圧縮させながら各芯出し部材がワーク径方向内側に移動
し、これにより芯出しに適するばね圧でフランジ部の径
方向外側からの規制がなされる。なお、上記芯出し部材
がフランジ部外周面に接触した後は、上記圧縮ばねの圧
縮変形により径方向内側への位置決め移動力の増加が抑
制されるため、フランジ部に対して径方向外側から内側
へ過度の力が与えられてフランジ部が変形することが防
がれる。
各ワーク保持部材が径方向外側に移動する向きにワーク
軸方向に沿って移動するのに連動して、上記請求項3〜
5における軸方向作動部材と各芯出し部材の対向部と上
記軸方向作動部材の外周部との間に介在する圧縮ばねを
圧縮させながら各芯出し部材がワーク径方向内側に移動
し、これにより芯出しに適するばね圧でフランジ部の径
方向外側からの規制がなされる。なお、上記芯出し部材
がフランジ部外周面に接触した後は、上記圧縮ばねの圧
縮変形により径方向内側への位置決め移動力の増加が抑
制されるため、フランジ部に対して径方向外側から内側
へ過度の力が与えられてフランジ部が変形することが防
がれる。
【0022】以上示した各装置では、上述のようにフラ
ンジ部に径方向外側の引張を与えることによりワークが
保持されるため、ワーク内周面の変形もほとんど伴わ
ず、従って請求項8記載のように上記研削装置が上記ワ
ークのフランジ部端面とワーク内周面とを同時に研削す
る複合研削盤であっても、フランジ部端面と同様にワー
ク内周面も高精度で研削することが可能である。
ンジ部に径方向外側の引張を与えることによりワークが
保持されるため、ワーク内周面の変形もほとんど伴わ
ず、従って請求項8記載のように上記研削装置が上記ワ
ークのフランジ部端面とワーク内周面とを同時に研削す
る複合研削盤であっても、フランジ部端面と同様にワー
ク内周面も高精度で研削することが可能である。
【0023】
【実施例】本発明の第1実施例を図1〜図7に基づいて
説明する。
説明する。
【0024】この実施例におけるワーク保持装置は、図
1に示すような筒状の本体ブロック10,12,14を
備え、これらの本体ブロック10,12,14が順に並
べられて相互連結されることにより、装置本体が形成さ
れている。
1に示すような筒状の本体ブロック10,12,14を
備え、これらの本体ブロック10,12,14が順に並
べられて相互連結されることにより、装置本体が形成さ
れている。
【0025】上記本体ブロック10内には、筒状のピス
トン16が軸方向に移動可能に収納されている。このピ
ストン16の外周面には鍔部16aが形成される一方、
前側(図1では右側)にはスペーサブロック18が設け
られ、本体ブロック10の後側(図1では左側)には段
部10aが形成されており、上記鍔部16aとスペーサ
ブロック18との間に油室20Aが、上記鍔部16aと
段部10aとの間に油室20Bが、それぞれ形成されて
いる。これらの油室20A,20Bにはそれぞれ油路2
2A,22Bがつながっており、油路22Aを通じて油
室20Aに油圧が供給されることによりピストン16が
後退(図1では左側へ移動)し、油路22Bを通じて油
室20Bに油圧が供給されることによりピストン16が
前進(図1では右側へ移動)するようになっている。
トン16が軸方向に移動可能に収納されている。このピ
ストン16の外周面には鍔部16aが形成される一方、
前側(図1では右側)にはスペーサブロック18が設け
られ、本体ブロック10の後側(図1では左側)には段
部10aが形成されており、上記鍔部16aとスペーサ
ブロック18との間に油室20Aが、上記鍔部16aと
段部10aとの間に油室20Bが、それぞれ形成されて
いる。これらの油室20A,20Bにはそれぞれ油路2
2A,22Bがつながっており、油路22Aを通じて油
室20Aに油圧が供給されることによりピストン16が
後退(図1では左側へ移動)し、油路22Bを通じて油
室20Bに油圧が供給されることによりピストン16が
前進(図1では右側へ移動)するようになっている。
【0026】本体ブロック12内では、上記ピストン1
6の前端に筒状の引き金24が連結されている。この引
き金24は、図2及び図3(a)(b)にも示すよう
に、筒状本体24aと、この筒状本体24aの周方向複
数個所(図例では4個所)から前方に延びる腕部24b
とを有し、上記筒状本体24a内に上記ピストン16の
前端が嵌入され、両者が軸方向に一体に移動するように
連結されている。各腕部24bの前端面にはねじ孔24
cが形成され、筒状本体24aの外周面には軸方向に延
びる溝24dが形成されており、回り止めピン26が本
体ブロック12を貫通して上記溝24d内に嵌入される
ことにより、ピストン16及び引き金24の回り止めが
なされている。また、各腕部24bの外周面には段部2
4eが径方向外側に突設されている。
6の前端に筒状の引き金24が連結されている。この引
き金24は、図2及び図3(a)(b)にも示すよう
に、筒状本体24aと、この筒状本体24aの周方向複
数個所(図例では4個所)から前方に延びる腕部24b
とを有し、上記筒状本体24a内に上記ピストン16の
前端が嵌入され、両者が軸方向に一体に移動するように
連結されている。各腕部24bの前端面にはねじ孔24
cが形成され、筒状本体24aの外周面には軸方向に延
びる溝24dが形成されており、回り止めピン26が本
体ブロック12を貫通して上記溝24d内に嵌入される
ことにより、ピストン16及び引き金24の回り止めが
なされている。また、各腕部24bの外周面には段部2
4eが径方向外側に突設されている。
【0027】上記本体ブロック12には、図4にも示す
ようなベース28が固定されている。このベース28
は、筒状本体28aを有し、その前端の複数個所(図例
では4個所)に受け部材取付部28bが、後端の複数個
所(図例では4個所)に固定部28cが、それぞれ径方
向外側に突設されており、これら受け部材取付部28b
及び固定部28cはそれぞれ上記引き金24の各腕部2
4bから周方向にずれた位置に配されている。
ようなベース28が固定されている。このベース28
は、筒状本体28aを有し、その前端の複数個所(図例
