JPH07194652A - 救急車のストレッチャー搬入装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 傷病者を載せたストレッチャーを動力によっ
て車室内の固定テーブルに搬入装着する場合、実質的に
車室内を狭めることなく簡単に搬入装着可能にする救急
車のストレッチャー搬入装置の提供。 【構成】 車室５０に取り付けた固定テーブル５１の前
後両端部に駆動輪２と従動輪３を取り付け、この駆動輪
２と従動輪３に巻回手段１０を固定テーブル上面の表面
側と裏面側とを往復するようにエンドレスに巻き掛け、
その表面側の巻回手段１０にフック１３を取付け、該フ
ック１３をストレッチャー５２の前端部に係合可能にし
た救急車のストレッチャー搬入装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、救急車のストレッチャ
ー搬入装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】救急車に装備されるストレッチャー（担
架）は、車室内に設けた固定テーブルに脱着自在に取り
付けられるようになっており、現場へ搬送可能であると
共に、固定テーブルに装着したときは緊急ベッドとして
使用できるようになっている。しかるに、このストレッ
チャーを傷病者を載せた状態で車外から車室内の固定テ
ーブルに搬入装着するときは、固定テーブルが車台上の
高い位置にあるため非常な重労働になっている。特に、
ストレッチャーを後端側から押し上げるようにする救急
作業者の腰への負担は大きく、腰を傷めやすいというこ
とが問題になっている。

【０００３】このための対策として動力機器を車室内に
装備することも考えられるが、単に動力機器を車室に設
置したのでは、狭い車室を一層狭くする結果になり、車
室内での救急救命士による応急的救命作業を著しく制約
するという問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、傷病
者を載せたストレッチャーを動力によって車室内の固定
テーブルに搬入装着する場合、実質的に車室内を狭める
ことなく簡単に搬入装着可能にする救急車のストレッチ
ャー搬入装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、車室に取り付けた固定テーブルにストレッチャー
を脱着自在に取り付けた救急車において、前記固定テー
ブルの前後両端部に駆動輪と従動輪とを取り付け、この
駆動輪と従動輪に巻回手段を前記固定テーブル上面の表
面側と裏面側とを往復するようにエンドレスに巻き掛
け、その表面側の巻回手段にフックを取付け、該フック
を前記ストレッチャーの前端部に係合可能にしたことを
特徴とするものである。

【０００６】このように固定テーブルの前後両端部に駆
動輪と従動輪を取り付け、この駆動輪と従動輪に巻回手
段を固定テーブル上面の表面側と裏面側とに往復するよ
うに巻き掛けたので、搬入装置の大部分を車室内を狭め
ないように固定テーブルの内側に収納状態にし、表面側
に露出した巻回手段に取り付けたフックによりストレッ
チャーを搬入装着を可能にする。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を図に示す実施例によって具体
的に説明する。図１は、本発明のストレッチャー搬入装
置１を装備した救急車Ｃを示す概略図である。救急車Ｃ
は、車室５０（傷病室）の床面に固定テーブル５１を固
定し、その上にストレッチャー５２を着脱自在に装着す
るようになっている。ストレッチャー５２は、固定テー
ブル５１から離脱して現場へ運ぶことができ、また傷病
者Ｐを載せて固定テーブル５１に搬入装着すると、緊急
ベッドとして使用できるようになっている。

【０００８】この固定テーブル５１には、図２〜図５に
示すようなストレッチャー搬入装置が取り付けられてい
る。図２および図３に示すように、固定テーブル５１の
天板５１ａには、そのテーブル幅方向中央の前後両端部
の裏面側に、軸受部４，５を介して駆動輪２と従動輪３
が取り付けられている。また、天板５１ａの裏面側には
ギヤードモータ６が取り付けられおり、このギヤードモ
ータ６の出力軸に自在継手７を連結し、さらに傘歯車８
を介して駆動輪２の駆動軸９を駆動するようになってい
る。

【０００９】駆動輪２と従動輪３は、それらの軸受部
４，５を天板５１ａの裏面側に固定することにより、一
部だけが上面側に露出するようになっている。この駆動
輪２と従動輪３の間にベルト１０がエンドレスに巻き掛
けられ、そのベルト１０が天板５１ａの表面側と裏面側
とを往復するようになっている。その天板５１ａの裏面
側を走行するベルト１０には、テンショナー１４のロー
ラ１４ａが弾性力を付勢するようにし、ベルト張力を維
持するようになっている（図５参照）。

