JPH07179753A - 複合樹脂組成物 - Google Patents

複合樹脂組成物

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JPH07179753A
JPH07179753A JP5328369A JP32836993A JPH07179753A JP H07179753 A JPH07179753 A JP H07179753A JP 5328369 A JP5328369 A JP 5328369A JP 32836993 A JP32836993 A JP 32836993A JP H07179753 A JPH07179753 A JP H07179753A
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composite resin
composition according
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JP5328369A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yasuda
浩 安田
Masatoshi Akatsuka
正利 赤塚
Yukihiro Tsuchiya
行宏 土屋
Hideo Okawa
秀夫 大川
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Idemitsu Fine Composites Co Ltd
Original Assignee
CALP Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ポリフタルアミド40〜80重量%
と、脂肪族ポリアミド10〜40重量%と、ポリフェニ
レンスルフィド10〜30重量%とから成る樹脂基剤9
0〜50重量部と(B)無機充てん剤10〜50重量部
とを全量100重量部になるように配合したものに、有
効量の酸化防止剤及び核剤を添加して成る複合樹脂組成
物である。 【効果】 高い反発係数と低い摩擦係数とを有し、衝突
エネルギーや振動エネルギーが変化しても一定の反発係
数及び振動吸収が得られる上、吸収率が低く、耐熱性に
優れ、しかも成形性が良好であり、反発制御材料や振動
制御材料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な複合樹脂組成
物、さらに詳しくは、構造材として使用可能な強度や弾
性率をもち、かつ高い反発係数と低い摩擦係数とを有
し、衝突エネルギーや振動エネルギーが変化しても一定
の反発係数及び振動吸収が得られる上、吸水性が低く、
かつ耐熱性に優れ、さらには従来の耐熱性樹脂に比べて
低い金型温度で成形が可能であって、成形サイクルも短
くすることができるなどの特徴を有し、反発制御材料や
振動制御材料などとして有用な複合樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】工業用の小型金属部品の製造ラインにお
いて、あるいは両替機、自動販売機、コインゲーム機な
どにおけるコインの誘導路又はベアリングやパチンコ球
などの鋼球類の搬送路の途中において、一般にそれらの
部材を自由落下させたあと、金属や樹脂製のホッパーで
一方向に整理・整流する工程が採られている。
【0003】しかしながら、自由落下した部材はホッパ
ー壁面と衝突する際、ランダムな方向や強度で反発する
ため、ホッパー出口へ誘導するのに時間を費やし、連続
的かつ効率よくホッパーを通過させるのが困難であっ
た。
【0004】したがって、このような問題を解決するた
めに、ホッパーやコイン、球などの材料として反発を制
御する材料が求められている。
【0005】ホッパー材については、一般にラバーや発
泡体などの反発弾性の低い材料を用いて落下物の反発を
減らすことが試みられているが、これらの材料は非常に
軟質であって、それ自体構造材料として使用不可であっ
たり、摩擦係数が高く摩耗が速かったり、あるいは、コ
ンタミを生じたりするなどの問題があった。
【0006】一方、スキー板、ゴルフクラブヘッド、各
種ラケットなどのスポーツ用品においては、その性能を
向上させるため、異常振動を押さえる目的で、振動を制
御する材料が求められている。そのため、スポーツ用品
