JPH07187896A - 水銀カドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル - Google Patents

水銀カドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル

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JPH07187896A
JPH07187896A JP33485593A JP33485593A JPH07187896A JP H07187896 A JPH07187896 A JP H07187896A JP 33485593 A JP33485593 A JP 33485593A JP 33485593 A JP33485593 A JP 33485593A JP H07187896 A JPH07187896 A JP H07187896A
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JP
Japan
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mercury
crystal
ampoule
space part
heat treatment
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Pending
Application number
JP33485593A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Shimoyama
眞一 下山
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Hg1-X CdX Te結晶を熱処理する際に、
水銀が結晶表面に付着しない様にするアンプルを提案す
る。 【構成】 結晶配置用空間部と水銀配置用空間部との間
に水銀逆流防止用空間部を設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線検出素子作製用
高品質水銀カドミウムテルル結晶すなわちHg1-X Cd
X Te結晶(以下MCT結晶と略記する)の製造装置の
改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、赤外線の利用技術が急速に進歩し
ている。赤外線検出器の材料としては、MCT結晶がそ
の高感度、高速性から最も注目されている。MCT結晶
は、Cd組成xを変化させることによってエネルギー・
ギャップを0〜1.6eVまで連続的に変化させること
ができるので赤外線に対する応答波長域を広範囲に選択
することができることや、光に対する吸収係数が大きい
ので素子を薄膜化することができ多素子化が容易である
など、赤外線検出器の材料として多くの利点を有してい
る。
【0003】MCT結晶を用いた赤外線検出器の動作モ
ードとしては、光伝導型、光起電力型が良く知られてい
る。光伝導型の検出器は、その検出器を構成するMCT
結晶のエネルギー・ギャップより大きいエネルギーを持
つ光で照射した場合、光によって励起されたキャリアの
増加により、その結晶の電気抵抗が変化するという性質
を利用したものである。一方、光起電力型の検出器は、
p−n接合に入射した光による起電力を検出するもので
ある。光伝導型検出器には、液体窒素温度で4×1014
cm-3以下の低キャリア濃度のn型結晶が必要とされて
いる。光起電力型検出器には、液体窒素温度でキャリア
濃度(1〜2)×1016cm-3程度のp型結晶を基板と
して検出器が作製されている。
【0004】現在、最も高品質なMCT結晶は液相エピ
タキシャル法(以下LPE法と略記する)で作製されて
いる。溶媒としては、Te或いはHgが用いられている
が、蒸気圧が低いことや取扱いの容易さなどからTe溶
媒を用いた育成が主流である。しかし、Te溶媒を用い
たLPE法で育成したMCT結晶は、結晶育成したのみ
の状態(以下育成結晶状態と略記する)では結晶中にア
クセプタとして働くHg空孔が多く含まれているため
に、通常はキャリア濃度1×1017cm-3程度(at
77K)のp型の電気的特性を示す。従って、必要とさ
れる電気的特性を得るためには育成結晶状態のMCT結
晶をHg蒸気圧の下で熱処理しHg空孔を埋める必要が
ある。光伝導型検出器に用いられる基板は、エピタキシ
ャル結晶中のHg空孔をほとんど埋めることによって得
られている。光起電力型に用いられるp型結晶は、熱処
理時のHg蒸気圧を適切に選び、結晶中のHg空孔の濃
度を調整することによって必要とするキャリア濃度を持
つ結晶を得ることができる。
【0005】MCT結晶の熱処理時に酸化を防ぎ、金属
Hgの使用量を出来るだけ少量にし、一定のHg蒸気圧
をMCT結晶に均一に印加するためには、MCT結晶設
置部と金属Hgリザーバーを設けた石英製アンプル内に
真空封止して熱処理を行う方法が最も優れている。
【0006】この方法で熱処理を行えば、封管アンプル
内のHg蒸気圧によってMCT結晶に残留するHg空孔
の量が決定されるので、熱処理することによって結晶の
電気的特性をコントロールすることができる。
【0007】MCT結晶を熱処理する時には、結晶の表
面にHgが付着していない様に注意しなければならな
