JPH0719942Y2 - レールスクレーパー付き搬送台車 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ガイドレールの上面を転動する車輪を備えた
搬送台車に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の搬送台車には、前記ガイドレールの上側車輪転
動面に堆積する異物を自動的に除去して円滑な走行を実
現させるためにレールスクレーパーが必要であるが、同
時に前記車輪の周面に対する異物の付着防止や安全確保
のために当該車輪の周囲を覆うカバーも必要である。

このレールスクレーパーと車輪カバーの両方を搬送台車
に組み込む場合、その取付け構造や取付け作業の簡素化
を図る必要があるが、従来、このような観点から考案さ
れた実用的な構成は提案されていなかった。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記のような背景のもとになされたものであっ
て、その特徴は、ガイドレールの上面を転動する車輪を
備えた搬送台車に、前記車輪の周囲に沿う円弧状カバー
プレートを取付け、この円弧状カバープレートの端部に
スクレーパー取付け部を形成し、このスクレーパー取付
け部に、前記ガイドレールの上面に摺接するスクレーパ
ーを取付けた点にある。

また本考案によれば、前記スクレーパー取付け部は、前
記カバープレートの取付け用水平端部を外方に延出させ
ると共にガイドレール長さ方向に対し斜めの折れ線で垂
直下方に折曲することにより形成され、この垂直なスク
レーパー取付け部の側面に前記スクレーパーの基部が取
付けられる。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
する。

第１図〜第３図において、１はガイドレール、２は搬送
台車である。前記ガイドレール１は、第３図にも示すよ
うに上端レール部３と下端レール部４とをこれらレール
部3,4の巾方向中央位置で垂直な帯状板部５によって連
結一体化したものである。また、前記搬送台車２は、前
記ガイドレール１の一側方に位置する垂直な本体６の上
端フランジ部6a上に減速機７が支持され、この減速機７
から前記ガイドレール１の上方へ左右横向きに突出する
車軸（出力軸）7aに前記ガイドレール１における上端レ
ール部３の平坦上面3a上を転動する駆動車輪８が取付け
られ、この駆動車輪８を前記減速機７内の減速機構を介
して駆動するモータ９が前記減速機７の前後一側部に前
後方向に取付けられている。

更に前記ガイドレール１の下側に延出するように前記本
体６から連設されたブラケット10には、前後２箇所にお
いて、前記ガイドレール１における下端レール部４を左
右両側から挟む左右一対の振れ止め用垂直軸ローラ11,1
2が軸支され、前記本体６の上端フランジ部6aにボルト1
3で取付けられた平面形状コの字形のブラケット14に
は、前記ガイドレール１の上面3aに接近して当該レール
を横切る前後一対の水平アーム14a,14bにおいて、上端
レール部３を左右両側から挟む左右一対の振れ止め用垂
直軸ローラ15,16が軸支されている。

17はレール支持材であって、前記ガイドレール１におけ
る中央の垂直な帯状板部５の一側部（搬送台車２の本体
６が位置する側とは反対側）に結合される。18は給電及
び制御信号授受用レール群であって、前記ガイドレール
１における中央の垂直な帯状板部５の他側部にレールハ
ンガー19を介して取付けられる。20は集電ユニットであ
って、前記搬送台車２における本体６の内側に取付けら
れ、前記レール群18の各レールに摺接する。

21は前記車輪８の上側を覆う円弧状のカバープレート22
を備えた車輪カバーであって、前記カバープレート22の
両端は外側へ水平に折曲され、当該水平端部23a,23bが
前記コの字形ブラケット14の両水平アーム14a,14b上に
ボルト24で取付けられ、更に前記水平端部23a,23bが外
方に延出されると共に前記ガイドレール１の長さ方向に
対し斜めの折れ線に沿って下方へ直角に折曲され、ガイ
ドレール１の長さ方向に対し斜めに傾斜したスクレーパ
ー取付け部25a,25bが形成されている。そしてこのスク
レーパー取付け部25a,25bの側面夫々に、ガイドレール
上端レール部３の平坦上面3aに摺接するブラシ製のスク
レーパー26a,26bの上端基部が取付けられている。