【００１０】一方、天板５１ａの上面には、その上面側
を走行するベルト１０に沿ってガイドレール１１が固定
されている。このガイドレール１１にスライダー１２が
案内子１２ａを介して摺動自在に嵌合し、このスライダ
ー１２はフック１３と共にベルト１０に固定されている
（図４参照）。このように取り付けられたフック１３と
スライダー１２とは、ベルト１０と共にガイドレール１
１に沿って前後に往復移動するようになっている。

【００１１】上述したストレッチャー搬入装置１は、ス
トレッチャー５２の搬入操作を次のようにして実施す
る。先ず、救急車Ｃ内のストレッチャー搬入装置１は、
そのフック１３を固定テーブル５１の後端側に移動して
待機させておく。次に、傷病者Ｐを載せたストレッコチ
ャー５２を救急車Ｃの後部入口に運び、その前端側の車
輪５１ａのアームを折り畳んで前端側を引き込み、車輪
５１ａの車軸５１ｂをフック１３に引っ掛けるようにす
る。

【００１２】次に、ギヤードモータ６をオンにして駆動
輪２を駆動し、ベルト１０を移動させることによりフッ
ク１３を固定テーブル５１の前端側へ移動させる。この
移動によってストレッチャー５２は自動的に引き込ま
れ、最終的に固定テーブル５１の前端まで移動して装着
状態になる。上述のように、上記ストレッチャー搬入装
置を使用することによって、ストレッチャー５２を動力
によって自動的に固定テーブル５１の上に搬入装着する
ことができる。しかも、ストレッチャー搬入装置の大部
分は固定テーブル５１の裏面側に収納状態になってお
り、ベルト１０の一部とフック１３などを上面側に露出
するだけであるので、実質的に車室５０のスペースを狭
めることがなく、ゆとりのある空間を確保することがで
きる。

【００１３】本発明において、駆動輪と従動輪とに巻き
掛けるエンドレスな巻回手段としては、実施例に例示し
たような平ベルトのほか、Ｖベルト、歯付ベルトなどを
使用してもよく、或いはチェーンを使用するようにして
もよい。したがって、駆動輪および従動輪も、平プー
リ、Ｖプーリ、歯付プーリ、スプロケット等を使用する
ことができる。

【００１４】また、駆動輪の駆動手段としては、固定テ
ーブルの内側にコンパクトに収納可能なギヤードモータ
が最も好ましく、さらに狭い固定テーブル内の空間で動
力の取り出しを任意の方向に設定可能にするため、自在
継手や傘歯車を利用すれば一層のコンパクトに収納する
ことができる。また、フックが引掛けるストレッチャー
側の係合部としては、実施例のような車軸を利用するほ
か、別の機構を設けるようにしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】上述したように、本発明のストレッチャ
ー搬入装置は、車室内の固定テーブルの前後両端部に駆
動輪と従動輪を取り付け、この駆動輪と従動輪に巻回手
段を固定テーブル上面の表面側と裏面側とに往復するよ
うに巻き掛けるようにしたので、装置の大部分を固定テ
ーブル内に収納した状態にして、表面側に露出した巻回
手段に取り付けたフックによりストレッチャーの搬入操
作をすることができる。したがって、実質的に車室空間
を狭めることなくストレッチャーの搬入装着を可能にす
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のストレッチャー搬入装置を装備した救
急車を示す概略図である。

【図２】本発明の実施例からなるストレッチャー搬入装
置を示す側面図である。

【図３】同ストレッチャー搬入装置を、固定テーブルの
天板を省いた状態で示す平面図である。

【図４】図２のＡ−Ａ矢視図である。

【図５】図３のＢ−Ｂ矢視図である。

【符号の説明】

Ｃ 救急車 １ ストレッチ
ャー搬入装置 ２ 駆動輪 ３ 従動輪 ６ ギヤードモータ １０ ベルト １３ フック ５１ 固定テー
ブル ５１ａ 天板 ５２ ストレッ
チャー ５２ａ 車輪 ５２ｂ 車軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室に取り付けた固定テーブルにストレ
   ッチャーを脱着自在に取り付けた救急車において、前記
   固定テーブルの前後両端部に駆動輪と従動輪とを取り付
   け、この駆動輪と従動輪に巻回手段を前記固定テーブル
   上面の表面側と裏面側とを往復するようにエンドレスに
   巻き掛け、その表面側の巻回手段にフックを取付け、該
   フックを前記ストレッチャーの前端部に係合可能にした
   救急車のストレッチャー搬入装置。
2. 【請求項２】 前記駆動輪を前記固定テーブルの裏面側
   に取り付けたギャードモータにより駆動するようにした
   請求項１に記載の救急車のストレッチャー搬入装置。