い。MCT結晶にHgが付着したまま熱処理を行うと、
結晶のその部分はHgが結晶中に拡散して結晶の組成、
電気的特性がまわりと違ってしまう。従って、その部分
は赤外線検出素子の作製に用いることができず、Hgの
付着は収率を悪化させる原因となっていた。
【0008】以下、MCT結晶の熱処理を従来の熱処理
炉の構成図(図2)を用いて説明する。開口部1から結
晶設置部2までが外径35mmφで、結晶設置部2から
Hg溜め3までを10mmφの細管にした石英アンプル
11内底部に蒸気圧印加用Hg4を入れ、その上に成長
済みMCT結晶5を配置し、石英アンプル11上部を石
英キャップ6で真空封止する。アンプル11は熱処理炉
内にMCT結晶5を上に、Hg4を下にセットして、ヒ
ーター7,8,9によって熱を加え、石英アンプル内の
Hg蒸気圧を適切に制御して熱処理を行っていた。
【0009】熱処理に用いる封管アンプル11の準備の
際には、まず石英アンプル開口部1より金属Hg4をH
g溜め3に流し込み、MCT結晶5を結晶設置部2まで
挿入するが、MCT結晶5は非常に傷つき易く割れ易い
ため、ピンセット等の治具で掴むことが出来ない。MC
T結晶5を石英アンプル11内の結晶設置部2まで挿入
するには、石英アンプル11を水平に倒しMCT結晶5
の端面を治具を用いて押していた。石英アンプル11を
水平に倒してMCT結晶5を挿入している時に、Hg4
が結晶設置部2まで流れてきてMCT結晶5に付着する
ことがあった。又、真空封止の終った石英アンプル11
を熱処理炉に入る長さまで切断しなければならないが、
この切断する時も、真空封止の終った石英アンプル11
を水平に倒さなければならず、この時も金属Hg4がM
CT結晶5の方に流れて行き、付着してしまうことがあ
った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はMCT
結晶を熱処理する際の作業行程上で、HgがMCT結晶
に付着することがない熱処理用アンプルを提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、離れた位置に結晶配置用空間部と水銀配
置用空間部とを連通して設けた封管アンプルであって、
該結晶配置用空間部と該水銀配置用空間部との間に水銀
逆流防止用空間部を設けてなる点に特徴がある。
【0012】又、本発明は上記の水銀逆流防止用空間部
が球形状の容器であるか又は水銀逆流防止用空間部の水
銀溜め側の内壁が半球状もしくは円錐状である点に特徴
がある。
【0013】
【作用】上記形状の水銀逆流防止用空間部を設けた熱処
理用アンプルを使用することにより、Hgの入った熱処
理用アンプルを水平に倒してHgが結晶の方に流れてき
ても、Hgが結晶設置部と水銀逆流防止用空間部との間
のくびれた所で止まる。従ってMCT結晶にHgが付着
することが無くなる。
【0014】水銀逆流防止用空間部は、その容積が原理
的にはHg設置部のHgが流れ込んで来ても結晶設置部
に行かないように2〜3倍と小さくてもよいのである
が、アンプルを水平にした時にHgがいきおい良く流れ
込んで来たり、又、余り小さいとアンプルを再び立てて
使用する時にHgがHg配置部に戻らなくて後記する様
な問題を生じたり、又、小さいと石英細工でアンプルを
作製し難くなり、一方、外径が結晶設置部の外径より大
きくなると熱処理炉のヒーターとアンプルとの間に設け
られている保温材(図1、図2には示していない)に接
触してしまうのでアンプルを熱処理炉内に設置し難くな
るので、その外径が結晶設置部の外径と等しいのが好ま
しい。
【0015】又、水銀逆流防止用空間部、特にその内壁
が凹凸であったりして水銀がこの部分に残ってしまう
と、MCT結晶の極く近隣にHgが存在してしまうこと
になり、MCT結晶とHg溜めの温度に差をつけてMC
T結晶の周囲のHg蒸気圧を制御しようとしても前記の
残留したHgが邪魔して正確に制御できなくなってしま
うので、水銀逆流防止用空間部の内壁は極力滑らかなの
が良く、この点からは、水銀逆流防止用空間部は球形状
であるかまたは水銀逆流防止用空間部の水銀溜め側の内
壁が半球状もしくは円錐状であるのが好ましい。
【0016】
【実施例】本発明の実施例を図1の(a)図および
(b)図により説明する。液相エピタキシャル法によっ
て育成した寸法25mm×30mm、膜厚20μmのM
CTエピタキシャル結晶を、図1の(a)図に示した本
発明の石英製熱処理用アンプル11を用いて熱処理を行
った。図1において水銀逆流防止用空間部10が結晶配
置部2と水銀溜め3との間に(図1では結晶配置部2に
隣接して)設けてある。
【0017】MCT結晶5を熱処理する際に、まず垂直
に保持した熱処理用アンプル内底部のHg溜め3に、蒸
気圧印加用の高純度Hg1mlを注入した。次に、熱処
理用アンプル11を水平に倒し、0.1%Br−メタノ
ール液でエッチングを行い表面を清浄な状態にしたMC
T結晶5をアンプル11内に挿入し、続けて石英製のキ
ャップ6を挿入した。この時Hg溜め3よりHgが水銀
逆流防止用空間部10の所まで流れて来ていたが、水銀
逆流防止用空間部10より先まで流れて行かず、MCT
結晶5へのHgの付着はなかった。水銀逆流防止用空間
部10まで流れてきたHgをHg溜め3までアンプル1
1を傾けて戻した後、ほぼ水平な状態でアンプル開口部
1を真空ポンプ排気口にセットし、アンプル内を真空排