では4個所)に受け部材取付部28bが、後端の複数個
所(図例では4個所)に固定部28cが、それぞれ径方
向外側に突設されており、これら受け部材取付部28b
及び固定部28cはそれぞれ上記引き金24の各腕部2
4bから周方向にずれた位置に配されている。
【0028】受け部材取付部28bの前端面にはねじ孔
28eが形成され、固定部28cにはボルト挿通孔28
dが肉厚方向に貫設されており、各ボルト挿通孔28d
に挿通されるボルト29によって固定部28cが本体ブ
ロック12に固定されている。
28eが形成され、固定部28cにはボルト挿通孔28
dが肉厚方向に貫設されており、各ボルト挿通孔28d
に挿通されるボルト29によって固定部28cが本体ブ
ロック12に固定されている。
【0029】この受け部材取付部28bの前端面には、
ドーナツ板状の受け部材30が固定されている。この受
け部材30の複数個所にはボルト挿通孔30aが肉厚方
向に貫設されており、受け部材30の後面には突起30
bが突設されている。そして、この突起30bが上記ベ
ース28前端の溝28fに嵌入された状態で、ボルト挿
通孔30aに挿通されたボルト32が上記ねじ孔28e
に螺合されることにより、受け部材30が上記受け部材
取付部28bに連結されている。
ドーナツ板状の受け部材30が固定されている。この受
け部材30の複数個所にはボルト挿通孔30aが肉厚方
向に貫設されており、受け部材30の後面には突起30
bが突設されている。そして、この突起30bが上記ベ
ース28前端の溝28fに嵌入された状態で、ボルト挿
通孔30aに挿通されたボルト32が上記ねじ孔28e
に螺合されることにより、受け部材30が上記受け部材
取付部28bに連結されている。
【0030】前記引き金24の各腕部24bの前端に
は、爪付きプレート34が固定されており、この爪付き
プレート34と、上記引き金24と、上記ピストン16
とで、本発明における軸方向作動部材が構成されてい
る。
は、爪付きプレート34が固定されており、この爪付き
プレート34と、上記引き金24と、上記ピストン16
とで、本発明における軸方向作動部材が構成されてい
る。
【0031】爪付きプレート34は、ドーナツ板状本体
の複数個所(この例では4個所)から腕部38が前方に
延設されたものであり、図5に示すように、受け部材取
付部28b及び受け部材30の突起30bを収容する切
欠を有している。そして、上記爪付きプレート34に設
けられた複数のボルト挿通孔にボルト36が挿通され、
上記腕部24bのねじ孔24cに螺合されることによ
り、爪付きプレート34が腕部24bに取付けられてい
る。
の複数個所(この例では4個所)から腕部38が前方に
延設されたものであり、図5に示すように、受け部材取
付部28b及び受け部材30の突起30bを収容する切
欠を有している。そして、上記爪付きプレート34に設
けられた複数のボルト挿通孔にボルト36が挿通され、
上記腕部24bのねじ孔24cに螺合されることによ
り、爪付きプレート34が腕部24bに取付けられてい
る。
【0032】この爪付きプレート34の各腕部38は、
図5に示すように上記受け部材取付部28bから周方向
にずれた位置に配されており、各腕部38の先端には爪
部40が形成されている。各爪部40の径方向外側面
は、前方に向かうに従って径方向外側に広がる方向のテ
ーパー面40aとされている。
図5に示すように上記受け部材取付部28bから周方向
にずれた位置に配されており、各腕部38の先端には爪
部40が形成されている。各爪部40の径方向外側面
は、前方に向かうに従って径方向外側に広がる方向のテ
ーパー面40aとされている。
【0033】これに対し、前記受け部材30において上
記爪部40と対応する位置には溝31が形成されてお
り、各溝31内にワーク保持片(ワーク保持部材)42
がワーク径方向にスライド可能に収容されている。各ワ
ーク保持片42の裏面には、上記爪部40のテーパー面
40aと合致するテーパー面42aが形成される一方、
各ワーク保持片42の外周面に形成された凹溝42bと
上記受け部材30の外周面に形成された凹溝30cと
に、周方向に伸縮可能な弾性部材からなる単一のOリン
グ44が外側から嵌め込まれており、このOリング44
の引張弾性力によって、各ワーク保持片42の径方向外
側への移動が規制されるとともに両テーパー面40a,
42aの接触が保たれている。そして、各ワーク保持片
42の前面に、本発明における挿入部に対応する挿入ピ
ン46が突設されている。
記爪部40と対応する位置には溝31が形成されてお
り、各溝31内にワーク保持片(ワーク保持部材)42
がワーク径方向にスライド可能に収容されている。各ワ
ーク保持片42の裏面には、上記爪部40のテーパー面
40aと合致するテーパー面42aが形成される一方、
各ワーク保持片42の外周面に形成された凹溝42bと
上記受け部材30の外周面に形成された凹溝30cと
に、周方向に伸縮可能な弾性部材からなる単一のOリン
グ44が外側から嵌め込まれており、このOリング44
の引張弾性力によって、各ワーク保持片42の径方向外
側への移動が規制されるとともに両テーパー面40a,
42aの接触が保たれている。そして、各ワーク保持片
42の前面に、本発明における挿入部に対応する挿入ピ
ン46が突設されている。
【0034】上記受け部材30の前面には、バッキング
プレート48が固定されている。このバッキングプレー
ト48は、各挿入ピン46が貫通可能でかつワーク径方
向に微小動できる程度の大きさの貫通孔48aを有し、
ビス49によって上記受け部材30前面に固定されてい
る。このバッキングプレート48は、上記受け部材30
とともに各ワーク保持片42を前後から挾んだ状態にあ
り、これら受け部材30とバッキングプレート48とに
より、各ワーク保持片42のワーク軸方向(前後方向)
及びワーク周方向の移動を規制する規制部材が構成され
ている。
プレート48が固定されている。このバッキングプレー
ト48は、各挿入ピン46が貫通可能でかつワーク径方
向に微小動できる程度の大きさの貫通孔48aを有し、
