JPH0717708A - 高結晶性トバモライトの製造方法 - Google Patents

高結晶性トバモライトの製造方法

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JPH0717708A JP16545793A JP16545793A JPH0717708A JP H0717708 A JPH0717708 A JP H0717708A JP 16545793 A JP16545793 A JP 16545793A JP 16545793 A JP16545793 A JP 16545793A JP H0717708 A JPH0717708 A JP H0717708A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は建築材料等に使用される結晶性の高い
高品質なトバモライトを短時間のオートクレーブで製造
することが出来る製造方法を目的としている。 【構成】非晶質珪酸原料として珪酸、水酸化カルシウ
ム、水酸化アルミ、水酸化リチウムを夫々配合し、水2
50重量部を加えて撹拌した混合物を80℃で6時間保
持して反応させ、アルミニウム及びアルカリを含有した
CaO−SiO2 −H2 Oゲルを生成させた後で、さら
に180℃、10気圧の高温高圧条件下のオートクレー
ブで30分反応させ、高結晶性トバモライトを製造する
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱材料、プラスチッ
ク用フィラー、触媒の担体、建築材料等に使用される高
結晶性の珪酸カルシウム水和物のトバモライトを極めて
短時間のオートクレーブで製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来トバモライト(Ca5 (Si6 16
(OH)4 )・2H2 O)は、一般的に、石英、珪石等
の溶解性の低い、結晶質珪酸原料と石灰を原料に、18
0℃、10気圧のオートクレーブ反応により合成され
る。この反応は、オートクレーブ反応初期に珪酸質原料
より溶出する珪酸イオンと石灰質原料より溶出するカル
シウムイオンが反応して非晶質様の中間生成物であるC
aO−SiO2 −H2 Oゲル(以下C−S−Hゲルと称
す)を生成し、さらにオートクレーブ反応により、この
C−S−Hゲルがトバモライト結晶化する。
【0003】この方法は溶解性の低い原料を使用するた
め、トバモライト結晶を得るために、約180℃、10
気圧の高温高圧下で10〜15時間と長時間を要してい
る。
【0004】一方珪酸原料に溶解性の高い非晶質珪酸原
料を用いた場合は、オートクレーブ中での珪酸原料の溶
解は早く、溶解速度の遅い結晶性珪酸原料を用いた場合
より早くC−S−Hゲルが生成するが、C−S−Hゲル
が生成するのみで、その後の反応が進行せず高結晶性の
トバモライトは生成しにくく、反応時間はかえって長く
かかり、場合によってはトバモライト結晶は得られな
い。(セメント技術年報82 昭45)
【0005】この問題を解決するために、非晶質珪酸原
料と石灰質原料にアルミニウム化合物を添加してオート
クレーブを行う方法が提案されている。アルミニウム化
合物を添加しない場合と比較すると、アルミニウム化合
物が結晶生成反応を促進して、トバモライト結晶を生成
する。しかし、中間生成物であるC−S−Hゲルの無い
高結晶性トバモライトを得るためには10時間と長時間
を要している。(セメント技術年報 35 昭46)し
たがって、結晶質の珪酸原料をもちいた場合と比較して
大幅な時間短縮には成らない。
【0006】トバモライト結晶構造中のシリカチェーン
のSi原子の一部をアルミニウム(Al)原子により同
形置換し、この置換によって生じた電荷を補償するため
に、層間のCaの一部をKまたはNaが置換したアルミ
ニウム置換トバモライトの合成も報告されている。この
アルミニウム置換トバモライトは、石灰質原料と珪酸原
料にアルミニウム化合物、アルカリ化合物を添加して、
直接、オートクレーブ養生を行い、合成する方法が提案
されているが結晶性トバモライトを得るのに長時間を要
