JPH07202368A - 印刷回路用高高温伸び銅箔 - Google Patents

印刷回路用高高温伸び銅箔

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JPH07202368A
JPH07202368A JP34950893A JP34950893A JPH07202368A JP H07202368 A JPH07202368 A JP H07202368A JP 34950893 A JP34950893 A JP 34950893A JP 34950893 A JP34950893 A JP 34950893A JP H07202368 A JPH07202368 A JP H07202368A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銅張積層板製造後、銅箔の破れの発生を抑制
できる印刷回路用高高温伸び銅箔の開発。 【構成】 高高温伸び銅箔の光沢面側の粗さを中心線平
均粗さRaで表してRa:0.15μm以下に低減さ
せ、平滑化した光沢面を具備することを特徴とする印刷
回路用高高温伸び銅箔。銅箔光沢面側の粗さをRa:
0.15μm以下に低減することにより、この銅箔を用
いた銅張積層板は表面の粗さが低く、樹脂粉等の異物が
入り込んでも、ひっかかりが少なく、銅箔中に食い込み
にくくなり、また、銅箔光沢面の山どうしのひっかかり
も少なく、銅箔の破れの発生が抑制される。光沢面粗さ
を低減するには、生箔製造用ドラムの研磨を細かくす
る、光沢面側に銅や亜鉛のめっきを施す、光沢面側をエ
ッチングする等の方法がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷回路用高高温伸び
銅箔に関するものであり、特には、銅張積層板の製造工
程中および製造後に、銅箔の破れが発生しないよう光沢
面側の粗さを低減させ、平滑化した印刷回路用高高温伸
び銅箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】銅及び銅合金箔(以下、銅箔と称する)
は、電器・電子関連産業の発展に大きく寄与しており、
特に印刷回路材として不可欠の存在となっている。印刷
回路用銅箔は一般に、合成樹脂ボード、フィルム等の基
材に接着剤を介して或いは接着剤を使用せずに高温高圧
下で積層接着して銅張積層板を製造し、その後目的とす
る回路を形成するべく必要な回路を印刷した後、不要部
を除去するエッチング処理が施される。最終的に、所要
の素子が半田付けされて、エレクトロニクスデバイス用
の種々の印刷回路板を形成する。印刷回路板用銅箔に対
する品質要求は、樹脂基材と接着される面(粗化面)と
非接着面(光沢面)とで異なり、それぞれに多くの方法
が提唱されている。
【0003】銅張積層板の製造方法としては、ホットプ
レス法や近時では連続法が採用されている。例えば、ホ
ットプレス法による紙基材フェノール樹脂銅張積層板の
製造を例にとると、フェノール樹脂の合成、紙基材への
フェノール樹脂の含浸及び乾燥を行ってプリプレグを製
造し、最後に、所定数量のプリプレグと銅箔とを組み合
わせ、多段式プレス機により熱圧成形を行い、解板、耳
切りを行い、次工程へと送られる。連続法の場合、片面
銅張積層板及び両面銅張積層板が製造されている。例え
ば、紙基材ポリエステル樹脂銅張積層板の場合、複数個
のロール状原紙から原紙が繰り出され、それぞれ個別に
紙処理、樹脂含浸工程を経て、複数枚の樹脂含浸紙はロ
ール対によって積層される。次いで接着剤塗布工程を経
た銅箔、片面の場合は銅箔とキャリアがラミネートされ
る。この積層およびラミネート工程で製品厚みを制御す
る。次に硬化炉へ送り込まれ、樹脂の硬化反応が起こ
り、硬化する。硬化後定尺切断、アフターキュアおよび
端面の研摩工程を経て、さらに外観検査、特性検査を実
施し製品となる。原紙、銅箔およびキャリアなどのロー
ル状原料は、逐次新しいロールへ接続され、継続的な運
転が実施される。片面と両面の相違点は、片面の場合、
下方よりキャリアフィルムを繰り出し、樹脂硬化後この
キャリアを引き剥し、巻取るのに対し、両面の場合は下
方からも接着剤塗布工程を経て銅箔を繰り出す点であ
り、その他の工程は、片面も両面も同等である。
【0004】銅張積層板製造時に、樹脂含浸基材が絶縁