には、前記ホッパーの場合と同様に、軟質の素材を振動
吸収材として使用しているが、この場合別途骨格材が必
要である上、振動周波数により、効果にバラツキが生じ
るなどの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、構造材として使用可能な強度や弾性率を
もち、かつ高い反発係数と低い摩擦係数とを有し、反発
制御材料や振動制御材料などとして有用な樹脂組成物を
提供することを目的としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、反発制御
材料や振動制御材料などとして有用な樹脂組成物を開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の割合のポリフタル
アミドと脂肪族ポリアミドとポリフェニレンスルフィド
とから成る樹脂基剤に、所定量の無機充てん剤と有効量
の酸化防止剤及び核剤とを配合した複合樹脂組成物は、
構造材として使用可能な強度や弾性率をもち、かつ高い
反発係数と低い摩擦係数とを有し、衝突エネルギーや振
動エネルギーが変化しても一定の反発係数及び振動吸収
が得られる上、吸水性が低く、かつ耐熱性に優れ、さら
には従来の耐熱性樹脂に比べて低い金型温度で成形が可
能であって、成形サイクルも短くしうるなどの特徴を有
し、反発制御材料や振動制御材料として極めて有用であ
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)ポリフタルア
ミド40〜80重量%と、脂肪族ポリアミド10〜40
重量%と、ポリフェニレンスルフィド10〜30重量%
とから成る樹脂基剤90〜50重量部と(B)無機充て
ん剤10〜50重量部とを全量100重量部になるよう
に配合したものに、有効量の酸化防止剤及び核剤を添加
して成る複合樹脂組成物を提供するものである。
【0010】本発明組成物において、(A)成分として
用いられる樹脂基剤は、ポリフタルアミドと脂肪族ポリ
アミドとポリフェニレンスルフィドとから成るものであ
って、該ポリフタルアミドとしては、例えばヘキサメチ
レンジアミンとイソフタル酸又はテレフタル酸あるいは
その両方を主なモノマーとした縮合物が好適に用いられ
る。このポリフタルアミドは、該樹脂基剤中に40〜8
0重量%、好ましくは50〜70重量%の範囲で含有す
ることが必要である。この含有量が40重量%未満では
吸水性が高く、耐熱性及び寸法安定性に劣るし、80重
量%を超えると流動性が低下し、成形性が悪くなる。
【0011】また、脂肪族ポリアミドとしては、例えば
6ナイロン、66ナイロン、46ナイロンなどが挙げら
れ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。この脂肪族ポリアミドは、該樹脂
基剤中に10〜40重量%、好ましくは15〜30重量
%の範囲で含有することが必要である。この含有量が1
0重量%未満では流動性に劣り、成形性が悪いし、40
重量%を超えると吸水性が高くなり、耐熱性及び寸法安
定性が低下する。
【0012】一方、ポリフェニレンスルフィドとして
は、例えば公知の架橋型のものや直鎖型のものなどを挙
げることができるが、これらの中で直鎖型のものが好適
である。このポリフェニレンスルフィドは、該樹脂基剤
中に10〜30重量%、好ましくは10〜20重量%の
範囲で含有することが必要である。この含有量が10重
量%未満では流動性に劣り、成形性が悪いし、30重量
%を超えると衝撃強度が低下し、脆くなる。
【0013】本発明組成物において、(B)成分として
用いられる無機充てん剤としては、繊維状物質及び粒子
状物質のいずれも使用することができるが、繊維状物質
と粒子状物質との組み合わせが好ましい。該繊維状物質
としては、例えばガラス繊維、炭素繊維及びチタン酸カ
リウムウイスカーなどを挙げることができ、これらは単
独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。一方該粒子状物質としては、例えば炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ及
びウォラストナイトなどを挙げることができ、これらは
単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても
