JPH0720707Y2 - 掲示板等昇降機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、学校の教室等に設置さ
れる上下二段の比較的大きな掲示板や黒板、スクリ−
ン、家具、建具、間仕切り、看板、サイン、フェンス、
その他しばしば昇降させる必要のある物に取り付け、こ
れ等を容易に昇降可能にするための機構に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】例えば、学校の教室、殊に小・中学校の
教室には、生徒の絵や習字その他の作品等を掲示するた
めの大きな掲示板が設置される。図４はその設置例を示
すもので、下部に生徒のカバンや道具等を収納する整理
棚１１が設置され、その上に、黒板１２を挾んで小さめ
の掲示板１３、１３が配備され、更にその上に横長の大
きな掲示板１４が設置されている。この設置例において
は、上側の掲示板１４に掲示物を画鋲等で止め付ける作
業は、整理棚１１の上に乗って行なわれていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上述したように、従来
は上部の掲示板１４への掲示物取付作業を整理棚１１の
上に乗って行なっていたが、整理棚１１は奥行が余りな
いので、上記作業中作業者が整理棚１１から落ちてケガ
をする危険があった。本考案はかかる事情に鑑みてなさ
れたもので、上記落下の危険がなく、掲示物取付作業を
床面において安全且つ簡単になすことを可能にし、その
他しばしば昇降させる必要のある種々の物に取り付け可
能であって、それ等の昇降動作を簡便化し得る掲示板等
昇降機構を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本考案は、壁面に固定さ
れる基体の下部左右に回動ア−ムの下部を枢支する枢支
板を設置し、前記枢支板における枢支部から前記基体ま
での距離が前記枢支部から前記回動ア−ムの下端までの
距離よりも長くなるようになし、前記回動ア−ムの上端
間に掲示板等に固定される固定板を枢着し、前記基体の
上部左右にスプリング取付部を設置し、前記各スプリン
グ取付部にガススプリングの上端を枢着し、前記ガスス
プリングの下端は、それぞれ、前記回動ア−ムの下部間
に渡した連結材に接続して成る掲示板等昇降機構、を以
て上記課題を解決した。

【０００５】

【作 用】掲示板等の下部を下に引くと、枢支板の枢支
点を軸に回動ア−ムが回動し、掲示板等が下降する。掲
示板等は回動ア−ムの上端に固定板を介して枢支されて
いるので、移動中掲示板等は垂直状態を維持する。ま
た、ガススプリングの作用でバランスが取られるため、
掲示板等は任意の位置で停止させることができる。

【０００６】

【実施例】本考案の好ましい実施例を添付図面に依拠し
て説明する。図１は掲示板１を手前に少し引き出した状
態の斜視図、図２は掲示板１が上部定位置にあるときの
側面図、図３は掲示板１の動きを示す側面図である。

【０００７】図中２は平板状ないし枠フレ−ム状の基体
で、壁面３に固定される。基体２の下部両側には、一対
の回動ア−ム４、４を枢支する枢支板５、５が固定され
る。枢支板５、５における回動ア−ム枢支点から基体２
までの距離は、回動ア−ム４、４の枢支点から回動ア−
ム４、４の下端までの距離よりも長くなるように設定さ
れる。即ち、回動ア−ム４、４が図２に示すような直立
状態から、その下端が基体２に接触することなく１８０
度前後回動できるようにされる。

【０００８】回動ア−ム４、４の上端部には掲示板固定
板６が枢着され、また、それらの下端部は連結材７によ
り連結される。掲示板固定板６は、掲示板１の上端中央
部に固定される。基体２の上端部両側には、スプリング
取付部８、８が固定され、それらにガススプリング９、
９の一端が枢着される。そして、ガススプリング９、９
の下端は、それぞれ連結材７に取り付けられる。ガスス
プリング９、９は、車のバックドア等に利用されている
ものである。なお、図３における１０は整理棚を示す。

【０００９】上記構成において、掲示板１に生徒の作品
を画鋲やテ−プを用いて止め付ける等に際しては、図２
に示す状態から掲示板１の下端部ないし把持部を持って
下方に引張る。すると、掲示板固定板６を介して回動ア
−ム４、４に手前側への回動力が加わり、回動ア−ム
４、４はその枢支板５、５への枢着点を中心に手前側へ
回動する。その結果掲示板１は、円弧状の軌跡を描いて
下方に移動する（図３参照）。掲示板１は回動ア−ム
４、４上端に枢支された掲示板固定板６に固定されてい
るので、上記移動の際垂直状態を維持する。

【００１０】掲示物止め付け後は、掲示板１を押し上げ
れば、上記したところと逆の動作にて元の位置に戻すこ
とができる。上記掲示板１の上昇並びに下降動作の際、
掲示板１は任意の位置に停止させることができる。即
ち、枢支板５における支点５ａから掲示板１までの距離
をｌ₁、支点５ａから連結棒７までの距離をｌ₂ 、掲示
板１の重量をＷ、そしてガススプリング９、９による連
結棒７引張力をＰとした場合、ガススプリング９の作用
で常にＷｌ₁ ＝Ｐｌ₂ の関係が成り立つ。従って、掲示
板１の上昇ないし下降動作の際、どの位置で掲示板１か
ら手を離しても上記関係が成り立つため、掲示板１はそ
の位置で停止する。

【００１１】通常の学校の教室における掲示板はかなり
横長であるので（図４参照）、これを２ないし３分割
し、それぞれに上記構成を設置することとすることが望
ましい。なお、以上は掲示板についての説明であった
が、本考案に係る構成は、上下二段の黒板やスクリ−
ン、あるいは、昇降式のドア、家具、建具、間仕切り、
フェンス、看板、サイン、その他しばしば昇降させる必
要のある物にも利用することができる。

【００１２】

【考案の効果】本考案は上述した通りであって、構成簡
易であり、本考案によれば高所にある掲示板を簡単に下
降させることができるので、掲示物の取付作業等を床面
において落着いて安全且つ迅速に行なうことができる効
果があり、掲示板だけでなく、上下二段の黒板やスクリ
−ン、その他種々の物に利用し得る非常に有用なもので
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の実施例の斜視図である。

【図２】 本考案の実施例の側面図である。

【図３】 本考案の実施例における掲示板の移動状況を
示す側面図である。

【図４】 従来の掲示板の設置例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 掲示板 ２ 基体 ３ 壁面 ４ 回動ア−ム ５ 枢支板 ６ 掲示板固定板 ７ 連結材 ８ スプリング取付部 ９ ガススプリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 壁面に固定される基体の下部左右に回動
   ア−ムの下部を枢支する枢支板を設置し、前記枢支板に
   おける枢支部から前記基体までの距離が前記枢支部から
   前記回動ア−ムの下端までの距離よりも長くなるように
   なし、前記回動ア−ムの上端間に掲示板等に固定される
   固定板を枢着し、前記基体の上部左右にスプリング取付
   部を設置し、前記各スプリング取付部にガススプリング
   の上端を枢着し、前記ガススプリングの下端は、それぞ
   れ、前記回動ア−ムの下部間に渡した連結材に接続して
   成る掲示板等昇降機構。