ビス49によって上記受け部材30前面に固定されてい
る。このバッキングプレート48は、上記受け部材30
とともに各ワーク保持片42を前後から挾んだ状態にあ
り、これら受け部材30とバッキングプレート48とに
より、各ワーク保持片42のワーク軸方向(前後方向)
及びワーク周方向の移動を規制する規制部材が構成され
ている。
【0035】一方、この実施例で示すワーク50は、筒
部52の端部にフランジ部54が径方向外側に突設され
たもので、このフランジ部54の外周部に複数のボルト
挿通孔(貫通孔)56が周方向に並べて設けられてお
り、これらのボルト挿通孔56の内径よりも小さい径に
各挿入ピン46の外径が設定されている。また、上記フ
ランジ部54の一部には所定の目的で溝58が形成され
ており、その分フランジ部54の剛性は低くなってい
る。
部52の端部にフランジ部54が径方向外側に突設され
たもので、このフランジ部54の外周部に複数のボルト
挿通孔(貫通孔)56が周方向に並べて設けられてお
り、これらのボルト挿通孔56の内径よりも小さい径に
各挿入ピン46の外径が設定されている。また、上記フ
ランジ部54の一部には所定の目的で溝58が形成され
ており、その分フランジ部54の剛性は低くなってい
る。
【0036】図6にも示すように、ワーク保持装置にお
いてワーク50の径方向外側となる位置には、複数の芯
出し爪(芯出し部材)62が周方向に並設されている。
図2に示すように、各芯出し爪62の動力変換手段とし
て、各芯出し爪62の外周面が前方に向かうに従って径
方向外側に広がるテーパー面62cとされる一方、本体
ブロック14の内周面は上記テーパー面62cと合致す
るテーパー面14aとされており、両テーパー面62
c,14aが相互接触する位置に各芯出し爪62が保持
されている。
いてワーク50の径方向外側となる位置には、複数の芯
出し爪(芯出し部材)62が周方向に並設されている。
図2に示すように、各芯出し爪62の動力変換手段とし
て、各芯出し爪62の外周面が前方に向かうに従って径
方向外側に広がるテーパー面62cとされる一方、本体
ブロック14の内周面は上記テーパー面62cと合致す
るテーパー面14aとされており、両テーパー面62
c,14aが相互接触する位置に各芯出し爪62が保持
されている。
【0037】各芯出し爪62からは後方に腕部62aが
延設され、その後端に径方向内側向きの突起62bが形
成されており、これら腕部62aの後端に筒状の対向部
材60が連結されている。この対向部材60の内側面に
は、上記引き金24の段部24eと当接する段部60a
が形成されており、ワーク50のクランプ状態では両段
部24e,60a間は所定の隙間を有し、アンクランプ
時には両段部24e,60aの当接によって、引き金2
4が対向部材60を前方へ押し出すようになっている。
また、対向部材60の外周面には周方向の溝60c及び
軸方向の溝60dが形成され、前者の溝60c内に各芯
出し爪62の突起62bが嵌入されることにより、対向
部材60と各芯出し爪62とがワーク軸方向に相対移動
不能に連結されるとともに、後者の溝60dに回転止め
ピン61の先端が嵌入されることにより、対向部材60
及び芯出し爪62の回転が規制されている。
延設され、その後端に径方向内側向きの突起62bが形
成されており、これら腕部62aの後端に筒状の対向部
材60が連結されている。この対向部材60の内側面に
は、上記引き金24の段部24eと当接する段部60a
が形成されており、ワーク50のクランプ状態では両段
部24e,60a間は所定の隙間を有し、アンクランプ
時には両段部24e,60aの当接によって、引き金2
4が対向部材60を前方へ押し出すようになっている。
また、対向部材60の外周面には周方向の溝60c及び
軸方向の溝60dが形成され、前者の溝60c内に各芯
出し爪62の突起62bが嵌入されることにより、対向
部材60と各芯出し爪62とがワーク軸方向に相対移動
不能に連結されるとともに、後者の溝60dに回転止め
ピン61の先端が嵌入されることにより、対向部材60
及び芯出し爪62の回転が規制されている。
【0038】対向部材60の前面には、前方に開口する
多数の有底孔60bが形成されており、各有底孔60b
の底面と、上記爪付きプレート34の外周面に突設され
たフランジ部34aとの間に圧縮ばね(弾性部材)64
が介設されており、この圧縮ばね64の弾発力によって
対向部材60と芯出し爪62は後方に加圧されている。
多数の有底孔60bが形成されており、各有底孔60b
の底面と、上記爪付きプレート34の外周面に突設され
たフランジ部34aとの間に圧縮ばね(弾性部材)64
が介設されており、この圧縮ばね64の弾発力によって
対向部材60と芯出し爪62は後方に加圧されている。
【0039】なお、図2において66は図略の給油路か
ら潤滑油が供給される潤滑溝である。
ら潤滑油が供給される潤滑溝である。
【0040】次に、このワーク保持装置の作用を説明す
る。
る。
【0041】まず、この装置にワークを装着するにあた
り、図1に示す油室20B側に油圧を供給して予めピス
トン16、引き金24、及び爪付きプレート34を一体
に前進させておく。
り、図1に示す油室20B側に油圧を供給して予めピス
トン16、引き金24、及び爪付きプレート34を一体
に前進させておく。
【0042】この爪付きプレート34の前進に伴い、同
爪付きプレート34における爪部40のテーパー面40
aと接触している各ワーク保持片42は、Oリング44
の弾性力で径方向内側に移動し、各ワーク保持片42に
突設されている挿入ピン46を結ぶ円は縮径する。ま
た、芯出し爪62は本体ブロック14のテーパー面14
aと接触しているため、上記引き金24とともに対向部
材60及び芯出し爪62が前進することにより、これら
芯出し爪62も拡径する。
爪付きプレート34における爪部40のテーパー面40
aと接触している各ワーク保持片42は、Oリング44
の弾性力で径方向内側に移動し、各ワーク保持片42に
突設されている挿入ピン46を結ぶ円は縮径する。ま
た、芯出し爪62は本体ブロック14のテーパー面14
