JPH07198516A - 静電容量型圧力センサ及びその製造方法並びに圧力検出方法 - Google Patents

静電容量型圧力センサ及びその製造方法並びに圧力検出方法

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JPH07198516A
JPH07198516A JP35283093A JP35283093A JPH07198516A JP H07198516 A JPH07198516 A JP H07198516A JP 35283093 A JP35283093 A JP 35283093A JP 35283093 A JP35283093 A JP 35283093A JP H07198516 A JPH07198516 A JP H07198516A
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JP
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pressure sensor
substrate
fixed
diaphragm
type pressure
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JP35283093A
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English (en)
Inventor
Koji Sakai
浩司 境
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線性がよく、温度特性に優れた静電容量型
圧力センサを提供する。 【構成】 シリコンウエハより薄膜状のダイアフラム3
を支持させた角枠状の支持基板1を作成する。ダイアフ
ラム4がその厚さ方向に自由に弾性変形できるように支
持基板1に窪み6を作成し、ダイアフラム4に導電層に
よる可動電極8を形成する。同様にしてダイアフラム5
を支持させた別な支持基板2を作成する。ガラス基板よ
り固定基板3を作成し、固定基板3の上下両面にそれぞ
れ固定電極12、13を作成する。それぞれの固定電極
12、13に可動電極8、9を対向させて固定基板3の
両面に支持基板1、支持基板2を接合する。また、支持
基板2及び固定基板3には固定基板3上側のダイアフラ
ム4に圧力を導入するための導入穴18を開口し、支持
基板1及び固定基板3には下側のダイアフラム5に基準
圧力を導入するための差圧穴17を開口して圧力センサ
Aを作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電容量型圧力センサ及
びその製造方法並びに圧力検出方法に関する。本発明
は、差動出力を得るための静電容量型圧力センサ及びそ
の製造方法並びに本発明の静電容量型圧力センサによる
圧力検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の静電容量型圧力センサとして、図
9に示すものが知られている。図9は圧力センサCの断
面図であって、圧力センサCは角枠状をしたフレーム8
0の枠内全面に薄膜状のダイアフラム81が支持されて
いる。ダイアフラム81はフレーム80とともにシリコ
ンウエハから一体として作成されていて、ダイアフラム
81の上面には可動電極82が形成されている。フレー
ム80の上面にはガラス製のカバー83が重ねられ、カ
バー83の周辺部は陽極接合法等によりフレーム80に
接合されている。また、フレーム80にはダイアフラム
81がその厚さ方向に自由に変位できるように窪み84
が形成されている。さらに、カバー83の内面には可動
電極82と対向して微小なギャップを隔てて固定電極8
5が形成され、可動電極82と固定電極85との間には
コンデンサCが構成されている。
【0003】しかして、ダイアフラム81の下面に空気
やガス等の流体の圧力が印加されると、印加された圧力
に応じてダイアフラム81が変位する。ダイアフラム8
1が変位すると可動電極82と固定電極85との間のギ
ャップが変化して、コンデンサCの静電容量の値が変化
する。この静電容量の値を例えば静電容量−周波数変換
回路(C−f変換回路)などにより周波数fに変換した