よい。また、前記繊維状物質と粒子状物質とを組み合わ
せて用いる場合、繊維状物質と粒子状物質との割合が、
重量比で20:80ないし90:10の範囲にあるのが
望ましい。両者の割合が前記範囲内にあれば、本発明の
効果が十分に発揮されるとともに、成形後の異方性が低
減する。また両者の割合が前記範囲を逸脱すると流動性
が低下する傾向がみられる。特にガラス繊維と硫酸バリ
ウムとの組み合わせが好適である。
【0014】本発明組成物においては、前記(A)成分
の樹脂基剤90〜50重量部、好ましくは85〜55重
量部と、(B)成分の無機充てん剤10〜50重量部、
好ましくは15〜45重量部とを全量100重量部にな
るように配合することが必要である。該無機充てん剤の
配合量が10重量部未満では剛性及び強度が不十分であ
るし、50重量部を超えると衝撃強度が低下し、脆くな
る。
【0015】本発明組成物においては、さらに酸化防止
剤及び核剤を配合することが必要である。該酸化防止剤
の種類については特に制限はないが、ヨウ化第一銅や酢
酸第一銅などの銅化合物が好ましく用いられる。この酸
化防止剤は、前記の樹脂基剤と無機充てん剤とを配合し
たもの100重量部に対して、通常有効量として0.0
1〜0.5重量部の割合で添加される。この添加量が
0.01重量部未満では成形時における熱劣化が大き
く、加工安定性や成形品の物性が低下するおそれがある
し、0.5重量部を超えるとその量の割には効果の向上
がみられない。
【0016】一方、核剤についても特に制限はないが、
ハイドロタルサイト、ステアリン酸カルシウム及びホウ
酸亜鉛などが好ましく用いられる。これらの核剤は1種
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また、該ハイドロタルサイトとしては、一般にMg
4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2Oで表わされる化
合物が好ましく用いられる。該核剤は、前記の樹脂基剤
と無機充てん剤とを配合したもの100重量部に対し
て、通常有効量として0.1〜2重量部の割合で添加さ
れる。この添加量が0.1重量部未満では組成物の結晶
化速度が遅く、低温金型での成形が困難になるととも
に、成形サイクルも長くなるし、2重量部を超えると衝
撃強度が低下し、脆くなる。
【0017】本発明組成物には、必要に応じ難燃剤及び
難燃助剤を配合することができる。難燃剤としては、ハ
ロゲン系やリン系などの公知のものを用いることができ
るが、特に臭素化ポリスチレンが好適である。また、難
燃助剤としては、公知のいずれのものも用いることがで
きるが、特に酸化アンチモンが好適である。該難燃剤及
び難燃助剤は、それらの合計量が、前記の樹脂基剤と無
機充てん剤とを配合したもの100重量部に対して、5
〜25重量部、好ましくは10〜20重量部になるよう
に添加するのが望ましい。この添加量が5重量部未満で
は十分な難燃効果が得られないし、25重量部を超える
と樹脂の分解劣化が生じる傾向がみられる。
【0018】さらに、本発明組成物には、本発明の目的
がそこなわれない範囲で、所望に応じ、一般に用いられ
る各種添加剤、例えば耐候剤、帯電防止剤、着色剤、カ
ップリング剤などを配合することができる。
【0019】本発明の複合樹脂組成物の調製方法につい
ては特に制限はなく、一般の公知の方法を用いることが
できる。例えば、前記の樹脂基剤、無機充てん剤、酸化
防止剤、核剤及び所望に応じて用いられる各種添加成分
を、押出機、ニーダー、ロール、バンバリーミキサー、
高速ミキサーなどで混練することにより、調製すること
ができる。このようにして得られた本発明の複合樹脂組
成物は、公知の成形方法、例えば射出成形や押出成形な
どの方法により、所望形状に成形することができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の複合樹脂組成物は、構造材とし
て使用可能な強度や弾性率をもち、かつ高い反発係数と
低い摩擦係数とを有し、衝突エネルギーや振動エネルギ
ーが変化しても一定の反発係数及び振動吸収が得られる
上、吸水性が低く、かつ耐熱性に優れ、さらには従来の
耐熱性樹脂に比べて低い金型温度で成形が可能であっ
て、成形サイクルも短くすることができるなど、成形性
も良好であるなどの特徴を有し、反発制御材料や振動制
御材料などとして極めて有用である。