aと接触しているため、上記引き金24とともに対向部
材60及び芯出し爪62が前進することにより、これら
芯出し爪62も拡径する。
【0043】この状態で、ワーク50のボルト挿通孔5
6に各挿入ピン46を挿入するようにしながらワーク5
0をそのフランジ部後面(フランジ部端面55と反対側
の面)がパッキングプレート48の前面に接触するまで
各芯出し爪62の内側に嵌め込み、その後、今度は油室
20Aに油圧を供給してピストン16、引き金24、及
び爪付きプレート34を一体に後退させる。
6に各挿入ピン46を挿入するようにしながらワーク5
0をそのフランジ部後面(フランジ部端面55と反対側
の面)がパッキングプレート48の前面に接触するまで
各芯出し爪62の内側に嵌め込み、その後、今度は油室
20Aに油圧を供給してピストン16、引き金24、及
び爪付きプレート34を一体に後退させる。
【0044】この爪付きプレート34の後退に伴い、上
記とは逆に各ワーク保持片42がOリング44の弾性力
に抗して径方向外側に移動し、各ワーク保持片42に突
設されている挿入ピン46を結ぶ円が拡径する。そし
て、これらの挿入ピン46が各ボルト挿通孔56のワー
ク径方向外側内周面に圧接することにより、ワークフラ
ンジ部54に径方向外側への引張力が与えられ、これに
よりワーク50が十分な力で保持される。
記とは逆に各ワーク保持片42がOリング44の弾性力
に抗して径方向外側に移動し、各ワーク保持片42に突
設されている挿入ピン46を結ぶ円が拡径する。そし
て、これらの挿入ピン46が各ボルト挿通孔56のワー
ク径方向外側内周面に圧接することにより、ワークフラ
ンジ部54に径方向外側への引張力が与えられ、これに
よりワーク50が十分な力で保持される。
【0045】一方、上記引き金24の後退に伴い、対向
部材60及び芯出し爪62を後退することにより、これ
ら芯出し爪62は縮径してフランジ部54の外周面に当
接し、この当接によってワーク50の芯出しが確実に行
われる。なお、上記芯出し爪62がフランジ部54の外
周面に当接した後は、さらに引き金24及び爪付きプレ
ート34が後退しても圧縮ばね64の圧縮変形によって
対向部材60及び芯出し爪62の後退力(すなわち芯出
し爪62の径方向内側への芯出し移動力)が緩和される
ため、過度の圧縮力が芯出し爪62からフランジ部54
に与えられてフランジ部54が変形することが防がれ
る。
部材60及び芯出し爪62を後退することにより、これ
ら芯出し爪62は縮径してフランジ部54の外周面に当
接し、この当接によってワーク50の芯出しが確実に行
われる。なお、上記芯出し爪62がフランジ部54の外
周面に当接した後は、さらに引き金24及び爪付きプレ
ート34が後退しても圧縮ばね64の圧縮変形によって
対向部材60及び芯出し爪62の後退力(すなわち芯出
し爪62の径方向内側への芯出し移動力)が緩和される
ため、過度の圧縮力が芯出し爪62からフランジ部54
に与えられてフランジ部54が変形することが防がれ
る。
【0046】このようにしてワーク50を保持した状態
で、図7(b)に示すように、内面研削用砥石T1を回
転させながらワーク50内周面に接触させることにより
ワーク内周面を研削すると同時にフランジ部端面55を
平面研削用砥石T2によって研削することができる。な
お、この研削によりワーク50が受ける軸方向力は、本
体ブロック12側に固定されたベース28、受け部材3
0、及びバッキングプレート48からなる研削支持部材
で支持される。
で、図7(b)に示すように、内面研削用砥石T1を回
転させながらワーク50内周面に接触させることにより
ワーク内周面を研削すると同時にフランジ部端面55を
平面研削用砥石T2によって研削することができる。な
お、この研削によりワーク50が受ける軸方向力は、本
体ブロック12側に固定されたベース28、受け部材3
0、及びバッキングプレート48からなる研削支持部材
で支持される。
【0047】以上のように、この方法及び装置は、図7
(b)に模式的に示すように、ワーク50のフランジ部
54に設けられたボルト挿通孔56を利用してフランジ
部54に径方向外側への引張力を与えることにより、ワ
ーク50を保持するようにしたものであるので、同図
(a)に示す従来例のように、上記フランジ部54を径
方向外側からクランプ部材Cでクランプする場合と異な
り、たとえ上記溝58が形成される等してフランジ部5
4の剛性が低い状態にあっても、このフランジ部54に
反りを生じさせるおそれがない。従って、被研削面であ
るフランジ部端面55を変形させることなく十分な力で
ワーク50を保持することができ、これにより上記フラ
ンジ部端面55を高精度で研削することができる。
(b)に模式的に示すように、ワーク50のフランジ部
54に設けられたボルト挿通孔56を利用してフランジ
部54に径方向外側への引張力を与えることにより、ワ
ーク50を保持するようにしたものであるので、同図
(a)に示す従来例のように、上記フランジ部54を径
方向外側からクランプ部材Cでクランプする場合と異な
り、たとえ上記溝58が形成される等してフランジ部5
4の剛性が低い状態にあっても、このフランジ部54に
反りを生じさせるおそれがない。従って、被研削面であ
るフランジ部端面55を変形させることなく十分な力で
ワーク50を保持することができ、これにより上記フラ
ンジ部端面55を高精度で研削することができる。
【0048】特に、この実施例では、芯出し爪62によ
ってワーク50のフランジ部54を径方向外側からも規
制しているので、ワーク50の保持位置をより正確に位
置決めすることができる。
ってワーク50のフランジ部54を径方向外側からも規
制しているので、ワーク50の保持位置をより正確に位
置決めすることができる。
【0049】次に、第2実施例を図8に基づいて説明す
る。
る。
【0050】上記第1実施例では、爪付きプレート34
全体が腕部38及び爪部40も含めて一体に形成されて
いるが、このような装置では、例えばボルト挿通孔56
の形成位置のバラツキに起因して、爪付きプレート34
の後退時にいずれかの挿入ピン46が他の挿入ピン46
