JPH07196527A - ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤 - Google Patents

ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤

Info

Publication number
JPH07196527A
JPH07196527A JP5352422A JP35242293A JPH07196527A JP H07196527 A JPH07196527 A JP H07196527A JP 5352422 A JP5352422 A JP 5352422A JP 35242293 A JP35242293 A JP 35242293A JP H07196527 A JPH07196527 A JP H07196527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
amino acid
seq
egf
cell growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5352422A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Shimamura
誠一 島村
Yasuo Fukuwatari
康夫 福渡
Kazumi Shinoda
一三 篠田
Tomoyuki Hagiwara
朋之 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Original Assignee
Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Morinaga Milk Industry Co Ltd filed Critical Morinaga Milk Industry Co Ltd
Priority to JP5352422A priority Critical patent/JPH07196527A/ja
Publication of JPH07196527A publication Critical patent/JPH07196527A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 細胞増殖賦活作用のある新規なペプチド類、
その誘導体、および従来のEGFが単独添加された薬剤
よりも、さらに効果的な細胞増殖賦活化剤を提供する。 【構成】 配列番号1から配列番号7のアミノ酸配列を
有するペプチドまたはその誘導体。配列番号1から配列
番号7のペプチド、その誘導体またはそれらの混合物と
上皮細胞成長因子とを有効成分として含有する細胞増殖
賦活化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ペプチドまたはその
誘導体と、細胞増殖賦活化剤に関するものである。さら
に詳しくは、この発明は特定のアミノ酸配列を有する新
規なペプチドまたはその誘導体と、皮膚、毛髪、消化管
上皮等の細胞の増殖賦活化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラクトフェリン(lactoferrin 、以下L
fと記載することがある)は、母乳中に極めて多量に含
まれている分子量約80,000の鉄結合性蛋白質であ
って、大腸菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌、ブド
ウ球菌等の有害微生物に対して抗菌作用を示すことが知
られている[ジャーナル・オブ・ペディアトリクス(Jo
urnal of Pediatrics)、第94巻、第1ページ、197
9年、およびジャーナル・オブ・デイリー・サイエンス
(Journal of Dairy Science)、第67巻、第60ペー
ジ、1984年]。
【0003】また最近では、ラット小腸上皮クリプト細
胞およびマウス線維芽細胞Balb/c3T3のDNA
合成がLfにより促進されることが明らかにされ[ペデ
ィアトリック・リサーチ(Pediatric Research) 、第2
1巻、第563ページ、1987年、およびアグリカル
チャル・アンド・バイオロジカル・ケミストリ−(Agri
cultural and Biological Chemistry )、第53巻、第
31ペ−ジ、1989年]、新たな細胞増殖刺激因子と
して注目されている。
【0004】Lfおよびその分解物については、抗菌性
およびチロシナーゼ活性阻害(ヨーロッパ特許公開第4
38750号)、細胞への病原菌付着防止(特開平3−
220130号公報)、抗ウイルス作用(特開平1−2
33226号公報)等が知られてもいる。
【0005】一方、細胞増殖活性を有するペプチドとし
ては、いわゆる細胞成長因子が知られており(日本組織
培養学会編、「細胞成長因子」、朝倉書店、1984年
および日本組織培養学会編、「細胞成長因子PartI
I」、朝倉書店、1987年)、たとえば、上皮細胞成
長因子(epidermal growth factor ,EGF)、血小板
由来成長因子(platelet-derived growth factor、PD
GF)、インシュリン様成長因子(Insulin-like growt
h factor、IGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(basi
c fibroblast growth factor、bFGF)、酸性線維芽
細胞成長(acidic fibroblast growth factor 、aFG
F)等が公知となっている。
【0006】このうちEGFは、多種多様な細胞に対し
て細胞増殖作用を有する分子量約 6,000のペプチドであ
り、哺乳類のすべての体液中に含まれている。EGFの
発見は1962年と極めて古く、以来様々な応用研究が盛ん
に行われ、EGFに創傷治癒効果があること[ジャ−ナ
ル・オブ・サ−ジカル・リサ−チ(Journal of Surgica
l Research)、第33巻、第164ペ−ジ、1982
年、およびジャ−ナル・オブ・エキスペリメンタル・メ
ディシン(Journal of Experimental Medicine)、第1
63巻、第1319ペ−ジ、1986年]、EGFが角
膜損傷の治癒に有効であること[エキスペリメンタル・
アイ・リサ−チ(Experimental Eye Research) 、第40
巻、第47ペ−ジ、1985年、およびインベスティゲ
イティブ・オフサルモロジ−・アンド・ビジュアル・サ
イエンス(Investigative Ophthalmology & Visual Sci