層となる際の硬化収縮や樹脂の熱膨張などの樹脂の動き
による絶縁層内部の歪の発生、及びこれに伴う印刷回路
板の反りやねじれの発生を抑制するためには、高温時の
伸び率の高い銅箔を用いればよいことが知られている。
例えば、特開平5−243698号の記載に従えば、
「従来の金属箔張り積層板の連続製造方法において用い
られている金属箔は、高温時の伸び率が小さい。たとえ
ば180℃での伸び率が1〜8%程度である。このため
樹脂含浸基材が絶縁層となる際の硬化収縮や樹脂の熱膨
張など樹脂の動きに追従できず絶縁層内部に歪みが生じ
やすくなる。この歪みが金属箔張り積層板に反りやねじ
れ現象を起こさせる。特に、長尺の金属箔を用いて連続
的に製造された金属箔張り積層板では、その製造時に金
属箔を常に引張りながら積層一体化するため伸び率が小
さいと緩和しろが少ないため一層著しい反りやねじれ現
象を起こさせる。また、両面金属箔張り積層板の場合、
片面の金属箔のみを除去すると、絶縁層の歪みのために
反り、ねじれが大きくなる。また、絶縁層内部の歪みの
ため、金属箔を除去した時の寸法変化率が大きくなるな
どの問題を有していた。」として、「連続的に製造され
る金属箔張り積層板の反り、ねじれの少ないものを、さ
らに寸法安定性に優れたものとなる金属箔張り積層板及
びその製造方法を提供すること」を課題として、150
℃〜200℃での金属箔の伸び率が10〜50%である
金属箔を用いることを記載している。
【0005】銅箔の場合、180℃引張り:抗張力10
〜20kg/mm2 、伸び:10〜50%の、例えばS
TCS箔(日鉱グールド・フォイル(株)製)と呼ばれ
る高高温伸び銅箔が得られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の高高温伸び銅
箔は、回路板製造時にかかる熱により再結晶がおこり、
硬度が低下してしまう。従来からの印刷回路用高高温伸
び銅箔では、銅張積層板製造後、積載搬送時の振動等で
回路板が動く際、例えば切断時に発生した樹脂粉等の異
物が引っかかり、銅箔中に食い込みやすくなるため、銅
箔の破れが発生しやすくなるという問題点があった。ま
た、両面銅張積層板の場合、光沢面側の山どうしの引っ
かかりでも同様の銅箔の破れが発生しやすかった。
【0007】本発明は上記の欠点を解決することを課題
としたものである。即ち、本発明の課題は、銅張積層板
製造後、銅箔の破れの発生を抑制できる印刷回路用高高
温伸び銅箔を開発することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記欠点を解決するた
め、本発明者等が鋭意検討した結果、銅張積層板製造後
に露出する面、すなわち、光沢面側は一見平滑には見え
るがまだなお表面に粗さが残存しており、これが樹脂粉
等の異物の引っかかりや光沢面側の山どうしの引っかか
りの原因となり、高高温伸び銅箔の光沢面側の粗さを中
心線平均粗さRaで表してRa:0.15μm以下に低
減させることにより、こうした引っかかりを激減させる
ことができ、銅箔の破れの発生を抑制できることを見出
した。この知見に基づき、本発明は、高高温伸び銅箔の
光沢面側の粗さを中心線平均粗さRaで表してRa:
0.15μm以下に低減させ、平滑化した光沢面を具備
することを特徴とする印刷回路用高高温伸び銅箔を提供
する。
【0009】
【作用】印刷回路用高高温伸び銅箔の光沢面側の粗さを
中心線平均粗さRaで表してRa:0.15μm以下に
低減させることにより、この銅箔を用いて製造された銅
張積層板は、表面の粗さが低くなるため、樹脂粉等の異
物が入り込んでも、ひっかかりが少なく、コロの様な働
きをし、銅箔中に食い込みにくくなる。また、銅箔光沢
面の山どうしのひっかかりも少なくなる。従って、銅箔
の破れの発生が抑制される。印刷回路用銅箔の光沢面側
の粗さを低減させるには、電解銅箔生箔製造用ドラムの
研磨を細かくする、光沢面側にめっきを施す、光沢面側
をエッチングする等を含む幾つかの方法が存在する。
【0010】
【発明の具体的な説明】本発明において使用する銅箔
は、高高温伸び銅箔である。高高温伸び銅箔は、180
℃引張り:抗張力10〜20kg/mm2 、伸び:10
〜50%により特性付けられるものであり、例えば日鉱
グールド・フォイル(株)製のSTCS箔が例示され
る。
【0011】本発明自体は高高温伸び銅箔の光沢面に関