前記搬送台車２は、図示省略したが、同様にガイドレー
ル１に支持される遊動台車と連結手段を介して連結さ
れ、この連結手段に併設されたトレーやハンガーにより
被搬送物を支持するものである。然してこの搬送台車２
は、前記レール群18の給電線から集電ユニット20を介し
て供給される電力によりモータ９を稼動させ、減速機７
を介して駆動車輪８を回転駆動させることにより、ガイ
ドレール１に沿って前進または後進走行させることが出
来る。

このとき前記ガイドレール１における上端レール部３の
平坦上面3a上をスクレーパー26a,26bが摺接し、当該平
坦上面3a上の異物等を横外方へ掃き出すので、前記駆動
車輪８は前後何れの方向に走行する場合でも、清掃され
た平坦上面3a上を転動することが出来る。

（考案の作用及び効果） 本考案は以上のように実施し得るものであって、係る本
考案の構成によれば、車輪の周囲を覆う円弧状のカバー
プレートを取付けたので、走行中で回転している当該車
輪が作業者の衣服や落下物を巻き込んだり、回転してい
る車輪に作業者が接触して負傷するような不測の事故を
効果的に防止することが出来る。しかも、この車輪の前
後両側でガイドレール上面（車輪転動面）をスクレーパ
ーにより自動的に清掃させることが出来るので、ガイド
レール上面に落下した異物に車輪が乗り上げるようなこ
とや、車輪の周面に異物が付着してしまうようなことも
無くなる。従って、搬送台車をして常に円滑且つ安全に
走行させることが出来るのであるが、特に本考案の構成
によれば、前記車輪のカバープレートの端部にスクレー
パーを取付けるのであるから、台車側フレームには前記
車輪用カバープレートの取付け部だけを形成しておけば
良く、スクレーパー用取付け部までも形成しなければな
らない場合と比較して、台車側フレームの構造が簡素化
される。

また、車輪用カバープレートを取り外すときはスクレー
パーも取り外さなければ、ガイドレール上に降下する台
車側フレームによってスクレーパーがガイドレールとの
間に挟まれて潰れてしまうことになるが、本考案の構成
によれば、車輪用カバープレートにスクレーパーが取付
けられているので、車輪用カバープレートとスクレーパ
ーとを別々に着脱する必要がなくなり、車輪用カバープ
レートのみを着脱すれば良いので作業性が大幅に向上す
る。

特に実施例にも示したように、前記カバープレートの取
付け用水平端部を外方に延出させると共にガイドレール
長さ方向に対し斜めの折れ線で垂直下方に折曲させて形
成し、この垂直なスクレーパー取付け部の側面にスクレ
ーパー基部を取付けるように構成するときは、板体から
成る前記カバープレートを有効に活用して、斜めのスク
レーパー取付け部を簡単に構成することが出来、当該斜
めのスクレーパー取付け部を台車側フレームに形成する
場合と比較して、コストダウンを図ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はスクレーパーを外した状態での縦断正面図、第
２図は側面図、第３図は要部の横断平面図である。 １……ガイドレール、２……搬送台車、３……上端レー
ル部、４……下端レール部、５……帯状板部、８……駆
動車輪、９……モータ、11,12,15,16……振れ止め用垂
直軸ローラ、14……平面形状コの字形のブラケット、14
a,14b……前後一対の水平アーム、17……レール支持
材、21……車輪カバー、22……円弧状の車輪用カバープ
レート、23a,23b……カバープレートの水平端部、25a,2
5b……スクレーパー取付け部、26a,26b……スクレーパ
ー。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−193758（ＪＰ，Ａ) 実開 昭59−160657（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭55−11865（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガイドレールの上面を転動する車輪を備え
   た搬送台車に、前記車輪の周囲に沿う円弧状カバープレ
   ートを取付け、この円弧状カバープレートの端部にスク
   レーパー取付け部を形成し、このスクレーパー取付け部
   に、前記ガイドレールの上面に摺接するスクレーパーを
   取付けて成るレールスクレーパー付き搬送台車。
2. 【請求項２】前記スクレーパー取付け部は、前記カバー
   プレートの取付け用水平端部を外方に延出させると共に
   ガイドレール長さ方向に対し斜めの折れ線で垂直下方に
   折曲させて形成し、この垂直なスクレーパー取付け部の
   側面にスクレーパー基部を取付けて成る実用新案登録請
   求の範囲第項に記載のレールスクレーパー付き搬送台
   車。