よりも先にボルト挿通孔56の径方向外側内周面に当接
してしまうと、それ以上爪付きプレート34を後退させ
ることができない。このような場合、他の挿入ピン46
をワーク貫通孔に接触させることは困難となり、その分
保持力が弱まるおそれがある。
全体が腕部38及び爪部40も含めて一体に形成されて
いるが、このような装置では、例えばボルト挿通孔56
の形成位置のバラツキに起因して、爪付きプレート34
の後退時にいずれかの挿入ピン46が他の挿入ピン46
よりも先にボルト挿通孔56の径方向外側内周面に当接
してしまうと、それ以上爪付きプレート34を後退させ
ることができない。このような場合、他の挿入ピン46
をワーク貫通孔に接触させることは困難となり、その分
保持力が弱まるおそれがある。
【0051】そこで、この実施例では、上記爪付プレー
ト34がプレート本体と腕部(動力伝達片)38とに分
割されている。プレート本体の裏面には凹状の球面70
Aが形成される一方、腕部38の後端(図8では左端)
には上記球面座70Aに対して後側から接触する凸状の
球面70Bが形成されており、両球面70A,70Bの
接触を保ったまま、二点鎖線に示すように上記腕部38
がプレート本体に対して相対回動でき、これによって先
端の爪部40がワーク径方向(図8では上下方向)に移
動できるようになっている。
ト34がプレート本体と腕部(動力伝達片)38とに分
割されている。プレート本体の裏面には凹状の球面70
Aが形成される一方、腕部38の後端(図8では左端)
には上記球面座70Aに対して後側から接触する凸状の
球面70Bが形成されており、両球面70A,70Bの
接触を保ったまま、二点鎖線に示すように上記腕部38
がプレート本体に対して相対回動でき、これによって先
端の爪部40がワーク径方向(図8では上下方向)に移
動できるようになっている。
【0052】このような装置によれば、いずれかの挿入
ピン46が他の挿入ピン46よりも先にワーク50のボ
ルト挿通孔56内周面に当接しても、この挿入ピン46
に対応する爪部40と爪付きプレート34本体との相対
変位を伴いながらさらに爪付きプレート34本体を後退
させることができ、これによって他の挿入ピン46もボ
ルト挿通孔56に接触させることができる。すなわち、
ボルト挿通孔56の形成位置に多少のバラツキがあって
も、全ての挿入ピン46を各ボルト挿通孔56の内周面
に確実に接触させることができ、これにより十分なワー
ク保持力を確実に確保することができる。
ピン46が他の挿入ピン46よりも先にワーク50のボ
ルト挿通孔56内周面に当接しても、この挿入ピン46
に対応する爪部40と爪付きプレート34本体との相対
変位を伴いながらさらに爪付きプレート34本体を後退
させることができ、これによって他の挿入ピン46もボ
ルト挿通孔56に接触させることができる。すなわち、
ボルト挿通孔56の形成位置に多少のバラツキがあって
も、全ての挿入ピン46を各ボルト挿通孔56の内周面
に確実に接触させることができ、これにより十分なワー
ク保持力を確実に確保することができる。
【0053】なお、本発明はこのような実施例に限定さ
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
れるものでなく、例として次のような態様をとることも
可能である。
【0054】(1) 各ワーク保持片42を駆動する手段に
は、種々のものを用いることが可能であり、例えばワー
ク保持片42と同数の複数のアクチュエータを周方向に
並べて配し、各アクチュエータによって各ワーク保持片
42を直接スライド駆動するようにしてもよい。ただ
し、上記のように単一の軸方向作動部材(ピストン16
等)の軸方向作動で各ワーク保持片42を径方向に連動
させるようにすれば、よりコンパクトな構造でワーク5
0の把持を行うことができる利点がある。
は、種々のものを用いることが可能であり、例えばワー
ク保持片42と同数の複数のアクチュエータを周方向に
並べて配し、各アクチュエータによって各ワーク保持片
42を直接スライド駆動するようにしてもよい。ただ
し、上記のように単一の軸方向作動部材(ピストン16
等)の軸方向作動で各ワーク保持片42を径方向に連動
させるようにすれば、よりコンパクトな構造でワーク5
0の把持を行うことができる利点がある。
【0055】特に、上記実施例では、複雑な駆動伝達機
構を用いることなく、軸方向作動部材を構成する爪付き
プレート34側の各爪部40のテーパー面40aと、各
ワーク保持片42裏面のテーパー面42aとを接触させ
るだけの簡単な構造で、ワーク保持を行うことが可能と
なっている。
構を用いることなく、軸方向作動部材を構成する爪付き
プレート34側の各爪部40のテーパー面40aと、各
ワーク保持片42裏面のテーパー面42aとを接触させ
るだけの簡単な構造で、ワーク保持を行うことが可能と
なっている。
【0056】なお、上記実施例ではピストン16等の軸
方向作動部材の後退によって各ワーク保持片42が径方
向外側に広がるものを示したが、逆に軸方向作動部材の
前進によって各ワーク保持片42が径方向外側に広がる
ようにしてもよい。この場合は、例えば図1の構造にお
いてテーパー面40a,42aの傾斜方向を逆にすれば
よい。
方向作動部材の後退によって各ワーク保持片42が径方
向外側に広がるものを示したが、逆に軸方向作動部材の
前進によって各ワーク保持片42が径方向外側に広がる
ようにしてもよい。この場合は、例えば図1の構造にお
いてテーパー面40a,42aの傾斜方向を逆にすれば
よい。
【0057】(2) 本発明において、上記のような芯出し
爪62を設ける場合、各ワーク保持片42の駆動手段と
は別の位置決め力付与手段で各芯出し爪62に径方向内
側に向かう位置決め力を付与するようにしてもよい。た
だし、上記実施例のように軸方向作動部材の作動に連動
して芯出し爪62を駆動するようにすれば、駆動手段を
簡素化できるだけでなく、ワーク保持動作と同期した好
適なタイミングで確実に芯出し爪62を作動させること
ができる利点がある。特に、上記実施例では、芯出し爪