ence)、第26巻、第105ペ−ジ、1985年]等が
明らかにされている。
【0007】これらの知見に基づき、EGFを皮膚用剤
に応用した例も知られている。すなわち、皮膚に対して
は、皮膚細胞の賦活化、新陳代謝の促進、創傷治癒効果
等により、滑らかでしっとりした若々しい肌を与え、毛
髪に対しては、毛母細胞の賦活化、毛髪の成長促進、抜
毛防止効果等により養毛、育毛および脱毛防止作用を与
える皮膚用剤が提案されている(特開昭61−5006
号公報)。
【0008】また、近年、食品蛋白質の加水分解物から
種々の生理活性ペプチドが単離され、栄養面での本来の
機能に加え、食品蛋白質には潜在的調節因子が含まれて
いると考えられるようになってきた。たとえば、牛カゼ
インの加水分解物からマウス線維芽細胞Balb/c3
T3のDNA合成を促進する細胞増殖活性ペプチドが単
離され、構造が決定され、ウシβ−カゼインの第177
位から第183位のヘプタペプチド(Ala-Val-Pro-Tyr-
Pro-Gln-Arg )に相当することが明らかにされている
(化学と生物、第25巻、第207ペ−ジ、1987
年)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来、EGFを有効成
分として含有する創傷治癒剤、皮膚用剤等が知られてい
たが、それらの効果は必ずしも十分なものではなかっ
た。
【0010】この発明の発明者等は、ラクトフェリン類
の加水分解物の生物学的活性について研究を行っていた
が、ウシLfの加水分解物中に、抗菌性を有するペプチ
ドとは全く異なり、かつEGFの作用を増強し得るペプ
チドが存在することを発見し、そのペプチドを単離して
アミノ酸配列を初めて明らかにした。
【0011】この発明は、以上のとおりの新規な事実に
基づいてなされたものであり、細胞増殖賦活化作用を有
する新規なペプチドまたはその誘導体を提供することを
目的としている。
【0012】またこの発明は、従来のEGF単独添加の
薬剤よりも、さらに効果的な細胞増殖賦活化剤を提供す
ることを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、配列番号1から配列番号7のい
ずれかのアミノ酸配列を有するペプチドまたはその誘導
体を提供する。
【0014】またこの発明は、配列番号1から配列番号
7のいずれかのアミノ酸配列を有するペプチド、その誘
導体またはそれらの混合物と上皮細胞成長因子とを有効
成分として含有する細胞増殖賦活化剤をも提供する。
【0015】なお、この発明の細胞増殖賦活化剤におい
ては、上記ペプチド、その誘導体またはその混合物が、
少なくとも0.1μg/gの割合で含有されていること
を望ましい態様としてもいる。
【0016】以下、この発明について詳しく説明する。
【0017】この発明のペプチドまたはその誘導体(以
下、これらをペプチド類と記載することがある)の製造
について例示すれば、次のとおりである。まず、ペプチ
ド類製造のための出発物質としてラクトフェリン類を使
用する。このラクトフェリン類は、市販のLf、獣乳、
人乳から常法により分離されるLf、これらのLfから
常法により鉄を除去したアポラクトフェリン、アポラク
トフェリンに常法により鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金
属を完全にまたは一部キレ−トさせた金属飽和、または
金属部分飽和ラクトフェリン、またはこれらの混合物の
いずれであってもよい。
【0018】次いでラクトフェリン類を酸または酵素で
加水分解する。酸による加水分解は、ラクトフェリン類
を0.1〜20%、望ましくは5〜15%の濃度で水ま
たは精製水等に溶解し、得られた溶液に塩酸、リン酸等
の無機酸、またはクエン酸等の有機酸を添加し、溶液の
pHを1〜4、望ましくは2〜3に調整する。次いで、
このようにして得られた溶液を、調整されたpHに応じ
て適当な温度で所定時間加熱して加水分解する。例え
ば、pHが1〜2に調整された場合には80〜130
℃、望ましくは90〜120℃で、pH2〜4に調整さ
れた場合には100〜130℃、望ましくは100〜1
20℃で、それぞれ1〜120分間、望ましくは5〜6
0分間加熱する。
【0019】酵素により加水分解する場合には、ラクト
フェリン類を0.5〜20%、望ましくは5〜15%の
濃度で水、精製水等に溶解し、得られた溶液を使用酵素
の至適pHに調整して加水分解する。使用する酵素には
特に制限がなく、市販の酵素、例えばモルシンF(商
標。盛進製薬社製。至適pH2.5〜3.0)、豚ペプ
シン(和光純薬社製。至適pH2〜3)スミチームAP
(商標。新日本化学社製。至適pH3.0)、アマノM
(商標。アマノ製薬社製。至適pH3.0)、アマノA
(商標、アマノ製薬社製。至適pH7.0)、トリプシ
ン(ノボ社製。至適pH8.0)等を単用または任意に
併用するが、特に豚ペプシン、スミチームAPが望まし
い。前記の酵素の他に、例えば、市販のエキソペプチダ
ーゼを含有する醤油酵素(田辺製薬社製)を組み合わせ
て使用することもできる。使用する酵素の量は、基質に
対して0.1〜5.0%の範囲、特に、0.5〜3.0
%が望ましい。
【0020】すなわち、この酵素による加水分解は、具
体的には、ラクトフェリン類の溶液のpHを調整し、上
記の酵素を適量添加した後、得られた溶液の温度を15
〜55℃、望ましくは30〜50℃で30〜600分
間、望ましくは60〜300分間保持してラクトフェリ
ン類を加水分解する。次いで溶液をそのまま、または中
和した後、酵素を常法により加熱失活する。
【0021】得られたラクトフェリン類の加水分解物か
ら、例えば次のようにしてこの発明のペプチドを単離す
ることができる。すなわち、ウシラクトフェリンをペプ
シンで加水分解した分解物を水(MilliQ水)に溶
解し、ODS120−T(東ソ−社製)を充填したカラ
ム(4.6mm×150mm)により、0.5%トリフ
ルオロ酢酸水溶液(A液)と0.041%トリフルオロ
酢酸を含む90%アセトニトリル水溶液(B液)の直線
濃度句配により単離する。さらに詳細には、ウシラクト
フェリンのペプシン加水分解物のMilliQ水溶液
(10mg/ml)0.1mlを、A液とB液が80%
対20%の混合率(A液:B液=80:20)で平衡化
したODS120−Tに1分当たり0.8mlの流速で
通液し、5分後、30分間でB液の濃度を60%まで増
加する直線濃度句配(A液対B液の比率を80対20か
ら、A液対B液の比率を40対60)にかけ(この間の
流速も0.8ml/分である)、通液開始後、3分から
7分(フラクション1)、7分から10分(フラクショ
ン2)、14分から18分(フラクション3)、18分