のち、周波数fの変化として検出することにより圧力セ
ンサCに印加された圧力の大きさを知ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の圧力センサCにおいて、印加された圧力が大
きくなるにつれて図10の破線で示すようにダイアフラ
ム81の中央部分が膨らむように変位し、ダイアフラム
81は平行に変位しているとは言えず、そのため圧力セ
ンサCの出力特性は図11に示すように直線性が悪いも
のとなっていた。
【0005】また、シリコン製のフレーム80とガラス
製のカバー83とが接合されているため、両者の熱膨張
係数の違いから温度変化による歪みを生じ、圧力センサ
Cの温度特性が悪いという問題点もあった。
【0006】本発明は叙上の従来例の欠点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、直線性を向
上させるとともに温度特性に優れた圧力センサを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の圧力センサは、
1つ又は2つのダイアフラムと、当該ダイアフラムに設
けられた2つの可動電極と各可動電極に対向する2つの
固定電極とを有し、前記可動電極と前記固定電極を対向
させて同じ圧力変化に対し静電容量が増加するコンデン
サと静電容量が減少するコンデンサとを形成したことを
特徴としている。
【0008】例えば、両面に前記固定電極を設けた固定
基板の両面に、1つの前記可動電極を設けたダイアフラ
ムを支持させた支持基板をそれぞれ貼り合わせて上記圧
力センサを作成することができる。このとき、ガラス製
の前記固定基板の両面に、シリコン製の前記支持基板を
貼り合わせ、シリコン/ガラス/シリコンの3層構造と
するのが好ましい。また、前記固定基板の両面に設けた
2つの前記固定電極を、前記固定基板に設けた貫通孔の
内周面に設けた金属薄膜によって電気的に接続し、前記
貫通孔を封止することとしてもよい。
【0009】また、両面に可動電極を設けた1つのダイ
アフラム若しくは互いに反対側の面に可動電極を設けた
2つのダイアフラムを支持させた支持基板の両面に、1
つの前記固定電極を設けた固定基板をそれぞれ貼り合わ
せて圧力センサを作成することもできる。このとき、シ
リコン製の前記支持基板の両面に、ガラス製の前記固定
基板を貼り合わせ、ガラス/シリコン/ガラスの3層構
造とするのが好ましい。また、前記支持基板に支持され
た2のダイアフラムを、絶縁分離用溝によって絶縁分離
することとしてもよい。
【0010】本発明の第1の製造方法は、請求項4に記
載の静電容量型圧力センサを製造するための方法であっ
て、固定基板に開口した貫通孔の内周面に前記固定基板
両側の固定電極と接続した金属薄膜を形成した後、前記
貫通孔を封止することを特徴としている。
【0011】また、本発明の第2の製造方法は、2つの
ダイアフラムを支持させた前記支持基板を貼り合わせた
請求項8に記載の静電容量型圧力センサを製造するため
の方法であって、固定基板にダイアフラムを形成した支
持基板を接合したのち、前記支持基板に絶縁分離用溝を
形成することを特徴としている。
【0012】本発明の圧力検出方法は、本発明の静電容
量型圧力センサにより圧力を検出するための方法であっ
て、前記2つのコンデンサの出力の差を検出することを
特徴としている。
【0013】
【作用】本発明の静電容量型圧力センサにあっては、同
じ圧力変化に対して静電容量が増加するコンデンサと静
電容量が減少するコンデンサの2つのコンデンサを形成
しているので、これら2つのコンデンサの出力の差を検
出することによって1つの圧力センサに差動出力を有す
る圧力センサを作成することができ、したがって、圧力
センサの直線性を向上させることができる。
【0014】このためには、例えば、両面に固定電極を
設けた固定基板の両面に、1つの可動電極を設けたダイ
アフラムを支持させた支持基板をそれぞれ貼り合わせる
ことにより上記圧力センサを作成することができる。こ
のとき、固定基板の両面に設けた固定電極を、固定基板
に設けた貫通孔の内周面に設けた金属薄膜によって電気
的に接続することにより、固定電極の電気的引き出しが
簡単になり、検知回路等との接続を容易に行なえる。ま
た、貫通孔は封止されているので、導入された空気等が
漏れることなく、圧力をそれぞれ正確に測定することが