62側に連結された対向部材60と軸方向作動部材側
(爪付きプレート34の鍔部34a)との間に弾性部材
である圧縮ばね64を介設しているので、上記芯出し爪
62からワーク50に過度の圧縮力が与えられるのを確
実に防ぐことができる。
爪62を設ける場合、各ワーク保持片42の駆動手段と
は別の位置決め力付与手段で各芯出し爪62に径方向内
側に向かう位置決め力を付与するようにしてもよい。た
だし、上記実施例のように軸方向作動部材の作動に連動
して芯出し爪62を駆動するようにすれば、駆動手段を
簡素化できるだけでなく、ワーク保持動作と同期した好
適なタイミングで確実に芯出し爪62を作動させること
ができる利点がある。特に、上記実施例では、芯出し爪
62側に連結された対向部材60と軸方向作動部材側
(爪付きプレート34の鍔部34a)との間に弾性部材
である圧縮ばね64を介設しているので、上記芯出し爪
62からワーク50に過度の圧縮力が与えられるのを確
実に防ぐことができる。
【0058】なお、この弾性部材は上記のような圧縮ば
ね64に限らず、圧縮変形が比較的容易な種々の弾性材
を用いることが可能である。また、その弾性係数は、芯
出しに必要な径方向内側への位置決め移動力に基づいて
適当な範囲内に設定することがよい。すなわち、弾性係
数が低すぎると、芯出し爪62からフランジ部54外周
面に対して径方向内側に与えられる位置決め力が弱すぎ
て有効な芯出しを行うことができず、逆に弾性係数が高
すぎると上記位置決め力が過剰になって前記図7(a)
に示した従来例と同様にフランジ部54に反りを生じさ
せるおそれがあるので、これらの不具合を避けるべくそ
の中間の値に弾性係数を定めるのが良い。
ね64に限らず、圧縮変形が比較的容易な種々の弾性材
を用いることが可能である。また、その弾性係数は、芯
出しに必要な径方向内側への位置決め移動力に基づいて
適当な範囲内に設定することがよい。すなわち、弾性係
数が低すぎると、芯出し爪62からフランジ部54外周
面に対して径方向内側に与えられる位置決め力が弱すぎ
て有効な芯出しを行うことができず、逆に弾性係数が高
すぎると上記位置決め力が過剰になって前記図7(a)
に示した従来例と同様にフランジ部54に反りを生じさ
せるおそれがあるので、これらの不具合を避けるべくそ
の中間の値に弾性係数を定めるのが良い。
【0059】(3) 本発明は、上記のような複合研削盤に
限らず、少なくともフランジ部端面55を研削する装置
に適用できるものである。ただし、上記のような複合研
削盤では、ワーク内周面を良好に加工するにはワーク筒
部52を把持することが困難であるため、フランジ部5
4に引張力を与えてワーク50を保持する本発明装置は
特に有効なものとなる。
限らず、少なくともフランジ部端面55を研削する装置
に適用できるものである。ただし、上記のような複合研
削盤では、ワーク内周面を良好に加工するにはワーク筒
部52を把持することが困難であるため、フランジ部5
4に引張力を与えてワーク50を保持する本発明装置は
特に有効なものとなる。
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明は、ワークのフラン
ジ部に設けられている各貫通孔を利用し、このフランジ
部に径方向外側の引張力を与えることによりワークを保
持するようにしたものであるので、上記フランジ部に反
りを発生させることなく、すなわちこのフランジ部端面
を正常な状態に保ったまま、十分な力でワークを保持す
ることができ、この保持状態で上記フランジ部端面を精
度良く研削加工することができる効果がある。
ジ部に設けられている各貫通孔を利用し、このフランジ
部に径方向外側の引張力を与えることによりワークを保
持するようにしたものであるので、上記フランジ部に反
りを発生させることなく、すなわちこのフランジ部端面
を正常な状態に保ったまま、十分な力でワークを保持す
ることができ、この保持状態で上記フランジ部端面を精
度良く研削加工することができる効果がある。
【0061】ここで、請求項3記載の装置では、動力伝
達部をもつ軸方向作動部材がワーク軸方向に移動するの
に連動して各ワーク保持部材が径方向外側に移動するよ
うにしたものであるので、より簡単かつ簡素な構造でワ
ーク保持を行うことができ、装置を小型化及び低廉化す
ることができる効果がある。
達部をもつ軸方向作動部材がワーク軸方向に移動するの
に連動して各ワーク保持部材が径方向外側に移動するよ
うにしたものであるので、より簡単かつ簡素な構造でワ
ーク保持を行うことができ、装置を小型化及び低廉化す
ることができる効果がある。
【0062】より具体的に、請求項4記載の装置では、
上記軸方向作動部材に設けられた各爪部のテーパー面と
各ワーク保持部材に形成されたテーパー面とを接触させ
るだけの簡単な構造で、特に複雑な駆動伝達機構を設け
ることなく、各ワーク保持部材を軸方向作動部材に連動
させることができ、装置の小型化及び低廉化をさらに進
めることができる効果がある。
上記軸方向作動部材に設けられた各爪部のテーパー面と
各ワーク保持部材に形成されたテーパー面とを接触させ
るだけの簡単な構造で、特に複雑な駆動伝達機構を設け
ることなく、各ワーク保持部材を軸方向作動部材に連動
させることができ、装置の小型化及び低廉化をさらに進
めることができる効果がある。
【0063】請求項5記載の装置では、上記軸方向作動
部材を単一の軸方向作動部と上記爪部をもつ複数の動力
伝達片とに分割し、上記軸方向作動部に対して各動力伝
達片の爪部がワーク径方向に相対移動可能となるように
上記軸方向作動部と動力伝達片とをワーク軸方向に接触
させるようにしたものであるので、ワークにおける各貫
通孔の形成位置のバラツキ等に起因していずれかの挿入
部が他の挿入部よりも先にワーク貫通孔内周面に当接し
ても、この挿入部に対応する爪部と上記軸方向作動部と
の相対変位を伴いながらさらに軸方向作動部材を軸方向
に移動させて他の挿入部もワーク貫通孔に接触させるこ
とができ、これによりワーク保持をより確実なものにす
ることができる効果がある。
部材を単一の軸方向作動部と上記爪部をもつ複数の動力