から21分(フラクション4)、および21分から23
分(フラクション5)の間に溶出されるペプチドを分取
する。活性ペプチドはフラクション2に含まれるので、
フラクション2を濃縮し、乾燥し、MilliQに溶解
し、再度前記の逆相高速液体クロマトグラフィ−によ
り、同一条件で活性ペプチドを精製する。
【0022】次にこの発明のペプチドのアミノ酸配列の
同定について説明する。
【0023】以上のようにしてウシLfの加水分解物か
ら単離したペプチドを6規定塩酸で加水分解し、アミノ
酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析した。
また、同一の試料を気相式シークェンサー(アプライド
・バイオシステムズ社製)を用いてエドマン分解を行
い、アミノ酸残基の配列を決定した。その結果、このペ
プチドは、配列番号1に示すアミノ酸配列を有し、ウシ
LfのN末端から第79位〜第93位に相当するペンタ
デカペプチドであることが、この発明の発明者らにより
初めて明らかにされた。
【0024】この発明のペプチドを化学的に合成する例
を示せば次のとおりである。ペプチド自動合成装置(例
えば、ファルマシアLKBバイオテクノロジー社製。LK
B Biolynx 4170)を用い、シェパード等[ジャーナル・
オブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキンI(Journa
l of Chemical Society Perkin I)、第538ペー
ジ、1981年]による固相ペプチド合成法に基づいて
合成する。アミン官能基を9−フルオレニルメトキシカ
ルボニル(Fmoc)基で保護したアミノ酸(以下Fmoc−ア
ミノ酸と略記する)に、N,N´−ジシクロヘキシルカ
ルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無水物を生成
させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用いる。ペプ
チド鎖を製造するためにC−末端のアミノ酸残基に相当
するFmoc−アミノ酸無水物を、そのカルボキシル基を介
し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルトロシン
A樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社製)
に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジメチ
ルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のアミン官
能基の保護基を除去する。のち所望のペプチドのアミノ
酸配列のC−末端から2番目のアミノ酸残基に相当する
Fmoc−アミノ酸無水物を前記C−末端アミノ酸残基を介
して樹脂に固定された1番目のアミノ酸の脱保護アミン
官能基にカップリングさせる。以下同様にして順次所望
のアミノ酸を固定する。全部のアミノ酸のカップリング
が終了し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成され
た後、溶媒(例えば、94%トリフルオロ酢酸、5%フ
ェノールおよび1%エタンジオールからなる)で保護基
の除去およびペプチドの脱離を行い、高速液体クロマト
グラフ法によりペプチドを精製する。
【0025】この発明のペプチドは、前記方法の他、組
換えDNA技術により製造することもでき、ラクトフェ
リン類の加水分解物から単離されたもの、組換えDNA
技術により製造されたもの、化学的に合成されたもの、
またはこれらの混合物のいずれのものであってもこの発
明の細胞増殖賦活化剤に使用できる。
【0026】また、この発明においては、配列番号1か
ら配列番号7のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチ
ド、その誘導体、それらの薬理学的または食品学的に許
容される塩およびそれらの2以上の混合物からなる群よ
り選択される物質を有効成分として含有させることもで
きる。
【0027】このペプチドの誘導体としては、アセチル
体、アミド体、およびフォスフォ体(リン酸化体)等で
ある。アセチル体は、ラクトフェリンの加水分解物から
得られたペプチドあるいは上記のように合成したペプチ
ドを無水酢酸あるいは塩化アセチルと反応させることで
調製できる。アセチルの代わりにプロピル等のいわゆる
脂肪酸もペプチドに導入できる。導入には脂肪酸の酸塩
化物や活性エステル体を用いる。アミド体は、上記の固
相合成で用いたウルトロシンA樹脂の代わりにアミド体
合成用樹脂であるウルトロシンC樹脂(ファルマシアL
KBバイオテクノロジー社製)を用い合成できる。フォ
スフォ体(リン酸化体)は、ラクトフェリンの加水分解
物から得られたペプチド、合成したペプチド、またはそ
れらのアセチル体あるいはアミド体をセリンとスレオニ
ンの側鎖をリン酸化する酵素であるプロテインキナ−ゼ
C(コスモバイオ社製)やチロシンの側鎖をリン酸化す
る酵素であるチロシンキナ−ゼ(オンコジ−ン・サイエ
ンス社製)で処理することにより調製できる。
【0028】この発明において使用するEGFは公知の
物質であり、常法により人尿、獣乳または人乳から単離
されたもの、組換えDNA技術により製造されたもの、
化学的に合成されたもの、市販品またはこれらの混合
物、のいずれのものであってもよい。
【0029】この発明の細胞増殖賦活化剤は、一般的な
医薬製剤の形態で実用に供することができる。使用目的
に応じて各種の剤形を適宜選択することができ、粉剤、
顆粒剤、カプセル剤、錠剤、液状塗布剤、ロ−ション
剤、エアゾ−ル剤(スプレ−)、軟膏剤、坐剤、注射剤
等として使用し得る。
【0030】この発明のペプチドまたはその誘導体は、
医薬品、化粧料および養毛剤の成分としても使用するこ
とができ、例えば、胃腸薬、目薬、外用剤等の医薬品と
して、化粧水、クリ−ム、ファンデ−ション、乳液等の
皮膚に適用される化粧品として、またヘア−クリ−ム、
ヘア−リキッド、ヘア−ロ−ション、ヘア−リンス、ヘ
ア−トニック、ポマ−ド、シャンプ−等の頭皮および毛
髪に適用される毛髪用化粧品として使用し得る。
【0031】この発明の細胞増殖賦活剤のペプチドおよ
びEGFの濃度は、それぞれ0.1μg〜100mg/
gおよび0.01ng〜10μg/gが望ましい範囲で
ある。 この発明のペプチドおよび細胞増殖賦活化剤に
併用するEGFは、いずれも天然物であるから、それら
の安全性については問題がない。
【0032】次に試験例を示してこの発明の作用効果を
説明する。 試験例1 この試験は、ウシLfから得られたペンタデカペプチド