している(J.Am.Ceram.Soc.74 〔2 〕274-79(1991)、セ
メント技術年報38 昭62) 。
【0007】また、石灰質原料と非晶質珪酸原料にアル
ミニウム成分をその組成中に含む高炉スラグとアルカリ
金属の水酸化物を添加して、オートクレーブ反応によら
ず、100℃以下の常圧下でトバモライト結晶を製造す
る方法(特開平4ー139017号公報)が発明されて
いるが、この方法ではトバモライト結晶を得るのに15
時間〜45時間と反応に時間がかかり、X線回折のチャ
ートから判断してその結晶性はあまり高くない。
【0008】現在、高結晶のトバモライトを短時間で生
成する唯一の報告として、石灰質原料と特殊なゼオライ
トであるクリノブチライトを珪酸質、アルミニウム、ア
ルカリ源とした反応例が報告されている(Mineralogical
Journal vol.6 No.3 1970)。クリノブチロライトは、
アルカリとアルミを含む低い結晶性のゼオライトであ
る。その特異な構造が高い反応性を示すと考えられ、他
のゼオライトではハイドロガーネットが生成するのに対
して、クリノブチロライトを用いた場合は、ハイドロガ
ーネットが生成せず、トバモライト結晶が生成すると報
告している。この方法による場合、特殊な原料であるク
リノブチロライトを主要原料とせねばならず、汎用性が
あり安価に入手可能な非晶質珪酸原料を主原料とするこ
とが出来ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来技術
では溶解速度の早い非晶質珪酸原料を用いると逆にトバ
モライト結晶の生成は極めて遅くなり、トバモライトを
合成するためには、あえて、溶解速度の遅い結晶質珪酸
原料を用いなければならなかった。また、非晶質珪酸原
料にアルミ化合物を添加して反応を促進しても、トバモ
ライト結晶生成する時間は溶解速度の遅い結晶質珪酸原
料を用いた場合と同じ程度までしか向上せず、特殊な原
料を用いる以外にトバモライト結晶を短時間で得る方法
はないという欠点があった。珪酸カルシウム建材を生産
するプロセスにおいて、その生産性をさらに向上させる
ことが切望されており、そのためには汎用性のある安価
な原料を用いてトバモライト結晶をより短い時間で生成
させるという課題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、石灰質原料と
非晶質珪酸原料の主原料にアルミニウム化合物とアルカ
リ金属化合物とを共存させ、100℃以下の一次反応と
100℃以上のオートクレーブとによる二次反応を組み
合わせることにより、極めて短時間で高結晶性のトバモ
ライトを得ることが出来るとの知見を得て、本発明を完
成させるに至った。即ち、本発明者らは、トバモライト
結晶の生成機構を詳細に検討し、従来の水熱反応条件
(たとえば180℃飽和蒸気圧雰囲気)では、結晶質珪
酸原料を用いた場合には、反応中間生成物であるC−S
−Hゲルからはトバモライト結晶化反応が起こりやす
く、非晶質珪酸原料を用いた場合にはC−S−Hゲルか
らはトバモライト結晶化反応が起こりにくいことに着目
した。すなわち、反応中間生成物であるC−S−Hゲル
はX線回折によるバルク構造解析からは、同様の回折パ
ターンを与えるものの、それぞれの原料を用いた場合に
生成する中間生成物であるC−S−Hゲルのミクロ構造
が異なると推定した。そこで、種々の方法によりC−S
−Hゲルを合成し、トバモライト結晶への反応性を検討
した。その結果、非晶質珪酸原料にアルミニウム化合物
とアルカリ金属化合物を共存させ、100℃以下の温度
で石灰質原料と予め反応させてる一次反応によって得ら
れるアルミ、アルカリを含有したC−S−Hゲルを得
て、ついで100℃以上の温度をオートクレーブにより
二次反応させることにより、極めて短時間でも高結晶性
のトバモライトを得られることができることを発見した
のである。
【0011】すなわち、本発明は石灰質原料と非晶質珪
酸原料を主成分として、水熱反応させる珪酸カルシウム
水和物の製造法において、該原料に対して含アルミニウ
ム化合物がAl/Si+Alモル比で0.01〜0.