与するが、参考までに銅箔粗化面についても述べてお
く。通常、銅箔の、樹脂基材と接着する面即ち粗化面に
は積層後の銅箔の引き剥し強さを向上させることを目的
として、脱脂後の銅箔の表面に例えば銅のふしこぶ状の
電着を行なう銅粗化処理が施される。こうした銅のふし
こぶ状の電着はいわゆるヤケ電着により容易にもたらさ
れる。銅粗化処理の例としては、例えば次の条件が採用
され得る。 〔銅粗化処理条件〕 Cu :5〜50g/l H2 SO4 :10〜100g/l As :0.01〜5g/l 液温 :室温〜50℃ Dk :5〜80A/dm2 時間 :1〜30秒
【0012】粗化処理後に、粒子の脱落を防止するため
のかぶせ層として薄い銅めっきが行われる。例えば次の
条件が採用され得る。 〔かぶせ銅薄層めっき条件〕 Cu :30〜100g/l H2 SO4 :10〜200g/l 液温 :室温〜75℃ Dk :5〜60A/dm2 時間 :1〜30秒
【0013】粗化面にCu、Cr、Ni、Fe、Co及
びZnから選択される1種乃至2種以上の単一金属層又
は合金層を形成するトリート処理を行なうことが好まし
い。合金めっきの例としては、Cu−Ni、Cu−C
o、Cu−Ni−Co、Cu−Znその他を挙げること
が出来る(詳細は、特公昭56−9028号、特開昭5
4−13971号、特開平2−292895号、特開平
2−292894号、特公昭51−35711号、特公
昭54−6701号等を参照のこと)。こうしたトリー
ト処理は、銅箔の最終性状を決定するものとしてまた障
壁としての役割を果たす。
【0014】さて、本発明が関係する光沢面において
は、まず光沢面の平滑性を更に向上するための表面粗さ
低減処理が施される。引っかかりを低減し、銅箔の破れ
の発生を抑制するには、中心線平均粗さRa:0.15
μm以下に低減させることが必要である。これは、例え
ば銅めっき或いは亜鉛めっきを行うことにより或いはエ
ッチングを行うことにより実施される。銅めっき及び亜
鉛めっきの条件例を挙げておく。 〔Cuめっき条件〕 Cu :30〜100g/l H2 SO4 :10〜200g/l 温度 :室温〜75℃ Dk :0.5〜60A/dm2 時間 :1〜30秒 〔Znめっき条件〕 Zn :15〜70g/l pH :2.5〜4.5g/l 温度 :40〜60℃ Dk :0.05〜2A/dm2 時間 :1〜10秒 付着量は通常0.01〜20mg/dm2 、好ましくは
0.05〜10mg/dm2 、特には0.5〜5mg/
dm2 である。この銅めっきによって元の銅箔光沢面に
点在した0.1〜0.3μm範囲のピットは完全に消失
し、全面がめっき操作によって生成した微粒銅乃至亜鉛
で覆われていることが30,000倍の走査電子顕微鏡
(SEM)像で確認された。
【0015】光沢面の平滑性を更に向上するための表面
粗さ低減処理として、エッチングも有用である。このエ
ッチングにおいては、特にエッチングの浴種、方法等を
限定するものではない。エッチング方法としては、乾式
(ブラスト、イオン照射)と湿式(化学的方法、電気化
学的方法)に大別されるが、精度、経済性等から、化学
エッチングが最も便宜である。エッチング浴種について
も特に限定するものではないが、銅材等のエッチング液
として良く知られている過硫酸アンモンの水溶液、硫酸
−過酸化水素水溶液等が好適である。エッチング量は、
充分の平滑性を創出できればよく、エッチング液の濃
度、浴温、時間、撹拌状態等によって決まる。一般に、
0.01〜2.5μmのエッチング量で充分である。こ
のための過硫酸アンモンの濃度、浴温、時間、撹拌条件
は一義的には定められないが、過硫酸アンモン濃度:1
0g/l、浴温:25℃、液撹拌線速:1m/秒、及び
エッチング時間:5秒の条件で、エッチング量は0.0
3μmとなる。エッチング液がH22 /H2 SO4
2 O比(wt%)=20.7/2.6/76.7の場
合、エッチング量:2μ程度で好結果が得られた。
【0016】この他、銅箔製造時の銅が電着するドラム
の研磨を細かくすることが推奨される。通常#400研
磨ベルト仕上げを#1000研磨ベルト仕上げに変更す
ることにより、高高温伸び銅箔表面の平滑化が図れる。
【0017】この後、必要に応じて耐熱酸化処理を施
す。耐熱酸化処理は、公知の方法のいずれをも使用する
ことができる。例えば、Znめっきがその代表例であ