できる。
【0015】また、両面に可動電極を設けた1つのダイ
アフラム若しくは互いに反対側の面に可動電極を設けた
2つのダイアフラムを支持させた支持基板の両面に、前
記固定電極を設けた固定基板を貼り合わせることにより
本発明の圧力センサを作成することができる。このと
き、支持基板に支持された2つのダイアフラムを絶縁分
離用溝により絶縁分離することにより、圧力センサに形
成された2つのコンデンサの静電容量が互いに干渉する
ことがなく、それぞれの静電容量を正確に検出すること
ができる。
【0016】また、これらの圧力センサをシリコン/ガ
ラス/シリコンの3層構造若しくはガラス/シリコン/
ガラスの3層構造とすることにより、ガラス及びシリコ
ンの熱膨張率の違いによる歪みを緩和することができ、
圧力センサの温度特性を向上させることができる。
【0017】本発明の第1の静電容量型圧力センサの製
造方法によると、互いに固定電極が貫通孔の内周面に設
けられた金属薄膜によって電気的に接続されたシリコン
/ガラス/シリコンの3層構造となった圧力センサを簡
単に製造することができる。
【0018】また、本発明の第2の静電容量型圧力セン
サの製造方法によると、2つのダイアフラムが絶縁分離
用溝によって絶縁分離されたガラス/シリコン/ガラス
の3層構造となった圧力センサを簡単に製造することが
できる。
【0019】
【実施例】図1に示すものは、本発明の一実施例である
圧力センサAの断面図である。圧力センサAはガラス製
の固定基板3の両面に角枠状をした支持基板1及び支持
基板2が重ねられ、それぞれの支持基板1、2は陽極接
合法等によりその周辺部を固定基板3に接合され、シリ
コン/ガラス/シリコンの3層構造をなしている。固定
基板3の上側の支持基板1には、薄膜状をしたダイアフ
ラム4がその周辺部を支持されて配設され、ダイアフラ
ム4がその厚さ方向に揺動自在に振動できるよう窪み6
が支持基板1に形成されている。支持基板1及びダイア
フラム4は、半導体製造技術により一体として作成され
ていて、ダイアフラム4全体は導電性を有している。し
たがって、ダイアフラム4の下面は可動電極8として機
能し、可動電極8は固定基板3の上面の露出箇所に設け
られた接続パッド10に接続配線(図示せず)を介して
電気的に接続されている。
【0020】また、固定基板3の下面の支持基板2にも
同様に、ダイアフラム4と同形で同じ厚さの薄膜状のダ
イアフラム5がその周辺部を支持されて支持基板2に配
設され、その厚さ方向に揺動自在に振動できるよう窪み
7が形成されている。また、ダイアフラム5全体はイオ
ン注入などによって導電性を有しておりダイアフラム5
の上面は可動電極9として機能し、支持基板2上面の露
出箇所に設けられた接続パッド11に接続されている。
【0021】固定基板3の上面には、支持基板1の可動
電極8と対向して微小なギャップを隔てて固定電極12
が形成され、コンデンサC1が構成されている。固定基
板3の下面にも、支持基板2の可動電極9と対向して微
小なギャップを隔てて固定電極13が形成され、別なコ
ンデンサC2が構成されている。それぞれの固定電極1
2、13はAlなどの金属薄膜をパターニングすること
により作成されている。また、2つの固定電極12、1
3は固定基板3に開口された接続穴14の内周面に設け
られた薄膜部15により接続され、さらに支持基板2上
面の露出箇所に設けられた接続パッド16に接続されて
いる。また、導入された空気等の流体の圧力が接続穴1
4から逃げないように接続穴14は感光性樹脂19等の
絶縁性物質により封止されている。
【0022】また、固定基板3及び上側の支持基板1に
は差圧穴17が開口されていてダイアフラム5の上面に
基準圧力を導入することができ、ダイアフラム5の下面
には測定圧力を導入できるようになっている。固定基板
3及び下側の支持基板2には導入穴18が開口されてい
てダイアフラム4の下面に測定圧力を導入することがで
き、ダイアフラム4の上面には基準圧力を導入できるよ
うになっている。つまり圧力センサAには2つのダイア
フラム4、5に圧力センサAの下側から同時に測定圧力
を印加し、圧力センサAの上側から同時に基準圧力を導
入することができる。
【0023】しかして、圧力センサAの下側から導入穴
18などを介して空気等の測定圧力Pが印加されると、