のアミノ酸配列を決定するために行った。 (1)試料の調製 実施例1と同一の方法により調製した。 (2)試験方法 単離されたペンタデカペプチドのアミノ酸配列は以下の
とおり決定した。実施例1に示すように最終的に逆相高
速液体クロマトグラフィ−で単一のピークに精製したペ
プチド5μgを0.05%トリフルオロ酢酸水溶液25
μlに溶解し、ポリブレンで処理したグラスファイバー
フィルターに滴下した。フィルターを乾燥し、気相式自
動シークェンサー(ABI473Aプロテインシークェ
ンサ−。アプライド・バイオシステムズ社製)によりア
ミノ酸配列を決定した。 (3)試験結果 このペプチドは、配列番号1に示すアミノ酸配列を有
し、ウシLfのN末端から第79位〜第93位に相当す
るペンタデカペプチドであることが明らかになった。な
お、他の方法により調製したLf由来のペプチドについ
ても同様に試験を行い、配列番号1のアミノ酸配列を有
することを確認した。 試験例2 この試験は、この発明のペプチドの細胞増殖賦活化活性
を調べるために行った。(1)試料の調製 実施例1と同一の方法により分画フラクション(1−
5)を調整した。 (2)試験方法 マウス線維芽細胞Swiss3T3またはラット小腸上
皮細胞IEC18(共にAmerican Type Culture Collec
tionから購入)を96穴カルチャ−プレ−トに1穴当た
り5000個ずつ蒔き、10%牛胎児血清を含むダルベ
ッコ変法イ−グル培養液(日水製薬社製。以下FBS−
DMEMと略記する)で細胞がコンフルエント(細胞密
度が増し細胞どうしが接触することで増殖がほぼ停止す
ることを意味する)になるまで培養した(培養液は、1
穴当たり0.1ml使用した)。培養液を0.2%FB
S−DMEMと交換し、さらに1日培養し、細胞を静止
期に導入し、試験検体を含む0.2%FBS−DMEM
(0.1ml)で17時間培養した。次に、培養液を3
H−チミジン(ICNバイオメディカル社製。1μC/
ml)を含む0.2%FBS−DMEM(0.1ml)
と交換し、さらに2時間培養した。培養液を除き、0.
1%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液を1穴当たり0.1
ml加え細胞を溶解した。セルハ−ベスタ−(Skat
ron INC社製)によりDNAをフィルタ−(Sk
atron INC社製)上に回収し、DNAに取り込
まれ3 H−チミジン量を液体シンチレイションカウンタ
−(LKB社製)で測定した。なお、試験検体は、何も
添加しない試料、分画フラクション(1〜5)を50μ
g/ml添加した試料、EGFを10ng/ml添加し
た試料、およびEGFを10ng/mlと分画フラクシ
ョン(1〜5)を50μg/ml添加した試料である。 (3)試験結果 この試験の結果は、表1および2に示すとおりである。
表1は、マウス線維芽細胞Swiss3T3、表2は、
ラット小腸上皮細胞IEC18を用いた3 H−チミジン
の取り込み活性試験の結果を示している。なお、結果
は、実測値および無添加対照群あるいはEGFのみを添
加した群の値を100%としたときの相対値で表してい
る。
【0033】表1および表2から明らかなように、フラ
クション2に著しい活性が認められた。すなわち、マウ
ス線維芽細胞Swiss3T3では(表1)、フラクシ
ョン2による3 H−チミジンの取り込み量は、EGF無
添加の場合、対照群の152%、EGFを添加した場合
は、135%であった。ラット小腸上皮細胞IEC18
では(表2)、フラクション2による3 H−チミジンの
取り込み量は、EGF無添加の場合、対照群の108
%、EGFを添加した場合は、125%であった。この
結果に基づいて、試験例1に示したように、フラクショ
ン2から活性ペプチドを単離し、構造を決定した。な
お、他のペプチドについてもほぼ同様な結果が得られ
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】 試験例3 この試験は、活性ペプチドの有効量を決定するために行
った。 (1)試料の調製 実施例1と同一の方法により調製した。 (2)試験方法 ラット小腸上皮細胞IEC18(American Type Cultur
e Collectionから購入)を用い、試験例2と同一の方法
により試験した。なお、試験試料は、種々の濃度の活性
ペプチド(フラクション2)を添加した試料、およびE
GFを10ng/mlと種々の濃度の活性ペプチド(フ
ラクション2)を共に添加した試料である。(3)試験
結果 この試験の結果は、表3に示すとおりである。なお、結
果は、実測値および無添加対照群あるいはEGFのみを
添加した群の値を100%としたときの相対値で表して
いる。
【0036】表3から明らかなように、10ng/ml
のEGFと活性ペプチド(フラクション2)を25ある
いは50μg/mlを共に添加すると、3 H−チミジン
の取り込み量は、EGFのみを添加した群のそれぞれ1
29%、125%であり、50μg/ml以下の濃度で
も有効であることが明らかになった。なお、他のペプチ
ドについてもほぼ同様な結果が得られた。
【0037】
【表3】 参考例(EGFの調製) EGFは、コ−エンおよびカ−ペンタ−の方法[プロス
ィ−ディングズ・オブ・ナショナル・アカデミ−・オブ
・サイエンシス・ユ−・エス・エイ(Proceedings of t
he Natlional Academy of Sciences U.S.A.)、第72
巻、第1317ペ−ジ、1975年]、サベ−ジおよび
ハ−パ−の方法[アナリティカル・バイオケミストリ−
(Analytical Biochemistry )、第111巻、第195
ペ−ジ、1981年)]および西室らの方法[ケミカル
・アンド・ファ−マセウティカル・ブレティン(Chemic
al and Pharmacuetical Bulletin) 、第33巻、第40
37ペ−ジ、1985年]によりヒト尿から次のように
して調製した。
【0038】約20リットルのヒト原尿に氷酢酸1リッ
トルを加えて酸性とし、濃塩酸を加えてpHを3.0〜
3.3に調整した。イオン交換樹脂Bio−Rex70
(バイオラッド社製)を氷酢酸でpHを3.1に調整
し、5%酢酸で洗浄し、尿に加え、4℃で18時間撹拌
した。2〜4時間放置後上澄を廃棄し、該樹脂を0.0
1規定塩酸で洗浄し、1モル酢酸アンモニウム(pH
8.0)でEGFを溶出させた。溶出液を凍結乾燥し、
乾燥物を50mlの蒸留水に溶解し、ペプスタチン
(0.5mg)、2ミリモルのアルギニン、200mg
のウシ血清アルブミン(BSA)を添加した。
【0039】この溶液に1,500mlのエタノールを
加えて撹拌し、30分間放置し、1,000×gで20
分間遠心し、沈査に2ミリモルのアルギニン15mlを