る。その電解条件を挙げておく。 〔Znめっき条件〕 ZnSO4 ・7H2 O:50〜350g/l pH(硫酸) :2.5〜4.5 液温 :40〜60℃ Dk :0.05〜0.4A/dm2 時間 :10〜30秒 Zn付着量は一般に15〜1500μg/dm2 、好ま
しくは15〜400μg/dm2 とされる。
【0018】この他、耐熱酸化性(大気中、100℃以
上×30分、好ましくは200℃以上×30分、特に好
ましくは240℃以上×30分の条件の下で酸化等の変
色を防止すること)を高めるためにZnとNi、Co、
V、W、Mo、Sn、Cr等から選択される1種以上の
金属よりなるZn合金めっき処理等が提唱され、成果を
おさめている。
【0019】例えば、Zn−Ni合金処理を例にとる
と、これは、好ましくはZn−Ni電解めっき浴を使用
して、好ましくは50〜97重量%Zn及び3〜50重
量%Niの組成のZn−Ni合金層を100〜500μ
g/dm2 の付着量でごく薄く形成するようにして実施
される。Ni量が3重量%未満では耐熱酸化性の所要の
向上が得られない。他方Ni量が50重量%を超える
と、半田濡れ性が悪化すると共に、耐熱酸化性もまた悪
化する。Zn−Ni合金層の付着量が100μg/dm
2 未満では、耐熱酸化性の向上が得られない。他方50
0μg/dm2 を超えると、Zn等の拡散により導電性
が悪化する。Zn−Ni合金層は銅箔光沢面の耐熱酸化
性を高め、しかも半田濡れ性、レジスト密着性といった
他の特性を損なうことはない。付着量は外観が銅色とあ
まり変わらないようにするためにも上記のような薄いも
のとされる。Zn−Co合金処理についても同様であ
る。
【0020】Zn−Niめっき浴及びZn−Coめっき
浴の組成及び条件例は次の通りである: 〔Zn−Ni(乃至Zn−Co)めっき浴条件〕 Zn :5〜50g/l Ni(乃至Co):1〜50g/l pH :2.5〜4 温度 :30〜60℃ 電流密度 :0.5〜5A/dm2 めっき時間 :0.1〜10秒
【0021】その後、こうした耐熱酸化処理層の上又は
耐熱酸化処理層のない光沢面にCr系防錆処理が施され
る。Cr系防錆層とは、(1)クロム酸化物の単独皮膜
処理或いは(2)クロム酸化物と亜鉛及び(又は)亜鉛
酸化物との混合皮膜処理或いは(3)それらの組合せに
より形成されたクロム酸化物を主体とする防錆層を云
う。
【0022】クロム酸化物の単独皮膜処理に関しては、
浸漬クロメート又は電解クロメートいずれでも良い。耐
候性が要求されるときには、電解クロメートが好まし
い。浸漬クロメート或いは電解クロメートの条件は斯界
で確立されている条件に従う。例えば、浸漬クロメート
及び電解クロメート処理の条件例は次の通りである: (A)浸漬クロメート処理: K2 Cr27 :0.5〜1.5g/l pH :1.4〜5.0 温度 :20〜60℃ 時間 :3〜10秒 (B)電解クロメート処理: K2 Cr27 :0.2〜20g/l (Na2 Cr27 ,CrO3 ) 酸 :りん酸,硫酸,有機酸 pH :1.0〜3.5 液温 :20〜40℃ Dk :0.1〜0.5A/dm
2 時間 :10〜60秒 Cr付着量は、50μg/dm2 以下、好ましくは15
〜30μg/dm2 である。
【0023】クロム酸化物と亜鉛/亜鉛酸化物との混合
物皮膜処理とは、亜鉛塩又は酸化亜鉛とクロム酸塩とを
含むめっき浴を用いて電気めっきにより亜鉛又は酸化亜
鉛とクロム酸化物とより成る亜鉛−クロム基混合物の防
錆層を被覆する処理であり、電解亜鉛・クロム処理と呼
ばれる。めっき浴としては代表的に、K2 Cr27
Na2 Cr27 等の重クロム酸塩やCrO3 等の少な
くとも一種と、水溶性亜鉛塩、例えばZnO、ZnSO
4 ・7H2 O等少なくとも一種と、水酸化アルカリとの
混合水溶液が用いられる。代表的なめっき浴組成と電解
条件例は次の通りである: (C)電解亜鉛・クロム処理 K2 Cr27 (Na2 Cr27 又はCrO3 ) :2〜10g/l NaOH又はKOH :10〜50g/l ZnO又は ZnSO4 ・7H2 O:0.05〜10g/l pH :7〜13 浴温 :20〜80℃ 電流密度 :0.05〜5A/dm2 時間 :5〜30秒 アノード :Pt−Ti板、ステンレス鋼板
等 クロム酸化物はクロム量として15μg/dm2 以上そ
して亜鉛は30μg/dm2 以上の被覆量が要求され