2、アルカリ金属化合物がR/Alモル比で0.01〜
10となるように添加し、100℃以下で30分〜8時
間、反応させ、さらに、100℃以上のオートクレーブ
による二次反応を行うことにより、30分〜6時間程度
のきわめて短時間で高結晶性のトバモライトの製造であ
る。本来、トバモライトは130℃から180℃で安定
な珪酸カルシウム水和物であるが、100℃以下の反応
で生成した。きわめてトバモライトに結晶化しやすい構
造をもったアルミ、アルカリ含有C−S−Hゲルを、こ
の安定領域に投入すること、つまり、その後の100℃
以上のオートクレーブによる水熱反応を行うことにより
きわめて短時間で高結晶性のトバモライトを製造するこ
とができる。
【0012】本発明に使用する石灰質原料はセメント、
石灰等一般に珪酸カルシウム水和物を合成するのに使用
されている石灰質原料が使用できる。また、非晶質珪酸
原料は珪酸、シリカフューム、フライアッシュ、コロイ
ダルシリカ、ケイソウ土、シラス、黒曜石、その他ポゾ
ラン物質等が使用可能で溶解性の良い珪酸原料ならばよ
く、また、石英等の結晶質の原料であっても、細かく粉
砕した溶解性の高い原料であれば使用可能である。
【0013】含アルミニウム化合物としては、水酸化ア
ルミ、酸化アルミ、硫酸アルミ、塩化アルミ等のアルミ
ニウム化合物及び金属アルミニウム、ボーキサイト、ベ
ーマイト、ダイアスボア、セメント粘土、などのアルミ
ニウムを10%以上含有する天然鉱物、シリカフュー
ム、フライアッシュ、高炉スラグの様なアルミニウムを
10%以上含有する産業副産物等を単独で、あるいはこ
れらを組み合わせて用いることができる。アルカリ金属
化合物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウムの
アルカリ金属水酸化物を原理的に用いることができる
が、アルカリ金属水酸化物を用いる場合は経済性の観点
から、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムが望ましい。アルカリ金属水酸化物以外でも、容易
に溶解して塩基性水溶液となるアルカリ含有物質であれ
ば原理的に使用可能である。また、場合によってはアル
ミン酸ナトリウム等のアルミ、アルカリ化合物や水ガラ
スなどのアルカリ珪酸塩も使用可能である。また、過剰
に用いたアルカリは、反応後トバモライト結晶と分離回
収し、再度使用することも可能である。これらは、それ
ぞれ単独で用いることもできるが、経済性を考慮して、
組み合わせて用いることもできる。
【0014】含アルミ化合物は、Al/Si+Alモル
比が0.01〜0.20、好ましくは0.01〜0.1
6となるようにする。0.01以下では本発明の効果は
発揮されず、0.20以上ではハイドロガーネット等の
副生成物が生成しトバモライトの生成を抑制する。ま
た、アルカリ金属化合物はR/Alモル比で0.01〜
10、好ましくは0.1〜3.0とする。ここでRは、
Li,Na,K等のアルカリ金属を指す。0.01以下
では本発明の効果は発揮されず、10以上では促進効果
が見られない。水/固形分比(W/S)は成形体を得よ
うとする場合は、20以下、さらに好ましくは10以下
が望ましいが、トバモライト結晶のスラリーを所望の場
合はこの範囲に限定されるものではない。
【0015】上記原料をまず100℃以下で、好ましく
は60〜90℃で加熱することによって加えた原料を反
応させ、アルミ、アルカリを含んだCaO−SiO2
2Oゲル(C−S−Hゲル)が生成するまで行う。通
常、100℃以下で30分から8時間でアルミ、アルカ
リを含んだC−S−Hゲルが生成する。反応装置は特に
限定されるものではなく、ヒーターや熱媒で加熱し、所
望の温度をコントロールできる装置ならばよく、容器内
は相対湿度65%以上を保つことが望ましい。また、反
応原料の形態は水/固形分比(W/S)によってスラリ
ー状、固形物状いずれの状態でもよく、スラリーの場合
は撹拌をおこなっても、行わなくても良いが、反応を促
進する意味で撹拌を行うことが望ましい。
【0016】このアルミ、アルカリを含んだC−S−H
ゲルをオートクレーブを用いて、100℃以上の飽和水
蒸気圧下で水熱反応を行う。オートクレーブ反応の温
度、圧力の条件にもよるが30分から6時間の養生時間
で高結晶性のトバモライトを得ることができる。例えば