下側のダイアフラム5は印加された測定圧力Pの大きさ
に応じて、ダイアフラム5の上側に変位して固定電極1
3と可動電極9とのギャップが狭まる。また、上側のダ
イアフラム4は印加された測定圧力Pの大きさに応じ
て、ダイアフラム4の上側に変位して固定電極12と可
動電極8とのギャップが広がる。この結果、図2に示す
ように、固定電極12と可動電極8との間に構成された
コンデンサC1の静電容量は印加された測定圧力Pの増
加とともに次第に減少し(曲線イ)、固定電極13と可
動電極9との間に構成されたコンデンサC 2の静電容量
は印加された測定圧力Pの増加とともに次第に増大する
(曲線ロ)。そこで、この2つのコンデンサC1、C2
静電容量を、接続パッド10、11、16に接続された
検知回路例えば静電容量−周波数変換回路(C−f変換
回路)によってそれぞれ周波数f1、f2の周波数信号に
変換し、変換された周波数の差Δf=f1−f2を検知す
ることにより、印加された圧力の大きさを知ることがで
きる。すなわち、圧力センサAには印加された圧力によ
って静電容量が減少するコンデンサC1と静電容量が増
加するコンデンサC2が構成されており、2つのコンデ
ンサC1、C2の静電容量の差を検出することにより、図
3に示すように広い圧力範囲にわたって良好な直線関係
を得ることができる。また、温度変化による熱膨張によ
って生じる応力は固定基板3上面の支持基板1と下面の
支持基板2とでちょうど反対方向に生じるために互いに
相殺され、圧力センサAの反りを防止して温度特性を向
上させることもできる。なお、ダイアフラム5は必ずし
もダイアフラム4と同形同厚に形成させる必要はない
が、圧力センサAのように同形同厚に形成することによ
り2つのコンデンサC1、C2の出力は対称な出力特性と
なりより好ましい。
【0024】以下に本発明の圧力センサAの製造方法に
ついて説明する。図4(a)〜(i)に示すものは、同
上の圧力センサAの製造方法を示す断面図であって、図
4(a)〜(i)に従って詳述する。まず、下側の支持
基板2を製造する方法について説明する。単結晶シリコ
ンウエハ21を用意し、その両面を研磨したのち少なく
とも可動電極9及び接続配線等を形成させる領域にイオ
ン注入を施して可動電極9及び接続配線となる導電層
(図示せず)を形成する。その後、シリコンウエハ21
の両面にSiO2膜22、23を形成する。シリコンウ
エハ21のセンサ1個分に窪み7を形成する領域のSi
2膜22を除去して開口を設け、異方性エッチング等
により窪み7を形成する(図4(a))。次に、シリコ
ンウエハ21の下面にSiNによるパッシベーション膜
24を堆積させ、ダイアフラム5を形成する領域及び導
入穴18の一部を形成させる領域にSiO2膜23及び
パッシベーション膜24をパターニングして開口25を
設ける(図4(b))。シリコンウエハ21上面のSi
2膜22に導電層と電気的に接続するようにコンタク
トホール(図示せず)を開口する。続いてSiO2膜2
2の上面にAlなどの金属薄膜26を蒸着し、金属薄膜
26をパターニングしてコンタクトホールを介して導電
層と電気的に接続された接続パッド11を形成する。ま
た、金属薄膜26をパターニングして固定電極12、1
3を外部に引き出すための接続パッド16を形成する
(図4(c))。次にシリコンウエハ21に下面からデ
ィープエッチングを施してダイヤフラム5を形成すると
ともに、導入穴18の一部となる開口28を形成させ
る。このとき、ダイアフラム5を所定の厚さに形成する
ために開口28の上端部に薄膜領域27が残る(図4
(d))。次に残った薄膜領域27をドライエッチング
によって除去して開口28を貫通させた後、パッシベー
ション膜24及びウエハ21上下面のSiO2膜22、
23を除去して、支持基板2を形成する(図4
(e))。
【0025】また、図4(a)〜(e)に示した方法と
同様な方法により、上側の支持基板1を作成する。但
し、図4(c)の工程において金属薄膜26をパターニ
ングして、可動電極9となる導電層と電気的に接続する
接続配線(図示せず)を形成する。この接続配線は後に
固定基板3上の接続パッド10に電気的に接続される。
また、図4(a)〜(e)の工程でシリコンウエハ21
に設けた開口28は上側の支持基板1の差圧穴17の一
部に相当する。
【0026】次に固定基板3を作成する。ガラス基板3