【0021】したがって、本発明の複合樹脂組成物は、
反発制御性や低摩擦係数が要求される用途、例えば工業
用小型部品や鋼球(ベアリング、パチンコ球など)の製
造ライン、両替機・コインゲーム機・自販機などの内部
のコイン誘導路、パチンコ機内や店内などのパチンコ球
の誘導路などの中間に設けられたシューターやホッパー
の材料、あるいは該シューターやホッパーを通過するコ
イン、球、カードなどの材料として、また、振動制御性
や低摩擦係数が要求される用途、例えばスキー板、ゴル
フクラブ、各種ラケットなどのスポーツ用品などの内部
材料として、さらには低摩擦係数や耐熱性(低吸水性)
が要求される用途、例えばDIPスイッチやコネクタな
ど、SMT対応材料などとして好適に用いられる。
【0022】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明は、これらの例によってなんら限定され
るものではない。
【0023】なお、成形体の物性及び組成物の加工安定
性、成形性は、次に示す方法により求めた。
【0024】(1)曲げ強度及び弾性率 ASTM D−790に準拠して求めた。曲げ強度は2
000kg/cm2以上、弾性率は80×103kg/c
2以上が目安。 (2)アイゾット衝撃(ノッチなし) ASTM D−256に準拠して求めた。65kg/c
m以上が目安。 (3)吸水率 100×100×3mmの成形体を23℃の水に48時
間浸せきしたのち、次式により算出した。0.9%未満
が目安。 吸水率(%)=(浸せき後の重量−浸せき前の重量)/
浸せき前の重量×100 (4)最小充てん圧 流動性の評価方法として、100×100×3mmの成
形体を射出成形時、ショートショットすることなく成形
可能な最小射出圧の実測値で示す。60kg/cm2
満が目安。
【0025】(5)反発係数 衝突エネルギーが変化しても安定した反発係数が得られ
ることを評価する方法として、100×100×3mm
の成形体を水平にクランプにて振れの発生がないように
堅牢に固定し、その垂直上100cm、70cm、40
cmの各高さより直径12mmの鋼球を落下させ、はね
返った高さより、反発係数を次式により算出した。 反発係数=√S2/√S11:落下高さ、S2:反発高さ 反発係数が0.7以上で、かつ100cm落下データと
比較し、70cm、40cmのデータが±3%以内が目
安。
【0026】(6)ホッパー通過時間 図1はホッパー通過試験の説明図、図2は試験に用いた
ホッパーの詳細図である。樹脂組成物を用いて図2に示
すホッパーを作成し、試験に供した。図1に示すよう
に、直径15mmの鋼球を0.4秒間隔で100個連続
でホッパー上方100mmの位置(A点)より、排出口
から最も遠い部分に落下させ、1個目の鋼球が排出口下
150mmの位置(B点)に到達した時間と100個目
が到達した時間とを測定し、その差を算出する。
【0027】(7)難燃性 UL−94に準拠して求めた。 (8)動摩擦係数 鈴木式摩擦摩耗試験機(リング/プレート法)を用い、
荷重:688g/cm 2、周速:500mm/sec、
時間:60分、相手材(リング側):S45Cの条件で
求めた。0.45以下が目安。
【0028】(9)組成物の加工安定性 組成物の劣化分解の有無の評価方法として、押出機にて
組成物製造時ストランドの安定性を、次の基準に従い目
視判定した。 ○:安定してストランドが得られる。 △:分解ガスが発生し、時々ストランドがとぎれる。 ×:ストランドを全く引くことができない。
【0029】(10)組成物の低温金型での成形性 低温金型での成形性の評価方法として、金型温度を90
℃としたとき、外観の良好な成形体が得られる最短の冷
却時間(秒)を求めた。30秒以下が合格。
【0030】実施例1〜5、比較例1,2 ポリフタルアミド(アモコ社製、商品記号A1000H
N、以下PPAと略記)と46ナイロン(ユニチカ製、
商品記号F5000、以下46PAと略記)と、ポリフ
ェニレンスルフィド(出光石油化学社製、商品記号出光
PPS直鎖型、以下PPSと略記)とを、表1に示す割
合で含む樹脂基剤60重量部に、充てん剤としてガラス
ファイバー(旭ガラスファイバー製、商品記号CS03
JAFT513、以下ガラスファイバーと略記)30重
量部及び硫酸バリウム(平均粒径5μm)10重量部を
配合し、さらに核剤としてステアリン酸カルシウム0.