る。粗面側と光沢面側とで厚さを異ならしめても良い。
こうした防錆方法は、特公昭58−7077、61−3
3908、62−14040等に記載されている。クロ
ム酸化物単独の皮膜処理及びクロム酸化物と亜鉛/亜鉛
酸化物との混合物皮膜処理の組合せも有効である。
【0024】最後に、必要に応じ、銅箔と樹脂基板との
接着力の改善を主目的として、防錆層上の少なくとも粗
化面にシランカップリング剤を塗布するシラン処理が施
される。塗布方法は、シランカップリング剤溶液のスプ
レーによる吹付け、コーターでの塗布、浸漬、流しかけ
等いずれでもよい。例えば、特公昭60−15654号
は、銅箔の粗面側にクロメート処理を施した後シランカ
ップリング剤処理を行なうことによって銅箔と樹脂基板
との接着力を改善することを記載している。詳細はこれ
を参照されたい。
【0025】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。なお、各実施例及び比較例で得られ
た印刷回路板の評価方法は次による。 1.表面粗さ測定 装置:粗さ計:コサカ製;万能表面形状測定機(SE3
C) 2.銅箔の破れ 8cm×8cm、9cm×8cmの基板を用意し(以
下、それぞれ基板A,基板Bとする)、基板Aを下に固
定し、その上にひもを付けた基板Bを置く。その上に、
15kgの錘を載せる。その後、基板Bを50mm/秒
の一定速度で、50mm引っ張る。この時、基板A及び
基板B(初めに接触していた8cm×8cm部)に発生
した破れの個数の和を測定する。
【0026】(実施例1)厚さ18μmの高高温伸び銅
箔(STCS箔:日鉱グールド・フォイル(株)製)の
光沢面にCu:45g/l、H2 SO4 :100g/
l、温度:40℃の電解液を用い、電流密度1A/dm
2 で2.2秒電解を行い、厚さ約0.02μmの銅めっ
きを施した。そして、この銅めっき上にCrO3 :5g
/l、ZnSO4 ・7H2 O:5g/l、NaOH:2
0g/l、pH=10、温度:60℃の電解亜鉛・クロ
ム防錆液を用い、電流密度0.6A/dm2 で12秒電
解を行った。そして、この銅箔の光沢面の表面粗さを測
定した。また、この銅箔を170℃×20分の熱処理に
より、ガラス−エポキシ樹脂基板に接着させ、銅張積層
板を得た後、上記銅箔破れの評価を行った。結果を表1
に示す。
【0027】(実施例2)実施例1の銅めっき液をZ
n:20g/l、pH=3.5、温度:40℃の硫酸酸
性亜鉛めっき液とし、めっき条件を電流密度1.1A/
dm2 で1.1秒に代え、防錆めっきを省いた以外は実
施例1と同様に行って、サンプルを作成し、同様の評価
を行った。結果を表1に示す。
【0028】(比較例)実施例1のめっき工程を省いた
以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1より光沢面の粗さを中心線平均粗さR
aで表してRa:0.15μm以下に低減させることに
より、破れの発生を大幅に抑制することができることが
確認される。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、印
刷回路板製造後、高高温伸び銅箔の破れの発生を抑制で
きるという利点がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高高温伸び銅箔の光沢面側の粗さを中心
    線平均粗さRaで表してRa:0.15μm以下に低減
    させ、平滑化した光沢面を具備することを特徴とする印
    刷回路用高高温伸び銅箔。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006346874A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Nippon Steel Chem Co Ltd 銅張積層板及びその製造方法
JP2016105512A (ja) * 2016-03-01 2016-06-09 京セラサーキットソリューションズ株式会社 配線基板の製造方法
CN115149445A (zh) * 2022-09-02 2022-10-04 东营金丰正阳科技发展有限公司 一种新型箱式变电站

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