1を用意して、ガラス基板31に超音波加工法等の手段
を用いて接続穴14を開口し、差圧穴17及び導入穴1
8の一部となる開口32、33を設ける(図4
(f))。次にガラス基板31の両面にAlなどの金属
薄膜34、34を形成するとともに、接続穴14、開口
32、33の内周面にも金属薄膜35を一体として形成
する。このとき、接続穴14の内周面の金属薄膜35が
薄膜部15となって、ガラス基板31両面の金属薄膜3
4、34が電気的に接続される。その後、感光性樹脂1
9等により接続穴14を封止する(図4(g))。この
ようにして作成されたガラス基板31両面の金属薄膜3
4、34をパターニングして、固定電極12および固定
電極13を形成するとともに、ガラス基板31の上面に
接続パッド10を形成する。また、開口32、33の内
周面の金属薄膜35を除去して、固定基板3を形成する
(図4(h))。このようにして固定基板3が多数作成
されたガラス基板31の上下面に支持基板1及び支持基
板2がそれぞれ多数形成されたシリコンウエハ21を陽
極接合法等により接合し、その後ダイシングによって個
々の圧力センサAを切り離して圧力センサAを多数同時
に製造することができる。
【0027】このようにして、直線性や温度特性に優れ
た圧力センサAを簡単に製造することができる。また、
この圧力センサAにあっては2つのコンデンサを構成す
る固定電極12、13は薄膜部15により接続されてい
るので、固定電極12、13と接続する接続パッド16
を1つで済ませることができ、検知回路との接続を容易
にすることができる。
【0028】図5にはこのようにして試作した圧力セン
サAの出力特性の一例を示す。図5に示したように、上
側のダイアフラム4に構成されたコンデンサC1の静電
容量は曲線ハに示すように印加された測定圧力Pの増加
とともに減少し、下側のダイアフラム5に構成されたコ
ンデンサC2の静電容量は曲線ニに示したように測定圧
力Pの増加とともに増大し、2つコンデンサC1、C2
出力特性は対称的な曲線となった。このコンデンサ
1、C2の静電容量をC−f変換回路によりそれぞれ周
波数f1、f2として出力させたのちそれぞれの出力の差
Δf=f1−f2を求め、曲線ハと曲線ニの交点を基準に
して周波数を上乗せすると、図6に示したように広い圧
力範囲で直線性のよい出力特性を得ることができた。ま
た、図示はしないが、温度特性についても−30℃から
70℃の温度範囲にわたり良好な直線性が得られた。
【0029】図7に示すものは本発明の別な実施例であ
る圧力センサBの断面図である。圧力センサBは、シリ
コン製の支持基板41の上下面にガラス製の固定基板4
2、43が陽極接合法等により接合され、ガラス/シリ
コン/ガラスの3層構造をなしている。支持基板41に
は、薄膜状をした2つのダイアフラム44、45がそれ
ぞれその周辺部を支持されてダイシング溝46の左右両
側に配設されている。つまり、2つのダイアフラム4
4、45はダイシング溝46で支持基板41を2分割す
ることによって絶縁分離されている。また、支持基板4
1には2つのダイアフラム44、45がそれぞれその厚
さ方向に揺動自在に変位できるように、左側のダイアフ
ラム44の上面及び右側のダイアフラム45の下面にそ
れぞれ窪み47、48が形成されている。支持基板41
及び2つのダイアフラム44、45は半導体製造技術に
よりシリコンウエハから一体として形成され、ダイアフ
ラム44、45はそれぞれ全体として導電性を有してい
る。左側のダイアフラム44の上面は可動電極49とし
て機能し、可動電極49は支持基板41上面の露出した
箇所に設けられた接続パッド51に接続配線(図示せ
ず)によって電気的に接続されている。また、右側のダ
イアフラム45の下面も可動電極50として機能して、
下側の固定基板43上面の露出した箇所に設けられた接
続パッド52に接続配線64によって接続されている。
【0030】支持基板41上側の固定基板42には、ダ
イアフラム44の可動電極49と対向して微小なギャッ
プを隔てて固定電極53が形成されていて、可動電極4
9と固定電極53との間にコンデンサC2が構成されて
いる。また、この固定電極53は固定基板42の下面に
形成された接続配線(図示せず)によって支持基板41
上に設けられた別な接続パッド55に接続されている。
さらに固定基板42には左側のダイアフラム44に基準