伝達片とに分割し、上記軸方向作動部に対して各動力伝
達片の爪部がワーク径方向に相対移動可能となるように
上記軸方向作動部と動力伝達片とをワーク軸方向に接触
させるようにしたものであるので、ワークにおける各貫
通孔の形成位置のバラツキ等に起因していずれかの挿入
部が他の挿入部よりも先にワーク貫通孔内周面に当接し
ても、この挿入部に対応する爪部と上記軸方向作動部と
の相対変位を伴いながらさらに軸方向作動部材を軸方向
に移動させて他の挿入部もワーク貫通孔に接触させるこ
とができ、これによりワーク保持をより確実なものにす
ることができる効果がある。
【0064】請求項6記載の装置では、ワーク周方向に
並べて設けられた複数の芯出し部材を上記ワークのフラ
ンジ部外周面と接触させ、各芯出し部材にワーク径方向
内側に向かう位置決め移動力を付与することにより、上
記ワーク保持片で保持されるワークの芯出しを行うよう
にしたものであるので、上記ワークをより正確な位置に
保持することができ、これによって研削加工精度をさら
に高めることができる効果がある。
並べて設けられた複数の芯出し部材を上記ワークのフラ
ンジ部外周面と接触させ、各芯出し部材にワーク径方向
内側に向かう位置決め移動力を付与することにより、上
記ワーク保持片で保持されるワークの芯出しを行うよう
にしたものであるので、上記ワークをより正確な位置に
保持することができ、これによって研削加工精度をさら
に高めることができる効果がある。
【0065】より具体的に、請求項7記載の装置では、
各ワーク保持部材が径方向外側に移動する向きにワーク
軸方向に沿って移動するのに連動して、上記軸方向作動
部材と各芯出し部材の対向部と上記軸方向作動部材の外
周部との間に介在する弾性部材をワーク軸方向に変形さ
せながら各芯出し部材がワーク径方向内側に移動するよ
うにしているので、ワーク保持部材の駆動手段と芯出し
部材の駆動手段との共通化により構造をさらに簡素化す
るとともに、ワーク保持動作と同期した好適なタイミン
グで確実に芯出し部材を作動させることができる効果が
ある。しかも、上記芯出し部材がフランジ部外周面に接
触した後、上記弾性部材の圧縮により上記位置決め移動
力の増大を規制するようにしているので、フランジ部に
対して径方向外側から内側へ過度の力が与えられてフラ
ンジ部が変形するのを防ぐことができ、良好な研削を保
つことができる。
各ワーク保持部材が径方向外側に移動する向きにワーク
軸方向に沿って移動するのに連動して、上記軸方向作動
部材と各芯出し部材の対向部と上記軸方向作動部材の外
周部との間に介在する弾性部材をワーク軸方向に変形さ
せながら各芯出し部材がワーク径方向内側に移動するよ
うにしているので、ワーク保持部材の駆動手段と芯出し
部材の駆動手段との共通化により構造をさらに簡素化す
るとともに、ワーク保持動作と同期した好適なタイミン
グで確実に芯出し部材を作動させることができる効果が
ある。しかも、上記芯出し部材がフランジ部外周面に接
触した後、上記弾性部材の圧縮により上記位置決め移動
力の増大を規制するようにしているので、フランジ部に
対して径方向外側から内側へ過度の力が与えられてフラ
ンジ部が変形するのを防ぐことができ、良好な研削を保
つことができる。
【0066】以上の各装置では、上述のようにフランジ
部に径方向外側の引張を与えることによりワークが保持
されるため、ワーク内周面の変形もほとんど伴わず、従
って請求項8記載のように上記研削装置が上記ワークの
フランジ部端面とワーク内周面とを同時に研削する複合
研削盤に用いることにより、特に顕著な効果を得ること
ができる。
部に径方向外側の引張を与えることによりワークが保持
されるため、ワーク内周面の変形もほとんど伴わず、従
って請求項8記載のように上記研削装置が上記ワークの
フランジ部端面とワーク内周面とを同時に研削する複合
研削盤に用いることにより、特に顕著な効果を得ること
ができる。
【図1】本発明の第1実施例におけるワーク保持装置の
内部構造を示す図であって図6のA−A線断面図であ
る。
内部構造を示す図であって図6のA−A線断面図であ
る。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】(a)は(b)のB−B線断面図、(b)は上
記ワーク保持装置に設けられる引き金の正面図である。
記ワーク保持装置に設けられる引き金の正面図である。
【図4】上記ワーク保持装置に設けられるベースの正面
図である。
図である。
【図5】図2のC−C線断面図である。
【図6】図2のD矢視図である。
【図7】(a)は従来のワーク保持装置におけるワーク
保持状態を示す模式断面図、(b)は上記実施例におけ
るワーク保持装置におけるワーク保持状態を示す模式断
面図である。
保持状態を示す模式断面図、(b)は上記実施例におけ
るワーク保持装置におけるワーク保持状態を示す模式断
面図である。
【図8】本発明の第2実施例におけるワーク保持装置の
要部を示す断面側面図である。
要部を示す断面側面図である。
10,12,14 本体ブロック(装置本体を構成) 16 ピストン(軸方向作動部材を構成) 24 引き金(軸方向作動部材を構成) 30 受け部材(規制部材を構成) 34 爪付きプレート(軸方向作動部材を構成) 38 腕部(動力伝達片) 40 爪部 40a 爪部のテーパー面 42 ワーク保持片(ワーク保持部材) 42a ワーク保持片のテーパー面 46 挿入ピン(挿入部) 48 バッキングプレート(規制部材を構成) 50 ワーク 54 フランジ部 55 フランジ部端面 56 ボルト挿通孔(貫通孔) 60 対向部材 62 芯出し爪 64 圧縮ばね(弾性部材)
Claims (8)
- 【請求項1】 径方向外側に突出するフランジ部を有し
かつこのフランジ部に複数の貫通孔が周方向に並べて設
けられたワークの上記フランジ部端面を研削する研削装
置におけるワーク保持方法であって、上記ワークの各貫
通孔にワーク保持部材を係合し、これらワーク保持部材
を同時にワーク径方向外側に移動させることにより上記
フランジ部に径方向外側への引張力を与えることを特徴