加え、塩酸でpHを3.0に調整し、さらに、30,0
00×g20分間遠心し、上澄を得た。
【0040】0.05%ギ酸で平衡化したDEAEセル
ロース(ワットマン社製)を充填したカラム(4×14
cm)に上記上澄を通液し、カラムに吸着せずに溶出す
るEGFを集め、溶出液を凍結乾燥し、乾燥物を20m
lの0.05規定塩酸で溶解し、pHを1.5に調整
し、3,000×gで30分間遠心し、上澄を得た。
【0041】Bio−GelP−10(バイオラッド社
製)を充填したカラム(4×90cm)を0.05規定
塩酸で平衡化し、毎時42mlの流速で溶出させた。大
部分のUV吸収物質は1.5カラム容積に溶出するが、
EGFは1.7カラム容積以後に溶出した。活性分画を
集め、アンモニア水でpHを6.0に調整し、凍結乾燥
した。乾燥物を0.04モル酢酸アンモニウム(pH
3.9)50mlに溶解し、限外濾過して5mlに濃縮
した。
【0042】CMセルロース(ワットマン社製)を充填
したカラム(0.9×10cm)を0.04モル酢酸ア
ンモニウムで平衡化し、上記濃縮液を添加し、0.04
モル酢酸アンモニウムで洗浄し、のち14mlの1モル
酢酸アンモニウムで溶出し、溶出液を凍結乾燥し、0.
02モル酢酸アンモニウム(pH5.3)5mlに溶解
した。
【0043】DE−52セルロース(ワットマン社製)
を充填したカラム(0.9×10cm)を0.02モル
酢酸アンモニウム(pH5.3)で平衡化し、毎時8m
lの流速で溶出し、上記溶液を添加後0.02モル酢酸
アンモニウムで洗浄し、0.02〜0.3モル酢酸アン
モニウムの濃度勾配で溶出し、3つのピーク(1,2,
3)が得られ、EGF活性の主要なピークは1と3であ
り、約150〜250μgのEGFを得た。
【0044】次に実施例を示してこの発明をさらに詳し
く説明するが、この発明は、以下の例に限定されるもの
ではない。
【0045】
【実施例】
実施例1 ラクトフェリン加水分解物からのペンタデカペプチド
を、次の方法により製造した。ウシラクトフェリン(オ
レオフィナ社製)500gを、9.5リットルの水に溶
解し、豚ペプシン(和光純薬工業社製)10gを添加
し、37℃で6時間保持して加水分解し、のち85℃で
5分間加熱して酵素を失活させた。
【0046】得られたペプシン加水分解物をMilli
Q水に10mg/mlの濃度で溶解し、この溶液0.1
mlを、0.5%トリフルオロ酢酸水溶液(A液)と
0.041%トリフルオロ酢酸を含む90%アセトニト
リル水溶液(B液)が80%対20%の混合率(A液:
B液=80:20)で平衡化したODS120−T(東
ソ−社製)を充填したカラム(4.6mm×150m
m)に、1分当たり0.8mlの流速で通液した。5分
後から30分間でB液の濃度を60%まで増加する直線
濃度句配(A液対B液の比率を80対20から、A液対
B液の比率を40対60)にかけた。この間の流速も
0.8ml/分である。通液開始後、3分から7分(フ
ラクション1)、7分から10分(フラクション2)、
14分から18分(フラクション3)、18分から21
分(フラクション4)、および21分から23分(フラ
クション5)の間に溶出される分画を分取した。この一
連の操作を10回反復した。
【0047】前記試験例2の結果から活性ペプチドはフ
ラクション2に含まれるので、フラクション2を濃縮
し、乾燥し、MilliQ(0.1ml)に溶解し、再
度前記逆相高速液体クロマトグラフィ−により、同一条
件で活性ペプチドを精製した。
【0048】最終的に活性ペプチドを含む画分(精製し
たフラクション2)を濃縮し、乾燥し、MilliQ
(0.1ml)に再度溶解し、凍結乾燥し、活性ペプチ
ドを得た。この方法では、ウシラクトフェリンのペプシ
ン加水分解物10mgから約150μgの割合で配列番
号1のアミノ酸配列を有する活性ペプチドが得られた。 実施例2 市販のペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイ
オテクノロジー社製。Biolynx 4170)を用い、配列番号
1のアミノ酸配列を有するペンタデカペプチドを合成し
た。合成には、アミノ酸のαアミノ基を9−フルオレニ
ルメトキシカルボニル(Fmoc)基で保護したFmoc−アミ
ノ酸の3、4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ
−1、2、3、−ベンゾトリアジンエステル(ODhb
t)またはペンタフルオロフェニルエステル(0Pf
p)を用い、いわゆる活性エステル法で順次C末端から
ペプチド鎖を延長するステップワイズエロンゲ−ション
・ストラテジ−により目的とするペンタデカペプチドを
固相法により合成した。なお、チロシン、セリンおよび
スレオニンの側鎖の水酸基は第三ブチル(tBu)基
で、グルタミン酸の側鎖のカルボキシル基は第三ブチル
エステル(OtBu)基で、リジンの側鎖は第三ブチル
オキシカルボニル(Boc)基で、グルタミンおよびヒ
スチジンの側鎖はトリチル(Trt)基で保護した。そ
の他のペンタデカペプチドの構成アミノ酸であるアラニ
ン、イソロイシン、グリシンおよびプロリンの側鎖には
保護を必要とする官能基はない。
【0049】この合成で用いたFmoc−アミノ酸の活性エ
ステルは、Fmoc-Tyr(tBu)-ODhbt 、Fmoc-Thr(tBu)-ODhb
t 、Fmoc-Ser(tBu)-ODhbt 、Fmoc-Glu(OtBu)-ODhbt、Fm
oc-Lys(Boc)-OPfp、Fmoc-His(Trt)-OPfp、Fmoc-Ala-OPf
p 、Fmoc-Ile-OPfp 、Fmoc-Gly-OPfp 、Fmoc-Pro-OPfp
(いずれもファルマシアLKBバイオテクノロジ−社
製)およびFmoc-Gln(Trt)-OPfp(渡辺化学工業社製)で
ある。ペプチド固相合成用樹脂は、ヒドロキシメチルフ
ェノキシ酢酸(HMPA)樹脂(商品名、ウルトロシン
A樹脂。ファルマシアLKBバイオテクノロジー社製)
を用いた。
【0050】先ず、ペンタデカペプチドのC末端アミノ
酸に相当するFmoc-Tyr(tBu)-ODhbt(0.5mmol)
をウルトロシンA樹脂1g(ファルマシアLKBバイオ
テクノロジー社製)と反応させ、Fmoc−Tyr(tBu)を樹脂
上に固定した。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジメ
チルホルムアミドで洗浄し、C末端アミノ酸(Fmoc−Ty
r(tBu))のαアミノ基の保護基(Fmoc基)を除去した。
のち目的とするペンタデカペプチドのアミノ酸配列のC
末端から2番目のアミノ酸残基に相当するFmoc-Tyr(tB
u)-ODhbt (0.5mmol)を樹脂に固定されたC末