圧力を導入するための差圧穴57が開口され、右側のダ
イアフラム45に基準圧力を導入するための別な差圧穴
58が開口されている。支持基板41下側の固定基板4
3には、ダイアフラム45の可動電極50と対向して微
小なギャップを隔てて固定電極54が形成されていて、
可動電極50と固定電極54との間に別なコンデンサC
1が構成されている。また、この固定電極54は固定基
板43上の露出した箇所に設けられた別な接続パッド5
6に接続されている。さらに、固定基板43には2つの
ダイアフラム44、45に測定圧力を導入するための導
入穴59、60が開口され、圧力センサBの下側から同
時に測定圧力を導入することができる。
【0031】しかして、導入穴59、60を介して左右
のダイアフラム44、45に測定圧力Pが導入される
と、左側のダイアフラム44は印加された圧力の大きさ
に比例して変位し、可動電極49と固定電極53とのギ
ャップは狭くなる。また、右側のダイアフラム45は印
加された測定圧力Pの大きさに比例して変位し、可動電
極50と固定電極54とのギャップは広がる。つまり、
この圧力センサBにも印加された測定圧力Pによってそ
の静電容量が減少するコンデンサC1と静電容量が増大
するコンデンサC2とが構成されており、第1の実施例
と同様に2つのダイアフラム45、44に構成されたコ
ンデンサC1、C2の静電容量の変化を、接続パッド5
2、56及び接続パッド51、55に接続された静電容
量−周波数変換回路(C−f変換回路)等により周波数
の変化に変換して、変換された周波数f1、f2の差Δf
=f1−f2を検知することにより、圧力センサBの直線
性を向上させることができる。
【0032】図8(a)〜(i)に示すものは、圧力セ
ンサBの製造方法を示す断面図であって、以下に図8
(a)〜(i)に従って圧力センサBの製造方法につい
て詳述する。まず支持基板41の製造方法について説明
する。単結晶シリコンウエハ61の両面を研磨したの
ち、センサ1個分のシリコンウエハ61の両面の少なく
とも可動電極49、50及び可動電極49、50と電気
的に接続された接続配線などを形成させる領域にイオン
注入を施して導電層(図示せず)を形成したのち、シリ
コンウエハ61の両面にSiO2膜62、63を形成す
る。シリコンウエハ61両面の窪み47、48を形成す
る領域のSiO2膜62、63を除去して開口を設け、
異方性エッチング等により窪み47、48をシリコンウ
エハ61の両面に形成する(図8(a))。次に、シリ
コンウエハ61上面のSiO2膜62にコンタクトホー
ル(図示せず)を開口する。続いて、SiO2膜62の
上面にAlなどの金属薄膜を蒸着したのち、この金属薄
膜をパターニングし、コンタクトホールを介して上側の
導電層と電気的に接続した接続パッド51を形成する。
さらに金属薄膜をパターニングして固定電極53を外部
に引き出すための接続パッド55を形成する。また、下
面のSiO2膜63にもコンタクトホールを開口する。
続いてSiO2膜63の下面にも金属薄膜を蒸着形成す
る。この金属薄膜をパターニングし、コンタクトホール
を介して下側の導電層と電気的に接続した接続配線64
を形成する(図8(b))。この接続配線64は固定基
板43上面の配線パッド52と電気的に接続されること
になる。この後、シリコンウエハ61の両面にSiNに
よるパッシベーション膜65、65を形成したのち、パ
ッシベーション膜65をパターニングしてダイアフラム
44、45を形成させる領域に開口66、66を設ける
(図8(c))。このようにして作成されたシリコンウ
エハ61の両面からディープエッチングを施して所定の
厚さのダイアフラム44、45をそれぞれ形成する(図
8(d))。次にパッシベーション膜65、65及び不
要なSiO2膜62、63をエッチングにより除去して
支持基板41を作成する(図8(e))。
【0033】次に下側の固定基板43を作成する。超音
波加工法等によりガラス基板71のセンサ1個分に2つ
の導入穴59、60を開口する(図8(f))。導入穴
60の周辺領域に金属薄膜を堆積し、金属薄膜をパター
ニングして固定電極54と固定電極54と電気的に接続
した接続パッド56及び可動電極50を外部に引き出す
ための接続パッド52を形成し、固定基板43を作成す
る(図8(g))。また、図示はしないが、別なガラス