2重量部及びホウ酸亜鉛0.2重量部を、また酸化防止
剤としてヨウ化第一銅0.05重量部を加え、池貝鉄工
所製、二軸押出機(PCM−45)を用いて、温度27
0〜290℃で混合することにより複合樹脂組成物を調
製した。次いで、この組成物を、日精樹脂工業製、射出
成形機(FS−150)を用い、シリンダー温度270
〜290℃、金型温度90℃で射出成形し、板状体(1
00×100×3mm)を得た。このものの物性を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この表から明らかなように、樹脂基剤中の
PPAの量が40重量%未満のものは吸水率が高い上
に、一定した反発係数を得ることができないし、またP
PAの量が80重量%よりも多くなると流動性が低下し
て最小充てん圧が高くなる上に一定した反発係数が得ら
れない。
【0033】実施例6〜9、比較例3,4 表2に示す組成の樹脂基剤を用い、他はすべて、実施例
1と同様にして複合樹脂組成物を調製した。この組成物
を用いて、実施例1と同様にして成形した板状体の物性
を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】この表から明らかなように、樹脂基剤中の
脂肪族ポリアミドの量が10重量%未満では最小充てん
圧が高くなるし、また40重量%よりも多くなると吸水
率が高くなる上に、一定した反発係数が得られない。
【0036】実施例10,11 実施例3における46PAの代りに、66ナイロン(ユ
ニチカ製、商品記号F5000、以下66PAと略記)
又は6ナイロン(鐘紡製、商品記号MC102、以下6
PAと略記)を用い、他は全く同様にして複合樹脂組成
物を調製した。この組成物を用いて実施例3と同様にし
て成形した板状体の物性を表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】この表から明らかなように、46PAを6
6PA又は6PAに変えても、良好な物性のものが得ら
れる。
【0039】実施例12〜14、比較例5,6 表4に示す組成の樹脂基剤を用い、他はすべて、実施例
1と同様にして複合樹脂組成物を調製した。この組成物
を用いて、実施例1と同様にして成形した板状体の物性
を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】この表から明らかなように、樹脂基剤中の
ポリフェニレンスルフィドの量が30重量%よりも多い
と、衝撃強度が低下し、かつ動摩擦係数が高くなるし、
また10重量%未満では最小充てん圧が低くなる上に、
一定の反発係数が得られない。
【0042】実施例15〜19 実施例3と同様の樹脂基剤60重量部に対し、表5に示
す充てん剤を合計40重量部の量で配合し、他は、実施
例3と全く同様にして複合樹脂組成物を調製した。この
組成物を用いて、実施例3と同様にして成形した板状体
の物性を表5に示す。
【0043】
【表5】
【0044】このように充てん剤の種類を変えても、良
好な物性の板状体が得られる。なお、表中のチタン酸カ
リウムウイスカーとしては大塚化学製、商品名テイスモ
D102、カーボンファイバーとしては三菱化成製、商
品記号K223GM、硫酸カルシウムとしては平均粒径
15μm、炭酸カルシウムとしては、平均粒径10μ
m、タルクとしては平均粒径5μm、マイカとしては2
00メッシュのものを用いた。
【0045】実施例20〜23、比較例7,8 実施例3で用いたのと同じ組成をもつ樹脂基剤40〜9
3重量部と、表6に示す充てん剤60〜7重量部とを混
合し、他は、実施例3と全く同様にして複合樹脂組成物
を調製した。この組成物を用いて、実施例3と同様にし
て成形した板状体の物性を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】この表から明らかなように、無機充てん剤
の合計量が50重量部よりも多いと、最小充てん圧が高
くなる上に、一定した反発係数が得られないし、またこ
の量が10重量部未満では曲げ強度及び曲げ弾性率が低
く、しかも一定した反発係数が得られない。
【0048】実施例24〜29 実施例3と同じ樹脂基剤を用い、表7に示す繊維状充て
ん剤を配合し、他は、実施例3と同様にして複合樹脂組
成物を調製した。この組成物を用いて、実施例3と同様
にして成形した板状体の物性を表7に示す。
【0049】
【表7】
【0050】この表から明らかなように、10〜50重
量部の範囲内で充てん剤の種類、繊維状充てん剤と粒状
充てん剤との割合を変えても良好な物性が得られる。
【0051】実施例30〜32、比較例9,10 実施例3において、核剤の種類又は添加量を表8に示す
ように変えること以外は、全く実施例3と同様にして複
合樹脂組成物を調製し、それを用いて板状体を成形し
た。得られた板状体の物性を表8に示す。
【0052】
【表8】
【0053】この表から明らかなように、核剤を添加し