端アミノ酸(Tyr(tBu))にカップリングさせた。以下同
様にして順次所望のアミノ酸を固定した。ただし、活性
エステルがペンタフルオロフェニルエステル(0Pf
p)の場合には、1−ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル
(HOBt、0.5mmol)をカップリング反応の触
媒として用いた。所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形
成された後、以下に示すように、アミノ酸側鎖の保護基
の脱離とペプチドの樹脂からの脱離を同時に行い、目的
とするペンタデカペプチドを得た。すなわち、Ala-Glu
(OtBu)-Ile-Tyr(tBu)-Gly-Thr(tBu)-Lys(Boc)-Glu(OtB
u)-Ser(tBu)-Pro-Gln(Trt)-Thr(tBu)-His(Trt)-Tyr(tB
u)-Tyr(tBu)−ウルトロシンA樹脂、0.1gとトリフ
ルオロ酢酸・チオアニソ−ル・エタンジチオ−ル・アニ
ソ−ル(90:5:3:2)、3mlを室温で反応させ
た。2時間後、樹脂を濾去し、残った樹脂をトリフルオ
ロ酢酸3mlで洗浄し、濾液と洗浄液を合わせ、エ−テ
ルを10ml加え、析出したパウダ−を遠心し集め、エ
−テルで洗浄し、残渣を酢酸5mlに溶解し、凍結乾燥
し、粗ペプチド約58mgを得た。
【0051】得られた粗ペプチド(1mg)を実施例1
と同一の逆相高速液体クロマトグラフィ−により精製
し、目的とするペンタデカペプチドの純粋品約0.8m
gを得た。 実施例3 アミノ酸の配列を変更したことを除き、実施例2と同一
の方法により、配列番号2のペプチドを合成した。この
ペプチドは、ヒトラクトフェリンおいて、この発明の発
明者らが見出した配列番号1のウシ由来のペンタデカペ
プチドに対応するペプチド部分である。 実施例4 アミノ酸の配列を変更したことを除き、実施例2と同一
の方法により、配列番号3のペプチドを合成した。この
ペプチドは、マウスラクトフェリンおいて、この発明の
発明者らが見出した配列番号1のウシ由来のペンタデカ
ペプチドに対応するペプチド部分である。 実施例5 アミノ酸の配列を変更したことを除き、実施例2と同一
の方法により、配列番号4のペプチドを合成した。この
ペプチドは、この発明の発明者らが見出した配列番号1
のウシ由来のペンタデカペプチドの1位から7位に相当
するヘプタペプチドである。 実施例6 アミノ酸の配列を変更したことを除き、実施例2と同一
の方法により、配列番号5のペプチドを合成した。この
ペプチドは、この発明の発明者らが見出した配列番号1
のウシ由来のペンタデカペプチドの1位から9位に相当
するノナペプチドである。 実施例7 アミノ酸の配列を変更したことを除き、実施例2と同一
の方法により、配列番号6のペプチドを合成した。この
ペプチドは、この発明の発明者らが見出した配列番号1
のウシ由来のペンタデカペプチドの1位から11位に相
当するウンデカペプチドである。 実施例8 アミノ酸の配列を変更したことを除き、実施例2と同一
の方法により、配列番号7のペプチドを合成した。この
ペプチドは、この発明の発明者らが見出した配列番号1
のウシ由来のペンタデカペプチドの3位から15位に相
当するトリデカペプチドである。 実施例9 固相合成用樹脂をアミド体合成用樹脂であるウルトロシ
ンC樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社
製)に変更したことを除き、実施例2と同一の方法によ
り、配列番号1のペプチドのC末端にアミド基が結合し
たアミド体を合成し、実施例1と同一の方法により逆相
高速液体クロマトグラフィ−で精製した。 実施例10(親水性軟膏) 実施例1と同一の方法により製造した配列番号1のペプチド 10(g) 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.01 白色ワセリン 250 ステアリルアルコ−ル 220 プロピレングリコ−ル 120 ウラリル硫酸ナトリウム 15 ラオキシ安息香酸メチル 0.25 パラオキシ安息香酸プロピル 0.15 精製水 384.59 上記成分を配合し、常法により1000gの親水性軟膏
を製造した。なお、ペプチドおよびEGF以外の原料は
いずれも市販品を用いた。 実施例11(製剤) 実施例2と同一の方法により製造した配列番号1のペプチド 50(mg) 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.01 結晶セルロ−ス 170 コ−ンスタ−チ 66 タルク 11 ステアリン酸マグネシウム 3 1錠当たり上記の割合の各原料を均一に混合し、常法に
より造粒し、乾燥し、打錠し、錠剤を得た。なお、ペプ
チドおよびEGF以外の原料はいずれも市販品を用い
た。 実施例12(製剤) 実施例9と同一の方法により製造した配列番号1のペプチドの アミド体 20(g) 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.02 結晶セルロ−ス 78 コ−ンスタ−チ 20 乳糖 17 ポリビニルピロリドン 3 上記各材料を均一に混合し、常法により顆粒化し、ゼラ
チン硬カプセル1000カプセルに充填し、カプセル剤
を調製した。なお、ペプチドのアミド体およびEGF以
外の原料はいずれも市販品を用いた。 実施例13(クリ−ム) 実施例5と同一の方法により製造した配列番号4のペプチド 0.5(g) 実施例1と同一の方法により製造した配列番号1のペプチド 0.5 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.001 ポリオキシエチレンステアリルエ−テル 2.0 ポリオキシエチレンセチルエ−テル 3.0 ミツロウ 4.0 セタノ−ル 3.0 ラノリン 1.0 イソプロピルパルミテ−ト 2.0 流動パラフィン 15.0 ポリエチレングリコ−ルモノステアレ−ト 0.5 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 精製水 68.399 上記成分を配合し、常法により100gのクリ−ムを製
造した。なお、ペプチドおよびEGF以外の原料はいず
れも市販品を用いた。 実施例14(ファンデ−ション) 実施例6と同一の方法により製造した配列番号5のペプチド 0.5(g) 実施例1と同一の方法により製造した配列番号1のペプチド 0.5 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.001 ステアリン酸 2.4 モノステアリン酸プロピレングリコ−ル 2.0 セトステアリルアルコ−ル 0.2 液状ラノリン 2.0 流動パラフィン 3.0 ミリスチン酸イソプロピル 8.5 防腐剤 適量 カルボキシメチルセルロ−スナトリウム 0.2 ベントナイト 0.5 プロピレングリコ−ル 4.0 トリエタノ−ルアミン 1.0 酸化チタン 8.0 タルク 4.0 着色料 適量 精製水 63.199 上記成分を配合し、常法により約100gのファンデ−