基板を用意して図8(f)(g)に示した方法と同様に
して、ガラス基板に差圧穴57、58を開口し、差圧穴
57の周辺領域に堆積した金属薄膜をパターニングし
て、固定電極53及び固定電極53を支持基板41上面
の接続パッド55に接続するための接続配線をそれぞれ
形成して、固定基板42を形成する。
【0034】このようにして支持基板41が多数形成さ
れたシリコンウエハ61の下面に固定基板42が多数形
成されたガラス基板71を重ね、陽極接合する。次に、
ダイシングソーによって支持基板41にダイシング溝4
6を形成(ハーフダイシング)し、支持基板41を2つ
の領域に分割し、支持基板41に形成された2つの可動
電極49、50を電気的に分離する(図7(h))。最
後に、シリコンウエハ61の上面に固定基板43が多数
形成されたガラス基板を重ね、陽極接合する。このよう
にして、シリコンウエハ61の上下面にガラス基板を陽
極接合したのち、ダイシングして圧力センサBを多数同
時に製造することができる。
【0035】このようにして製造された圧力センサBに
あっては、2つのダイアフラム44、45に形成された
可動電極49、50はダイシング溝46によって完全に
電気的に分離されているので、互いに影響を受けず圧力
センサBの測定誤差を少なくすることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、同じ圧力変化に対し静
電容量が増加するコンデンサと静電容量が減少するコン
デンサの2つのコンデンサを構成し、その出力差を検出
して差動型の圧力センサとすることにより、直線性に優
れた圧力センサを提供することができる。
【0037】例えば、両面に固定電極を設けた固定基板
の両面に、1つの可動電極を設けたダイアフラムを支持
した支持基板をそれぞれ貼り合わせ、固定基板の両側に
設けられた固定電極を貫通孔の内周面の金属薄膜により
電気的に接続しているので、固定基板の電気的な引き出
しが簡単になり、検知回路等との接続を容易にできる。
また、貫通孔は封止されているので、導入された空気が
漏れることなく圧力を正確に測定することができる。
【0038】あるいは、支持基板に支持された2つのダ
イアフラムを絶縁分離用溝で絶縁分離しているので、2
つのコンデンサの静電容量を正確に検出することがで
き、圧力センサの測定誤差を少なくすることができる。
【0039】また、これらの圧力センサをシリコン/ガ
ラス/シリコン若しくはガラス/シリコン/ガラスの3
層構造の圧力センサとしているので、熱膨張率の違いに
よる歪みが緩和され、温度特性を向上することもでき
る。
【0040】本発明の第1の製造方法によれば、固定基
板両面に設けられた固定電極が貫通孔内周面の金属薄膜
によって電気的に接続されたシリコン/ガラス/シリコ
ンの3層構造の圧力センサを簡単に製造することができ
る。
【0041】また、本発明の第2の製造方法によれば、
2つ以上のダイアフラムが互いに絶縁分離用溝により絶
縁分離されたガラス/シリコン/ガラスの3層構造の圧
力センサを簡単に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である圧力センサを示す断面
図である。
【図2】同上の圧力センサに構成されたコンデンサの出
力特性を示す図である。
【図3】同上の圧力センサの出力周波数と測定圧力との
関係を示す図である。
【図4】(a)〜(i)は同上の圧力センサの製造方法
を示す断面図である。
【図5】同上の試作例である圧力センサに構成されたコ
ンデンサの出力特性を示す図である。
【図6】同上の試作例である圧力センサの出力周波数と
測定圧力との関係を示す図である。
【図7】本発明の別な実施例である圧力センサの断面図
である。
【図8】(a)〜(i)は同上の別な実施例である圧力
センサの製造方法を示す断面図である。
【図9】従来例である圧力センサを示す断面図である。
【図10】同上の圧力センサのダイアフラムの変位を示
す説明図である。
【図11】同上の圧力センサの出力周波数と圧力との関
係を示す図である。
【符号の説明】
3 固定基板 4、5 ダイアフラム 11 接続パッド 12、13 固定電極 15 薄膜部 17 差圧穴 18 導入穴 19 感光性樹脂 41 支持基板 57、58 差圧穴 59、60 導入穴