ない場合には、所望の物性を得るのに長い冷却時間を要
するし、また核剤の添加量が過剰になると結晶化が過度
に進行して、衝撃強度が低下する。
【0054】実施例33〜35、比較例11 実施例3において、酸化防止剤の種類及び添加量を表9
に示すように変えること以外は、全く実施例3と同様に
して複合樹脂組成物を調製し、それを用いて板状体を成
形した。得られた板状体の物性を表9に示す。
【0055】
【表9】
【0056】この表から明らかなように、酸化防止剤を
添加しないと、加工時の樹脂の劣化を生じ、かつガスに
よる発泡を生じ、成形が不可能であるが、酸化防止剤を
添加すれば、良好な物性をもつ成形体が得られる。
【0057】参考例1〜7 実施例3で得た複合樹脂組成物に対し、表10に示す難
燃剤、難燃助剤を加え、その影響を調べた。その結果を
表10に示す。なお、表中の重量部は樹脂基剤と無機充
てん剤との合計量100重量部に対する値である。
【0058】
【表10】
【0059】この表から明らかなように、この組成物に
おいて、難燃剤、難燃助剤の作用はなんらそこなわれる
ことはない。なお、この例で使用した臭素化ポリスチレ
ンは日産フェロ有機化学社製、パイロチェック68P
B、臭素化架橋ポリスチレンは、マナック社製、EBR
−370FK、三酸化アンチモン及び四酸化アンチモン
は三国精錬社製である。また、表中のDBDPEはエチ
ル社製デカブロモジフェニルエーテルである。
【0060】参考例8 実施例3で得た複合樹脂組成物と、PPA単独、46P
A単独、PPS単独のそれぞれ70重量部に、充てん剤
30重量部を配合したもの、及びポリカーボネート(出
光石油化学社製、商品記号A2200、PCと略記)、
アクリロニトリルブタジエンスチレン(JSR社製、商
品記号ABS−35、ABSと略記)のみについて、実
施例3と同様にして板状体を成形した。そのものの物性
を表11に示す。
【0061】
【表11】
【0062】この表から明らかなように、本発明の組成
物は他の樹脂比べ優れた物性を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ホッパー通過試験の説明図。
【図2】 ホッパー通過試験に用いたホッパーの四面
図。
フロントページの続き (72)発明者 大川 秀夫 東京都千代田区神田和泉町1番地277 カ ルプ工業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフタルアミド40〜80重量
    %と、脂肪族ポリアミド10〜40重量%と、ポリフェ
    ニレンスルフィド10〜30重量%とから成る樹脂基剤
    90〜50重量部と(B)無機充てん剤10〜50重量
    部とを全量100重量部になるように配合したものに、
    有効量の酸化防止剤及び核剤を添加して成る複合樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】 樹脂基剤中のポリフタルアミドがヘキサ
    メチレンジアミンとイソフタル酸又はテレフタル酸ある
    いはその両方を主なモノマーとした縮合物である請求項
    1記載の複合樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 樹脂基剤中の脂肪族ポリアミドが6ナイ
    ロン、66ナイロン及び46ナイロンの中から選ばれた
    少なくとも1種である請求項1又は2記載の複合樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 無機充てん剤が繊維状物質又は粒子状物
    質である請求項1、2又は3記載の複合樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 無機充てん剤が繊維状物質と粒子状物質
    との組み合せである請求項1、2又は3記載の複合樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 繊維状物質が、ガラス繊維、炭素繊維及
    びチタン酸カリウムウイスカーの中から選ばれた少なく
    とも1種である請求項4又は5記載の複合樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 粒子状物質が炭酸カルシウム、硫酸バリ
    ウム、硫酸カルシウム、タルク、マイカ及びウォラスト
    ナイトの中から選ばれた少なくとも1種である請求項4
    又は5記載の複合樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 核剤がハイドロタルサイト、ステアリン
    酸カルシウム及びホウ酸亜鉛の中から選ばれた少なくと
    も1種である請求項1ないし7のいずれかに記載の複合
    樹脂組成物。
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