ションを製造した。なお、ペプチドおよびEGF以外の
原料はいずれも市販品を用いた。 実施例15(乳液) 実施例3と同一の方法により製造した配列番号2のペプチド 1.0(g) 実施例1と同一の方法により製造した配列番号1のペプチド 1.0 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.001 自己乳化型グリセロ−ルモノステアレ−ト 1.1 ポリオキシエチレンセチルエ−テル 1.9 MCステアリン酸 2.0 セタノ−ル 1.0 イソプロピルミリステイト 2.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 香料 0.1 精製水 89.799 上記成分を配合し、常法により100gの乳液を製造し
た。なお、ペプチドおよびEGF以外の原料はいずれも
市販品を用いた。 実施例16(パック) 実施例2と同一の方法により製造した配列番号1のペプチド 0.5(g) 実施例8と同一の方法により製造した配列番号7のペプチド 0.5 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.001 エタノ−ル 3.0 パラオキシ安息香酸メチル 0.1 カルボキシビニルポリマ− 1.0 炭酸カルシウム 0.3 精製水 94.599 上記成分を配合し、常法により100gのパックを製造
した。なお、ペプチドおよびEGF以外の原料はいずれ
も市販品を用いた。 実施例17(ポマ−ド) 実施例7と同一の方法により製造した配列番号6のペプチド 0.5(g) 実施例4と同一の方法により製造した配列番号3のペプチド 0.5 参考例と同一の方法により製造したEGF 0.001 モクロウ 13.0 ヒマシ油 84.799 香料 0.2 上記成分を配合し、常法により100gのポマ−ドを製
造した。なお、プチドおよびEGF以外の原料はいずれ
も市販品を用いた。
【0052】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この発明に
よって、従来のEGFのみを有効成分とする薬剤、化粧
料および養毛剤より優れた効果を有する細胞増殖賦活化
剤が提供される。
【0053】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列: Ala Glu Ile Tyr Gly Thr Lys Glu Ser Pro Gln Thr His Tyr Tyr 1 5 10 15 配列番号:2 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列: Ala Glu Val Tyr Gly Thr Glu Arg Gln Pro Arg Thr His Tyr Tyr 1 5 10 15 配列番号:3 配列の長さ:15 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列: Ala Glu Val Tyr Gly Thr Lys Glu Gln Pro Arg Thr His Tyr Tyr 1 5 10 15 配列番号:4 配列の長さ:7 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:5 配列の長さ:9 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:6 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド 配列番号:7 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列の特徴:このペプチド、およびこのペプチドをフラ
グメントとして含むペプチド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/22 C07K 7/06 8318−4H 7/08 ZNA 8318−4H A61K 37/24 (72)発明者 萩原 朋之 神奈川県横浜市旭区鶴ケ峰1−89−33 マ・メゾンV2−C号室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1から配列番号7のいずれかの
    アミノ酸配列を有するペプチドまたはその誘導体。
  2. 【請求項2】 配列番号1から配列番号7のいずれかの
    アミノ酸配列を有するペプチド、その誘導体またはそれ
    らの混合物と上皮細胞成長因子とを有効成分として含有
    する細胞増殖賦活化剤。
  3. 【請求項3】 ペプチド、その誘導体またはそれらの混
    合物が、少なくとも0.1μg/gの割合で含有されて
    いる請求項2の細胞増殖賦活化剤。
JP5352422A 1993-12-29 1993-12-29 ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤 Pending JPH07196527A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5352422A JPH07196527A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5352422A JPH07196527A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07196527A true JPH07196527A (ja) 1995-08-01

Family

ID=18423975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5352422A Pending JPH07196527A (ja) 1993-12-29 1993-12-29 ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07196527A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7897144B2 (en) 2001-02-28 2011-03-01 Johnson & Johnson Comsumer Companies, Inc. Compositions containing legume products