180℃10気圧でオートクレーブ養生を行った場合、
約30分から2時間ときわめて短時間で高結晶性のトバ
モライトを得ることができる。水熱反応は、100〜2
50℃の飽和水蒸気が存在する条件であれば原理的に実
施することができる。反応時間短縮と経済性の観点から
好ましくは、高温側の180℃付近が適切な温度である
がこれに限定されるものではない。
【0017】反応は100〜250℃の飽和水蒸気雰囲
気を形成できれば特定の反応器に限定されるものではな
い。例えば、加熱する方法に関しては、外部からヒータ
ー、あるいはオイルなどの熱媒で加熱する方法、蒸気を
吹き込む方法、または、高周波発生装置などによって加
熱して水熱反応を行うことができる。前記の100℃以
下の反応及びオートクレーブによる反応に要する時間
は、原料の組成等により異なるが概ね100℃以下の反
応時間が長い程、オートクレーブ反応に要する時間は短
くて済むといえる。
【0018】
【作用】本発明に於いては、上述の如く、石灰質原料と
非晶質珪酸原料の主原料にアルミニウム化合物とアルカ
リ金属化合物とを添加し、100℃以下の温度で一次反
応を行ってアルミニウム及びアルカリを含有したCaO
−SiO2 −H2 Oゲルを生成させた後で、さらに10
0℃以上のオートクレーブで二次反応を行うので、30
分〜6時間の極めて短時間で高結晶性のトバモライトを
製造することが出来る。
【0019】
【実施例】本発明に係るトバモライトの製造方法の具体
的実施例を説明すると次の通りである。本実施例におい
てトバモライト結晶性を確認するために、X線回折法
(以下XRDと称す)の2θ(Cukα)=7.8、1
5.9、28.7、29.9、31.6の各ピークのバ
ックグラウンドを除去し、スムージングを行った後に強
度を積算し比較した。測定条件は、測定角度5〜45度
(2θ)、ステップサンプリング0.02/度、スキャ
ンスピード2度/min、電圧30kv、電流15m
A、測定ポイントはCPSであった。
【0020】
【実施例1】石灰質原料として水酸化カルシウム、非晶
質珪酸原料として珪酸と含アルミニウム化合物として水
酸化アルミニウムを、アルカリ金属化合物として水酸化
リチウムを表1に示した組成になるように配合し、水2
50重量部を加えて撹拌した混合物を80℃で6時間保
持して反応させた。続いて、前記反応によって得られた
ものを180℃、10気圧の高温高圧条件下のオートク
レーブで30分反応させた。これを室温の水で急速冷却
した。次に、合成物をマイクロボンベより取り出し、真
空乾燥機で60℃の温度で一昼夜かけて乾燥させた。こ
うして得られた合成物をXRDで測定して結果、トバモ
ライト結晶であることがわかった。得られたトバモライ
ト結晶の回折線強度和は2251cpsであり、結晶性
は極めて高いことがわかった。XRD測定で得られた回
折図形を図1に示した。
【0021】
【実施例2及び3】表1に示す重量組成比で、アルカリ
金属化合物として水酸化ナトリウムならびに水酸化カリ
ウムを用いた他は実施例1と同様な処理を行い合成物を
得た。得られた合成物の回折線強度和は2146cps
ならびに2189cpsであった。
【0022】
【実施例4及び5】表1および2に示す重量組成比でA
l/(Si+Al)モル比を0.06ならびに0.03
とした他は実施例1と同様な処理をおこない、合成物を
得た。得られた合成物の回折線強度和は2096cps
ならびに1983cpsであった。
【0023】
【実施例6及び7】表2に示す重量組成比で、Li/A
lモル比を0.8ならびに3.0とした他は実施例1と
同様な処理をおこない、合成物を得た。得られた合成物
の回折線強度和は2001cpsならびに2177cp
sであった。
【0024】
【実施例8及び9】表3に示す重量組成比で、アルミニ
ウム化合物としてベーマイトならびに酸化アルミニウム
を用いた他は実施例1と同様な処理をおこない、合成物
を得た。得られた合成物の回折線強度和は2305cp
sならびに2145cpsであった。
【0025】
【実施例10】表3に示す重量組成比で、非晶質珪酸原
料としてシリカヒューム、アルカリ金属化合物として水
酸化ナトリウム、アルミニウム化合物として金属アルミ
ニウム粉末を用いた他は実施例1と同様な処理をおこな
い、合成物を得た。得られた合成物の回折線強度和は1