とする研削装置におけるワーク保持方法。 - 【請求項2】 径方向外側に突出するフランジ部を有し
かつこのフランジ部に複数の貫通孔が周方向に並べて設
けられたワークの上記フランジ部端面を研削する研削装
置におけるワーク保持装置であって、保持装置本体と、
この保持装置本体に上記ワークの径方向に移動可能に取
付けられ、上記ワークの各貫通孔に挿入可能な挿入部が
それぞれ設けられた複数のワーク保持部材と、これらの
ワーク保持部材の挿入部が上記ワークの各貫通孔に挿入
された状態で各ワーク保持部材を上記ワークの径方向外
側に移動させる保持駆動手段とを備えたことを特徴とす
る研削装置におけるワーク保持装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の研削装置におけるワーク
保持装置において、上記保持駆動手段として、上記ワー
クの軸方向に移動し、かつこの軸方向移動力を各ワーク
保持部材の径方向移動力に変換する動力伝達部をもつ軸
方向作動部材を備えたことを特徴とする研削装置におけ
るワーク保持装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の研削装置におけるワーク
保持装置において、各ワーク保持部材のワーク軸方向及
びワーク周方向への移動を規制する規制部材を備えると
ともに、上記動力伝達部として、上記軸方向作動部材に
おいて各ワーク保持部材に対応する位置に上記ワークの
軸方向に対して傾斜するテーパー面をもつ爪部を設け、
各ワーク保持部材に上記爪部のテーパー面と接触するテ
ーパー面を形成したことを特徴とする研削装置における
ワーク保持装置。 - 【請求項5】 請求項4記載の研削装置におけるワーク
保持装置において、上記軸方向作動部材を、単一の軸方
向作動部と上記爪部をもつ複数の動力伝達片とに分割
し、上記軸方向作動部に対して上記爪部がワーク径方向
に移動可能となるように上記軸方向作動部と各動力伝達
片とをワーク軸方向に接触させたことを特徴とする研削
装置におけるワーク保持装置。 - 【請求項6】 請求項2記載の研削装置におけるワーク
保持装置において、上記ワークのフランジ部外周面と接
触することによりこのワークを所定の芯出し位置に位置
決めする複数の芯出し部材をワーク周方向に並べて設け
るとともに、ワーク径方向内側に向かう位置決め移動力
を各芯出し部材に付与する位置決め力付与手段を備えた
ことを特徴とする研削装置におけるワーク保持装置。 - 【請求項7】 請求項3〜5のいずれかに記載の研削装
置におけるワーク保持装置において、上記ワークのフラ
ンジ部外周面と接触することによりこのワークを所定の
芯出し位置に位置決めする複数の芯出し部材をワーク周
方向に並べて設けるとともに、各芯出し部材に上記軸方
向作動部材の外周部に対してワーク軸方向に向い合う対
向部を設け、この対向部と上記軸方向作動部材の外周部
との間にワーク軸方向に弾性変形可能な弾性部材を介在
させ、各芯出し部材が上記軸方向作動部材とともに各ワ
ーク保持部材が径方向外側に移動する向きにワーク軸方
向に沿って移動するのに伴ってこれら芯出し部材をワー
ク径方向内側に移動させる動力変換手段を備えたことを
特徴とする研削装置におけるワーク保持装置。 - 【請求項8】 請求項2〜6のいずれかに記載の研削装
置におけるワーク保持装置において、上記研削装置が上
記ワークのフランジ部端面とワーク内周面とを同時に研
削する複合研削盤であることを特徴とする研削装置にお
けるワーク保持装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6018356A JPH07227749A (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 研削装置におけるワーク保持方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6018356A JPH07227749A (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 研削装置におけるワーク保持方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07227749A true JPH07227749A (ja) | 1995-08-29 |
Family
ID=11969418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6018356A Pending JPH07227749A (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 研削装置におけるワーク保持方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07227749A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015100857A (ja) * | 2013-11-21 | 2015-06-04 | ミネベア株式会社 | コレットチャック装置 |
CN118219079A (zh) * | 2024-04-22 | 2024-06-21 | 浙江金讯智能科技有限公司 | 一种rv准双面减速机用轴套加工设备 |
-
1994
- 1994-02-15 JP JP6018356A patent/JPH07227749A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015100857A (ja) * | 2013-11-21 | 2015-06-04 | ミネベア株式会社 | コレットチャック装置 |
CN118219079A (zh) * | 2024-04-22 | 2024-06-21 | 浙江金讯智能科技有限公司 | 一种rv准双面减速机用轴套加工设备 |
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