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つ又は2つのダイアフラムと、当該ダ
    イアフラムに設けられた2つの可動電極と各可動電極に
    対向する2つの固定電極とを有し、前記可動電極と前記
    固定電極を対向させて同じ圧力変化に対し静電容量が増
    加するコンデンサと静電容量が減少するコンデンサとを
    形成したことを特徴とする静電容量型圧力センサ。
  2. 【請求項2】 両面に前記固定電極を設けた固定基板の
    両面に、1つの前記可動電極を設けたダイアフラムを支
    持させた支持基板をそれぞれ貼り合わせたことを特徴と
    する請求項1に記載の静電容量型圧力センサ。
  3. 【請求項3】 ガラス製の前記固定基板の両面に、シリ
    コン製の前記支持基板を貼り合わせ、シリコン/ガラス
    /シリコンの3層構造としたことを特徴とする請求項2
    に記載の静電容量型圧力センサ。
  4. 【請求項4】 前記固定基板の両面に設けた2つの前記
    固定電極を、前記固定基板に設けた貫通孔の内周面に設
    けた金属薄膜によって電気的に接続し、前記貫通孔を封
    止したことを特徴とする請求項2又は3に記載の静電容
    量型圧力センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の静電容量型圧力センサ
    を製造するための方法であって、 固定基板に開口した貫通孔の内周面に前記固定基板両側
    の固定電極と接続した金属薄膜を形成した後、前記貫通
    孔を封止することを特徴とする静電容量型圧力センサの
    製造方法。
  6. 【請求項6】 両面に可動電極を設けた1つのダイアフ
    ラム若しくは互いに反対側の面に可動電極を設けた2つ
    のダイアフラムを支持させた支持基板の両面に、1つの
    前記固定電極を設けた固定基板をそれぞれ貼り合わせた
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電容量型圧力セン
    サ。
  7. 【請求項7】 シリコン製の前記支持基板の両面に、ガ
    ラス製の前記固定基板を貼り合わせ、ガラス/シリコン
    /ガラスの3層構造としたことを特徴とする請求項6に
    記載の静電容量型圧力センサ。
  8. 【請求項8】 前記支持基板に支持された2つのダイア
    フラムは、絶縁分離用溝により絶縁分離されていること
    を特徴とする請求項6又は7に記載の静電容量型圧力セ
    ンサ。
  9. 【請求項9】 2つのダイアフラムを支持させた前記支
    持基板を貼り合わせた請求項8に記載の静電容量型圧力
    センサを製造するための方法であって、 固定基板にダイアフラムを形成した支持基板を接合した
    のち、前記支持基板に絶縁分離用溝を形成することを特
    徴とする静電容量型圧力センサの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、6、7又は8
    に記載の静電容量型圧力センサにより圧力を検出するた
    めの方法であって、 前記2つのコンデンサの出力の差を検出することを特徴
    とする圧力検出方法。
JP35283093A 1993-12-29 1993-12-29 静電容量型圧力センサ及びその製造方法並びに圧力検出方法 Pending JPH07198516A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005214736A (ja) * 2004-01-28 2005-08-11 Kyocera Corp 圧力検出装置用パッケージ
JP2007064920A (ja) * 2005-09-02 2007-03-15 Alps Electric Co Ltd 静電容量型力学量センサ
JP2015114314A (ja) * 2013-12-16 2015-06-22 株式会社デンソー 車両用圧力検出装置
CN106586942A (zh) * 2016-12-27 2017-04-26 河海大学常州校区 一种微电子气压传感器及其制备方法

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