980cpsであった。
【0026】
【実施例11】表3に示す重量組成比で、比晶質珪酸原
料としてコロイダルシリカを用いた他は実施例1と同様
な処理をおこない、合成物を得た。得られた合成物の回
折線強度和は2026cpsであった。
【0027】
【実施例12】表4に示す重量組成比で、非晶質珪酸原
料としてフライアッシュを用いた他は実施例1と同様な
処理をおこない、合成物を得た。得られた合成物の回折
線強度和は2242cpsであった。
【0028】
【実施例13】表4に示す重量組成比で、100℃以下
の反応を60℃で12時間おこなった他は実施例1と同
様な処理をおこない、合成物を得た。得られた合成物の
回折線強度和は2356cpsであった。
【0029】
【実施例14】表4に示す重量組成比で、100℃以下
の反応を90℃で3時間おこなった他は実施例1と同様
な処理をおこない、合成物を得た。得られた合成物の回
折線強度和は2437cpsであった。
【0030】
【比較例1】表5に示す重量組成比で、アルカリ金属化
合物として水酸化カリウムを用い、原料を混合した後に
100℃以下の反応を行わず直接マイクロボンベを18
0℃に加熱しオートクレーブ反応をおこなった他は実施
例1と同様な処理をおこない、合成物を得た。得られた
合成物の回折線強度和は1390cpsであった。
【0031】
【比較例2】表5に示す重量組成比で、アルカリ金属化
合物として水酸化ナトリウムを用い、原料を混合した後
に100℃で120時間反応をおこない、180℃での
オートクレーブ反応を行わない他は実施例1と同様な処
理をおこない、合成物を得た。得られた合成物の回折線
強度和は558cpsであった。
【0032】
【比較例3】表5に示す重量組成比で、アルカリ金属化
合物を添加しないことの他は実施例1と同様な処理をお
こない、合成物を得た。得られた合成物の回折線強度和
は998cpsであった。表1〜5に示したごとく非晶
質珪酸質原料と石灰質原料を主成分としたトバモライト
の製造方法に於いて、含アルミニウム化合物とアルカリ
金属化合物を原料に添加して100℃以下で反応を行っ
た後、オートクレーブ反応をおこなった試料は、きわめ
て短いオートクレーブ時間で結晶性の良いトバモライト
を得ることができる。
(以下余白)
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】本発明に係るトバモライトの製造方法
は、上述の如く、珪酸質原料が非晶質のものを使用し、
含アルミニウム化合物とアルカリ金属化合物とを原料に
添加して100℃以下で反応を行った後で、オートクレ
ーブ反応を行うので、きわめて短時間で結晶性の高い高
品質なトバモライトを製造することが出来る。更に、こ
のように本発明を実施することによって、きわめて短時
間で高結晶性のトバモライトを製造出来るので、トバモ
ライトを主要構成成分とする軽量気泡コンクリート(A
LC)等の珪酸カルシウム建材を短時間に効率良く大量
生産することが出来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】XRD測定で得られた回折図形を示す説明図で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非晶質珪酸質原料と石灰質原料とを主成分
    とし、水熱反応をさせるトバモライトの製造方法におい
    て、前記原料に対して、含アルミニウム化合物がAl/
    (Si+Al)モル比で0.01〜0.2,アルカリ金
    属化合物がR/Al(R=Li,Na,K等)モル比で
    0.01〜10となるようにし、100℃以下の温度で
    反応させ、アルミニウム及びアルカリを含有したCaO
    −SiO2 −H2 Oゲルを生成させた後で、さらに10
    0℃以下のオートクレーブ反応を行うことを特徴とする
    高結晶性トバモライトの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013087052A (ja) * 2011-10-20 2013-05-13 Tomita Pharmaceutical Co Ltd ケイ酸カルシウム系材料の製造方法
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