US7985404B1 (en) 1999-07-27 2011-07-26 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Reducing hair growth, hair follicle and hair shaft size and hair pigmentation
US8039026B1 (en) 1997-07-28 2011-10-18 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc Methods for treating skin pigmentation
US8093293B2 (en) 1998-07-06 2012-01-10 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Methods for treating skin conditions
US8106094B2 (en) 1998-07-06 2012-01-31 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Compositions and methods for treating skin conditions
JP2012236808A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Tsutsumi Planning:Kk 化粧料
US8431550B2 (en) 2000-10-27 2013-04-30 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Topical anti-cancer compositions and methods of use thereof

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8039026B1 (en) 1997-07-28 2011-10-18 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc Methods for treating skin pigmentation
US8093293B2 (en) 1998-07-06 2012-01-10 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Methods for treating skin conditions
US8106094B2 (en) 1998-07-06 2012-01-31 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Compositions and methods for treating skin conditions
US7985404B1 (en) 1999-07-27 2011-07-26 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Reducing hair growth, hair follicle and hair shaft size and hair pigmentation
US8431550B2 (en) 2000-10-27 2013-04-30 Johnson & Johnson Consumer Companies, Inc. Topical anti-cancer compositions and methods of use thereof
US7897144B2 (en) 2001-02-28 2011-03-01 Johnson & Johnson Comsumer Companies, Inc. Compositions containing legume products
JP2012236808A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Tsutsumi Planning:Kk 化粧料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10376557B2 (en) Peptide fragments for inducing synthesis of extracellular matrix proteins
JP5789901B2 (ja) 皮膚化粧用組成物におけるオリゴマーバイオサーファクタント
JPH0665680B2 (ja) 動物組織の修復
JPH07196527A (ja) ペプチドまたはその誘導体と、細胞増殖賦活化剤
CN110612125B (zh) 异维a酸和肽的偶联物
KR20180020789A (ko) 미녹시딜과 펩타이드의 결합체
JP2003137899A (ja) 線維芽細胞増殖促進ペプチド
KR101954214B1 (ko) 멜라닌 생성 촉진 활성을 나타내는 펩타이드 및 이의 용도
JP2673659B2 (ja) ペプチド
JPH0873499A (ja) 新規ペプチドおよび免疫賦活剤
KR102160566B1 (ko) 미녹시딜과 펩타이드의 결합체
JPH0782172A (ja) 創傷治療剤
JPH09194388A (ja) 血管新生病治療剤
JP7411688B2 (ja) トロロックス-ペプチド結合体およびその用途
JPH1080281A (ja) 新規蛋白質及びその製造方法
JPH07309771A (ja) 非経口用抗腫瘍剤
JPH08176190A (ja) ペプチド誘導体と、その用途
CA2145960A1 (en) Protein phbp-70
JP2918922B2 (ja) インスリン結合活性を有するポリペプチド
KR20180125419A (ko) 이소트레티노인과 펩타이드의 결합체
CA2079291A1 (en) Activities of heparin binding neurite-outgrowth promoting factor
EP1152011A1 (en) Peptides inhibiting vascular endothelial cell migration
JPS59157096A (ja) 蛋白質分解酵素阻害剤
JPH07309774A (ja) 抗真菌剤
JPH03184998A (ja) ハイブリッド蛋白質,dnaおよびその用途

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040810

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041228