気した。真空度が5×10-6Torrに達した所で、石
英製の熱処理用アンプル11とキャップ6を水素酸素バ
ーナーにより融着させ封止切りを行った。封止の終わっ
たアンプル11を、ほぼ水平の状態のままダイヤモンド
ブレードを用いた外周刃カッターにより、封止切った所
の上部を切断し、熱処理炉に入る寸法にした。
【0018】以上の行程が終了した後、MCT結晶の表
面を目視により観察した所、Hgの付着は全く確認され
なかった。
【0019】このアンプルを、Hg溜め3からMCT結
晶設置部2までが280℃で均熱に保たれる熱処理炉に
セットして、20時間加熱して熱処理を行った。その
後、アンプル11を炉から取り出した後室温まで冷却
し、アンプル11を破壊してMCT結晶5を取り出し
た。結晶表面を顕微鏡により観察したところ、Hgが結
晶表面に付着した跡はまったく観察されなかった。さら
に、熱処理の終わったMCT結晶をVan der P
auw法により電気的特性を評価した。その結果、n型
でキャリア濃度3×1014cm-3、移動度2.3×10
5 cm2 /V・s(at 77K)の高品質結晶であっ
た。
【0020】
【発明の効果】本発明の熱処理用アンプルにより、MC
T結晶の熱処理行程上に起こる結晶へのHgの付着が無
くなり、MCT結晶の製造収率が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)図は本願によるMCT結晶の熱処理用ア
ンプルの平面図であり、(b)は本願によるMCT結晶
の熱処理用アンプルを使用して熱処理しをした時の熱処
理炉の要部断面図である。
【図2】従来のMCT結晶の熱処理用アンプルを使用し
た時の熱処理炉の要部断面図である。
【符号の説明】 1 開口部 2 結晶設置部 3 Hg溜め 4 Hg 5 MCT結晶 6 石英キャップ 7 ヒーター 8 ヒーター 9 ヒーター 10 水銀逆流防止用空間部 11 熱処理用アンプル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離れた位置に結晶配置用空間部と水銀配
    置用空間部とを連通して設けた封管アンプルであって、
    該結晶配置用空間部と該水銀配置用空間部との間に水銀
    逆流防止用空間部を設けてなることを特徴とする水銀カ
    ドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル。
  2. 【請求項2】 水銀逆流防止用空間部が球形状の容器で
    あるかまたは水銀逆流防止用空間部の水銀溜め側の内壁
    が半球状もしくは円錐状である請求項1記載の水銀カド
    ミウムテルル結晶の熱処理用アンプル。
JP33485593A 1993-12-28 1993-12-28 水銀カドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル Pending JPH07187896A (ja)

Priority Applications (1)

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JP33485593A JPH07187896A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 水銀カドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル

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JP33485593A JPH07187896A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 水銀カドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル

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JPH07187896A true JPH07187896A (ja) 1995-07-25

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ID=18281978

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JP33485593A Pending JPH07187896A (ja) 1993-12-28 1993-12-28 水銀カドミウムテルル結晶の熱処理用アンプル

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JP (1) JPH07187896A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1058761C (zh) * 1997-09-17 2000-11-22 中国科学院上海技术物理研究所 碲镉汞材料热处理装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1058761C (zh) * 1997-09-17 2000-11-22 中国科学院上海技术物理研究所 碲镉汞材料热处理装置

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